男「お前、クビな」女「……はい」(263)
夕方男の家
男「明日から夏休みかぁ」
友「どうした男?」
男「いやさ、夏休みって言っても結局いつもの休日の連続って感じになるんだよな」
友「まあいいじゃん、俺はこうやって男の家でスマブラすんの好きだぜ」
男「まあ、俺も嫌じゃないんだけどさあ」
友「あ!」
男「ん? どうしたんだ?」
友「いや、姉貴に今日は7時までに帰って来いって言われてたんだった」
男「やベーじゃん、もう6時半だぜ」
友「明日は遊べるか?」
男「明日は庭の新しい倉庫に荷物入れるから無理かな」
友「んじゃ明後日な。またな男」
男「んじゃあな、友」
友「おう!今度は勝つからな!」手フリフリ
男「おう、待ってるぜ」フリフリ
男「…………」
男「あちーな」
男「アイスでも買いに行こうかな」
<おにーちゃーん
男「どーした、妹?」
<私ピノがいい!
男「分かったよ」
夜コンビニ
男「やっぱアイスはスパーカップ抹茶に限るわ」ピーンポーン
男「で、あとはピノっと」
男「後は夜食のおにぎりは…………鮭とおかか昆布だな」
夜公園
男「ここ通ると近道なんだよな」
<いい加減にしてください
男「ん?」
<おい! まてって!
<なんですか?
<金に困ってんだろ、だったら俺らに着いて来いって
<そうそう、絶対ここにいるよりましだって
<結構です
男「んーただならぬ雰囲気」
男「行ってみるか」
女「いい加減にしてください」
dqn1「いいじゃん、どうせ家出でもしてるんでしょ?」
dqn2「そうだよだったら、俺らと来いって」
女「ホントに警察呼びますよ?」
dqn1「いや、俺らはただ君のことが心配なんだよ」
dqn2「そうそう、だから着いて来いって」手掴み
女「! 離してください!」
dqn1「メンドくせーからこのままつれてちゃおーぜ」
dqn2「おう、ここ夜人通らねーし」
<お回りさーん、こっちですよ
dqn1「な!」
dqn2「やべえ、逃げるぞ」ダッシュ!
女「…………」ジー
女「…………」ジー
男「よっし! 案外うまくいくもんだな」
女「…………」ジー
男「あんた大丈夫か?」
女「…………」ジー
男「……なんだよ」
女「別に、何でもありません」
男「別にって、何かないのかよ一応お前のこと助けた恩人だぜ? 俺?」
女「別にあれぐらい、私一人でも対処できました」
男「何か目元が赤いんですけど」
女「!」ゴシゴシ
男「まあ、嘘なんだけど」
女「……」イラ
男「ま、まあ、あんたが無事ならそれで良いや」
男「じゃあ俺アイス溶けるからかえ
女「『ぐーー』」るって、へ?」ビクビク
女「」ぐーぐー
男「…………腹の足しにはならないかもしれないけど」
男「おにぎり食べるか?」
女「いえ、そんな悪いですよ」ぐーぐーぐーぐー
男「……いいって、気にすんなよ」
女「いえ、人に恵んで貰うのは私のプライドが許しません」ぐーぐーぐーぐー
男「……」
女「……」ぐーぐーぐーぐーぐーぐー
女「……」ぐーぐーぐーぐーぐーぐー
男「……はあ、じゃあ俺が持ってるこれをお前が買い取るっていうのはどうだ?」
女「でも」
男「ぶっちゃけ、買いすぎて食べきれないところだったんだ」
男「助けると思って貰ってくれ」
女「……分かりました。頂きます」
夜ベンチ
女「どこ行ってたんですか?」
男「飲み物買ってた。紅茶と緑茶どっちが良い?」
女「緑茶でいいです」
男「分かった」
女「」もぐもぐ
男「」もぐもぐ
女「」ごくごく
女「」ごくごく
男「」チビチビ
女「」もぐもぐ
男「」もぐもぐ
女「」ごくごく
男「」チビチビ
女「」ごくごく
男「」チビチビ
女「……」
男「」チビチビ
女「……」
男「」チビチビ
女「あなた、もしかして」
男「」チビチビ
女「紅茶飲めないんですか?」
男「!」ビク!
