人魚「変なのがいる!」ガノトトス「ここはどこ…?」 (165)


 このSSは ファンタジー+モンスターハンター です。

モンハン自体中途半端にしかやってない影響でキャラ?も中途半端(大体お気に入りのやつ)にしか出ません。
その辺はご了承ください…。

色々不自然な所は突っ込んでもらって結構。

それでは次より本編スタートします。

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1435238073


ガノトトス「…」ジー

人魚「うわ、こっち見てる!」

人魚「でっかいし魚ってるし何なのあれ!?」

ガノトトス「魚ってるってなんだよ…」

人魚「しかも言葉を話すわ!魚の癖に!!」

ガノトトス「キミだって半分魚じゃん」

人魚「人魚だよ!」

ガノトトス「オッケー、中途半端な存在ね」

人魚「中途半端じゃないわよぉぉぉ!!」

ガノトトス「あーうるさい…はぁ、ここはどこなんだろう…」キョロキョロ

人魚「あんたみたいな魚見たことないわぁ」

ガノトトス「魚でなく水竜と言ってほしい」

人魚「竜なの!?」

ガノトトス「そう」

人魚「確かにそう言われてみれば竜にも魚にも見えなくは…」

ガノトトス「結局、魚はずっと引っ張るんだ…」


人魚「どう見てもこの世界にいないモンスターだけどどこから来たの?」

ガノトトス「それが不思議なものに遭遇して…」

人魚「あんたのほうが不思議だっての!」ケラケラ

ガノトトス「聞く気ないならいいよ…」ゴポゴポ…スィー

人魚「あぁ!?待って!ちゃんと聞くから!!」

ガノトトス「ただでさえ変な場所来たのにその上変なのに絡まれるとか災難だわ…」

人魚「こらこら、そういうのは口に出さない!」

ガノトトス「はぁ…」

ガノトトス「オレは元々砂漠の地底湖や密林近辺でのんびり生活してたんだ」

ガノトトス「そしたらいきなり渦が発生してさ…」

人魚「吸い込まれたと?」

ガノトトス「うん」

ガノトトス「気がついたらなぜか見知らぬ海にいたし意味分からない」

人魚「あんた淡水魚なの?」

ガノトトス「だから魚じゃなくて水竜」

ガノトトス「海自体は初めてじゃないけどオレの知ってる場所じゃないのは分かるんだ」

人魚「ふーん」


人魚「人間はいた?」

ガノトトス「いた、よくオレ達を狩りに来ていた」

ガノトトス「ハンターって言われてたっけ」

人魚「人間と戦ってたんだ、こっちと同じだ」

ガノトトス「こっちはどういう感じ?」

人魚「ん?」

人魚「勇者って言う人間最強のヤツと魔王って魔族の王様が争ってるの」

人魚「ぶっちゃけあたし達はほとんど関わりないかな」

ガノトトス「平和だな」

人魚「平和なもんか!!」

人魚「人間は人魚の肉食べたら不老不死になるとか言って狩ろうとしてくるし」

人魚「魔族はこちらが弱い種族だって言って攫って肉体改造させられるんだよ!」

ガノトトス「よく分からないけど悪かったよ」

ガノトトス「じゃあその勇者っていうのに会ったらやっぱりオレも襲われる?」

人魚「だろうねー、どう見ても魔物だしー」


ガノトトス「面倒事に巻き込まれる前にどうにかして帰れないだろうか…」

人魚「魔王さんに相談してみる?」

ガノトトス「魔族の王だっけか…それじゃキミは魔族?」

人魚「分類上はそうなるだろうけどほとんど中立の立場なんだぁ」

人魚「だから最低でもあたしとは話してくれると思う」

人魚「きっと大体のことは何でも知ってるはずだから分かるかもよー」

ガノトトス「…ならちょっと会ってみるか」

ガノトトス「で、どこにいる?」

人魚「陸の魔王城かな」

ガノトトス「…陸はさすがに目立ってしまう」


ガノトトス「水辺にあったりしない?」

人魚「思いっきり森の奥に建ってるよ」

人魚「それに道中で人間の冒険者が結構ウロウロしてるかも?」

ガノトトス「どこにでも現れるのはハンターと同じか…」

人魚「行くって言うなら案内してもいいけど?」

ガノトトス「お願いできる?」

人魚「いいよー、あんたの名前は?」

ガノトトス「ガノトトスだけど」

人魚「あたしは人魚ね!よろしく!」

ガノトトス「じゃあ早速頼むよ」

人魚「でも問題があります!」

ガノトトス「なに?」

人魚「あのね…」



………


ガノトトス「本当に大丈夫だろうな…」ドスドスドス

人魚「ほら早く早く!」ペチペチ

ガノトトス「ヒトの頭に乗ってるだけのくせに」

人魚「だって地上じゃ動けないんだもん!大問題でしょ!?」

ガノトトス「こっちだってそんなに動き回りはできないっての」

人魚「のわりには軽やかに走ってるけど?」

人魚「しかもなんだか走り方かわいい」

ガノトトス「うるさい」

ガノトトス「あ、途中で水場ある?」

人魚「多分あるよー」

ガノトトス「多分か…不安だ…」

人魚「その場その場の詳しい地形は分からないのね」

人魚「まず陸に上がらないし」

ガノトトス「そりゃ魚は陸になんて上がらないだろう」

人魚「人魚だっての!」

ガノトトス「ヒトには魚って言うくせに…」


冒険者A「な、なんだあれは!?」

冒険者B「魚…?いや、竜…?」

ガノトトス「早速見つかってるし!?」

人魚「こういう時は落ち着いて深呼吸するのさぁ…エラ呼吸だっけ?」

ガノトトス「落ち着いてる場合か!肺でできるわ!!」

冒険者B「どうする?強そうだけど…」

冒険者A「見かけだけかもしれない…やるか!」シャキ

冒険者B「もし新種だったら情報売って大もうけできるかもしれないしな!」シャキ

人魚「お金儲けのために襲おうとしてますよ?」

ガノトトス「誰のせいだ誰の…(人間の言葉分かるのか)」

人魚「えー?あたし関係ないじゃんよー」

ガノトトス「もうキミ差し出してどこか行くわ」グイ

人魚「あっ!?ごめん!あたしのせいだった!あははぁ!!」

ガノトトス「まったく…」スゥー

ガノトトス「ふぅっ!!」ブシューーーーー!!

冒険者AB「うげぇ!?」バシュ! ゴロゴロゴロ

人魚「うわ、すごい水流ブレスだ」

ガノトトス「今のうちにここから離れよう」ドスドスドス


人魚「トットって強かったんだね」

ガノトトス「何その呼び方」

人魚「かわいくない?走り方かわいいから名前もかわいくしちゃった」

ガノトトス「好きにしてくれ…」

ガノトトス「あと、それなりに強くないとハンターにやられるんだよ」

人魚「ふーん、そっちも大変なんだねぇ」

ガノトトス「ホント大変だよ…変な音するもの投げてこっちをビックリさせてくるしさ…」

人魚「こんなの?―――っ♪」キィィィィン!!

ガノトトス「ピュヒィ!?」ビョーン!!

人魚「うわぁぁぁぁぁ!?」ドサッ

ガノトトス「…」ピチピチピチ

人魚「…ごめん」

ガノトトス「もう置いてくわ…」ムク ドスドス

人魚「さっきのは本当に悪かったってば!」


ガノトトス「もうしないでほしい」ヒョイ

人魚「うん、ごめんね」チョコン

ガノトトス「もっと人気のないところない?」

ガノトトス「できれば水場が途中にある場所」

人魚「うーん…森とか山とかならあるけどねぇ」

人魚「しばらく荒野が続く道行かないと目的地から遠くなるのね」

ガノトトス「ちょっと遠回りしてでもまともな所ない?」

人魚「それじゃあ森林がずっと続く方かなぁ」

人魚「水場あるけど途中が地獄なんだよね」

ガノトトス「どういう所?」

人魚「火山~」

ガノトトス「うわぁ…オレ達じゃ絶対干からびちゃうじゃないか…」

人魚「でしょー?」

ガノトトス「仕方ない、その荒野の方行こうか」

人魚「はーい!」


ガノトトス「…」ドスドス

人魚「ヒレが乾いてきてるけど大丈夫?」

ガノトトス「ちょっと辛い…」

人魚「水だ!ブレスで真上にブシャー!ってやっちゃえ!!」

ガノトトス「それやったら体内の水分が減っちゃうんだけど…」

人魚「そしたらもっとお疲れになっちゃう?」

ガノトトス「…」コクリ

人魚「が、頑張れ!もうちょっとしたら水場があるよ!」

ガノトトス「ホント…?」

人魚「た、多分…」

ガノトトス「…」ドスドス

人魚「置いていかれなくなったけど無視もやめてー!!」

ガノトトス「やっぱり陸は苦手だ…」

人魚「あたしもー」

ガノトトス「それ以前に何もしてないくせに…」


ガノトトス「ん?あれは…」

人魚「何か見つけたー?」

ガノトトス「この先、地面の色が違う気がする…」

人魚「ホントだね…でも良くそんなの見てたね?」

ガノトトス「ハンターがよく落とし穴仕掛けてくるから足元はなるべく注意してるんだ」

人魚「ふーん」

ガノトトス「飛び越えるか…」ザッザッ

人魚「できそう?」

ガノトトス「多分……あっ!!」ズルッ

 ズボッ☆

人魚「ちょぉぉぉぉ!?何足滑らせてるんだぁぁぁぁぁ!!」

ガノトトス「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?」


 ズブズブズブ……


ガノトトス「いだっ!!」ドスーン!!

人魚「うきょ!!」ビターン!!

ガノトトス「あたた…やっぱり水面からのジャンプみたいにうまくいかないなぁ…」

ガノトトス「大丈夫?」ヒョイ

人魚「もぉ、最悪!!」ブルブルブル

ガノトトス「ごめんよ、うまく飛べなかった」

ガノトトス「でもまさか地下に落とされるとは思わなかったな…」

人魚「でもここジメジメしてて過ごしやすいね!」

ガノトトス「うん、これはこれで助かった」

ガノトトス「もしかしたら水が溜まっているところがあるかもしれない」

人魚「探してみよー」

ガノトトス「ん?この先から音がしない?」

ガノトトス「ズズズって大きな音がする」

人魚「ホントだ、行こう行こう!」ペチペチ

ガノトトス「はいはい」ドスドス

ガノトトス「あ、水の流れる音もする」

人魚「いよっしゃぁぁぁぁぁぁ!!」

ガノトトス「この先で少し休んでいこうか」

人魚「久しぶりの水まではよ!!」ペチペチ

ガノトトス「尾ビレでオレの首をそんなペチペチ叩くんじゃない…」



 ズゴゴゴゴゴゴ…


ガノトトス「これは…!?」

人魚「うわぁ…何この渦?柱みたいだなぁ…」

ガノトトス「一緒だ…」

人魚「え?」

ガノトトス「オレが巻き込まれてここに来た時と同じ渦だ」

人魚「えぇ!?じゃあこれで帰れるの??」

ガノトトス「いや、帰れない気がする…」

ガノトトス「逆にこっちに何か送り込んでるんじゃないかな…予想だけど」

人魚「また新たな来訪者が来るぅ?」

ガノトトス「多分ね…」


 ブシャァァァァン!!


人魚「ホントに何か飛び出してきたぁぁぁぁぁ!?」


 ズゥゥゥゥゥゥゥン!!


ガノトトス「コイツは…?!」

人魚「何これ…真っ逆さまに落ちて長い角が地面に刺さってるぅ!

