グラハム「抱きしめたいなぁ!島風!」 (56)
グラハム「これは死ではない、人類が、生きるための……!!」
グラハム「うおおおおおおおおおおお!!」
ザザァン……ザザァン……
???「……おや?て、提督!人が!」
???「何!?深海棲艦にやられたのか!引き上げてくれ!」
???「はい!」
グラハム「……」
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「……驚きました、容体も安定しています。じきに目をさますでしょう」
「奇跡としか言いようがないな……この近辺で襲撃があったという知らせはないし、遠いところから……それなのに、生きているとは」
「さて……提督。どうやら無事なようですし、私たちはこの人が目をさますまでの間、厄介な紙束との戦いに戻りましょうか」
「はは、気が進まないな……では明石。何かあったらすぐ呼んでほしい。それと、じきに第二艦隊の子らが帰投するだろう。補給の世話も頼む」
明石「任されました!提督も高雄さんも、お仕事頑張ってくださいね」
明石「~♪」カチャカチャカチャ
グラハム「……」
明石「……に、しても。外人さんかな?どれだけ遠くから来たんだろう……」
グラハム「ぅ……ガン……」
明石「あ、目が!」
グラハム「がんだむぅ……」
明石「……寝言、か」
グラハム(……私は、死んだ、だろうな……悔いはない、しかし……)
グラハム(戦いはどうなっただろうか……人類の未来を、あの少年は、ガンダムは……)
グラハム(ふふ、私に心配されるまでもないだろうな)
グラハム(……それにしても心地よいな、ここは……)
グラハム(この暖かな闇の中に沈んでいくのも、悪くは……)
「たっだいまー!!」バーーーン!!
グラハム「!」
明石「うっひゃあ!……な、なんだ島風ちゃんドアは静かに……他の子は?」
島風「私がイッチバンだもーん!」
明石「もう、また他の子を置いてきて……」
島風「あれ?その人誰?」
明石「え? あ!」
グラハム「……ここ、は?見知らぬ天井、暖かなベッド、そして……」
グラハム(……少女?)
明石「あ~、目が覚めたんですね!どうですか?声は聞こえますか?目は、見えてますね。言葉はわかりますか~?」
グラハム(日本語か?ふむ、ブシドーの甲斐があったな)
グラハム「あぁ、大丈夫だ……しかし、状況が理解できんな。私は宇宙で、ELSに……」
明石「宇宙?えるす?記憶に混乱があるかな?無理もないなー、一般の人が深海棲艦に襲われたら……」サラサラ
島風「お~、すごい傷!」
明石「こ、こら、そういうこと言っちゃダメ!」
グラハム「いや、私の誇る傷だ。存分に見るがいい!」ズイ
島風「お、おぅ……」
明石「が、外国の方はフレンドリーね、はは……プリンツさんのおかげでよくよく知ってるけど……」
グラハム「あぁ、すまない。自己紹介が遅れた……私は連邦軍のグラハム・エーカー。階級は少佐だ。ソル・ブレイヴス隊の隊長を務めている」
明石「……あちゃー、さっぱりわからない。れんぽーとかそるぶれーぶとか……向こうの大陸はどうなってるのかしら」
グラハム「む?連邦軍を知らない?」
明石「? はい」
グラハム「……いや、気になることはいくつもあるが、それよりも。状況から察するに私は君たちに救われたのだろう。礼を言う」
明石「いやいや、見つけたのは提督たちですから。あ、提督に連絡しないと、ちょっと失礼」ジリリリ……
グラハム(……?なんだあれは?受話器のようなものに、コードがある……?)
島風「ねぇ」ズイ
グラハム「む、どうした少女よ」
島風「私、島風っていうの」
グラハム「うむ、島風か」
島風「グラハム、海の向こうから来たの?」
グラハム「ふむ、ここが日本であれば、そうだな。以前はユニオン・アメリカに所属していた」
島風「アメリカ!?アメリカってすっごーい!いまどうなってるの!?」
グラハム「うん?ここにはアメリカの情報も渡らないのか?テレビを見ないのか」
島風「テレビ見ても海の向こうのことなんてないわからなーい!」
グラハム「……どういう、ことだ?」
>>1には過去作があるのかい?