男「そ、そんな事ないよ?」
男「ただちょっと苦手なだけだよ?」
女「始めから、紅茶を私に渡せばよかったじゃないですか」
男「いや、俺の勝手なイメージでさ」
男「女子って紅茶飲かなって思ったから、言い出し辛くて」
女「いいですよ無理しなくて、貴方が買ってきてくれたんですから」
女「はい、私が紅茶飲みますから」お茶渡す
男「いやー、正直助かるわ」お茶受け取る
女「」もぐもぐ
男「」もぐもぐ
女「」ごくごく
男「」ごくごく
女「」もぐもぐ
男「」もぐもぐ
女「」ごくごく
男「」ごくごく
女「」ピタ!
男「」ピタ!
女「…………」
男「…………」
女「…………」
男「…………」
女、男((よく考えたらこれって、間接キスじゃね?!))
女「」男見る
男「」女見る
男、女「!」全力で目を逸らす
友(コンビニにお菓子買いに行ったら、親友が何だかおかしくなってる!)
男「そ、そろそろマジで0時過ぎるから。か、帰るぜ」顔真っ赤
女「そ、そうですか。じゃ、じゃあ、お金払うんで家まで着いてきてください」
友(なに、あいつら。すげー可愛いんだけど)ワクワク
深夜公園内
女「着きました」
男「…………」
女「? どうしたんですか? 険しい顔して?」
男「…………冗談だよな?」
女「? 何が?」
男「まさか! ホントに! ここに住んでるわけじゃないよな!」ダンボール指差し
女「住んでますけど?」キョトン?
男「可愛く首『キョトン?』ってすんなよ!」
男「そりゃ、さっきみたいのも寄ってくるわ!!」
女「ダンボールも結構いいものですよ?」
女「温かいし」
男「今真夏だけどな」
女「何より、ただです」
男「年頃の女がこんな所で寝泊りしていいはずがねえ!!!」
男「はぁ…………お前ちゃんと家帰れよ」
男「なんなら俺も一緒に親御さんに謝ってやるよ」
女「……ない……」
男「?」
女「…ない…です」
女「家はないです」
男「…………」
女「なんせ! 私ホームレスですから!」キラ
女「わっははは」
男「…………」
男「…………」
女「そ、そういえばお代はいくらですか?」
男「……おにぎりとお茶、アイスを合わせたらちょうど五百円だな」
女「分かりました、今お財布を取ってきます」テトテト
男「……おう」
男(でも、このままほっといていいのか?)
男(……やっぱり、良くないよな)
女「あのー」
男「!」
男「な、なに」
女「すいません、今私三百円ちょっとしか持ってなくて」
女「とりあえず、これだけ受け取って貰えますか?」
男「…………」
見てくれてる人いるのかなぁ
男「!」ヒラメキ!
男「」ケータイ取り出す
男「もしもし、母さん?あのさ」
男「マジで! サンキュー」
男「うん、じゃあ」ケータイ閉じる
女「あの~」
男「いや、駄目だ」
女「えっ」
男「五百円ちょうどじゃないと、駄目だ」
女「で、でも私ホントに今これだけしか持ってなくて」
男「そんな事、知らん」
男「とにかく五百円ちょうど今すぐ払って貰わないと」
男「だって、お前さんの名前すら俺は知らないんだぜ?」
男「お金払わずに逃げない保障がどこにある?」
女「そ、そんな」グスグス
男(くっ! 女の子に泣かれた)
男(でもここは心を鬼にして!)
男「お、お金がないならしょうがないな(棒)」
女「?」グスグス
男「身柄を確保するためにお、俺の家まで来てもらおうか(棒)」
女「???」グスグス
男「あぁあもう!」
男「金もない、住むとこもない女の子をこんなところに放って置けるかよ!」
女「ふぇ?」
男「俺んちは妹いがいるから女物の服にも困らないし」
女「???」???