?????(´・ω・`)(ジタバタジタバタ)

?????(´;ω;`)(ブワッ)

ガノトトス「モノブロスじゃないか!!」

人魚「え?モノリス?」

ガノトトス「『モノブロス』な、オレの方の世界のヤツだよ」

ガノトトス「どうしてお前までこっちに来たんだ?」

モノブロス(´;ω;`)キミノトコロニ アソビニキテタンダケド

モノブロス(´;ω;`)ハシッテタラ トマレナクテ…

ガノトトス「それで水面に飛び込んで渦に巻き込まれたのか」

モノブロス(´;ω;`)ソレヨリタスケテ…ヌケナイ…(ジタバタ)

ガノトトス「ほら」ドスッ

モノブロス(´・ω・`)アリガトウ トトス(ゴロン)

人魚「キミも魚?」

モノブロス(´・ω・`)ソッチコソ サカナサン?

ガノトトス「どんだけ魚引っ張るつもりだよ…それに見ただけで違うの分かるだろ」

                                            /              /
                                             ̄ ̄ ̄`  .    /  /  __

┌───────────┐            __      /  /           \_/  /        `
│  ブルーアイズ・ホワイトトトス   │           .  ´  / .    i_,/、/|             |    |
│  青 眼 の 魚 竜   .│     __/     /   __レム イ'(、.__           |    |
│                │   /           /    f, .  。     ヾ         |    |
│ 攻撃翌力  2500.      |_/           /{    弋ー--'  ノ弋ヽ ヽ        .|    |          \
│ 守備力  2000.      |     .   ´ ̄ ̄\       `ヽ、_  \ヽ、-} }         |    |               \
└───────────┘   ´        | |        ̄~  \`/ /        /   __ノ
....            /   .   ´              | |              /ニ/ /      /  /
            /  /                 | |          /ニ/ /    /  /  __ /\ / ̄∨\
.          /  /  /     /         |  \_       __/ニ/ '   /  /  / /L.__  ',\ :}  :ト
           /  /       /          \___   \   ./ `丶  {ノ ̄   /  / __/   \|-‐∨ \|   \|
         /  ./    .:        /      /       \   /V      \「\ ./  / /∨  /
.        /  /     /      /|      /           / /    ___  \ \_/〉‐' _{\/
       /  /     /       / .|     /  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄_/  〈/\/    \_ノ\    {__/__\{ __ __
.      /  /     /     /   l _ ./       /〈   /    __   '. `¨¨¨´/ /   /  ./  / ̄`\
     ,′ /     /    /    .//\ ̄ ̄\-‐  ___,}_/〈/\/    \_,∧ /{    {   {   :{  :{   / ̄\
   |  |    ./   /    / / ___ノ    |\/      ′           V  \_  \_\_\_\__{  /^\
   |  |    |   ./     〈/{/   ̄ ̄ ̄}_ノ      |     -───/     \ ̄           \/./\」
   |  |  ./:|  /      _ |/____        ノ\| ̄\/  ___ /         |            |/   ',
   |  |/  |/     /  /__L..,__|_}\    /   |_   /    {        |                |/\.|
   |  |        / |/          \|   /      |  \/       ∧      \                |/\ }
       |        / }/                     \    __/ /{        〉            /\ ∨
     \|     / ̄∨             /          ∧ ̄\/     /∧       ∧           /   | ./
           { ∧{              _/ .′         / ∧      /   \__/  \    ,/ ̄\  |/
.           ∨ l\_____,.  -‐/ ̄ {   {       __/  〉 \__/     / ∧     }__/\    },/
.            \| {  {   {    \_\__   /   /   \     __/  // |     「\     ',  /
               \\ \__> ´      }/// 丿       \___{ _/  ∧∧|\|  |    :},/
                 ̄  ̄            /^/ /{^V           ` <___/ {  |  |\|   /
                            |/ |/ |/               ̄ ̄ ̄ \|\|


ガノトトス「オレも同じく渦に巻き込まれてここへやってきたんだよ」

ガノトトス「今、帰る方法を探すためにちょっとある場所へ向かっていたんだ」

モノブロス(´・ω・`)ソッカ…ジャアボクモツイテイクヨ

ガノトトス「余計目立ってしまうけど帰る場所一緒だもんな」

ガノトトス「一緒に行くか」

人魚「じゃああたし、こっちの角ちゃんに乗り換えるー」ペチペチ

ガノトトス「…らしいが、かまわないか?」

モノブロス(´・ω・`)ボクハゼンゼンカマワナイヨ

モノブロス(´・ω・`)アタマニノッテ?(ヒョイ)

人魚「うほぉ、ゴツゴツしてるぅ!」コンコン

ガノトトス「んじゃ今度こそ行くか」

人魚「あ、休憩してないや」

ガノトトス「あぁ、少しだけ水浴びしてから行こう」

人魚「ちょっと泳いでこよっと!……と、思ったけど…」


ズゴゴゴゴゴ…


モノブロス(´・ω・`)ウズ キエナイネ

ガノトトス「変な所に飛ばされてもいいなら入りなよ」

人魚「うぅ…」

ガノトトス「ほら、乾燥したらえらいことになるんだろう?」バシャバシャ

人魚「あぁ生き返るぅ!」プルプル


ガノトトス「あ、やっと荒野終わりか」ドスドス

人魚「この先は森林地帯だよ」

ガノトトス「あれ?さっき別の方にあるって言ってなかったっけ?」

人魚「森が一箇所だけとは限らないっしょ」

ガノトトス「確かにそうだけど…」

モノブロス(´・ω・`;)コワイノ イナイヨネ?

人魚「ん?獣牙族っていうのが住んでるぐらいだよ」

モノブロスΣ(´○ω○`)!?

ガノトトス「獣牙族?うちらのところのコンガとかブランゴみたいなヤツかなぁ」

人魚「何それ?」

ガノトトス「汚いサルと綺麗なサル」

人魚「全然分かんないよー!!」

ガノトトス「しっ…何か近づいてきてる」

モノブロス(´;ω;`)コ コワイヨ…

人魚「しっかりしなさい!男の子でしょ?!」コツコツ

ガノトトス「ソイツ臆病な性格なんだよ、見た目はいかついけど主食はサボテンとかだし」

モノブロス(´;ω;`)ウゥ…


獣牙族「見たこと無いヤツいるから近づいてみたが…」

獣牙族「でけぇ!!」

ガノトトス「あ、どうも」

獣牙族「お、お前らどこから来たんだ!?何が目的だ!!」

ガノトトス「そんなのこっちが聞きたい…」

人魚「知らない世界から来たんだってー」

獣牙族「お前も魚の癖にこんなところまで来たのかよ」

人魚「誰が絶世の美人だ!!」

獣牙族「…」

モノブロス(´・ω・`)キキマチガエニモ ホドガアルヨネ?

ガノトトス「ツッコむと面倒だからスルーしたほうがいい」

ガノトトス「我々は何かしようってわけじゃない、ここを通りたいだけなんだ」

ガノトトス「何も言わず通してくれないだろうか?」

獣牙族「なら、うちの若頭と戦ってからにしてもらおうか」

獣牙族「お前が勝てばこちらは手を出さんから勝手に通ればいい」

人魚「もし負けたらあたしがめちゃくちゃに汚されるんですね!分かります!!」

獣牙族「まずコレをなんとかしてくれ…」

ガノトトス「すまない、変なヤツで…無視しておいてくれ」


ガノトトス「それで相手はどこに?」

獣牙族「もう来る頃だ」

若頭「しゃおらぁ!!」ドスーン!!

ガノトトス「!?」

若頭「おう、おめーらかいオレ達の住む森を通りたいヤツらは」

ガノトトス(伝達が早いな…)

若頭「オレぁ暇じゃねぇんだ!さっさとやろうぜぇ!」シュッシュッ

獣牙族「誰が戦うか決めてくれ」

若頭「そこの魚女はやめてくれよ、弱いものいじめはする趣味ないんだわ」

人魚「さ、最初からあたしは戦おうなんて思ってなかったわよ!!」

ガノトトス「…オレがやる」

モノブロス(`・ω・´)ボクニマカセテ(ザッ)

ガノトトス「お前が自ら前に出るの珍しいな…」

モノブロス(`・ω・´)ボクダッテ ヤレバデキルトコロヲ ミテホシカッタンダ!

モノブロス(´・ω・`;)サッキコワガッテ ハズカシイオモイシチャッタシ…

ガノトトス「分かったよ、頼むな?」

若頭「よっしゃ!ソイツでいいんだな?やるぜぇ!!」


獣牙族「それでは……始め!!」バッ

モノブロス(`・ω・´)ウオォォォォ!!(ドドドドド!)

若頭「ふん、その程度の突進軽くかわせるわ!!」ヒョイ

モノブロス(´・ω・`)アゥ…(ズサー)

人魚「ねぇねぇ、モノくん大丈夫なの?」

ガノトトス「気は弱いけど本気になれば十分強いよアイツは」

人魚「そうなんだ?あっ!?」

モノブロス(´>ω<`;)イタイ…(ザシュ)

若頭「おせぇな!その程度じゃオレ様に傷ひとつも…」ジャギンギャギン!

モノブロス(`・ω・´)ヤッタナ!!(ブゥン!)

若頭「ぐはぁ!?」ベシーン!!ズサー

人魚「トゲトゲな尻尾いったそー」

ガノトトス「痛いだろうな」

若頭「もう面倒だ!一気にケリつけてやるぜ!!」ダダッ

モノブロス(´-ω-`)スゥゥゥ…

ガノトトス「耳塞いだほうがいいぞ」グッ

人魚「え?」

モノブロス(`・Д・´)ッギョォォォォォォ!!!!

若頭「!?」キ-ン


獣牙族「なんだこの鳥みたいに甲高い咆哮は!?若頭の動きが…」

若頭「くっ、頭がキンキンしやがる…」フラフラ…

モノブロス(`・ω・´)イマダー(ドドドドド!)

若頭「へ…ぎゃひぃぃぃぃぃ…」ドーン!!


 ヒューーーーーーーーーーン    ドサッ


獣牙族「若頭ぁぁぁぁぁぁぁぁ!?」

モノブロス(´・ω・`;)チイサイカラ テカゲンムズカシカッタ…ゴメンネ?

ガノトトス「これは勝負あっただろ?」

獣牙族「あぁ…我々の負けだ…」

獣牙族「仲間には伝えておくから、好きに通ればいいさ…じゃあな」ダダッ

人魚「あぁぁぁ…まだ頭に星が飛んでるぅ…」フラフラ

モノブロス(´・ω・`)オオキナコエダシテ ゴメンネ

人魚「いやぁ、全然いいよー」

ガノトトス「通っていいらしいし、行くか」

人魚「はーい」

モノブロス(´・ω・`)ソウシヨウカ

若頭「ぐへー…」デローン

獣牙族「しっかりしてくれ若頭ぁ!?」ユサユサ


人魚「ねぇねぇ」ポコポコ

モノブロス(´・ω・`)ウン?

人魚「そっちの世界にあんたらみたいなのもっといるの?」

ガノトトス「オレ達なんかより強くてやばいのがいっぱいいるよ」

人魚「じ、人肉を食らうとか…?」

ガノトトス「人肉は知らないけど肉食なのはいるね」

モノブロス(´・ω・`;)ティガ トカ…ボクハスキジャナイケド

ガノトトス「オレもアイツはあまり好きじゃない」

モノブロス(´・ω・`)ヨワイモノイジメ ダメ ゼッタイ

ガノトトス「あとリオ兄妹とか」

ガノトトス「いつもバカばかりやってって楽しそうだよな」

モノブロス(´・ω・`)タマニイッショニアソブケド オモシロイコタチダヨ

人魚「よく分からないけど楽しそうだね」

ガノトトス「他にもいるけど、どいつも面白いヤツばかりだ」

モノブロス(´・ω・`)ウンウン


人魚「あたしもそっち行けたらなぁ…」

ガノトトス「キミだったらすぐ食われそう」

人魚「ふっ…これでも魔法は上級まで習得しているのよ!」

ガノトトス「魔法?」

人魚「うんと…こういうの」シュッ シャキーン!

