弟「姉が可愛いなんて幻想だ」(13)



弟「……………」スースー

ツン

弟「んっ……」

ツンツン

弟「んんっ…!」パチ

姉「おはよう」ニコ

弟「……あと5分」

ツンツンツン

弟「……………」

姉「ご飯出来てるから降りて来てね」

弟「ふぁ~い……」

姉「……………」ジッ

弟「なに……?」

姉「私がいなくなったら、また寝ちゃうでしょ」

弟「ちゃんと起きるよ」

姉「…じゃあ、待ってるね」パタパタ

弟「……………」

弟「……………」スースー

5分後

ツンツン

弟「……………ん?」パチ

姉「ぐすっ……」

弟「何で泣いてるの?」

姉「待ってたのに…」グスッ

弟「…起きますから、泣かないで下さい」

姉「起きるの、見てる」

弟「……………」

リビング

弟「相変わらず美味しそうな朝御飯だ」

姉「ふ、普通だよ」

弟「普通のレベルは遥かに超えてる」

姉「……ありがとう」

弟「いただきまーす」

姉「はい、召し上がれ」ニコ

弟「ずずっ……ん? 味噌汁、出汁変えた?」

姉「あ、分かる?」

弟「いつもより旨味が濃いような……なんだろ、コレ」

姉「んふふ、実は、煮干し使ってみたの」

弟「へー、その割にはクセがないっつーか」

姉「水出しだもの」

弟「手間かかってんなー」ズズッ

姉「ど、どうかな? おいしいかな?」

弟「うん、凄く美味い」

姉「~~!!」グッ

弟「ガッツポーズ取る程うれしいか」

弟「この焼き魚もいい感じの焼き具合だな」パクパク

姉「……」ソワソワ

弟「白い飯に合うったらないよな」パクパク

姉「……」ソワソワ

弟「うめー、……ん? 姉ちゃん、何ソワソワしてんの?」

姉「あっ、えっと……あの……」

弟「ん?」

姉「ごはんつぶが……」

弟「え? ついてる? どこ?」

姉「こ、ココに」ヒョイッ

弟「あ、取れた? ありがと」

姉「……」

弟(……取ったごはんつぶを凝視している)

姉「……」プルプル

弟(なんで震えてんだ?)

姉「えいっ!!」パクッ

弟(あ、食った)

姉「~~!!」

弟「身悶えする程恥ずかしいならやるなよ」

弟「朝練あるから先に行くわ」

姉「あ、帰りは何時頃かな?」

弟「んー、部活あるから遅くなると思う」

姉「そう……」

弟「飯だけ置いといてくれれば先に寝ててもいいけど?」

姉「……待ってるから」

弟「ん? そうなの?」

姉「ずっと、待ってるから……」

弟「……俺なんかヤバいトコ行くのか?」

弟「ただいま~」ガチャ

姉「お、おかえり!!」

弟「ホントに待ってたんだ?」

姉「もちろん!! 御飯にする? 先にお風呂? それとも……」

弟「……それとも?」

姉「あっ……え、えっと……その……」

弟「それとも、何?」

姉「いや、その……ちょっと、勘違い……」

弟「どんな?」

姉「わ、忘れて!! なんでもないの!!」

弟「……言うまで入らないって言ったらどうする?」

姉「~~~!!」

弟(真っ赤っかで爆発しそうだ)

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