わたしのいきる道 (55)

Side-A



つまが死んだ
交通事故だった

保育園に娘を迎えに行った先での出来事
その日、雨だった
その日、妻は少し迎えが遅くなっていた
その日、娘はまちわびて門の前にいた
その日、路面は滑りやすかった

電話を受けてからの記憶はほとんどない
ただ、断片的な事だけ
布が被せられた妻、妻の前で動かない娘、
泣きながら謝る男…
ほかに医師やら警察やらがいたような気もするが
どう応対していたのかわからない
雨音だけが耳に残っていた

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彼女はとても愛されていたようで、たくさんの弔問・参列をしていただいた
みんなが泣いていて、みんなが悲しみを浮かべていて、
みんなが別れを惜しむ中、
わたしはただただその光景を見ていた

妻の葬儀がおわる
「娘ちゃんの事も男の事も心配だ、自分たちと一緒に暮らそう」
両親からの言葉だった

父さんたちは、物事を押し付けるタイプではない
それなのに同居を向こうから持ちかけられたという事は、
自身の自覚こそなかったが、わたしはかなり参っていたのだろう

…すこし、考えさせてほしい
そう答えようとした時、服の裾をつかまれた
「……」
言葉こそないが、娘から拒絶の意志を感じる

しばらくふたりで様子をみさせてもらう
それがわたしがだした結論だった
明らかなわたしたちのわがままであるのだが父母義父母ともども
いつでも頼ってきていいんだよと言葉を返してくれた
頭があがらなかった

時間に余裕ができ、妻の荷物を整理し始めるが手が進まない
物を、思い出を大事にする彼女の持ち物はわたしにとってにが、おもい
その日は雨が降っていた

妻がいなくなって、幾年
最近ようやく素直に泣けるようになったが
彼女がいなくなった事には未だなれていない
娘に気づかれないよう、心配させないよう隠して生活をする

不器用な男手一つの家事、育児などたかが知れているものだが
後者の方は娘があっという間に手から離れてしまい、前者のフォローをしてくれている
年頃の娘に人並みの生活をおくらせるために、娘の手を借りる
学校の友人と遊ぶ時間を奪ってしまっているのでは
そんな事を考えていると
「大丈夫、友達との時間はちゃんととってるし勉強もバッチリやってるよ」
いやはや、おみそれいたしました

更に幾年が過ぎる
器量気立てが良かった妻に似てきた娘は、やはり学校でモテるらしい
毎日夕食を一緒に食べるときに、一日の事を話してくれるのだが
聞いているだけで周りからの好意が伝わってくる
だが不思議なことに娘自身、まだそういったものに関心がないのが伝わるのか
想いを伝えにきた者はいないらしい
しかし、いつか娘も彼氏を作り、嫁にいってしまうのだ
世の父親の悩みを噛みしめつつ
これも一つの幸せのかたちなのだろう等とぼんやりと思いつつ、明日の事を話す
明日は妻が死んだ日だ

妻の墓を訪れる
毎月の様子とは違い、今日は先客がいるのは命日だからだろう
丁度入れ違いだったらしく軽く礼をして、通り過ぎる
不意に後ろを見ると、先客の男は深く礼をしたままだった

あぁ、あの時の…

彼が顔を上げたとき、改めてわたしは礼をすると、男はなんとも言えぬ表情で去っていく
彼もあそこで人生が狂った一人なのだ
妻が死んだ時と、先程の邂逅
それだけで彼は一生十字架を背負って生きていくのだろうという実感があった
「お父さん」
娘が呼んでいる
考え事は胸中へ隠し、わたしは妻と娘のもとへ向かった

臭い、不潔、近くによらないで
休憩中に同僚たちの話を聞いていると
自分の娘は他の娘さんたちと、同じ生き物ではないのではないかと感じる
同僚曰く男ちゃんとこは、娘じゃなくて男ちゃん自身が俺たちと違うんだとか何とか
別段変わったことはしていないと思うのだが、そう答えると長くなるので、適当に受け流す
自分が違うにしても違わないにしても、娘から嫌われていないという事実はありがたい
飲み干したコーヒーを捨て、たった一人の家族を想い仕事へ戻る

