P「やめろ貴音!響はラーメンじゃない!」 (57)

響「うぎゃあああああああああああああ!!!」

P「今すぐ吐き出せ!」

貴音「しかしプロデューサー…、このままでは私は飢え死にしてしまいます」ズオオオオオオオ!!!

貴音「プロデューサーがらぁめん禁止なんか出したせいで私はらぁめんを食せずに苦しんでいるのですよ!」ズオオオオオオオ!!!

響「うぎゃー!髪が…髪があああああああああ!!!!!」

P「だからって響を食べることはないだろ!!」

ヒュゴオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!

響「うぎゃあああああ!!!助けてプロデューサアアアアアアア!!!」

P「響いいいいいいいいいいいいいいいい!!!」

ジュルン

ゴックン

真「うわぁ!響が食べられた!」

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貴音「真、美味でございました。さすが響ですね」

貴音「さて、次は…」チラッ

真「ひぃ…!」

律子「ま、まずい…!」

P「みんな!ひとまず社長室に避難するんだ!」

P「でないと次の犠牲者が生まれるぞ!」

キャアアアアアアアアアアアア!!!

貴音「逃しませんよ」ジュルリ

―社長室―

春香「プロデューサーさん!バリケードを張りました!」

千早「これでしばらくは入ってこれないはず」

P「だが問題はこれからどうするかだ」

P「まさかラーメン禁止令を出したらラーメンが食べられなくなったストレスのせいで何でも食う体質になったとは…」

美希「ほかに食べ物はないの?」

P「全部食べられたよ、だから代わりに響が食べられたじゃないか」

美希「それもそうなの」

バリッ! ボリッ! バリッ! バキッ!

春香「えっ!?」

美希「な、なんなのなの!?」

バキッ! ボキッ! ヒュゴオオオオオオオオオオオオオオオ!!!

P「まずい!貴音がバリケードを食べながらこの部屋に入ろうとしているぞ!」

P「このままじゃ全員貴音の胃袋の中で一生住むことになるぞ!」

雪歩「そ、そんなの嫌です!」

律子「一体どうしたら…」

貴音「おや、うまそうなラーメンがたくさん…」

P「貴音ェ!もうラーメン食ってもいいからこんなことはもうやめてくれ!」

貴音「らぁめんが私に意見を申し述べるのですか?」

貴音「それにらぁめんなら今食しているではありませんか?」

P「何!?」

律子「まさか極度なラーメン依存が限界突破してあらゆる物を全てラーメンと認識するようになったんじゃ…!」

P「クソッ…!これじゃあ全員食べられちまう!一体どうしたら…」

小鳥「プロデューサー!心配ありません!」

P「音無さん!」

小鳥「これを貴音ちゃんの胃の中に入れてください!」

P「これは?」

小鳥「貴音ちゃんを落ち着かせ空腹を満腹に変える万能薬です」

小鳥「知り合いの天才留学生アイドルにこのことを話したら急いで作って届けてくれたんです!」

P「ありがとうございます!これさえあればもう怖いものなんてない!」

貴音「それにしてもどれもおいしそうですね…。あの金色に輝くらぁめんはどのような味がするのでしょうか?」

美希「ひぃ…!」

P「貴音、これ以上お前の好きにはさせない」

P「食うなら俺を食え!」

貴音「なら、お望み通りに」パクリ

ジュルルルルルルルルルルル

春香「プ、プロデューサーさん!」

P「全て片付くまで…逃げろ」

ゴックン

春香「プロデューサーさあああああああああああああん!!!!!」

P「ここが貴音の胃の中か」

P「早くこの薬を使ってこの騒ぎを何とかしないと・・・」

オーイ! ダレカー!

P「この声…響か!?」

P「おーい!響ィー!返事してくれー!」

アッ!コノコエ…!プロデューサー!ココダゾー!

