呉島 貴虎「何? 私がアイドルのプロデューサー?」(53)

シンデレラガールズ×仮面ライダー鎧武のSSです。
思いつきで出来たのでとりあえず投下。

――沢芽市 346プロ――

千川 ちひろ「はい♪」

貴虎「そんなふざけた話があるか。早く仕事に戻れ」

ちひろ「ふざけてなんかいませんよ? はい」ピラ

貴虎「それは?」

ちひろ「上からの辞令です。本日付で呉島主任は346プロのプロデューサーになりました」

貴虎「……みんな、疲れているのか?」

ちひろ「疲れにはコレ! 差し入れのエナドリです♪」スッ

貴虎「……ありがとう」

貴虎「そもそも私は、ユグドラシルの傘下だったこの事務所を立て直す為に来た筈なんだが」

ちひろ「はい。ユグドラシルが崩壊した後、後ろ盾が無くなったここの経営は大変でしたね」

貴虎「……私を恨まないのか? 君も元はと言えばユグドラシルの製薬部の人間だったろう」

ちひろ「んー、全くない、と言えば嘘になりますけど。それ以上に感謝もしていますので」

貴虎「感謝?」

ちひろ「私、今の自分も結構気に入ってますから」ニコッ

貴虎「……そうか」

ちひろ「あ、でももし気に病むと言うんでしたら、はい! 追加のエナドリ、1本100モバコインです♪」ドンッ

貴虎「……なら取り敢えず1ダース貰おう」

ちひろ「ィヨッシャ」グッ

貴虎「ところでモバコインとは?」

ちひろ「企業秘密です」

貴虎「まぁ決まってしまったなら仕方ない。それで、私がプロデュースするアイドルとやらは何処だ?」

ちひろ「まだいません」

貴虎「……成程。養成所の候補生から選べということだな?」

ちひろ「いえ。候補生の娘達の所属先は決まっているので、オーディションを開くか新たにスカウトして来て下さい」

貴虎「…………そうか」

ちひろ「はい」

貴虎「……………………そうか」

――1週間後――

「「「「ありがとうございました!」」」」バタン

貴虎「ふぅ……」

部長「疲れたかね?」

貴虎「いや。あ、いえ」

部長「無理もない。連日プロデュース業の研修とオーディションの繰り返しだ。どうだね? 君の琴線に触れるような娘はいたかな?」

貴虎「その……どれもある程度のモノはあるように思うのですが……」

部長「今一つ、かね?」

貴虎「……弟曰く、私は『実力』を見る眼はあるのに『人柄』を見る眼がないらしいので……こう、分かりやすいインパクトがあれば良いんですが……」

部長「はっはっはっ、手厳しい弟さんだね」

貴虎「はい……次のグループ、どうぞ」

ガチャ バァン!

「おにゃーしゃー☆」ズーン
「闇に飲まれよ!」バッ
「ねぇねぇ! 赤いカブトムシ捕まえたんだー! スゴくない!?」ブィーン
「印税貰えるまではやるんで、よろしく~」グダァ

貴虎(……インパクトが群れを成してやってきた)

ちひろ「プロジェクトメンバー、決まったみたいですね」コトッ

貴虎「あぁ。だが、せめてもう2、3人は欲しいところだな」チャリン

ちひろ「ならフリーの養成所などでスカウトしてきたら如何ですか? 案外、原石が転がってるかもしれませんよ」マイドアリ

貴虎「ふむ……そうだな。望みは薄いがこの書類を終わらせたら行ってみよう」

ちひろ「はい! 交通費は後で支給しますので」

貴虎「車で行くから大丈夫だ」

ちひろ「ダメですよ!」メッ

貴虎「ん?」

ちひろ「スカウトは足でするものです! これは業界の常識ですよ?」

貴虎「そう、なのか?」

ちひろ「あとは勢いです!」

貴虎「……分かった。そうするとしよう」パキッ ゴク

貴虎(いつの間にか自然とエナドリを買ってしまっていた)ハッ!

