男｢それで､どうやったら治るんだ？｣

神｢さあな､もしかしたら一生かも知れん｣

男｢マジかよ…｣

神｢良いと思うぞ？ナチュラルツンデレみたいな感じで人気出ると思うぞｗ｣

男｢単芝きめぇ｣

神｢む…。ま､とにかく頑張りたまえ｣ﾋｭﾝ

男｢消えやがった…とりあえず学校行くか｣

男｢しかし…この呪い意味あるのか？｣

友｢よぉー男ッ！｣

男｢お、朝から元気そうだな友｣

友｢元気が取り柄ですからッ！｣

男｢はいはい､若干暑苦しいから自重しろよな｣

友｢あいよッ！｣

男｢(こいつにもちょっと試して見るか)｣

男｢なあ友？｣ｼﾞｯ

友｢なんだ男……？｣

男｢あのさ…｣

友｢な､なんだよ…急に//｣

男｢…やっぱ何でもない｣

友｢お、そうかッ？(なんかさっき変な感じになったな……)｣

男｢………(同性にやっても気持ち悪いだけだな｡次はクラスの女子に試すか)｣

女｢朝から男同士で見つめ合うとかアンタら大丈夫？｣

男｢これには深いわけがあって……(ちょうど良いな｡ためしてやろう)｣

女｢深いわけ？｣

男｢そうだ､深いわけがあるんだよ女｣ｼﾞｰ

女｢へ､へー…そうなん…だ｣

男｢女なら…わかってくれるよな？｣

女｢う…うん///｣

男｢(こんなモジモジした女始めてだ)｣ｼﾞｰ

友｢(なんでアイツら見つめ合ってんだ？)｣

女｢あの…さぁ？｣

男｢な、なんだ？｣

友｢(…こいつらこんな他人行儀に話してたっけ？？)｣

男｢(そろそろやめるか)｣


女｢あ、…とにかく教室行こっか｣

男｢そうだな｣

友｢お、話し合いは終わりかッ！？｣

女｢そんなんじゃ無いわよ！(なんであんなに緊張したんだろ…いつもの男なのに…)｣

―教室―


男｢(この呪いの範囲ってどれくらいなんだろうな…？)｣

友｢おーい男ッ！今日の体育ソフトボールだってよッ！｣

男｢ああ､わかった｣

男｢(範囲によれば色々と悪さが出来そうな呪いだよな……俺も話せないから難しいけど)｣

女｢何々？また難しいこと考えてるの？｣

友｢男は絞殺魔だからなッ！｣

男｢字が違う､考察だ考察｡｣

―体育―

友｢おらぁ！おらぁ！！おらぁ！！！！｣ﾌﾞﾝﾌﾞﾝﾌﾞﾝ

ｻﾝｼｰﾝﾊﾞｯﾀｰｱｳﾄｰ

男｢次は俺の番か｣

モブ｢くらえ！俺の魔球殺法！｣

男｢(この距離で呪いは発動するかな？)｣ｼﾞｰ

モブ｢あれ？なんか…えーっと……｣ﾎﾟｲ

ひょ～ろひょ～ろ


男｢(発動したっぽいな)｣ｸﾞｯ

カキーン！


友｢うわぁ…ホームランだ｣

―放課後―

女｢男～体育の時間にホームラン打ったんだって？｣

男｢まぐれだよ｡まぐれ｣

友｢全打席ホームランがまぐれだってッ！？｣

男｢そうだよ｡次の時間は全打席三振だ｣

友｢なーんか怪しいなッ！｣

男｢はいはい､勝手に怪しんどけ｣

女｢あ、そういえばツンデレちゃんが男のこと探してたよ？｣

男｢マジか｡それじゃあ会いに行くよ｣

友｢それじゃあなッ！また明日ッ！！｣

男｢また明日～｣

男｢そういえば、ツンデレにこの呪いを使えばどうなるんだろ？｣

男｢…考えるより行動せよ。だな！｣



