僧侶「我が国には、皆の希望である王子がいました」 (42)

全35レス位になると思います。
一気に投下します。

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1405078031

魔法戦士「…雷光剣」バリバリッ

黒龍「ガアァ――ッ」

>魔王城がある魔界への道は、人間界を監視している側近7人(もしくは匹)を倒さねば開かないという――

魔法戦士(ならば、7人倒して進めばいい)

魔法戦士「…とどめを刺せ、王子!」

王子「任せておいて!」

黒龍「グガ…グガアアァァ――!!」

魔法戦士「「引き裂いてやる」か?今の貴様に、そいつの剣技を見切る力は――」

王子「ハッ!」

シュババッ

黒龍「ガ…っ」バタッ

騎士「ヨッシャアアァ!これで側近4人目、討伐だな!」

僧侶(あぁ帰ってお風呂入りたい)

王子「よし!」グッ

魔法戦士(…こいつと組むようになってから、戦いが大分楽になった)


魔法戦士(1人1人と戦っている手間は惜しいが、やはり正規のルートを辿るのが1番確実か)

~テント~

王子「いやぁ順調だね~。僕と魔法戦士との息も合ってきたと思わない?ねぇねぇ」

魔法戦士「知らん、擦り寄るな鬱陶しい」

王子「がーん」

騎士「貴様ぁ!王子に対して無礼なぁ!」チャキ

魔法戦士「剣を抜くのはやめておけ、貴様では俺に勝てん」

騎士「何だとおおおぉぉ!」

魔法戦士「やるのか」ニヤ

僧侶「王子、2人を止めて下さい」

王子「鬱陶しいって言われた…」ドヨーン

僧侶「あちゃー」

騎士「王子を傷つけたなぁ!許さぁ――」

魔法戦士「うるさい」ドガッ

騎士「」ピクピク

僧侶「騎士さんは黙ってて下さい」

王子「ごめんよ魔法戦士…僕は浮世離れしているから、人との距離がわからないんだ…」ドヨーン

僧侶「王子、気にせずに。彼の舌の毒はもう脳みそまで蝕んでいるので治りません。人のことを悪く言わないと死んでしまう病気なんです」

魔法戦士(言い過ぎじゃないか?)

王子「…許してくれるかい、魔法戦士?」チラッ

魔法戦士「許すも何も別に怒ってすらいな…」

王子「やった仲直りだ~、良かった良かった~」ニコニコ

僧侶「はいはい」

騎士「フッハッハ!魔法戦士、王子の懐の深さを思い知ったか!」

魔法戦士「能天気なだけだろ」

王子「魔法戦士、今夜も剣の稽古付き合ってくれないかい」ニコニコ

騎士「王子ィ!そのような無礼者ではなく、是非私とおぉ!」

僧侶「騎士さんじゃ王子の相手にはなりませんよ」

騎士「うおおおぉぉぉぉ!?」

王子「お、落ち着いて騎士~」オロオロ

魔法戦士「お前の手下だろう、何とかしろ」

魔法戦士(この天然王子から、あれだけの鋭い剣技が放たれるというのだからわからないものだな)

魔法戦士(こいつとの出会いは、俺が2人目の側近を討ちに行った時だったか――)

~~~~~~~~~~~~
王子「君が側近の1人を倒したという、魔法戦士かい?」

魔法戦士「あ?」

>これから2人目討伐に乗り込もうという所で、急に別のパーティーに声をかけられた。
>どこか気品を感じさせる男(中性的な顔なので一瞬どっちかわからなかった)、やや気だるそうな女、屈強な男の3人パーティーだ。

魔法戦士「…何でそう思う?」

王子「情報通りの男が現れたから、そう思った」

魔法戦士(人を避けて旅をしていたというのに、やはりどこからか情報は流れるものだな)チッ

王子「良かったら、僕と組まないか」

魔法戦士「断る。俺に何のメリットが――」

王子「僕らも討ったんだよ、側近の1人を」

魔法戦士「――!?」
~~~~~~~~~~~~

魔法戦士(断って側近の所へ向かったが、結局苦戦して、俺を追ってきたこいつらと仕方なく組んで戦って)

王子「魔法戦士、手合わせしよう!」ニコニコ

魔法戦士「あぁ」

魔法戦士(その流れで俺もこのパーティーに加わったわけだ)

王子「ふぅ…っ、魔法戦士にはやっぱり勝てないなぁ。剣も魔法も極めるなんて、なかなかできることじゃないよね」

魔法戦士「まだ極めていない。それにお前の…王国伝統の剣技といったか?剣の動きが読めんから冷や汗をかいたぞ」

王子「そう?魔王に通用するかなぁ、僕の剣は」

魔法戦士「…そうか、お前は魔王討伐を命じられているんだったな」

王子「そう、その為にまず、側近を倒しに回っていた。そして同じ志を持つ、君と出会ったんだよね」

魔法戦士「それは違う。俺は目障りな奴を片付ける為に戦っているだけだ」

王子(魔王のことかな?)

