【デレマス×デジアド】P「アイドルとデジモンと」 (65)

関連SS
【デレマス×デジモン】二宮飛鳥「小さな冒険」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1432429881/)
【デレマス×デジアド】飛鳥「仲間との冒険」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1432728215/)


─都内・繁華街─

「……あれ? P君に千川さん?」

P「お? ……あぁ、タケルじゃねーか。こんばんは」

ちひろ「今晩は、高石君。今日はどうしてこちらに?」

タケル「はい、こんばんは。いやぁ、今日は久しぶりに『皆』と集まって遊びに行ってさ。今はその帰りなんだ」

P「そういや今日は8月1日だったっけ……って事は大輔や一乗寺も来てたのか?」

タケル「うん。別れたのはついさっき前だから、多分まだこの辺でブラブラしてると思うけど……呼んであげようか?」

P「あー……まあ、別にいいかな。あの馬鹿に俺とちひろが一緒にいる所を見られたら、色々とあらぬ噂を立てられそうだし」

P「あいつ、交友関係だけは無駄に広いからなぁ」

ちひろ「ふふふ……私は別に立てられてもいいんですけどね、あらぬ噂」

P「……あ、そう」

タケル「へぇ、千川さんって相変わらずP君にぞっこんなんだ。P君もいい加減に応えてあげればいいのにね?」

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1433200790

P「ガキの頃から一緒にいる相手と、今更男女の仲になれって言われてもな。何というかその、色々と照れくさいし……」

タケル「いい大人が何男子中学生みたいな事言ってるのさ。でもまぁ、そういう風に答えるって事は、結構まんざらでないと思ってるんでしょ?」

P「ま、そりゃな。何だかんだで一番気心の知れてる相手ではあるし……何より、俺には勿体無いくらいの美人だしな」

ちひろ「あらあら。そんなに褒めてもスタドリはまけませんよ?」

P「……これで金に汚くなけりゃ、完璧なんだけどな」

タケル「はは、そういう所も昔と変わらないんだね」

P「さて。まあここで会えたのも何かの縁だ。お前が良ければでいいんだが、折角だしこの後飲みにいかないか?」

タケル「僕は別に大丈夫だけど……良いの? 千川さん。デートの邪魔をする事になるけれど」

ちひろ「ええ。私も構いませんよ。私も高石君と久しぶりにお話がしたいですし」

ちひろ「……まあ、P君にはもう少し乙女心をわかって頂きたいとは思いますけどね」

P「…………ごほんっ」

P「それじゃあ、行こうか。……ああ、今回はこっちが誘う立場な訳だし、代金は俺が持つよ」

タケル「いやいや、幾らなんでもそれは悪いよ。と、言いたい所だけど……P君はこういうの一度言い出したら聞かないからねえ。ま、今回ばかりはお言葉に甘えようかな」

─ピアノバー・Unamela─

タケル「何だか良い雰囲気の店だね」

P「だろ? なんてったって、芸能界やら財政界やらの大物が贔屓にしてる店だからな」

P「765プロや961プロの社長もここの常連だったりするくらいだ。サービスの質に関しちゃ保証するよ」

タケル「へえ……ん? あれは」

「…………」

タケル「音無先輩?」

小鳥「…………」

タケル「あの人って今は765プロで事務員をやってるんだよね? どうしてここに?」

P「まー、色々あってな。たまにこの店で歌手として歌ってるんだよ」

BGM:花

タケル「……優しい歌声だ。音無先輩、ルックスもいいんだからアイドルになればいいのにね」

P「前にスカウトしようとしたらきっぱり断られたよ。本人としては、たまにこうやって歌えればそれで幸せなんだとさ」

ちひろ「あの、P君? 幾ら知り合いとはいえ、何で同業他社の社員を引き抜こうとしてるんですか?」

P「別にマジで誘った訳じゃねーよ。仕事の打ち合わせで765プロに行った時に、ちょっと冗談で言ってみただけさ」

P「ま、とりあえず乾杯しようぜ」

タケル「そうだね」

P「それじゃ、旧友との久方ぶりの再会と……そして、この世界を救った英雄達の記念日に、乾杯」

…………
………

タケル「そういえばさ」

P「うん?」

タケル「346プロのアイドルの中にも、パートナーがいる娘って結構いるんだよね?」

ちひろ「ええ。確か、データによると全体の4分の3くらいがパートナーデジモン持ちの筈ですね」

タケル「へえ、そんなに」

P「で、何だって急にそんな事を?」

タケル「実は、とある出版社から仕事の依頼が来ててね。何でも、『アイドル業界とデジモン』っていうテーマで一冊本を出すから、アイドルとそのパートナーデジモンにまつわるエピソードについて何本か記事を書いて欲しいんだとか」

P「ふむ……なるほど、な」

P「……とりあえず、明日になったら上に話を通してみるよ。ま、多分アイドル達(あいつら)が良ければオーケーって形になると思うけど」

タケル「ん、ありがとう」

タケル「それで、さ。出来ればこの場で、幾つか面白い話を見繕って欲しいと思うんだけど、ダメかな?」

タケル「お恥ずかしながら、締め切りまであんまり余裕がなくってさ。細かい部分は許可を貰えたアイドルから直接話を聞いて詰めていくとしても、とりあえず草案を早めに作っておかないと時間的にちょっと厳しいんだよね」