男｢さて、ここでツンデレが待ってるんだな｣

ガラララ

男｢おーいツンデレー｣

ﾂﾝﾃﾞﾚ｢遅いじゃないのよ｣

男｢悪い悪い｡それで、話ってなんだ？｣

ﾂﾝﾃﾞﾚ｢えっと………大したことじゃないんだけどね、｣

男｢おお､なんだなんだ？｣

ﾂﾝﾃﾞﾚ｢実は……前から…その……｣ﾓｼﾞﾓｼﾞ

男｢(呪い、使ってみるか)｣ｼﾞｰ

ﾂﾝﾃﾞﾚ｢！！｣ｷﾞﾝ

男｢あん？｣ﾋﾞｸｯ

ﾂﾝﾃﾞﾚ｢私！あんたのことが好きなんだからね！！｣

男｢……あん？｣

ﾂﾝﾃﾞﾚ｢だーかーらー！初めて出会った時からあんたに好意を抱いてたの！わかった？｣ﾄﾞﾝ

男｢(……落ち着け、素数を数えるんだｯ｡２､３､５､７､１１､１３､１７､１９､２３､２９､３１………)｣

ﾂﾝﾃﾞﾚ｢……………あれ？｣

男｢(……１０９､１１１､１１３､１１７､１２１…)｣ﾌﾞﾂﾌﾞﾂ

ﾂﾝﾃﾞﾚ｢さっ！さっきの事は忘れなさい！？わかったわね！！｣ﾀﾞｯ

男｢……気がついたらツンデレはいなくなっていた｣

男｢アイツが、俺の事を好き？……どういうことだ｣

男｢いや、むしろ問題はこの呪いの力だ……普段ツンケン態度のツンデレが俺の事を真っ正面から好きと言った……つまり……｣

男｢どういうことだ？｣

男｢とりあえず帰るか…｣


男｢さっきのは…呪いの不可抗力だ…｣

男｢きっとそうだ｡そうに違いない！｣

男｢(………前から生徒会長が歩いてきた｡放課後毎日仕事してるんだよな、尊敬する)｣

生徒会長｢…そこのお前｣

男｢え？｣

生徒会長｢服と顔が緩んでいるぞ｡もっと気を引きしめろ｣

男｢は、ハイ！！以後気をつけます！｣

生徒会長｢ではな､気をつけて下校しろよ｣ｽﾀｽﾀ

男｢………顔が緩んでいる。って、なんだよ…｣

男｢ああいうビシッとした美人に呪いを使えば意外な一面が見れるんだよな…｣

男｢まあ､生徒会長と見つめ合うほど仲良くなるのは難しいか…｣

男｢まあ、とりあえず帰ろう｣

男｢はーあー使い勝手の悪い面倒な呪いだな～｣

――下校中――

…………………

――下校終了――


男｢ただーいまー｣

姉｢よ～今日はいつもより遅かったじゃん｣

男｢まあな。色々あるんだよ～｣

姉｢ふ～ん、風呂出来てるから入っちゃってね｣

男｢了解了解。晩飯は～？｣

姉｢うどんと天麩羅だよ｣

男｢ふ～ん。親父は～？｣

姉｢とーまーり｣

男｢母さんは～？｣

姉｢隣町のおばあちゃんが怪我したから向こうに泊まるって｣

男｢りょーかーい｣

男｢は～あ～良い湯だな～｣

男｢今日は朝から神が呪いとか言ってきたから疲れた～｣

男｢とりあえず､この呪いについて確認しとくか｣

男｢まず、１５ｍ以内なら発動する｡多分､俺の視力も関係してると思う。
次に、同性でも発動する。
最後に、素直の逆の逆は素直。という法則がある｣

男｢ま、わかった所でたいしたことないんだがな｣

姉｢おとこ～｣

男｢なに～｣

姉｢背中洗いましょうか？｣

男｢結 構 で す｣

姉｢あら残念？｣

男｢…もしかしてそれだけ？｣

姉｢あー違う違う｡ちょっと足りない物があるから買い物行ってくる｣

男｢あ～い｣

姉｢んじゃあ留守番頼んだ｣

