エレン「そっか、これが…」 (210)


初めての進撃ssです

あらかじめ大まかな概要とオチは決めてますが書き溜めもしてないので
ゆっくり書かせてもらいます


SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1370237009


エレン「なぁアルミン」

アルミン「どうしたんだいエレン」

エレン「回りくどいの苦手だからはっきり言っちまうけどよ




恋したと思う…」








アルミン「へ、へぇー… いったい誰にかい?」

エレン「……サシャ」

アルミン「サシャかぁ…… エレンってサシャとそんなに仲良かったっけ?」

エレン「最近なんだけど、サシャと訓練の班が一緒だった時とかにすごく話すようになってな、それでだ」


アルミン「なんか意外だなぁ」

アルミン「今までそんな素振り見せなかったし、あんまり興味ないもんだと思ってたよ」

エレン「別に興味がないわけじゃなかったんだけどよ、そっちに気が回らなかっただけだよ」

アルミン「そっか ところで僕にそのことを報告したってことは何か協力してほしいのかな?」

エレン「それがよ、サシャのこと気にしちゃってるせいか訓練に身が入らなくてよ…」

アルミン「それはここにいる以上、本末転倒ってことにもなりかねないね…」

エレン「……どうすれば良いと思う?」



アルミン(どうすれば良いかなんて…うーん)

アルミン「エレンはサシャと付き合いたいとかって気持ちはあるのかな?もしそういう気持ちがあってサシャに思いを伝えられたり出来るならフランツとハンナみたいに訓練と空き時間とで切り替えれば上手く行くとは思うけど…」

エレン「付き合いたいとかってのはわからないんだが、気持ちを伝えないまま訓練しててもダメな気がするってのはわかる」

エレン「ただ……気持ちを伝えて今までの関係が壊れるっていうのは避けたいんだよ、あいつと一緒に飯食ったり話したりしてるだけで楽しいなんて思ってる自分がいるわけで…」

アルミン「僕が見た限りじゃサシャはエレンに対して好意は抱いてると思うよ?」

エレン「本当かっ!?」

アルミン「エレンと一緒にご飯食べてる時とかいつも以上に幸せそうだし」



エレン「そっかぁ…じゃあ、いっそのこと俺の気持ち伝えてみるってのもアリなんだな」


ライナー「エレン!」

エレンアルミン(!?)

エレン「ライナー…聞いちまったか?」

ライナー「悪いな、盗み聞きするつもりはなかったんだがこの部屋はお前たちと俺とベルトルトの部屋だってことも忘れるなよ? なぁベルトルト」

ベルトルト「まぁ僕たちも音立てずに聞いてたから全面的にエレンのせいってわけではないけどね」

エレン「すまねぇ、ちょっと最近考えるのは苦手になってきちまってて」



ライナー「そのなんだ…同室のよしみでもあるし仲間なんだ、お前の恋手伝うぜ?」

ベルトルト「そうだよ、エレンは今でさえ高い目的意識があるわけだし恋人作ることでさらに訓練に意欲がわくかもしれない 手伝わないわけないさ」

エレン「!…ありがとうな二人とも」

アルミン「うん、きっとエレンは成功すると思うよ 頑張って」

エレン「ありがとうアルミン…… 早速だがいつ言えば良いと思う?」

アルミン「こういうのは結構ムードとか大切だろうし、食に対しての意識がすごいとは言えサシャも女の子だ、いきなり言っても変な感じにはなるよね」




ライナー「休暇が明後日あるわけだしサシャ連れて街にでも行くのが良いんじゃないか?」

ベルトルト「サシャは休暇を貰うといつも一人で街にご飯食べに行ってるみたいだしね」

アルミン「二人で美味しいもの食べに行こうとか言えば上手く行くと思うよ」

エレン「そうだな そうするか、ありがとう三人とも」

アルミン「じゃあ明日の朝にでも誘ったらどうだい」

ライナー「決まりだな、今日はもう遅い明日の訓練に支障が出てはまずい 寝よう」

エレン「おう」




食事処



エレン「おはよう」

ミカサ「おはようエレン、アルミン」

アルミン「おはよう、ミカサ」

エレン「おっいたいた」


「おはよう、サシャ」


サシャ「エレン、おはようございます 一緒に食べますか?」


エレン「そうだな、食べようかな」

アルミン「僕とミカサは向かうで食べるね」

ミカサ「?なんで?私たちも一緒に食べれば良いのに」

アルミン「僕たちも色んな人と交友を持つべきかないと思って… 僕たち三人はずっと前から友達なわけだし、訓練仲間も出来たほうが良いんじゃないかと思ってね」

ミカサ「……アルミンが言うなら」

エレン「じゃあ二人はまた後でな」


ライナー「アルミン、ミカサ こっち来て食べようぜ」

ベルトルト「ちょうど二人分空いてるよ」

アルミン「行こっかミカサ」

ミカサ「…うん」



サシャ「最近よく一緒になりますね」

エレン「嫌か?」

サシャ「いえいえ、もしろ嬉しいですよ?エレンとご飯一緒に食べるの美味しく感じます」

エレン「そ…そっか、俺も嬉しいぞ」

サシャ「ふふっ、それじゃあ食べましょうか」

エレン「そうだな そういえば明日は久しぶりの休暇だよな、サシャはどうするんだ?」

サシャ「街に行って美味しいもの食べます!」

エレン「そうか!なら一緒にその美味しいもの食べにいかないか?」

サシャ「本当ですか!?」

ビクッ

エレン「あ、ああ 本当だ!嫌か?」

サシャ「行きましょう!あー楽しみですねぇ そのこと考えたら今日の訓練なんかへっちゃらですよ!」

エレン「良かった、じゃあ今日の訓練も頑張ろうな!」

サシャ「はい!!」




ミカサ「…………」



あれ?ID変わった




訓練終了後




エレン「今日も疲れたな、朝は三人ともありがとう」

アルミン「別に良いよ、いくら家族とは言えミカサも一緒だと誘いずらいだろうし」

ベルトルト「そうだね、ミカサはあんまりしゃべらないってことはわかったけど、エレンの方を気にしてたのはわかったかな」

ライナー「そうだな、きっとあいつ明日二人が出掛けるの聞いてたな」

エレン「まあ、あいつは俺に気を使いすぎなだけだ 家族を失う悲しみは俺もわかってるつもりだが訓練中とかは気にしなくても良いのによ」

アルミン「まあ、二人が出掛けるのを邪魔したりなんかはしないよ、きっと」

ライナー「そうだと良いが…」



女子寮




ミカサ「サシャ」

サシャ「あっ、どうしました?ミカサ」

ミカサ「明日の休暇はどこか行くの?」

サシャ「はい!エレンと街にご飯食べに行ってきます!」

ミカサ「そう… サシャ、一言良いかしら」

サシャ「はい、どうしましたか?」

ミカサ「私とエレンは家族 そして私はこの訓練所ではエレンとアルミン以外ではサシャが一番話をしていてると思うの」


サシャ「そうですね、ミカサとはよく話しますね」

ミカサ「サシャなら成績も悪くないし、エレンは任せられると思っているわ」

ミカサ「もちろん、エレンが私を選んでくれればそれで問題は無いのだけれど家族として長年接しすぎてしまった」

ミカサ「私もエレンもお互いのことを夫婦とかじゃなくて本当の家族だと思ってしまっているわ」

サシャ「そうなんですか、よくわかりませんが、私がエレンのこと好きでいても良いってことなんですね? あんまり気付かれないようにしていたつもりだったんですが、やはりミカサにはお見通しでしたか」

ミカサ「えぇ、そしてたぶんエレンも貴女のことを好きだと思うわ」

サシャ「え!?ほ…本当ですか?//」

ミカサ「明日は頑張ってねサシャ」

サシャ「は…はいぃ//」




クリスタ「なんかすごいこと聞いちゃったね」

ユミル「ミカサがエレンのこと譲ったような感じだったな」

クリスタ「それもそうだけどサシャってエレンのこと好きだったんだね」

ユミル「まぁ、私たちには関係ないだろ 私はそういうのに興味もないしね」

クリスタ「サシャには頑張って欲しいね」

ユミル「へいへい、芋女も恋して普通の女になれりゃいいな」

クリスタ「そういう意味で言ったんじゃないよ、もう!」

ユミル「さぁ、明日の休暇のために今日は早く寝ちまおうぜ私のクリスタちゃん」

クリスタ「そうね、もう寝ましょう」






アニ「…」




男子寮 廊下




ジャン「やっと明日は休みだな 明日はどうするか」

マルコ「体休めるのは大事だけど次の休暇はずいぶんと先になるみたいだし街にでも行かないか?」

ジャン「そうだな…ミカサでも誘えれば良いんだが、どうせエレンがまた一緒だろうしな」

マルコ「ははは、そうかもね おっ?あれはエレンたちじゃないか?」



エレン「明日は緊張するなぁ」

アルミン「エレンなら大丈夫だよ」

ライナー「そうだ、エレンは立派な兵士だ やれば出来るぞ、自信を持て」

ベルトルト「そうだね、きっとサシャも楽しみにしているはずさ」




ジャン「よぉ死に急ぎ野郎 明日もミカサに御守りでもしてもらうのか?」

エレン「なんだとっ!? ………まあいいや、明日はミカサとは一緒じゃないぞ」

ジャン「え?そうなのか?」

エレン「あぁ、明日はサシャと一緒に飯食いに行くんだ」

ジャン「聞いたかマルコ!明日ミカサはフリーだ!誘いに行くぞ」

マルコ「それだと僕が一人になっちゃうんだけど….」

ジャン「いいから行くぞ」




ライナー「あいつも勝てない相手にも戦って行く姿は兵士そのものだな」

エレン「訓練中のあいつは嫌いじゃないのにな」

ベルトルト「そうなのかい?てっきりジャンとはウマが合わないものだとばかり思っていたよ」

エレン「いや、あいつの性格とかは好きじゃねぇが立体機動の技術は素直に認められるし、最近は対人格闘も頑張ってるみたいだしそういう所は認めているさ」

アルミン「エレンは昔からそうだね、努力してる人は嫌いになれない」

エレン「あいつは好きではないがな」

ライナー「お前は色んな奴のことも見ていられるから指揮官向きでもあるのかとしれんな」



アルミン「巨人を見た時に落ち着いて居られればね」

エレン「アルミンも昔から言う時は言うよな…」

ベルトルト「確かに今のアルミンは手厳しいね…ふふ」

アルミン「あー、そんなに落ち込まないでよ! ほら明日はデートだよ!!頑張ろエレン!!!」


ライナー(話そらしたな…)

ベルトルト(話そらしたね、エレンは気づいてるのかな?)

エレン「………」

エレン「まぁ話そらしたみたいだけどいいや サシャに思いを伝えるぞ!!」


ライベル(バレてるし)

アルミン「そうだね、頑張ってね…//」

ライベル(エレンにバレれて恥ずかしがってるアルミン可愛い…//)





休暇当日 訓練所前





サシャ「行きましょうかエレン//」

エレン(あれ?サシャの私服がいつもよりもオシャレかも……//)

エレン「そ、そうだな 行こうかサシャ//」

サシャ(う〜、ミカサが昨日余計なこと言ったせいでなんか恥ずかしいです….//)

エレン「いつもはどんな所行ってるの?」

サシャ「あ、えーと市場とかに行って美味しくて安いもの探したりですね、行きつけの食堂なんかにも行きますよ!」

エレン「じゃあ、まずは市場に行ってみようぜ」

サシャ「はい!」



アルミン「驚いた サシャがあんな服もってるだなんて」

ベルトルト「そうだね、なんか意外だったね」

ライナー「エレンの恋を応援するとは行ったが男三人でデート尾行とはなかなか寂しいな」

アルミン「けど、エレンには成功してもらいたいし 誰が邪魔するかわかったもんじゃないから」

ライナー「それもそうだが」


アルミン「シッ 誰か来るよ!」




クリスタ「ミカサが一緒に出掛けたいなんて珍しいね」

ユミル「せっかくクリスタとのデートを邪魔するなよな」

クリスタ「ユミル! ミカサ、本当はユミルもそんなこと思ってないからね」

ミカサ「ごめんなさい、ジャンの誘いを断るとはいえこんな形になってしまって」

ユミル「まぁ、お前が少し大人になったところを見せてもらったわけだし 今日は許してやるよ」

ミカサ「?何を言っているの?」

クリスタ「あー、盗み聞きするつもりはなかったんだけどね、昨日の夜ミカサとサシャが話してるの聞いちゃったの」

ユミル「しかし、お前がサシャにエレンを譲るとはな」

ミカサ「サシャは本当に良い人 それにエレンが幸せならそれでいいの」

ユミル「自己犠牲とかはあまり感心しないけどお前はもう少し周りを見れても良いからな、これを機に色んな奴と打ち解けてみろよ」

ミカサ「色んな人と打ち解けきれていない貴女に言われてもね…」

ユミル「……」

クリスタ「ユミルは優しいんだよ!ミカサもまずは私たちと仲良くなりましょ」

ユミル「私のクリスタ〜、ミカサにイジメられたから慰めて〜」

ミカサ「ふふっ」

クリユミ(!?)