男「俺んちに住めって行ってんだよ!!」
女「!!!」
男「分かったか?」
女「で、でも」
男「でも?」
女「さ、さっき言いましたけど」グスグス
女「人に恵んで貰うのは私のプライドが許しません」グスグス
女「だ、だから」グスグス
男「恵んでなんかいねーよ?」
女「う、嘘!」
男「嘘じゃねぇよ」
男「お前、忘れてねぇか?」
女「?」
男「俺に借金してんじゃねぇか」
男(まあ、五百円なんだけど!)
男「俺はお前に俺んちに来てその借金相当の働きをしてくれ」
男(高々、五百円分なんだけど!!)
男「つ、つまりだ」
男「俺はさっきの食事代をお金の代わりに」
男「俺んちで働いて返せって言ってんだ」
男「分かったか!!」
男(ていっても、五百円なんだけどな!!!)
女「…………」
男「…………」
女「…………」
男「…………」
女「…………」
男「…………」
女「なんですか、それ」クス
男「わ、笑うなよ!」
女「分かりました」
男「え?」
女「分かりました、と言ったんです」
女「まことに、残念ですが落ち度があるのは私なので」
男「ほ、ほんとか!」
女「え、え。」
男「じゃあ早速帰るか」
男「こんなに遅くなると流石に妹も心配してるだろうし」スタスt
女「待ってください!」
男「」!
男「なんだよ、まだなんかあるのか?」
女「女です」
男「はぁ?」
女「だーかーらー、私の名前、女と言います」
男「あぁ、そういうことか」
女「貴方は?」
男「俺?」
男「俺は男だ」
女「男、男ですか」
男「あぁ」
男「とりあえず、自己紹介もすんだし」
男「これからよろしく」手出し
女「こちらこそ、よろしくお願いします」手握り
女「…………」
女「…………」
女「ところで」
男「ん? なんだ?」
女「いえ、私は男に雇われたのですよね?」
男「まぁ、そういうことになるな」
男「それがどうかしたのか?」
女「いえいえ、と言う事はですね」ニヤニヤ
女「男は私の『ご主人様』っと言う事になるのでしょうか?」ニヤニヤ
男「!」
女「そうですねえ、これからは男様とお呼びいたしましょうか」ニヤニヤ
男「お、おまえ」
女「どうしたのですか? お、と、こ、さ、ま」ニコニコ
男「絶対からかってるだろ!」
女「そんな!滅相もない」
女「ただ弄ってるだけですよ?」ニコニコ
男「おまえなぁ」
女「そんな事より」
女「もうとっくの昔に0時を過ぎてしまっています」
女「早く帰りましょう」トコトコ
男「おい!ちょっと待てよ」
女「早くしないと、置いてきますよ~」テトテト
男「お前、俺の家の場所知らねぇだろ」
男「ったく、面倒な事になったぜ」
女「♪」ニコニコ
男「まあ」
男(女が笑ってるし、それでいいか)
友(ちょっと目を話した隙に何があったんだ!?)
とりあえず今日はここまでです
次は明日か明後日にこの続きを書きたいと思っています
男の家の前
女「い、今さならのですが」
男「ん?」
女「ほ、ホントに私、ここに住んでも良いのでしょうか?」
男「大丈夫だって」
女「大丈夫じゃないでしょう」
女「私だったら、ある日息子が女の子を連れてきて」
女「しかも、一緒に暮らすなんて言い出したら」
女「女の子を警察に、息子は病院に連れて行きます!!」
男「大丈夫だって」
男「うちの親は、よその親とはちょっと違うから」
女「どんな方なんですか?」
男「父さんは正義の味方」
男「母さんは魔法使いかな」
女「…………意味が分かりません」
男「まあ、会ってみれば分かるって」グイ
女「いや! 引っ張らないでください」
女「こける、こけますからぁ!」
男家
男「ただいまぁ」
男「妹よ~!いるか!」
妹「いるよ~」
妹「その異常なテンション」
妹「さてはまた何か拾ってきたな」
妹「今度は何? 犬? 猫? トラ?」
男「いや違うよ」
妹「芝? 土佐? ダックスフンド?」
男「だから、犬じゃねぇって!?」
妹「まあ、この間のワニよかはましでしょ」
妹「ホント、お兄ちゃんがワニ拾ってきたときは」
妹「本気でこの家出て行こうかと思ったもん」ヒョコ
女「」固まる
妹「」眼が合う
女「…………」
妹「…………」
女「…………」
妹「…………」
女「…………」
妹「…………」
女「…………」
妹「…………」
妹「家出する!!」
男「ちょっと待てよ」ガシッ
妹「離して!」
男「どうしたいきなり家出なんて」
妹「誘拐犯と一緒に住めるか!」回し蹴り
男「うえっ!」バタン
男「」チーン
妹「」バッ
女「」ビック!
