※このスレのハンジさんは女性です。
ある日
ハンジ「やあリヴァイ、今日も君はちっこいねえ!」
リヴァイ「朝っぱらからゴキゲンな挨拶だなクソメガネ、レンズ叩き割られてえのか」
ハンジ「おやおや、怒っちゃったかい?男はもっと寛容さがないとだめだぞー?」バシバシ
リヴァイ「黙れ、背中を叩くな削ぐぞ」
ハンジ「私のうなじを?大丈夫?ここまで届く?踏み台持ってこようか?」
リヴァイ「…削ぐ」スチャッ
ハンジ「きゃーこわい!削がれる前に退散退散ー!」スタコラ
リヴァイ「………」
.
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別の日
ハンジ「リヴァイー、ちょっとー」ツンツン
リヴァイ「ん……どうしたハン」プニッ
リヴァイ「」
ハンジ「うっひゃっひゃっひゃ!引っかかったー!」
リヴァイ「…オイお前、ミンチとひき肉、どっちがいいと思う?」
モブリット「お言葉ですが兵長、それどっちでも同じです」
リヴァイ「そうか。ならどっちでもいいな」スチャッ
ハンジ「うわ、やっべー怒らせた!モブリット、あとはよろしくー!」スタコラ
モブリット「ええっ!?そんな殺生な!」
リヴァイ「………」
.
また別の日
リヴァイ「というわけだ、お前らも巨人の餌になりたくなかったら死ぬまで鍛錬しろ」
部下「はっ!」
リヴァイ「よし、それでは…」
ハンジ「ていっ」
リヴァイ「ぬぉっ…!?」カクーン
ハンジ「ようし!膝カックン成功!」ガッツポ
リヴァイ「…オイ、俺は今部下を指導している最中なんだが」
ハンジ「んー?そんなの見りゃ分かるよ?」
リヴァイ「…なにか用か」
ハンジ「え?九日十日?」
リヴァイ「そうかそうか、巨人の餌一号は貴様からだ」スチャッ
部下「兵長、もう分隊長いませんよ」
リヴァイ「………」
.
リヴァイ「ハンジ…あの女め」
リヴァイ「やたらと俺のことをバカにしてきやがる」
リヴァイ「しかもこのところ毎日のようにだ」
リヴァイ「いい加減イライラしてきた、なにか仕返しをしてやりてえ」
リヴァイ「しかし、どうしたものか……」
リヴァイ「…………」
リヴァイ「不意打ちでキスでもしてみるか」ウン
リヴァイ「そうと決まれば早速やってみるか…」
リヴァイ「だがどのタイミングで…まあいい、適当にいくとしよう」
.
ある日・食堂
リヴァイ「」ガチャッ
ハンジ「〜♪」カチャカチャ
リヴァイ「ん…ハンジか」
ハンジ「あ、リヴァイじゃん。君も休憩?」
リヴァイ「ああ…お前一人か?他の連中はいないのか」ストン
ハンジ「いないよ。おかげで私も一人で優雅にコーヒーを嗜むことができる」
リヴァイ「コーヒーか…」
ハンジ「リヴァイも飲む?淹れてあげようか?」
リヴァイ「ああ、頼む」
ハンジ「あっ、ごめん私の分でコーヒー切れたんだった(笑)」
リヴァイ「」イラッ
.
リヴァイ「オイ…」
ハンジ「ごめんごめん。まあ我慢しなよ、コーヒーくらい一日飲まなくとも死なないって」
リヴァイ「…確かにそうだが」
ハンジ「あ〜コーヒーは美味しいな〜リヴァイは飲めなくて残念だね〜(笑)」ゴクゴク
リヴァイ(このアマっ…!)イライライラッ
リヴァイ(…いや待て、今こそ先の計画を実行するチャンスだ)
リヴァイ(日頃の俺の怨み、思い知るがいい)ガタッ
ハンジ「?どしたの、急に立ち上がって」
.