P「うーん、そういう事なら別に話してやってもいいけど……」

P「一応念を推しておくけど、本人から許可を貰えてないエピソードについて、勝手に記事にしたりはするなよな?」

タケル「わかってるって」

P「おう、それなら良い」

P「さてと。それじゃあまあ……『特にこのアイドルに関するエピソードについて聞きたい!』とか、そういうリクエストはあったりするか?」

タケル「そうだね……じゃあ、今話題のニュージェネレーションの三人で」

P「あー、ニュージェネか。あの三人はデレアニP……俺の後輩プロデューサーの担当アイドルだから、俺とはあんまり接点がないんだよな」

タケル「そうなの?」

ちひろ「でもP君、この前お酒の席でデレアニPさんから幾つか話を聞いてましたよね?」

P「ん、ああ。そういやそうだったな」

タケル「へぇ、どんな話?」

P「えっと、確か──……」

【ニュージェネレーション・渋谷凛の場合】

─ファイル島・竜の目の湖─


「はい、オッケーです! 凛ちゃんもブイドラモンもお疲れ様!」

凛「ふう……お疲れ様でした」

ブイドラモン「お疲れ様でしたー」



ブイドラモン
世代:成熟期
型:幻竜型
属性:ワクチン
成熟期の中でも特に強力な攻撃力を持つ、幻竜型デジモン。
必殺技は、口から高熱の熱線を放つ『ブイブレスアロー』だ。



「出来上がった写真は後で346プロさんの方に送るから、確認お願いね!」

「それじゃ、私は次の仕事があるからこれで! よし行くぞ、エアドラモン!」

…………
……

ブイドラモン→ブイモン「……あー……疲れたぁ……いやあ、写真を撮るのって意外と大変なんだね、凛……」



ブイモン
世代:成長期
型:小竜型
属性:フリー
小さい体に強い力を秘めた、古代種の血を引くデジモン。
必殺技はその石頭から繰り出される強烈な頭突き、『ブイモンヘッド』。



ブイモン「一度ポーズを決めたら暫くの間動かずにいなきゃいけないし……ああ、体のあちこちが痛い……」

凛「……大丈夫? ブイモン」

ブイモン「まあ、何とか……でも、やっぱりアイドルって凄いんだね。こんな大変な仕事を、殆ど毎日やってるってんだからさ」

凛「……まぁ、慣れれば案外何とかなるものだよ。……ブイモンも、きっとこれから一緒に仕事をする機会が増えてくるだろうし、今から少しずつ慣れていかないとね?」

ブイモン「うへぇ……」

凛「何にせよ、今日は本当にお疲れ様。……そうだ。確か今日はこれで仕事は終わりだし……ちょっとこの辺で遊んでから帰ろうか」

凛「さっきまでずっと窮屈な思いをさせちゃったから……ブイモンの気が済むまで付き合ってあげるよ」

ブイモン「本当か!? わーい! ありがとう、凛!」

凛「ふふ……お礼なんて別に良いのに。本当に良い子だよね、ブイモンは」頭ポンポン

ブイモン「へへっ!」

凛「で、何をして遊ぼうか」

ブイモン「うーん、と……じゃあ、泳ぐのはどう? 折角湖に来てるんだしさ」

凛「泳ぎか……撮影で使うかもしれない、って言われたから一応水着は持ってきてるけど……」

凛「……この湖って、確かシードラモンみたいな水棲デジモンが棲んでるんだよね? まさか、泳いでたらいきなり下からパクリ、なんて事になったりは……」

ブイモン「んー……多分、下手に刺激さえしなければあっちから襲いかかって来ることはないと思うよ?」

凛「……ふーん。ま、そういう事なら……いや、ごめん。やっぱり怖いから泳ぐのはなしでお願い」

ブイモン「えー? ……ま、しょうがないか。ぼくだって、シードラモンやホエーモンの餌になるのはごめんだしね」

ブイモン「むむむ……泳ぐのがダメとなると、一体何をして遊ぼうかな……」

クゥ…

ブイモン「…………」

凛「…………」

ブイモン「……まずは腹ごしらえしよっか?」

凛「……うん」

凛「とはいっても、折角デジタルワールドに来たのにロケ弁じゃなんだか味気ないよね……」

ブイモン「それじゃあ、魚とか果物とか採って食べようか?」

凛「……果物はともかく魚は無理じゃない? デジタルワールドに来る時は一応サバイバルセット一式を持ってくるようにしてるけど、さすがに釣具までは……」

ブイモン「大丈夫大丈夫。釣具がなくたって魚釣りは出来るよ」

凛「そうなの?」

ブイモン「うんっ」

ブイモン「ま、とりあえずちょっと浅瀬になってる所に行ってみようよ。やり方についてはそこで説明するからさ」


…………
………

ブイモン「ほら、あそこ……湖面から突き出してる岩があるじゃない?」

凛「うん」

ブイモン「で、ここにいい感じに大きな岩が落ちてます」

凛「うん」

ブイモン「そして、この岩をあの突き出してる岩に向かって投げつければ……その衝撃で魚達が気絶して、プカプカと湖面に浮いてくるって寸法さ!」

凛「……ふーん、そういう釣り方があるんだ……ブイモンって物知りなんだね」

ブイモン「ま、飛鳥や幸子のプロデューサーから借りた漫画の受け売りだけどねー」

ブイモン「それじゃ、早速……よいしょ……っと!」

凛「……大丈夫? ブイドラモンに進化しておいた方がいいんじゃない?」

ブイモン「だ、大丈夫……これくらい、成長期のままでもよゆ……うわっ」スッテンコロリン

ドボーン……

凛「ほら、だから言わんこっちゃない……ほら、捕まって」

ブイモン「うん……」

ゴゴゴゴゴ…

凛「……何? この音……」

ブイモン「というか、なんか地面が揺れてる……ような……」

ザバーン

「────!」

凛「あれは……」

ブイモン「……し、シードラモンだーっ!」



シードラモン
世代:成熟期
型:水棲型
属性:データ種
大蛇のような巨大な体を持つ成熟期の水棲デジモン。
必殺技は口から放たれる絶対零度の息吹で氷の槍を瞬時に作り出し、敵を貫く『アイスアロー』だ!



