男「お前の彼女頭おかしいな」 (30)

弟「え?」

男「顔はいいんだけどさ…なんかちょっと…うん…」

弟「ちょ、ちょっと待ってよ、何の話?」

男「お前の頭おかしい彼女の話だよ、もう少し付き合う女選んだ方がいいぞ」

弟「いや…僕、彼女いないし…」

男「嘘つくなよ」

弟「う、嘘じゃないって!!」

男「でも相手は付き合ってるって言ってたぞ」

弟「し、知らないよ…そんなの…」

男「…」

男「ああ、そうだった…」

弟「な、何?」

男「その女から手紙預かったってたんだ、お前に渡してくれって、ほい」

弟「…ん、ありがとう」

男「まあ、あれだ…ちょっと頭おかしいがお前のこと本気で愛してるみたいだからな…」

男「もう少し様子を見てみるのもいいかもな…じゃあな…」

ガチャン

弟「…」

弟「…」ペラッ

「弟君愛してます愛してます愛してます愛してますあなたのすべてを
心から愛してますあなたを私だけの物にしたいですふふっ…
というよりもう私だけの物になってるんですよ?わかってますか?
私はあなたを愛してるんです大好きなんですよ?あなたも私のことを愛して
くれてますよね??って聞くまでもないですよね、
あなたは私のもので私はあなたのものなんですから…
弟君本当に愛してます愛してるんです愛してるんです
愛してます愛してます愛してます………………………………」