クリスタ「ミカサもっと笑った方がいいよ!今すごく可愛かった!!」

ミカサ「そう?」

ユミル「と…とにかく街に行くか」

ユミル(私ともあろうものが少し可愛いと思っちまった…//)





ベルトルト「なんだか本当に悲しくなってきちゃった…」

アルミン「ミカサがエレンを譲るなんて… 幼馴染の二人が成長してるんだなって身に染みて感じるよ」

ライナー「これはあの二人を邪魔する奴もいなさそうだし俺らも休暇を満喫しないか?」

アルベル「そうしよっか」

ライナー「じゃあコニーでも誘ってトランプでもしようぜ」

アルミン「コニーがトランプでは一度も勝ったないの知ってて言ってるよね?」

ベルトルト「楽しければ良いのさ」

ライナー「そうだぞ、この世は残酷だ!ははっ」



別にエレサシャを書きたいわけではないので

ちょっと開けますね

また夜にでも。



市場



ガヤガヤ ガヤガヤ


エレン「市場って初めて来たけどすごい賑わってるな」

サシャ「はい!ちょっと人が多いのが苦手ではありますが、こういうところにこそ掘り出し物があるってもんです!」

エレン「それにしても人が多いな はぐれないようにしないとな//」

スッ

サシャ「//……はい」

ギュッ






エレン「えらい買い込んだなぁ」

サシャ「これでも少ない方ですよ?」クスッ

エレン「そうなのか? それじゃいつも荷物多くなっちゃうだろ」

サシャ「そうなんですよ、いつも宿舎まで帰るのが辛くて… あっ!すみません… 荷物思いのに持たせてしまって」

エレン「大丈夫だよ そ…それに荷物は分けて持たないと手繋げないだろ…///」

サシャ「そ…///」カァー

サシャ「そうですね…//」

エレン「それじゃあそろそろサシャ行きつけの食堂にでも行ってみようか お昼の時間だし」

サシャ「そうですね!案内しますよ!こっちです!」

エレン「急がなくても大丈夫だぞ」




サシャ行きつけの食堂




サシャ「ここです!」

エレン「なんか老舗って感じの所だな」

サシャ「はい!優しいおじちゃんとおばちゃんがやってるところなんですよ!」

エレン「楽しみだな」

ガラガラ

サシャ「おばちゃん!お久しぶりです!」

おばちゃん「あら、サシャちゃんじゃないの!いらっしゃい」ニコッ

エレン「結構人いるんだな」

サシャ「ここは料理も美味しいですが、おじちゃんとおばちゃんの人柄が好きな人たちも集まって来る良い所なんです!」

おばちゃん「あら、サシャちゃん彼氏と来てくれたの?うれしいねぇ」

エレサシャ(……///)

サシャ「ち…違いますよぉ〜//」

おばちゃん「照れちゃって可愛いねぇ あそこの席どうぞ!あそこなら他の席からも見えないからゆっくりおしゃべりできるわよ」ニコッ

サシャ「行きましょうかエレン//」

エレン「そうだな//」

ID変わっちゃうんですよね
>>1ですので、すみません
乗っ取りとかじゃないです

>>1はAndroid使ってるはず



サシャ「ここは私特別のメニューをエレンに食べてもらいたいです!」


「おじちゃ〜ん、いつものやつお願いしま〜す!」

「あいよ、サシャちゃん!彼氏さんと二人前だね!」

「だから違いますよぉ〜//」




エレン(サシャといるとドキドキするけどやっぱり落ち着く… いつか巨人を一匹残らず駆逐したらサシャとミカサとアルミンとこんな風にのんびりと暮らせればいいなぁ…)


サシャ「どうしましたエレン?もしかして私特別のメニューとか嫌でしたか?」


エレン「違うぞ!ただな、サシャがこんな良い店を見つけられたのもきっとサシャだからなんだろうな、とか考えてたんだ…」

サシャ「ここには訓練がキツくて嫌になっちゃった時にすごくお世話になりました!こんな優しい場所があったなんてそれこそ私の村ではなかったでしたから!」

サシャ「エレンも嫌なことがあったときはまた私とここに来ましょう!きっと良い気分でまたその次の日から頑張れますよ!」

エレン(たぶん俺はここに来れなくても隣にサシャがいてくれれば嫌なことなんてなくなるんだろうなぁ…」

サシャ「えっ?///」

エレン(やべっ、途中から心の声が…//)

エレン「あっ….いや…その〜…///」

サシャ「じゃあ、私もここに来れない時はエレンの側に居させてくださいね!//」

エレン「お…おう! 俺からも頼むな!//」



おばちゃん「ラブラブのとこ悪いね!サシャちゃんオリジナルの焼肉定食だよ!」ニヤニヤ

サシャ「おばちゃん!そういうのはもういいですから!//」

エレン「恥ずかしいです//」

おばちゃん「ゆっくりおしゃべりしながら楽しく食べて行ってね!」ニコッ


サシャ「おばちゃんが今日はテンション高いです…//」

エレン「けど、良いお店だよな!俺も今度からここに来ようかな!」

サシャ「じゃあまた今度の休暇も一緒に来ましょうね!//」

エレン「おう//」

>>32
>>1ですがiPhoneですよ!



エレン「この肉美味いな!」

サシャ「はい!私の村でもよく食べていましたが猪のお肉を使ってるんですよ!」

エレン「そうなのか、サシャと今日一緒に出掛けて良いとこばかりだな」ニッ

サシャ「そうですか!良かったです!」ドキッ





サシャ「ご馳走様でした!」

エレン「ご馳走様でした ここは俺に払わせてくれ すごく良い気分にさせてもらったお礼をしたい!」

サシャ「いいんですか!それじゃあお願いしますね!」ニコッ




エレン「ご馳走様でした!」

おばちゃん「サシャちゃんのことよろしくお願いね… 時々、悲しくなるくらい辛い表情をあの子は見せるんだ サシャちゃんを守ってあげてね!」

エレン「はい!」






サシャ「さあ、これからどうしますかエレン?」

エレン「まだ門限までは時間があるからあの噴水のある公園にでも行かないか?」

サシャ「いいですよ!」




噴水のある公園







エレン「あそこのベンチにでも座るか」

サシャ「はい!綺麗ですよね、この公園は壁の中だって少しの間忘れされてくれますね!」

エレン「あぁ、ここは本当に良いところだし、俺も思い出がある所なんだ」

サシャ「どんな思い出ですか?」

エレン「俺とミカサとアルミンはシガンシナ区出身でさ、小さい頃からずっと三人一緒だったんだ」

サシャ「幼馴染ってやつですよね!」

エレン「三年前、巨人が現れて壁が壊され俺たちは兵士になることを決めた」

エレン「その時にこの公園でこんな綺麗な景色をもっと見たい、これ以上の絶景やまだ見ぬ海だったりってのを見たいって三人で話したんだ」

エレン「外の世界にはわくわくするような経験が出来るんだろうって」

エレン「そして去年、訓練所に入団する前にここに三人で来て誓ったんだ」

エレン「俺たちが頑張って巨人を駆逐して、綺麗な世界を手に入れようって」

エレン「訓練兵とはいえ死ぬことだってあり得るって思ってな、俺たちはここで命をかけるって決めたんだ」

エレン「だからここは忘れられない場所なんだよ」

サシャ「良いですね!」

サシャ「私には一緒に訓練所で命をかけて頑張ると誓った友達はいませんでしたから少し羨ましいです!」

サシャ「けど、こんな場所に連れて来てくれたってことは…私もその………」

サシャ「一緒に兵士として頑張るって誓った友達になれるでしょうか?」ウルウル




エレン「いや、少し違う」





サシャ「」グサッ


エレン「サシャには巨人を駆逐するって目的では手伝ってもらいたいんだが」

エレン「駆逐し終わってからは違う」

サシャ「そうですよね…… 三人の思いを邪魔しちゃ悪いですよね」グスッ

エレン「巨人を駆逐し終わったら俺の隣にずっといて欲しいんだ 外の世界を冒険する時も綺麗な景色を眺める時だって、一緒にいるだけじゃなくて」



エレン「俺と一緒に人生を共にして欲しいって思ってる!」




サシャ「えっ!?」



エレン「サシャ 好きだ」

エレン「付き合って欲しい」

エレン「俺自身と そして俺の夢にも!」




サシャ「はい! こちらこそお願いします!」






エレン「……」

サシャ「……」

エレン「……」ギュッ

サシャ「……///」




エレン「ありがとう///」



サシャ「……ええよぉ///」








噴水のある公園





クリスタ「これ見ちゃって良かったのかなぁ///」ドキドキッ

ユミル「わかんねぇ///」ドキドキッ

ミカサ「エレンもサシャも幸せそう///」ドキドキッ

クリスタ「もはやエレンのはプロポーズだったよね///」

ユミル「あぁ///」

ミカサ「これ以上は二人に悪い、帰りましょう///」

ユミル「お前は本当大人になったみたいだな」

ミカサ「家族が幸せになることは悪いことじゃない」

クリスタ「早く帰りましょう!ミカサ、帰ったら思いっきり泣いてね!そして笑顔でサシャを迎えてあげましょ」

ミカサ「…うん」




噴水のある公園





マルコ「すごく見ちゃいけないものを見てしまった///」

ジャン「なぁ、あいつってあんな良いやつだったか?///」

マルコ「エレンは良いやつだよ!さあ、早く帰ってみんなでエレンを快く迎えてあげようよ」

ジャン「今日ばかりは死に急ぎ野郎にも花持たせてやるか」






噴水のある公園





エレン「なんか言い終わってからすごく恥ずかしくなってきた///」

サシャ「私は恥ずかしいって気持ちよりも嬉しいって気持ちの方が大きいです!///」

サシャ「私は訓練兵となってミカサやクリスタやユミルに話しかけてもらって友達っていうのをすごく暖かく感じました!」

サシャ「けど、本当に友達って言っても良いのかずっと不安でした」

サシャ「訓練が終わっても友達だって言い続けられるのかずっと不安でした」

サシャ「そう考えると時々どうしても辛くなっちゃうんです」

サシャ「エレンたち三人はいつまでたってもお互いが友達だって言い合えるんだろうなって考えたら」

サシャ「でも、今日からはようやく心の底から安心して過ごせそうです!」

サシャ「エレンは友達よりも絆の深い恋人として私を選んでくれましたから!」

エレン「サシャ…」



エレン「俺はお前を絶対に見捨てないよ!絶対に一緒にいるから!」

サシャ「はい!」ニコッ


エレン「それにはそんな風に自分を追い詰めるなよ?104期生はみんな仲間だ!」

エレン「訓練が終わってもみんな仲間なんだ!」

エレン「誰もサシャを見捨てないし、忘れもしないぞ!」

エレン「まあ…その中でも俺はサシャを一番大切に考えてるってことは忘れるなよ?///」

サシャ「…はい!一生忘れません!」ウルッ




第一部完




エレン「じゃあまた明日な!」

サシャ「はい!おやすみなさい!」

エレン「おやすみ」




エレン(良かった… 気持ちを伝えるだけじゃなくて付き合ってももらえた…)

エレン「明日からサシャを守るためにも必死でやってやる!」




男子寮



ガチャ



エレン「ただいま〜」



アルミン「」ニヤニヤ

ライナー「」ニヤニヤ

ベルトルト「」ニヤニヤ

コニー「」ニヤニヤ

ジャン「」ニヤニヤ

マルコ「」ニヤニヤ



エレン「なんだよお前ら気持ち悪いな」

ライナー「どうだったよデートは」ニヤニヤ

エレン「あー、付き合ってもらえた//」

アルミン「良かったね、エレン!」

ジャン「まぁ俺とマルコは知ってんだけどな」ニヤニヤ

マルコ「ごめんね、たまたま公園で見かけちゃって」ニヤニヤ

コニー「エレンはやるときはやるって信じてたぜ?」ニヤニヤ

ベルトルト「とにかく!」



アルライベルコニジャンマル「おめでとう!エレン!!」



エレン「かぁー、公園でのこと見られてたかー//」

マルコ「ごめんね?」

ジャン「幸せになれよな!そして次は俺がミカサと……グヘヘ//」

ライナー「お前は今日ミカサに一緒に出掛けるの断られたくせにメンタル強いな」ニヤッ

ジャン「なっ…なんで知ってんだよ」

ライナー「伊達に皆の兄貴分やってるわけじゃないからな すべてお見通しだぜ?」ニヤニヤ

アルベル(嘘つけ…)

コニー「ジャンは正常だな!エレンが大人になっちまうし、ライナーとベルトルトとアルミンはトランプで負けねえし、みんな急に遠いとこ行っちまったのかと思ってたぜ!」

ジャン「俺だってこいつの後に続いてやるからな!」

エレン「頑張れよ!」

ジャン「なっ…てめぇ……調子こいてんじゃねー」


ははははは




サシャ(今日は本当に良い日でした!)

サシャ(エレンに好きって言ってもらえただけでなく皆のことも信頼して良いって言ってもらえました!)

サシャ(もう悲しくならなくて済みそうですね!)フフフッ

サシャ(……ミカサには感謝しなきゃいけませんね!)




女子寮



ガチャ




クリスタ「サシャ〜おかえり!」ダキッ

サシャ「!?クリスタ?どうしたんですか?」

クリスタ「公園でのこと見ちゃった// おめでとうサシャ!」

ユミル「芋女にしちゃあ良かったぜ?」ニヤッ

サシャ「あ…ありがとうございます//」

ミカサ「サシャ」

サシャ「ミカサ!」

ミカサ「サシャ、エレンをお願いね?エレンを悲しませたりしたら削ぐからね」

サシャ(目が赤いです… やっぱりミカサも……)

サシャ「はい!命に変えてもエレンは守ります!」

ミカサ「うん、おめでとう!」ニコッ




翌朝 食事処




エレン「おはよう」

ミカサ「おはようエレン、アルミン」

アルミン「おはようミカサ」

アルミン(あっ…ちょっと目が赤い…… けど昨日の様子からして認めてくれてるみたいだね)

サシャ「あっ!エレン!おはようございます!」

エレン「おはようサシャ!」

サシャ「一緒に食べましょ!」

エレン「おう!」

ミカサ「エレン!」

エレン「どうした?」

ミカサ「おめでとう!私も応援してるから!」

エレン「ああ!ありがとうミカサ!」

ミカサ「それじゃあクリスタたちと食べてくるね!」

エレン「おー」



エレン「なんかにやけちまうな//」

サシャ「昨日から恋人ですもんね!//」

エレン「俺、サシャを守れるくらい強くなるから!今日からさらに頑張るぜ!!」

サシャ「私もエレンと一緒にいられる人にきちんとなりますから期待しててくださいね!」



ワイワイガヤガヤ


ミーナ「エレンとサシャがねぇ、なんか意外っちゃあ意外だよね」

ミーナ「けど、お似合いでもあるよね!」

アニ「…そうだね」

ミーナ「いつも朝は調子悪そうだけどなんか今日はいつにもましてって感じだけど大丈夫?」

アニ「…別に どうってことないよ」

ミーナ「それなら良いけど…」

ミーナ「具合悪かったら言ってね」

アニ「…どうも」





ライナー「………」





立体機動訓練





エレン「お?サシャ!また同じ班だな!」

サシャ「やりました!昨日の夜そうならないかなぁって思いながら寝てたら叶っちゃいましたよ!」

エレン「お前…恥ずかしいぞ//」

サシャ「言ってから気付きました//」

エレン「他の班員が変な感じになっちゃうだろ!ごめん…な……」


フランツハンナ イチャイチャ


エレン(アルミン… いつこいつらが訓練中と空き時間で切り替えてるって?)



エレン「よしっ!ミカサやジャンのいる班に負けないように頑張ろうぜ!」

サシャ「はいっ!」






ライナー「よろしくな」

アニ「…ああ」

ライナー「……」



ライナー「なぁ、ちょっと話しても良いか?」

アニ「訓練前だよ?わかってるの?」

ライナー「ああ、すぐに終わる」



ライナー「思いは言葉にしなきゃ伝わらんぞ?」



アニ「…」

ライナー「俺たちは兵士でもあり戦士でもある」

ライナー「しかし訓練兵の時くらいは訓練兵としていても良いんじゃないか?」

ライナー「エレンは今まで見てきた中でも特別だ」

ライナー「別にだからどうこうって訳でもないが、心残りになるようなことにはなるなよ?」

アニ「…意味がわからないね、ほら訓練始まるよ」

ライナー「ああ」

アニ「……」



対人格闘訓練




エレン「気持ちを出し切った分、立体機動はうまく行ったな」

エレン「この調子でやってやるぜ!」

エレン「! アニ! 今日もよろしく頼むぜ!」

アニ「…ああ、今日もひっくり返されに来たって訳ね」

エレン「もう負けないし、その技だって俺のものにしてやるぜ!」

アニ「…そうかい、行くよ!」




ライナー・ミーナ(…アニ、頑張れ!)

