貴音「らりる」 (40)


貴音「響、『らりる』とはなんでしょうか」





響「えっ」


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貴音「ですから、『らりる』です。なにやら面妖な響きの言葉ですが、そもそもこれは
   名詞なのか、動詞なのか、はたまた… わたくしの語彙では判断がつかないのです」

響「えーっと… 一般的には『薬でラリる』とか、そういう使い方じゃない?」

貴音「薬で、らりる。すると『らりる』は動詞ということですね」

響「あ、あー、うん、たぶん」


貴音「どのような意味の言葉なのですか?」

響「まぁ、さっきの例で言えば、薬の効果でワケわかんなくなっちゃうっていうか、
  調子がヘンになる、みたいな、そんなニュアンスだと思うぞ」

貴音「調子が、変になる… なるほど、勉強になります。さすがは響ですね」

響「へへー、自分、カンペキだからなー」


貴音「ふふっ、そうですね。しかし、あのやよいが『らりって』いるとは意外なこともあったものです」




響「!?」ガバッ


貴音「ど、どうしたのです響、急に起き上がったりして。なにかあったのですか」

響「いやいやいやいや! やよいがラリってるって何、どういうこと!? やよい大丈夫なの!?」

貴音「落ち着いてください響、やよいが薬物を摂取した、あるいはその結果らりっているのを直接見た、
   というような話ではございません。あくまで可能性の話をしております」

響「フォローになってないよ貴音、自分全然落ち着けないぞ!?」




響「っていうかなんでいきなり『ラリる』なの」


貴音「いえ、実は次のおーでぃしょんについて、『貴音はたまには雰囲気変えてみようか』と
   ぷろでゅうさぁがおっしゃいまして。やよいの持ち歌を借りて歌ってみろ、と」

響「へー、貴音がイメチェンかー。でもそれとラリるのがどうつながるのかわかんないぞ」



貴音「『きらめきらり』とは、『煌き』と『らり』が組み合わさった言葉と見受けますが… らり、とはなんのことかわたくしは存じませんでした。
   独力では、辛うじて『らりる』という表現が存在することまでしか突き止められず… しかし響の教えを受けた今ならば理解できます」



貴音「つまり、なにやら面妖な薬物の表面の光沢… それが『煌き』の表すところ。そしてその粒を飲み下すことでげに面妖な世界に迷い込む、
   すなわち『らり』ってしまうも、活力を得て前へ進もうとする歌、それこそが『きらめきらり』。そういうことなのですね」






響「」 ガナハー

ちなみにラリるってのは薬を飲んで呂律が回らず「らりるれろ」が発音できない説と
四字熟語「乱離骨灰」が語源という説と有力な説は二つあるみたいだね。
四熟語が転じて、馬鹿者を意味する「らり」という言葉を使った「らりになる」という表現は古くからされてたみたいだし
乱離骨灰説が正しいんじゃないかなとは思うけど


貴音「…あの、響?」

響「貴音って基本的には常識人なのに、ときどきものすごく斜め上にぶっ飛ぶから困るぞ…
  あのね、『キラメキラリ』のタイトル、そんなところで切らないからね?」

貴音「なんと! これはしたり。いえ、何かがおかしいと思っていたのです」


響「まったく理解に苦しむぞ。ま、その抜け方も貴音の魅力なん」

貴音「つまりこれは『きらめ』と『きらり』の二語であると、そういうことでしたか」

響「!?」


貴音「ふむ… しかし、そうすると『きらり』は擬態語の類としても、
   今度は『きらめ』がなんなのか釈然と致しませんね」

響「ちょっと待つさー!?」

貴音「なんです響、煌きとらりで切るのはおかしいといま教えてくれたのは響ではありませんか。
   …はっ! まさか『きら』と『めきらり』ですか、それとも…
   よもや『きらめきら』と『り』ではありますまいに」


響「うがー! だからぁ、どうして二語で分離しちゃうのさ!
  もともとは『キラメキ』と『キラリ』で、"き"が一文字両方に重なってるんだよこれ! ていうか気づくでしょ普通!」







