【咲-Saki-】伊藤誠「怜は病弱なんだね」怜「誠くんがおるから平気や」【スクイズ】 (61)


咲-Saki-とschool daysのクロスです。

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誠「そんなこと言って、また体調崩したらどうするのさ」

怜「どちらかといえば、その原因は誠くんやろ?」

誠「どうして」

怜「だって、んっ、今だって」

誠「怜の火照った顔って可愛くて」

怜「いじわるやなぁ」

誠「じゃあやめる?」

怜「……や」

誠「ほら、怜は病弱なんだからソファーじゃなくベッドに行くよ」

怜「お姫様だっこ、役得やなぁ」


誠「怜は進路どうするんだ?」

怜「誠くんに養ってもらうのもありやなあって」

誠「あはは、でも冗談は抜きにして」

怜「冗談やないで」

誠「怜?」

怜「日がな一日ぼーっと誠くんの子供と一緒に家でゆったりするのも、ええと思うけどなぁ」

誠「そうなったらしばらくは出来なくなるね。挿入するよ」

怜「ん、相変わらずゴム無し……酷いなぁ」

誠「大丈夫、出そうになったら抜くから」

怜「あ、んっ」




~~

~~~

怜「汗だくだくやん」

誠「怜だって。はい、ドリンク」

怜「おおきに。ごくっ、はぁ、運動後のジュースは美味しいなぁ」

誠「体調はどう?」

怜「腰が痛いけど、それ以外は平気や」

誠「そっか」

怜「ところで誠くんは進路どないするん?」

誠「俺は看護師になろうかなぁって。でも怜の体を見るために医者になるのもいいかも」

怜「お医者さんかぁ」

誠「怜って男のお医者さんに見られてるの?」


怜「そんなん言えるわけないやろ」

誠「恥ずかしがってないで教えてよ」

怜「ん~」

誠「怜?」

怜「キスしてくれたら教えたるで。ん~」

誠「…困ったなぁ」

怜「そんなこと言って結局は」

チュッ

誠「これでいい?」

怜「私の裸を見てええ男は誠くんだけやで♪」

誠「怜」

怜「だからもっかいキスしよ。な?」



千里山女子 校門前

竜華「伊藤君」

誠「あ、清水谷さん。どうしたの?」

竜華「どうしたもこうしたもあらへんよ。また怜にちょっかいかけて」

誠「ちょっかいって」

竜華「挙句の果てに、怜に約束したそうやないか」

誠「約束?」

竜華「怜専属のお医者さんになるって」

誠「ええ!?」

竜華「怜の体を隅々舐めまわす気やろ」

誠「そんなことするわけ」

竜華「信用できん」

誠「それは横暴だよ」

竜華「だからうちがチェックしたる。ついてき」

誠「えっと」

竜華「ええから。ほら!」グイッ


清水谷家

竜華の部屋

竜華「適当にくつろいで」

誠「え、はい」

竜華「それで、お医者さんの件やけど」

誠「それは、って何で脱いで」

竜華「うちの体で確かめるためや。怜に変なことせんかどうかをな」

誠「ど、どういう」

竜華「触診でもなんでも好きにしてええで」

誠「それって」

竜華「うちが誠くんは怜に相応しいか判定したるってわけや」

誠「え、えっと。じゃあ」

竜華「ひゃっ」

誠「あの、胸触っただけ」

竜華「い、今のは誠くんの手が冷たくて驚いただけや。」

誠「え、そうだったんですか」

竜華「ほら続けて。うちを怜だと思って」

誠「じゃあ」

竜華「ん、あっ、ひぁ」


誠「感じすぎですよ。お医者さんの前でいっつもそんなことしてるんですか?」

竜華「ま、誠くんの手つきがやらしいだけで」

誠「それに家に入ってから下の名前で呼んでるし」

竜華「そ、それは怜が」

誠「ここもこんなに」

竜華「ひぁっ」

誠「竜華」ボソッ

竜華「あっ」

誠「耳も弱いんだね」

竜華「ば、ばか」

誠「怜にしてること、竜華にもしてあげるね」

竜華「や、優しく」

誠「わかってるよ。怜と同じく、優しく抱いてあげるから」

竜華「誠くん……」




竜華「はぁ、まだヒリヒリするわ」

誠「怜も最初はそうだったよ」