魔法戦士「俺の目的は個人的なことだが、お前は世界中から期待を寄せられて大変だな」

王子「大変?ううん、とんでもない。応援を貰えれば元気になるよ!」ニッ

魔法戦士(本気だな、こいつ)

王子「魔法戦士、今度僕の国においでよ。国の皆に新しい仲間を紹介したいんだ!」

魔法戦士「断っておく。「王子の仲間」としての期待を裏切ることになる」

王子「そんなことないよ!魔法戦士は頼もしい仲間じゃないか」

魔法戦士「とにかく俺は、お前とは強いから組んでいるだけで、本来人と関わるのが好きじゃない」

王子「そっか。残念だなぁ、僕より強い仲間ができたって言ったら皆喜ぶのに」

魔法戦士「…それより今日はもう疲れた」

王子「あ、そうだね。テントに戻ろう」

魔法戦士(本当に気付いていないのか…?)

魔法戦士(こいつは俺相手には本気を出せないだけで、実際、剣の腕前は俺より上だろう)

魔法戦士(…だが、それを言うのは癪だな)フン

騎士「5人目の住処はもうすぐですね!よぉし、気合い入れていくぞおおおぉぉっ!」ゴオオォォ

僧侶「騎士さんうるさいです。貴方は3番手なのでそこまで気合い入れなくていいです」

魔法戦士「まぁいいだろう、こいつは今日が命日になるかもしれんからな」フッ

騎士「何だと貴様ああぁぁ!見てろよ、今日は俺が活躍してやる!」

魔法戦士「いや、俺と王子は体力温存したいから途中の雑魚敵全てお前が相手しろ。そしてその過程で遠慮なく果てるがいい」

騎士「不吉な予想をするなああぁ!」

王子「まぁまぁ、期待してるよ騎士」

騎士「フハハハハ!王子の応援で元気100倍!」

魔法戦士「そうか、なら雑魚敵の駆除も余裕だろう」

騎士「任せろおおぉぉぉ!!ウオオオオォォォォ」ダーッ

魔法戦士「…側近到達前に体力が尽きるな」

僧侶「まぁいいじゃないですか、楽しましょう」

王子「騎士ーっ、危ないから1人で突っ走るなよー!」アセアセ

獣戦士(5人目)「グゴオオオォォッ」

騎士「ぎゃー」

>騎士は獣戦士の豪腕に吹っ飛ばされた!

王子「やっぱり体力をかなり消費したんだ、踏ん張りがきかなくなってる!」

魔法戦士「よしよくやった、お前はもう用済みだ」

王子「魔法戦士ぃ~…」

僧侶「じゃあ頑張って、王子、魔法戦士さん」

騎士「俺は何もできないのかああぁ!!くそ、くそおおおぉぉ」ダンダンッ

魔法戦士(元気じゃねーか)「左は任せたぞ王子」

王子「うん!」

獣戦士「グガアアァァ!ギギャアアアアァァ!!」

魔法戦士(「2人同時に来ても無駄だ」と言っているな…確かにあの豪腕、太さだけでも俺たちの3倍はある)

魔法戦士「だが俺には魔法の力がある!」

>魔法戦士の剣が雷を纏う…

バリバリィッ

獣戦士「グゴッ…グルアアアァァ!!」ガッ

>獣戦士の豪腕が振り下ろされたが、魔法戦士は剣で受け止めた

魔法戦士「…っ」

騎士「魔法戦士の雷がほとんどダメージを与えていない!?」

僧侶「筋肉による防御力が、かなりのものですね」

王子「だけど、攻めれ続ければいつかは…」シュッ

獣戦士「グガァッ」カッ

>王子の剣が獣戦士の筋肉に止められる

魔法戦士「攻撃の隙を与えるな!」

>2人の連続攻撃に、獣戦士は防御で手一杯だ。だが――

魔法戦士(ダメージをほとんど与えていない…気の長い作業だ)カンカン

王子(こいつを倒すまで、体力保つかな…)シュッシュッ

魔法戦士&王子(だけど、地道にダメージを与えるしかない!)

僧侶「頑張れー」

騎士「僧侶、応援だけじゃなくてお前も頑張ってくれ」

僧侶「2人がやられたら回復するので、それから頑張ります」

僧侶(ずっと連続攻撃叩き込んでいるから、しばらく出番はなさそうね)ファー


魔法戦士(こちらが優勢なものの、こいつの動きは落ちていない…)

魔法戦士(こいつはダメージを喰らっているのか!?)

獣戦士「ガァッ!」

魔法戦士「!」サッ

>獣戦士の放った豪腕を間一髪で避けたものの、その攻撃から生じた風の勢いは強烈である。

魔法戦士(やっぱり、こいつダメージを喰らってないんじゃ…)

王子「落ち着いて魔法戦士!」

魔法戦士「!」

王子「大丈夫…敵の焦りが見えてきた、ダメージを与えている証拠だ!」

魔法戦士(王子の奴冷静だな…何を焦っているんだ俺は)クッ

魔法戦士(しかし、このままではこちらの体力が――)

魔法戦士「王子、「溜める」!少しの間頼んだぞ!」

王子「オーケー!」カキンカキン

魔法戦士(今ので納得したのか…何を溜めるのかわかっていないだろうな。まぁいい…)コオオオォォッ

僧侶「…溜めるって、まさか」

カキーン、カキーン

王子「…っ、やっぱり1対1だとちょっとキツいね…!」

騎士「加勢します王子いいぃぃっ!」ダダーッ

僧侶「あ」(危ない騎士さん)