ライナー・ミーナ「ん?」



エレン「行くぞっ」ダッ

アニ「っ!」フンッ

エレン「?っ!」ゴッ

アニ「…あんたそんなに弱くて巨人倒しながらあいつ守れると思ってんの?」

エレン「あ? なんだよいきなり」

アニ「もっと強くなりたいんだろ? 私が対人格闘強くしてあげるよ」

アニ「その代わり時間も限られてるんだから毎回私と組みな」

アニ「当分先だと思うけど私に勝ったら一つ言いたいことあるからさ」

エレン「よくわかんねえがアニが特訓してくれるってんなら怖いものなしだな! よろしく頼む」

アニ「ほら、いつまで座ってんのさ 時間は待っちゃくれないよ」

エレン「ああ」






ライナー・ミーナ(不器用だなぁ… そりゃ毎回対人格闘組めるからって言ったってねぇ…… あの調子じゃぁいつになるのやら……)



一週間後 訓練終了後の食事処




サシャ「最近エレンははりきり過ぎじゃないですか?訓練中も何回かフラついてますし…」

エレン「ん?そんなことねえと思うぞ? それに早く強くなんねえと後が大変だ」

サシャ「それにしてもやり過ぎは良くないですよ!」

ミカサ「私もサシャに同感 最近エレンは調子も崩してきてる」

エレン「なんだよ二人とも!俺が強くなるためにやってることを否定するなよ!」

ミカサ「否定はしてない ただ今のままではいつか壊れる」

サシャ「そうですよ!少しは自分の体にも気を遣ってください!」

エレン「あーもういいよ!」ガタッ

エレン「今日は違う所で食べてくる!」

スタスタ





ライナー「まずいな…」




ミーナ「アニがエレンに発破かけたせいじゃない?」ボソボソ

アニ「……違うでしょ」





アニ「……」




男子寮






アルミン「エレン?大丈夫?」

エレン「あ?あー、大丈夫だ 心配いらねえ」

アルミン「二人の肩を持つわけじゃないけど最近のエレンが少し疲れ気味なのは事実だよね?それはエレンが一番よくわかっていると思うんだけど……」

エレン「……わかってはいるけどよ」

エレン「訓練兵になって一年もたちゃイヤでも気づいちゃうだろ…」

エレン「自分には才能がないって!」

エレン「ミカサは何でも出来て成績も一番、その上並の兵士百人分の力があるとか言われてるんだぜ?」

エレン「アニはお父さんから教わったら格闘術が優れているし、ジャンなんかは立体機動が本当にすごい」

エレン「ライナーやベルトルトだってミカサに隠れてはいるがセンスは抜群だ!」

エレン「アルミンには誰も考えつかないようなことだって導き出せる頭がある」

エレン「俺には何も無いんだよ…」

エレン「そうなりゃ少しでも密度の濃い訓練するしかないじゃないか!」

アルミン「エレン……」

エレン「…悪いもう寝るわ」

アルミン「おやすみ……」

ライナー「……」




翌日 早朝




ダッダッダッダッ



エレン「ハァハァハァ」

エレン(時間は待っちゃくれねえ)

エレン(少しでも早く少しでも早く強くならなきゃ)




キース「………」



朝 食事処




サシャ「一緒に食べましょうかエレン!」

エレン「あ…ああ」

サシャ「昨日はすみませんでした」

サシャ「けどエレンのこと心配なんです!」

サシャ「少しは休んでくださいね?」

エレン「………わかったよ」

サシャ「そうですか」パァァ

サシャ「それじゃあ今日も頑張りましょうね!」ニコッ

エレン「……ああ」





ミカサ「………」



ミカサ「アニ」

アニ「…なんだい?」

ミカサ「今日の対人格闘はエレンと組まないで欲しい」

アニ「なんで?」

ミカサ「貴女が一番よくわかっているでしょ?」

ミカサ「今のエレンは見るからに弱ってる」

アニ「私だってあいつには強くなってもらいたいと思ってるんだよ?そうじゃないとあいつは本当に死に急ぎ野郎になっちまうからね」

アニ「私だって何もあいつを壊したいって訳じゃないさ」

アニ「本当にヤバそうだったら私から今日はやめようって言うよ」

ミカサ「…わかった」



対人格闘





アニ「あんた訓練中に死ぬ気かい?」

エレン「は?」

アニ「死に急ぎ野郎なんてのはアダ名に過ぎないし巨人にさて万全の状態ならそう簡単にはやられないだろうけどさ、今の体じゃ訓練中に死ぬよ」

エレン「今のままじゃなにやったって死ぬだけだ!早く強くならなきゃいけないんだよ!」

アニ「目的意識が高いだけじゃ強くはなれないよ」

エレン「さっきから口しか動いてないぞ!早く訓練するぞ!」

アニ「…あっそ」



エレン「うおらぁっ!」ダッ

アニ「シッ!」シュッ

エレン「うお?」フラッ

アニ(!?ヤバイ!?)



ドゴッ!!




ミカサ「!?」

サシャ「!?」

ミカサ・サシャ「エレン!?」

アニ「えっ…… えっ………」




アニ「エレン!?!?」





あれ?


ここはどこだ?


俺はさっき……


対人格闘の訓練で

いつもみたいにアニと組んで

あーそうだ

俺がアニの足技受ける前にフラついたんだ

で、今の俺はなにやってんだ?



ん?

誰かが呼んでんのか?





……ン………レン


…………エレン……………エレン!?




エレン「んあ?」

サシャ「エレン!!」ダキッ

エレン「サシャか?」




サシャ「あんたなにしとんの!!!」グスッ



サシャ「しっかりせなあかんでしょ!!!」



サシャ「私との約束破る気ですか」ウルウル



サシャ「…無事で良かったです!」ウルッ




エレン「…本当にごめんなサシャ」ナデナデ

ミカサ「エレンはもっと反省すべき」

エレン「ミカサか、すまないな」

アニ「………エ………エレン」

エレン「アニか、鍛えてもらってるのに途中でのびちまってすまないな」

アニ「こっちこそフラついてるあんたに結構な蹴りしちゃったから…」

エレン「心配させちまってすまないな、もう大丈夫だ!さあ訓練に戻るぞ!」

ズキっ

エレン(ーーっ!腰か?)

ミカサ「エレン?大丈夫?」

エレン「あ、ああ 大丈夫だ!さ、次の立体機動の訓練行こうぜ」

ミカサ「…うん」




立体機動訓練




エレン「さ、サシャ!行くぞ!」

サシャ「本当に大丈夫ですか?無理してませんか?」

エレン「大丈夫だって!立体機動は一番大事な技術だ!一回だって休めねえよ!」

サシャ「無茶だけはしないでくださいね?」

エレン「わかってるよ」

サシャ「エレンがいなくなったら私生きていける自信ありませんからね!」

エレン「わかってるから、さ行くぞ!」

シュー

サシャ「……」

シュー



エレン「うおらっ!」ザシュッ

サシャ「ヤッ!」ザシュッ

シュー シュー

エレン(腰は痛いがまだ行けるな)

シュー

エレン(ーーっ!腰がま…わら……ねえ)

ガッ

エレン(やべっ!アンカーが木に刺さらなかった… この高さってヤバイんじゃないか!?)

エレン(おいおい…マジかよ……外の世界見ずに俺の人生終いか!?)ヒュー

エレン(あー、落ちてってる落ちてってる)

エレン(最後までみんなには迷惑かけっぱなしだったなぁ)

エレン(ごめんなミカサ、アルミン)

エレン(………サシャ)


サシャ「エレン!」ダキッ



ドガッ!!!





書いてきます





また気失っちまった…


いや、これは死んじまったのか?


けど最後にサシャに抱いてもらって嬉しかったなぁ


………え?


俺は立体機動の最中に結構な高さから落ちてたんだよな?



その時にサシャに抱いてもらったのか?



じゃあ助かったのか?



あれ?



じゃあここは本当にどこだ?



生きているのか?

死んでいるのか?







………………わからなねえ





あっ


体が動かせるようになってきた




ん?



向かうに何かあるぞ?



……………





エレン「……………」


エレン「ここは医務室?」


エレン「……………」


エレン「サシャは?みんなは?」



ガラッ



アルミン「エレン…………」

エレン「おう、アルミン!まだ訓練中なのか?」

アルミン「エレン………体は大丈夫かい?」

エレン「ああ サシャに助けたもらったみたいで腰が痛いくらいで他には特に怪我はしてねえみたいだ」

アルミン「そっかぁ……良かったね」

エレン「おう!サシャにお礼を言いたいんだがどこにいる?まだ訓練中か?」

アルミン「………エレンはサシャに会えないかな」

エレン「そっかぁ…まだ訓練してるんだもんな!それとももう女子寮の方行っちまってるのか?」

アルミン「……………エレン、動揺せずに聞いて欲しい」





「サシャは………サシャ・ブラウスは…………死んだ」





エレン「ん?」


アルミン「僕たちの仲間でエレンの彼女のサシャは死んでしまったんだ」



エレン「はははっ!アルミンも冗談言えるようになったんだな、けどそういう冗談はあんまり良くないと思うぞ……?不謹慎だ……から………な?」

アルミン「エレン、君を助けようとして、サシャは君と地面の間に入った時に頭を強く打ち付けてしまってね……」

エレン「もうそういうのよさないか?いくらアルミンでも怒るぞ?」グワッ

アルミン「現実を受け入れるのは辛いことだけど、君のために死んだサシャを……サシャを受け入れてあげてよ!!」

エレン「…………何を言っているのかわからないなぁ」

エレン「なんでサシャが死ぬんだ?俺と一緒に外の世界に行くって誓ったんだぞ?俺の隣にいるって誓ったんだぞ?なんでサシャが死んだなんて言うんだ?おい!アルミン!!!」

アルミン「…………」

エレン「…………ちょっと出て行ってくれるか?」

アルミン「……わかった」



ガラガラ





エレン「………なんでなんだ?」

エレン「なんでなんだよ!!!」




ガラガラ




キース「入るぞ」

エレン「……教官」

キース「アルレルト訓練兵から聞いたと思うが、サシャ・ブラウス訓練兵は今日の立体機動訓練中に貴様を庇って死んだ」

キース「貴様には入団当初から訓練に対する意識の高さから才能がないにしても良くやっていたと思う」

キース「むしろその目的意識の高さと仲間思いの行動は才能だったかもしれんが、それが裏目に出たな」

キース「特に最近は明らかな体の酷使が見受けられた」

キース「自己管理も出来ずに訓練に参加し仲間を死なせた貴様は今何を思う?」

キース「医務室の周り人払いは済んである」

キース「言いたいことがあったら言え」



エレン「……俺は」



エレン「本当にサシャは俺を庇って死んでしまったのでしょうか?」

キース「そうだ」

エレン「ははっ!巨人を一匹残らず駆逐するため、外の世界を探検するため、サシャをずっと守り続けていくために………そのために強くなろうとしたのに…………俺のせいでサシャが死んじまったのか…………」

エレン「…………どうすればいいんだよ」

エレン「サシャが……サシャがいたからどんな訓練でもどんなことでも耐えられると思っていたのに………」

エレン「俺はなんて………」




「無力なんだ」





エレン「三年前と同じじゃないか」

エレン「俺に力がなかったばかりに母さんを目の前で巨人に殺された三年前と……」

エレン「力を手に入れるために訓練してきたこの一年間はいったいなんだったんだ……」

エレン「………教官」

キース「なんだ」

エレン「俺はこれからどうすれば良いのでしょうか………自分に対する怒りと失望で何をすれば良いのかわかりません……」

キース「貴様は……」






850





キース「本日諸君らは訓練兵を卒業する…その中で最も訓練成績が良かった上位10名を発表する…呼ばれた者は前へ」



主席 ミカサ・アッカーマン

2番 ライナー・ブラウン

3番 ベルトルト・フーバー

4番 アニ・レオンハート

5番 ジャン・キルシュタイン

6番 マルコ・ボット

7番 コニー・スプリンガー

8番 クリスタ・レンズ

9番 ユミル

10番 アルミン・アルレルト


「以上10名」



キース「本日を以て訓練兵を卒業する諸君らにら三つの選択肢がある」


壁の強化に努め各街を守る駐屯兵団

犠牲を覚悟して壁外の巨人領域に挑む調査兵団

王の元で民を統制し秩序を守る憲兵団



キース「無論 新兵から憲兵団に入団出来るのは成績上位10名だけだ」

「後日、配属兵科を問う!本日はこれにて第104期訓練兵団解散式を終える……以上!」


「ハッ!」





宴会場




ジャン「おい!なんで昨日からエレンがいねえと思ったら成績上位10人にもあいつの名前がねえんだよ!」

ミカサ「おかしい、エレンが成績上位10人に入ってないはずがない」

ライナー「ああ、正直俺よりも成績が良かったと思うぞ」

アルミン「ごめん、最近エレンの様子がおかしいのはわかっていたけど急にいなくなっちゃって…」

ジャン「とにかくあいつを探すぞ!そうじゃなきゃこんな所で宴会なんか出来ねえよ!!」




キィー




キース「貴様ら何を騒いでいる」

アルミン「教官」

キース「なんだアルレルト訓練兵、いやアルレルト」

アルミン「エレンは…エレン・イェーガーはどこにいるのでしょうか?」

キース「イェーガーは……」



「昨日、訓練兵団を退団した」



アルミン「はっ!?」



エッ!?エレンガタイダンシテタ?
ドウイウコトナンダ?


ジャン「いきなり退団ってなんでなんですか!」

ジャン「じゃぁあいつは今…開拓地に?」

キース「いや、実質成績2番のイェーガーを開拓地なんぞには送らん」

キース「しかし訓練兵ではないのでな、貴様らとは行動を別にしている」

ミカサ「エレンの居場所を教えてください」キッ

キース「本人たっての希望で貴様らには言えない」

キース「今は宴会だ、訓練兵時代の昔話でもしていろ」



バタン




ミカサ「………どうしてなのエレン」




訓練兵解散式二日前深夜 墓地





エレン「お前が俺のために死んじまってからもうすぐ二年だ」

エレン「あの時、お前の忠告を聞いていれば俺もお前も二人揃って成績上位10名には入っていたかもしれないな…」

エレン「ごめんなサシャ」

エレン「お前を守ることが出来なくて……」

エレン「お前との約束果たせなくて……」



「ごめんな………」




「本当に大好きだったぞ…」




「もっとキスしたり抱き合ったり二人で将来のこととか話し合ったり」



「幸せな未来を一緒に夢見たりしたかった………」



グスッ



エレン「今度は俺が………」




「みんなを守る!!!」







キース「本当にそうするのか?」

エレン「はい」

キース「わかった」


「本日を以てエレン・イェーガー訓練兵の訓練兵団の退団を宣言する」


エレン「ハッ!」





サシャ…お前が助けてくれた命……今度は俺がみんなを助ける番だ!