リヴァイ「………」ツカツカツカ
リヴァイ「………」ピタッ
ハンジ「なに?何か用でもあるの?」
リヴァイ「…おれはコーヒーが飲みたかった」
リヴァイ「だというのに、お前が全部飲んでしまいやがった」
ハンジ「なに、そんなこと根に保ってるわけ?身長だけじゃなくて度量も小さい男だねぇ」
リヴァイ「おれはどうしてもコーヒーが飲みたい」
ハンジ「一口分けてほしいの?別にそれくらいならいいけど…」ズズズ
リヴァイ「ああ、では遠慮なく」グイッ
ハンジ「えっ、ちょっ、なにを」
リヴァイ「いただきます」チュッ
ハンジ「!!?!?」
.
ハンジ「んーっ!?んんーーっ!?」ジタバタ
リヴァイ「……」チュウウウ
ハンジ「んむーーーーっっ!!」
リヴァイ(…そろそろいいか)スッ
ハンジ「ぷはっ!」
リヴァイ「ふむ……」
ハンジ「………………はっ?」
リヴァイ「随分と甘いな、カフェオレか?」
ハンジ「はーーーーーーーーーっ!!!?」カアアッ
.
ハンジ「い、いきなりなにしてんだバカーーーッ!」
リヴァイ「コーヒーを貰っただけだが。お前がくれるといったんだろうが」
ハンジ「なんで口移しだ!?カップから飲めよ!バッカじゃないの!バッカじゃないの!」ブンブン
リヴァイ「暴れるなクソメガネ。食堂は一服する場であって対人格闘の訓練場じゃない」
ハンジ「うっさい!一回氏ね!巨人の足に踏みつぶされて氏ね!」
リヴァイ「あいにく俺はまだ三途の川を遊覧する気はねえ」スタスタ
ハンジ「あっこら!どこに…!」
リヴァイ「休憩は終わりだ、コーヒーも飲んだしな。あーそうそうハンジ」
リヴァイ「俺の好みはブラックだ。次からカフェオレは寄越すなよ。じゃあな」スタスタ バタン
.
ハンジ「」
ハンジ「」
ハンジ「……………えっ?」
ハンジ「え?なにこれ?なにこれなにこれ?」
ハンジ「リ、リヴァイが、私に…キ、キス…?」
ハンジ「〜〜〜〜〜〜〜〜っ!?!?」
その日の夜、ハンジ分隊長は布団の中をゴロゴロ転がり回って過ごした。
.
リヴァイ「ふーむ…こんなものか」
リヴァイ「上手いこと奴の不意をつけたな、いい気味だ」
リヴァイ「だがまだまだ…こんなものじゃおれの怨みは晴れん」
リヴァイ「また日を改めて試してみるとしよう」
リヴァイ「…………」
リヴァイ「しかし、やけに甘いカフェオレだったな」
リヴァイ「…大方ハンジの奴が砂糖を入れすぎでもしたんだろう」
リヴァイ「…………うむ」
.
別の日・訓練場
リヴァイ「ふっ……!」ヒュンッ ヒュンッ
リヴァイ(…このくらいにしておくか)
ハンジ「おやリヴァイ、素振りしてるの?よくやるねえ君も」
リヴァイ「常に鍛えておかねえとすぐ鈍っちまうからな…」
ハンジ「筋肉を維持するのは大変だよねえ。最近の私はちっとも鍛錬してないや」
リヴァイ「そんな調子で今巨人が襲ってきたらどうするつもりだ」
ハンジ「大丈夫!愛があれば体力がなくとも巨人とうまくやっていけるから!」
リヴァイ「…そうか」
.