妹「ゴッホん」
妹「まあ、ボケもこのくらいにして」
妹「ようこそ、我が家へ」
妹「歓迎しますよ、え~っと?」
女「お、女です」
妹「女さんですね、私は妹と言います」
母「たっだいま~」
妹「お帰り、お母さん」
母「あ、もうきてんじゃん」
母「貴方、名前は?」
女「女です!」
母「女ね、分かったは」
母「それにしても」
母「日に日に鋭さを増していくわね、あんたの蹴り」
母「これ、一撃で昏倒させたんでしょ?」
妹「えっへん!」
母「よしよし、流石は私の娘!」
母「お兄ちゃんはこのままにしといて良いから」
母「もうお風呂に入って寝ちゃいなさい」
妹「は~い」テトテト
母「さてと」
母「女はちょっとこっちに来てね」グイ
女「いや! 引っ張らないでください」
女「こける、こけますからぁ!」
女(この人、間違いなく男様の親だ!)
リビング
母「さてと、そこに座って頂戴」
女「は、はい!」
母「あはは、そんなに硬くならなくていいわよ」
女「で、ですが」
母「この家に招き入れた以上」
母「私は貴方のことを娘だと思って接するわ」
母「それでも良いかしら?」
女「は、はい!」
母「じゃあ、早速だけど」
母「私、貴方の話が聞きたいわ」
女「私の話、ですか」
母「そう」
母「何があってこの家に住む事になったのか」
母「もちろん、全部は言わなくていいわ」
母「でも、私は娘と悩みを共有したいと思ってるわ」
母「どうかしら?」
女「いえ、全部話させてください」
母「ホントに? いいの?」
女「はい、貴方には何故か話したい気分です」
女「少し長くなるのですが」
女「それでも、よろしいでしょうか?」
母「もちろんよ、聞かせてちょうだい」
女「えぇとですね」
女「まずは何からはなせばいいでしょうか」
30分後
女「とういう経緯なのですが」
女「いかがされましたか?」
母「なるほ~、分かったわ」
女「そしてですね、もしよければなのですが」
女「男様にはこの話は」
母「私からは話さないわ」
女「ありがとうございます」
母「いつか、自分の口で伝えるのよね?」
女「はい」
母「そう、あっちゃーだいぶ遅くなちゃったわね」
母「女もお風呂はいちゃって」
母「今日は男のベットを使って頂戴」
女「い、いいのですか?」
母「いいのよ~」
母「どうせ、男は朝になるまで起きないわ」
母「あとでタオルケットでも掛けておいてあげて」
女「分かりました」
母「お風呂はそこの廊下をまっすぐよ」
母「パジャマと下着は妹のを借りて頂戴」
女「はい、分かりました」テトテト
母「…………」
母「…………」
母「…………」
母「…………」
母「よし」バッ
妹「あれ? お母さん出かけるの?」ウトウト
母「ええ、戸締りよろしく」
妹「何しに行くの?」コックリコックリ
母「ちょっと、そこまで」
母「悪者退治よ」
今日もこれからバイトなんで
続きは0時過ぎに書きたいと思います
夜男の部屋
女「本当に使ってもいいのでしょうか?」
女「流石に思春期の男の子は嫌がるのでは」
女「布団だけ借りて、リビングのソファーで寝る事にしましょう」
女「…………」
女「」くんくん
ドア「ガチャン」
女「!」
男「う、う~ん」
女「な、なんだ、男様ですか」
女「お、起きたんですね?」
女「実は小母さんにここで寝ていいと言われたのですが」
男「う~ん」バタン
女「えっ?」
男「」ギュ―
女「え? え?!」
女「男様ちょっと、離してください!!」
男「」zzz
女「寝ぼけて、らしゃったようですね」
女「まあ、見るからに奥手っぽいですし」
女「襲い掛かる度胸も無いでしょうしね」
女「…………」
女「…………」
女「…………なぜでしょう」
女「ちょっと残念な気持ちです」