訓練兵団解散式前日




ガラッ


エレン「おじちゃん、おばちゃん!」

おばちゃん「あら、エレンちゃんじゃないの!久しぶりじゃない!」

エレン「お久しぶりです、もうこの街にも来れなくなるかもしれないので来ました」

おじちゃん「そうか、もう訓練兵は卒業か!配属はどこにするんだ?」

エレン「……調査兵団に」

おばちゃん「サシャちゃんとの約束を果たしにいくんだね!」

エレン「そうです、あいつは俺の全てです!おじちゃん、おばちゃんに会わせてくれたのも…俺が今ここにいられるのもあいつのおかげですから!」ニコッ

おじちゃん「おう!お前さんならきっと大丈夫だ!ほら、サシャちゃん特別メニューでも食って行きな!」

おばちゃん「私たちはあんたたちのことは一生忘れないからね!」

エレン「…はい!ありがとうございます!」グスン




噴水のある公園



ワイワイガヤガヤ



エレン「ここはやっぱり少し悲しくなるなぁ」

エレン「こんなに人がいるところでサシャに告白したのか…」

エレン「そりゃジャンやミカサたちにも見られるわけだ、ハハッ」

エレン「あの時のあいつの顔は一生忘れられないだろうなぁ」





「なぁ、出て来ても良いぞ?」





アニ「………」

アニ「いつから気付いていたのさ」

エレン「宿舎出る辺りからかな」

アニ「本当、あんたは二年前とは実力も雰囲気も随分変わったね」



エレン「そんなことはないさ、真面目に訓練受けていただけだよ」

アニ「よく言うよ、サシャが死んじゃって一週間の休養が明けてからのあんたは人が変わったみたいだったよ」

エレン「あー、あの時か」

アニ「あの時、何があったんだい?ミカサもアルミンも知らないみたいだったけど」

エレン「………お前だから特別に言うぞ?他の奴には言うなよ?」

アニ「ああ」




二年前 医務室





キース「貴様は巨人を駆逐するためにここに来たのであろう!ならばその意志に従え!そしてサシャ・ブラウス訓練兵の残した貴様の命で以て救える命を救え!貴様にはその使命が与えられたのだ!愛する者を失った苦しみは何度も味わうものではない!しかし味わってしまったからにはこれからにその苦しみを役立てろ!きっと奴もそれを望んでいるだろう!貴様はここにいる誰よりも巨人を憎み、己の愚かさ弱さを知る者だ!あと残りの二年で貴様自身とその仲間を守れるだけの力をつけろ!しかし無理するのではなく、自分の限界と向き合え!」




キース「貴様ならやれると信じている」




エレン「…………」





キース「貴様には今日から一週間の特別休暇を与える!人肌が恋しくなったら宿舎にでも行け!基本は貴様の近くに人はやらん!」


「自分自身でこれからを決めろ!」



ガラガラ



エレン「…………」




噴水のある公園




エレン「それからサシャのお墓参りやさっき行った食堂やサシャの故郷の村に行ってきた」

エレン「それからはまあ、アニが感じたような姿勢になったのかな」

アニ「………あんたはどうするんだい?訓練兵団を卒業してからは」

エレン「それはもうコニーに言ってある。解散式の宴会場であいつの言葉を聞いてくれ」

アニ「…なんでコニーなんだい?」

エレン「………他の奴だと俺に気を使っちまうからな」

アニ「? よくわからんがまあいい」



エレン「で?なんで俺を付けるきた?」

アニ「……サシャが死んじまったもんだからエレンが私に対人格闘で勝った後も言えなかったことを言いにきた」



アニ「私……エレンのことが好きだ」

アニ「だからどうってことはないけど……この気持ちだけは伝えたかった」

エレン「そうか」




アニ「それじゃまた」

エレン「………おう」





解散式当日 宴会場




アニ(あいつ……どういうことなんだい)

アニ「コニー!なんかあいつから言葉を託されてんじゃないの?」



!?




コニー「あー!そうだった!あれ?なんでアニが知ってんだ?」

アニ「そんなことは良いから早く良いなよ」

コニー「そうだな!えーと……」





「成績上位10名のみんなは憲兵団に入ってくれ、そうじゃない奴もなるべくは駐屯兵団にしてくれ!」

「配属兵科が決まって俺が言った通りにしてくれていたらみんなにまた会いにくる」


コニー「………だったかな」




……………………






ミカサ「コニー、これから私がする質問に全て正直に答えて!そうでないと肉を削ぐ!!」キッ

コニー「うっ……」ビクッ

コニー「あ、ああ!だからそんな睨まないでくれよ….」

ミカサ「貴方はいつそれをエレンから言われたの?」

コニー「一昨日の夜だよ」

ミカサ「その後エレンはどこに?」

コニー「教官室に入っていたよ」

ミカサ「貴方はエレンからその言葉を託された以外に何を言われた?」

コニー「お前は良い奴だから俺の言葉以外に何を考えなくて良いぞって言われた」


「あー、あと!アルミンとミカサには外の世界を見るのは諦めろって言われたわ!俺は一先ず先に諦めさせてもらったって!」


ミカアル「!?!?」



アルミン「エレンはいったい何を……」

ミカサ「コニー、嘘を言っているなら今すぐ撤回さなさい!さもないと削ぐ」キッ

ビクッ



アニ「やめな!コニーが嘘をつくわけないじゃないか」

ミカサ「……アニ、なぜ貴女はエレンがコニーに言葉を託していたことを知っていたの?」ギロッ

アニ「その次の日、つまり昨日エレンと会ったからね」

アニ「そのときに教えてもらった」



ミカサ「なぜ貴女がエレンと会っていたのかは今は問わない」

ミカサ「けれども!その時エレンが何を言っていたのか今ここで全て話すべき!」


アニ(…あいつが仲間を守りたいって言っていたのはこういうことだったのか?あいつ自身が調査兵団となって巨人を駆逐するまでこいつらを内地だったり死に急がせないようにすることがあいつのやりたいことだったのか?)

アニ(それは今までの訓練を必死でやってきたことに矛盾するんじゃ……)

アニ(それに私だけに言ったっていうのもひっかかる…)

アニ(いくらこいつらに自分の決意を悟られないようにするためとは言え、私だけに言う理由にはならない………)

アニ(もしかしてあいつ…………)




ジャン「黙ってねえで早く言えや!」

アニ「………コニーに言葉を託したってことしか言ってもらえなかった」

ミカサ「………」



「嘘ね」



ミカサ「早く言わないと貴女の憲兵団に入るっていう目標が目の前で途切れることになるよ」

アニ「……本当だ」




キィー



キース「貴様らまだイェーガーのことを言っているのか」

キース「もうその話は終いだ」

キース「早く食わないと食事を下げるぞ!」

キース(イェーガー……お前は何を考えているのだ)



マルコ「みんな食べよう!今話さなければならない話じゃないんだ」

ライナー「そうだ!別にエレンが死んだわけじゃない、また会うと言っているだし」

クリスタ「そうだよ!みんな早く食べましょ」

ミカサ「………チッ」

アニ「………」

アルミン「………」



アルミン(おかしい…確かにエレンはサシャが死んでしまってからおおっぴらに巨人を駆逐するだの、外の世界を探検するだのってことは言わなくなった)

けど、それは諦めたからじゃない!

アルミン(何か…何かに気付いたんだ!そうじゃなきゃこんなことはしない!サシャが死んでから言葉には出してないけどみんなを守ろうとする意識が生まれていたのは確かだ!)

アルミン(いったい何に気付いたんだエレン…)



アニ「………ちょっと良いかい?」

ベルトルト「……良いのか?今話なんてして…」ボソボソ

アニ「………エレンが私たちに気付いたのかもしれない」ボソボソ

ベルトルト「!?」

アニ「これからどうするかはまた決めよう」ボソボソ




ミカサ「………」




ミカサ「アニ、ベルトルト」

アニベル「!?」

ミカサ「貴方たちいったい何を話していたの?」ギロッ

アニ「……何、エレンの言葉通りに憲兵団に行くのかどうか聞いていただけさ!私は元から憲兵団に行くつもりだったから関係ないんだけどね」

ベルトルト「…僕はエレンに会いたいし憲兵団に行こうかなと思っていただけさ!」

ミカサ「………そう」





ライナー「………」



ライナー(あの二人の様子から言ってやはりエレンは気付いた可能性が高そうだな……)




ジャン「なんだよ畜生!せっかくもう少しで憲兵団だってのに胸糞悪い!エレンには成績でも勝てなかったみたいだしよぉ!ふざけんなよ!当の本人も不在とくりゃ俺の怒りはどこに行けば良いんだよ!」

マルコ「落ち着いてよジャン!今は慌てる時じゃない!せっかくの宴会なんだ、みんな今までの苦労をここで労おうよ!」

クリスタ「そうだよ!みんなお疲れ様!料理も冷めないうちに食べましょ!」ニコッ


ライナー(結婚したい…)

ジャン(女神…)

アルミン(神様…)


ユミル「さ〜すが私のクリスタ!結婚しよ!」ダキッスリスリ

コニー「うるせーよブス!早く飯食おうぜ!」



ソウダナ キョウハイママデノクンレンノゴホウビダ クウゾ〜 ノムゾ〜



ミカサ「アルミン!少し外行かない?」

アルミン「ああ、行こうか」


スタスタ


ミカサ「エレンがあんなこと急に言うはずがない…」

アルミン「同感だ、いくらエレンでも何の考えもなしにこんなことはしないはずだ…」

ミカサ「おそらくアニが怪しい。アルミンはどう思う?」

アルミン「アニがどうこうって言うよりは、エレンが何か重大なことに気付いたんじゃないかと僕は思う」

ミカサ「重要なこと?」

アニ「ああ!何か今すぎにでも僕たち、もしくは訓練場から離れなければならないことだよ」

ミカサ「それはいったい…」

アルミン「そこでおそらく重要になってくるのは………」

ミカアル「アニ!!」

アルミン「ということになると思うんだ」

ミカサ「さっきアニはベルトルトとヒソヒソと話していた」

アルミン「!?!? そうなるとベルトルトと同郷のライナーも怪しくなってくる…」

アルミン「根拠は全くないけど、エレンを信じれば信じるほど三人が、もしくはもっと多くの人が怪しく見えてくるね」

ミカサ「まさか!そのうちの誰かにエレンは誘拐されたんじゃ…」

アルミン「その可能性は低いかな。もしそうならコニーに僕やミカサへのメッセージを託すとは考えにくい」

アルミン「コニーに託したのは、おそらく自分の考えを悟られたくなかった、そう考えるのがしっくりくる…」

ミカサ「エレンの居場所に直接的な手掛かりはアニ達だけ」

アルミン「そうだね、今はミカサがアニを、僕がライナーとベルトルトを見張るしか手はないようだ…」

ミカサ「そのようね」



ハンネス「よお!ミカサにアルミンじゃないか!」

ミカアル「…」ザッ!

ハンネス「敬礼は解いていいぞ!エレンはどうした?」

ミカサ「エレンは……」

アルミン「中で同期と騒いでいます」

ミカサ「!」

アルミン(敢えて言う必要はないだろう)

ハンネス「そうか!二人とも訓練兵団卒業おめでとう!ミカサとエレンは成績がすごく良いと聞いていたがアルミンはどうだったんだ?」

アルミン「成績上位10名の10番目だったよ!」

ハンネス「お?そりゃすげえな!お前ら三人揃って優秀たあ、こんな小さい頃から知っているおれとしちゃあ嬉しい限りだ!」

ミカサ「向こうで駐屯兵団の人が呼んでいるよ?」

ハンネス「こりゃいけね、それじゃあな二人とも!エレンにもよろしくな!」タッタッタ




アニ「よし!ミカサとアルミンが出て行った!これからのことを話そう」

ベルトルト「なんでエレンが僕たちに気付いたって思うの?」

アニ「いや、予想の域を離れないんだが…」

ライナー「おそらくは俺たち仲間を守るために一人一人を観察していった結果だろうな!」

アニ「!? よくわかってるじゃん」

ライナー「ああ!前エレンにも言ったんだがあいつは人のことをよく観てる!それに仲間を守るという目的を持って観察していれば気付かないこともないだろう」

ベルトルト「なんでさ!アルミンやミカサなんかは今までそんな素振りは見せてなかったよ?」

ライナー「あいつは俺が同期の中でも特に認めた兵士だ!それに他の奴らは自分の成績やその日の訓練で生き残ることに神経を使っていたからな、気付かれなかったのだろう」

アニ「あいつは私に仲間を守るためにサが死んでから訓練をしてきたと言った」

アニ「しかもそれを言葉にして言ったのは私だけだと…」

アニ「アルミンやミカサじゃなくてだ!まあ二人やライナーはエレンの意図することに気付いていたみたいだが…」



アニ「これは幼馴染の二人よりも私に特別な感情を抱いているとは考えにくい!現にあいつの中ではサシャはまだ生きていた!」

アニ「となると私にだけ言ったのはおそらく……」

ライナー「俺らの正体または目的に気付き、それをやめさせたい、もしくはやめろと牽制をしている」

アニ「そうだね」

ベルトルト「それじゃあ明日はどうするのさ!」

アニ「それ!今決めなければならない!おそらくアルミンとミカサは私たちをマークするはず!」

ライナー「二人が帰ってくるまでがタイムリミット……」

ベルトルト「………僕はライナーの意見に従おう!」

アニ「私もそうする、今までだってそうだったから」

ライナー「俺は……………」



キィー


ミカアル(アニはミーナやクリスタとユミルと同じテーブル、ライナーとベルトルトはコニーと同じテーブルか)

ミカサ「配属兵科が決まるまでターゲットのマークを!」

アルミン「うん!」



糞が!

この前まであいつのことなんてどうでも良いって思ってたのに!

そりゃサシャが死んじまってからはなんか雰囲気は変わったしよ、憲兵団に入ることを認め始めたりよ、おかしかったのはあったけど!

あんなこと言ってからの昨日今日だ!

あいつのこと心配になるだろうが!

さらに成績なんて俺じゃ遠く及ばないくらいになりやがって!

糞が!