竜華「怜も?」

誠「ま、今はもう平気っぽいけどね」

竜華「そんなもんなんやなぁ」

誠「竜華ももう一回してみたらわかるんじゃないかな?」

竜華「も、もう一回!?」

誠「俺も復活したし」

竜華「で、でも」

誠「怜だって最低3回はやるよ」

竜華「と、怜が?」

誠「そ、怜がね」

竜華「怜がそんぐらいやるんやったら、うちだって」

誠「決まり」

竜華「あっ、いきなり」

誠「どう?」

竜華「わ、わか、けど、さっきより」


誠「さっきより?」

竜華「ちょっと……いい」

誠「よかった。嫌だったらどうしようって思ってたんだ」

竜華「け、けど、今回だけじゃまだ怜の事は任せられへんで」

誠「え、でも」

竜華「またテストするから、連絡先教えて。あと怜には内緒やで」

誠「……」

竜華「あ、あと、今日は中でもたぶん平気だから」

誠「わかった。またテスト頼むよ。あとそろそろ出る」

竜華「もちろん、ん、んんんっ!」




数日後 千里山女子

泉「あれ、先輩肌綺麗っすね」

竜華「え、そう!?」

泉「いつもより肌のノリが」

フナQ「確かに肌の乗りがええですわ。何か化粧水でも?」

竜華「えっと、あはは」

怜「私も最近血色ええんやで。お揃いやな、竜華」

竜華「そ、そやな! お揃いやで」

雅枝「ほら部活始めんでー」

怜「あれ、セーラは休みですか?」

雅枝「なんか他校の生徒と特訓するとか言って、今日は部活休むらしいわ」

泉「あー、先輩らしいっすね」

フナQ「もしかしてデートやったりして」

怜「デートといえばこの前、誠くんと」

竜華「誠くん!?」


泉「あの好青年っぽい人ですか?」

怜「そや。私の恋人や」

竜華「こ、恋人」

怜「……言っとくけど、誰にも渡さんで。勿論竜華にも」

怜「もし盗もうとしたら私がこの手で始末したるわ」

泉「ぶ、物騒ですね」

怜「それくらい本気ってわけや」

雅枝「はいはい、その辺で止め。部活はじめるで」

『はーい』




駅前

誠「待ちました?」

セーラ「待ってへんよ。ほな遊びにいこか」

誠「あれ、セーラー服」


セーラ「あ、これ? あはは、セーラとセーラーを」

誠「凄く似合ってる」

セーラ「え、あ、アホ」

誠「本当だって。普段男勝りな分、今は何だかすっごく女の子らしく、魅力的だよ」

セーラ「冗談はお終いや! ほら、遊びに行くで!」

誠「そうだ、どうせ遊ぶなら……」

セーラ「遊ぶなら?」

誠「体を動かさない?」

セーラ「ええな。なんや、テニス? バッティング? それとも」

誠「それは着いてからのお楽しみってことで」

セーラ「なんや? 遊園地にでも連れてってくれるんか?」

誠「あはは、そんなところですよ」


セーラ「確かに遊園地かもしれへんけど……」

誠「お城だし、おもちゃもあるよ。入れる?」

セーラ「ちょ、まっ、んひっ!」

誠「セーラの弱い所はお見通しってね」

セーラ「スケベ…」

誠「でもセーラだってすっごく締めつけてくるよね。やっぱ運動するからなのかな」

セーラ「って、誠と会うといつもこれやな、んっ」

誠「ほら、次は乗馬だよ」

セーラ「ん、あっ」

誠「セーラ、セーラ」

セーラ「まこと、誠ぉ!」

誠「セーラ、スピードあげるよ」

セーラ「ええ、ひぎっ、い、いきなりなんて」

誠「セーラ、俺の、俺のセーラ」

セーラ「ば、バカ」ギュッ

誠「そろそろ、出るかも」

セーラ「抜かんで。今日は…その平気やし」


~~



セーラ「抜かんでええとは言ったけど、5回も出すなんてやりすぎちゃうん?」

誠「まあ良い運動になっただろ? ほらジュース」

セーラ「ん。まあストレス発散にはええけど。怜になんていえば」

誠「俺たち友達だろ?」

セーラ「友達、ねえ」

誠「それともセーラが恋人って言った方が良い?」

セーラ「ん~、怜との仲も壊したくないしな。ま、今は男友達ってことにしといたるわ」

誠「セフレの間違いじゃない?」

セーラ「男友達となにしようが、怜の知ったことやないしな」