会社の忘年会
普段の飲み程度なら断れるのだが、年に限りのあるものには出ないわけにはいかない
前もって娘には言ってあるが、帰宅を寝ずに待っていたりするので遅くはなれない
酒も程々に一次会でお先をしようとすると、酔いつぶれた部下の女の子を押し付けられる
帰らないといけないし、男が女を簡単に送るものではないだろうと抗議するのだが
上司や部下の友人からも、かまわないから送ってやってくれと言われる
何やら含みを感じるが、酔っ払い相手では暖簾に何とやらだ
これ以上時間をとられるのもマズイので、早々に諦め送ることに決める

彼女のアパートは会場からかなり近かった
目の先というのはこういう事をいうのだろう
ならば、他の者が送ってもよかったのでは…
そう思いつつカギを開けてベッドへ運ぶ
このまま帰りたくはあったものの、一人にするのもマズイ
目を覚ますまで娘にメールで事情を説明しつつ待つことにした
もぞもぞと動く音が聞こえる
そろそろ起きる頃合いか
時計を見つつ容体を確認しようと振り返る

「男さん…」

彼女は服を抜いでベッドからのり出していた

どうやらわたしははめられたらしい
上司も同僚も再婚はしないのか?いい子を紹介してやろうか?
等とよく言ってくるが、冗談だと思っていたのだがね

「男さん、わたし…」

この子もこの子だ
わたしの事をよく慕ってくれているとは思っていたが
まさか恋慕の情まであったとは
この状況下に陥る原因となった自分の鈍さが恨めしい

「まだ、奥さんの事を思っていることは知っています」
「娘さんを大事にしている事も知っています」
「それでも、わたしは――」

「すまない」

たった一言
断りの言葉を残し、わたしは部屋から立ち去る
わたしの想い人は昔も今も、そしてこれからも妻一人だから

大晦日
今になって、忘年会の事が頭にのしかかる
年越し後どうやって顔を合わせればと悩んでいると
一つの訃報を聞かされた
部下の女の子はホームから飛び降り死んでしまった――と
うちの部署のほぼ全員が先日の計画にかんでいたらしい
という事も一緒に聞いた

いい子だったと思う
魅力的な子であったとも思う
でも拒んだ
拒んだ結果が、今だ
わたしはどうすればよかったのだろうか

あれからまた時間がたった
部下の女の子が死んだ原因はわたしあるはずなのだが
その事で責められることはなかった
曰く、彼女は断られるのを覚悟して事におよんだようだ

ならば生きて次を見つけてほしかった

そう思うのはわたしの我儘なのだろう

忘れる事はないだろう彼女を最後の姿は胸に楔として打ちこまれ
日々の日常へと埋没していく

平穏な日々とは破られる為にある







「彼氏ができたの」







聞きたくなかった言葉だ

娘が彼氏を連れてきた
明るいというか、少し軽い感じもするが
今時の子ならば、こういうものなのかもしれない
想像していたよりモヤモヤする事もなく
初めての彼氏訪問は終了した

娘に彼のどういったところが好きなんだと聞いてみる

「なんとなくお父さんに似てるところ」

わたしは傍から見ると、あのような感じなのか
ちょっとショックだ…

彼氏との交際は順調に進んでいるようだ
性行為はまだしていないとも言っていた
いや、わたしに言われても困る

「するなとは言わないが、せめて避妊はするように」
喉もとまではでてくるのがだ、
言葉にできず何度のみこんだ
こういう時、母親がいればまた違うのだろうが…
最近また、妻の写真を眺める事が増えた

時が過ぎるのは早いもので
明日には、娘は嫁へ行ってしまう
既に相手の彼とは長い付き合いなのだから
今更心配することもない
精々が式の最中に無様な泣き顔をさらすくらいだ
妻の写真と向かい合いチビチビと酒を飲む

思えば君がいなくなってから無我夢中だった
慣れない家事に育児、仕事だってある
人と出会って、別れて、なくして、一緒になって…
こんな自分でも娘の巣立ちをきちんと迎えられたのは
ひとえに君が支えてくれたからだろう
まだ、会いにはいけないけれど
もう少しだけ、もう少しだけ待っていておくれ