訓練兵団解散式 数日前



エレン「よお!」

ジャン「あ?」

エレン「二人で少し話さないか?」

ジャン「てめえの成績の自慢でもするのか?あ?」

エレン「そう邪険に扱うなよ さ、外行こうぜ」





エレン「お前とは喧嘩してばっかだったな」

ジャン「そんなの二年前ぐらいだろ、最近は普通だろ」

エレン「今のままだったら憲兵団に行けそうだな」

ジャン「当たり前だ!内地に行くためにこんなとこ来たんだからな!」

エレン「ああ!そんなこと言ってる割には立体機動はお前凄いよな!」

ジャン「あぁ?嫌味かコラッ!どう見たってお前やミカサの方が上手いじゃねえか!」

エレン「ミカサのは本物の才能だ けど俺のはジャン!お前のやつを真似て努力しただけだ… お前がいなかったらこんなに上手くはなれなかった!感謝するよ、ありがとう」



ブルブル

ジャン「お前が俺に礼を言うなんて…… おかげで寒気がしたじゃねえか!」

エレン「ははっ!今日は暑いからな、寒気をさせた俺に感謝しろ」ニコッ

ジャン「………」




ジャン「そんなこと言うために呼び出した訳じゃないだろ!何だよ一体」

エレン「…………ミカサを頼む」

ジャン「………はあああ??///」

ジャン「な…な…何でいきなりミカサの名前が出てくるんだよ!///」

エレン「だってお前ミカサのこと好きだろ?」

ジャン「いや、そうだけどよ……」

エレン「あいつをお前が説得して憲兵団に行くようにしてほしい!」

ジャン「お前がやれよ!何で俺にそんなこと頭下げて頼むんだよ!おかしいだろ!」

エレン「俺には他にやることが出来た それを終えなければいけない」

ジャン「………本当、お前はサシャが死んじまってから人が変わったみたいだな!」

ジャン「色んなやつのことジロジロ見てるかと思えば、メキメキと実力つけやがって」

ジャン「……………ちゃんとその仕事終わらせろよ」

「今は同期全員がお前のこと頼りにしてんだからな」

エレン「!?」

フッ

「ああ!」

書きます



ジャン「ミカサ!」

ミカサ「なに?」

ジャン「お前、配属兵科どうするんだ?」

ミカサ「……まだわからない」

ジャン「俺は……」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「………ミカサ頼む」

「説得して憲兵団に行くようにしてほしい」


ーーーーーーーーーーーーーーーーーー



ジャン「ミカサの行くところに行く」

ジャン「もしものことがあったらエレンに会わせる顔がねえからな!」


ジャン(お前が何やってるかわからねえが、ヤバそうなことならなおさら俺たちの力が必要になるはずだ!ミカサはもちろん助けるが……)


お前も死なせねえ!!!



ミカサ「ジャンは変わった 貴方は相手のことを思いやれる人だ」

ミカサ「今、きっとわたしとエレンののとを考えてくれている」

ミカサ「…ありがとう」ニコッ

ジャン「お…おうよ!///」



宿舎




アルミン(明日は固定砲整備や食料買い出しで訓練兵はビラバラになる…)

アルミン(おそらく三人が行動するならその時!)

アルミン(そしてエレンも………)

アルミン(やはり僕とミカサが怪しんでるのを気付いたのか目立った行動は三人とも起こさなかった)

アルミン(明日に備えて早く寝よう…)

ID違うけど>>1なのか?




深夜




まだ全てわかった訳じゃねえ

特にあいつらの目的が…

けど思い出したよ父さん

俺がやるべきこと、やらなきゃいけないこと

きっとあいつらが全部悪い訳じゃねえ

なんとかして……

なんとかして…………



とにかく明日だ!

憲兵団に行くならこの機会を逃すはずがねえ

それにはこの力を使いこなせないと……


>>112
ID変わってるけど>>1です




早朝





アニ(ライナー……)

アニ(くよくよしててもしょうがないね)

アニ「………無事に終われればいいさ」




ミカサ「………」




食事処




アルミン「おはよう、ミカサ」

ミカサ「おはよう」

ジャン「よっ、アルミン」

アルミン「ジャンじゃないか!どうしたんだい?」

ジャン「俺はミカサを守るとあいつと約束したからな!」

ミカサ「けど、私の方が強い」クスッ

ジャン「そ…そりゃそうだけどよ///」

アルミン(エレン、ジャンまで変えてしまうんだね君は)

アルミン(あの三人に何があるのかわからないけど君が救うと信じているよ……)




ミカサ「おそらく今日、何かある」ボソボソ

アルミン「僕もそう思う。僕もミカサも食料の買い出しだから上手い事抜けて三人を見張ろう」ボソボソ

ミカサ「わかった」ボソボソ





ライナー「さあ、行くかベルトルト」

ベルトルト「うん」



固定砲整備2班

ライナー「すまん、トイレ行ってくる」

ハンナ「そういうのは先に済ませてよねー」

フランツ「そうだよライナー!」

ライナー「すまんな!」シュー




固定砲整備7班


ベルトルト「ごめん、今日教官に呼び出されてて今から行かなきゃならないんだ」

ダズ「マジかよ!?早く終わらせて来てくれよな!」

ベルトルト「うん」シュー




食料買い出し10班


アニ「ごめん、今日調子悪いみたい…先に宿舎帰ってもいいかい?」

ユミル「あぁ?お前がそんなんで休むようなやつかよ」

クリスタ「ユミル! 良いよアニ、ちゃんと休んで来てね?」

アニ「………どうも」




食料買い出し3班


ミカサ「アルミン!」

アルミン「うん!ちょっと僕とミカサ用事があって出掛けて来ちゃうけど良いかな?」

マルコ「用事?何か大事なことなのかい?」

アルミン「うん…」

マルコ「……良いよ!きっとエレンも絡んでいるんだろ?行ってきな!」

アルミン「ありがとう!」

ミカサ「マルコ、感謝する」

タッタッタ




ウォール・ローゼ


ライナー「さあ、ベルトルト行くぞ!」

ベルトルト「うん」



「やっぱ来ちまったかー」




ライナー「よお、三日ぶりだな!きちんと話すのは何日ぶりだろうな」

ベルトルト「久しぶりって感じだね」

ライベル「「エレン!!」」



エレン「なんだよお前ら、覚悟決めちまったような顔してよぉ!」

ライナー「俺たちは戦士だ!どうしてもやらなきゃいけない時がある」

ベルトルト「僕たちは帰らなきゃいけない故郷があるんだ!」

エレン「まあ、そう急ぐなよ。少し話をしよう」





街中



ミカサ「しまった!三人が見つからない」

アルミン「ライナーとベルトルトは固定砲整備班だからやっぱり壁の方かな……けどアニは食料買い出し班だし近くにはいるはずなんだけど……」



ミカサ「………ハッ!殺気!!」

ミカサ「アルミン止まって!!」

アルミン「ーーっ!」




アニ「そんなに急いで誰を探しているんだい?」キッ

ミカサ「アニ………」ギロッ

アルミン「なんでそんな怖い顔してるのさ…」

ミカサ「やっぱりお前ら三人がエレンに何かしたに違いない!」ギロッ

アニ「まあ、どうでも良いけど。今回の私の仕事は二人の足止めだから」

アニ「それじゃ、あの日エレンと何話したか教えてあげようか?エレンの家族さんと親友くん」






ウォール・ローゼ




エレン「ライナー、ベルトルト、アニって他の奴らと明らかに違うよな?才能とかそういうのじゃなくてもっと基本的に!」

「お前らって俺ら同期に対してなに思ってんの?」

ライナー「さしずめ簡単な言い方ならば、仲間だろうな」

エレン「ライナーは随分前に俺に言ってくれたよな」

お前は色んなやつのこと見てる、指揮官向きだって

エレン「サシャを死なせちまって俺は仲間を守れる男になりたいと思ってよ、色んなやつのこと観察してみたんだ!そしたらお前ら三人は他の奴らと明らかに違うんだよ」

「なんであらかじめ一線引いてそれ以上の信頼関係を作らないんだ?」

エレン「悪いがそう思い始めたらお前ら三人は見れば見るほど違和感ばかりを感じまってよ、訓練も終わりが見えた頃に気付いちまっんだよ!座学の時間に」

ベルトルト「エレンは座学も後半成績良かったもんね。いったい何に気付いたんだい?」

エレン「今のこの壁の中の生活の仕組みさ」

「お前らって内地の奴らのこと憎んでんじゃねえか?そりゃ壁の中の生活を全て決めてるのはあいつらだ!お前らの本当の目的はわからねえが内地に行って人類を滅亡させることも手段の一つになってるんじゃねえか?」

ライナー「訓練兵団入団当初のバカなお前が懐かしいぜ」

ベルトルト「アルミンみたいだね」

ライナー「お前の言いたいことは少し遠回りしているように聞こえる」

「はっきり言ったらどうなんだ?」



エレン「ハッ!そうだな!超大型巨人、鎧の巨人!!」



ライナー「俺らの正体には気付いていたみたいだな」

ベルトルト「その割に僕らへの警戒が軽薄じゃないかい?」


エレン「………お前らとの三年間を信じたくてな、甘えが出たみたいだ」

ライナー「なぁ、エレン!お前はどうしてそうあの腐った奴らのために戦える?こちら側に付け!お前を連れて行ってやるよ」

ベルトルト「君じゃ僕たちを殺せやしないからね。もう協力するか死ぬしか選択肢は無いと思うよ」

エレン「俺は母さんを…大事な家族を殺した巨人が憎い!頼むからこれ以上の犠牲は出さないでくれないか?この壁を壊すとお前ら三人の故郷と同じようにめちゃくちゃになるんだぞ?仲間が大勢死ぬんだぞ?………やめてくれないか」

ライナー「アニが同郷だってよくわかったな。しかしやめることは出来ねえ!俺たちは戦士だ!!」

エレン「そうか、昨日の夜やっと三人の故郷の資料を集めることが出来てな……悲惨だったのはよくわかったよ」

エレン「それでもやめてくれないってんならお前たちを殺してでもとめる!」シャキッ

ライナー「戦士として最後まで責任を果たす!」

ベルトルト「ライナー…やるんだな!?今…!ここで!」

ライナー「あぁ!勝負は今!ここで決める!」



街中


アニ「わかったかい?エレンはお前らを本当に守りたいみたいだ。そして私たち三人の秘密を知ってあんたらを内地へと送りたかったってわけさ」

ミカサ「貴女たちの秘密ってなに」

アルミン「エレンはまだ僕たちを見捨ててない!それさえわかれば今はいい!君たちの秘密って一体なんなのさ」

アニ「もうそろそろあの二人が始める頃かもね」

アニ「私もあんたたちから逃げなきゃいけないかな」

ミカサ「逃がすわけないでしょ」ギロッ

アニ「そうは言ってるけどさ、きっとエレンは一人であの二人のところにいるよ?行かなくて良いのかい?」

ミカサ「エレンがいるの?どこに!」




ピシャーン ゴゴゴゴゴ



アルミン「壁の方で何か音が」

アルミン「この音は五年前のあの時と…………」

ミカサ「…………! しまった音に気を取られてアニを見失った」

アルミン「そんなことより早くエレンを助けに行かなきゃ!!」

ミカサ「エレン!!」




アニ「………」

また明日ゆっくり書きます

休みなんで書いてきます



ウォール・ローゼ



エレン「よお……その姿と会うのは五年ぶりだな!!」


超大型・鎧の巨人「……」


ブン


エレン「ーーーっ!」クッ

シュー スタッ

エレン(やはり超大型の方は動きは鈍いが範囲が広い)

エレン(この立体機動中に鎧の方に狙われたら終わりだな…)

鎧の巨人「……」ダッダッダ

エレン「!?」シュー

ガシャーン

エレン「くそ!お前まで積極的な攻撃参加かよ!」

エレン(これはキツイ……壁の上でアンカーを指すところも少ない)

エレン(超大型は壁の外に立ってはいるが鎧の方は壁の上で動き回ってやがる……)

エレン(このサシャとの思い出が……暖かい街が……壊れるのだけは防ぐ!)

行くぞ!




固定砲整備4班



ピシャーン ゴゴゴゴゴ



コニー「なんだこの音は!?」

ジャン「おい!向こうの方でなんか煙出てるぞ!」

ミーナ「………えっ?あれって……」

コニー「あれは……」



「「「超大型巨人」」」




ジャン「ん!?もう一体いねえか!?」

コニー「あ?他の巨人と体がちげえぞ?」

ミーナ「もしかしてあれが……鎧の巨人!?」

ジャン「はあ?ふざけんなよ!!なんで厄介な奴が二体もいきなり出てんたよ!!!」

コニー「なんかあの巨人二体の周りを立体機動で動き回ってるやつ見えねえか?心なしかジャンの立体機動の動きに似てる気がするんだが……」

ジャン「!!!あいつ………」



ジャン「固定砲整備4班!超大型巨人、鎧の巨人出現により後衛に行き、情報の伝達! 先にいけ!俺はあとから行く」

コニー「はあ!?どこに寄ってくんだよ!?」

ジャン「さらに確実な情報を得るためあそこに行ってくる!」

ミーナ「!?何バカなこと言ってんの!」

ジャン「これは班長命令だ!早くしろ!」

コニー「くっ! 早く来いよ!!死ぬんじゃねーぞ!」

ジャン「ああ!」

シュー

ジャン(お前は一体何やってんだよ…エレン!)



ウォール・ローゼ



エレン「なあ?その巨人化ってよお予想なんだがある目的を強く意識することでそうなれるよな?」

超大型・鎧の巨人「「!?」」

エレン(動きが止まった……やはりか)

エレン「お前らが巨人化するために意識した目的はなんだ?」

エレン「俺は……お前らを止めるぞ!」


エレン(限度は二回……頼むぜ)


エレン「お前らは俺がお前らの正体に気付いて驚いていたと思うがそれだけじゃないんだぜ?もっと驚かせてやるよ!!」


エレン(まずはベルトルトの………)


ガリッ!


ゴゴゴゴゴ





街中



ミカサ「早く行かないとエレンが!」

アルミン「わかってるよ」




上官「アッカーマン!」

ミカサ「……」チッ

ミカサ「なんでしょうか」

上官「超大型巨人並びに鎧の巨人が現れた!直ちに訓練兵はガスの補給をしに本部に戻れ!」

ミカサ「!? しかし」

上官「これは規則だ早くいけ!アルレルト!貴様もだ!」

ミカサ「………くっ!」

ミカアル「「エレン……」」





ウォール・ローゼ




超大型・鎧の巨人「…………」

黒髪の巨人(成功した…自我も保ててる!)

超大型巨人(なんで…なんでエレンが……)

鎧の巨人(エレンが巨人化出来るってどういうことだよ…)

ダッ

超大型・鎧の巨人「「!?」」

ガツッ

黒髪の巨人(まずは鎧の方を格闘術でなぎ倒す!)

鎧の巨人(くそっ!こいつの対人格闘はミカサを抜かして今期一位だ……ヤバイ!)

黒髪の巨人「ウオオオォォォォォ」バシッ

鎧の巨人「グガァ」

黒髪の巨人(まずはこいつを壁外に!)

超大型巨人(!? エレン、君はライナーを持ち上げて何をするつもりだ!?)

黒髪の巨人「ウオオオオォォォォ」

ブンッ

鎧の巨人「ブワダァ」

超大型巨人(ライナーを壁外に投げ飛ばした!? まずは僕との一騎打ちって訳だね……)




黒髪の巨人(身長差が四倍近くある…捕まったらお終いだ……機動力を駆使して短期で決める)

ブン

ヒュッ

超大型巨人(!?飛んだ!? なんでアニほどの動きがエレンに出来るんだ?)

エレン「ウガアアァァァァ」ダッダッダ

超大型巨人(……腕を踏みながら走ってくる!踏んでいってるそばから腕が崩れているのにおかまないなしの速さ)

超大型(これはヤバイ!うなじを直接狙う気だ!)

超大型巨人「ヴガアアアァァァァォ」

ビユワアアアァァァ

黒髪の巨人(すごい熱気だ……これ以上近づけねえ)

黒髪の巨人(だが!この腕を押さえ込んでうなじまでの距離をあける!!)ガシッ

超大型巨人(エレンが熱気に耐えてる……なぜそこで僕の腕を?………抑え込まれてて体が動かせない!?!?)





黒髪の巨人(これでいい!)