女「とはいえ、どうしましょう」
女「まったく身動き一つ取れないのですが」グイグイ
女「男が寝返りでもするのを気長に待ちますか」
女「」ヌクヌク
女「…………温かいですね」
女「ダンボールも温かかったですが」
女「また違った温もりです」
女「…………落ち着く感じ?」
隣の部屋「ガタガタ」ざわざわ
男「う~ん」
女「!」
女「う、嘘です!」
女「やっぱり、全然落ち着きません!」
朝男の部屋
男「う、う~ん」
男「あ、朝か」
男「ん? 体が動かない?」
男「どうし、て」
男「」
女「」スピー、ギュー
男「」
女「」zzz、ギュー
男「…………」
男「…………夢だな」ウンウン
男「もう一回ねよ」オヤスミ
妹「お兄ちゃん!」ガチャン!
妹「今日は朝ごはんお兄ちゃんが当番なんだけ、ど…………」
男「」オワッタ
女「」スピー、ギュー
妹「」
妹「簡潔に十文字以内で説明しなさい」
男「あさおきたらおんながいた!」
妹「はい! アウト!!」フルスイング!!
女「ん~? 何事ですか?」
妹「女さん! おはよう!」
女「あぁおはようございます。妹さん」
女「それにしても」
女「大丈夫なんでしょうか? これ?」
男「」グデーン
妹「大丈夫よ」
妹「今日は私が朝ごはん作っちゃうから」
妹「女さんはそいつを起こしといて」テトテト
女「分かりました」
女「男さま~、起きてください~」ゆさゆさ
男「う、う~ん」
男「何故か、今日はとってもハッピーな事があった気がする」
男「だけど全然思い出せない!」
女「そ、そうですか」
男「しかも、頭が超痛い‼」
女「わ、私は先に下に行ってますので」テトテト
男「?」
男「女、ちょっと顔赤くなかったか?」
朝リビング
母「やっと起きたか、息子よ!」
男「朝からそのテンションには着いていけねーよ」
母「わ、た、し、貫徹だから!!」
母「超完璧な徹夜で超完徹よ!!」
母「だからテンション超最高潮!!!」
男「うぜぇ」
妹「ご飯出来たよ~」
男「よし、早く食べようぜ」
男「女ここ座れよ」椅子引く
女「ありがとうございます」
母「女ちゃんの隣とっぴー」
男「おい、人の膝の上座るなよ」
母「だって、女ちゃんの隣がいいんだも~ん」
男「重い重い! 暴れんな!」
男「俺が退くから、一回降りろ!」
朝男の部屋
女「朝から賑やかでしたね?」
男「うるせーだけだよ」
女「私は結構ああいう雰囲気好きですよ」
女「私、楽しかったです」
男「そりゃ良かった」
男「じゃあ、俺はとりあえず新しく買った倉庫に物移すから」
女「はい、手伝います」
男「……女はここで休んでろよ」
男「そんなに多くないし、一人で大丈夫だ」
女「ご主人様が働いているのに、私だけが休んでるわけにはいきません」
男「でも」
女「…………」ジー
男「だから」
女「…………」ジー
男「わ、分かったよ」
男「一緒にやろう」
女「はい!」
男「じゃあ隣の部屋が今物置になってるから」
男「そこから一階に荷物を下ろそう」
女「分かりました!」
隣の部屋
男「……どうなってる」
女「随分と綺麗な物置ですね?」
男「いや、昨日まではごちゃごちゃしてたんだけど」
男「そもそもベットなんて置いてなかったし」
女「机、箪笥、本棚もありますね」
男「机にはノートが入ってるし、テレビもある」
女「箪笥には着る物も入ってますね」
女「タグが付きっぱなしなので」
女「おそらく、買ったばかり物もだと」
男「まさか」
母「そのまさかよ!!」
男「やっぱりか」
母「昨日の夜私、超頑張ったわ!!」
女「ああ、隣の部屋からバタバタ音がしていたのはそのせいですか?」
男「でも、あれだけの荷物を一人で移動させたのか?」