魔法戦士「よし溜まった!王子、離れろ!」

王子「うん!」バッ

魔法戦士「唸れ…落雷!」

バリバリバリィッ

獣戦士「グアアアアアァァッ」バリバリ

騎士「ぎゃああああぁぁっ」バリバリ

魔法戦士「ふぅ、上手くいった」

僧侶「溜めるってのは魔力を溜めるって意味だったんですねー」

王子「騎士いいいぃぃ!」




騎士「貴様ぁ、一瞬三途の川が見えたぞおおぉ!」

魔法戦士「勝手に突っ込んでくるような奴は、三途の川で背泳ぎでもしてろ」

僧侶「喧嘩はよして下さい面倒臭いしうるさいし。私の回復魔法がある限りギリギリ生きてさえすれば大丈夫ですよ騎士さん」

王子「凄いね魔法戦士、僕らの知らない技がまだまだありそうだね!」

魔法戦士「…しかしお前、俺が何をやるかわからないのに、よく的確に動けたものだな」

王子「だって…魔法戦士が指示くれたじゃない」

魔法戦士「だが普通、反応が遅れるだろう」

王子「はは…だって魔法戦士の言葉だしね」

魔法戦士「…何?」

王子「魔法戦士を信頼してるから…だから動けたんだよ」

魔法戦士「関係あるのか?」

騎士「ない!王子の技量だ!王子、こいつのような素性の知れぬ人間を信頼してはなりませんぞおおぉぉ!!」

王子「そんなことないよ、だって同じ志を持つ仲間じゃないか」

魔法戦士「ふん」

騎士「王子いいぃぃ!俺は悔しいぞおおぉぉ、こいつに王子の片腕の座を奪われて!!」

僧侶「奪われたというか、元々騎士さんにそれだけの技量ありませんから」

~テント~

騎士「グゴーグゴー」

魔法戦士(うるせぇな)

僧侶「王子、魔法戦士さんを随分信頼しているようで」

王子「まぁね」

魔法戦士(ん…起きてるのか2人とも)

僧侶「確かに魔法戦士さんは頼りになる方です。でも自分の素性を一切語りませんし、騎士さんの言う通り全面的に信頼するのはどうかと思います」

王子「うーん…そうかなぁ」

魔法戦士(そうだろうな)

僧侶「共通の敵を持つ方ですから、全てを疑えとは言いませんが…ですが貴方は一国の王子、魔王以外にも敵が多い立場です」

王子「魔法戦士は敵じゃない!」

僧侶「そう安易に判断するのがいけないんです」

魔法戦士(そうだ)

王子「安易じゃない!僕は…」

僧侶「王子」ジー

王子「な、なに?」

魔法戦士(?)

僧侶「…気になっているんですね、魔法戦士さんが」

王子「!!」

魔法戦士(!?)

僧侶「まぁ確かに魔法戦士さんがいい男なのは間違いないでしょう。しかし貴方は一国の王子、素性の知れぬ者との恋愛は許されぬ立場…」

王子「そ、そそそんなんじゃ」

魔法戦士(…というか男同士なことに突っ込め)

僧侶「違うんですか?最近、魔法戦士さんを見る目が前と違いますよ」

王子「き、気のせいだ…」

僧侶「いいえ気のせいじゃありません。王子は自分の気持ちにも鈍いんですね…」

王子「そ、そうなのかなぁ」

魔法戦士(待て待て待て待て)

王子「ま、魔法戦士の戦っている姿を見ると何か、胸が熱くなるけど…魔法戦士はかっこいいから、そりゃそうなるよ!け、決してやましい気持ちがあるわけじゃ」アセアセ

魔法戦士(まんざらでもなさそうじゃねーか!もっと冷静に反論しろ!!!)

僧侶「だから王子と若い男を接触させるのは嫌だったんです…どうするんですか」

王子「だ、大丈夫だよ!だって魔法戦士は気付いてないもん…」

魔法戦士(何がだ…?)

王子「僕が…女だってことに」

魔法戦士「!?」

王子(そう、僕は王子として育てられた姫…知っているのは両親と、極一部の家臣のみだ)

王子(男として育てられた理由は、僕が生まれた時に占い師から助言があったかららしいが――これといって不満もないし、男のなりの方が旅をしやすいので都合はいい)

王子(だけど――)

~~~~~~~
魔法戦士「王子、お前の腕は認めてやる…俺と肩を並べられる奴はそうそういないだろうな」

魔法戦士「何だその顔は?まるで女のような可愛らしさだな」フッ

魔法戦士「さぞかし苦労しているだろうな、全世界の期待を背負ったお前は…」
~~~~~~~

王子(僕に遠慮なく接してくれるんだもん!それに強いしかっこいいし、男慣れしてない僕はドキドキしちゃうって~)

僧侶「勿体無い話です、王子は中性的な美女でおまけに隠れ巨乳…あれ、また胸大きくなりました?」

王子「な、なってないよ!」アセアセ

僧侶「さらしがはち切れんばかりですね…」

王子「恥ずかしいからやめて!」

魔法戦士「………」

~翌朝~

王子「おはよう、魔法戦士!」

魔法戦士「おぉ!?」ビクッ

王子「どうしたの、あれ顔色悪いよ?」ジー

魔法戦士「み、見つめるな!何でもない!」アセアセ

僧侶「6人目の側近の所までは何日かかかると思いますが、地道に行きましょう」

騎士「魔法戦士ぃ、途中でへばるなよハッハッハ!!」

魔法戦士「あ、あぁ」


王子(その日の道中、魔法戦士は何だかずっとソワソワしていた。何だか僕を避けているような感じだったし、どうしたんだろう。調子が悪いのかな?)