男｢いってら～｣

男｢…よし､そろそろ上がるか｣


………………
………
…


男｢…プハァー｣

男｢風呂上がりの牛乳は格別だな｣ｹﾞｯﾌﾟ

男｢さーて…帰ってきたら姉ちゃんにも呪いを試してみるか｣

tv＜…未成年の出会い系サイト利用について学校と警察が連携して…

男｢…５年前からずっとこのニュースだよ。対策出来てんのかホントに｣

tv＜○○中学生が刃物を持った男に襲われ…犯人は逃走しており…

男｢○○中学って隣町だよな…姉ちゃん大丈夫か？｣

tv＜環境省は温暖化の防止について…

男｢温暖化温暖化って､そりゃあマラリヤは怖いけどさ～｡単純に人口爆発が事の発端じゃねえのかよ｣

tv＜小学生の全国学力テスト､１０年前と比べて大幅下降…

男｢……単純に教えるのが好きな教師が減っただけじゃねえの？｣

tv＜次期総理大臣の候補は…

男｢どうせなら放送局ごと別々に候補に上げたら？……１００年前の人から見たら今の選挙に対する姿勢は馬鹿みたいだよな｡今の日本は選ぶ側も選ばれる側もよろしくない状況だ｣


tv＜最後に、明日の天気予報です…

男｢ハイハイ､晴れのち曇り｡普通過ぎてつまらん｣

男｢あーあー…せっかく呪いを貰っても、漫画みたいに活躍とか出来ないもんだなあ。せいぜい体育で凄いくらいか…｣

姉｢たーだーいーまー｣

男｢お帰り～｡何買ってきたの？｣

姉｢七味唐辛子と葱｣

男｢あーなるほどね｣

姉｢アタシ風呂入るから､男は葱､薬味用に刻んどいて｣

男｢了解了解｣

姉｢あ～～汗かいた～｣ﾄﾞﾀﾄﾞﾀ

男｢…呪い試す暇無かった………｣

男｢えー葱だな｡…どうせならミョウガとかも買ってきてくれよ｣

男｢半分は薬味用でー半分はうどんに合うようにザーッと切るかー｣

ｻﾞｸｻﾞｸ

tv＜三年前に女子高生を痴漢した容疑で逮捕された……冤罪であったことが発覚し…

男｢おー仕事するねえ弁護士！…と言っても､今の腐った社会だと逮捕＝悪確定だからな。再就職とか大変だろうな…と思ったらこの人自営業かよ｣

男｢はーあー｣ｻﾞｸｻﾞｸ

男｢なんとも今までと変わらない日常だなぁ｣ｻﾞｸｻﾞｸ

男｢ま、実際はそんなもんだよなー｣ｻﾞｸｻﾞｸ

男｢というか、ヘタに面倒な事にならない分良いのかも知れない｣ｻﾞｸｻﾞｸ

男｢でも…やっぱり物足りないよなー｣ｻﾞｸｻﾞｸ

男｢はーあー｣ﾄﾝｯ

男｢葱の刻み終了っと｣

男｢後は斜めに切って～っと｣

男｢うーん…なんか本当に普段通りだな｣

男｢……｣

男｢退屈を持て余すのは知識人として罪である。………誰の言葉だっけ？｣

男｢……よし。｣

ｽﾀｽﾀｽﾀ


男｢姉ちゃん？｣

姉｢ん～？どうしたの～｣

男｢お背中洗いましょうか？｣

姉｢ブハッ!!｣

男｢ごめん…ふざけた｣

姉｢急にどしたの？｣

男｢いや、何でもないよ｣

姉｢ふーん……｣

男｢葱…刻み終わったから！｣

姉｢はいはーい｡ありがとね｣

男｢じゃあ…それだけ！｣ﾀﾞｯ


姉｢…………若いわね｣ｷﾗｰﾝ



男｢……はぁ、慣れないことは心臓に悪いな…｣

男｢まったく…なんだってあんなことを思ったんだ俺は！｣