――**養成所――

貴虎(ふむ……取り敢えず来てみたが、果たして使い物になる人材がいるのか……)

アノヒトナニー? チョーアヤシクナーイ?

貴虎(……早く入ろう)

事務員「あっ! 先ほど電話を下さった346プロの方ですね! そろそろレッスンなので見ていかれますか?」

貴虎「はい。そうさせて頂きます」

事務員「ではあちらへ!」

貴虎(さて、一体どの程度のモノなのか……)スタ スタ スタ

ガチャ

貴虎「失礼しm」

島村 卯月「見ていてください! 私の……変身っ!!」バッ! ビシッ!

貴虎「」

卯月「」ピシー

貴虎「…………見なかった事にした方が?」

卯月「……お願いします……」ピシー

――レッスン後――

卯月「えぇー!? ぷ、プロデューサーさん!?」

貴虎「はい」スッ

【名刺】

卯月「ふぇ~……え? 346プロ?」

貴虎「どうかしましたか?」

卯月「い、いえ。実は私、前に346プロのオーディションに落ちちゃって……」エヘヘ

貴虎(この前は見なかったが……?)

貴虎「失礼ですがいつのオーディションですか?」

卯月「えーっと、1年くらい前です」

貴虎(1年前……まだユグドラシルがあった頃か)

卯月「でも私」

貴虎「はい?」




卯月「1度落ちたくらいじゃへこたれません! アイドルとしてデビュー出来るよう、ずっと頑張ってます!」ブイ!



貴虎「っ!」ガタッ

卯月「ふぇ!? な、なんですか!?」ビクゥ!

貴虎「いや、失礼しました」

卯月「?」

貴虎(素材は良い。レッスンを見た限りまだ伸びしろもある。そして……今の笑顔)

卯月「あ、あのー……?」

貴虎「島村 卯月さん」

卯月「はっ、はい!?」

貴虎「今、346プロで進めているプロジェクトが有ります」

卯月「はい?」

貴虎「そのプロジェクトメンバーとしてデビューしませんか?」

卯月「へ?」

貴虎「無論、アイドルとして」

卯月「……は、はい! 島村 卯月! 頑張ります!」ブイ!

貴虎(これが、『原石』か)

――駅前――

貴虎(オーディションの書類を見直そう。見落としていた原石がいるかもしれない)

ウェェェン ナニナニ?

貴虎(一度落としておいてもう一度来いなどとは虫の良い話だが……そこは誠心誠意謝ろう)

チョットキミ エ?ナニモシテナイヨ

貴虎「ん?」

ナニモシテナイッテコトハナイデショ ホントニナニモシテナイッテ

貴虎(女子高生と警官。それに、子供?)

女子高生「だから何もしてないんだって!」

警官「じゃあなんでこの子は泣いてるんだ?」

子供「うぇぇぇぇん!」

貴虎(……現状を見ればあの女子高生が限りなく怪しい)

女子高生「だからホントだってば!」

貴虎(だが……あの娘の眼は嘘はついていない)

ちひろ『スカウトは足でするものです!』

貴虎(……今、意味が解った)

ガヤガヤ エー ナニー?

貴虎「通してください」

警官「取り敢えず一度交番に……ん?」

貴虎「失礼」ズイ

警官「な、なんだいアンタはっ!」

貴虎「その娘の話、もう少し聞いてみては?」

――交番――

オモチャノネジヲオトシタァ!?