ハンジ「そういえば巨人って筋トレすれば筋肉つくのかな?」
リヴァイ「心底どうでも良いな」
ハンジ「いやいや重要なことだよ。もし一生懸命鍛錬に励む巨人が居たらどうなる?」
リヴァイ「心底どうでもいいな」
ハンジ「そうだよ!巨人が一心不乱にスクワット、走り込み、有酸素トレーニングを行うとしたら!」
リヴァイ「想像するだにひでぇ絵面だ」
ハンジ「もしかしたら、今までのデータにない超俊足の巨人とかも出てきたりして!」
リヴァイ「通常の巨人よりも多く鍛えて筋力がついたからか?ぞっとしないな」
ハンジ「もしそうなったら立体機動でも逃げ切れないかもねー」ケラケラ
リヴァイ「…楽しそうだな、お前」
.
ハンジ「そーお?まあ巨人のことを考えてる時は楽しいかなー」
リヴァイ「おれには理解できんな」
ハンジ「じゃあリヴァイも私と一緒に巨人の研究をしよう!そうすれば分かる!」
リヴァイ「わかりたくねえ」
ハンジ「まあまあそう言わず!今に巨人のことを考えて夜も寝られなくなる体になるよ!」
リヴァイ「ある意味全人類がそうだろうよ。お前とは真逆の意味でな」
ハンジ「まったくもー…怖がってるより愛してあげる方が絶対楽しいのになあ」
リヴァイ(………ふむ、待てよ)
リヴァイ「ハンジ…」スッ
ハンジ「ん?なにさ…、って、ちょっと近」
リヴァイ「」グイッ チュッ
ハンジ「!??!?」
.
リヴァイ(ふ…これぞ、不意打ち!どうだ驚いたか)チュウウウ
ハンジ「…っ!……っ!!!」カアアッ
リヴァイ(ん…前より顔が赤くなるタイミングが早いな)
ハンジ「むーっ!むーっ!」バタバタ
リヴァイ「………」スッ
ハンジ「……ぷはっ!」
リヴァイ「ふーっ…」
ハンジ「………っ」ペタン
リヴァイ「……よし」
リヴァイ「帰るか」クルッ
ハンジ「い、い、いったいなんなんだ君はーーーーっ!!!?」
.
リヴァイ「おれか?通りすがりの兵長だ」
ハンジ「そうじゃないよスットコドッコイ!この前といい今日といい!」
ハンジ「なんでいきなり、キ、キスなんかするんだ!アホか!?」
リヴァイ「なんで、と来たか…そうだな」
リヴァイ「お前とキスしてみたかったから、だな(ある意味嘘は言っていまい)」
ハンジ「は、はあっ!?そ、それってどういう…!」
リヴァイ「お前も、愛するのは巨人よりも人間の方にしておくんだな」
リヴァイ「俺はもう行く、お前もさっさと立て」ザッザッザ
.
ハンジ「ぅ…」
ハンジ「なんなの、もう…」
ハンジ「…一度ならず、二度も…ううっ」
ハンジ「しかもあの発言…もしかしてリヴァイの奴、私のこと…っ」
ハンジ「い、いや!そんなはずは!そ、そんなはず…」
ハンジ「……………っ!!!」
その日の夜、ハンジ分隊長は布団の中で枕を抱きしめつつ奇声を発して過ごした。
.
リヴァイ「ふむ…中々効果が出ているようだ」
リヴァイ「あんな奴でも一応女だということだろうな」
リヴァイ「しかし我ながら脈絡もクソもなかったな、だからこそ面白いが」
リヴァイ「けっこう溜飲も下がってきた…そろそろ終わりにしてもいいか…」
リヴァイ「…………」
リヴァイ「…………いや」
リヴァイ「あと一回くらいは仕掛けても罰はあたらんだろう」
リヴァイ「…………うん」
.
また別の日・会議室
ざわ……ざわ……
エルヴィン「……ということで、この件に関しては以上だ」
リヴァイ「……」
エルヴィン「なにか異論のあるものはいるか?」
エルヴィン「……いないようだな、リヴァイ、お前も異存はないな?」
リヴァイ「ない。お前の判断を信じよう」
エルヴィン「よかろう、ならば次だ」
エルヴィン「現在生け捕りにしてある巨人達への実験に関しての報告である」
.
