【ゆるゆり】ちなつ「クラスに可哀想な子がいる」 (17)

ゆるゆり、ちなあかSSです。
書き溜めてあるので投下していきます。

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1431785063

「みんなのハートにどっきゅ~ん!
 初めまして! 赤座あかりだぴょ~ん!」

(っ・・・!?)


シーン


「あ・・・赤座、あかりです・・・
 1年間、宜しくお願いします・・・」ストッ


(な・・・な・・・)

(何あの子ー!?)ガーン

あれ、トリップ間違えてたかな。失礼しました。
>>1>>2も自分です。

お姉ちゃんのような女性に憧れて入った七森中学校。
この中学校に入れば、きっとお姉ちゃんのようになるヒントが見つかるはず。

そう思った矢先の、最初の自己紹介の時だった。
私の隣に座ったその子は、一瞬にして空気を凍りつかせたのだ。

しかもその子が名乗ったのは、お姉ちゃんがよく話している
「素敵なお友達」と同じ苗字だった。

(と、いう事は・・・
 この子が、お姉ちゃんが憧れている人が溺愛している妹・・・)

(・・・いやいやいや。
 流石にそれはないわよね。
 きっとたまたま苗字が同じなだけよ)

「・・・って感じだったかなぁ」

「第一印象最悪!?
 うぅっ・・・あの時は色々あったんだよぉ・・・」

「聞いたよー。
 まったく、京子先輩が変な事言うから」

「う、ううん!
 あかりが勘違いしただけだから。
 京子ちゃんは悪くないよぉ」ニコッ

「いい子すぎて後光が!?」


そう、あかりちゃんはこういう子。
例え99%相手が悪くても、1%でも自分が悪いと思ったら、
「自分が悪い」と思う子なのだ。

「はぁ・・・
 あかりちゃん、もっと自分を大切にした方がいいよ?」

「? どういう事?」

「極端な話、周りで起こる悲しい事を、
 全部自分が悪いんだって思っちゃいそうだもん。
 あかりちゃんが悪いんじゃない事だって、
 沢山あるんじゃないの?」

「あはは。流石に全部がそうとは思ってないよ?
 でもね、一人でも悲しいとか、辛いとか、苦しいとか。
 そういう気持ちの人がいたら、出来るだけ味方になってあげたいな、って」

「・・・疲れない?」

「疲れる時もあるよ。
 でも、その人が『ありがとう』って言ってくれた時は、
 すっごく、すっごく嬉しい気持ちになれるんだよぉ」ニコニコ

「私の悩みも、何も言わずに聞いてくれたもんね」

「ちなつちゃんは、あかりの大事なお友達だもん。
 お友達が悩んでたら力になるのは、当たり前の事だよぉ」

「・・・」

「それにね」

「?」

「ちなつちゃん、いつもあかりに相談してくれるでしょ?
 それがちょっぴり自慢なんだぁ♪」

「・・・もう、あかりちゃんったら」クス



「ところで、ちなつちゃん・・・?」

「なぁに?」

「こ、この手は・・・ナンデショウカ・・・」

「ん? いつもあかりちゃんにはいーっぱい悩みを聞いてもらってるから、
 そのお礼。気持ちいいでしょ?」ゴンッ ゴンッ

「え、あ・・・ぐぁっ・・・!
 うん、き、キモチ・・・イイデス・・・ッ」

「でしょー?
 お姉ちゃんにもいつも褒められるんだよ?
 『ちなつの肩叩きは、まるでスチールボールみたいね』って!」

「ひっ、ひぃぃぃ・・・っ!
 あっ・・・」ガクッ

「はっ!?」

「あ、あかりちゃん起きた?
 もぉ~、マッサージ終わって声かけても起きないんだもん。
 心配しちゃったじゃない」

「え、ぁ、ご、ゴメンネ・・・」


(あ、あかり、気を失ってたーー!?)ブルブル


「ねぇ、あかりちゃん」

「っ!!
 な、なぁに・・・?(い、嫌な予感がするよぉ・・・)」

「私のお姉ちゃんがね、あかりちゃんのお姉さんのマッサージを
 凄く気持ちいいんだよって、とっても褒めてたの」

「へ、へぇ・・・?」

「たまに、あかりちゃんにもしてあげてるって聞いたの」

「そ、そうだねぇ、たまーにしてくれるよ。
 あかり、凝ってる所なんてないんだけど・・・」

「意識しないだけで、実際は凝ってるってよくあるみたいだよ。
 それでね、そのマッサージを、私も習得したいの!」

「・・・?」

「お姉さんにして貰ったマッサージを思い出して、
 私に実演して、教えて欲しいの!」

「え、え~と・・・
 でもお姉ちゃん、いつも夜9時になってからしてくれるから、
 いつもウトウトしちゃって、あんまり覚えてなくて・・・」

「じゃ、じゃあじゃあ、覚えてるところだけでもいいから!
 結衣先輩のために、もっともっと上手くなりたいの!」シンケン

「ちなつちゃん・・・」

(やっぱりちなつちゃん、友達想いで素敵だなぁ・・・♪)