黒髪の巨人(今回の巨人化の目的はベルトルトの……)


動きを封じること!!


黒髪の巨人(こいつに壁は壊させない!!)


シューボンッ!


超大型巨人(!?エレンの巨人化が解けた!?中から立体機動のエレンが………!!!)


エレン「ウオオオォォォ」

エレン(大きさに拘らず頭より下 うなじにかけての縦1m幅10cm!)

超大型巨人(やられる!?!?くそっ!せめて門だけでも!!!)


ザシュ ザクッ ガッ



ベルトルト(ライナー、アニ………二人で故郷に帰りたかった)

お昼食べてきます




シュー スタン


エレン「よしっ!まずは第一目標は達成だ!」


ドォォォン!!!



エレン「なっ!? くそっ!ベルトルトめ、壁にヒビいれてやがった…これで街に巨人が入っちまうじゃねえか!」

エレン「調査兵団は壁外調査に行っちまってる…… まずは教官のところに行くか」




シュー スタン



「おい!エレン!!」

エレン「おー、ジャンじゃねえか」

ジャン「これはどういうことだ!説明しろ!!」

「超大型巨人と鎧の巨人、そしてお前が巨人になったこと、そして」


「そこで切り落とされた手足が再生してきている超大型巨人から出てきた野郎のことをよ!!」




少し前



ジャン「なんでエレンがいるんだよ!しかも巨人二体を一人で相手してやがる!」

お前の仕事ってこいつらを一人で片付けることだったのかよ!



ゴゴゴゴゴ



ジャン「なっ!? エレンが………」


ジャン「巨人になった………!?」


あれは味方なのか?本当にエレンが?

えっ?あの格闘術はエレンの…

じゃあやっぱりあれはエレン……

!?鎧の巨人を壁外に投げやがった!!

おいおい、あんな速い巨人見たことないぞ!!

どうなってやがる……

超大型巨人が熱風を!

グハァ

ちっ!なんて勢いだ

あの黒髪の巨人は超大型巨人の腕を押さえ込んで何を……

!?!?

黒髪の中から立体機動をつけたエレンが!!

!!!!

やりやがった!!

あいつ一人で超大型巨人をやりやがった!!

ん???

何してる!

うなじの所から何を取り出そうとしているんだ?

!!!あれは………





エレン「すまんが話は後だ!今すぐここから離れねえと俺が巨人になったのを見た奴らが俺やベルトルトを捕らえにくる!そうなってはダメなんだ!」

ジャン「わかった…協力する!後できちんと説明しろよな!!」

エレン「ああ!本当はお前は良いやつだと思ってたよ」クスッ

ジャン「な…なに言ってやがる!」

エレン「さぁ壁の外側を通って調査兵団の基地まで行く。そこで協力者が待ってるはずだからな」

ジャン「わかった!ベルトルトは俺が担ごう!お前、少し顔色悪いがそれは大丈夫なのか?」

エレン「ああ、問題ない!行くぞ!」



シュー シュー



本部




ミカサ「……エレン」

アルミン「きっと大丈夫だよ!エレンは僕たちを守るって言ってくれたんだ!きっと死なない!そして僕たちもエレンを守るんだよ!!」

ミカサ「アルミン…!そうだった……もう家族は失いたくない!失わせない!!」

アルミン「ここにいないのは……ライナー、ベルトルト、アニ………あれ?ジャンもいないよね!」

コニー「ジャンなら後から来ると思うぜ、あいつ超大型巨人と鎧の巨人の情報を掴んでくるって言って近づいて行ったから!」

ミカサ「!!!その時、巨人二体の他に何か見なかった?」

コニー「そういえば、立体機動を使って巨人二体とやり合ってる奴が一人いた!けど、そいつももう逃げてるよ!きっと」

アルミン「それはおそらくエレンだ!」

コニー「!?あれエレンなのか!?なんであんなところに……」

ミカサ「エレン……どうか死なないで……!」



「アッカーマン、アルレルトはいるか?アッカーマン、アルレルト!」

ミカアル「ハッ!」

「お前らがアッカーマンとアルレルトか……こっちにこい」



コンコン

「アッカーマン、アルレルトの二名を連れてきました」

「入れ」

ガチャ

「やあ、君たちがアッカーマン君とアルレルト君かね?私の名前はドット・ピクシス」

ピクシス「君たちはエレン・イェーガーの幼馴染だと聞くが、いま彼はどこにいるか知っているか?」

ハンネス「正直に答えるんだ」

アルミン(なんで人類の最重要区防衛の全権を託された人物、ピクシス司令がいるんだ!?)

ミカサ「エレンが今、どこにいるかは知りません」

ピクシス「そうか…では彼の正体は何じゃ?」

ミカアル「!?」

アルミン「正体と言うのはどういった意味でしょうか…?」

ピクシス「彼は…エレン・イェーガーは人間か?それとも………巨人か?」



「……失礼しました」

ガチャ





アルミン「エレンが…巨人になって超大型巨人を倒しただって……?」

アルミン「ははっ!何かの間違いさ!エレンとはずっと一緒だった!巨人な訳あるもんか!」

ミカサ「同感!エレンが巨人から出てきたのを見ていた人の目が腐っていただけ!エレンは人間……私の家族で……大切な人!」

アルミン「ああ!とにかくまずは街に入ってきた巨人を殲滅することが優先事項だ!ウォール・ローゼを破壊されたら人類は人口の二割を減らすどころじゃ済まなくなる!!」

アルミン「行こう!」

ミカサ「うん」



ピクシス「あの二人をどう思う?昔から知っているのだろう?エレン・イェーガーも含めて」

ハンネス「はい。あの二人は嘘をついているようには見えませんでした!むしろエレンが巨人になり巨人から出てきたということに驚愕すらしていたと感じました」

ピクシス「私も全くの同意見じゃ。さて、その問題も重要ではあるがそれよりも先に、街に入ってきた巨人をどうするかじゃ!このままウォール・ローゼが破壊されるのはなんとしてでも避けたい。エレン・イェーガーが味方ならばあの大岩を使って壁の穴を埋めてくれれば良いのじゃが…」

ハンネス(エレンの野郎、何してやがる!お前は味方なのか?それとも本当に巨人になっちまったのか……?)



「アッカーマン!お前は特別に後衛部隊だ、付いてこい!」

ミカサ「!!………いえ、只今、訓練兵の実質2番から6番までの人物が行方不明です。おそらく今、前線で戦ってくれています。彼らのいない訓練兵の中衛では巨人は抑えられません。私が中衛に行き訓練兵をカバーします。」

「………わかった。しっかり頼むぞ」

ミカサ「ハッ!」

ミカサ(エレン……貴方は死なせない!貴方がいれば私は何でも出来る!)




調査兵団 地下




ジャン「おい!こんなとこに協力者なんているのかよ!」

エレン「ああ!俺が一番信頼している大人だ」

ジャン「なんで地下なんだよ」

エレン「ベルトルトが目を覚まし巨人化しても被害を抑えるためだ」

ジャン「」ゾクッ

エレン「悪いな、巻き込んじまって!本当はベルトルトもライナーも説得出来れば良かったんだが」

ジャン「それはお前のせいじゃねえだろ!詳しいことはわからんがまずは超大型巨人を倒し、捕獲したことは良いことなんだ!」

エレン「ああ…しかし街に巨人を入れちまった……それだけはなんとしてでも避けたかったのによ」

ジャン「……エレン」



「イェーガー!……とキルシュタインか?」



ジャン「!?教官!」

キース「イェーガー、貴様が超大型巨人と鎧の巨人が現れたらここに来いと言った時はとうとう頭でも狂ったかと思ったがそういうことだったのか」

エレン「はい!ライナーは逃してしまいましだが、ベルトルトは捕獲出来ました。しかし殺さないでいただきたい。こいつらがこんなことしてるのは全部こいつらが悪い訳じゃないんです。」

キース「真相を知っているのか?」

エレン「いえ、詳細までは……。それでもこいつらは死なせてはダメなんです……!」

「仲間ですから!!」

キース「!!」

キース(そうか…仲間を守るのがお前の目的だったな……)

キース「わかった。フーバーはここに拘束していよう」

ジャン「エレン、お前はこれからどうするんだ?」

エレン「まずはライナーとアニを見つける!あいつらを止めれればウォール・ローゼを破壊される心配は一先ずなくなるからな」

キース「レオンハートもか!」

ジャン「アニも…」

エレン「ジャンは他の訓練兵たちと合流してほしい!お前なら仲間を救えるはずだ!頼む!」

ジャン「ハッ!明日から内地だってのによぉ!お前の頼みじゃ聞かねえ訳にはいかねえじゃねえか!!ミカサやアルミンたちは任せろ!絶対死なせない!」

エレン「ありがとう!ジャン!」

パシッ

エレジャン「「お互い死ぬんじゃねえぞ!!」」

ジャン「じゃあ行ってくる」タッタッタ

キース「奴も変わったな……いや、イェーガー、貴様が変えたのだな」

エレン「いえ、あいつは元から良いやつなんですよ……!」



エレン「教官は壁外調査に行っている調査兵団への連絡とトロスト区の最高責任者ピクシス司令にエレン・イェーガーは仲間だという旨の連絡をお願いします」

キース「…貴様は二人の仲間を救いに行くのだな」

エレン「はい!サシャとの思い出が詰まったこの街だけはなんとしてでも守ります!」

キース「わかった!心臓を捧げよ!」

エレン「ハッ!」

タッタッタ

キース「グリシャ…お前の息子は…人類の希望になるかもしれんな」


また夕方書きます

日が落ちてまた昇ってくるまでには終わらせたいなと思ってゆっくり書いてきます




中衛




ミカサ「エレンと会うまで死んでなんかいられない!絶対に生き残る!」

アルミン「うん、超大型巨人をエレンが倒してくれたっていうのが本当ならまだ望みはある!」

ミーナ「えっ!?エレンが超大型巨人を倒したの?」

トーマス「あの噂は本当だったのか…」

コニー「あいつ、本当にすげえな!俺らも頑張ろうぜ!」

クリスタ「エレン……すごい…!」

ホントウダッタンダ エレンスゲエ コレナライケルゾ

ユミル(それが本当ならエレンが巨人ってのも本当ってことになるな… あいつって一体……)

ミカサ「市民の避難完了まで私たちで巨人を食い止める!エレンを一人にしない!」

アルミン「行こう!」

オウ!



シュー シュー


アルミン「なっ!?あれは…」


オオオオオオオ


コニー「もう巨人がこんな近くにいるじゃねえか!」

ユミル「普段威張り散らしてる前衛の先輩方は何やってんだか」

クリスタ「まだ殆ど時間が経ってないのに…」

トーマス「前衛部隊は総崩れじゃないか」


「奇行種だ!!」

「避けろっ!!」

ドォォン


トーマス「うっ…!?」

アルミン「ト…トーマス!」

トーマス「し…死にたくねえ…死にたくねえよぉ…」

奇行種「アーン」

ザシュッ

ドタンッ!

奇行種「」シュー

アルミン「ミカサ!!」

ミカサ「トーマス大丈夫?」

トーマス「あ…あぁ 本当にありがとう…」



ミカサ「単騎での行動は危ない」

マルコ「そうだ。通常の巨人一体には4、5人で班を作ってかかろう!奇行種は他の班と合同で裏を取り確実にうなじを狙って行こう」

アルミン「人が固まってても狙われるだけだ!いつもの訓練の形式に直した方が得策だね」

マルコ「みんな……死なないように!」


オオォォ!!




ミーナ「私たちだってやれば出来るよね!」

トーマス「あ…あぁ きっとやれるさ」

アルミン「トーマス本当に大丈夫かい?」

ミカサ「巨人を前にして死を恐れてしまっては体は言うことを聞かない…」

ミカサ「貴方はまだやれるの?」

トーマス「………エレンなら」

トーマス「エレンならなんて言うと思う?」

ミーナ「……」

ナック「……」

ミリウス「……」


ミカサ「エレンなら……」


「巨人を一匹残らず駆逐するまで死なねえ!」


アルミン「だよね?ミカサ」

ミカサ「そう、私たちも死なない!」

トーマス「……あいつが超大型巨人倒してくれたんだ!やってやる!やってやるぞ!」

ミーナ「そうね!行きましょ!!」


ダッ シュー



アルミン「二時の方向に七m級二体、十一時の方向に十五m級一体」

ミカサ「先に十五m級の方を片付けましょ」

アルミン「僕とナックとミリウスが囮になる!その隙にミカサがやってくれ!」

アルミン「トーマスとミーナは他の巨人が来ないか周りに注意しててくれ」

「了解」

ビュー ビュー ビュー

十五m巨人「ウオォォォ」

キュィィィィー

アルミン「よし、十分引きつけられてる!」

アルミン「!?」

アルミン「ナック!下に三m級がいる!!」

ナック「!?なっ!?」

ガシッ

三m巨人「ウアッ!」ニヤニヤ

ナック「やめろ!離せ!」

三m巨人「アーン」ガブっ

ミリウス「ナック!今助けるぞ!」

アルミン「今近づいちゃダメだ!」

ガシッ グシャ

十五m巨人「…」ニヤニヤ

ミリウス「か…体が……」


ザシュッ


ドタンッ



十五m巨人「」


アルミン「ミリウス!大丈夫か?……うっ!」

ミカサ「ミリウスは下半身が潰されてしまった……もう息もしてない…」

シュー スタッ

ミーナ「ミカサ、アルミン大丈夫?」

トーマス「向こうの三m級はナックに気を取られてる間にうなじを削げたけど、ナックはもう…」

ミカサ「こっちはミリウスが…間に合わなかった」

アルミン(二人が……二人が僕の作戦で死んだ……)

アルミン「僕が…二人を死なせてしまった……」

ミカサ「アルミン!違う!アルミンのおかげで私たち四人は生き残れてる!結果は誰にもわからない」

ミカサ「あの三m級は見えなかった。これは判断ミスとかではない」

アルミン「僕が…僕が……二人を………」



ミカサ「アルミン…… 七m級二体は?」

ミーナ「今、クリスタとコニーの班がやってくれてる。けど…」

トーマス「向こうも何人か死人を出してるみたいだ…」

ミカサ「くっ!」

アルミン「ごめん……ごめんなさい……」



マルコ「ふーっ!まだみんないけそうかい?」

ダズ「ちょっと休憩を……」ハァハァ

フランツ「そうだね、まだ一人もかけてないんだし、焦ることはないよ」

ハンナ「マルコは本当に指揮官に向いてると思うわ」

マルコ「そんなことはないよ…」

マルコ「エレンやジャンの方が優秀な指揮官になれると思うな…」ボソボソ



シュー スタッ

ジャン「おい!マルコ!無事か!?」

マルコ「ジャン!今までどこに!?」

ジャン「あー、エレンと一緒にいた」

フランツ「!エレンは本当に超大型巨人を倒したのかい?!」

ジャン(ベルトルトやエレンの巨人化は
話さない方が良いよな…)