エルヴィン「ではここからは実験の責任者であるハンジ・ゾエ分隊長より報告してもらおう」
ハンジ「………」ボーッ
エルヴィン「………おい、どうした?早く報告せんか」
ハンジ「………」ボーッ
モブリット「ちょ、ちょっと、分隊長?」
ハンジ「は、はいっ!?あ、はい、報告ね!はいはい!待ってね!」
モブリット「しっかりしてくださいよ、もう…」
エルヴィン「…………?」
リヴァイ「…………」
.
ハンジ「え、えーっと、我々は生け捕りにした二体の巨人に対して様々な実験を行い…」チラッ
リヴァイ「………」
ハンジ「日光の遮断などの実験に関して、二つの被検体には結果に差があることが判明…」チラッ
リヴァイ「…………?」
リヴァイ(なんだ?何故こっちをちらちら見る…)ジィッ
ハンジ「! つ、つまり、す、全ての巨人達が、一律のは、反応を示すわけでなくて、要は、その…」プイッ
リヴァイ(と思ったら、俺が見つめ返したらそっぽを向きやがった…)
エルヴィン「……リヴァイ、彼女は何かあったのか?」ボソボソ
リヴァイ「…さあな」ボソボソ
リヴァイ(しかし今日のあいつの発表…目は泳ぐし口はまるで回っていない)
リヴァイ(いつものハンジらしくないな…よろしい、ならばお仕置きだ)ガタッ
.
ハンジ「!!!」ビクッ
エルヴィン「リヴァイ?どうした?」
ざわ…ざわ……
リヴァイ「…………」ツカツカツカ
ハンジ「リ、リヴァイ?な、な、なにかな?なんでこっちくるのかな?」
リヴァイ「……今日のお前の報告は非常に聞きづらい」
リヴァイ「一々こちらに視線を送るうえに呂律も酷い、鬱陶しくてかなわん」
ハンジ「っ……だ、だれのせいだと…っ!」
リヴァイ「というわけで、お前は今日はもう黙ってろ」グイッ
ハンジ「えっ!?ちょ、まさか、待っ」
リヴァイ「黙れ」ズキュウウウウン
ハンジ「!?!!?!?」ボフッ
.
リヴァイ(一気に茹でダコ…面白いな、曲芸か)チュウウウ
ハンジ「んぅっ…!んっ…」
エルヴィン「」
モブリット「」
ざわ……ざわ………
リヴァイ「………」スッ
ハンジ「………ううっ」ストン
リヴァイ「そこで座ってろ、聞き苦しい貴様の代わりにおれが報告してやる」
ハンジ「……………好きにしろよ、バカ」
リヴァイ「そうさせてもらおう。これが資料だな…では報告の続きだが、この結果を鑑みて次回は…」ペラペラ
ざわ………ざわ………
ペトラ「………」
グンタ「……ペトラの目が、死んでる」
モブリット「……もう誰も聞いてないですね」
エルヴィン「…今日は解散させるか」
.
夜・ハンジ自室
ハンジ「ううっ……」ベッドバサッ
ハンジ「なんなんだリヴァイのやつ…なんか最近やたらキスしてくるし…」
ハンジ「遂に頭おかしくなったのかな、巨人の駆逐し過ぎで」
ハンジ「あはは、有り得る。あんなバカが人類最強なんて、嘘みたい」
ハンジ「人類最強と謳われる男が、あんな大勢が見てる前で、あんな…」
ハンジ「あはははは…」
.