王子「魔法戦士、下がってて!こいつは僕がやるから!」

魔法戦士「ば、馬鹿!お前が下がれ!」グイッ

王子「え…?」

魔法戦士「お前に…怪我でもさせたら大変だろう」

王子(やだ…魔法戦士かっこいい…)

魔法戦士(だああぁぁ、何を意識してるんだ俺はああぁぁ!?)

僧侶「何か怪しい雰囲気ですね」

騎士「魔法戦士め…ぐぬぬ」

~6人目の側近の住処~

幻術士「ヒャーヒャヒャヒャー」

騎士「頭がいてえええええぇぇ」ゴロゴロゴロ

僧侶「あらあら、敵の魔法を喰らった騎士さんがみっともない事に。はい治癒魔法」ポワーン

魔法戦士「もう少し奴のやり方を探りたいな…騎士、もう1回突っ込んでこい」ドカッ

騎士「ぎゃああぁ」

バリバリバリ

騎士「コ、コワイヨー オカーサーン オカーサーン」ブルブル

僧侶「はい治癒魔法」ポワーン

騎士「はっ!俺は何を!」

魔法戦士「もう1回だ」ドカッ

バリバリバリ

騎士「コケコッコー コケーコケー」

僧侶「成程、どうやら精神系の攻撃を使うみたいですね。はい治癒魔法」ポワーン

魔法戦士「もう1回…」

騎士「遊ぶなああぁぁ!」

魔法戦士「遊んでいるわけではない。モルモットにしているだけだ」

騎士「余計悪いわああぁぁ!」

王子「だけど肉体的には他の奴より脆そうだ。早めに倒してしまおう」ダッ

魔法戦士「!ま、待て王子」

>突っ込んでくる王子に、幻術士は手をかざす

王子「手から放たれる魔法を避ける…!」

魔法戦士「罠だ!」

王子「えっ!?」

幻術士「ウヒャーヒャヒャヒャヒャ」カッ

僧侶「!幻術士の目から光が」

騎士「あ、あの体制ではよけられん!王子ーっ!」

魔法戦士「クッ」ドンッ

王子「あっ!」

>魔法戦士は王子を思い切り突き飛ばす。しかし幻術士の放った光に――

バリバリバリィッ

魔法戦士「―――っ!」

騎士「俺が喰らったやつより禍々しい光だぜ!?」

僧侶「あーあ、騎士さんがやられれば良かったのに」

騎士「良くねええぇ!!」

王子「魔法戦士ぃーっ!」

幻術士「ウヒャヒャヒャヒャ」

魔法戦士「あ――」ブルブル

王子「魔法戦士!?」

僧侶「同じような攻撃を喰らっても騎士さんみたくみっともないことになりませんね、流石です」

騎士「言ってる場合か!」

僧侶「でも面白い技を使いますよ、あの敵。だから何となく、性質はわかりました――王子」

>僧侶の放つ魔法が、王子の体を纏う…

僧侶「多分それで相手の技は防げるでしょう…あいつを倒すのは任せましたよ」

王子「わかった!」ダッ

幻術士「ヒャ!?」

>技が効かず焦る幻術士に、王子の剣が一閃――

王子「はあぁ――っ!」

幻術士「――――」

ドサァッ

魔法戦士「ふ、ふぅ…」

僧侶「汗がぐっしゃりですね。騎士さんと違って臭くない、むしろ色気すら感じる」

王子「魔法戦士、大丈夫かい!?」

魔法戦士「あ、あぁ…」

王子「顔色悪いよ、魔法戦士…」

魔法戦士「気にするな。嫌な記憶が蘇っただけだ…」

王子「嫌な記憶…?」

魔法戦士「…詮索はするな」

王子「う、うん…」

魔法戦士「…」

王子(あれからずっと魔法戦士は黙ったままだった…それに何だか目つきもいつもと違うし)

騎士「魔王の側近も残り1人だな!今度こそ俺が活躍してやる!」

僧侶「モルモットとして?」

騎士「冗談じゃねえぇ!魔法戦士、負けないからな!」ビシッ

魔法戦士「…」

騎士「あれ」

僧侶「魔法戦士さーん?」

魔法戦士「ん…?」

騎士(聞いてなかったのか、つまらん)

僧侶「騎士さんたら最後の1人は自分1人で戦う気です」

騎士「そこまでは言ってねぇ!」

魔法戦士「…無理だな、騎士。何故なら――」

騎士「お?何だってぇ?」ワクワク

魔法戦士「最後の1人は、確実に俺の手で殺すからだ」

騎士「…お、おう?」

僧侶(いつもの皮肉が飛び出さない…)