警官「大変、失礼致しましたぁ!」

――駅前――

貴虎「ふん、一件落着といったところか」

女子高生「あの……ありがとう」

貴虎「なに、大した事ではないさ。それより」スッ

女子高生「なに?」

貴虎「アイドルに、興味はありませんか?」スッ

女子高生「……勧誘の人だったんだ。最初からそれが目的で近づいたの?」

貴虎「そうではない、と言っても信じないだろうな」

女子高生「まぁね。悪いけどそんなの興味ないし。私、帰るから」クルッ カツ カツ カツ

貴虎(失敗、か。やはりそうそう上手くは……いやしかしこの逸材をここで逃すのは惜しい)

ちひろ『あとは勢いです!』

貴虎(……苦手分野だが、やってみよう)

貴虎「まぁ待て」

女子高生「何?」

貴虎「折角だ。近くに知り合いの店がある。ケーキでもどうだ?」

女子高生「今度はナンパ? アンタいい加減に」

貴虎「シャルモン」

女子高生「」ピクッ

貴虎「あそこならそう遠くもないし、人も大勢いる。おかしな真似はしない」

女子高生「ふーん。た、食べ物で釣ろうっていうの?」

貴虎「数量限定スペシャルセット」

女子高生「」ピククッ

貴虎「なんならケーキだけ食べて直ぐに帰っても構わない。さぁ……どうする?」

――シャルモン――

ウェイター「御待たせ致しました。本日のセット『気高き麗しのメロンの君』で御座います」

女子高生「わぁ……! ほ、ホントに良いの?」

貴虎「あぁ。私の奢りだ」

女子高生「じゃあ……遠慮なく」スッ

パクッ

女子高生「ーーーーっ!!」パタパタ!

貴虎「気に入ってくれて何よりだ」

ウェイター「御待たせ致しました」

貴虎「有難う。さて……」スッ

パクッ

貴虎「ふむ、成程」

女子高生「どうかした?」

貴虎「今日は……チーフか」

???「流石、呉島さんですね」

女子高生「!?」

貴虎「伊達に足繁く通ってはいないさ。また腕を上げたな、城之内チーフ」

城之内「ふっ、恐悦至極に存じます」

女子高生「あ、あの……?」

城之内「おっとこれは失礼。随分と可愛らしいお連れさんで」

貴虎「そうだろう。未来のアイドルだ」

女子高生「かわっ、え、いや、だから私はアイドルなんか!」

城之内「ははぁん、なるほど。これはお邪魔しない方が良さそうだ。話はまた今度で」

貴虎「あぁ、すまない」

城之内「なんのなんの。それでは、ごゆっくりお寛ぎ下さい」

チョットアァタ! シゴトサボッテナニシテルノヨ!<バッカモ-ン!! ギュインギュインギュイーン!
スミマセェェェン!

女子高生「……あの人、大丈夫?」

貴虎「いつもの事だ。心配ない」

貴虎「さて、そろそろ本題に入ろう」

女子高生「アイドルなんかにはならないから」

貴虎「『なんか』と来たか」

女子高生「そもそも、私の何を見てアイドルになれって言ってるの?」

貴虎「客観的かつ総合的に見てそう判断した」

女子高生「……適当に言ってない?」ジトー

貴虎「まさか。私は嘘や冗談は苦手だ」

女子高生「みたいだね。でも信用は出来ないかな」

貴虎「そうか。ならば今日はここまでにしよう」

女子高生「え?」

貴虎「どうした?」

女子高生「い、いや。随分あっさり引くんだなって……」

貴虎「ビジネスとは押すだけでなく、時には引く事も肝要だ」

女子高生「へー……でも、もう私に逢えないかもしれないよ?」

貴虎「その心配はない。君の制服は**高校のモノだ。それさえ分かれば名前や住所なら簡単に割り出せる」

女子高生「…………アンタ、目的の為なら手段とか選ばないタイプでしょ」

貴虎「あぁ。それが何か?」

女子高生「……何も」プイッ

貴虎「そうか。ならこれを渡しておこう」スッ

【名刺】

女子高生「電話すると思う?」

貴虎「さぁな。だがもし気が変わったら連絡してくれ」

――翌日 **高校前――

【信号】<マッテローヨ!