誠「セーラ」

セーラ「悪友っちゅう言い方も出来るけどな。怜に誠紹介したのは私やろ?」

誠「まあね」

セーラ「お、私と誠がこんなことしてるって怜が知ったら、驚くやろなあ」

誠「いつも通り俺って言ってもいいんだよ」

セーラ「二人きりの時くらい女らしくしたい女心わからんかい!」ペシッ

誠「あいたっ」

セーラ「時間もあるし、罰としてもう一回やな。延長戦や」

誠「もう出ないよ」


セーラ「ココ硬くしてそんなこと言っても、説得力に欠けるで。あむっ、んっ」

誠「んっ」

セーラ(相変わらず凶暴やなぁ……だからこそ美味しいんやけどな)

誠「しょうがないなあ」

セーラ「どっちが先にイクか勝負やで」

誠「はいはい」

チュプッ

セーラ「あちょ、どこに指入れて」

誠「セーラのかわいい穴だよ」




後日千里山女子

セーラ「おーっす」

泉「あ、先輩。こんちわっす」

セーラ「なんや泉だけか?」


泉「園城寺先輩は定期健診っすわ」

セーラ「ふーん」

泉「ところで昨日」

セーラ「ああ、久しぶりに会った友達と遊んでただけや」

泉「へー、どんな人ですか?」

セーラ「そやなあ」

泉「もったいぶらずに教えてくださいよ~」

セーラ「泉が会ったら腰抜かすで。そんでちびる」

泉「ええ!?」

セーラ「じょーだんや。本気にすなや」

泉「からかわんどいてください」

フナQ「デートって情報はガセか……ちっ」

セーラ(デートねえ。やるだけやるんがデートっちゅうんかな)

フナQ「で、サボってまでどこ行ったんですか?」

セーラ「遊園地や」


泉「遊園地?」

セーラ「なんてな。普通に運動して解散やで」

泉「先輩らしいですね」

セーラ「体動かすのは気持ちええで~」

泉「聞いててアホらしくなってきましたわ」

セーラ「おっ、竜華からメールや。なになに」

フナQ「拝見しても?」

セーラ「ええで。ん?『体調悪いから見てもらってくる。だから今日は部活休む。ごめん』らしいで」

泉「夏風邪っスか? 長引かないとええですね」

フナQ「風邪ひいた時は尻にネギを」

泉「えええ!?」

フナQ「じょーだんや」

泉「はぁ、なんか今日驚いてばっかりや」

セーラ(体調悪い…ねえ。昼にがっつり精の付くもん食べとったやん)



清水谷家

誠「何で膝枕?」

竜華「そ、それは怜がうちの膝枕を愛してくれとるから、その心地よさを知ってもらわんと」

誠「知ってもらわんと?」

竜華「彼氏に相応し無いやろ。どない気分?」

誠「柔らかくて、なんだか包み込まれているみたいだ」

竜華「それはよかった……って、どこに顔埋めて」

誠「竜華の匂いが癒しなのかな」クンクン

竜華「あ、ちょ」

誠「あれ、何だか湿ってきたよ」

竜華「も、もう!」

誠「……もしかして、したい?」

竜華「…裸で膝枕してるんだから察してや」

誠「意地悪したかっただけだよ。ほら、俺だって」

竜華「うわっ、前見た時より反っててしかも硬く」


誠「竜華、俺もう」

竜華「待って。入れる前にコレで試したいことあるんや」

誠「胸で?」

竜華「そや。本見て勉強」

ピンポーン

誠「あれ、お客?」

竜華「どうせセールスや。それより続き」

ピンポンピンポーン

竜華「もう……誰やの。せっかく」

ピンポンピンポン

竜華「ああもう!」

誠「出てきたら?」

竜華「そうするわ」

誠「あ、服、服!」

竜華「あ、そや! 忘れとった」

ピンポーンピンポーン

竜華「ハイハイ、すぐ出ます!」



竜華「新聞なら間に合って」

怜「新聞?」

竜華「と、怜!?」


怜「病院帰りに近く通ったから」

竜華「ど、どうして」

怜「セーラから竜華体調悪いって聞いてな。顔赤いし」

竜華「あ、そやねん。ごほごほ」

怜「心配やからあがるね。これ林檎。好きやろ」

竜華「そ、そんな」

怜「ちょっとだけやから」

竜華「い、今は」

怜「あれ、この靴……」