人魚「説明すると面倒だけど、自分の好きな時に出せるから便利なんだよー」

ガノトトス「氷の破片が出てきただと…」

人魚「他にも火とか風とか色々出せるよ?」

ガノトトス「ハンターがたまに撃ってくる変わった弾?みたいなものか…」

モノブロス(´;ω;`)アレ ケッコウイタインダヨネ…

人魚「これでも強いんだから!」

ガノトトス「でも行く方法ないだろ」

人魚「ま、魔王さんに聞いてみればもしかしたら…?!」

ガノトトス「ご自由に」


モノブロス(´・ω・`)イツノマニカ モリヌケテル…

人魚「あー本当だ、次はサバンナだね!」

人魚「ここはちょっと獰猛な魔物が多いから気をつけてねー」

人魚「結構なサイズのもいるからあんた達でもやられちゃうかもしれないしね」

モノブロスΣ(´○ω○`)!??!

ガノトトス「まぁしょうがないな…」

人魚「げげっ、早速何かこっち来てるし!?」

大熊「グルルル…」ノッシノッシ

ガノトトス「邪魔」ブゥン

大熊「ギャヒィ!?」ベチーン!ズサー

人魚「うほ、尾ビレビンタいたそぉ…」


 ギャァギャァ グルルルルル ブオォォォォ


ガノトトス「賑やかだなぁ…」

人魚「そんなのんきな事言ってないでどうにかしてよ!?」

ガノトトス「いや、キミも戦えよ」

ガノトトス「魔法って言うのがあるでしょ」

人魚「そうでした!じゃああたしは後ろから援護しまーす!」


モノブロス(´・ω・`)オクニイルノ アルテイド オトナシクシテコヨウカ?

ガノトトス「あぁ、頼めるか」

モノブロス(´・ω・`)オマカセー(ズブズブズブ…)

人魚「モノくんが地中に潜った!?」

ガノトトス「アイツは地中からでも移動できるんだ」

モノブロス(`・ω・´)ミンナ トバシチャウゾー!(ドーン!!)

魔物「ヒギャァァァ…」ヒューン ドサドサ

人魚「すごいなぁ…」

ガノトトス「ほら、よそ見してたら危ない」ブシュー!!

魔物「グェッ!?」ゴロゴロ

ガノトトス「多いから一気に蹴散らしてくる」ビターン! ズリズリズリズリズリ!!

人魚「うわ、トットの地面ズリズリ攻撃で魔物が撥ね飛ばされてるぅ!」

人魚「友達のノリで付き合ってたけど、バカにできないほど強いじゃん…」

人魚「あまり怒らせないようにしよっと…」カッ ボワァァァ


???「ピューイ…」バッサバッサ!!

人魚「こっ、この鳴き声は!?って、うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

ガノトトス「どうした!?」

大怪鳥「こんな所に大好物の魚がいるとは珍しい」

ガノトトス「鳥…か?」

人魚「ただの鳥じゃないよぉ…サバンナで一番目をつけられたくない鳥獣の王だよぉ…」プラーン

大怪鳥「一口サイズのだけでなく食べ応えのありそうなのまでいやがるぜ」ジュル

ガノトトス「黙ってそのまま食われるとでも思っているのか?」

大怪鳥「魚が鳥に勝てるわけないだろぉ!!」ビューン!

ガノトトス「水竜だ、魚ではない」

人魚「たぁぁぁすけてぇぇぇぇぇ!?」

ガノトトス「すぅ……!!」ピタ

ガノトトス(水流ブレスだとあの子を巻き込んで…)

ガノトトス(いや、大丈夫か)

ガノトトス「ふぅっ!!」ブシューーー!!

大怪鳥「ゲェッ!?」パッ

人魚「うわぁぁぁぁぁぁ!?」ヒューン…

ガノトトス「よっ」ドサッ


人魚「あぅっ…助かっ…た?」

ガノトトス「やっぱり水に耐性あったようだね」

人魚「だからってあたしごとブレスすることないじゃないか!!」

ガノトトス「じゃあ助かりたくなかったのかい?あのままボリボリ食べられても…」

人魚「……いえ、助かりました」ガクブル

大怪鳥「許さんぞ魚どもぉぉぉ!!」ムクリ

モノブロス(´・ω・`)シツレイシマース(ドドド!!)

大怪鳥「ギャァァァァァァァス!?」ドガァ!!ゴロゴロゴロ!!

モノブロス(´・ω・`)トトス- チイサイノゼンブ オトナシクナッタヨー

ガノトトス「ご苦労さん」

人魚「この子達、容赦がなさ過ぎるわぁ…」

大怪鳥「オレ様の翼に傷が…キサマら全員八つ裂きにしてくれるわ!!」バサーッ!!

ガノトトス「くっ!?」ザシュ

モノブロス(´>ω<`;)イタイ(ザシュ)

人魚「羽根が飛んできた…大丈夫?」

ガノトトス「平気だ、でもキミかばいながらだとうまく戦えないな…」

人魚「ごめんね、どうしよう…」

ガノトトス「モノブロス!この子と一緒に岩陰に!」ポイッ

モノブロス(`・ω・´)リョウカイダヨ(パクッ ドスンドスン)

人魚「ひゃぁぁぁぁぁぁ!?」


大怪鳥「まずはお前から食われたいのか…いいぜぇ、いきなりメインディッシュも悪くない」ペロリ

ガノトトス「悪いけどオレは食用じゃないんだ」ドスドス

大怪鳥「知ってるだろ?鳥にどうやっても魚じゃ勝てないんだよ!!」ビュォォォォ!!

ガノトトス「竜巻!?でも…」

ガノトトス「っだぁぁぁぁぁ!!」ダンッ

大怪鳥「竜巻に向かって体当たりだと!?ギヒィ!?」ドガァ!!

ガノトトス「思ったより弱い竜巻だから飛ばされなくて助かったよ」

ガノトトス「それにお前がその近くにいてもっと良かった」スゥ…

大怪鳥「なんだコイツ…そこら辺のヤツとレベルが違いすぎる…」

大怪鳥「だが!そのブレス見切った!!」バッサ!

ガノトトス「…」ニヤリ

ガノトトス「ふぅっ!!」クンッ ジュバババババ!!

大怪鳥「なぎ払いだと!ゲェェェェ!?」ブシャ!ドサッ!!

ガノトトス「誰が直線だけって言ったんだよ?」


大怪鳥「なめんな!なめんな!なめんなぁ!!」ビュゴォォォォォ!!

ガノトトス「!?」

ガノトトス(竜巻に自分の羽根を乗せた)

ガノトトス(これでは体当たりはできない…)

大怪鳥「三枚におろしてやるぞ魚がぁぁぁぁぁぁ!!」ゴォンゴォン!!

人魚「氷結魔法!!」キィン


 パキパキパキ…シャリィィィン!!


ガノトトス「舞っている羽根が凍り付いて砕けた!今だ!!」ダンッ

大怪鳥「なっ…グゲェェェ……!?」ドガッ!ゴロゴロゴロ…

大怪鳥「ェ――」グタ

モノブロス(`・ω・´)ヤッター カッタヨ!

ガノトトス「助かったよ、ありがとう」

人魚「え?えとえと……な、なんのなんの!」

人魚「あの程度、あたしにかかれば楽勝よぉ!!」

モノブロス(´・ω・`)コレガイワユル[ツンデレ]ッテイウヤツ?

ガノトトス「ツンデレってなんだ?」

人魚「誰がツンデレか!!」


ガノトトス「さて……起きろ」ユサユサ

大怪鳥「ぐぅ…まだ何か…あるってのかよ…」

ガノトトス「この辺で水場ってないか?」

大怪鳥「は…?」

ガノトトス「こちらが勝ったんだ、それぐらい教えてくれてもいいだろう?」

大怪鳥「…」

大怪鳥「向こうの短い木が並ぶ道を行け」

大怪鳥「その先にオレ様の巣がある、その脇に湧き水が溜まっている場所がそうだ」

ガノトトス「助かるよ」

大怪鳥「ふん…」

人魚「湧き水!?久々に泳げる!?」

ガノトトス「できたらいいね」

モノブロス(´・ω・`)ジャア ソコヘイコウヨ

大怪鳥「…」

ガノトトス「大丈夫だよ、卵や子供には何もしないから」

大怪鳥「…どうしていると分かった?」

ガノトトス「捕食しようとしてたわりにはすごく真剣な顔してたからかな」


人魚「早く行こうよー?」

ガノトトス「はいはい」ドスドス

人魚「その前に傷直さなきゃ、超再生魔法!」ホワァ

ガノトトス「すごいな…傷がみるみる塞がっていく…」

人魚「あとはあなたにもね!」ホワァ

大怪鳥「どうしてオレ様まで…」

人魚「自分の住処守るためにあたし達襲ったんでしょ?」

人魚「無駄に命までは取っちゃ悪いもんね」

モノブロス(´・ω・`)ボクモ ソウオモウヨ

モノブロス(´・ω・`)サッキノマモノタチモ キゼツサセタダケダシ

ガノトトス「まぁこちらに命の危険がある場合は容赦しないがな」

ガノトトス「っと、そういうことだから」

大怪鳥「…」

人魚「それじゃ水はよはよ!!」ペチペチ

モノブロス(´・ω・`)ワカッタカラ アタマノウエデアバレナイデ

ガノトトス「それじゃ」ドスドス

大怪鳥「変なヤツらだ…」バッサバッサ


ガノトトス「で…これはどういうことだ…」ガタガタ

モノブロス(((´@ω@`)))サムイヨ…

人魚「道間違えちゃったみたい♪」

人魚「おっかしいなぁ…こっち来れば草原だったはずなんだけど」

ガノトトス「戻ろう…」


 ビュオォォォォォォォォォォォォ!!


人魚「しかーし、この吹雪の中でどちらから来たのか分かればの話ですがねー」

ガノトトス「どうやらここでお別れのようだな…」ヒョイ ポフン

人魚「つつつつつめたぁぁぁぁぁぁい!?」ガタガタガタ

人魚「すみませんっしたぁ!許してくださぁい!」

ガノトトス「どうするんだよこれ…」

モノブロス(´・ω・`;)ヘタニアルクホウガ アブナイヨネ

人魚「でもおかしいなぁここ…」

ガノトトス「なにが?」

人魚「だって遠く見たら雪が普通に真っ直ぐ降ってるんだよ」

人魚「この辺だけ吹雪くって変じゃない?」

ガノトトス「言われてみれば確かに…」


モノブロス(´・ω・`;)トトス コンナトコロニ ソウショクジュウノ シガイガアルヨ

ガノトトス「ホントだな、ポポに似てる」

人魚「ポポ?マンモスじゃないんだ?」

ガノトトス「マンモスとやらは知らないけどきっと同じ感じのヤツだよ…多分」

ガノトトス「しかしこの死体、食い散らかした跡があるな」

人魚「と、いうことは……ひぃ!!」

ガノトトス「何かがこの辺にいるようだ…」キョロキョロ


 ビュオォォォォォォ!!


ガノトトス「突風!?でもこの感じどこかで…」

モノブロス(`・ω・´;)ムコウニナニカイル!

人魚「は、早く倒してきてぇ…」ガタガタ

ガノトトス「怖いのか寒いのかどっちだよ、その震え…」

????「あーもう!散々だわ!!」ガツガツムシャムシャ

モノブロス(´・ω・`)?