島風「海の向こうでも深海棲艦にこまってるんでしょ?グラハムもそれでやられたんじゃないの?」
グラハム「シンカイセイカン……一体何を指しているのか……」
島風「えー!?」
明石「こらこら島風ちゃん……すいません。電話終わりました」
グラハム「デンワ……テレフォン……あれがか……少し訪ねたい。軌道エレベーターというものを知っているか」
明石「軌道エレベーターって、SFに出てくるあれですよね?」
グラハム「……」
明石「どうしました?」
グラハム「ここは異世界かっ!!」
明石「えっ」
グラハム「私は確信した!不思議なほど旧世代のテレフォン!ユニオンの情報が放映されないテレビジョン!そして軌道エレベーターを知らないという事実!もう一つ尋ねよう!いま西暦何年かね!?」
明石「え、えーと……2015年です」
グラハム「やはりな!」
明石(とんでもないの拾っちゃったかな……)
>>8
刹那「エクシアとセクシアしたい」提督「……」比叡「……」 を書かせていただいたっ!
グラハム「うむむ、外を見てみたいがこの身体では……」
明石「いや怪我はないようですから多分だいじょうぶですけど……せめて提督たちが来るまでお待ちを……」
グラハム「提督というのは、私を助けたということものか!なるほど!一言礼を言うのが道理か!待たせて頂こう!」
明石「は、はあ……」
島風「ねー!じゃあゆにおんあめりかのこと教えて~!」
グラハム「いいだろう!島風!ユニオンとは元々は……」
明石「……こ、濃いっ」
ガラッ
提督「失礼する。おお、本当に目が覚めている」
高雄「助けてからたった3時間程度で……」
グラハム「む、彼が……」
提督「どうも、ご無事で何より……」
グラハム「このような形で申し訳ない。連邦軍所属……といってもわからぬか……グラハム・エーカーであります」
提督「大日本帝国海軍所属、提督であります。階級は中将です」ビシッ
グラハム「ち、中将!私よりも若いのにそれほどの階級とは……」
提督「あはは、昔とは仕組みがだいぶ違うし、ほとんどは彼女たちのおかげですから……」
グラハム「それにしても、日本帝国、か……確信がより強くなったな」
提督「うん?」
グラハム「いえ、こちらの話」
提督「いやしかしすごいですね。海に漂っていたのに、これほど短時間で意識を取り戻すとは……みたところ、英国あるいは米国の方とお見受けしますが、深海棲艦との戦闘で?」
グラハム「失礼。私はシンカイセイカンとやらのことを露も知らない。それはいったいなんですかな?」
提督「……呼び名が違うか、それとも見かけが?あなたの国では、海から突如現れた奇怪な怪物と戦ったりはしませんでしたか?」
グラハム「海よりも宇宙《ソラ》の方が大変だったな……」
提督「空……外国では別種の空母型が多いのか」
高雄「うーん、話がかみ合いませんね……」
グラハム「それも仕方がない。私とあなた方では、生きている時代が違う」
島風「じだい?」
明石「あー……わっかんなーい」
提督「時代……?」
グラハム「単刀直入に言わせていただく。私は異世界からここに参った!」
提督「……」
高雄「……」
グラハム「信じられないのも無理はない。しかし、無理を押して、信じて頂きたい!」
明石「えー……それこそ無理でしょう……」
提督「なにか……証拠となるものは?」
グラハム「すまないが、ない!海に流されてたというが、その間に携行品のほとんどはさらわれてしまったようだ。いまの私は、傍に置いてあるこのパイロットスーツ以外は何一つ持たない……」
提督「……なるほど。嘘をついているようには見えない。しかしおいそれと信じるわけにはいかない。明石!」
明石「は、はい!」