女子高生「で」

貴虎「ん?」

女子高生「気が変わったら連絡するんじゃなかったの?」ハァ

貴虎「ビジネスではスピードと対応力がモノを云う」

女子高生「あっそ。でも相手が取引する気がなかったら?」

貴虎「それを振り向かせるのがビジネスだ」

【信号】<イッテイーヨ! ピッポー ピッポー

女子高生「ふーん。精々頑張ってね」スタスタ

貴虎「あぁ、そうさせて貰おう」

――翌々日――

女子高生「……」スタスタ

貴虎「……」

――翌々々日――

女子高生「……」スタスタスタ

貴虎「……」

――翌々々々日――

女子高生「……」スタスタスタスタ

貴虎「……」

――翌々々々……――

女子高生「……」スタスタスタスタスタ

貴虎「……」

――1週間後――

「ねぇ聞いた? 不審者の話」

「うん。なんか真っ黒なスーツで背が高くって」

「そうそう。無言でウチの生徒をジーって見つめてるらしいよ」

「ヤダー!」

女子高生(はぁ……やっぱりこうなった……)

女子高生(関わりたくないから放置してたけど、いい加減追い返そう)

――**高校前――

女子高生(……あれ? いない?)

女子高生(全く……肝心な時になんで……肝心?)

女子高生「っ!」ハッ

女子高生(い、いないならいないでいい! うん! やっと諦めたんだ、うん!)

女子高生「……帰ろ」テクテク



???「………………」ジー

――公園――

女子高生(そもそもアイツがしつこいのが悪い)

女子高生(アイドルになれとか言ったりナンパしたりストーカーしたり)

女子高生(あんなんじゃ何時通報されてもおかしくないんだから)

女子高生「……って、だからなんで私がアイツの心配してるの!」

???「ねぇ君ぃ!」

女子高生「え?」

女子高生(コイツ……誰?)

???「君ぃカワイイねー!」ズズイ!

女子高生「ど、どうも」

女子高生(近っ! なんなのコイツ? アイツみたいな黒いスーツ着てるし、アイツの仲間?)

???「ねぇねぇ一緒にお茶しない? オレ良い店知ってんだよ」

女子高生「いや、その、ご遠慮します」

女子高生(……違う。何となくだけど、アイツとは違う。じゃあ誰?)

???「そう言わずにさぁー」ズイズイ!

女子高生「いや、だから……」

女子高生(背も高いから威圧感が凄……ん?)

『ねぇ聞いた? 不審者の話』

『うん。なんか真っ黒なスーツで背が高くって』

『そうそう。無言でウチの生徒をジーって見つめてるらしいよ』

『ヤダー!』

女子高生(ッ!!)

女子高生「あ、あの! 私帰りますから!」

???「あっれぇー? マジでぇ? あぁ、君ぃ。もしかしてぇ」



???「気付いちゃった?」バチバチバチ

女子高生(あれって……スタンガン!?)

???「ホントはこんなゴーインやりたくねぇんだけどよぉ。そろそろ誰か引っ掛けねぇと上がウルセーのよ」

女子高生「あ、あぁ……」ガクガク

女子高生(あ、足が……動かない……)

???「んでもぉ、君みたいなジョーダマだったら高そうだしぃ、ちったぁは上も黙るっしょ」

???「まぁ、今から黙るのは君だけどねぇ! ハッハッハッハッ!」

「それは違うな」

???「えぇ?」クル



貴虎「黙るのは貴様だ」ブン

???「ぐべっ!」ドサァ!

貴虎「全く……タイミングが良かった、と言っておこうか」

女子高生「あ、アンタ……」

貴虎「すまない。別件で遅くなってしまった」

女子高生「うん……っ! べ、別に待ってないから!」

貴虎「そうか」

女子高生「う、うん……」

???「いってぇ……いってぇなオイィ! なにしやがんだよテメー!」

貴虎「それはこちらの台詞だ。貴様がここ数日の情報に有った不審者だな?」

???「あぁ!?」

女子高生「知ってたの!?」

貴虎「あぁ。伊達に毎日立っていない」

女子高生「……仕事してるの?」

貴虎「問題ない。今日も他のアイドル候補の所へ行っていた」

女子高生「……ふーん」

???「あぁあぁぁ! 無視すんなぁぁ!!」バッ!