ジャン「あぁ、あいつ一人で超大型をぶっ殺しやがった」

ハンナ「…すごいっ!」

マルコ「本当かい!?エレンはすごいな… じゃあ今エレンはどこに?」

ジャン「…エレンなら違う班の応援に行ったはずだ」

ジャン「ところでよミカサとアルミンは見なかったか?」

マルコ「二人なら同じ班だったと思うけど流石に位置までは……」

ジャン「じゃあライナーとアニは知らねえか?」

マルコ「その二人とベルトルトは本部にも来なかったからなぁ……」

ジャン「そうか… まあいい!今は巨人を倒すことが先決だ!俺のこの班で戦うぞ!」

マルコ「よしっ!ジャンもいるなら大丈夫そうだ!そろそろ行こうかっ!」

ダズ「いや、もう少し休憩を…」ハァハァ




ミカサ「アルミン…落ち着いて、今は感傷的になってる場合じゃない」

ミカサ「さぁ立って!」

ミカサ「二人とも、まだやれる?」

ミーナ「えぇ、大丈夫」

トーマス「ああ」

ミカサ「アルミンは正解を導く力がある。私もエレンも以前はその力に命を救われた」

アルミン「そんなことが…?いつ?」

ミカサ「自覚がないだけ…また後で話そう」

アルミン「うん…」

ミカサ「ほら、十時の方向に七m級が一体にいる。アルミン、作戦を!」

アルミン(大丈夫だ…大丈夫だ……死んだ二人のためにもみんなを救わなきゃ……)

キリッ

アルミン「わかった!作戦は………」



本部



キース「ピクシス!」

ピクシス「キースか、どうした」

キース「エレン・イェーガーについて」

ピクシス・ハンネス「!?」

ピクシス「エレン・イェーガーがどこにいるのか知っているのか!?」

キース(ブラウン、フーバー、レオンハートのことはまだ言うべきではないな…)

キース「イェーガーは超大型巨人を倒し、訓練兵の中衛に合流しに行った」

ピクシス「お前ら、エレン・イェーガーがどのようにして超大型巨人を倒したか知っているだろう……知っていて彼を放置していると言うのか!」



キース「イェーガーは父、グリシャ・イェーガーに何らかの薬を与えられ巨人化出来るようになったことを思い出したと言っていた」

ピクシス「お前、それを本当に信じたのか?!」

キース「イェーガーは仲間を守るためにその力を使うと私に誓った」

キース「イェーガーは最高の兵士だ!仲間を守るためなら何でもやる素晴らしい男だ!奴を信じずして誰を信じる!」

キース「ミカサ・アッカーマンよりも成績は下であったが仲間を思う気持ちという採点項目があったら奴は首席で卒業しただろう」フッ

キース「エレン・イェーガーは味方だ!それをピクシス、お前に伝えてくれと頼まれた」

キース「それを踏まえてこれからの作戦を練れ」

ピクシス「……お前にそこまで言わせる男がいるとはな」フッ

ピクシス「この戦いが終わったら二人で話してみたいものだ」

ピクシス「エレン・イェーガーを味方とし、作戦を練る!ハンネス、参謀を呼べ!」

ハンネス「ハッ!」



街外れ




ライナー「あいつ、なんで巨人化出来るんだよ!」

ライナー「ベルトルトを倒した戦い方をみると巨人化をかなり使いこなしてやがる…」

ライナー「まだ硬化出来ないみたいだったが、それでもあいつには対人格闘の技術がある…」

ライナー(それにベルトルトを殺さずにどこかへと持っていった…)

ライナー(あいつは俺らをどうする気なんだ……)

ライナー「あー、くそっ!俺は戦士だ!あいつらと…エレンたちと過ごさなければ……あんな良い奴らがいると知らなければこんな中途半端な戦士にはならなかった!くそっ!くそっ!」

ライナー「どうすりゃいいんだよ………」




「俺と一緒にやり直そうぜ」


ライナー「!?」

ライナー「よく見つけたなエレン」



エレン「人がいないところをしらみつぶしに動いていただけだ」

ライナー「そうか…」

ライナー「なあ、なんでお前巨人化が出来るんだ?」

ライナー「そんな素振り訓練兵ん時は全くしなかっただろ!」

エレン「あー、巨人化出来るってなったのは一ヶ月くらい前だ」

エレン「もう訓練も終わりって時に、思い残すことがないように夜中、訓練場の奥の森で自主練してたらよ、ドジ踏んで腕にかすり傷負ったんだ」

エレン「その時に落ちるなって念じたらよ、巨人の腕が生成されて俺を支えたんだ」





エレン「その後、すぐに気絶しちまってな」

エレン「気付いたら医務室だった」

エレン「教官が運んでくれたんだ」

エレン「その時にこのカギを見て」つカギ

エレン「俺はシガンシナ区にある俺の家の地下室に行かなきゃいけないんだってことを思い出した」

エレン「そこに巨人の秘密があるらしい」

エレン「教官は俺が特訓してたの知ってたし、俺の身を案じて様子を見にきたら巨人の残骸を見つけてな」

エレン「それなのに俺のこと話を信じてくれた」

エレン「その時からお前らが巨人になれる能力を持っているから俺たちにはある一線を引いて接してるんじゃないかって気付いたんだ」

エレン「それから俺は密かに巨人化してからの能力を磨いた」

エレン「教官は俺が自我を失ってしまった時のためにつきっきりで特訓してくれたよ」

ライナー「そうだったか…一ヶ月であんな動き回れるなんてお前はやっぱり俺が認めた兵士だ」



ライナー「それでお前はどうするんだ?ベルトルトを殺さずにどこかへ持っていったこともわかってる…おそらく俺も気絶させてどこかへと連れて行きたいんだろうが、お前じゃ無理だぞ」

エレン「ああ、俺じゃお前を倒せない。あの鎧がある限りうなじはおそか体にかすり傷を与えることも難しいかもしれん」

エレン「だから、説得にきた!」

ライナー「説得だぁ?お前なに言ってんだよ、これから拷問されるかもしれねえってんのに説得なんてされるわけねえだろ」

エレン「拷問なんてさせない!全ての真相を明らかにするまではお前らの正体を隠すつもりだ!ベルトルトも俺と教官とジャンしか知らないところに巨人化しないように縛っているだけだ」

ライナー「………エレン、お前がなんと言おうと俺は責任を果たさなくちゃいけない……戦士だからだ」

ライナー「俺らを守りたいって言ってくれるなら守る奴よりも強くちゃいけないだろ」

ライナー「俺を倒したらお前に従ってやるよ」

ライナー「お前が負けたら今度はお前が俺に従え!」

ライナー「俺は……お前を……エレンを殺せない」


エレン「………わかった」

エレン「行くぞ、ライナー!」

ガリッ

ゴゴゴゴゴ



ライナー「お前は本当に良い奴だ!」

ガリッ

ゴゴゴゴゴ




黒髪の巨人「ウオオオォォォォォ」

鎧の巨人「ウガアアアァァァァ」


黒髪の巨人(鎧があっちゃいくら攻撃しても無駄だ…)

黒髪の巨人(しかし、壁の上で戦った時に地面に強く打ち付けたらその部分の鎧は剥がれた)

黒髪の巨人(そこから予想するとあの鎧は元からあるんじゃなくて作り出して付けている!)

黒髪の巨人(それならばあの鎧が生成出来ないくらい剥がせられれば勝機はある!)



鎧の巨人(今のエレンならこの鎧の仕組みに気付くだろう…… そうなると近接戦を仕掛けてくるはず)


黒髪の巨人(やるなら今!ライナーの動きが止まっている今だ!)

ダッダッダ

鎧の巨人(来た!それにしても速い!アニと同じくらいとか…こいつは本当に計り知れん奴だ)

鎧の巨人(だが、負けん!俺は俺の責任を果たす!)


ガシッ

黒髪の巨人「ウガアァァァァ」ドシャァァァ

鎧の巨人「グバッ」

ボロボロ

黒髪の巨人(鎧が剥がれてるこの調子だ!)



黒髪の巨人「ダアアァァァァァ」

ガシッ ドォォン バリッ

鎧の巨人「グガアァァァ」

鎧の巨人(このままだと思うなよ…… 腕を目一杯硬くして)

ブゥン

ドォンッ!!

黒髪の巨人「ガアアァァァァ」

黒髪の巨人(左半身ほとんどやられた… 一発一発はあっちの方がやはり上だな)

鎧の巨人(ハッ!対人格闘でエレンを怯ませたなんて随分と久しぶりだぜ)

黒髪の巨人(それでもみんなを守るため……ライナー、お前も守るためにお前には負けられねえ!)

黒髪の巨人「ウガアアアァァァァ」

鎧の巨人「ウオオオォォォォォ」



街中



ミカサ「もうガスが残り少ない…」

アルミン「撤退の鐘はまだなのか…?」ハァハァ

ミーナ「ハァハァ……もう無理」

トーマス「…ダメだ、超硬化ブレードも後一枚しかない」



カンカンカンカン



アルミン「!!やっと撤退だ」

ミカサ「三人ともガスの残りは?」

ミーナ「私は少し足りないかも… 壁の途中か壁につく前に終わりそう……」

トーマス「俺は確実に足りないな…」

アルミン「僕のも心もとない…」

ミカサ「じゃあガスの補給をしてから戻りましょう」

アルミン「ガスの補給処は……!?」

ミーナ「なによ…あれ……」



コニー「くそっ どうするんだよ!?」

ジャン「どうもこもうねぇよ… やっと撤退命令が出たってのに…ガス切れで壁は登れねえし」

ジャン「あの腰抜け共のせいで…」

マルコ「僕たちへの補給任務を放棄して本部に籠城か……巨人が群がってガスを補給しに行けない……」

コニー「そんな……」

ジャン「他の班はどうした?」

マルコ「ほとんどこの状態みたいだよ…」

クリスタ「ダメだよ!諦めちゃ!エレンが超大型巨人を倒してくれたんだよ?今でもどこかで戦ってくれてるんだよ?きっと!」

ジャン「!!」

ジャン(そうだ…今頃ライナーやアニと戦ってくれているはずなんだ)

ジャン(俺がしっかりしねえでどうする!糞が!諦めてんじゃねえよ!!)

ジャン「おい!てめら、エレンなんて言う死に急ぎ野郎においしいとこだけ持ってかれて悔しくないか!」

ジャン「あいつは俺らを守るために成績上位10人の枠を一つ空けたばかりか、駐屯兵団に行きやすいような口実をコニーに託してくれたじゃねえか!」

ジャン「あいつはおそらく一人で鎧の巨人と戦ってる!俺らが普通の巨人倒せずにいてどうするんだ!」

ジャン「俺たちは仲間を一人で戦わせろと学んだか!?お前ら!エレンに守られるだけの腰抜けになるな!!」

ダッ


「あいつ…」

「ちくしょう…やってやるよ…」


うおおおおおおおおおお!!

ドオオオオオオオ




マルコ「……ジャン」

マルコ(君やエレンはすごい……僕は今なにができた…ただ死ぬのを怖がっていただけだった……)

マルコ「ジャン……君は死なせない!」





クリスタ(エレンもジャンもかっこいい… あれで死んでも英雄扱いだよ…… 私もあんな風に[ピーーー]るかな……)ダッ

ユミル「………」ダッ




シュー シュー


ジャン「うおりゃあぁ!」ザシュッ

コニー「ダアッ!」ザシュッ



ハンナ「タアッ!」ザッ

ハンナ(しまった……浅い)

ガシッ

ハンナ「あっ……あっ……」

巨人「…」ニヤニヤ

アーン

フランツ「ダアッ!」ザシュッ

巨人「」グラッ ドタンッ

ハンナ「きゃっ!」

ハンナ「はっ!生きてる……助かった!」

キョロキョロ

ハンナ「!!…フランツ!?」

フランツ「」

ハンナ「いやあああぁぁぁぁぁ」



シュー スタッ

クリスタ「…ハンナ?」

ハンナ「いや…いや……いやっ……」ドッドッドッ

クリスタ「ハンナ?一体なにを…?」

ハンナ「あ…クリスタ!?」

ハンナ「助けて!フランツが息をしてないの!」グスッ

クリスタ「………ハンナ」ウルッ

ハンナ「さっきから何度も…何度も蘇生術を繰り返してるのに!」

クリスタ「ハンナ…」

「もうこれ以上は無駄だ…行くぞ」

クリスタ「ユミル」

ユミル「ほら」ダキッ

ハンナ「離してユミル!フランツをこのままに出来ないでしょ!」

バシッ

ユミル「あんたが死んだらあいつの死が無駄になるんだぞ!ここを生き残ってあいつの墓をたててやるのがお前のすることだろうがよ!」

ハンナ「うっ…うぅっ……」グスッ

クリスタ「………」

ユミル「人が死ぬっていうのはこういうことなんだ……クリスタ、あんたが死んだら私は生きていけないよ」

クリスタ「……ユミル」ウルッ

ユミル「もう死のうなんて思うんじゃないよ!」

クリスタ「……うん」グスッ



ジャン「ん?あれは…」

「おい、ミカサ」

ミカサ「ジャン…」

ジャン「お前らなにやってる」

アルミン「何って…ガスがほとんど残ってないんだ…」

ミーナ「それなのに補給処にあんなに巨人が群がってて…」

トーマス「どうしようもなくて…」


ジャン「今あいつは…エレンは鎧の巨人と戦ってるぞ」

「!?」

ミカサ「どういうことジャン!」

ジャン「今は話してる場合じゃねえ!」

ジャン「みんな補給処目指して巨人に向かってるんだ!お前らも行くぞ!」

アルミン「わかった!そこできちんとエレンの話を聞かせてもらうよ!」

ジャン「ああ!ミカサとアルミンの命をエレンに託されたからな!意地でも死なせねえよ!」

ジャン「ミーナ、トーマス!お前らも行くぞ!絶対全員で帰るんだ!」

シュー



「うわあああああぁぁぁ」

ジャン「!?」

ジャン(まずい!あいつ…ガス切れだ)

ジャン「今、助けるぞ!」

シュー ザシュッ

ジャン(よしっ!)

ジャン「おい、俺に…つかま……れ……」

「うっ!」ガクッ

ジャン(しまった囲まれてた…)

ジャン(こいつももう助からねえ……)

ジャン「くそがっ!こんなことならいっそ…言っておけば……」

「ジャン!!」

ザシュッ

ジャン「!?マルコ!!」

マルコ「君は死なせないよ!未来の優秀な指揮官をこんなことで死なせるわけにはいかない!」

ジャン「なに言ってるんだ…?」

マルコ「君が多くの人間を扇動しただろ!最後まで責任を持て!」

ジャン「!」

マルコ「さあ、僕があの巨人を倒すからその空いたところから補給処を目指せ!」

ジャン「お前はどうするんだ…」

マルコ「君の後に着いていくに決まってるじゃないか!僕は君に着いていくと決めたんだ!」

ジャン「わかった!」

マルコ「うおおおぉぉぉ」

シュー ザシュッ!!

マルコ「今だ!」

ジャン「おう」

シュー

マルコ(よしっ、僕も!)