王子「…」

~夜~

魔法戦士「…」ブンブン

王子「魔法戦士、手合わせいいかな?」

魔法戦士「あぁ、丁度良かった」

カキーンカキーン

王子「ねぇ魔法戦士、君のこと聞いてもいいかな?」

魔法戦士「詮索されるのは好きじゃない」

王子「だけどもう旅も終盤だし、そろそろ聞いてもいいんじゃないの?」

魔法戦士「…まぁ、質問によっては受け付けてやる」

王子「じゃあ質問。魔法戦士はどうして旅をしているの?」

魔法戦士「前にも言ったが、目障りな奴を片付ける為だ」

王子「それがずっと疑問だったんだ。魔法戦士、面倒なこと嫌いだよね?」

魔法戦士「…」

魔法戦士「父の仇討ちだからな」

王子「!」

魔法戦士「今時珍しい話じゃない、気にするな。だが父の仇が生きているのが気に入らん。だから俺の手で討つ」

王子「そうか…」

王子「もう1つ質問するよ」

魔法戦士「あぁ、何だ」

王子「仇を討ったら、その後はどうするの?」

魔法戦士「考えていない」

王子「そう…」

王子(僕ができた質問じゃないけどね。僕も、魔王を討った後のことは考えていない。けど――)

王子「頑張ろう、魔法戦士。まずは世界を平和にしないと何も始まらない」

魔法戦士「…あぁ」



王子(魔王を討つまでの関係なんて嫌だ。魔王を討ったら、魔法戦士に――)



魔法戦士(世界を平和にしないと、か――)

>そして迎えた最後の側近戦――

ガァン

魔法戦士「ぐぁ…っ」

>魔法戦士は魔法弾を喰らい、壁に叩きつけられた

王子「魔法戦士ぃ!」

闇神官「貴方様、なかなかの魔力をお持ちのようですが、私には敵わないようですねぇ」

騎士「くっ、あいつ今までの奴とはレベルが違うぞ!人間の言葉を話せる位の知能もあるしな…!」

僧侶「今までと同じく疾風の如き速さでやられた騎士さんに言われても説得力がありませんが、あの魔力は本当にかなりのものですね」

王子「大丈夫か魔法戦士!」

魔法戦士「あぁ…俺に構うな」

闇神官「お父様の仇討ちのつもりでしょうか?負け犬の息子らしくコソコソしていれば生きていけたものを」

魔法戦士「ふざけたことを言うな!お前は絶対に許さん!」

王子(あいつが魔法戦士のお父さんの仇なのか…?)

闇神官「勇ましいことを言う…ならばお父様のもとへ送って差し上げますよ」ゴオォ

魔法戦士「やれるもんならやってみろ!」ダッ

騎士「うわぁ!真正面から突っ込んでいったぞ!」

王子(魔法戦士、頭に血が昇っている!)

ドゴオオォッ

魔法戦士「…っ」

>闇神官の魔法が直撃し、魔法戦士は吹っ飛ばされた!

闇神官「激昂している相手は簡単ですね」

王子「魔法戦士ーっ!」

王子(駄目だ、魔法戦士は冷静さを失っている!)

王子「僕が相手だ!」

闇神官「人間達が期待を寄せる王子様。貴方はいずれ殺すつもりでいたので、そちらから来て下さり手間が省けました」

王子「殺されたりしないよ!」ダッ

ヒュゴオオォォ

>闇神官が繰り出す技を王子は見切り、かわす!

闇神官「やはり全人類の希望。こちらの王子様はまだ手応えがあるようですね」

王子(こちらの王子様?)

騎士「王子、そのままやっちまえーっ!」

王子「うん!」

>闇神官が魔法を放ち――その後一瞬できた隙を見逃さず、王子は剣を振り下ろした

王子「喰らえっ!」

闇神官「お見事――と言いたい所ですが」

ガキイイイィィン

僧侶「!!剣を打ち込んだのに、弾いた…」

闇神官「我が身に硬質化魔法をかけておいたのですよ…」

>王子は大ダメージを想定して、振りの大きな一撃を浴びせた。しかしダメージ0は想定外のことで、しかも一瞬隙ができてしまうのは致命的なミスであり――

王子(まずい…!)

闇神官「死んでもらいましょうか…!」スッ

>闇神官は事前に手に溜めておいた大きな魔力を、王子に向け――

王子「――!」

魔法戦士「させるかぁ――ッ!」

バリバリィッ

>闇神官の魔力は、魔法戦士の不意打ちの魔法により相殺された

闇神官「おやおや、半端者の割に芸は達者ですねぇ」

王子「魔法戦士…!」

>魔法戦士は全身から血を吹き出し、立つのもやっとな様子だった。しかし眼光だけは鋭く、闇神官を見つめている。

魔法戦士「お前は許さん…!」

王子「無理をするな!僧侶、魔法戦士を頼んだ!」ダッ

僧侶「はい」ダッ

闇神官「回復ですか、させませんよ」ス

騎士「俺のことも忘れるなああぁぁ!」ダーッ

ドゴオオォォン

騎士「ゴファッ」

騎士(痛た…だが僧侶は魔法戦士の元へたどり着いたな!)