凛「頭に大きなタンコブが出来てる……ひょっとして、さっき投げた岩が上手い具合に当たっちゃったんじゃ……」

ブイモン「そ、そうみたいだね……」

シードラモン「────」(ギロリ

凛「……何だか、物凄くこっちを睨んで来てるんだけど……」

ブイモン「……う、うん」

シードラモン「────!」

ブイモン「! 危ない、凛!」

凛「っ!?」

ガガガガッ

凛「痛ぅ……ありがとう、ブイモン」

ブイモン「お礼は後だよ! 今はあいつをなんとかしないと……!」

凛「……そうだね。元々悪いのはこっちなんだし、攻撃するのは気が引けるけれど……だからって黙ってやられる訳にはいかないから!」

凛「ブイモン、進化だよ!」

ブイモン「ああ!」

BGM:Brave heart

ブイモン「ブイモン、進化!」

ブイモン→ブイドラモン「ブイドラモン!」

凛「倒したらダメだよ、ブイドラモン! とりあえず追い払うだけでいいからね!」

ブイドラモン「わかってる! ……いくぞ、シードラモン!」

ブイドラモン「ブイブレスアロー……出力抑えめ!」

ドォン!

シードラモン「────!」

ブイドラモン「よし、怯んだ! 今の隙にもう一発……!」

凛「! 待って、ブイドラモン!」

ブイドラモン「え? う、うわぁっ! し、尻尾で絡め取られた……!」

シードラモン「────!」

凛「……こいつ、ブイドラモンを湖に引きずり込むつもりだ!」

ブイドラモン「くっ……だけど……! 力勝負で、ぼくに勝てると思うな──!」ブゥンッ

シードラモン「────!?」

ドシィンッ…

ブイドラモン「……これで、終わりだっ!」

ドゴォ

シードラモン「────」

シードラモン「」ガクッ

凛「……終わった?」

ブイドラモン「……みたいだね」

凛「…………」

ブイドラモン「…………」

凛「……とりあえず、お詫びの意味も込めて食べ物でも近くに置いておこうか」

ブイドラモン「……うん。さっきシードラモンを投げ飛ばした時の衝撃で、魚もプカプカ浮いてきてることだしね……」



その後、目を覚ましたシードラモンだが、当然魚をお供えされたからといってその怒りが収まる筈もなく……
それから彼は三日三晩暴れ回り、その間竜の目の湖はデジモンも人間も近寄れない魔境と化したそうな。


…………
………

タケル「へぇ、そんな事が……」

P「ちなみにこれがその撮影の時の写真」

タケル「ふむ。コンセプトは姫騎士とその相棒の蒼竜って所かな?」

P「おう、デレアニPの話によるとそんな感じらしいな」

タケル「しかし、竜の目の湖か」

ちひろ「そういえば、高石君達にとっては色々と曰くつきの場所ですね」

タケル「うん。なんてったって、デジタルワールドで初めて夜を明かした場所だし。パタモン達との最初の別れの舞台でもあるしね」

タケル「ひょっとしてそのシードラモン、太一さんが怒らせたのと同じ個体だったりして」

P「そりゃどうだろうな。あれからもう十何年も経ってる訳だし、もうとっくにメガシードラモンあたりに進化してるんじゃないの?」

タケル「はは、それもそうか」

タケル「……でもこれ、雑誌に載っけるのはちょっとダメな話な気がするなぁ」

ちひろ「アイドルがガッチン漁法を敢行しようとした上に野生のデジモンに怪我をさせただなんて、どう考えてもマイナスイメージにしかなりませんからね」

ちひろ「これをやらかしたのが凛ちゃんじゃなくって麗奈ちゃんあたりだったら特に問題はなかったんですけど」

ちひろ「というか……話を聞く限りだと、元凶の元凶はブイモンにその漫画を貸したP君になるような……」

P「いや、だって……まさか漫画の真似を実際にやらかすとは普通思わないじゃん?」

タケル「まあ、とにかくこの話は没って事で」

P「異論なし」

ちひろ「同じく」

P「んじゃ、次は……そうだな。ニュージェネレーションの元気担当、本田未央の話でもしようか」

今回はここまで

ちゃんみおのエピソードに関しては大体構想がまとまってるけど、しまむー編をどうしたもんか苦悩中

【ニュージェネレーション・本田未央の場合】


─サーバ大陸・海崖エリア─

未央「うーん……今日は本当にいい天気だなーっ!」

未央「こういう日差しの気持ちいい日は、特に行くあてもなくそこら辺をぶらぶらと歩いて回るに限るっ!」

未央「ね、ギルモン!」

ギルモン「そうだな……」



ギルモン
世代:成長期
型:爬虫類型
属性:ウィルス
その幼さの残る外見の中に並々ならぬ凶暴性を秘めた、赤い体色の爬虫類型デジモン。
必殺技は口から吐き出す火炎弾『ファイアーボール』だ。