提督「彼の言うパイロットスーツ、念入りに調べてくれ。そこに彼の証言を裏付ける、我々のはるか先ゆく未来あるいは太古の技術が使われているかもしれない」
明石「了解しました!」
グラハム「……このような狂言を信じて頂き、感謝する!」
提督「いや、まだ信じたわけじゃない……と、言っておく。そうじゃないとこの高雄がドンドン不機嫌になるからな」
高雄「……むう、提督は無防備すぎます。よくあんな話を少しでも信じる気になりますね」
提督「本当だったら面白いだろう?はははっ」
島風「うーん……よくわかんないや」
グラハム「しかし……ここはいったいなんなのですか?中将というあなたが勤務する、この海辺の軍事施設………あっているかな?」
提督「問題ないですね」
グラハム「しかし、その傍に立つ彼女やこの島風のように、なぜこのようなうら若き乙女が闊歩しているのか」
提督「ふむ……艦娘を知りませんか」
グラハム「……かん、むすめ?」
島風「向こうには艦娘いないの……?」
高雄「プリンツさんがいるからそれはないと……」
提督「艦娘、というのは……今現在この、窓から広がる海が……人ならざる者の手によって脅かされているのは知っていますか?」
グラハム「人ならざるもの……」
提督「私たちは、深海棲艦と呼んでいます。深海棲艦は突如として海の底より現れ、現代の火器が全く通用しない摩訶不思議な体を持ち、我々人間を海から追い出しました」
提督「結果、国交は断絶、今や海とは人が立ち入ることのできない領域です……」
グラハム「深海棲艦か……興味深い」
いうのが遅れたがここまでにさせていただくぞガンダムゥ!この先実はグラハム提督ルートとグラハムパイロットルートがあるぞ!どうなるのかは私にもわからんとは、堪忍袋の尾が切れたぞガンダムゥ!!!
くっ、スレを立てた途端に鬼畜残業が始まるとは……私の顔に何度泥を塗れば気がすむのだ!
提督「その深海棲艦に唯一対抗できる存在、それが彼女ら艦娘です」
グラハム「……彼女らは、兵器だと?」
提督「……私としては、武装した人だと認識していますが、兵器と言われると否定できません」
提督「彼女らはかつての大戦で建造された軍艦の名を持った、そして同時にその艦の性質を持つ存在です。海の上をまるで船のようにすすみ、その身につける艤装は既存のものよりはるかに小さいにもかかわらず、凄まじい火力を生み出し、そしてその見た目に反し桁外れなまでの耐久性を誇り、なにより深海棲艦に対して唯一ダメージを与えられます」
島風「島風はねー、はやーい駆逐艦なんだよ!一番なの!」
グラハム「なんと、摩訶不思議な……」
提督「さらに、人の身の機動性も併せ持ち、近接格闘戦や通常の艦船には決して不可能な機動もやすやすとやってのけます」
提督「そう、彼女たちが力を貸してくれるからこそ、我々人類はこうして生きながらえているのです」
グラハム「……」
グラハム「興味深いな」
提督「そう楽しい話ではないですよ。今あなたが話している彼女たちは、わかるでしょう、ただの乙女だ……それを死地に送り出す……」
高雄「提督、そんなことは……」
提督「男として、悔しい……私にも戦う力があればと」
グラハム「そうは思えないな。島風、君の目を見ればわかる」
島風「おぅ?」
グラハム「君は誇り高きファイターの魂をその身に宿している……先の明石も、この高雄とやらも同じだ」
提督「……なぜわかる」
グラハム「私も、誇り高きフラッグファイターの端くれだからさ」
高雄「ふら……?」
グラハム「一つ頼みがある。私をここで雇ってもらえないか」
提督「なに?」
グラハム「私は軍で、それなりに長く戦ってきた。お役に立ってみせよう」
高雄「しかし、既存の装備の人が装備できる武装ではとても深海棲艦には……」
ていーーーーーーとくーーーーーーー!!!