「お父さん」
娘の声に思考をとめ、顔を向ける

「明日は式だっていうのに、お酒なんて飲んでいいの?」

「大丈夫、響かない程度にするよ」
「お前こそ、まだ起きていていいのか?明日は早いんだろう」

「大丈夫、響かない程度にしますー」
そう言うと娘は横に座りグラスに酒をついでいく

「独身の娘からの最期のお酌です」
「有り難くのんでよね」
苦笑しつつ、グラスを傾ける

もう娘とこんな夜を過ごすこともないのだ
そう感慨にふけりつつ、涙で少し味の変わった一杯を噛みしめた

目覚ましの音で目を覚ます
どうやらあのまま眠っていたらしい
娘が用意してくれたであろう、アラームを止め布団をのける
時間を見ると少し早いくらいだが
ある程度の余裕をもたせてくれたのだろう
しかし、体がおもい…

あまり飲んだつもりはなかったが体は若くないという事か
痛む腰をさすりつつ起きあがり
いつの間にか倒れてしまていた妻の写真をおこす

「おはよう」
そう言って身支度にとりかかった

結婚式にはたくさんの友人がきていた
みんなが笑って、みんなが騒いで、
みんなが門出を祝福する中、
わたしはただただ泣いていた

何故か妻の葬儀の事を思い出す
かたちは違えど、あの時と同じようにみなに愛されている
そう感じたいい式だった

娘が妊娠した
ついにわたしもおじいちゃんになるわけだ
自分がおばあちゃんになると知ったら、妻はどんな反応をするだろうか
娘からの報告をききつつ、ありえない未来を夢想する
おめでたい、ああおめでたい

しかし、人生は順風満帆にはいかない
わたしはそれを忘れていた

旦那の浮気の発覚
婚前交渉はしない娘とは別に、体の付き合いのある女性がいた
相手の女性とは遊び感覚だったようなのだが
娘の妊娠後付き合いを再開した
しかも向こうでも子供ができてしまったとのことだった

旦那は子供はおろさせる、相手とも別れると言うが
娘の答えはどちらも“No”だった
子供に罪はないし、自分の方が旦那と別れる
慰謝料もいらない
代わりに、二度と自分たちの前に姿を現さない事

わたしが事の顛末を聞いたのは、全てが終わった後だった
今日ほど自分の愚鈍さを呪ったこともない

わたしの心労とはよそに
孫はすくすくと育ち、娘は日々を幸せそうに過ごしている
無理をしているようでもなく、割り切っているとでもいう感じだろうか
思っていた以上にわたしの娘は強い子だったようだ

「お父さん、ずっと一緒だからね」

流石に今の娘の頭に再婚の文字はないようだ
だが、どのような未来になろうとも
せめてこれ以上この子たちには何も起こらない事を
行く先に幸多からん事を祈る

Side-A...END

Side-Bに入る前に一旦ごはん。

ただいま!

誰もみてないんじゃないかと思ってたのでレス感謝です

Side-Bに入る前の注意点

Aが父親なのでBは娘視点となります

割と最初から娘が流暢にしゃべってますが
あくまで解りやすく文章にあらわしているだけです
娘自身はなんとなくそう思っていた程度にお考えください

雰囲気が結構かわるので、今の読了感で満足していただけた方は
このまま止める事をお勧めします

Side-B


物心がついたころから
わたしには好きな人がいた
その人は優しくて、愚直で…
一生懸命で…
その人の事を考えるだけでココロは満たされる

だけど―――、
それも一瞬のうちに陰りを見せる
わたし以外の人に見せる、その顔のせいで
わたし以外の人にかける、その言葉のせいで
わたし以外の人にむける、その愛情のせいで
わたしは一番になりたかった
あの人の傍にいる、唯一の女でいたかった

多分この考えは、間違っていると思う
でも、問題はない
だって、









この気持ちは間違いなんかじゃないのだから

「おうだんほどうは、てをあげてわたりましょう!」
「くるまはあぶないので、ぜったいにひとりでえんないからでてはいけませんよー!」
保育園で先生がみんなに言い聞かせている