「わかったよぉ。
 思い出しながら、やってみるね!」

「!!
 やった! あかりちゃん、ありがとぉ~!」ギュッ

「え、わわっ///」

「んじゃ早速始めよっか。
 うつ伏せでいいのかな?」

「あ、うん。
 楽にしてていいよぉ」

「は~い♪」


(赤座家秘伝のマッサージを習得して、
 結衣先輩の高評価をモノにするのよ!チーナ!)


「じゃあ、はじめるねっ」

「うん!」

「えっと、最初は確か・・・こんな感じ・・・」グッ

「・・・あ、凄い、気持ちいい・・・」

「ほ、ほんと? 嬉しいな、えへへ///」


(あかりちゃんの手、こうして触れられてみると、
 やっぱり小さくて可愛いなぁ・・・)ウトウト

「えっと、それで次はこの辺、だったかな・・・」フニ

「ひゃぁぁっ!?」

「だ、大丈夫!? ごめんね、痛かった!?」アワワ

「あ、だ、大丈夫! ちょっとびっくりしただけだから!
 私の事は気にしないで続けて!(い、今のはまさか・・・)」


「そ、そう?
 じゃあ続けるね・・・よっと」フニ

「っっ・・・!!///」


「確か、この辺を、こう・・・」フニフニ

「ぅあっ・・・!///」


「そんで、この辺から、こう・・・」スリリッ

「んっ・・・ぁ・・・!///
 (あっ・・・あかねさん、これは・・・)」


「次は、えっと・・・こうだったかな・・・」サワッ

「ひゃんっ///」ビクン


「あ、思い出した。
 そんで最後にこうやってから・・・」ピトッ

「ふあぁっ!?///」


「こう、だよねっ」ギュッ

「んくっ・・・///
 (あ、あかねさーーん!?///)」

「はい、おしまいだよぉ。
 ど、どうだったかな・・・?」

「う、うん。
 凄く、気持よかった! うん!」

「ほんと? よかったぁ」ニコニコ

「あかりちゃんのお姉さんが、あかりちゃんの事が大好きなのが、
 すっごく伝わってくるマッサージだったよ・・・」

「そ、そうかなぁ。えへへ///
 あかりもお姉ちゃん大好きだから、嬉しいよぉ」パァァ


「・・・あ。もうこんな時間!
 ごめんねあかりちゃん、もう帰らなきゃ」

「ほんとだ、もうこんなに時間が経ってたんだねぇ。気付かなかったよぉ」

「それじゃあかりちゃん、今日は色々と教えてくれてありがとう!
 また、学校でね!」フリフリ

「うん、またねー!」フリフリ

「あのマッサージは・・・
 あかねさんは、間違いなく・・・」


『・・・気付いてしまったのね・・・?』


「あっ・・・!
 あかっ・・・! ひっ・・・!」


「ちなつちゃーん!」タッタッタ

「! あかりちゃん!」

『・・・あらあら』フッ…

「よかったぁ、忘れ物してたよ? はい」

「あ、ほんとだ。全然気付かなかった。ありがとね」

「ううん、まだ近くに居てよかったよぉ。
 気をつけて帰ってね! ばいばーい!」フリフリ

「うん! ありがとう、またね!」フリフリ


タタタ…

「助かった・・・間一髪ってとこね・・・」

『うふふ・・・
 吉川さん、だったわね』

「っ!?」ビクーン

『くれぐれも、内密にね・・・?
 うふふふふ・・・』スーッ

「はっ・・・!?
 あ、あれ!? 居ない・・・!?」キョロキョロ


「・・・と、とにかく帰らなきゃ!!」

「ただいまー!」

「あら、おかえりちなつ。
 楽しかったみたいね」

「うん! あれ、お客様?」


「こんばんは」スッ

「ヒッッ!!!」チーン


「ちなつ!? どうしたの!?
 ・・・気を失ってるわ・・・」

「あらあら・・・
 どうしたのかしら・・・ね?」ニッコリ



\オッワリーン/

このSSまとめへのコメント

このSSまとめにはまだコメントがありません

名前:
コメント:


未完結のSSにコメントをする時は、まだSSの更新がある可能性を考慮してコメントしてください

ScrollBottom