ギルモン「まあ、確かに散歩するには良い日ではあるか。……オレとしては、こういうカラっと晴れた日はのんびりと寝て過ごすのが一番だけど……ふあぁ」

未央「ちょっとちょっと、歩いてる途中で寝ちゃわないでよ?」

ギルモン「幾らなんでもそこまで抜けてないよ……未央の護衛だってしなきゃいけないしな」

未央「へへっ……頼りにしてるよ、ギルモン」

ギルモン「おう、任せとけ」

ギルモン「ところで……さっきは『特に行くあてもなく』なんて言ってたけど、実際の所は行き先にある程度目星は付けているんだろ?」

未央「まーねー。今回は初めてのサーバ大陸来訪な訳だし、まずはとりあえず手頃なコロモンの村でも目指してみるつもりだよ」

ギルモン「コロモンの村?」

未央「その名前の通り、コロモンが沢山いる村だよ。話によると、ここから半日くらい歩いた所にあるみたい」

ギルモン「……半日……あの、ペンペン草一本生えてない岩地の中をか?」

未央「うん、そうだよ?」

ギルモン「……やっぱ帰っていいか?」

未央「だーめ」

ギルモン「ですよねー(゚¬゚*)」



…………
………

─サーバ大陸・岩地エリア─

未央「いやぁ、予想はしてたけどすっごく暑いねぇ。念のために帽子を持ってきておいて正解だったよ」

ギルモン「と言うか、さっきから変わり映えしない風景がずっと続いてるんだが……オレ達は本当にコロモンの村に向かって歩いているのか?」

未央「あー、うん。多分?」

ギルモン「……おい」

未央「冗談冗談。ま、少なくとも方向はこっちで合ってるはずだよ」

ギルモン「なんかイマイチ信用できないな……」

ギルモン「……ん?」ピク

未央「? どしたの?」

ギルモン「…………」クンクン

ギルモン「未央、あそこ」

未央「えっ? ……あっ。ちっちゃいデジモンが倒れてる……」

ギルモン「あれは……コロモンみたいだな」

コロモン
世代:幼年期Ⅱ
型:レッサー型
属性:-
ボタモンと呼ばれる幼年期デジモンが成長した姿。
戦闘能力は持たないが、口からアワを吐いて敵を威嚇するぞ。



未央「……この子、怪我してるね」

ギルモン「ああ。……ひょっとしたら、そのコロモンの村とやらで何か起きたのかもしれない」

未央「何かって……もしかして、他のデジモンが攻め込んで来たとか?」

ギルモン「さあ、そればっかりは実際に確かみてみない事にはな」

コロモン「う……」ピク

コロモン「ここは……」

ギルモン「……目が覚めたみたいだな」

コロモン「きみたちは……?」

未央「私は未央。本田未央だよ。それで、こっちが……」

ギルモン「パートナーのギルモンだ。よろしく頼む」

コロモン「パートナー……ということは、きみは選ばれし子供なの?」

未央「んー……まあ、一応ね」

未央「そんな事より……何で君はこんな所で倒れてたの? 良ければ事情を教えてくれないかな?」

コロモン「えっと……何時間か前の事なんだけど……」

コロモン「コロモンの村……ぼく達の住んでた村に怖いデジモンがいきなり現れて、暴れ回って村をめちゃめちゃにしちゃったんだ」

コロモン「それで、ぼくは村から抜けだして、途中ほかのデジモンに襲われたりしながら何とかここまで逃げて来たんだけど……」

ギルモン「ちょうどここで力尽きてしまった、って事か」

コロモン「うん……」

未央「…………」

未央「……よし、わかった。その怖いデジモンとやら……私とギルモンの手で追い払って進ぜよう!」

コロモン「えっ? ほ、本当に?」

未央「もちのロンだよっ! コロモンの村には元々行くつもりだったし……こんな小さい子達をいじめるような悪いやつ、放ってはおけないもんね!」

ギルモン「ああ」

コロモン「…………」

コロモン「……ありがとう……えっと、ミオ……それに、ギルモンも」

ギルモン「何、気にすることはないさ。オレ達が好きでやってることなんだしな」

未央「そうそうっ!」

未央「さて、と……こうなったらもう、歩いて半日なんて悠長な事を言ってる場合じゃないよね!」

未央「それじゃあ行くよ、ギルモン!」

ギルモン「……おうっ!」

BGM:Brave heart

ギルモン「ギルモン、進化──!」

ギルモン→グラウモン「──グラウモンっ!」



グラウモン
世代:成熟期
型:魔竜型
属性:ウィルス
ギルモンが進化した、『深紅の魔竜』の異名を持つ魔竜型デジモン。
必殺技は轟音と共に強力な炎を放つ『エキゾーストフレイム』だ!



コロモン「ギルモンが進化した……って、うわ!?」ヒョイッ

未央「よっこら……しょっと!(コロモンを抱きかかえながらグラウモンの頭の上に飛び乗る)」

未央「よし、準備オーケー! 出発していいよ!」

グラウモン「わかった。……少し揺れるかもしれないが、我慢してくれよ!」カカカカッ

未央「おっとっと……それじゃあコロモン。村までの案内、よろしくお願いね?」

コロモン「……うんっ!」



…………
………

─コロモンの村─

コロモン「……zzz」

未央「ここがコロモンの村かぁ。外から見た感じ、特に何が起きてるって訳じゃなさそうだけど……」

グラウモン「…………(クンクン」

グラウモン「……コロモンとは違うデジモンの匂いがするな」

グラウモン「とりあえずオレが先に行って様子を見てくるよ。未央はコロモンを連れて、隠れながら着いて来てくれ」

未央「ん。わかった。頑張ってね、グラウモン!」

グラウモン「ああ、任せろ」



…………
………

「…………(モグモグ」

「……まずっ!(ペッ」

「こんなまずいもん食えるかっ! おら、さっさと別の食いもんを用意しやがれっ!」

「もしも今みたいなまずいもんよこしやがったら、承知しねえからな!」

コロモンB「は、はいっ!」

「ったく……」

「おい! 誰か口直しの水を持ってこい! 今すぐにだ!」

コロモンC「は、はい……ただいま……うわっ!」ドンガラガッシャーン

ビシャァツ

「…………」グッショリ

コロモンC「あ、あの……その……」

「てめえ、よくもやりやがったな──!」

コロモンC「ひっ……!」



「──エキゾーストフレイム!」



「お? う、うわぁぁあち、あちぃぃぃぃぃぃっ!」ゴロンゴロン

「ぐぐぐ……誰だ! いきなり不意打ちなんて汚え真似しやがって!」

グラウモン「ふん……幼年期のデジモンの村を襲って好き勝手やってる奴が、よくもまあそんな台詞を吐けたもんだな。なあ、フーガモン?」

フーガモン
世代:成熟期
型:鬼人型
属性:ウィルス
東洋の鬼のような姿をした、成熟期デジモン。
必殺技は、いつも持っている「ホネこん棒」を振り回し敵をなぎ倒す『イビルハリケーン』だ!