ガノトトス「…」


人魚「ちょ…ちょっと…なんで倒しに行かないのさぁ?」

????「本命にフラれるわ、変なところに飛ばされるわでぜんっぜんいい事ないし!!」

????「また思い出してきたら腹立ってきたわ!もぉぉぉぉぉ!!」ビュオォォォ!!

人魚「また突風!?しかも何かがいる方から!!」

ガノトトス「…やぁ」ザクザク

????「ん?あぁ!ガノじゃない!!」

ガノトトス「どうしてこんなところにいるんだい?ダオラ嬢」

????「もー聞いてよ?!今日はホント災難だったのよ!!」

人魚「また知り合い!?」

モノブロス(´・ω・`)ウン 「クシャルダオラ」ッテイウヒト

ガノトトス「やはりキミも渦に?」

クシャル「えぇ、低空を飛んでたらいきなり水面から水の柱が飛び出してきたのよ」

クシャル「で、気がついたら草原の湖に浮かんでたわ」

ガノトトス「そうだったのか」


クシャル「それよりまたフラれたのよ!これでもう6回目よ!?」

クシャル「思い切ってナルガくんに告白したはいいけどさ」

クシャル「『錆女とは無理』って言われたのよ!ふざけてると思わない!?」

クシャル「これ剥げたらちゃんと綺麗になるっていうのにさ!!」

モノブロス(´・ω・`)マダオアイテサガシ ガンバッテタンダネ

クシャル「そこの角坊主シャラップ!!…あんたも来てたの」

モノブロス(´>ω<`)ウン ジブンデトビコンジャッテ…

クシャル「相変わらずドジね~」

ガノトトス「今オレ達は戻るための方法をある者に聞きに行く途中なんだ」

ガノトトス「キミも一緒に来ないか?」

クシャル「またいい男紹介してくれるならいいわ」

ガノトトス「ナルガクルガについてはそっちが勝手に暴走しただけだろ…」

クシャル「だってクールで超絶にカッコよかったんだもん!!」

ガノトトス「しょうがないな…戻ったら隣の大陸のヒト紹介してあげるよ」

クシャル「ホント!?だったらついていくわ!」バッサバッサ

人魚「この竜さんぼっち?じゃなかった、ビッチ?」

クシャル「おい、どっちにしろよろしい言葉じゃないわよ魚女!!」

クシャル「ガノ何よこれ、非常食?」

モノブロス(´・ω・`;)タベルタメニツレテルワケジャナイヨ…

ガノトトス「これでも帰る方法を知ってる人物の場所に案内してくれてる人魚って子だよ」

クシャル「ふぅん、モテなさそうな顔してるわね」

人魚「そっちよかモテるわ!この飛行トカゲ!!」

ガノトトス「ほら、喧嘩しないで早く行くよ…」


ガノトトス「この辺来るまで無事だったかい?」

クシャル「ん?」

ガノトトス「人間とか別の生き物とかが結構いる世界みたいだけど」

クシャル「伊達に古龍と呼ばれてないわよ、きた相手を一気に殲滅したわ」

人魚「せめてこの世界の生態系が変わらない程度にしなさいよねぇ」

クシャル「はぁ?あんたに関係ないでしょ」

人魚「やるの?錆女」バチバチ

クシャル「カッチーンときた!食われたいのかい?!」ガチンガチン

モノブロス(´>ω<`)ヤメナヨー

ガノトトス「ほらほら、一緒にいるんだから仲良くしなよ」

クシャル「だってこの魚女うざいんだもの」

人魚「そっちがうざいっての!」

ガノトトス「ダオラ嬢、あまりこちらを困らせると今後の紹介はなしにする」

クシャル「うっ!?」

人魚「ざまーみろ!」

ガノトトス「キミもだ人魚、今後一切必要以外の会話を無視させてもらう」

ガノトトス「今度こそ冗談でなく本気で実行するから」

人魚「そんなぁ!?そんなのつまんないじゃん!!」

ガノトトス「それでいいのならおふたり共ご自由に喧嘩なり言い争いなり続けなよ」

モノブロス(´・ω・`)トトスガオトナダ

クシャル「分かったわよ…大人しくしてる」

人魚「でもあんただけには乗ってあげないんだからね!!」

クシャル「はいはい、好きにしたら?」

人魚「くぅぅぅ…!!」

ガノトトス「はぁ~あ…」

モノブロス(´・ω・`)イイヒトスギルノモタイヘンダネ


人魚「この雪原越えたらあとは森林地帯に入ってすぐだよ!」

モノブロス(´・ω・`;)クシャルサン…オモイ…

クシャル「ちょっとぐらい休憩させてよ、あんた丈夫だし」

モノブロス(´@ω@`;)アゥゥゥ

人魚「自分だけ楽するな!動けぇ!」

クシャル「ここ来るまで飛びっぱなしだったのよこっちは」

モノブロス(´・ω・`)キミモ ウゴイテミレバ?

人魚「足も翼もないっての!!」ビタンビタン

ガノトトス「…」ヒョイ ポスッ

人魚「ひぃえぇぇぇぇぇぇぇ!?」ブルブルブル

ガノトトス「文句を言うなら自分も努力ぐらいしてみな」

人魚「ムリムリムリムリムリィィィィ!?」ガタガタブルブル

ガノトトス「行こう」ボフボフ

モノブロス(´・ω・`;)エット…スコシハンセイシテネ?(ボフボフ)

人魚「ウソ!?置いていかないで!!」

クシャル「…」



………


ガノトトス「…」ボフボフ

クシャル「アレ、放っておいていいの?」

ガノトトス「モノブロスも言ってたけど少し反省させようと思ってね」

ガノトトス「しばらくしたらオレが迎えに行くよ」

クシャル「それならいいんだけどね…」

モノブロス(´・ω・`)シンパイ?

クシャル「まぁ…アレでも案内してくれてるんでしょ?」

モノブロス(´^ω^`)ヤサシインダネ

クシャル「別に…いないと困るからよ…」プイッ

ガノトトス「悪い子ではないんだけどね」

クシャル「あんたはいつもそういう所はしっかりしてるわよね」

ガノトトス「そうかい?」

モノブロス(´・ω・`)ダカラカ トモダチモオオインダヨネ

ガノトトス「自然と付き合いが増えていくんだよな」

ガノトトス「隣の大陸に出張した時も随分と関わりが多かったな」

クシャル「やっぱりあんたはそういうヒトなのよ」

ガノトトス「そうか…」


人魚「うぅぅぅ~…し、しぬぅ…」ズリ…ズリ…ズリ…

人魚「ご、ごめん!悪かったよぉ!だから…戻ってきてぇぇぇ?!」

人魚「かかか体の感覚がなくなってきたぁ…」

人魚「くそぉ!トット!あたしをこんな目に合わせてぇ…許さないからなぁ!!」

人魚「あ…マジもう無理…」ボフッ

人魚「あぁ…最後ぐらいはサンゴに囲まれて海草食べながら夢見気分で逝きたかったわぁ…」


ズブズブズブ…ブシャァァァァァン!!


???「…」ボフッ

人魚「あー…やっと来てくれたのねぇ…信じてたよ…トット…」

???「…」ギュ

人魚「あれ…すごく…暖かい…魚の癖に温度が…あるなんてぇ…」

???「トットって」

人魚「え…?」

???「ガノトトス?」

人魚「知ってるの…?あれ?トットじゃ…ない…?」

アグナ「私はアグナコトル」

人魚「トットの知り合い?」

アグナ「…」コクリ


アグナ「どこにいるの?」

人魚「さっき置いていかれたんだぁ…」

アグナ「…?」

アグナ「行ったのどっち?」

人魚「た、多分…あっち…かな」

アグナ「分かった」ボフボフ

人魚「トットとどういう関係なのー?」

アグナ「…」

アグナ「恋人?」

人魚「マジっすか!?」

アグナ「ウソ」

人魚「ウソかーい!!」

アグナ「友達……すごく大事な」

人魚「そうなんだ」

人魚(あながちウソでもなさそうな…)


人魚「キミも渦から来たの?」

アグナ「トト子に頼まれて探してたら偶然」コクリ

人魚「トト子?」

アグナ「トトスの妹」

アグナ「綺麗な色してる子」

人魚「妹いたんだ…想像できないなぁ…」

アグナ「あ」

アグナ「冷えてきた」

人魚「え?あー、体の温度が下がってるね」

人魚「しかも表面が黒くなってきてるけど、これどういう仕組みなの?」

アグナ「溶岩、体に纏ってた」

人魚「!?」

アグナ「火山から付けてきたけど」

アグナ「冷えすぎちゃった」

人魚「やばい…?」

アグナ「そっちがやばい」

アグナ「こっちはある程度までは大丈夫」

アグナ「表皮は冷えていく一方」

人魚「うわぁぁぁぁぁぁ!?なんとかしてぇ?!」

アグナ「早くここ抜ける」ズルズルピョーン ズルズルピョーン

人魚「頑張ってぇ!!」


ガノトトス「…」

モノブロス(´・ω・`)ドウダッタ?

ガノトトス「いなかった…」

ガノトトス「何か大型の生物がいた跡があったが追えるほど余裕なかったよ」

ガノトトス「彼女はもしかするとソレに…」

クシャル「…探してくるわ」バッサバッサ

ガノトトス「ダメだ」

クシャル「何でよ?そもそも原因は私にあるのよ」

ガノトトス「キミはいいかもしれないが、オレ達はここで待てるほどこの環境に強くない」

モノブロス(´・ω・`)ボクハ ナントカナルカモシレナイケド トトスニハツライヨネ?

ガノトトス「あぁ」

クシャル「じゃあどうしろってのよ!?」

ガノトトス「原因はキミだけじゃない、俺が放置していったのもある」

ガノトトス「ひとりで解決しようとしないでくれ…」

クシャル「…」

ガノトトス「体がもつ限り、みんなで探してみよう」

モノブロス(´・ω・`)ウン…



 ズドドドドド…


ガノトトス「何の音だ?」

クシャル「!?まずいわ…」

ガノトトス「どうしたんだ?」

クシャル「雪崩よ、多分どこかで強い衝撃でも与えたんじゃないかしら」

ガノトトス「なに!?こんな時に何故!?」

モノブロス(´・ω・`;)アノコモ マダミツカッテナイシ ドウシヨウ?

クシャル「幸いまだ距離があるから安全な場所まで逃げるべきよ」バッサバッサ

クシャル「このままだとあの子どころか私達まで危ないわ」

ガノトトス「くそっ!人魚どこにいるんだ…!!」


アグナ「…」ボフボフ

人魚「うーん…トット達いないなぁ…」

人魚「本当に置いていかれちゃったのかな…」ショボン

アグナ「そんなことない」

人魚「アグナたん…」

アグナ「トトスは見捨てていく真似なんてしない」

アグナ「すごくいいヒト」

人魚「うん、分かってるんだけどね…」

アグナ「探しに来てくれる」

アグナ「!!」ピクッ

人魚「どうしたの?」

アグナ「足元に何かいる」

人魚「え?」

アグナ「っ!!」ダッ

人魚「うわぁ!?」


 ブシャァァァァァン!!


氷竜「グォォォォォォォ!!」

アグナ「竜?」

人魚「雪原の主だ…」

アグナ「?」


人魚「アレすごくやばいヤツなんだ!逃げて!?」

人魚「人間だろうと魔物だろうと見境なしに襲ってくるんだ!」

アグナ「…」

アグナ「ちょっと話し合ってみる」

人魚「えぇ!?無駄だって!!」

氷竜「…」

アグナ「少し話を――」


 ドガッ!!


アグナ「うっ」ズサー

人魚「アグナたん!?」

氷竜「…」ノシノシ

アグナ「…交渉失敗」ムクリ

アグナ「怒った」グバァ ズシュゥゥゥゥン!!