母「まさか、お父さんがやったのよ」
男「親父帰ってたのか」
母「運び込んだものは、知り合いの店でただで貰ってきたものだから」
母「気兼ねなく使って頂戴、女ちゃん」
女「ありがとうございます」
母「まぁ、ぶっちゃけ私は荷物頼んだだけで」
母「荷物、取りに行ったのも」
母「この部屋の物を倉庫に運んだのも」
母「この部屋を掃除したのも」
母「荷物を設置したのも全部お父さんだから」
男「あんま、親父困らせんなよ」
男「忙しくてなかなか休めないんだから」
女「あのー」
男「ん、なんだ?」
女「お父さんはお仕事は何をなさっているんですか?」
男「あぁ、警察官だよ」
母「ふふふ、結構偉いのよ?」
男「確か課長だっけ?」
母「違うわよ、部長でしょ」
女「警察官の部長ですか」
妹「違うよ~、お兄ちゃんもお母さんも」
妹「副総監だよ」
女「たしか、副総監って」
妹「警視庁だったら上から二番目だっけ?」
妹「でも本人は親のコネと運があったからっていってたよ」
女「でもトップ2って相当じゃないですか」
男「それを電話一本で呼び出す母さんって」
妹「どうかと思うけどねえ」
母「お父さん、私にゾッコンラブだから」
男「表現が古いよ」
昼リビング
男「やる事無くなっちまったなあ」
女「ですね」
女「掃除も、洗濯もやってしまいましたし」
男「女の万能さにびっくりだよ」
女「私は男様の料理の美味しさにびっくりです」
母「二人してソファーに座って」
母「そうだ、男」
男「何~」ゴロン
母「女ちゃんと街行って来なさいよ」
女「え?」
男「そーだな」
母「これから買い物とか頼むかもしれないし」
男「雨降ったら迎えに来てもらうかもしれない」
男「そうと決まれば」
男「女、早速いくか?」
女「まぁ、男様が行くと言うなら」
男「よし、じゃあいくぞ!」
書き溜め尽きた
続きは起きたら書く
お休みっ!
男「案内って言っても何にも無いとこなんだけどな」
女「そうですね、これと言って変わったところが無いですね」
男「前はどこに住んでたんだ?」
女「お隣の町ですね」
男「隣町って言うと、あの山ばっかのところか?」
女「そうです」
女「山ばかりでしたが、綺麗なところでしたよ」
男「俺も何度か遊びに行ったことがあるよ」
男「魚釣りしたり、虫取りしたり」
女「私はした事ありませんが」
男「まあ、女の子だからな」
女「いえ、私は小3のときにあそこに越してきたので」
女「それまでは東京のほうに住んでいました」
男「東京か」
男「東京は行った事がないな」
女「ごみごみしていて疲れますよ」
女「個人的には私はこういう町のほうが好きです」
男「俺もこの町好きだよ」
女「どうします?」
女「そろそろ帰りますか?」
男「ん~、女は何か欲しいものないのか」
女「特にありませんね」
男「じゃあ、公園寄ってくか?」
女「公園、ですか?」
男「ああ、お前の元家ってか、ダンボールをそのままにしちまってるからな」
女「そうですね、放って置くのもあれですし」
男「持って帰って燃えるごみの日に捨てよう」
女「はい」
公園ベンチ
男「ダンボールも回収できたし」
男「そろそろ帰るか」
女「はい」
男「ああ、でもちょっと喉渇いたからジュース買いにいこうぜ」
女「私はいいです」
男「いいって、歩き回ったんだからお前も喉渇いてるだろって」
男「…………悪い」
男「これさ、受け取ってくれよ」チャリン
女「これは?」ニコニコ
男「百円玉」
女「また、私の借金を増やす気ですか?」ニコニコ
男「じゃあ、はい」チャリン
女「もう一枚?」ニコニコ
男「お使いだ、それで二本ジュースを買ってきてくれ」
女「分かりました」
女「あくまで仕事の対価としてジュースを受け取らせるつもりですね」