フーガモン「ああん? 最近はパートナーがどうとか抜かす腑抜けたデジモンが増えてきたが、デジタルワールドは所詮弱肉強食の世界よ。弱いデジモンが強いデジモンに従うなんて、当然の事だろうが」

グラウモン「……ま、それも一理あるな」

フーガモン「だろう? へへ、お前もなかなか話が解るじゃ──」

グラウモン「プラズマブレイド!」ブゥン

フーガモン「うおあっ! てめえ、何しやがるっ!」

グラウモン「何って……弱いデジモンが強いデジモンに従うのは当然の事なんだろ?」

フーガモン「……なるほど、そういう事か。面白え!」

フーガモン「この俺様に喧嘩を売ったんだ、タダで帰れると思うなよ!」

フーガモン「イビルハリケーンっ!」ゴオッ

ガキィン

フーガモン「なにぃっ!?」

グラウモン「……それで終わりか?」

フーガモン「ぐぅ、小癪な……!」

グラウモン「今度はこっちの番だ!」ガシッ

フーガモン「う、おぉっ!? な、投げ飛ばされ──」フワッ…

ドシィンッ…

フーガモン「ぐ、う……」

グラウモン「これで、トドメだ──エキゾースト……」

フーガモン「待て、待ってくれ! 俺様の負けだ! 降参するから!」

グラウモン「……この村から大人しく出ていくか?」

フーガモン「出てく、出てくよ……!」

グラウモン「そうか……なら、いい」

フーガモン「………」

フーガモン(……くく、とんだ甘ちゃんだぜ。このまま、隙を見せた所で寝首を掻いてやる……!)

未央「おーい、グラウモーン!」トテテテ

グラウモン「……未央か?」

フーガモン(よし、今……だ……?)

フーガモン(……ん? あの人間は……)

未央「大丈夫? 怪我してない?」

グラウモン「ああ、大丈夫だ」

未央「よかったぁ……それで、あのデジモンが?」

グラウモン「ああ。この村で暴れ回っていた張本人だ」

フーガモン「…………」

未央「……何か、様子がおかしくない?」

グラウモン「ああ。何故か、未央の事をじっと見てるな」

フーガモン「未央……? まさか、ニュージェネレーションの……本田未央ちゃん!?」

未央「え? そうだけど……それが一体どうしたの?」

フーガモン「────!」バッ

未央「うわぁ!?」

グラウモン「こいつ、まだ動けたのか!」

未央「──っ!」

グラウモン「逃げろ、未央──!」

フーガモン「──すいません! サインオネシャスっ!」

未央「へ?」

グラウモン「は?」

未央「……さ、サイン?」

フーガモン「うぃっす! 俺様……いえ、私、ずっと未央ちゃんのファンだったんす!」

フーガモン「CDも全部買って聴いてます! うすっ!」

未央「あ、ありがとう」

未央「うーん、でもなぁ……」

未央「幾ら私のファンとは言っても、弱いものいじめをしちゃうようなデジモンにサインを書くのはちょっとねぇ……」

フーガモン「────ぇ」

未央「うーん、どうしよっかなー……」

フーガモン「わ、わかりました! これからは心を入れ替えます! もう弱いものいじめもしません! だから……」

未央「本当の本当にー?」

フーガモン「本当の本当にっ!」

フーガモン「この──」ゴソゴソ

フーガモン「本田未央ちゃんファンクラブ・デジタルワールド支部、会員番号1番の名に掛けてっ!」

グラウモン(そんなものがあったなんて初耳なんだが)

未央「ふーむ……よし、その心意気、買った!」

フーガモン「! じゃ、じゃあ──!」

未央「うん、サイン書いたげるよ。えっと、色紙とかは……」

フーガモン「あ、このホネこん棒に書いてください! しゃっす!!!!!!」

グラウモン(……おいおい。それって、お前の大切な得物と違うんか)