氷竜「!!」バッサ

人魚「口からすごい熱線!でも避けられた!」

アグナ「グェェェェェ!!」ダッ

氷竜「ガッ!?」ドガッ!

アグナ「くらえ」ヒュン

氷竜「ブゥゥゥゥ!!」ヒョォォォォォォ!!

アグナ「あ」パキパキパキ…

人魚「アグナたんの体が凍りついた!?」


アグナ「動けない」ピキーン

人魚「待って!今溶かすから!」コォォォ

氷竜「ガァァァァァ!!」ドタンドタンドタン!!

人魚「!?」

人魚「ビックリしてる暇じゃないや…早く溶かさなきゃ」コォォォ


 ドドドドドドド…


アグナ「?」

人魚「もう少しで魔法撃てるから!」メラメラ

氷竜「グゥゥゥ…」バッサバッサ

人魚「逃げた…のかな?」

人魚「暴れるだけ暴れて何がしたかったんだろう?火柱魔法!」ボワァ!!

アグナ「溶けた」ジュゥ パキパキ


 ズドドドドドドドドドドドォ!!


アグナ「くる」

人魚「え?何の音?」

アグナ「上……逃げられない」

人魚「な、雪崩!?どどどどうしよう!?」

アグナ「…」

アグナ「ごめん」クパァ

人魚「え、アグナた――」バクン!


クシャル「結局見つからなかったわね…」

ガノトトス「くそっ!!」

モノブロス(´・ω・`)キットドウニカヒナンシテルヨ

クシャル「そうね、何かあの場にいた跡があったんでしょ?」

ガノトトス「そうだけど…それが何者かまでは…」

モノブロス(´・ω・`)キットシンセツナマモノトカニ タスケラレテルンダヨ

モノブロス(´-ω-`)ソウ…オモオウヨ…

ガノトトス「…そうだな」

ガノトトス「辛いのはオレばかりじゃないんだ…」

クシャル「じゃあ先に進んでおきましょうよ?」

モノブロス(´・ω・`;)バショガ ワカラナインダケドネ…

ガノトトス「確かこのまま進んで森林に入ればそこに魔王城とやらがあると言っていた」

クシャル「だったら行けるじゃない」

ガノトトス「進むか」ドシンドシン

??「おい…あれ、見たことない魔物だぞ」

????「こんな所であんな大型の魔物いるとか聞いてないよぉ…」

モノブロス(´・ω・`;)ニンゲンダ…

ガノトトス「相手にするな、時間の無駄になる」


クシャル「でも、アイツらさぁ…」

??「どうなさいますか?」

??「このまま野放しにしてもいずれどこかの街が危険に晒されるかもしれない」

??「一匹づつ一気にたたみかけよう」ジャキン

クシャル「えらいやる気みたいよ?」

ガノトトス「ちっ…面倒だな…」

モノブロス(´・ω・`)ハナシアイデキタラ カイケツデキルンダケドネ

ガノトトス「残念だが、人魚がいない限り人間と会話はできない」


ガノトトス「早く終わらせて進…」


 カッ ドガァァァァァァァァ!!


モノブロス(´○□○`)グァ…(フラ…)

ガノトトス「モノブロス!?」

クシャル「なにあれ…いきなり爆発したわ…」

??「一角竜が怯んだぞ!そのままトドメを!」

??「まかせろ!おらぁぁぁ!!」ブゥン

モノブロス(´○⊿○`)ガ!?(ドガァ!!)


 ドシィィィィィィィン!!


??「一匹倒しましたよ!!」

??「次はそっちの水竜だ!!」

ガノトトス「おまえらぁぁぁぁぁ!!」ピュィィィィィィ!!

クシャル「ガノ、落ち着いて!アイツら次はあんたを集中攻撃する気よ!?」


ガノトトス「よくもモノブロスを!!」ブシュゥゥゥゥゥ!!

??「くっ!怒ってやがるぞ!明らかに種族違うけどこいつら仲間同士なのか!?」

??「戦士!油断するな!相手は魔物だ!そんなもの気にしてる暇じゃないぞ!!」

??「分かってんよ!!」ダッ

??「僧侶!戦士のサポートを頼む!」

??「分かりました!」

??「魔法使いは続けて魔法で水竜に攻撃を!」

????「まかせて!勇者!!」パリリッ

ガノトトス「許さんぞぉぉぉ!!」

クシャル「ガノ!いいから落ち着いてよ!」

ガノトトス「うおぉぉぉぉぉ!!」

クシャル「ダメだわ…怒りで我を失ってるわ」

クシャル「仕方ない…」スゥ…ブゥゥゥゥゥ!!

戦士「うおぉぉぉ…!?」

僧侶「戦士さんが飛ばされました!!」

勇者「あの鋼龍は風のブレスを出すのか!?先に相手するべきだったか!」

魔法使い「先に向こうを迎撃するよ!」バチバチ

勇者「頼む!水竜はオレが止めておく!」ダッ


クシャル「嫌な予感がするわ」バッサバッサ

クシャル「あの妙な技してくる人間も飛ばしたほうがよさそう…ね!」ブゥゥゥゥゥ!!

魔法使い「うそ、こっちに!?きゃああああああ!!」

勇者「なっ!?」

僧侶「魔法使いさんまで!?」

ガノトトス「うらぁっ!!」ダンッ

勇者「ぐはぁ!?」ドガァ!!ゴロゴロ

僧侶「勇者様!?このままでは……えいっ!!」ヒュン ボワァァァ…

クシャル「何よ…いきなり煙が…ゴホ!ゴホ!」

ガノトトス「ゴホ!ゲホ!どこだぁ人間?!」

僧侶「このままでは危険です!今の内に皆連れて引きましょう!」

勇者「あぁ、すまない…!」ダダッ

クシャル「ふっ!」ブゥゥゥ!!

クシャル「…逃げたわね」

ガノトトス「逃がすか!」ドシンドシン

モノブロス(´>ω<`)マッテ トトス…(グイッ)

ガノトトス「モノブロス!無事だったのか!?」

モノブロス(´・ω・`;)ケッコウイタカッタケド ナントカ…

モノブロス(´・ω・`)ダカラモウオワナイデ

ガノトトス「…分かった」


クシャル「ったく…ヒトの言うこと全然聞かなかったくせに…」

ガノトトス「ごめん…頭に血がのぼりすぎて…」

クシャル「それにしてもさっきの人間達、かなりやるわね…」

クシャル「こっちひとりだったらやられてたかもしれないわ」

ガノトトス「モノブロスが食らったあれは魔法という遠距離から攻撃できるものらしい」

クシャル「私達のブレスに近い感じね」

モノブロス(´;ω;`)イキナリドカーンッテナッテ スゴクイタカッタ…

ガノトトス「もしかするとあれが人魚が言っていた勇者なのかもしれない」

モノブロス(´・ω・`)ユウシャ?

ガノトトス「詳しくは分からないけど人間の中で最も強い存在らしい」

クシャル「それであの強さだったわけね」

ガノトトス「おそらくは…」

ガノトトス「次遭遇した時はこれだけじゃすまないかもしれないな」

クシャル「こっちの攻撃方法も知られたことですしね」

モノブロス(`・ω・´)ボク モウユダンシナイヨ!

ガノトトス「あぁ、行こう」


勇者「みんな無事か?」

戦士「吹き飛ばされた程度だからどうってことないぜ」

魔法使い「うん…」

僧侶「さすがに相手がまずかったですね」

勇者「相手を知らずに戦ったのが悪かったみたいだな…ごめんよ」

魔法使い「勇者が悪いわけじゃないよ」

戦士「そうだぜ、気にするなよ」

勇者「そうだね」

僧侶「…」

僧侶(さっきの暴れる水竜を鋼龍が止めようとしてる風に見えましたが…)

僧侶(未遭遇の魔物のようでしたし生態は分かりませんが…)

僧侶(人間と同じように感情をもっているのでしょうか?)

アグナ「…」ズズズズズ

勇者「!?」

戦士「今度はなんだ!?また見たことないヤツだぞ!!」

魔法使い「どうするの!?今度は一匹だし戦う?!」

勇者「いや!今度は少しだけ様子を見よう…」

勇者「こちらは見ているが、殺気が感じられない」


アグナ「人間いたんだ」

僧侶「…『あなたは私達を襲いに来たのですか?』」

アグナ「言葉分かるの?」

僧侶『そういう能力使ってますから』

アグナ「そう」

アグナ「別に人間相手にする気ない」

アグナ「友達探してる」

僧侶『友達…ですか?』

アグナ「そう」

僧侶『もしかしてさっきの…』

アグナ「知ってるの?」

勇者「僧侶?どうした?」

僧侶「どうやら今度は戦わずにすみそうですよ」

魔法使い「え?」

僧侶『探している相手かは分かりませんがあちら側に大型の魔物の方達がいました』スッ

アグナ「行ってみる」

僧侶『はい』

アグナ「ありがとう親切な人間さん」ズズズ…


僧侶「…ふぅ」

戦士「本当に何もせずいなくなっちまったな」

勇者「僧侶、何かあの魔物にしたのか?」

僧侶「私、趣味で言葉を交わせない生き物にもコンタクトを取れるための能力を習得してまして」

魔法使い「それで会話してたんだ?」

僧侶「えぇ」

戦士「さっきの魔物達にもやろうと思えば話せたってことか?」

僧侶「一応やってみましたが波長が合わなかったので無理でした」

僧侶「さっきの子だけ偶然…」

勇者「そうか」

僧侶「あまり使うことはないと思っていたのですけどね…」

魔法使い「今してる事考えたら使い辛いよね」

勇者「いや、でもそれのおかげでまた無駄な戦いしなくてすんだわけだ」

勇者「僧侶には感謝しなきゃ」

僧侶「そんな…私はできる事をしただけですから…」

僧侶(それに本当はこの能力は…)


クシャル「ここから森林みたいだけど…」

モノブロス(´・ω・`)ナンカ イッパイイルネ

ガノトトス「あれが魔族ってヤツだろうか?」

クシャル「こっち見てるし、面倒な事になりそうね…」

魔族「おい!何ここをうろついているんだ!どこか行け魔物共!」

魔族「この近辺に勇者共が接近しているというのに目立っちまう…」

魔族「気づかれなきゃいいんだがな…」

ガノトトス「人間と違って言葉が通じるなら話は早い」

ガノトトス「魔王城ってどこにある?」

魔族「魔物が魔王城に何の用がある?」

モノブロス(´・ω・`)マオウッテヒトニアイタインダ

魔族「魔王様がお前らのような得体のしれんヤツにお会いになってくれるわけないだろう」

魔族「それに今からここは戦場となる」

魔族「死にたくなければとっとと去ることだ」

クシャル「何が始まるのよ?」

魔族「勇者共がこの近辺に潜んでいるという情報を聞いた」

魔族「ヤツらだけはここで潰しておかなければならん」

クシャル「森の外にそれらしいのがいたわよ」

魔族「なに!?おい!森の外に勇者共がいたそうだぞ!偵察して来い!」

クシャル「あら?そんなあっさり信じるの?」

魔族「この辺りに近づく人間など勇者共以外にいないからな」


ガノトトス「オレ達は勇者より魔王に用事があるんだがな…」

魔族「多分、門の所で止められるのがオチだぞ」

魔族「魔王様から信頼を得ている者であるなら話は別だろうがな」


 ズズズズズ…


モノブロス(´・ω・`;)ナニカシタカラ オトガスルヨ

アグナ「見つけた」ズシャァン!