男「ああ」
女「じゃあ、買ってくるのでここで待っていてください」
男「おう、待ってるぞ」
三分後
女「か、買ってきました!」ゼーハゼーハ
男「は、早いな」
女「男様を、待たせるわけには、いきませんから!」
男「お、おう。サンキュー」
男「」ゴクゴク
女「」ゴクゴク
男「そういえばさ」
男「さっき、百円渡したときなんだけど」
女「なんでしょう」
男「なんか、顔が凄いニコニコしてたんだけど」
女「…………」
男「…………お前、そんなにお金が好きなのか?」
女「ち、違います」
女「確かに、お金は好きです」
女「ですが、百円玉を受け取って頬が緩んだのは」
女「懐かしかったからだと思います」
男「懐かしかった?」
女「はい」
女「私のお婆ちゃんの話なのですが」
女「私は自分で言うのもなんですが」
女「我慢が出来る子だったんです」
女「お菓子が欲しくても、ジュースが飲みたくても」
女「自分の口からは決して言いませんでした」
女「でも何故か、お婆ちゃんにはすぐにばれてしまうんです」
女「お婆ちゃんはいつも私の我慢に気がつくと、私の手に百円玉を握らせて」
女「『我慢しなくていいんだよ、これで買っておいで』と言ってくれたんです」
女「幼い私はその言葉が凄く嬉しかったんでしょう」
女「だから、きっと私が笑顔になったのは」
女「懐かしかったからなのではないでしょうか」
男「お婆ちゃんを百円玉か」
女「何か本の題名のようですね」
男「そうだな」
女「幼い私はその言葉が凄く嬉しかったんでしょう」
女「だから、きっと私が笑顔になったのは」
女「懐かしかったからなのではないでしょうか」
男「お婆ちゃんと百円玉か」
女「何か本の題名のようですね」
男「そうだな」
女「幼い私はその言葉が凄く嬉しかったんでしょう」
女「だから、きっと私が笑顔になったのは」
女「懐かしかったからなのではないでしょうか」
男「お婆ちゃんの百円玉か」
女「何か本の題名のようですね」
男「そうだな」
ミスりまくった
最後が本物
男(お婆ちゃんが今何をしているのかは聞かないほうが良いんだろうな)
男「帰るか」
女「はい」
女「そうそう、今日の夕食は私が作るんですよ」
男「そうか、それは楽しみだ」
女「はい、楽しみにして相手ください」
次の日の朝
…………ださい
男「んうん」
……きてください
男「う~う~」
女「起きてください、男様」
男「うん? お、女か」
女「そうですよ」
女「ご飯もう出来てますよ」
女「早く出て来て下さい」
男「…………」
男「何で顔だけ?」
女「へ?」
男「何で、顔だけ扉から出してるんだ?」
女「うぐ!」
女「わ、笑わないでくださいね?」
男「」
女「な、何か言ってください!」
男「いや、何て言ったものか」
男「似合ってるよ?」
女「あ、ありがとうございます」
男「でも、何で」
男「メイド服を着てるんだ?」
女「お、小母さんに頂いたので」
男「また母さんのせいかよ」
男「無理してきる事ないんだぜ」
女「いえ、嫌ではないんです」
女「こういうフリフリした服をあまり来た事がなかったので」
女「少し、落ち着かないといいますか」
女「スカートの裾なんてこんなに飾りがついてるんですよ?」スカート持ち上げる
男「っう!」
男「さ、先に行っててくれないか?」
女「何故です?」
男「いや~そのな」
女「一緒に行きましょうよ」ムー
男「いやちょっと立ち上がれなくなったというか」
男(ちょっと立ってしまったと言うか)
男(さっきスカート持ち上げたとき見えちゃったんだよな)
男(女の太もも)
男(白くてすべすべしてそうでって)
男(待て待て待て、これ以上考えるな)
男「と、とにかく先に行ってくれ」
