ハルヒ「キョンに殴られたわ…」 (18)
古泉「いきなり涼宮さを殴るなんて一体どういうつもりですか!」
キョン「あ……いや」
古泉「いや、じゃありません! あなたはこの世界を崩壊させるつもりですか!」
この会話で理解してくれたとは思うが、俺はついさっきハルヒを殴った。
いまでも右手にはハルヒを殴った感触が残っている。
ハルヒは泣きじゃくり部室を出て行った。
朝比奈さんと長門はハルヒを追い掛けて行き、古泉はこうして怒鳴っている、と言う訳だ。
ふむ、しかし……。
古泉「何をボケっとしているんですか!」
キョン「ああ、お前がこんなに感情を露わにしているのが珍しくてな」
古泉「……っ!」
ゴッという音が部室に響き、俺は床に倒れた。
はは、古泉に殴られるなんてな。朝の俺に教えてやりたいぜ。
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古泉「……すいません、大丈夫ですか」
キョン「あんな勢いで殴られて大丈夫な奴はなかなかいないな」
古泉「…………すいません」
俺を殴った事により古泉は冷静になったようだ。
むしろ、大変な事をしてしまったという感じでおろおろしている。
キョン「ああ、気にするな。殴られて当然の事をしたんだからな」
古泉「しかし……」
古泉は謝罪の言葉を繰り返す。
だが、俺はそれを聞き流し先ほどの事を思い出していた。
古泉「ふむ……」
古泉、どうやってもそれは詰みだ。諦めろ。
そんな事は口に出さず、俺は唸っている古泉から朝比奈さんへ視線を移す。
朝比奈さんは椅子に座りうとうとしている。勿論メイド服で。
ああ、癒されるねえ。
古泉「ううむ」
キョン「古泉」
古泉「はい」
キョン「諦めろ」
古泉「……そうします」
そう言って古泉が将棋を片付け始めた時だった。
ドゴォォォォォ!!!!!!という音をたてドアを開けてハルヒが部室に入ってきた。
みくる「ひっ!?」
ハルヒ「みんな集まってるわね! 感心感心!」
キョン「おい、ハルヒ……どうやったらドアを開けるだけでそんな音が出るんだよ」
ハルヒ「何よ、知らないわよそんなの。勝手に出るんだから仕方ないでしょ」
はあ、やれやれ。普段の俺ならそれで終わる筈だった。
だが、今回は何故か違った。
頭がぼうっとし、気付いたらハルヒが床に倒れていた。
みくる「す、涼宮さん?」
長門「………………」
おろおろしている朝比奈さん。
あの長門でさえ目を見開きこちらを見ている。
ハルヒ「…………っ!」
ハルヒは立ち上がると、涙も拭わず部室を出て行った。
みくる「あっ」
朝比奈さんと長門はハルヒを追いかけ走って行った。
古泉「あなたは!」
古泉に壁に叩きつけられる。
古泉「あなたは今何をしたか分かっているのですか!」
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