僧侶「冷静になって下さい魔法戦士さん、騎士さん並に見苦しいですよ?」ポワーン

魔法戦士「俺は十分に冷静だ!それより!」

>王子と闇神官は攻防を繰り広げている!

魔法戦士「くそ、あいつに最前線で戦わせちまった…!」

僧侶「王子は神の加護を受けている方です。貴方の方が…」

魔法戦士「いいんだよ、俺は!」

僧侶「!」

>魔法戦士はまた闇神官へ突っ込んだが、その魔力に弾かれる!しかし今度は防御していた為対してダメージを受けず、体制を崩すことなく着地した

王子「さっきから無茶な戦い方ばかりして…」

魔法戦士「無茶じゃねぇとあいつには勝てない…それより王子」

闇神官「お喋りしている暇はありませんよ!」

>闇神官から魔法が放たれ、2人は後ろへ跳んだ

魔法戦士「俺が隙を作るから、お前が討て」

王子「!」

>要点だけ伝え、着地。その後また、魔法戦士は突っ込んでいく

魔法戦士(今までの側近と比べ、こいつは桁違いだ)

魔法戦士(だが王子の技量なら十分に可能――)

魔法戦士(こいつを殺せるなら、俺は死んでもいい!!)

魔法戦士「行くぞ!」

闇神官「フッ」

>互いに十分に溜めた魔力を向け合う。魔力は闇神官が上。このまま互いに放てば、魔法戦士の方が確実に致命傷を喰らうだろうが――

魔法戦士(奴の隙を作るには十分だ!)

魔法戦士「喰らえ――っ!」

カッ

>互いの魔法がぶつかり、大きな衝撃が生まれた――

魔法戦士(よし――)

王子「良くない!」グイッ

魔法戦士「!?」

魔法戦士「お前…あのまま闇神官に斬りつければ倒せただろう!」

王子「だけど魔法戦士が死んでたよ!いやだ、そんなのは!それに、君の手で仇を討たないと意味がない!」

魔法戦士「確実な手段を取ろうとしたんだ俺は!お前の力を信頼して――」

王子「僕が君を犠牲にするわけないだろう!半端な信頼を寄せるな!」

魔法戦士「王子…!」

闇神官「ふぅ…危なかった。少し見くびっていました、もう油断はしませんよ!」

王子「必ず手はある…やるぞ!」ダッ

騎士「俺だってまだ戦えるんだーっ!」ダッ

僧侶「回復はいつでもスタンバってます」

魔法戦士「…!」


魔法戦士(あいつは魔力をまだまだ蓄えている…!本気を出した今、もう猶予はない!!)

魔法戦士(使いたくなかったが…あの手を使うしか…!)

王子『僕が君を犠牲にするわけないだろう!半端な信頼を寄せるな!』


魔法戦士(王子…お前には徒労をかけたくなかった)


王子『ま、魔法戦士の戦っている姿を見ると何か、胸が熱くなるけど…魔法戦士はかっこいいから』


魔法戦士(どうしてこんな気持ちになったんだろうな…)


王子『魔法戦士を信頼してるから…だから動けたんだよ』


魔法戦士(俺にこんな気持ちを抱かせるなんて、お前は不思議な奴だよ)

魔法戦士(お前を、死なせたくない…)

僧侶「!?」

>僧侶がその禍々しい魔力に気付き振り返ると、魔法戦士の全身から、黒い霧が溢れていた

僧侶「この魔力は…」

魔法戦士「――」

僧侶「え?」


>小さく呟いた後、黒い霧は魔法戦士を包み、そして彼自身の魔力を増大させていた。

闇神官「これは…何なんだ!?」

騎士「あわわ、魔法戦士いいぃぃ!?」



魔法戦士(俺は、俺でなくなるが――)


>そして最後の呟きは


魔法戦士「皆の希望――叶えてやれよ」


>王子の耳だけに、届いたのであった――





~国~

国民「王子が7人の側近を討ったぞ!」「流石王子様!」ワーワー

王子「…」

王「魔王城への道は開かれた。あとは魔王だけだな、王子よ」

王子「…そうですね」

王「今までは城の防衛に人員を割いていたが、今は攻めに転じる時だ。王子よ、もう何人かパーティーに加えるか?」

王子「いえ、今まで通り国の守りを固めていて下さい。魔王は何か企んでいるかもしれません」

王「そうか。…では今まで通り王子を頼んだぞ、騎士、僧侶よ!」

騎士「はい!」

僧侶「はい」

王子「…」

王子(最後の側近を討ったと同時、魔王城への道は開かれた。そして――)

~~~~~~~
魔法戦士「…」ユラ…

王子「魔法戦士…待ってよ、魔法戦士!!」

魔法戦士「…」ダッ
~~~~~~~

王子(魔王城への道を、まるで吸い込まれるように駆けていった)

王子(魔法戦士の様子、いつもと違っていた…)

僧侶「王子…」

王子「…大丈夫だよ、僕は」

騎士「よっしゃ行きましょう!あの野郎勝手に行きやがって、一発ブン殴ってやらんと気がすまん!」

僧侶「返り討ちだと思いますけどね~」

王子「はは…」

王子(そう、きっと魔法戦士は魔王城にいる…行くしかない!)