男「頼む!」
女「…………分かりました」
女「では、私は先に行きますので早く来てくださいね」
女「せっかくのお料理が冷めてしまいますから」
正午
男「ホントに初めてか?」
女「そ、そうですけど」
男「にしては上手すぎないか?」
女「物覚えはいいほうなので」
男「俺これdxからやってるんだけど」
男「強すぎるだろ」
男「女のオリマー」
女「ムラサキピクミンは強いですね」
男「くそ、俺も本気だ」
男「いけ、ピカチュウ」ピカチュ
女「せこい! せこいです!」ピカチュピカチュ
女「ステージの端でずっと電撃使い続けるとか」
ピカチュピカチュピカチュピカチュ
女「男としてどうかと思います!」
ピカチュピカチュピカチュピカチュピカチュ
男「勝負はな勝てばいいんだよ!」
ピカチュピカチュピカチュピカチュピカチュ
女「この、電撃を放つたびになる泣き声も五月蝿いし」
ピカチュピカチュピカチュピカチュ
男「ははは、これでとどめだ」カミナリ
女「ああ、オリマー!」
女「今さっき気付いたんですけど」
女「オリマーって逆から読んだらマリオじゃありません?」
男「言われてみれば、そうだな」
女「もしかして、それが由来かもしれませんね!」
男「そうかもな」
ピーンポーン
男「ん? 誰か来たな」
女「私が出て来ましょう」
男「いいよ、俺が行く」
男「ちょうどお手洗いに行きたいと思ってたんだ」
女「では一緒に行きましょう」
男「いや、別に一人で大丈夫だって」
女「そういうわけにはいきません」
女「私は男様に雇われてる身なのですから」
ピーンポーン
男「…………はぁ、しょうがない」
男「お前ら、菓子持ってきてやったぞって」
男「お前ら、馴染みすぎだろ」
友「いや~、俺はもともと知ってたし」
<ハアイ
女友「私も友から聞いてたし」
<ファルコーンパーンチ!
女「私はあまり人見知りしないタイプらしいです」カチャカチャ
女友「まあ、いつかはやるんじゃないかなあ、って思ってたし」
友「確かに、この間はワニだろ」
女友「流石にあれを見たら、他に何拾ってきても驚かないよね」
男「別にいいだろ、結局飼い主に返したし」
女「みなさん、とても仲がよろしいのですね?」
友「まあな、男も女友も幼稚園からの付き合いだしな」
女友「いわいる幼馴染って奴?」
友「もうなんか兄弟みたいな感じだしな」
男「勝手に部屋に上がりこむしな、二人とも」
女友「私が合宿行ってる間に家に上がりこんで」
女友「晩御飯ご馳走になってる人には言われたくないわ」
友「てか、お前ら俺より姉ちゃんに可愛がられてるよな」
男「いやいや、俺らは好かれてるだけで」
男「お前は愛されてるんだよ」
女友「そうだ、女ちゃんメアド交換しようよ!」
友「俺も、女ちゃんのメアド欲しい!!」
女「すいません、わたしケータイ持ってないんです」
女友「……あ、そうなんだ……」
友「…………」
女「…………」
男「…………」
友「…………なんかごめん」
女「い、いえ気にしないでください」
女友「ス、スマブラ男もするでしょ?」
男「あ、ああ」
男「お前ら結局最後は俺狙いかよ」
友「お前のピカチュウうざいんだよ」
女友「ため攻撃出来なくなるし」
女「戦うためにはまず邪魔者を排除しないと」
友「お、もうこんな時間か」
女友「ほんとだ、わたしたちそろそろ帰るね」
男「ああ、じゃあな」
男「明日携帯買いに行くから」
女「えっ」
男「これは主人としての命令だからな!」
男「断っても持たせるからな!」
男「だって、ほら連絡取れないと心配になるし」
ダメだ眠い
続きは明日書きます
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