未央「オーケーオーケー……えーっと……これでよし、っと」

フーガモン「あざっすっ!!!!」

未央「それじゃあ、もう悪いことをしては駄目だぞ!」

フーガモン「はいっ! このサインに掛けて!!!」


その後、本当に心を入れ替えたフーガモンはまるで別人のように真面目になり、
今ではコロモンの村の門番として、コロモン達と仲良く過ごしているそうだ。

今回はここまで

次回はしまむー編、の予定
なおパートナーは何とか決まったものの相変わらず話のネタは浮かんで来ない模様

【ニュージェネレーション・島村卯月の場合】


─346プロ・玄関ホール─

未央「うわー……すごい雨……」

凛「天気予報でも午後から雨になるって言ってたけど、まさかここまで激しくなるなんてね……」

卯月「そうですねー……私も一応折りたたみ傘を持ってきたけど、これじゃあ差してもすぐびしょ濡れに……」ゴソゴソ

卯月「…………」

凛「……どうしたの?」

卯月「傘……家に置いてきちゃいました……」

凛「……あー」

未央「それは、何というか……ご愁傷様?」

卯月「あ、あはは……」

凛「まあ、忘れちゃったんならしょうがないよね……とりあえず、私の家までは一緒に入れてあげるよ」

卯月「え? そんな、悪いですよ! そんなことしたら凛ちゃんまで濡れちゃいます!」

凛「この雨じゃ、一人で使っても二人で使ってもどの道ずぶ濡れだよ。……私は別に、髪や顔さえ濡れなければそれでいいからさ」

凛「家についたら折りたたみじゃない傘を貸してあげるから、明日ちゃんと返してよね」

卯月「う、うん……ありがとう、凛ちゃ──」



「おーい、卯月ー!!」


卯月「……ふえ?」

未央「この声は……」

卯月「……ドルモン?」



ドルモン
世代:成長期
型:獣型
属性:データ種
額に旧式のインタフェースを備えた獣型デジモン。
必殺技は、口から鉄球を放つ『メタルキャノン』だ。



ドルモン「よかったぁ、行き違いにならなくって……あ! こんばんは、凛! それに未央も!」

凛「こんばんは」

未央「こんばんはー。いやー、相変わらずドルモンは元気いっぱいだねえ!」

ドルモン「へへっ! それだけがボクの取り柄だからねっ!」

卯月「それにしても、どうしたの? こんな雨の中……」

卯月「あっ……ひょっとして、私の傘を届けに来てくれたの?」

ドルモン「うん!」

卯月「そっか……ありがとう、ドルモン」ナデナデ

ドルモン「どういたしまし……へくちっ!」

卯月「だ、大丈夫?」

凛「……とりあえず、まずはそのびしょ濡れの体を何とかしないとね? ……未央」

未央「アイアイサー! こちらにまだ使っていないタオルを用意してございます! はい、しまむー!」

卯月「ありがとうございます、未央ちゃん!」

卯月「ほら、ドルモン。体を拭いてあげるからこっちにおいでー」

ドルモン「はーい」

卯月「~♪(アタシポンコツアンドロイド」

ドルモン「ん……」ゴシゴシ

卯月「……これでよし、と」

卯月「もう動いて大丈夫だよー」

ドルモン「ふぅ……さっぱりしたー」ブルブル

凛「終わった? じゃあ、帰ろうか」

卯月「はい!」

ドルモン「うんっ!」


…………
………

─Flower Shop:SHIBUYA 前─



凛「それじゃ、また明日ね」

卯月「はい! おやすみなさい、凛ちゃん!」

ドルモン「おやすみー!」

凛「ふふ……おやすみ、二人とも。気をつけて帰ってね」

卯月「…………」

卯月「……ふぅ」

ドルモン「……ねぇ、卯月……事務所を出てからずっとボクの事を抱っこしてるけど……重くない?」

卯月「え? ……ああ、それなら大丈夫! 私、こう見えても結構力があるし……それに、ドルモンをまたびしょ濡れにさせちゃう訳にもいかないからね」

ドルモン「ボクは別に濡れても大丈夫だって言ってるのに……」

卯月「駄目だよー? 風邪とか引いちゃったらどうするの?」

ドルモン「むぅ……ほんと心配性なんだから、卯月は──」



ズゥンッ!


「「!?」」

卯月「……何? 今の音……」

ドルモン「多分……何か大きな物同士がぶつかり合った音……だと思う」

卯月「……もしかして、交通事故!?」

ドルモン「わからない……でも、もしもそうだったら……」

卯月「っ……行こう、ドルモン!」

ドルモン「わかった!」

…………
………

─裏通り─


卯月「確か、音がしたのはこっちの方だった筈だけど……」

ドルモン「……! 見て、卯月!」

卯月「え? ……」

卯月「あれは……モノクロモン?」



モノクロモン
世代:成熟期
型:鎧竜型
属性:データ種
重戦車のような堅牢な体と、大きな角を持ったデジモン。
見た目に反して温厚な性格をしているが、一度怒らせるとその怒りはしばらく収まることをしらないぞ!
必殺技は強力な火炎弾『ヴォルケーノストライク』だ!



ドルモン「それに……ほら、あそこ……」

卯月「……トラックが倒れてる……それじゃあ、さっきの音は、トラックとモノクロモンがぶつかった時の……!」

ドルモン「みたいだね。あのモノクロモン、なんだかもの凄く怒ってるみたいだし……」

モノクロモン「────!!」

卯月「あの子……誰かのパートナーなのかな」

ドルモン「どうだろう……見た感じ、この辺りにはボク達と、トラックの中で伸びてる運転手さんしかいないみたいだし」

ドルモン「多分、何かの拍子でこっちに迷い込んできた、野生のデジモンだと思う」

卯月「それなら、なんとかしてデジタルワールドに帰してあげないと……!」

ドルモン「うん。……とは言っても」

モノクロモン「────!」ドスンドスン

ドルモン「あんなに暴れてたら、近づくこともできないね……」

卯月「どうしよう……運転手さんだって早く助けなきゃいけないのに……」

ドルモン「…………」

ドルモン「……卯月、ボクを進化させて」

卯月「えっ……? で、でも……」

ドルモン「大丈夫、モノクロモンに怪我をさせるつもりはないよ。ちょっと頭を冷やしてあげるだけだから」

卯月「そ、そうじゃなくって……いや、それもそうだけど……もしもドルモンの身に何かあったら……っ!」

ドルモン「……ほんと、卯月は心配性だなあ」

ドルモン「大丈夫だよ、卯月。だって、ボクは君のパートナーなんだから……卯月を悲しませるようなことは絶対にしないよ」

ドルモン「……信じて」

卯月「……っ」

卯月「……わかった。……お願い、ドルモン! モノクロモンを止めて!」

ドルモン「任せて、卯月! うおおおおおっ!」

BGM:Brave heart

ドルモン「ドルモン、進化ぁぁぁぁぁぁ!」

ドルモン→ドルガモン「ドルガモンッ!」



ドルガモン
世代:成熟期
型:獣竜型
属性:データ種
獣の獰猛さと竜の知性を両方兼ね備えた獣竜型デジモン!
必殺技は、口から放たれる大型の鉄球で敵を破砕する、『パワーメタル』だ!