車は危ない
命を食べてしまう、怖いものなんだと言っていた
命を食べられると、二度と楽しい事や嬉しいことをできない
大好きなお父さん、お母さんにも会えないとも言っていた
以前道路にでてしまった、男の子はすっごく怒られていた
雨の日はもっと危ない
目の前が見えづらく、滑りやすいから車に食べられやすい
何度も何度も聞かされた言葉だ

車は人を食べてしまうこと
雨の日は特に危ないこと
お父さん、お母さんに会えない事は、嬉しくないこと

条件があてはまるタイミングをわたしは待つ
まずは雨の日
そしてお母さんがお迎えに来る日
どうせなら、嬉しくないこと
会えない――そうだ、遅れてくる位のほうがいい
でも、お母さんは大人だ
車の危なさを知ってるから、食べられない

迎えに来たお母さんと手をつなぎながら、顔を見上げる
お母さんはにこにこしてどうしたの?って聞いてくる

そうか、お母さんもわたしがいると楽しいんだ
わたしが先に食べられよう

「なんでもなーい」
悩みが解決したことに機嫌をよくし
わたしはお母さんとお家へ帰った

お母さんは車に食べられた
保育園からは人がでてきた
食べた車からも人がでてきた
食べてない車からも人が出てきた
みんななにか大きな声で話してるけど、よくきこえない
お母さんがなにかつぶやいている
そばにいってみよう

「無事でよかった…、危ないから道路にとびだしちゃ、だめ、だ、よ……」

うん、お母さん
もうしないね

一つ失敗したなと思う
お母さんがいなくなって、あの人の元気がない
お母さんの分までわたしに全てをくれると思ったのに
でも、いいや
これからずっと一緒だもの
お母さんの分までわたしがあの人のココロを満たしてあげるんだ
そう決めた
けど、いじわるをする人たちがでてきた

「娘ちゃんの事も男の事も心配だ、自分たちと一緒に暮らそう」
おじいちゃんとおばあちゃんたちだ

わたしとあの人だけのセカイが壊される
「……」
わたしは無意識に、あの人の服をつかんでいた
「しばらくふたりで様子をみさせてください」
あの人は優しくわたしの頭をなぜつつそう言った
なんだ、わたしと同じでふたりだけでいたかったのだ
やはりわたしは正しかったんだ

あの人とふたりだけの暮らしが始まった
あの人は一人でお母さんの仕事までしようと頑張っている
わたしは少しでも負担を軽くしてあげたくて
普通の子よりも早く成長した
いや、もともとあの人を自分だけのものにするために
内面部分はそれなりに育っていたのだが
より相応しくあろうと、努力した
不安をかけさせないために、勉強もしたし友達も作った

毎日学校の事を話すと、あの人は楽しそうにきいてくれる
わたしの作ったご飯を美味しいよと言って食べてくれる
わたしは幸せだった

でも、時々あの人がお母さんの写真をみて泣くのを見るのは悔しかった
わたしはまだ、お母さんに届いていないらしい

多分だけど、わたしはモテる
お母さんに似て顔つきはいいし、気配りだってできる
噂話も小耳にはさむ
でも学校の子たちは私の対象外だ
それが態度で分かるのか、告白してきた子は今までいない
どうせなら、初めての告白はあの人からがいいな
(無理だろうけど)

そんな事を考えつつ、明日の予定について話す
明日はお母さんが死んだ日だ

お墓へ着くと誰かが先に来ていた
お母さんが死んでからそれなりに経つけど
今日みたいな日は、お墓参りに来てくれる人も珍しくない
一礼をしてすれ違う男性
知っている人かなと顔を確認してみた

あ、あの時の…

顔を上げた男の人は母を轢いてしまった人
わたしと目が合ったあと、複雑そうな顔をして去って行った
彼はこれからもずっと、責感じ生きていくのだろう

わたしは改めてこの人と一緒になろう
そう誓い、固まっていた男さんへ声をかけた

臭いし、汚いし、近くにいたくない
お昼休み中の友達たちとの会話で
彼女たちは自分の父親をそう評している
そう思うなら、臭くならないよう、汚くならないよう
努力すればいいと思うのだが
彼女たちにはそうする理由もないようだ