~魔王城~

王子「…?」

>魔王城に乗り込んで1時間。城内は異様な雰囲気であった。

騎士「おかしいですね、魔物の気配はあちこちにあるというのに…」

僧侶「えぇ、襲いかかってくる様子がありませんね」

王子「罠かもしれない…」

>王子達は気を緩めずに進んでいた。これまでの道で魔物と戦っておらず、体力は十分に残っている。

王子(魔法戦士…君はどこに…)

僧侶「王子…あの扉から凶々しい魔力を感じます」

王子「あそこか!」

騎士「行くぜ!」

>僧侶が指差した扉を勢いよく開け――


魔王「よく来たな」

王子「―――!?」


>一同は絶句した



王子「魔法…戦士…?」

魔王「ようこそ魔王城へ」

騎士「何ふざけてるんだ…何でお前が玉座に座っているんだよ魔法戦士!」

魔王「俺が魔王だからだ…」

王子「何を言っているんだ魔法戦士!だって君は魔王の側近を討っていたじゃないか!」

魔王「…父の仇だからな」

王子「え…!?」

魔王「魔物達の間で反乱があり、父――先代魔王は殺された。そして俺は人間の世界に追放された」

僧侶「魔法戦士さんのお父さんが、先代魔王…!?」

魔王「俺は父の仇を討つ為、裏切り者の側近達を殺しに回っていた。人間の世界に追放されて本来の力が出せなかったが――6人目の側近との戦いで、転機が訪れた」

騎士「あの精神攻撃をしかけてきた幻術士か!」

魔王「あいつの幻術で俺の嫌な思い出が蘇り、復讐心が増大した…タガを外せば本来の力を取り戻せる位にな」

魔王「そして最後の側近との戦いで、俺はタガを外した。タガを外す方法とは、俺の中の邪悪な心を解放することだ」

王子「それじゃあ…」

魔王「邪悪な心に染まった俺は以前の魔法戦士ではない。王子、人間達の希望である貴様を殺す」

王子「!」

騎士「何だとおぉ!?」

僧侶(確かに、魔力の質も以前の魔法戦士さんとは全く違う…)

魔王「道中、配下の魔物をけしかけなかったのは、ベストの状態のお前と戦いたかったからだ。さぁ剣を抜け王子!」

王子「嫌だ!」

魔王「そう言うと思ったぞ…ならば、本気を出させるだけだ!」バッ


>魔王は跳躍し、王子の喉元を狙う!

王子「くっ」カキーン

魔王「剣を抜いたな!俺と本気で戦え王子!」

王子(そんな…!!)

王子「初めから僕たちを騙していたのか!?」

カキーンカキーン

魔王「あぁそうだ、復讐にお前の力を利用する為にな!」

カーン

王子「最後の側近を討った後、僕を殺せただろう!?」

カーンカキーン

魔王「魔王としてお前を殺す為だ!!」

カキーン

王子「最後の側近を討つ時、君は自分の命を捨てようとしたじゃないか!」

カンカーン

魔王「俺はあの時の俺じゃないんだ!」


騎士「くそ…!何て打ち合いだ、入り込めねぇ!」

僧侶「割り込まない方がいいですよ。騎士さん死にますよ」

騎士「だけど、あの2人が殺し合うなんて…黙って見てろってのかよ!」

僧侶「わかってます、だから私も悩んでます」


王子(嫌だ…魔法戦士と戦いたくないよ…!!)

魔王「太刀が甘いぞ王子いいぃぃ!!」カキイイイィィン

王子「く…っ!」

王子「魔法戦士、以前の記憶があるんだろ!?ならあの頃の君を取り戻せるはずだよ!!」

魔王「そのつもりにはなれん!」シュッ

王子「以前の君に戻れば、もう戦わなくて済むのに!」サッ

魔王「俺は戦いを求めている!今はお前と戦いたくて仕方ないんだ王子!!」カァン

王子「旅の最中、僕は何度も君に負けた!それ以上、何を求めているんだ!?」カキーン

魔王「あれは戦いとは言わん!俺を殺す為に本気を出せ!」ガキィン

王子「殺せないよ、僕は…!!」

魔王「ならば死ね――ッ!!」

王子「!!」


>間一髪回避し、魔王の一撃は地面をえぐった。まるで容赦のない一撃だった。

王子「本気なのか…魔法戦士」

魔王「あぁ、本気だ」



魔法戦士『お前に…怪我でもさせたら大変だろう』


王子(魔法戦士と魔王は全くの別物だ…)


魔法戦士『確実な手段を取ろうとしたんだ俺は!お前の力を信頼して――』


王子(僕の知ってる魔法戦士は、もういない…)


魔法戦士『皆の希望――叶えてやれよ』


王子(魔法戦士はタガを外す前、こうなることを予測していた…)

王子(魔王になった自分を討つことを、僕に託したんだ!)