《マンゴー!》

貴虎「っ! 回収し損ねたロックシードか!」

ジィィィィィ

ライオンインベス「ガァァァア!!」ザッ!

女子高生「い、インベス!?」

???「へ、へへへ。テメェらもう許さねぇぜ!」

貴虎「……そうか、何処かで見た顔だと思ったが。貴様、元ビートライダーズだな? チームは確か……レッドチリ」

???「RED HOT!! RED HOTの曽野村だ!!」

貴虎「別に名前までは聞いていない。が、まぁ良いだろう」

女子高生「ちょ、ちょっと! なんでそんなに落ち着いてるの!? インベスが来てる!」

インベス「グルルルル……」ジリジリ

曽野村「まずはテメェからだぁ!! やれぇ!!」

インベス「ガルァァア!!」

女子高生「危ない!!」



貴虎「……フン」


バッ シャァァ ジャキン

《メロン!》


女子高生「え?」

曽野村「え?」

貴虎「変身」

ガシャ

《ロック オン!》

《ソイヤッ!》

《メロンアームズ! 天下御免!》


斬月「フン……」シャキン

曽野村「あ、アーマードライダー!? な、なんで!?」

斬月「メガヘクス襲撃の後、国は奴らのような存在が再び現れた時の為に極僅かだが戦極ドライバーを生産した」

インベス「ガォウ!」

斬月「ハッ!」ガキン! ズバッ!

インベス「ギャウン!」ドサァ!

斬月「そして、資格を持つ者のみにその所持と特定状況下での使用を許可したのだ」

曽野村「はぁ!? どういうことだよ!?」

インベス「グルァ!」ガバッ!

斬月「つまり」ズキュン!

インベス「ギッ!?」ガクッ


《ソイヤッ!》

《メロン スカッシュ!》


斬月「ハァア!!」ズバァ!!

インベス「ギャァァァ!!!」


ドガァァン!!!


斬月「こういう事だ」シャキン

――30分後――

バタン ブロロロロロ……

貴虎「さて、警察への引き渡しも無事に済んだな」

女子高生「こっちも軽い事情聴取で終わったよ」

貴虎「そうか」

女子高生「……あのさ」

貴虎「なんだ」

女子高生「…………りがと」

貴虎「ん? すまないが聞こえなかった。もう一度たの」

女子高生「なんでもない!」

貴虎「っ、そうか」

女子高生「………………あのさ」

貴虎「なんだ?」

女子高生「アンタの、さっきのすが」

???「あのー」

貴虎「ん?」

女子高生「え?」

???「あぁ! やっぱりプロデューサーさんでした!」

貴虎「島村、さん?」

卯月「はい! 島村 卯月です!」

女子高生「えっと……」

卯月「あっ、もしかして、お邪魔しちゃいましたか?」

貴虎「いえ、決してそういうわけでは……いや、そうだな」ボソッ

卯月「プロデューサーさん?」

貴虎「島村さん」

卯月「は、はい」

貴虎「飲み物を買って来ますので二人でここでお話していて下さい」

卯月「ふぇ!?」

女子高生「えっ!? ちょっと!?」

貴虎「それでは」スタスタ

女子高生「呆れた……ホントに行っちゃったよ」

卯月「あのー」

女子高生「あ、えっと」

卯月「島村 卯月です!」ブイ

女子高生「り、凛。渋谷 凛」

卯月「凛ちゃんですね! 宜しくお願いします!」

凛「よ、よろしく……」

卯月「プロデューサーさんといたって事は、もしかして凛ちゃんもスカウトされたんですか?」

凛「一応そうなる、のかな?」

凛(スカウトかストーカーかは微妙だったけど……)

卯月「やっぱり!」ガシッ

凛「わわっ!」

卯月「じゃあ! これから一緒にアイドル活動、頑張っていきましょうね!」

凛「……あの」

卯月「はい?」

凛「私……アイドルやる気、ないから」

卯月「…………へ?」


エェェェェェェェェェェ!?