「そんな事いったら、お父さんたち泣いちゃうよ」

「娘ちゃんはお父さんカッコいいから、そんなに余裕持って言えるんだよ」

男さんはぬけたところもあるけど元々カッコいい
流石に年齢を考え、食事や他諸々を(こっそり)調整しはじめているが
それでも一般の学生から見て、十分魅力的な男性なのだ
少し誇らしい
飲み干した野菜ジュースを捨て、最愛の男性を想い午後への授業準備を始める

今日は年に数回ある男さんがいない夕食
いわゆる忘年会というヤツだそうだ
流石に出ないわけにもいかず、出席するのだが
男さんはわたしを大事に思っているので、お酒もそこそこに帰ってきてくれる
そんな優しくて少し酔った男さんを介抱する
それが男さんの帰りが遅くなる夜のわたしのチョットした楽しみだ

♪~

なんだろう
男さんからメールだ



件名:帰りが遅くなるかも

飲み会でつぶれた子を送らなきゃ
いけなくなりました
いつ頃帰れるかわからないから
戸締りをしっかりして、先にねてて
ください



…嫌な予感がする

男さんを問い詰める
案の定騙されていたらしい
流石に迂闊すぎると、正座させて説教していたら
「お母さん以外とは、結婚しないから安心しなさい」
そう言って男さんはほほ笑んだ
胸がいたい
やるせない気持ちを込めて頭にチョップをしておいた

少し落ち着いて改めて話を聞く
迫ってきた女は、自分には勿体無いくらいいい子だった
魅力的な子だし次の恋を見つけて幸せになってほしい
なんて言っている

ダメだ、それはダメだ
好意を持った相手へ、情けでもそんな気持ちを持つことは許さない
いい子?魅力的な子??
汚い手を使って、わたしから男さんを奪おうとする売女でしょ!!!?
危険な芽は早い段階で摘んでおかなければ

脅威はとりのぞいた
今回の事で男さんも誰かと深く関わろうなんて思わないだろう

わたしももうすぐ高校生になる
そろそろ準備をしておいてもいい年齢だ
新しい環境へ移ったら早速行動を開始しよう

彼氏を作る
これが今のわたしの課題
候補は二人

男さんに似ているけど、軽薄なところがあるA

容姿は似ていないが、中身が男さんと似ていてるB

好みとしてはAより、Bなのだが
今後の進行を考えAで進める事にする
問題はAをうまく飼いならせるか…
Aはわたしを出し抜いて好き勝手していると思わせる必要がある
まずは接点だ
わたしはAの事が好きなC子に相談を持ち掛ける

今日は待ちに待った告白DAYだ

男さんに「彼氏ができた」と告げる

ふふ、すごい顔してる♪

Aを男さんに紹介する
軽めながらも、そこまで礼を欠いていないAを
男さんはどう思うだろうか

Aの帰宅後男さんが、好きな部分を聞いていた

「なんとなく(見た目が)お父さんに似てるところ」
あ、なんだかショックうけてる
カワイイ

Aとの交際は(キモチワルイ)順)調に進んで(キモチワルイ)いる
性行(キモチワルイ)為を禁(キモチワルイ)止しつつ、
わた(キモチワルイ)しからは離(キモチワルイ)れられな(キモチワルイ)いように
満た(キモチワルイ)されな(キモチワルイ)い不満(キモチワルイ)分は(キモチワルイ)、
わ(キモチワルイ)たしに(キモチワルイ)敵愾(キモチワルイ)心をもったC(キモチワルイ)子をあてる
Aは性(キモチワルイ)欲を、C(キモチワルイ)子はA(キモチワルイ)への恋(キモチワルイ)慕と
わた(キモチワルイ)しへの優(キモチワルイ)越感が満(キモチワルイ)たされ(キモチワルイ)る
さすがにキ(キモチワルイ)スをしな(キモチワルイ)いのは無(キモチワルイ)理がある(キモチワルイ)ので
そこ(キモチワルイ)だけはガ(キモチワルイ)マンし(キモチワルイ)ないとい(キモチワルイ)けない(キモチワルイ)

(キモチワルイ)触(キモチワルイ)る(キモチワルイ)な(キモチワルイ)、(キモチワルイ)
近(キモチワルイ)づ(キモチワルイ)く(キモチワルイ)な(キモチワルイ)、
(キモチワルイ)囁(キモチワルイ)く(キモチワルイ)な(キモチワルイ)