ガノトトス「アグナ!?キミまで来ていたのか!!」

アグナ「トト子が泣いてた」

アグナ「『お兄ちゃんがいなくなった』って」

ガノトトス「それで探しに来てくれたのか」

アグナ「…」コクリ

モノブロス(´・ω・`)シラナイヒトダ…

ガノトトス「あぁ、彼女はオレ達の隣の大陸に住んでいるアグナコトルだ」

アグナ「よろしく」

モノブロス(´・ω・`)ヨロシクダヨ

クシャル「まぁよろしく頼むわ」

アグナ「…」プイッ

クシャル「今あからさまに視線そらしたでしょあんた…」


ガノトトス「魔王というのに会えば帰る方法を教えてくれるかもしれないらしいんだ」

アグナ「そうなんだ」

アグナ「じゃあそこ行こう」

クシャル「ガノの言葉にはちゃんと反応するくせに…」ギリギリ

アグナ「…」

モノブロス(´@ω@`;)ダイジョウブカナ コノフタリ…


アグナ「あ」

ガノトトス「どうした?」

アグナ「この子忘れてた」ンベェ

人魚「あうっ」ベチョ

ガノトトス「人魚じゃないか!?」

人魚「あ、あたし生きてる……あれ、トット?」

ガノトトス「よかった…無事で…どこにいたんだよ…」

アグナ「雪山でプルプルしてた」

人魚「この子が助けてくれたんだよ!」

クシャル「じゃああの何かいた跡っていうのはコイツだったのね」

モノブロス(´・ω・`)ウンガヨカッタンダネ

ガノトトス「ごめんよ、あそこで置いていかなければ…」

人魚「いぁいぁ、あたしも我侭ばかりで悪かったよー」


クシャル「まぁ結果オーライじゃない」

人魚「最初、食べられたのかと思ったけど…」

アグナ「雪崩避けるのに潜るしかなかったし」

アグナ「安全な場所、口の中ぐらいしか思い付かなかった」カカカッ

人魚「そだったんだ!ありがとー」

ガノトトス「でもこれで魔王に会うことができるか」

人魚「もうここまで来てたんだね」

人魚「よーし、行こうかぁ!」ポンポン

クシャル「…なによ?」

人魚「背中に乗せてちょ」

クシャル「あれだけ嫌っておきながら乗せろと?」

人魚「反省したんだよ!はーやーくー!」

クシャル「まぁいいけど…」ヒョイ

モノブロス(´^ω^`)ナカヨクナッテ ヨカッタネ

人魚「もうあんな目に合いたくないしー?」

ガノトトス「まったく…ほら行くよ」


ガノトトス「ここが魔王城とやらか」

クシャル「うちらの世界じゃ見たことない建物ね」

人魚「うーん」

アグナ「?」

人魚「よく考えたらみんな中に入れないよねぇ…」

モノブロス(´・ω・`)ソリャソウダヨ ボクタチ オオキイカラ

クシャル「せいぜい私ぐらいでしょうね、ギリギリ入れるの」

人魚「あたしだけじゃちょっとお話しづらいかもー…」

 『ヒトの城の前で集まっている見知らぬ魔物共よ、何用だ?』

クシャル「誰よ?声だけ聞こえるけど」

ガノトトス「もしや…」

 『我は魔王と呼ばれる者だ』

人魚「あ!気づいてくれたんだね魔王さん!」

 『む?貴様、いつぞやの人魚か』

人魚「えへへー、やっぱり覚えててくれたんだね!」

ガノトトス「人魚、魔王というヒトと知り合いだったのか?」

人魚「隠しててごめーん、でも忘れられてるかもしれなかったからあえて言わなかったのね」


アグナ「それより帰り方」

人魚「あーそうだった!ねぇ魔王さん」

 『なんだ?』

人魚「この子達ね、別の世界からやってきたんだって」

モノブロス(´・ω・`)ウズニノマレテネ

 『渦だと?そういえば各地で正体不明の渦が報告されていたが』

 『あれは異世界への出入り口だとでも言うのか?』

ガノトトス「分からない…ただオレ達は全員共通してアレに巻き込まれてやってきたんだ」

ガノトトス「あなたなら何か知ってるかもしれないと人魚に聞いてここまで来たんだ」

ガノトトス「何か少しでも帰るための手がかりはないだろうか?」

 『正直言うとそれは我が発生させたものではないので分かりかねる』

 『それに今は勇者共がやってきているため、ここを離れることはできない』

人魚「そこをなんとか!あたしと魔王さんの仲じゃない!」

 『うむ…お主の頼みを無碍にするわけにはいかぬが…』

クシャル(あんた、魔王ってのと何があったのよ?)ボソボソ

人魚(あとで教えるねー)


 『ならばお主達に少々集めてきてもらいたいものがある』

ガノトトス「その集めるものとは?」

 『渦に巻き込まれて漂流してきた物の回収だ』

モノブロス(´・ω・`)ソンナモノデナニカワカルノ?

 『流れ着いた破片の壊れ具合やそれに付着した物質を調べれば真相が分かるかと思ってな』

アグナ「分かってくれないと困る」

 『なるべく早く回収してきてくれ』

 『おそらく余り時間がない』

クシャル「その勇者ってのが来てるからね」

 『その通りだ、まかせたぞ』

人魚「まっかせてよ!」

ガノトトス「急いで渦が発生した場所を探さないと…」

アグナ「誰かが来たところで近いのは?」

ガノトトス「オレやモノブロスが飛ばされたところは知ってるだろうが遠すぎる」

アグナ「私の所は正反対」

クシャル「私の出た所だって反対側だわ」

ガノトトス「つまり、どこへ行っても間に合うかどうかな位置なのか…」

人魚「新しい渦出てるところってないかな?」

ガノトトス「それこそ探してる時間が惜しい」

 『一番新しい報告では城から裏へ進んだ先の湿地付近で渦が目撃されたようだ』

 『そこへ向かってはどうか』

人魚「魔王さんナイス!そこ行ってみようよ!」

 『だが、あの近辺は人間が多いから警戒したほうがよい』

ガノトトス「分かったよ、ありがとう」

クシャル「急ぐわよ」バッサ

 『竜族ばかりの魔物達か…不思議なものだ』


人魚「着いたよ!ここで渦が出てたみたいだね」

ガノトトス「水場はどこにあるんだ?」

人魚「え、えっと…さすがに位置まではぁ…」キョロキョロ

クシャル「私と人魚は空から探してみるわ」バッサバッサ

人魚「うわうわ!?空飛んでるぅぅぅ!!」

クシャル「あまり騒ぐと吹き飛ばすわよ」ピュー

アグナ「私は地中から探してみる」ズズズ…

モノブロス(´・ω・`)ボクタチハチジョウヲサガソ?

ガノトトス「そうだな」ドスドス

モノブロス(´・ω・`)ソウイエバ スイブンハダイジョウブ?

ガノトトス「正直カラカラさ」

ガノトトス「でも、どうせ水場探しているわけだし何とかなるさ」

モノブロス(´・ω・`)コレデ ニンゲンニオソワレタラ タイヘンダネ

ガノトトス「…手遅れだな」

モノブロスΣ(´○Α○`)エー!?

ハンターA「おい!なんかいるぞ!?」


ハンターB「この辺には魔物生息してないんじゃなかったっけ?!」

ハンターB「魔王城に近すぎてるし…」

ハンターA「幸い大型だけど二匹だけだ!」ジャキン

ハンターA「やっちまおうぜ!」

ガノトトス「数はそこまでいないからさっさと片付けるか」

モノブロス(`・ω・´)トトスハ ウズサガシテ! ボクガアイテシテルカラ!

ガノトトス「でもお前さっきダメージ受けたばかりで辛いだろ…」


 ズズズズズ…ズシャァァァァン!!


ハンターB「うわぁ!?地面からもう一匹でてきたぁ!?」

モノブロス(`・∀・´)アグナサンダー

アグナ「人間見えたから戻ってきた」

アグナ「トトスは探して」

ガノトトス「すまない!頼んだ!」ドスドス

モノブロス(`・ω・´)サーテ フットバシチャウゾー!(ザッザッ)

アグナ「…」

ハンターB「一匹いなくなったがこれはさすがにやばくね?」

ハンターA「大丈夫だ、こんな時のためにこれがある!」バァン!

モノブロス(`@ω@´;)ナニコレ ウマクウゴケナイ(バサァ)

アグナ「!?」バサァ


ハンターB「捕獲網か、よくそんなの持ってきてたな」

ハンターA「こういう時にこそ役立つんだっての、ほらさっさと倒しちまおうぜ」

ハンターA「動けないうちにな!」ギラッ

アグナ「キミは少しじっとしてて」ゴォォォ ジュッ

モノブロス(´・ω・`)ウン…デモムリハシナイデネ

アグナ「…」コクリ

アグナ「グェェェェェェ!!」ブチブチブチ!!

ハンターA「網が切られた!?何故だ!!」

ハンターB「コイツ、高熱で溶かしたんじゃないか?」

ハンターA「くっ…炎戈竜を先にやるぞ!!」

アグナ「!!」ズサー

ハンターA「ぐあ!?」ドガッ

ハンターB「ハンターA!?くっそ?!」ブゥン

アグナ「うっ」バキッ

モノブロス(`・ω・´;)アグナサン!!

アグナ「大丈夫」カカカッ

アグナ「でも痛かった」ビシューン!!

ハンターB「ぐぁぁぁぁ!?」バシュ

アグナ「今のうちにコレ取る」ジュゥゥゥ

モノブロスΣ(´・ω・`)ワァ アミガネツデトケテイッテル…


ハンターA「動きが止まったな!今だ!!」ダッ

ハンターB「一気にケリをつけてやるぜ!!」ダッ

アグナ「来てる」

モノブロス(`・ω・´)モウダイジョウブダカラ サガッテテ(ザッザッ)

アグナ「…」コクリ スッ

モノブロス(`・ω・´#)トンデケェ!!(ブォン!!バリバリバリ!!)

ハンターA「なっ!?一角竜を捕らえていた網が!!」

ハンターB「カウンターだと!?避けられん!!」

 ドガァァァァァァ!!

ハンターAB「うわぁぁぁぁぁ…」ヒューン ドサッ

モノブロス(`・ω・´)ドウダ! ボクダッテ ヨワクナインダゾ!!

アグナ「かっこいい」

ハンターB「くそ…さすがに体がもたねぇ…逃げるぞ…!!」タタッ

ハンターA「もうちょっとだったのに…ちくしょうが…?!」タタッ

アグナ「あ、逃げた」

アグナ「追いかける?」

モノブロス(´・ω・`)ホウッテオイテ イインジャナイカナ

モノブロス(´・ω・`)イマハ イソイデルンダシ

アグナ「そうだね」


クシャル「見当たらないわね…」バッサバッサ

人魚「こんな高くから見てるのに見つからないっておかしいねぇ」

人魚「トットも見つからないから色々歩き回ってるみたいだし」

クシャル「もしかして地底でもあるのかしら?」

人魚「でも、洞窟っぽいのもなかったよー」

クシャル「…まさか」ヒューン

人魚「わっ…急降下して何か分かったの?」

クシャル「もしかしたら私達は大きな勘違いをしてるんじゃないかと思ってね」スィー

クシャル「あんたに聞くけど、ここはどこよ?」

人魚「え?湿地じゃないの?」

クシャル「そう、だから盲点だったのよ」

クシャル「湿地に水場があるわけない」

クシャル「ここ自体が水気で覆われてるんだから」

人魚「あ!!」

人魚「じゃあここ自体が水場だってことなんだね!!」

クシャル「そういうことよ」

クシャル「つまり探し物はおそらくこの湿地帯ならどこにでも転がっているってわけよ」

人魚「じゃあトットにも教えてあげなきゃ!」

人魚「おーい―――!!」キィィィィィン!!