ドルガモン「どりゃあああっ!」

ドゴォツ

モノクロモン「────!」

ドルガモン「っ……堅いっ……!」

モノクロモン「────!!」

ドルガモン「うわっ……! っと、危ない危ない……!」

卯月「! ドルガモン、大丈夫!?」

ドルガモン「何とかね……とりあえず、ボクがこいつの相手をしている間に、卯月は運転手さんを!」

卯月「うん! 気をつけてね、ドルガモン!」カカカカッ

ドルガモン「さて、と……キミの相手はこのボクだ! どこからでも掛かってこい!」

モノクロモン「────!!」


…………
………

モノクロモン「…………」

ドルガモン→ドルモン「……ふぅ。疲れたぁ…」

卯月「おーい、ドルモーン!」

ドルモン「あ、卯月! 運転手さんは?」

卯月「気は失ってたけど、息はしてたから多分大丈夫だと思うよ。とりあえず救急車も呼んだし、あとはこの子をデジタルワールドに帰してあげれば──」

モノクロモン「…………」ピクッ

モノクロモン「……────!!」

ドルモン「うわっ! ……こいつ、まだ動けるの!? 卯月、もう一回ボクを進化させ──」

卯月「…………」

ドルモン「……卯月?」

卯月「…………」

ドルモン「ちょっと、卯月! 近づいたら危ない……って……」

卯月「……大丈夫だよ、落ち着いて」サスサス

モノクロモン「──……?」

卯月「……急に知らない所に飛ばされたせいで心細くなって……それで、ちょっと気が立ってただけなんだよね?」

卯月「大丈夫。私達がちゃんと元いた場所に帰してあげるから……」

卯月「今はじっとしてて、ね?」大天使スマイル

モノクロモン「…………」

モノクロモン「…………」コクッ

ドルモン「凄い……モノクロモンがあっという間に大人しくなっちゃった」

ドルモン「…………」

ドルモン「……これ、ボクが戦う必要あったのかなぁ?」

卯月「勿論だよ。ドルモンが戦ってくれなかったら、こうやって近づくことも出来なかっただろうから」ナデナデ

モノクロモン「~♪」

卯月「……とりあえず、ゲートを開けてこの子をデジタルワールドに送ってあげないとね……あ、ドルモン。ちょっと私の鞄から携帯を出してくれるかな?」

ドルモン「ん、わかった」ゴソゴソ

ドルモン「はい、出したよ」

卯月「ありがとう。……ごほんっ! ……デジタルゲート、オープン!」

(スマホの画面にデジヴァイスをかざす)

卯月「それじゃあ、元気でね。モノクロモン」

ドルモン「さっきは乱暴なことをしてごめん! ……縁があったらまた会おうねっ!」

モノクロモン「~♪」シュウンッ

卯月「…………」

ドルモン「…………」

卯月「ふぅ……お疲れ様、ドルモン。……結局、またびしょ濡れになっちゃったね」

ドルモン「だから、これくらいどうってこと……へくちっ」

卯月「…………」

卯月「ふふっ……お母さんに頼んでお風呂を炊いて貰っておくね」

ドルモン「…………お願いします」

しまむー編おわり
かなり間が空いてしまった上に出来も微妙で本当に申し訳ない

これも全部Splatoonってゲームのせいなんだ

あ、次は多分142's編かレイナ様編のどっちかになると思います

【カワイイボクと142’sの場合】


────それでは、今回のユニット曲の作曲は、星さんのパートナーである貴方が担当したという事ですか?

ドラクモン「フヒヒヒ……ああ、その通りだ」


ドラクモン
世代:成長期
型:アンデッド型
属性:ウィルス種
いたずら好きなアンデッド型の吸血デジモン。
必殺技は、両手のひらの邪眼で相手を魅了する『アイオブナイトメア』だ。


輝子「フヒ……その昔、ドラクモンがうちに来たばかりの頃、私のコレクションのCDを聴かせたら私以上にドハマりしちゃいましてね……」

────なるほど……それで、趣味が高じて作曲もするようになった、と。

ドラクモン「フヒヒヒ……今回みたいな騒がしくない普通のポップス曲を作ったのはこれが初めてだけどな」

小梅「ど、ドラクモンは……いつもは、輝子ちゃん専属の作曲家さん……だもんね」

幸子「ですから、彼が今回作曲を担当すると聞いた時は、正直ちょっと不安だったんですよね。ひょっとしたら、輝子さんが普段歌っているようなハードなロック調の曲を歌わされるんじゃないかと思いましたから」

幸子「まあ、ボクにかかればどんなジャンルの曲だって見事に歌いこなしてみせますけどね!」

ドラクモン「フヒヒヒ……ま、こういうのもいい経験さ。いつまでも同じような曲調の曲ばっかり作ってたら、芸術家(アーティスト)としての成長は望めねえからな」

インプモン「おおっと、インタビュアーさんよぉ。ドラクモンだけじゃなくて、このオレ様にも注目して貰わなきゃあ困るぜ」


インプモン
世代:成長期
型:小悪魔型
属性:ウィルス種
子どもの悪魔のような姿をした成長期デジモン。
暗黒の炎で敵を攻撃する『ナイト・オブ・ファイアー』が必殺技だ。


────おっと、これは失礼しました。インプモンさんは白坂さんのパートナーとのことですが、今回の曲には一体どのような形で関わっていたのでしょうか?