提督「……ん?」
ガララッ!!!!!
明石「提督!提督!このパイロットスーツすごいです!!三世紀先の技術が特盛りです!すごいです!パネーです!!」
提督「なに?」
明石「グラハムさん!このスーツのことについて詳しく教えてください!!」
グラハム「いいだろう、ただし条件がある。私が深海棲艦と戦うための武器を作って欲しい」
明石「合点承知!」
高雄「ちょっ、明石さん!?」
明石「高雄さん!このスーツの技術が普及すれば我々艦娘の艤装にも活かすことができるかも!戦いが有利になります!」
高雄「い、いやしかし……」
提督「わかった、許可しよう」
高雄「提督!?」
提督「高雄、試してみる価値はある。もちろん無茶をするようならやめてもらうさ。ただ……どう戦う?人の身のあなたが一体どう深海棲艦と戦うんだ?」
グラハム「その深海棲艦とやらは露ほどもしらないが……かつての艦の性質を持つ、と言ったな」
グラハム「つまり、空母がある……すなわち、戦闘機が、あるのではないか?」
工廠室(あかしのおへや)
明石「まさかもう立って歩けるなんて……」
島風「ほらほら、こっちだよ!」パタパタ
グラハム「ハッハッハ!この私にかけっこを挑むか!受けて立つ!」ダダダダダダ
島風「あはは、おっそーい!」パタパタ
明石「うわー、すっごい元気」
島風「あったよ、これ!」サッ
グラハム「む……これが?手で持てるほどではないか、模型か?」
烈風「」チマーン
妖精「マチブセデスヨ!」
グラハム「む、この摩訶不思議な小さなものは?」
島風「妖精さんだよ!」
グラハム「妖精さん……日本とは奇妙な生物がいるのだな」
島風「艦載機はこの妖精さんが動かしてるんだよ!」
グラハム「なるほど、ゆえにこの小ささか……しかしこれでは私が乗れない」
明石「そこは心配ご無用です!」
グラハム「明石、遅かったな」
明石「あなた方が早すぎます……まぁご覧の通り、これは妖精さんサイズですが、かつての人が乗った艦載機と同じ攻撃性能に航行距離をもちます」
グラハム「素晴らしいな……」
明石「で、ですね……これを私たちの技術で、人間サイズのやつを作っちゃえばいいんですよ。それだけです」
島風「そんなことできるのー?」
明石「当然です!とうぜん機体が大きくて敵の的になりやすいですけど」
グラハム「問題はない、全て避けて見せる。で……明石、私の乗ることになる艦載機は、これを所望したい」スッ
明石「……ゼロ式52ですか?いえ、これよりももっと性能が高いものは……」
グラハム「これでいい、そしてこの機体を、私色に染め上げて欲しい。具体的には……」
明石「……正気ですか?体がぺちゃんこになりますよ?」
グラハム「それぐらいなくてはな!」
グラハム「完成はしばらくかかる、か。まぁ仕方がないだろうな」
島風「じゃあその間に鎮守府を案内してあげる!提督にお願いされてるから!」
グラハム「ではお願いしよう」
島風「ここから外に出られるよ、こっちは港側!」
グラハム「……軌道エレベーターはやはりないか」
島風「きどーえれべーた?」
グラハム「宇宙行きのエレベーターだ」
島風「宇宙!すっごーい!」
グラハム「人類の英知の結晶だ……ん?あれは?」
島風「あ……やっとみんな来た!おっそーい!」
グラハム「知り合いか」
島風「第二艦隊のみんなだよ」
グラハム「第二艦隊……」
不知火「ふぅ……やっとつきました」
天龍「ったく、俺らを置いていきやがって、おーい島風ー!……と、誰だあれ」
夕立「……男の人っぽい~?」
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