竜華「そ、それは、おとんの。おとん最近」

怜「ふーん、こんな学生みたいなローファー履くんやな」

竜華「ぎくっ」


怜「それにこの靴、見覚えあるで」

竜華「よくある靴やしな~」

怜「……私言ったよね。盗んだら殺すって」

竜華「お、覚えてないな~」

怜「この感じ、2階やな!」

竜華「あ、ちょ!」

普段では想像できない速さで駆けあがっていく怜。

怜「おるんやろ!」

竜華「お、おわった……」

怜「……ほら見んかい」ニヤァ

誠「怜、来てたんだ」


幸い服は着ていた誠

怜「何でこんな場所におるん?」

誠「俺が竜華の家にいたらダメなのか?」

怜「誠は私の彼氏やろ?」

誠「ばれちゃったらしょうがないね……怜」

怜「なんや?」

竜華(アカン、誠くんと)

誠「これプレゼント」

怜「なんのつもりや?」

誠「竜華にあってたのは、そのプレゼント選びに付き合ってもらってたんだ」

渡したのはペアリング。

誠「な、竜華」

竜華「そ、そやねん」

怜「嘘」

竜華の言い訳をはっきりと断定して決めつける怜。


その目はいつもの蕩けたような目ではなくきつく、鋭い目つきだった。

そして何より、光が無かった。


誠「本当だって。怜にサプライズプレゼントしたくて、怜の親友である竜華に怜の趣味を聞いたんだ」

怜「竜華、それ本当なん?」

竜華「そ、そやで。だからその時が来たら渡すはずだったのに、怜が来てもうて」

誠「ほらおいで、怜が喜ぶと嬉しいんだけど」

怜「なんやそうだったんか~。も~」

先ほどまでの目ではなく、いつも以上に蕩けた目で誠に擦り寄る怜。

誠「ほらおいで」

怜「ん、お邪魔するで」

あぐらをかいた誠にちょこんともたれかかるように座る怜

誠「はめてみて」

小さなケースに入っていたのは、二つのリング

怜「カワイイ色やなあ。ん、ぴったしや」

付ける指は左手の薬指。

誠「じゃあ俺も」

同様に身につける誠

怜「幸せやなぁ」

誠「本当は次のデートで渡すつもりだったのにな」

怜「んふふ」

竜華「あ、じゃあ林檎剥いてくるね」

怜「おかまいなく~」

自室だというのに、半ば強制的に追い出されてしまう竜華


竜華(バレへんで良かった……でも怜のやつ、なに人の部屋で、いたっ)

指を包丁で少し切ってしまった。竜華の綺麗な指から目の前の林檎のように真っ赤な血が流れ出す。

竜華「血、かぁ…」

怜『おかまいなく~』

竜華「なにがお構いなく~や。かまとと、って、うち今なにバカなことを」

竜華「はよ林檎もってこっと」

林檎を兎状に切り、更に乗せ運ぶ竜華。

怜は林檎を誠の膝の上で食べさせてもらっている

怜「ん、シャリシャリして美味しいなぁ」

誠「俺も食べたいんだけどな」

竜華「ほ、ほならう「なら口移しでええやろ? ん~」」

誠「竜華もいるんだぞ」

怜「見せつけてやればええやん」

誠「まったく、しょうがないなあ」

怜「んフフ、指輪も貰うし林檎も美味しいし、最高やなぁ」

竜華(はよ帰らんかなぁ……って、うちまた怜の事を邪見に)

怜「竜華?」

竜華「あ、なんでもない、なんでもないで」

怜「そっか。ほら誠くん、ちゅ~」

誠「はいはい」

目の前で口づけを交わす二人。



結局その日、竜華が誠と交わることは無かった。

怜も誠と仲良く腕を組んで帰って行くのを玄関から見送った。

竜華「なんやろ、このモヤモヤ感……ちょっと早いけど寝ようかな」

ちょっと早めに床に就く竜華。

竜華(怜……誠くん、どっちに嫉妬してたんやろ)

竜華(誠くん…好きやで)

そんなことを思いながら布団に入っても、思ったように寝付けない。

竜華「……」


帰宅中。

部活後皆でカラオケ屋に行った帰り、怜は相変わらず嬉しそうだった。


泉「園城寺先輩、あんまり学校で見せびらかすと没収されますよ」

怜「そんなことされたら、その先生を訴えるだけや」

竜華「あはは、大げさやなぁ」

怜「大げさやないで!」

セーラ「にしてもひさびさに皆で遊んだなぁ」