ハンジ「…………っ!」
ハンジ「うおおあああああああああ死にてえええええええ」ゴロゴロ
ハンジ「なんだって衆人環視の中でキスなんかしてくんだよバカリヴァイがああああああ」ゴロゴロ
ハンジ「結婚式かなにかかっ!?てめーは私の旦那かってんだよこのやろおおおお!!!」ゴロゴロ
ハンジ「……次やろうとしたら絶対ぶん殴ってやろ」ゴロッ…
ハンジ「…………はぁー」
ハンジ「……うるさいよ、あたしの心臓」
ハンジ「そんなに騒ぐなって…ちょっとキスされただけだろ…」
ハンジ「……どうしよ」
その日の夜、ハンジ分隊長はずっと布団の中で自分の心臓の鼓動が収まるのを待っていた。
,
リヴァイ「結局会議はあの場で終わってしまった」
リヴァイ「ハンジは会議が終わったあともずっとあそこでぼーっとしてたようだがな」
リヴァイ「しかし会議を強制終了させてしまうとは…やれやれ、すこし調子に乗りすぎたか…」
リヴァイ「まあ、公衆の面前でキスされて茹で上るハンジも見れたし」
リヴァイ「今回はこれくらいのところで勘弁しておいてやるとしよう」
リヴァイ「もう奴にキスすることもないだろうな」
リヴァイ「……………うむ」
.
別の日・食堂
リヴァイ(ハンジへの仕返しもつつがなく終わった…)
リヴァイ(あれ以来奴がおれを馬鹿にしてくることもなくなった、効果覿面だったようだな)
リヴァイ(おかげで、おれもこうして優雅にコーヒーを飲めるというわけだ)ガチャッ
リヴァイ「ん…?」
ハンジ「あ……リヴァイ…」
リヴァイ「よう。居たのか」
ハンジ「まあね。ひ、ひとり?珍しいね」
.
リヴァイ「俺が一人で一服するのは、いつものことだろうが」
ハンジ「あれ、そうだったっけ?いっけないなぁ、思い違いしちゃって」
リヴァイ「…ん、オイ、お前が飲んでるそれは、コーヒーか?」
ハンジ「! そ、そうだよ?リヴァイも、コーヒー飲みに来たの?」
リヴァイ「ああ。今日はちゃんと俺の分も残してあるんだろうな」
ハンジ「大丈夫だよ…まだ備蓄はいっぱいあるから」
リヴァイ「それを聞いて安心した」スタスタ
ハンジ「あ…カウンターに道具、まだ出してあるから、それ使って」
リヴァイ「おう」
ハンジ「………」ズズッ
.
リヴァイ(上手い具合にセットしてある…用意する手間がはぶけたな)コポコポ
ハンジ「………」ズズ…
リヴァイ(やはりコーヒーはいいな…落ち着く…)ゴクッ
ハンジ「………ねえ」
リヴァイ「あん?」
ハンジ「……ごめん、なんでもないよ」
リヴァイ「そうか」
リヴァイ(……むっ?)
リヴァイ「おい、ハンジ」
ハンジ「なあに?」
リヴァイ「俺の記憶が確かなら、さっき出してあった道具の中には牛乳も砂糖もなかったが…」
リヴァイ「お前、今日のコーヒーはブラックなのか?」
.
ハンジ「……っ、ああ、そうだよ」
リヴァイ「ほう。前はカフェオレを飲んでいた気がするが」
ハンジ「気分だよ。今日はブラックを飲みたい気分だったんだ」
リヴァイ「そういうものか」ゴクゴク
ハンジ「…………」
リヴァイ「……よし、行くか」ガタッ
ハンジ「え…も、もう行っちゃうの?」
リヴァイ「?コーヒーを飲みにきたんだ、飲み終わった以上もうやることはなにもない」
ハンジ「あっ…そ、そうだよね、コーヒー、飲みにきたんだもんね…」
.
リヴァイ「なんだ、何か用事でもあるのか」
ハンジ「いやいや、そうじゃないんだ。ごめんよ、引き止めて」
リヴァイ「ああ、じゃあな」スタスタ
ハンジ「うん、じゃあね」
ガチャッ バタン
ハンジ「………」
ハンジ「………おっかしいなぁ」
ハンジ「なんで。ちょっとがっかりしちゃってるんだろ」
ハンジ「おかしいなあ。なんでこうなっちゃってるんだろうなあ、らしくないのに」
ハンジ「……ブラック、苦」ズズッ
.