ガノトトス「ピュヒィ!?」ビョーン!!

人魚「あ、声高くしすぎて高周波出しちゃった」

クシャル「あーあ、怒られるわよ…」

人魚「あちゃー、高音嫌いだったのにね」

ガノトトス「…」ピチピチピチ


ガノトトス「これだけあれば大丈夫だろう」

クシャル「ただの流木とかだけで大丈夫かしら?」

ガノトトス「ほら、この辺には絶対生えない樹木だし絶対渦が運んできたものだよ」

クシャル「ふぅん、ならいいけどね」

ガノトトス「ここにいるとあのバカ鳥思い出すな」

モノブロス(´・ω・`)モシカシテ ゲリョスッテイウコ?

ガノトトス「そうそう、あの盗み癖のあるヤツ」

ガノトトス「先生にしょっちゅう怒られてたの見たわ」

クシャル「そのわりには臆病なのよねアイツ」

ガノトトス「グラビモスさんが散歩で沼地来た時はパニックになって洞窟の天井を走り回ってたとか」

アグナ「天井はよく潜るけど走ったことない」

モノブロス(´=ω=`;)ソレハソレデスゴインダケド…

モノブロス(´・ω・`;)トコロデ…

アグナ「この子どうしたの?」

人魚「おぇぇぇ…」プラーン

ガノトトス「ちょっとした罰だよ、気にしないでいい」

クシャル「さすがに逆さ吊りにされたら気持ち悪くなったみたいね」ブーンブーン

人魚「おろちてくだたい…おねぎゃいでしゅ…おぇぇぇ」

モノブロス(´=ω=`;)クシャルサン…ユラサナイデアゲナヨ…

アグナ「足がないって不便だね」

ガノトトス「いや、あってもこれは逃げられないだろ…」


人魚「ふぅ…散々な目に合ったわぁ…」

ガノトトス「自業自得だ」

クシャル「やっと城の裏まで来たわね」

人魚「これを魔王さんに渡せばいいんだけど…」

モノブロス(´・ω・`)ダレガモッテイクノ?

アグナ「入れない」

人魚「あたしは移動できませーん」

ガノトトス「そんな当たり前なことに気づかなかったな…」

魔王「中へ入る必要はない」ガチャ

人魚「魔王さんから来てくれたー!」

魔王「見つけてきたようだな」

アグナ「人間っぽい」

魔王「我か?はるか太古には我々魔族も人間だったらしいからな」

魔王「容姿が激しく変化した者もいれば、我のように変わらぬ者もいるのよ」

クシャル「ふぅん」


モノブロス(´・ω・`)ユウシャハ?

魔王「撃退した」

クシャル「もう?早いわね」

魔王「そちらの用事を優先させるために少々本気で挑んでやったのだ」

ガノトトス「あいつらをこの早さでやるとはかなりの手だれだな」

魔王「ふっ」

魔王「とりあえずだ、回収してきたものを渡してもらおうか」

ガノトトス「あぁ、これだよ」スッ

魔王「木片か、ふむ…」

クシャル「もしかしてもう何か分かったの?」

魔王「お主らには分からぬだろうがこの木片に魔力が染み込んでいる」

魔王「魔法には一瞬で決めた位置へ移動できるものがあるのだが」

魔王「それが自動的に異世界間で発動したものが…」

モノブロス(´・ω・`)アノウズ?

魔王「おそらくな」

魔王「原因さえ分かれば早い」

魔王「少々時間はかかるがあの渦と同じものを作ることはできるだろう」

ガノトトス「じゃあやっと帰れるのか…」

人魚「よかったね!」


クシャル「結局あんたと魔王の関係はなんなのよ?」

人魚「えっとねー」

魔王「そやつは今の見た目はごく普通の人魚だが大海の主なのだ」

ガノトトス「大海の主…?」

魔王「分かりやすく言えばこの世界の海で頂点に立つ者だな」

クシャル「あんたすごくえらいヒトだったわけ…?」

人魚「えらくなんかないよー」

人魚「最近親から受け継いだばかりだし全然ー」

人魚「海から皆を見守るだけの存在だから強くもないし?」

魔王「彼女には我が魔王になる以前に命を救われたのだ」

モノブロス(´・ω・`)オンジンダッタンダネ

魔王「うむ」


魔王「ではこれからお主らを帰すための準備をしてこようではないか」

ガノトトス「すまないがよろしく頼むよ」

魔王「これも何かの縁よ、のんびりと待っておるがいい」コツコツ

人魚「待ってる間どうする?」

アグナ「暇」

モノブロス(´・ω・`) ジャアシツゲンノホウニ イッテオク?

クシャル「そうね、ガノには水気のある場所のほうが落ち着くだろうし」

ガノトトス「別にオレの事は気にしなくてもいいのに…」

アグナ「いいから行こう」グイグイ

ガノトトス「うわ、みんなしてどうしたんだよ…」ズリズリ

モノブロス(´^ω^`)ミンナ キミガシンパイナンダヨ

ガノトトス「うーん…」


勇者「くっ…魔王があそこまで強いとは…」

戦士「これ以上強くなれってことかよ…これでもかなり頑張ってきたのによ…」

魔法使い「でもあの魔王って純粋に戦いを楽しんでただけな気がする」

勇者「確かに俺達をやろうと思えばできたのにそのまま放り出したしな」

戦士「もっと強くなりてぇ…」

僧侶「…」

勇者「どうした僧侶?」

僧侶「…え?」

魔法使い「何か考えてるみたいだったけど…」

僧侶「えぇ…ちょっと…」

戦士「さっきの魔王についてか?」

僧侶「いえ……やっぱり気になる」

僧侶「すみません、私ここでお別れさせていただきます」

僧侶「今までありがとうございました!」ペコリ タタッ

勇者「え!?おい、僧侶!!」

魔法使い「どうしたの!?」

僧侶(戦っている最中からずっと気になっていた)

僧侶(あの魔物の子達…)

僧侶(今どこで何をしているのでしょうか…)

僧侶(だって私は…)


ガノトトス「しかし、いつまで待っていればいいのだろうな?」

クシャル「あんた分からないの?」

人魚「分かるわけないよー」

クシャル「まったく、使えないわね」

人魚「なんだと錆女?!」

クシャル「まだそれを言うか!!」

人魚「そーれアグナたん逃げろー」ペチペチ

アグナ「…錆女に追いつけるかな」ズリズリズリ

クシャル「あんたまで!?きぃぃぃ!!」ドドド!

モノブロス(´=ω=`)マタヤッテルヨ…

ガノトトス「放っておきな、もうツッコむ気にもなれない…」

ガノトトス「こことももうすぐお別れかぁ」

ガノトトス「思った以上に楽しめたな」

モノブロス(´・ω・`)ショウジキイウト モウスコシイタカッタカナ

ガノトトス「そうだな、海の魔物とやらをもう少し見てみたかった」

モノブロス(´・ω・`)ボクハ サバクノマモノカナ

ガノトトス「まるで夢を見てたみたいだった」

モノブロス(´;ω;`)ユメニシテハ スゴクイタカッタンダケド…

ガノトトス「ははは…」



 ブシュン!


ガノトトス「ぁ…」ポタ…ポタ…

ガノトトス「げほ…なに…が…」フラ…


 ドシィィィン!!


モノブロス(`○□○´)エ…

クシャル「な…」

アグナ「!?」



人魚「トットぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!?」


ハンターA「よし、一匹やれたぜ…」シュゥゥゥ…

ハンターA「この魔法を誰でも使える魔導玉ってのは便利だな」

ハンターA「ハンターBはもうやめておけって言ったが…」

ハンターA「こんなレアなやつら絶対倒すべきだろ」

ハンターA「くっく…これで大金が手に入…」


 バッサバッサ…ドシン!!


ハンターA「やばい!見つかったか!?」

クシャル「グルルルルル…」

ハンターA「ふん!てめぇもこれを食らって寝てやがれ!」バッ


 ズブズブ…ブシャァァァァン!!


アグナ「グェェェェェェェ!!」

ハンターA「うわぁぁぁ!!」ドサッ

ハンターA「下からもう一匹だと!?魔導玉を落とした…予備を…」ゴソゴソ


 ザッザッ…


モノブロス(`ФДФ´)ッギョォォォォォォ!!!!

ハンターA「ぐっ!?何匹いるんだ!!耳が…」グッ


人魚「みんなこう言ってるんだよ」

人魚「『お前は絶対許さない』ってね」

ハンターA「どうしてこんなところに人魚が…」

ハンターA「許すも何も俺はただ魔物を狩っただけだぜ?」

ハンターA「全然種類も違う魔物達に仲間意識とかそんなものあるはずが…」

人魚「生きているもの皆同じだよ」

人魚「種族関係なしに友達だってできる」

人魚「あなたはあたし達をなめすぎている」

人魚「あたし達の一番の友達を傷つけた罪は大海より深い」スッ

クシャル「…」ザッ

アグナ「…」ザッ

モノブロス(`ФΛФ´)…(ザッ)

ハンターA「こんなでかいのに囲まれてどうやって逃げろと…」

ハンターA「何でなんだよ…俺はただレアな魔物で金儲けしたかっただけなのに…」

ハンターA「なのにどうし――」


 グシャ!バキバキ!!ゴリュン!!


人魚「そんなにお金が大事なの?だから人間っていうのは嫌いなんだよ」

人魚「全部が全部じゃないのは知ってるけど…」

ガノトトス「はぁ…はぁ…」

人魚「トット!しっかりしてよぉ?!」ズリズリ

ガノトトス「頑張れば…動けるじゃ…ないか…」

人魚「そんなのどうだっていいよぉ!」ズリズリ

クシャル「完全に急所撃ちぬかれてるわね…」ヒョイ

人魚「そんな…」プラーン

モノブロス(`>ω<´)ヤクソウッポイノ イッパイモッテキタヨ!(ドサドサ)

モノブロス(`・ω・´)トトスハ ゼッタイシナセナイカラ!(スリスリ)

モノブロス(`;ω;´)ゼッタイニ!!

ガノトトス「モノブロス…悪いけど…分かるんだ…」

ガノトトス「もう俺が…助からないってことは…」

モノブロス(`;ω;´)ソンナコトナイ!!(グイグイ)


アグナ「どうして?」

ガノトトス「アグナ…」

アグナ「何も言ってないのに」

アグナ「言いたい事あるのに」ポタ…

アグナ「言う前にいなくなるんなんて卑怯」ポタ…ポタ…

ガノトトス「ごめんよ…ごふっ!!」

クシャル「もうしゃべらないで!」

クシャル「あんた!魔法とやら使えるなら何とかしなさいよ?!」

人魚「あたし、傷の再生速度上げる魔法しか持ってないんだ…」

クシャル「ホントに使えないわねあんた!!ふざけてんの!?」

人魚「ごめんなさい…」

クシャル「大海の主とやらなんでしょ!?どうにか解決案出しなさいよぉ!!」

人魚「どうにかって言われても…ぐす…」

人魚「ひとつだけ…あるかも…」

クシャル「その方法は!?」

人魚「人魚の肉って食べたら不老不死になるんだって…」

クシャル「!?」

アグナ「そんなのダメ」

モノブロス(`;ω;´)ソンナコトシテモ ダレモヨロコバナイヨ!

