布団幼女「干してください」(26)

男「干物にでもなりたいのか」

幼女「私は布団ですから干してください」

男「どう見ても人間だ」

幼女「人間の形をした布団なんです」

男「布団は人間が寝る物だろ」

幼女「確かにそうですけど」

男「おっ、雨が降ってきた」

男「ドライヤーで乾かしてやるよ」ブオー

幼女「ドライヤーの風では乾かないと思います」

男「じゃあ乾燥機に入れる」

幼女「それならついでに洗ってくれますか」

男「ああいいよ」

幼女「洗濯機で」

男「ちょっと待て」

幼女「手で洗うつもりですか」

幼女「それは大変な重労働です」

男「ちゃんと洗濯板と盥を持ってるんだからな」

幼女「じゃあお願いします」

男「まずは石けんを泡立てて・・・」

幼女「洗剤を使われてはいかがですか」

男「洗剤なんて持ってない」

幼女「そうですか」

男「じゃあ洗うぞ」

幼女「カバーを付けたまま洗うんですね」

男「カバー?ま、まさか」

男「それはダメだ!」

幼女「どうしてですか」

男「人間の皮を剥くなんて残酷なことはできない!」

幼女「いつも剥いておられないのですか」

男「オナニーもしてないってゆーか幼児が何て話をしやがる!」

幼女「そこまで言うならどうぞ」

男「たく・・・」ゴシゴシ

女「その子が終わったら私もよろしく」

男「誰だ」

女「人間の形をした枕よ」

男「もうその手の嘘は通用しないからな」

女「言うこと聞かないんだったらおちんちん切るからね」

男「ヒュン!」

幼女「グロいよー」

女「あんたが言えることか」

男「この幼女アソコがないな」

幼女「ないよ」

女「布団なんだから当たり前じゃない」

男「残念だ」

女「さらに言うなら布団だから女とか関係ないわね」

幼女「逆に言えば男でもあるってことだよ」

男「」

幼女「ジョークジョーク」

女「ひどい・・・」

男「さて2人とも洗い終えたな」

男「しかし一体誰の布団なんだろうか」

客「儂の布団じゃ」

男「ん?」

客「儂は自らの性欲を満たすためにあの布団を作ったんじゃ」

男「何というかストレートというか」

客「さて、儂はこれから柴刈りじゃから乾いたらこの鳩を飛ばしてくれ」

男「いつの時代だよ」

客「お前さんだって同じようなものじゃろうが」

男「そろそろ乾いた頃か」

幼女「むにゃ・・・」

男「布団が寝るな!」

幼女「しかし布団は夜行性なのです」

幼女「だから昼間は寝ているものなのです」

女「クリーニング屋がそんな事も知らないの」

男「クリーニング屋になった覚えはない」

幼女「ひとたび他人の洗濯物を洗ったらもうクリーニング屋です」

女「ビラも配っておいたから」

男「ええっ!?」

幼女・女「ウッソでぇ~す!」

男「ウソつくな!」

女「そういう場合は夢を見ていたと思えばいいのよ」

幼女「そうだよ」

男「現実じゃねえか」

女「とりあえず叩いて」

男「何を?」

女「私の体を」

男「なぜ?」

女「布団だから」

パンッパンッ

女「もっとスナップをきかせて」

男「えい!」パシッ

客「もう乾いたか?」

女「ええ」

客「どけ、儂が叩く」

ドォォン・・・ドォォン・・・

幼女「さすがは初代布団叩き王の息子!」

男「その布団叩き王というのは?」

幼女「毎年春に開催される集落内布団叩きトーナメントのチャンピオンを意味します」

男「規模小さいな」

幼女「5年前、それにたった一人出場し栄冠を勝ち取ったのが彼の父親です」

男「トーナメントになってないし・・・」

幼女「そうですね」

女「あんたも叩いてもらえば」

客「幼女・・・次はお前の番じゃ・・・」

客「オリャア!」

幼女「痛い!」

客「耐えろ!」

幼女「無理!」

客「オリャ!」

客「いかん足が滑ったわい・・・」

男「えっ」

ドォォォォン

男「うぎゃあああああ!」

女「毎回足が滑って誰かに流れ弾が当たってしまうのよね」

客「儂の足腰も弱ったものだ」

客「儂らはこれで失礼するぞ」バタン

男「やっと帰ったか」

男「世の中には変わった趣味の奴がいるもんだな」

<そう、僕みたいなね

男「また誰か変な奴が来たのか」

椅子少年「遠慮なく座ってください」

男「何だお前は」

少年「僕は椅子です」

男「四つんばいになってるタダの少年じゃないか」

少年「人間の形をした」

男「そのジョークもう古いよ」

少年「今僕が考えました」

男「しかも俺は基本座布団に座っているんだ」

少年「僕の上に座布団を乗せて座ればいいじゃないですか」

男「何でそんなに座ってもらいたいんだよ」

少年「椅子だからです」

男「椅子だからって座ってもらわなきゃいけないって事はないと思うが」

少年「だったら座布団だって座ってもらうために生まれた訳じゃないって事になりますよね」

男「どうでもいいよ」

少年「分かりました、僕は座布団になります」

男(うずくまった!?)

少年「早く座ってください」

男「わかったよ」(勢いよく座った)

少年「重っ!」

男「準備はいいか?」

少年「へ?」

男「まずは右足を浮かすぞ」ヒョイ

少年「がはっ・・・」グッ

男「続いて左足だ」

少年「ちょっと待ってください・・・僕はあんましクッション性がないので・・・」

男「座布団って英語で何て言うか知ってるか」

少年「HIP BED・・・」

男「クッションだろ」ヒョイ

バキベキボキッ

少年「ギヒャァァァ!」

男「骨あるの!?」

少年「ゴメンナサイ本当は椅子のふりをしてるタダの人間です」

男「バカかお前、無謀すぎる」

少女「ホント普通の人のくせに椅子になりたがるとか私に対する僭越行為」

少年「い・・・椅子女・・・」

少女「そこの人」

男「俺には俺っていう名前があってだな」

少女「今度こそ本物の椅子人間よ」

男「本物とかあったのか」

少女「さあ座って、一応言っておくけど私は高級な椅子だからウォシュレットなり洗濯流しなりでお尻を洗ってからにしてちょうだいね」

男(イキんなチクショォ!)

少女「座らないの?座らないんだったら私があなたに座ってあげてもいいのよ」

男(燃やしてぇ!)

何だかんだで椅子少女は消えた。

男「部屋が血まみれになっちまった」

少年「ああ・・・あ・・・」ガタガタ

男「もうこの部屋には住めない」

男「このアパートから逃げよう」

ピンポーン

<家賃払え!

男「あの声は大家だ!」

ガチャッ

大家「今すぐ払わないと俺の服の洗濯を全部お前に任せるぞ!」

大家「ハイ時間切れ!放り込んでおくぞ!」

男「?」

男「宣伝はしてないはずでは?」

大家「だが、ここに"クリーニング 男"の看板が立ってるじゃないか!」

男「何だってぇ!」

大家「さあ洗うんだ!俺の夢精したてのトランクスを!」

男「そっそれは自分で洗えよ!」

大家「早くしろ!」

男「ふえええええんママー!」

                             【完】

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