貴音「それではなぜ『きらめききらり』ではないのでしょうか」

響「えっ」


貴音「いかなる理由で"き"が一文字なくなってしまうのでしょう」

響「え、それは、えっと… 同じ文字が重なってるから?」

貴音「ほう。同じ文字であればすぺーすを食うから消されてもしかたがない、と」


響「い、いやえっと、そういう話じゃなくて」

貴音「つまり身長が高くてすぺーすを食うわたくしやあずさは、永劫にせんたーにはなれぬという」

響「どこをどうしたらそんな話になるんだー!?」

貴音「大方『らぁめんのみならずすぺーすまで食う無駄食いお姫ちんwww 』などと皆が思っているのでしょう」

響「や、やめるんだ貴音! ちょっと落ち着くさー、もうキラメキラリなんにも関係なくなってるぞ」


貴音「ではゆえなくして消される"き"の文字の気持ちを響は考えたことがありますか」

響「はぁ!? 字の気持ちって、そんな」



貴音「あるのですか、ないのですか。二つにひとつです」

響「あ、ありませんでした」


貴音「そもそも『きらめき』の最後の"き"が消されるのですか、
   それとも『きらり』の頭の"き"が消されるのですか。
   むしろ裏をかいて『きらめき』の頭の"き"が消されているのかもしれません。どれが正解なのですか」

響「わかんない… いえ、わ、わかりません、ごめんなさい…」

貴音「なぜ謝るのですか響。なにが問題なのかわかっているのですか。
   とりあえず謝れば済むとでもと思っているのではないでしょうね」

響「じ、自分、どうしてこんなことになってるのかがわかんないぞ… うぅ」
 



貴音「だいたいこの『きらめきらり』は題名のみならず歌詞も面妖きわまりないのです」

響「そ、そうかなー」

 
 


貴音「さんはい、『どんな種もまけば芽だつんです♪』」

響「『マルマルスーパースター♪』」





貴音「まずこの『まるまるすうぱあすたあ』とはなんですか。わたくしにわかるよう説明してください響」


響「」


貴音「『はなまるすうぱあすたあと』や『あっぱれすうぱあがある』はまだ理解の余地もございます。
   前者はすばらしいたいみんぐでなにごとかを開始すること、
   後者はげにすばらしき女子を褒め称えていることが想像できます」




貴音「そこで改めて問いますが、『まるまるすうぱあすたあ』とは一体なにやつなのです」


響「」

 
 


貴音「まして『ひっぱれすうぱあるうる』とはなんですか! なんだというのですか!
   この『ひっぱれ』は命令形ということでよいのですか!? 答えてください、わたくしに教えてください響!」




響「…う」

貴音「響?」





響「う…、うわあああん! 貴音が、たかねがラリっちゃったぞおおお!」



貴音「ひ、響!? どこへ行くのです! 響ー!」

「まるまるすうぱあすたあ」はあれだ。○○…つまり◎のことだ…よな?


おしまい。


らり-る
〔自五〕
(多く「ラリる」と書く)俗に、睡眠薬・麻薬などの使用で言葉が不明瞭になり、酩酊したような状態になる。
(広辞苑第六版より)

ということで、本編中の「らりる」の用法は厳密には正しくないものとなっております。


※やよいさんはお名前のみの出演となっております。出番を期待した方はごめんなさい。
※『キラメキラリ』のタイトルでほぼ出オチでした。
※Disのつもりは誓ってありません、やよいさんもキラメキラリも大好きです。
 そしてお姫ちんの歌うキラメキラリが大好きです。ぽちっとな!

>>25
どんな種もまけば芽だつんです
の次に来るこの分だから、丸々(肉つきがよい)育った――
とか、果実や野菜で喩えているとおもわれ

>>10
語源もなんとなく触れようかと思ったらカンペキな形で注釈が入っていて助かりました

>>25 >>27
カタカナに弱い貴音さんにはあの部分が呪文にしか聞こえてないんや! という思い込みで書き始めたため
そこまでちゃんと考察していなかった… 素で勉強になりました、ありがとうございます

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