騎士「王子!討って下さい、魔王を!」

王子「騎士…!」

騎士「魔法戦士は魔法戦士だった頃、貴方を盟友として認めていました!魔法戦士が魔法戦士でなくなり、貴方を殺すなんて、誰よりもあいつ自身が嫌がる!」

王子「魔法戦士が…」

僧侶「王子…貴方は皆の希望なんです!」

王子「!」

王子(お父様、お母様、国民達…僕は皆の期待を背負っている)


~~~~~~~
王子「ふぅ…っ、魔法戦士にはやっぱり勝てないなぁ。剣も魔法も極めるなんて、なかなかできることじゃないよね」

魔法戦士「まだ極めていない。それにお前の…王国伝統の剣技といったか?剣の動きが読めんから冷や汗をかいたぞ」

王子「そう?魔王に通用するかなぁ、僕の剣は」
~~~~~~~


王子(僕は今、魔王と渡り合っている…)

魔王「本気を出せええぇ――ッ、王子いいぃ――ッ!」

王子「――っ!」





王子(魔法戦士…僕の剣は、魔王に通用するかな?)

>長く続いた勝負が決したのは一瞬のことだった。
>その剣は、深く胸を貫いていた――

王子「魔王…」

魔王「フッ」

>血が溢れ出る傷口を抑えることなく、魔王は笑った

魔王「これで魔王の血縁は途絶える…おめでとう、お前の望んだ平和な世界が訪れる」

>魔王は手を抜かなかった。王子を殺す為の一撃を放ち、それをかわし、魔王に致命傷を与えた。
>その魔王の攻撃は、もしかしたら以前の魔法戦士に戻るのではないかという僅かな希望を捨てさせるには十分だった。

王子「君が最後の側近を倒す時、タガを外さなければ――こんな事にはならなかったのかな」

魔王「ならなかったな。お前も死んでいたから」

>魔王はまるで悔やむ様子もなかった


魔王「やはりお前の剣が、上だったな…魔法戦士の頃は、言うのが癪で言わなかったが」

王子「…君は認めないかもしれないけど、僕はいつも、君と本気で戦っていたよ。僕が最後にそれ以上の力を出せたのは、皆の希望がプラスされていたからなんだ。皆の希望は僕の希望だ」

魔王「世界平和、か…」

王子「僕は――」





その平和な世界で、僕は、君の隣にいたかった―――――

>魔王城から戻った王子を、国の者達は手厚く出迎えた
>もう魔物に怯える必要が無くなった人達は、各地で宴を開いた

>王子は国の、いや全世界の英雄となったのである






僧侶「そして英雄となった後、王子は再び旅に出たのでした――」

子供「どうしてー?」

僧侶「再び邪悪な者が目覚めた時の為に、己を鍛える旅を続けたのです」

子供「ふーん、今は平和だけど、そうじゃなくなる時が来るってこと?」

騎士「ま、そういうことだ。今この国に残っているのは、皆さんご存知の綺麗なお姫様だ」

僧侶「占い師の助言により隠し子として育てられた、美人で巨乳のお姫様です」



姫「…ふぅ」

姫(王子は我が国だけでなく、全世界の英雄として旅立っていった。これでいいんだ)

王「毎日浮かない顔をしているな、姫」

姫「お父様…気になさらないで。少し、悲しいことを思い出していただけです」

王「そうか…」

王「相変わらず他国の王子より求婚の手紙がいくつか来ているが、全て断っておいていいのか?」

姫「はい。まだそんな気にはなれませんので」

王「そうか」

姫(「まだ」か…そんな気になれる日は来るのだろうか?)

騎士「姫よりも強い男じゃないとなーっ」

僧侶「騎士さん、大声で言わないで下さい」

姫「ふふ…騎士の言う通りですね」

姫(そんな男は、今後も――)


兵士「王、大変です!」

王「どうした」

兵士「姫を巡って他国の王子同士が喧嘩を始めたのですが…旅の男に全員薙ぎ倒されたそうです!」

王「ほ~?」

姫「まぁ」

騎士「はっはっは、そりゃスゲェ猛者だ!姫、結婚しちまえよ!」

姫「他国の王子もそれなりの腕前を持った方々…本当に、とんでもない方がいるものですねぇ」

王「で、その旅の男とはどんな男だ?」

兵士「それが魔法と剣を使いこなす、どこか陰のある色男だそうです」

姫「!」

騎士「!」

僧侶「!」

王「その男について何か他にわかっていることは?」

兵士「それが…本人自体も記憶喪失らしく、それで人との関わりを避けて旅をしているようで…」

姫「…それは、調べませんとね」

騎士「…ですね」

僧侶「そうですね、とことん調べましょう」

王「姫…?」

姫「ふふ…お父様、少しの間また出かけますわ」




姫「さぁ行こうか、騎士、僧侶!」


Fin

終わりです。お付き合い頂きありがとうございました。

あ~ん
続きが気になるぅ

続きキボンヌ

>>38>>39
ありがとうございますm(_ _)m

旅の者=魔法戦士を匂わせておきましたが、それを確定してしまうと、どうして魔法戦士が復活したのだという理由が必要になり、正直説得力ある理由が思い浮かびません(`・ω・´)
だけど旅の者≠魔法戦士だとしても、その後の展開が思い浮かばず…。
なので消化不良ではありますが、その後のことは想像にお任せしたいと思いますm(_ _)m

自分は王子の恋が成就するのが1番いいと思ってます。

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