人魚「それしかもうないんだよ!?トットが生きれるのは!!」


??「ちょっとすみません!」タタタッ

クシャル「人間!?」

アグナ「この人間知ってる」

アグナ「みんなの場所教えてくれた」

クシャル「どうやってあんた、人間とそんなことできたのよ…」

アグナ「分からないけどお話できたんだ」

モノブロス(´・ω・`) タシカ ユウシャノカンケイノヒトダヨネ

クシャル「あぁ、そういえば見たことあるわ」

僧侶「ちょっと水竜さんの傷口を見せてください」スッ

人魚「え?うん…」

僧侶「ん…」ポォォォォォ

クシャル「この人間は何を?」

人魚「これが回復魔法なんだ」

人魚「あんな事あった後だけど、この人間は悪い人じゃないみたい」

アグナ「それじゃ…」

僧侶「はぁはぁ…ごめんなさい…」グタ…

人魚「すごく息が荒いけど大丈夫?」

僧侶「魔力を使い切っていまして…自身の体力を変わりに変換して使っていました…」

人魚「そこまでしなくてもいいじゃん!」

僧侶「でも私は…」


ガノトトス「人間にも…こういう人は…いるんだな…」

ガノトトス「人魚…もういいよって伝えてくれ…」

ガノトトス「その気持ちだけで…十分だ…」

人魚「…」コクリ

人魚「トットがね、もういいって」

僧侶「そう…ですか…お役に立てなくて申し訳ありません…」ピト

人魚「トット、助けられなくてごめんって」

ガノトトス「ふふ…本当に変わっているな…」

人魚「でもどうしてここに?魔王さんに負けちゃったんでしょ?」

僧侶「えぇ、でも戻ってきたのです」

僧侶「ここにいるのは私の意志」

僧侶「私は昔からずっと魔物の方とお話がしてみたかったんです」

僧侶「いいえ…お友達になりたかったんです」

僧侶「だから会話ができる魔法を習得しまして、それをいつか使ってお話できればと…」

僧侶「なのに勇者様の仲間として選ばれてしまい…」

人魚「仲良くなるどころか傷つけなくちゃならなくなったんだね」

ガノトトス「…それは辛かっただろうな」

僧侶「え?」


人魚「!?トット、言葉分かるの…?」

ガノトトス「最初分からなかったが…徐々に分かるようになった…」

クシャル「こっちは分からないけど…」

モノブロス(´・ω・`)ボクモワカラナイナ…

アグナ「わたしは最初から分かってた」

僧侶「どうしてでしょうね…」

僧侶「合わなかった波長が急に合うなんて初めてです」

ガノトトス「最後だし偶然話をさせてくれたのかもな…」

僧侶「あの時、傷つけてしまいすみませんでした」ペコリ

モノブロス(´・ω・`)ボクニアタマサゲテルカラ モシカシテマエオソッタコトアヤマッテル?

人魚「うん」

ガノトトス「全員無事だったし…モノブロスも気にはしてないだろう…」

ガノトトス「人間さん…オレもキミみたいな人なら仲良くなりたいところだよ…」

僧侶「いいのですか?」

ガノトトス「もちろん…」

僧侶「じゃあ初めての異種のお友達ということで」ニコ

ガノトトス「…」ニッ


ガノトトス「ごほぉ!げほぉ!…ヒューヒュー…」

人魚「トット!?」

ガノトトス「そろそろ…限界だな…」

アグナ「トト子が待ってるんだよ?」

ガノトトス「あの子の成長していく姿…見たかったなぁ…」

ガノトトス「みんな…あの子の事少しでも気にかけてやってほしい…」

ガノトトス「オレの代わりに…」

クシャル「…あんたの頼みならしょうがないわね」

モノブロス(´;ω;`)サミシクナイヨウニ イッショニアソンデアゲルヨ

ガノトトス「よろしくな…」

アグナ「トトスの事は私が言っておく」

ガノトトス「そうか…ならオレのヒレを渡しておいてくれ…」

ガノトトス「お兄ちゃんはいつもお前と…一緒だよ…と…」

アグナ「言っておく」コクリ

人魚「トット!」

ガノトトス「どう…した…?」

人魚「あたしね!あたし、トットの妹さんに会いに行く!」

人魚「いつになるか分からないけど絶対に向こうの世界に行くんだ!」

人魚「それでお友達になるんだ!トットみたいに!」


ガノトトス「オレ…友達に…なってたのか…」

人魚「トットだけじゃないよ、ここにいるみんな友達だよ!」

ガノトトス「そう…か…」

ガノトトス「がふっ!…もう無理か…」

ガノトトス「みんな…」

ガノトトス「オレ…みんなに…会え…て……」

ガノトトス「」クタ

人魚「トット?ねぇ、まだお話の途中だよ…」

人魚「死んだふりしても分かってるんだからね!ばっかだなぁ!」ペチペチ

クシャル「もう眠らせてあげなさい」クイ

人魚「やめてよ!?まだトットは起きる…んだから…」

モノブロス(´;へ;`)トトス…オヤスミ…

アグナ「さよなら…大好きなヒト…」ポタリ…ポタリ…

人魚「どうしてみんなそんなこと言うの!?」


人魚「トットは…トットはぁ!?」ポロ…

僧侶「これ以上水竜さんに迷惑かけちゃいけませんよ?」

僧侶「静かに眠らせてあげましょう?」トン

人魚「うぐ…トットぉぉぉ…」ポロポロポロ

僧侶「…」



僧侶(わたしは彼を救うことができなかった)

僧侶(何のために会話ができるようにしたのだろう…)

僧侶(人間だけでなく魔物と仲良くしたかっただけなのに…)

僧侶(そのために勇者一行を捨ててまでここに来たのに…)

僧侶(何の意味もなかったのだろうか…)

僧侶(いや、あったか)

僧侶(だって、水竜さんとお友達になれたのだから)

僧侶(そうですよね?)


魔王「本当にこの世界で水葬にしてよかったのか?」

クシャル「みんなで決めたことよ、問題ないわ」

モノブロス(´-ω-`)ソレジャア オワカレスルヨ?(チャポ…)


 コポコポコポ…


アグナ「おやすみトトス」

僧侶「この者に安らかな眠りを…」スッ

人魚「…」

魔王「さて…あとはお主らを送らねばな」

モノブロス(´・ω・`)オネガイネ

魔王「少々待つがよい」コォォォ…バチバチバチ

クシャル「ちょっと魚女」

人魚「…人魚だよ」

クシャル「なにこの世が終わったみたいな顔してるのよ」

人魚「え?」

クシャル「ガノはいなくなったけどまだあんたにはやるべきことがあるでしょ」

クシャル「そんなアホ面してないでいつも通りでいなさいよ」


クシャル「じゃないと…」

人魚「…言われなくても分かってるよ錆女!」ンベー

クシャル「ふん、それでいいのよあんたは…」プイッ

人魚「へへっ」

モノブロス(´・ω・`)ニンギョサンニ ゲンキナクシタラ タダノサカナダモンネ

人魚「意味分かんないわよぉ!?」

アグナ「…」カカカカカッ

人魚「アグナたんのそれ、笑ってるつもり!?」

アグナ「大爆笑」

人魚「みんな意味分からないっての!!」ケラケラ

魔王「これでいいだろう」ズゴォォォォォ!!

魔王「準備できたぞ、これに飛び込めば元の世界へ帰れるだろう」

アグナ「来た時と同じ渦だ」

モノブロス(´・ω・`)アリガトウ マオウサン


クシャル「最後にひとついいかしら?」

魔王「なんだ?」

クシャル「どうして見知らぬ私達にここまでしてくれたの?」

魔王「気まぐれだ」

魔王「正直、我自身も何故手を貸したか分からぬ」

魔王「奇怪な出来事に首を突っ込むほど退屈していたのだろうな、我は」

クシャル「そう」

魔王「それにまだ変わった事が起きそうで少し楽しみなのだよ」チラッ

僧侶「?」

魔王「それではなるべく早く飛び込むのだ」

魔王「長い間その渦は発生させていられんのだ」

人魚「それじゃこれでお別れだね」

モノブロス(´・ω・`)ミジカイアイダダッタケド イッショニイテタノシカッタヨ

クシャル「まぁ退屈はしなかったわ」

アグナ「ちょっとしかいれなかった」ショボン

人魚「あはは!あたしもすっごく楽しかったよ!」

人魚「じゃあみんな!またね!!」ブンブン

モノブロス(´^ω^`)マタネ

クシャル「えぇ、また」

アグナ「またね」


 シュゴォォォォ……ポチョン


僧侶「行っちゃいましたね」

僧侶「それでは私もそろそろ…」

魔王「どこへ行くつもりだ?勇者共を捨てて魔物との交流を選んだのだろう?」

魔王「あちらへ戻れば迫害される可能性は高いぞ」

僧侶「それは分かっていました、仕方ないことです」

僧侶「人の来ない山奥にでも住もうと思っています」

人魚「それはちょっと酷すぎるんじゃないかなぁ」

人魚「魔物や魔族にも優しい人いるからそういう人にお世話になったほうがいいと思うけどね」

魔王「そうだな、お主が良いのなら魔王城で暮らしてもかまわぬ」

僧侶「つい先ほどまで敵対していた相手を住まわせるのはさすがにどうかと…」

魔王「我は気にせぬし、周りも理由さえ分かれば反対なぞせぬだろう」

魔王「行くぞ」グイッ

僧侶「あっ」


魔王「お主もとりあえず城まで来るといい」ピッ ポワァ

人魚「わ、なにこれ!?浮いてる!!」フワァ

魔王「そのままだと移動できぬだろう?その状態だと宙を自由に泳ぐことができるだろう」

魔王「少し休んでから元の海へ送り届けてやろう」

人魚「ありがとー!」スィー

人魚「あ、あのさ、魔王さん」

魔王「なんだ?」

人魚「ひとつだけお願いがあるんだ」

魔王「かまわぬが…」

人魚「あのね――」



その後、魔王の元に一人の人間が住みつくことになった

彼女の存在は勇者や魔王の未来を大きく変える事になるのだけど

それはまた別のお話――。


            それから数年後


トト子「ふぅっ!!」ビシュー!!

トト子「うん、今日もいい調子だ」

トト子「これから何しようかなぁ…」

トト子「ヴォルガノス兄さんの所行ってみようかなぁ」

トト子「でもわたし、すぐ干からびちゃうんだよね…」

トト子「もっと頑張ってどこでも行けるように鍛えなきゃ」

トト子「お兄ちゃんみたいに…」ギュッ

トト子「わたしの目標はお兄ちゃんみたいなヒトになること」

トト子「誰にも好かれるような優しくて強い水竜になってやるんだ!」

トト子「よし、水浴びしてから火山まで行こうかな」ドスドス

トト子「ん?」



 ゴポゴポ…ズゴォォォォォォ!!


トト子「なにこれ!?いきなり水面に渦が!!」

??「うわぁぁぁぁぁ!!」ヒュゥゥゥ…

トト子「よいしょっと……大きなお魚さん?」トサッ

人魚「人魚だよ!受け止めてくれてありがとー」

トト子「わ、しゃべった…!?」

人魚「そりゃしゃべりますよー」

人魚「あたしみたいなの初めて見るだろうねー」

人魚「でもこっちは初めてじゃないんだ」

トト子「え?」

人魚「初めまして綺麗な水竜さん」ペコリ

トト子「は、はい…どうもご丁寧に…」ペコリ

トト子「あ、あれ?どうしてわたしが水竜だって知ってるの?」

人魚「うんうん、気になるよね?」

人魚「あのね…」



               おしまい

この話は終わりだけど一応続編考えてます。
多分、近い内また別のスレタイで立てると思います。
自分は2Gと3Gしかしたことないので色々偏るとは思うけど今度は色々キャラ出してみようとかな。

トット、ゲームの方で酷い扱いされてるみたいだしこれでも死なせたりしてるけど一番好き。

それではまた。

このSSまとめへのコメント

このSSまとめにはまだコメントがありません

名前:
コメント:


未完結のSSにコメントをする時は、まだSSの更新がある可能性を考慮してコメントしてください

ScrollBottom