弟「な、なにこれ…恐い…でも字は綺麗…きっと一生懸命書いてくれたんだろうな…」

ガチャ

男「おい、弟」

弟「に、兄ちゃん、今度はどうしたの?」

男「なんかお前の彼女外にいるぞ」

弟「え…ええええっ!!なんで!?」

男「お前に会いに来たんだろ?付き合ってるならそれくらい当たり前だろ」

弟「だから付き合ってないって…」

男「でもおかしいよな」

弟「え…何が?」

男「ほら見てみろよ、さっきからあそこに立ってただじっとお前を見てるんだ」

弟「ど、どこ!?」

男「あの建物の裏だよ、よく見てみろ」

弟「……いや、見えない…さすがに遠いよ…」

男「ああ、向こうも双眼鏡でこっち見てるからな」

弟「え、そうなの?てかなんで兄ちゃんは見えるの!?」

男「俺は視力いいからな、お前はゲームばっかしてるから目悪いけど」

弟「ははっ…そうだね…」

男「おお!!お前が笑ったから相手もなんか嬉しそうだぞ!」

男「よし弟!!お前手振ってみろよ!!」

弟「え、あ、ああ…うん」

弟「こ、こう?」フリフリ

男「そうそう、それでいいn

男「おっと、電話…はいもしもし」

「弟君で遊ぶな!!」

男「ん?その声は…」

「弟君は私のものなんだ、だから弟君で遊んでいいのは私だけ…」

男「なに言ってるんだ!弟で遊んでいいのは兄であるこの俺だけだ!!ふざけんなバカ野郎!!」

「違う!!ちがうちがうちがうちがう!!弟君は私のものなんです!!あんたの物じゃない!!」

男「やっぱりお前頭おかしいわ、金輪際うちの弟に近づかないでくれ」

「……殺すから」

男「は?」

「あんたみたいなのを弟君の近くに置いておけない…私と弟君の邪魔をするやつはみんな殺す…」

男「殺れるもんなら殺ってみろ、じゃあな」ピッ

弟「ど、どうしたの?大丈夫?」

男「弟!!もうあんな女と関わるなよ!兄ちゃん許さんからな!!」

弟「う、うん……関わってないけど…」

男「カーテンも閉めとけ!!」

弟「うん…」

男「ったく、ふざけやがって…」ブツブツ

弟「あ、兄さん…今日出掛けるって言ってなかった?」

男「おお、そうだったそうだった、友と遊ぶ約束してるんだった」

弟「じゃあな早く行かないと…」

男「そうだな、行ってくるわ」

弟「うん…」

男「どうした?元気ないじゃないか、彼女と別れさせられたのがそんな辛いか?」

弟「いや、そうじゃない……付き合ってもないけど…」

男「おいおい、弟よ女は星の数ほどいるんだ、いずれはお前に合う人も現れるさ」

弟「うん…兄ちゃんって本当に人の話聞かないよね」

男「んじゃ、行ってくるわ」

ガチャン

弟「…」

「殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す…………」

父「おい!!警察には連絡したのか!?」

母「もうとっくにしてるわよ!!」

父「おかしいだろ!!何も言わずに家を3日も帰ってこないなんて!!」

母「私に言われても知らないわよ!!」

父「くっそ…一体どこ行きやがったんだ…男の奴…」

弟「…」

弟「…兄ちゃん」

3ヶ月後

父「それじゃ、しばらく留守番頼んだぞ」

弟「うん」

母「ねぇ、やっぱり一緒に行きましょうよ…もう男もいないんだし…一人で長い間留守番させるのも…」

父「大丈夫だ、もう一人で留守番くらいなんともないさ」

弟「うん、大丈夫だよ」

母「…そう…でもなにかあったらすぐ電話するのよ」

父「2週間くらいで帰るからな」

弟「…うん」


「……ふふっ……ふふふふっっ…」

弟「…」

弟「…はぁ…」

弟「…暇だなぁ…」

弟「…」

弟「…兄ちゃん…どこ行ったんだよ…」

ピーンポーン

弟「…誰だろう…こんな夜中に…」

ピーンポーン

弟「はーい、ちょっと待ってくださいね…」

ガチャ

「…」

弟「あ…こ、こんばんは…」

「ふふっ、こんばんは」

弟「どちら様でしょうか?」

「…とりあえず入れてもらってもいい?」

弟「あ、す、すいませんどうぞ…」

「ん、ありがとう…」

「…」ジィ

弟「…」

「…ふふっ…可愛い…」

弟「あ、あの…ご、ご用件は?」

「…私のこと…」

弟「え?」

「誰だかわからない?」

弟「…はい……すみませんが…」

「ふふっ、そうだよね、わからないよね…ふふっ」

弟「…」

弟「…あ、もしかして兄ちゃんの彼女さんですか?」

「ッ!!!!」

弟「歳も同じくらいにみえますしs

「ふざけるなあぁっ!!!!!」

弟「!!」ビクッ

弟「すみません、ごめんなさい…すみません…」オロオロ

「ハァハァ…ハァハァ」

「…ううん…こっちこそ大きな声出してごめんね」ナデナデ

弟「(なんだこの人…頭おかしいのかな…)」

「じゃあ自己紹介するね…私は女…あなたの恋人です」

弟「(…本当に頭おかしい人だ…どうしよう…)」

女「よろしくね、弟君…ふふっ…」

弟「こ、困ります…そんなこと急に言われましても…」

女「どうして?何が困るの?ねぇ何が困るって言うのよ!!!」

弟「お、大きな声出さないで下さいよぉ…」

女「あなたがおかしなこと言うからいけないんでしょ!!?」ガシッ

弟「!?!?ッ…な、なんですか…は、離してください!!」

女「暴れるな!!」

弟「うっ…痛いです…やめて…」

女「…」

女「いい?あなたは私の物なの、私に逆らったらダメなの…わかった?」

弟「わ、わかりましたよ…だから乱暴は止めてください…」

女「次逆らったらこんなもんじゃすまないからね…ふふっ」

弟「…」

女「…それじゃ、行きましょうか」

弟「どこへ…ですか?」

女「これから私達が一緒に暮らす家に……ふふっ…」

弟「い、嫌です…留守番しなきゃいけないんで…」

女「…まだわかってないのかな?」

弟「ッ!!」

女「もう迎えは来てるんだから…早く行きましょうか…ね?」ギュ

弟「…」コクンッ

女「ふふっ、いい子いい子…」ナデナデ

弟「大きい車…なにこれ…」

女「ふふっ…ビックリした?」

「どうぞ、お乗りください」

女「ほら、早く乗って…」

弟「い、いや、…やっぱり行きたくないd

女「早く乗って?」

弟「…」

女「見えてきたよ…あそこが私達が一緒に暮らす家だよ」

弟「…」

女「どう?気に入った?」

弟「すごく大きな家ですね…城みたいです…」

女「ふふっ…」

弟「…いつ帰してくれるんですか?」

女「まだ言ってるの?何度も言ってるでしょ?ここで一生一緒に暮らすんだって」

弟「…」

女「欲しいものは何だって買ってあげるよ?食べたいものは何だって食べさせてあげる…ふふっ…」

「到着しました」

女「さあ、降りましょうか」

オカエリナサイマセ、オカエリナサイマセオジョウサマ

弟「…」チラチラ

女「使用人がそんなに珍しい?ふふっ…」

弟「ふ、普通いないですから…」チラチラ

女「ふふっ…可愛い…」

弟「…」チラチラ

女「はい、ここが私と弟君の部屋だよ」

弟「…」

女「どうしたの?眠たいの?」

弟「なんでこんなことするんですか?」

女「なんでって?そんなのあなたを愛してるからに決まってるじゃない」

女「私は欲しいものを手にいれるためなら何だってするのよ…ふふっ」ギュ

弟「…」

女「弟くん…すごくいいにおいがする…」

弟「…」

女「…あいつが言った通りね…ふふっ…」

弟「あいつって誰ですか?」

女「んー…なんでもないよ…」ナデナデ

女「弟くんはもう私のことだけ考えてればいいの…」

女「それ以外のことは何にも考えなくていいから…」ナデナデ

弟「…」

女「愛してるよ…弟君…」

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