フナQ「確かに、最近はデートださぼりだで集まり悪いでしたしから」

セーラ「うっ」

怜「ふふっ」

竜華「もう真っ暗やな、ほなうちこっちやから」

泉「お疲れ様です!」

フナQ「最近不審者出るらしいですから、気をつけてくださいね」

怜「ま、私には愛しの誠くんがおるから平気や」

竜華「とーき、コイバナはもうごちそうさまです」

怜「えー、おかわりしてええんよ~」

竜華「はいはい。じゃ、またね~」

セーラ「またな~」







この日、怜が路上で死んだという電話が竜華のケータイ電話に留守電で入っていた。

それに気付いて駆け付けたものの、再び出会った怜の体は創傷だらけで指も欠け、とても苦しそうな顔で死んでいたのを覚えている。




火葬が終了しても、なお、千里山女子の面々は

竜華「怜、どうして……」

泉「酷いっす……うっ」

誠「怜、怜ぃ」

大泣きしていた。貰いなきする面々も出た。

セーラ「誠と付き合ってからあんなに楽しそうだったのに」

誠「俺が、俺が守れなかったから……」

竜華「ううん。うちが怜を、怜から目を離したから」

セーラ「俺だって……」

崩れ落ちる誠を慰めるように二人は寄り添い、泣きあった。

フナQ「それにしても、左手の指全部切り落とすなんて猟奇的犯行すぎますわ。これは」

雅枝「浩子、その辺にしとき」

フナQ「わかってます。ただ、あまりに酷くて」

雅枝「乱暴に切断された形跡は確かに気にはなるけど」

誠「ごめんなさい、俺が……俺のせいで」

雅枝「アンタのせいじゃない。悪いのは全部犯人、犯人のせいや」





数週間後

清水谷家


竜華「誠くん、ほら元気出して」

誠「うん……」



数週間後

清水谷家


竜華「誠くん、ほら元気出して」

誠「うん……」

竜華「怜が死んでしもたんは悲しいけど、何時までも悲しんでたら怜も浮かばれんよ」

誠「でも」

竜華「ほーら、ケーキでも食べて元気出して」

誠「ケーキ、怜も好きだったな……」

竜華「むっ、ほら、口開けて」

誠「んぐっ」

竜華「どや。美味しいやろ?」

誠「ああ、美味しいよ」

竜華「そやろ~。あ、そや」

誠「竜華、竜華は何処にも行かないよな」

竜華「当たり前やろ。怜の代わりに、ずっと、ずっと一緒にいたるで」

誠「竜華、ありがとう」

竜華「ほら、この指輪。覚えとる?」

誠「あ、それ……」

竜華「あの後々やつ探して買ったんや。新品が見つからなくて中古品だけど、これつけてると、何時までも一緒にいられる気がしてな」

誠「竜華、俺を温めてくれ。温もりを感じていたいんだ」

竜華「ええよ。好きなだけ感じさせたるで」

誠「ありがとう…」



S「……また誠に近づこうとする女が、殺っても殺っても」

K「……誠君も私たちの前から逃げるなんて、酷いです」


セーラ「ん、なんや。 二人とも」

セーラ「竜華に用あるんか? だったら俺も用あるし」

セーラ「竜華ー、入るでー」

ガチャガチャ

セーラ「あれ、鍵かかってるわ」

セーラ「留守かなぁ」

S「ねえ、貴女の目的って?」

K「……中にはいますよ」


セーラ「俺か? 俺は最近元気ない誠に元気を注入したろうかなーって」

S「へぇ…」

K「元気を……」

セーラ「で、二人は? 喋りからして東京もんか?」

S「そんなところ。で、竜華さんに会いに来たんだけど」

K「……話したい事があって」

セーラ「へー、竜華に東京の友達が」


S「所でさっき誠に」

セーラ「え、あー」

K「もしかして、恋人さんなんですか?」

セーラ「こ、恋人!?」

S「その反応」

セーラ「ちゃうちゃう。俺は友達、誠とは親友なんや」

K「親友……」

S「男と女で?」

セーラ「性別超えても親友にはなれるんやで」

K「だったら私、貴女とお話がしたいです」

セーラ「んっと、悪いんだけど今日は誠に」

K「やっぱり……少しでいいので」

セーラ「ちょっとだけやで」

K「すぐ確認するだけですから」

