エレン「おい馬面野郎!」ジャン「……」イラッ(14)

エレン「おい、聞いてんのか馬面野郎!」

ジャン「うるせぇな、この死に急ぎ野郎! 何だよ!」

エレン「は? 別にお前の事じゃねぇし。返事したって事は馬面の自覚あんの?」

ジャン「……」イライラ

エレン「おい、馬面!」

ジャン「……」

エレン「おい、お前だよジャン! お前以外にいないだろ!」

ジャン「うるせぇぞ! この悪人面! 何だよ一体!」

エレン「いや、呼んだだけだ。馬の顔のように長い顔してるのって、お前ぐらいのもんだろ?」

ジャン「……」イライラ

エレン「馬面~♪ 馬面~♪ 馬の顔のように長い顔~♪」

ジャン「……」イライラ

ベルトルト「……」ドキドキ

アルミン「……」チラッ

ベルトルト(どうしよう……。エレンがジャンを馬面って馬鹿にするたび自分の事かと思って一瞬ハッとする)

ハンナ「……」ジーッ

ベルトルト(というか実際、何人かは僕のほうを見てる気がする)

エレン「馬くせぇから別の場所に行ってもらいたいぜ全く……」

クリスタ「……」

エレン「あぁ臭い。誰かさんのせいで馬の糞みたいな臭いがしてたまらねぇ!」

ジャン「……」ムカムカ

クリスタ(どうしよう……たぶん私が原因だ)

エレン「おい馬面! 聴こえてんだろ!! マジで臭ぇから、ちゃんと体洗って来いよ」ダンッ!!

ベルトルト「!?」ビクゥ

クリスタ「!?」ビクゥ

ベルトルト「ご、ごめん。体調が悪いから、ちょっと部屋に戻ってるね」

クリスタ「わ、私も……」

フランツ「……」

マルコ「……」

エレン「はぁ……。鼻が麻痺したのか臭いはマシになったけどイライラして仕方ねぇ」

ジャン「そうかよ、ならもう良いだろ。あんま絡んで来るんじゃねぇよ」ビキビキ

エレン「チッ……誰かさんのせいで空気も気分も最悪だな。俺も部屋に戻るか」

アルミン「……」

ミカサ「……」

別の日

エレン「あぁ~。どこかの馬面のせいでイライラする。誰とは言わないけど死ねば良いのに」

ジャン「……」イライラ

エレン「あぁ、馬面のヤツ殺してやりてぇ」


ライナー「……なぁ、お前エレンに何かしたのか? まさか正体に気付いてはないと思うが……」

ベルトルト「えっ!? 僕??」

ライナー「あ、あぁ。アレはジャンに言ってるのか。スマンな」

ベルトルト「……最近エレンはジャンの事をそう呼んでるみたいだね。エレンだけだけど」

ライナー「そうか」

エレン「馬面だと臭いまで馬の臭いになるんだな。近くにいるとすぐ分かるぜ」

ジャン「……」ムカムカ

クリスタ(もうちょっとエレンから離れとこう)

エレン「あぁ~。本当! マジで平気でいられる神経を疑うぜ。やっぱ普通の人間とはちょっと違うのか?」

クリスタ「……っ」スタスタ

ジャン「マルコ、俺ちょっと移動するわ」

マルコ「ん? あ、あぁ……そうか。そうだな」

エレン「離れただけじゃ解決しねぇのにな~。近くにいるヤツ可哀想~」

マルコ「……」

アルミン「……」

また別の日

エレン「はぁ、また馬面野郎がいるよ……事故でも起こして死ねば良いのに」

ジャン「てめぇ! いい加減にし

ベルトルト&クリスタ「いい加減にしろよ!!」

エレン「えっ……?」チラッ

ジャン「……??」

エレン「あ、あぁ。そうだよな、やっぱジャンはウザイよな」

ベルトルト「ウザイのは君だよ! 見た目を悪く言うのはよくないよ」

クリスタ「それにジャンは臭くないよ!!(多分それは私だ)」

ジャン(知らないノッポと女神……)ドキン

エレン「……」

対人格闘訓練

ベルトルト「エレン、一緒にやらないかい?」

エレン「俺で良いのか?」

ベルトルト「うん」

エレン「じゃあ俺からいくぞ」

ベルトルト「うん。くれぐれも怪我に気を付けてね」

エレン「うぉおおおお!!」ダッ

ベルトルト「……」スッ

エレン「!?」

ベルトルト「ふんぬらばぁああ!!」バキィ

エレン「ごばぁ?!」ブシュー

ジャン(うわぁ……顔面に全力かよ……)

ベルトルト「……ゴメンね。つい反射で」

エレン「」

クリスタ「大変! 医務室に連れて行かないと……」ヨイショ

クリスタ「それじゃ行くよ」ポイッ

エレン「」

 ヒュー


     バシャン


エレン「!!!???」ゴボゴボ

クリスタ「……あ、エレン。良かった。目が覚めたんだね」

エレン「ぶはぁ、何で俺は水中に?」バシャバシャ

クリスタ「ごめんね。医務室に運んで行く途中で落としちゃった」

エレン「あ、あぁ……そうか。医務室は逆方向だと思ったんだけどな」

クリスタ「……」

別の日

ジャン「おい、死に急ぎ野郎……お前もしかして虐められてねぇか?」ヒソヒソ

エレン「は、はぁ?! そんなワケねぇだろ、この馬づ……」

ベルトルト「……」

クリスタ「……」

エレン「この短小包茎が!」

ジャン「ばっ、お前……ミカサや女子の前で……」ボソッ

エレン「良いか? そんな事実はないんだ。ミカサやアルミンにチクるんじゃねぇぞ」ボソボソ

ジャン「……」

アルミン「……」

サムエル「……」

1年後

エレン「なぁ、何か皆に悪い事したんなら謝るからさ!」

アルミン「……」

サシャ「……」

エレン「前までみたいに……仲良く……してくれないか」グスッ

コニー「悪いなエレン。俺、馬鹿だからワカンネェや」

ミカサ「私も脳味噌まで腹筋の腹筋お化けだから分からない。私は普段通り接しているし普段通り腹筋も女として終わってる」

エレン「……」

エレン(そうだ……全て今の世の中が悪いんだ)

エレン(だけどいつか絶対に平和な時がくる)

エレン(それまでオレは戦い続ける……隣にミカサとアルミンがいなくても)

エレン(そしていつか平和な時が来たら……皆、笑顔で一緒に世界を探検するんだ)

エレン(いつの日にか……きっと……)

ライナー「訓練中に余所見は良くないぞ!!」


    バキィ!!!


【完】

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