夜・リヴァイ自室
リヴァイ(たまには読書も悪くないな…)ペラ
リヴァイ(前に街に出たときにきまぐれで買った本だが、中々面白い)ペラ
リヴァイ(今度あいつにも読ませてみるか…なんて言うだろうか)ペラ
コンコン
リヴァイ「ん…入れ」パタン
ハンジ「………」
リヴァイ「お前かクソメガネ、済ませてなかった用事でもあったか?」
ハンジ「………」
.
リヴァイ「……どうした、何を黙ってる」
ハンジ「…いや、別に用はないんだけど、さ」
リヴァイ「なんだそれは。用がないならさっさと帰れ」
ハンジ「…あるといえば、あるよ」ポフッ
リヴァイ「そこは俺の寝床だ、勝手に座るな、帰れ」
ハンジ「最近ねー…なんだかおかしいんだよねえ私」
リヴァイ「お前がおかしいのは元からだろうが、帰れ」
ハンジ「リヴァイ、君さー…何なの?」
リヴァイ「あ…?」
.
リヴァイ「何なの、とはどういう意味だ?」
ハンジ「そのまんまの意味だよ」
リヴァイ「……おれは、人間だが?」
ハンジ「…やっぱそのまんまの意味じゃない」
リヴァイ「言ってる意味が分からんな、トチ狂ったか」
ハンジ「ははは…そうだね…狂ってるよ、今の私は。こんなのおかしいもん」
リヴァイ「おい、何を…」
ハンジ「ねえ、リヴァイ」
ハンジ「キス、しない?」
.
リヴァイ「…………」
ハンジ「…………」
リヴァイ「…………なんだと?」
ハンジ「…二度も言わせないでよ」
リヴァイ「………」
ハンジ「このところね、ずっと君のことばかり考えちゃうんだ」
ハンジ「おかしいよね、ただキスされただけなのに、たったの三回しかされてないのに」
ハンジ「私、こんなに簡単な女じゃなかったはずなのに」
ハンジ「君のことが頭から全然離れてくれないんだ」
.
リヴァイ「………」
ハンジ「君からされてばっかりで悔しいから」
ハンジ「今度は、私から君に思いっきりキスしてやりたくなって」
ハンジ「……用事と言えばそれだけ、なんだけど」
リヴァイ「そうか」
ハンジ「そうなんだよ」
リヴァイ「………」
ハンジ「…………」
.
リヴァイ「………」
ハンジ「…………」
リヴァイ「………」
ハンジ「…………あー」
ハンジ「ごめん、ホントにおかしいね、今の私」
リヴァイ「そうだな」
ハンジ「あーもー…何言ってんだろ私ってば…どうかしてるよ…」
.
ハンジ「やっぱり忘れて、今の話。ごめんね」スッ
リヴァイ「帰るのか」
ハンジ「うん、帰るよ。自分の部屋に」
リヴァイ「そうか。しっかり寝ろよ」
ハンジ「うん」
リヴァイ「じゃあな」
ハンジ「……うん、おやすみ…」テクテク
リヴァイ「あー、そうだ、待てハンジ」スッ
ハンジ「…なに?」
リヴァイ「」グイッ チュッ
ハンジ「むぐっ…!?」
.
リヴァイ「………」チュウウウ
ハンジ「んっ…んむぅ…ちゅぶっ…!」カアアアア
リヴァイ(おーおーやっぱり赤いな)スッ
ハンジ「……ぷふっ」
リヴァイ「ふー…」
ハンジ「…………えっ?」
リヴァイ「どうした、腑抜けた顔をして。キスしたかったんじゃないのか」
ハンジ「えっ…だって今…か、完全にしない流れだったじゃん…不意打ちなんて…」
リヴァイ「馬鹿め、今までも全部不意打ちだったろうが」
ハンジ「…そっ、そうだったけど…」
.