卯月「ごめんなさい、勝手に勘違いしちゃって……」ベンチ

凛「いや、その、こっちこそごめん」ベンチ

凛「でも、さ。碌な説明もなくていきなりアイドルになれって言われても直ぐには答えられないよ」

卯月「う゛っ!」

凛「え?」

卯月「私、説明も聞かずにその場で返事しましたぁ……」

凛「……ごめん」

卯月「で、でも! アイドルになりたいっていうのは私の夢だったんです!」

凛「夢?」

卯月「はい!」

卯月「だってアイドルって、綺麗な衣装とか着れて、歌ったり、踊ったり、色んな事をして、その、なんというか……凄くキラキラしてるじゃないですか」

凛「キラキラ……」

卯月「正直言うと……どんなお仕事がアイドルなのかっていうのもよく分かってないんですけど、その事を考えると、胸がすっごく熱くなるんです!」

卯月「悲しくなることも時にはありますけど……でも良いんです。それが私の夢だから」スクッ

卯月「それに、プロデューサーさんの真っ直ぐな眼をを見て思ったんです」タッタッタッ


花びら スッ



卯月「私はこれから、その夢を叶える事が出来るんだなって!」ニコッ



凛「ぁ………………」――トクン

卯月「あ、ごめんなさい。一人で盛り上がっちゃって…………凛ちゃん?」

凛「えっ、あ、うん大丈夫」

貴虎「本当に大丈夫か?」

凛「っ!?」ビクッ!

卯月「あ、プロデューサーさん!」

貴虎「どうぞ。好みに合わなかったら申し訳ありません」ロイヤルミルクティー

卯月「いえ! 私、紅茶好きですから!」

凛「わ、私も平気」

貴虎「それは良かった」

貴虎「そうだ」

凛「なに?」

貴虎「君にはこれも渡しておこう」スッ

【名刺】

凛「また?」

貴虎「前のを捨てていたら大変だからな」

凛「……捨ててないよ」

貴虎「なら良かった。紙の無駄遣いにならずに済む」

凛「そういう問題?」ハァ

貴虎「……もし君が」

凛「え?」

貴虎「もし君が、怠惰な毎日を変えたいなら。新しい自分に『変身』したいなら。私が手を貸そう」

凛「変、身?」

貴虎「そうだ。変身だ」

凛(…………変身)

『変身』

『メロンアームズ! 天下御免!』

『メロン スカッシュ!』

『ハァア!!』

凛(……私も……出来るのかな……変身……)ギュ

――翌日 346プロ――

ちひろ「どうしたんですか? 前のオーディションの資料なんて見て」

貴虎「『原石』を二人見つけてな。もしかしたらこの中にもいたかもしれない。それを確認している」ペラ ペラ

ちひろ「なるほど。ここしばらく外回りに行ってたのはそういう事だったんですね」

貴虎「一人はスカウト成功。もう一人は交渉中だがほぼ確定だ」ペラ ペラ

ちひろ「凄いじゃないですか!では書類を用意しておきますね。その二人のお名前は?」

貴虎「一人は島村 卯月。もう一人は知らん」ペラ ペラ

ちひろ「はい! 島村 卯月ちゃんと……え?」

貴虎「だが今日にでも連絡が来るだろう。毎日学校の前で立っていた甲斐があったというものだ」ペラ ペラ

ちひろ「あの……毎日? 学校に?」

貴虎「あぁ」

ちひろ「その格好で、ですか?」

貴虎「あぁ」

ちひろ「……プロデューサーさん」ズズズ

貴虎「どうした? なにか問題でも……ッ!?」

オレハキサマヲムッコロス!
ナニ!? ウワァー!!<ドゴォォン!!

ヒラリ
  ヒラリ
ヒラリ

《本田 未央》パサッ

    PLLLLLL PLLLLLL……

凛(……出ない)

以上です。
続きは気が向いたら書き溜めておきます。

お目汚し失礼しました。

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2015年07月29日 (水) 06:29:07   ID: THVQiBCe

赤いカブトムシってw

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