セーラ「確認って大げさな。まあしゃあない。ええで」


K「ありがとうございます。じゃあこちらへ」

セーラ「こっちってあるの空き家やん」

K「聞かれたくない話もあるので」

セーラ「ところでアンタの名前聞いてなかったな。俺はセーラ。誠の一番の親友や」

K「私の名前ですか? 木戸って言います」

セーラ「木戸か。よろしくな」

S永「へー、この子が誠の?」

木戸?「ええ。誠くんの親友らしいです」

S永「へー、男勝りっぽいね。胸もないし」

セーラ「触るんな!」

S永「おー怖い怖い」

木戸?「早く確かめてもらえます? 時間が惜しいので」

セーラ「どういうつもりや?」

木戸?「どうせ死ぬ人に伝えるのは無意味です」


セーラ「な、なに脱がしてん、ってさっさと離せや!」

S永「勝気な娘も可愛いってね」ペロッ

セーラ「ひっ。ちょ、どこ弄って」

S永「えー別にいいじゃん。減るもんじゃないし」

セーラ「俺の体に触れて良いのは誠だけや!!」

木戸?「やっぱり貴女も……」

S永「殺す前にやっちゃだめ?」

木戸?「ダメです。誠くんを誑かす女は、すべて消すって決めたんです」

S永「残念。でも死んでからならいいんだろ?」

木戸?「好きにして下さい」

S永「ラッキー」

セーラ「もしかして怜を殺したのは」

木戸?「それは私じゃありません」

セーラ「じゃあ誰が」


S「ちょっと。やるなら夜やりなさいよね。目立つじゃない」

木戸?「ごめんなさい・・・でも我慢できなくて」

S「まあ気持ちはわかるけど。それとするなら早く確認してよね」

セーラ「その指輪……」

S「ん、なに?」

セーラ「怜を」

S「ああ、あの病弱そうでぶりっこね。そうよ」

セーラ「お前ら……んっ!」

S永「俺を無視しないでよ―」

セーラ「木戸! 絶対許さ、ん、やめ、キスすなボケ!」

S「木戸?」

木戸?「はい。私の偽名です」

S「あー、なるほど」

木戸?「そろそろ迎えに行きませんか?」

S「そうね。澤永、適当にやってていいわよ」

澤永「まじ?やった!」


木戸?「逃げないように縛っておくので」

セーラ「やめ、縛るな、ボケ!」

S「処女かどうかだけ教えてね。あとうるさいから猿轡して」

澤永「オッケー」

世界「あ、乙女はどうする?」

乙女「私はこの男女見ててムカつくから、ちょっとやってから行くわ」

セーラ「ぼ、んんんっ」

セーラの髪を引っ張る乙女

乙女「あんたさあ、誰の許可得て誠の親友名乗ってるわけ?」

セーラ「いっ、んぐぐ」

乙女「何言ってるか分かんないわよ。ま、そんな貧相な体じゃ友達どまりでしょうけど」

セーラ「んぐぐ!」

乙女「澤永、あんたもやるんならさっさとしなさいよね」

澤永「へーへー」

乙女「私実はこんなにおもちゃ持って来ちゃった」

澤永「うっわ…すげー」

乙女「ねえねえ、どれから試す?」

澤永「俺はこれかな~」

乙女「え―ソフトすぎでしょ。やっぱこれだって」




清水谷家玄関


世界「というか、誠のやつ私たちのこと秘密にしていたみたいね」

言葉「ええ…何だかさびしいですね」

世界「これはお仕置きね。お仕置き」

言葉「西園寺さん、カギどうします?」

世界「カギねえ、ピッキングでもする?」

言葉「あ、私出来るかもしれません」

世界「嘘、桂さん凄いわね」

言葉「そんなこと……でももし出来なかったら」

世界「その時はその時で、壁でも扉でも破壊しましょうか」

言葉「そうですね…人間やればできます」

世界「じゃ、迎えに行きますか」

言葉「ええ。私たちの前から」


「「逃げた誠(くん)を」」



『修羅は来たれり』  END


泉とフナQは手を出されなかったか
命拾いしたな

>>58 

フナQを入れてしまうと雅枝とか絹恵、洋榎に拡大するから外しました。

泉も入れる予定でしたが、長くなるのでやめました。

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