リヴァイ「不意打ちでやってこそ、相手の慌てふためく様子が見れるからな」
リヴァイ「今回のも今までのも、お前の反応は全部最高に楽しませてもらったさ」
ハンジ「…性格悪いよ、チビ兵長」
リヴァイ「上等だ、クソメガネ」
ハンジ「…そういえばさ、君、二回目のときにさ、私にキスしたかったからって言ったじゃん」
リヴァイ「ああ、言ったな」
ハンジ「……な、なんで、私にキスしたかったの?」
リヴァイ「ああ…お前がうざかったから」
ハンジ「は?」
.
リヴァイ「お前がしょっちゅうからかってきたからな、仕返しとして、だ」
ハンジ「……それだけ?」
リヴァイ「ああ」
ハンジ「他の理由は?」
リヴァイ「ない」
ハンジ「…………」
リヴァイ「それがまさかこんな事態になるとは俺も思わなかったが」
ハンジ「もういっそ削いでくれ」
.
リヴァイ「だがまあ、おかげで面白いものが見れたからな。削ぐのは今度にしてやろう」
ハンジ「……ふんっ」
リヴァイ「なんだ、せっかくキスしてやったというのにゴキゲン斜めか」
ハンジ「こういう形を望んでたんじゃないんだよ」
リヴァイ「しようって言ったのはそっちだろうが」
ハンジ「む、無理やり奪われたって私は別に…」
リヴァイ「結構嬉しそうに見えるぞ?」
ハンジ「〜〜〜〜〜っ!もういいっ、帰る!」カアア
リヴァイ「そうか。ところでだ、ハンジ」
ハンジ「なにさっ!?」
リヴァイ「お前の望む形のキスは、していかないのか?」
ハンジ「っ……!!!」
.
リヴァイ「どうしたその顔は、仲間が巨人に食われた時みたいな顔だな」
ハンジ「私は今君が巨人以上に憎たらしいよ」
リヴァイ「お前は巨人を愛していたんじゃないのか。ああ、愛と憎しみは表裏一体ってそういう」
ハンジ「ここにブレードがあったら迷いなく君のうなじを削いでるね」
リヴァイ「やってみろ。返り討ちだ」
ハンジ「もうっ……」
リヴァイ「で、どうするんだ?キス、するんだろう?」
ハンジ「……………………………ぅん」
その日の夜、ハンジ分隊長は布団の中で耳まで真っ赤になっていた。
.
あくる日
ハンジ「リヴァーーーーーイ!!」ズサーッ
リヴァイ「ぐぅっ…!?」ドサッ
ハンジ「いよっし!スライディング足払い成功!」ガッツポ
リヴァイ「オイコラクソメガネ、てめえは全然懲りてないようだな、あ?」
ハンジ「何怒ってるのさ!こんなの軽いスキンシップだろう?」
リヴァイ「なるほど、スキンシップでこんなにイライラするたぁ驚きだ。お礼に削いでやろう」
ハンジ「どうどう、落ち着いてくれよ。これは君を怒らせる為にやったんじゃないんだから」
リヴァイ「ほう…では何の為だ?」
ハンジ「なんでって…決まってるじゃないか」
ハンジ「からかった仕返し…してくれるんでしょ?」
完。
.
以上です。ご覧くださりありがとうございました。
顔を赤くして慌てるハンジさんが見たくて一日で書いた、後悔はしていない。
ホントはもうちょっと2828できるものを書く予定だったはずだったのにどうしてこうなったんでしょう。
このSSまとめへのコメント
ちょーー面白かったですまたリヴァハン書いて下さい!(*'∀')
ちょーー面白かったですまたリヴァハン書いて下さい!(*'∀')