P「待ってろ!今行くからな!」

P「えっと…この胃酸の海を渡るには…」

P「おっ、こんなところに貴音が食ったドアの破片と椅子の足の破片がある。これをいかだとパドル代わりにしよう」

―――――――――――
―――――

P「やっと着いたぞ響!助けに来たぞ」

響「プロデューサー?プロデューサアアアアアアアアア!!!」ダキッ

響「信じていたぞ!助けに来てくれるって信じていたぞ!うわああああああああん!」

P「無事でよかった、本当に・・・」

響「でもこれからどうするんだ?」

P「この薬を胃の中に入れる。そうしたら何か効果があるはずだ」チャポン

ズズズズズズズズズ・・・

響「な、何だ!?」

シュウウウウウウウウウ…

P「胃酸が引いていってる」


美希「や!放して!髪食べないで!」

貴音「この味…、とても美…!」ピクッ

貴音「うっ!?」ドックン!

美希「えっ…?」

貴音「・・・」

美希「た、貴音?」

春香「止まった?」

律子「うまくいったわね!」

ザッパアアアアアアアアアン!!!

P「これは・・・!」

貴音(?)「プロデューサー、そして響。ご迷惑をおかけしました」

響「貴音?なんで…!?」

P「落ち着け、これは貴音が胃酸に貴音自身の意思を移して生み出された分身だ」

貴音「私の暴飲暴食のせいでこのような事態を引き起こしてしまい大変申し訳ありません」

貴音「プロデューサー…。私はプロデューサーの財布を考えずらぁめんを食べ続けていました」

貴音「そのせいで禁止になったことは承知しています。ですが…!」

貴音「好きなものが食べられなくなるという苦痛はどんな痛みよりも強烈なのです!」

P「ああ、わかってるさ。食い物の恨みは恐ろしいというが、これほど恐ろしいことはないだろうな」

P「わかったよ貴音、もうラーメンは食っていいぞ。ただし俺のお手製だがな」

貴音「真でございますか!?」

P「ああ、そのほうが安くすむしな。安い値段でうまい味がたくさん食えるって素敵だと思わないか?」

貴音「ええ、とても…」

貴音「しかしプロデューサーはらぁめんを作れるのですか?」

P「これからたくさん練習するさ」

貴音「ふふっ…、期待していますよ♪」

響「あのー、水を差すようで悪いんだけどさ」

響「自分たちここからどうやって出ればいいんだ?」

P「あっ、それもそうだな。食道を登ろうにも急だしな…」

貴音「ご心配なく。私の力で二人を外に出させます」

P「そりゃ助かるな!一体どうやって?」

貴音「フゥ~~~~~~~~~~…」

貴音「破ァ!!!」

ジャアアアアアアアアアアア!!!

響「えっ…。これって?」

P「まさか…」

貴音「この先は小腸ですのでしっかり捕まってください」

ジャアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!!!!

貴音「それでは外で会いましょう」ニコッ

P&響「うぎゃああああああああああああああああああああ!!!!!」

―――――――――――

―――サン――プロ―サン!―

プロデューサーサン!

P「んっ…。んん?」

春香「プロデューサーさん!起きてください!」

P「春香…か?」

P「そうか…、俺たちは無事に出れたんだな」

春香「はい!一応無事にでれました!」

響「う~~~~~~~~ん・・・」

真「しっかりしてよ響~」

P「響はまだ延びてるのか」

貴音「律子、小鳥嬢、そして皆さん…。ご迷惑をおかけしました」

律子「もういいわよ。謝らなくて」

小鳥「皆さんが無事だというだけでそれでいいです」

P「貴音」

貴音「プロデューサー…」

P「もうこんなことはするなよ」

貴音「はい…」

P「それと、ラーメンのことだが楽しみにしろよな!」

P「とびっきりうまいもの食わせてやるぜ!」

貴音「はい!」

律子「にしてもこれ社長にどう説明しようかしら?」

こうして貴音の暴食事件は幕を閉じ、765プロは平和になった

そして…

P「ヘイお待ち!P特製ラーメンだ!」ドン!

貴音「見た目はなかなかのものですね。ではいただきます」ズルルルル

P「どうだ?」

貴音「ふふっ…。あなた様の心がこもっていることがよく伝わってきます」

P「そうか」

貴音「ですがまだまだ二十郎には程遠いですね」

P「あ、あれを基準にするのか?」

貴音「私はらぁめんに関しては一切妥協はしないので」

P「厳しいな…。だったらもっと練習あるのみだ!」

貴音「応援していますよ、あなた様♪」

俺はこれからも貴音のためにラーメンを作り続ける

俺はようやく進み始めたばかりだからな

この果てしなく深いラーメン道を

―完―

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