インプモン「ミュージックビデオの演出の手伝いをちょこっとな。オレ様の将来の夢は世界で初めてのデジモンホラー映画監督だから、今からその勉強をさせて貰ってるって訳よ」

────ホラー映画監督……ということは、インプモンさんもドラクモンさんと同じように、パートナーのご趣味の影響を強く受けていらっしゃるのですか?

インプモン「まあ、そうだな。初めて小梅にホラー映画を見せて貰った時は本当に驚いたぜ……まさか、この世にイタズラよりも面白いものがあるとは思いもしなかったからよ」

小梅「そういえば、インプモンが家に来てすぐの頃は……毎日、イタズラばっかりしてた……よね?」

小梅「一度ホラー映画を見せてからは……イタズラそっちのけで、私と一緒に……映画を見るように……なったけど……」

インプモン「……おいおい、やめてくれよ。そんな昔の話をほじくり返すのはさ……いやまあ、本当のことなんだけどさ」

────(笑) ところで、輿水さんのパートナーであるバクモンさんは、ドラクモンさん達のように、曲の制作に何らかの形で携わっていたのでしょうか?

バクモン「…………」

────バクモンさん?

バクモン「…………スピー……スピー……」

幸子「ちょ、ちょっとバクモン! 何インタビューの途中で爆睡してるんですか!」ペチペチ

バクモン「…………? …………あぁ、おはよう、幸子…………そして、おやすみ」

幸子「おやすみ、じゃないですよ! いい加減起きてくださいってば、もう!」ペチペチペチペチ

インプモン「……しゃーねえからバクモンの代わりにオレ様が答えるけどよ、こいつはジャケ絵とPVの撮影に参加した以外は今回マジで何もやってねーぞ?」

ドラクモン「フヒヒヒッ……それどころか、その唯一の仕事である撮影の最中ですら隙あらば居眠りを決め込もうとしてたっけなぁ?」

インプモン「ぶっちゃけ、怠惰さに関しちゃどこぞのニートアイドルすら上回るレベルだよな、こいつ。あっちは何だかんだで貰った仕事は文句言いつつも真面目にこなしてるようだし」

バクモン「ん…………何だか、皆が私の悪口を言ってる気配がする…………けど、まあいいや…………スピー…………」

幸子「だから、もうっ!」ペチペチペチペチペチペチペチペチ

────あははは……では、時間も押していますので、142’sのお三方から最後に一言ずつお願いできますか?

幸子「あ、はい。えっと、今回はこのユニットで出す初めてのCDになる訳ですが、ボクのカワイイ歌声に聞き惚れて、小梅さんと輝子さんの歌声が全然耳に入らなかった……なんてことにならないように気をつけてくださいね!」

輝子「こ、今回の曲は私がいつも歌ってるのとは大分感じが違うから、多分私のファンの人達は色々と違和感を覚えるかもしれないけど……私の新しい一面ってことで、暖かく受け止めて欲しいぞ……フヒ」

小梅「え、えと……こ、このCDは、私達三人と、そのパートナー達みんなの力を合わせて……で、できたCDだから……できるだけ沢山の人に聞いてもらえたら……う、嬉しいな」

インプモン「パートナー達みんな……括弧バクモンは除く括弧閉じ」

ドラクモン「フヒッ……違いねぇ!」

バクモン「……スピー……スピー」

────(苦笑) それでは、今回は皆さんお忙しい中、インタビューにお答えいただきありがとうございました。

全員「ありがとうございました!」

バクモン「……スピー……スピー」

…………
………


P「……ってな感じでインタビューの練習をしたのはいいんだけど、本番のインタビューは結局先方の都合でポシャっちまったんだよなぁ」

タケル「ということは、この内容は僕が原稿のネタとして使ってもいいってことだね」

P「おう。どうせその内何らかの形で発信するつもりではいたし、丁度良い機会っつーことで」

P「ちなみにこれがそのCDのジャケ写な」

(142’sの三人が、成熟期に進化したそれぞれのパートナーと一緒に、パートナーをモチーフにした衣装を着て写っている)

タケル「……ダルクモンにサングルゥモン……それに……ウィザーモン、か…………」


サングルゥモン(進化元:ドラクモン)
世代:成熟期
型:魔獣型
属性:ウィルス種
デジタルワールド創世記の頃から生き残っていると言われている、吸血狼デジモン。
幾多もの小型ブレードを発射する必殺技『スティンガーブレード』で、敵対する相手をあっという間に串刺しにしてしまうぞ。


ウィザーモン(進化元:インプモン)
世代:成熟期
型:魔人型
属性:データ種
炎と大地の魔術を極めた、高位の魔人型デジモン。
呼び出した雷雲から強烈な稲妻を放つ『サンダークラウド』という必殺技を扱うことができる。

P「……タケル?」

タケル「……ああ、ごめん。ウィザーモンの姿を見てたら、その……」

ちひろ「……そういえば、高石君にとっては色々な意味で印象深いデジモンでしたね」

P「あー……」

P「……なんか、すまん。無神経な真似、しちまったな」

タケル「ははは、気にしないでよ。あれからもう十年以上経ってるってのに未だに吹っ切れてない僕が悪いんだからさ」

タケル「そんなことよりも、他のアイドルのエピソードについてもっと聴かせて欲しいな」

P「…………おう」

P「……じゃあ、次は──……」

今回はここまで

次からはもっと早いペースで投稿していきたい(投稿できるとは言ってない)

このSSまとめへのコメント

このSSまとめにはまだコメントがありません

名前:
コメント:


未完結のSSにコメントをする時は、まだSSの更新がある可能性を考慮してコメントしてください

ScrollBottom