グラッ

マルコ「!?」

マルコ(ははっ、ワイヤー掴まれちゃってるや…)

マルコ(……ジャン、ありがとう)


グシャッ





ゴオオオオオ

「うおおおおおおお」

ガシャッ

ジャン「うっ!」ハァハァ

コニー「ジャン、遅えぞ!」

ジャン「何人….たどり着いた…?」

ジャン「仲間の死を利用して…俺の合図で何人……死んだ?」

ジャン「マルコ…マルコ!?」

ジャン「ははっ、くそがっ!」

クリスタ「ジャン、その人たちのためにも生きることを今考えるの!」

ユミル「てめえが扇動したんだろうが、最後まで責任持て!」

ジャン「!ああ!」

ジャン(……エレンとの約束守るためにもここで諦めちゃいけねえ!)


アルミン「中にいる巨人はあらかた片付いた!今ならガスの補給が出来る!早く!」



ゴオオオン



!?!?



アルミン(しまった……人が集中しすぎたんだ…)

ジャン(くそっ!あともう少しなのに………)




街外れ




黒髪の巨人「ガアアァァァ」フーッフーッ

鎧の巨人「…」ボロッボロッ

黒髪の巨人(よしっ、これでうなじの部分を外せば………!?)

十五m巨人「グガアアアアァァァ」

ガッ

黒髪の巨人(しまった…もう体を……)

黒髪の巨人「ウガアアアァァァァ」

黒髪の巨人(……やばいっ!)



ドゴォォォン!

グシャッ

雌型の巨人「……」



黒髪の巨人(巨人が…巨人を殺した?ということは……)

雌型の巨人「」シューーーーー



アニ「……大丈夫かい?」


黒髪の巨人「」シューーーーー



エレン「………アニ…か」グラッ

アニ「たくっ!あんたたち二人はどれだけやらば気が済むのさ」ダキッ

エレン「ハハッ、すまないね」



鎧の巨人「」シューーーーー



ライナー「……俺の負けのようだ…な」ヘタッ

エレン「じゃあ……俺に従ってもらうぜ」

ライナー「あぁ」

エレン「アニはどうするんだ?ライナーみたいに俺と決闘か?」

アニ「そんな恰好でなに言ってんのさ、わたしはライナーの意見に従うよ」

エレン「そうか…良かった。全快の状態でもアニには勝てそうにないからな…」ヘヘッ

アニ「…そうかい」



エレン「それじゃ今度はあいつらのところに行かないとな」

アニ「大丈夫なのかい?」

エレン「ああ、特訓してたときも巨人化は二回まで大丈夫だった。もう行けるよ」

ライナー「俺はもう少し休ませてもらう」

エレン「じゃあ調査兵団の地下に行けよ!そこにベルトルトもいるから」

ライナー「わかった」

アニ「じゃあ行くよ、エレン」

エレン「アニもついて来てくれんのか?」

アニ「私たちを守るんだろ?そいつがヘロヘロの状態のせいで死にましたなんて言ったら許せないからね」

エレン「ありがとよ」

ダッ シュー



ライナー「ハハッ、あいつと一緒なら故郷にだって帰れるかもしれんな…」



シュー タンッ


エレン「なんで補給処に巨人が集まったんだよ」

アニ「おそらくみんなガス切れで決死の覚悟で補給処に突っ込んだら人が集中しすぎたってとこじゃない」

エレン「あんなに巨人いたら出れねえじゃねえか」

エレン「……俺が巨人化して蹴散らすか」

アニ「私がやるよ」

アニ「別にあと一回くらいなら巨人化しても私は大丈夫だからね」

アニ「それに五年前のヤツではわたしは目立ってなかったからね、あんたと同じ扱いを受けるくらいですみそうだしさ」

エレン「すまねえな、頼むぞアニ!」


ガリッ

ゴゴゴゴゴ

雌型の巨人「………」

ダッダッダ



補給処



ミカサ「私が外に出て巨人の数を減らしてくる」

ジャン「それはさせねえ!俺はエレンにお前のこと頼まれてんだ!」

ミカサ「でも…どうしたら……」

ジャン「俺が行ってくる」

ミカサ「それこそ無駄……貴方は私より弱い」

ジャン「それでも行くんだよ!あいつとの約束なんだ」

ミカサ「………」





┣¨┣¨┣¨┣¨ドドド


グシャアアァァ




ジャン「!?なんだ、あいつ……巨人が巨人を殴ってる……」



ガシャァッ


エレン「っと!お前ら無事か!?」

ミカサ「…………エレン……?」

ジャン「……エレン?」

アルミン「えっ!?」



オイアイツエレンジャ? エッ? エレン?



ミカサ「エレン!!」ダキッ ギュー

エレン「だぁっ!痛い痛い!」ミシッミシッ

ミカサ「エレン、大丈夫なの?」ウルウル

エレン「あぁ、心配かけちまってすまないな」ナデナデ

アルミン「エレン!君は……心配ばかりかけて………」グスッ

エレン「本当、心配かけてごめんな!けどもう大丈夫だ!」

ジャン「お前、もうあいつらは大丈夫なのか?」

エレン「あぁ!みんなを守ってくれてありがとう!」



エレン「さぁ、みんな早く壁を上るぞ!」


オウ!!








エレン「補給処の中にいた奴らはもう行ったな!」

ジャン「あぁ」

ミカサ「あの雌型の巨人は?」

エレン「アニだ」

!?

アルミン「どういうこと?アニが巨人になったったこと?」

エレン「詳しい説明は後だ。今はアニを援護するんだ!行くぞミカサ、ジャン」シュー

ミカサ「エレンが言うなら信じよう」シュー

ジャン「おう」シュー



アルミン(ということはエレンが巨人になったっていう話も事実なのか…)





雌型の巨人「」シューーーーー



エレン「大丈夫か?アニ」

アニ「ああ」

ミカサ「どういうことか後で詳しく聞くから」キッ

アニ「……」

エレン「さあ、今は撤退だ!行くぞ」


シュー シュー シュー






第二部完

次で最後です
最後はそんなに長くならないはずです
カップリングはサシャの暖かくて仲間思いなところをエレンが引き継いで行くって感じにしたかったので入れました
ちなみにサシャは大好きなので死なせたくはありませんでした






シュー スタッ


ピクシス「やあ、諸君。お疲れのところ悪いが、何人もの人が君たち二人が巨人になり、巨人から出てきたのを見ておる」

ピクシス「ここは一つ説明してくれんかのう……エレン・イェーガー君、アニ・レオンハート君」

ミカサ「エレンは……二人は私たちの味方です」

ピクシス「わかっておるよ、キースからも聞いておる。二人は優秀な兵士だと」

エレン「私が巨人になれるようになったのはキース教官からお聞きになった通りです。その上で私は人類のためにこの力を使いたいと思っております」

アニ「私も彼と同じです」

ピクシス「うむ………では他の者にもそう伝えよう」

ピクシス「アッカーマン君、アルレルト君、それと…キルシュタイン君だったかな?」

ジャン「はい」

ピクシス「三人は他の訓練兵と合流してくれ」

「ハッ!」

ピクシス「君たち二人は私に着いてきてもらおう」



ガヤガヤ


クリスタ「ミカサ、アルミン、ジャン!三人とも大丈夫だった?」

コニー「あの巨人を襲ってた巨人って本当にアニなのか?」

アルミン「そうだよ…二人はこれからみんなにも紹介されると思う」



ライナー「………すまなかった」

ベルトルト「………ごめん」

ミカサ「………二人のことは私からは何も言わない」

ミカサ「けれど、エレンが二人のことを許してやってほしいと言った。全ての真相を明らかにしそれでも許せなかったらしょうがないけど、今は俺たちの仲間だと言った」

ミカサ「二人はエレンに感謝すべき」

ミカサ「そしてエレンが信じるならば私も二人を信じる」

ライナー「………恩に着る」

ベルトルト「………ありがとう」



クリスタ「あの二人何かあったの?」ボソボソ

アルミン「………もうすんだことは良いんだよ」ボソボソ

クリスタ「?……ふーん?」




ガヤガヤ




ピクシス「二人にはもう一度巨人になってあの大岩で壁の壊された壁の部分を塞いでほしい」

ピクシス「出来るか?」

エレン「……塞いでみせます!何があっても」

アニ「………私もやります」

ピクシス「よう言ったの!主らは兵士じゃ!」

ピクシス「さあ、詳細を参謀と決めよう」

アニ「良かったのかい?あんた体が……」

エレン「今、兵士も民も俺たちの存在に怯えている……それに巨人と対峙するのもままならない奴だっているんだ」

エレン「俺たちがそいつらの希望にならなくちゃいけないんだ!」

アニ「……あんたを見てるとこっちが恥ずかしいよ」

アニ「希望になんてならなくて良いんだよ、そんな大層なもの一人で背負えるわけないでしょ」

アニ「私やライナー、ベルトルト、ミカサたちにも背負わせなよ」

アニ「みんなあんたを頼りにしてんだ!あんたも私らを信頼しな……私たちはもうあんただけは裏切らないからさ」

エレン「……お前の言ってることも結構恥ずかしいからな」フフッ

アニ「なっ…//」カアァァァ

ゲシッ

アニ「ほら、行くよ//」



ピクシス「お主ら二人が岩を壁まで持っていく間のルートを確保するために少数精鋭でお主らを護衛したい」

ピクシス「こちらから2班の精鋭を用意した」

ピクシス「もう3、4人ほどをお主らの知り合いをと思っての」

エレン「それなら、ライナー・ブラウン、ベルトルト・フーバー、ミカサ・アッカーマン、アルミン・アルレルトをお願いします」

ピクシス「ほお、先の三人はわかるが、アルミン・アルレルトを選ぶのはなぜじゃ」

エレン「あいつには正解を導く力があります」

ピクシス「……わかった」

ピクシス「では他の者たちにお主らを紹介する」



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


クリスタ「さっきのピクシス司令の演説はすごかったね……それにエレンとアニが巨人化生体実験の成功者だったなんてね」

ユミル「ああ…」

ユミル(あいつらいつから巨人に……)



「アッカーマン、ブラウン、フーバー、アルレルト!お前ら四人は特別な仕事がある!こっちへ来い」

ジャン「エレンとアニの護衛だろうな!お前ら……絶対死なすんじゃねえぞ!」

ライナー「ああ!あいつに生かしてもらってる命、あいつのために使おう」

ベルトルト「もう僕たちはエレンのためにあるものだから」

アルミン(なんかミカサが増えた気がする…)チラッ

ミカサ「エレンに最初に助けてもらったのは私」

ミカサ「だから私が一番エレンのことを大事に思ってる」ギロッ

ライベル「!?」ビクッ


ジャン「はははっ、お前らなら心配しらねえな!アルミンも頼んだぞ」

アルミン「うん」






ピクシス「集まってくれたか」

ピクシス「お主ら四人はイェーガーとレオンハートが岩を運び壁を塞ぐまでの護衛についてもらう」

ピクシス「巨人が入ってくる穴じゃ、巨人との遭遇は必須!危険もそれだけ高いだろう」

ピクシス「それでもやってもらう」

ピクシス「覚悟は出来ているか?」

「「「「ハッ!」」」」

ピクシス「よろしい!ちなみに聞きたいんじゃがレオンハート君の巨人は雌型じゃと聞くが」



「超絶美人か?」



「……………」

ライナー「美人かはわかりませんが、良いケツしているのは確かです」

アニ「…」ゲシッ

ライナー「ぐはっ」ドォォン



ピクシス「………では作戦の確認を」

((((やっぱり生来の変人と言われてるだけあるな……))))




ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


アルミン(岩で壁を塞ぐ作戦は成功した)

アルミン(エレンが自我を保てるか危惧していたようだが、そのような自体には陥らず)

アルミン(アニとミカサ、ライナー、ベルトルトの活躍により、ほとんど被害も出ずにエレンが大岩で壁を塞ぐことが出来た)

アルミン(後から来た調査兵団の活躍により壁内に残っていた巨人も倒し、エレンが守りたかった思い出の街は守ることが出来たようだった)



アルミン(その後、エレンとアニは裁判にかけられ二人は調査兵団に入ることで合意された)

アルミン(裁判中リヴァイ兵長はエレンの方にしか暴力をふるわなかったのは優しさだったと思うけど、ミカサとライナーとベルトルトはリヴァイ兵長のことをチビと呼ぶようになった)

アルミン(そして、今日は配属兵科を決める日……)




エルヴィン「では今!ここにいる者を新たな調査兵団として迎え入れる!」

バッ

エルヴィン「これが本物の敬礼だ!」

「心臓を捧げよ!」



ハッ!



エルヴィン「第104期調査兵団は敬礼をしている総勢73名だな」

エルヴィン「君達は素晴らしく勇敢な兵士だ…心より尊敬する」



エレン「お前ら何でほとんどが調査兵団にしてんだよ!」

クリスタ「だってエレンは私たち仲間を守るために強くなってくれたんでしょ?」

クリスタ「それならエレンの側にいないと守ってもらえないじゃない」クスッ

ユミル「エレンなんかに守られなくても私がまもってやるよ〜クリスタ〜」ダキッ

エレン「いや、そうじゃなくてだな……」

エレン「コニー!ちゃんと伝えたんだよな?憲兵団と駐屯兵団に入れって」

コニー「言ったぞ!けどそうしなくてもエレンに会えたからみんな行きたい兵団にしたんじゃないか?」

ジャン「お?珍しく頭を使ったなコニー」

ジャン「俺はお前に守られるなんてごめんだからな!お前を守りに来てやったんだよ」

ジャン「それにマルコの無念を晴らすにはここで巨人を駆逐するしかねえからな」

エレン「……ジャン」

ライナー「俺はお前に命を託した!お前は俺たちが生きるための指標になってくれ」

ベルトルト「エレンの言うことに僕は従うよ」

エレン「ライナー…ベルトルト……」

アニ「私はあんたが巨人化してからの能力アップをしなくちゃいけないしね」

エレン「アニには負けねえぞ」ハハッ



アルミン「僕はエレンと外の世界を探検することを諦めないよ」

エレン「アルミン…!そうだな!やっぱりアルミンはいなくちゃダメだよな!」


ミカサ「私はエレンが行くところに行く」

ミカサ「エレンがいれば私は何でも出来る」

ミカサ「エレンは……私の家族だから」

エレン「ミカサ……ありがとう!」


「みんなありがとう!!」



エレン(サシャ…お前も一緒に連れて行くからな)

エレン(今、俺がみんなを守れているのは全部お前のおかげだ)

エレン(お前のこと好きになれて本当に良かった)

エレン(お前の暖かい心に触れられて本当に良かった)

エレン(ライナー、ベルトルト、アニを心から許せたわけじゃないがそれでも三人は俺を信用し命をかけてくれている)

エレン(お前が俺を変えてくれたから今の仲間がいる)

エレン(ありがとう……サシャ)



エレン「そっか、これが…」




<仲間>なんだな




おわり

読んでいただきありがとうございました。個人的には最後駆け足の形になったのが少し痛いですが、これ以上上手く書ける自信がありませんでした。原作に沿って書いてきたつもりです。
また機会があったらお願いします。

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2014年05月10日 (土) 01:54:08   ID: q6Z1HWRb

いい話ですね…(泣)
感動しました。

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