キモチワルイキモチワルイキモチワルイキモチワルイキモチワルイキモチワルイキモチワルイキモチワルイキモチワルイキモチワルイキモチワルイ
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ようやくここまで来た
邪魔なものを取り除いて、土台を準備し
日時を調整して、後へ続く布石も打った
問題があるとすれば、この後の天運が私にあるかどうかだろう
居間へ顔を出すと、男さんはお母さんと向かい合ってお酒を飲んでいた
やはりこの人の心は未だに一人の女性が占められている

でも、それならそれで構わない
方向性は違ってもわたしへの気持ちが
負けていない事は知っている
それに、お母さんがもう手に入れられないものを
今からわたしがいただくのだから

「お父さん」
わたしの声に手をとめ、男さんは顔を向ける

「明日は式だっていうのに、お酒なんて飲んでいいの?」

「大丈夫、響かない程度にするよ」
「お前こそ、まだ起きていていいのか?明日は早いんだろう」
そう言って優しくほほ笑む男さん
その顔は妻へのものから、娘へ向けるものにかわっている

「大丈夫、響かない程度にしますー」
わたしは男さんの横へ座り、グラスにお酒と薬を入れる

「独身の娘からの最期のお酌です」
「有り難くのんでよね」
苦笑しつつ、グラスを傾ける男さんは少し泣いていた

よく寝ている
引き返すなら今のうちなのだろうか
いや、もうそんな時期は過ぎている
男さんのズボンに手をかける寸前
わたしは視線を感じ動きを止める

お母さんがこちらを見ていた









「ごめんね」

わたしはお母さんの写真を卓へ伏せた

結婚式にはたくさんの友人がきていた
みんなが笑って、みんなが騒いで、
みんなが門出を祝福する様を、
わたしは満ち足りた気分で見ていた

昨晩の事を思い出しお腹をさする
こうして祝福されるわたしは間違っている
でもそれでいい
わたしがずっと求めていたものは、この先にあるのだから

やった!
わたしは妊娠していた
相手はもちろんあの人だ
妊娠の報告をすると、男さんはすごく喜んでくれた
でも、この顔を曇らせなければいけない
そう思うと、少し心苦しい
もう少し、もう少しだからね

大切なのは詰めを見誤らないこと

Aの浮気が発覚した
正確にいうと発覚させたになるのか
元々C子と肉体関係をもっていたA
結婚後はさすがに交際を断っていたものの
妊娠後のセックスレスとつわりを原因に
Aへの接触をわたしが減らしたことにより、
C子との関係を再開した

面倒にならないようスキンも用意していたみたいだけど
細工をしておいたことで、めでたく懐妊
Aをわたしから奪いたかったC子は
これ幸いとその事をわたしに告げてきた
Aはかなり渋ったが、わたしは関係を続ける気はない

慰謝料は取らない、養育費もいらない、
代わりに二度と自分たちの前に姿を現さない事
これを条件にAとの離婚は成立した

わたしは男さんのもとへ戻った
さすがに今回のことはこたえているらしく
男さんに元気はない
しかし、当事者のわたしが幸せそうに毎日を過ごしているのだ
男さんの気持ちもやがて晴れるだろう
孫ちゃんの存在も大きい
自覚は無くても、濃い血の繋がりというのは感じているのかもしれない
男さんが笑顔でいる時間は少しずつだが増えている

こうしてわたしの想いは人知れず成就した
しかし、人間というものは欲深い生き物のようで
わたしは二人目が欲しいと思い始めている
それも今度は互いに認識した状態で、だ

人生のほぼ全部の時間で男さんのことを考えてきた
今後もわたしは男さんのことだけを考えていくと思う






「お父さん、ずっと一緒だからね」

Side-B...END

これにて『わたしのいきる道』終了です
結婚式前夜、実は……的なネタをぶち込みたくて考えていた話です

一本道だと分かりづらいので、2パートに分け
それぞれでも楽しめる作りにしてみたつもりですが、いかがだったでしょうか?
拙い文章ですが、楽しんでいただけたなら幸いです
胸くそわるくしてしまった方には、すみません
そして、ここまでお付き合いいただきありがとうございました

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