安部菜々の戦い (16)

池袋晶葉の戦いの番外編です

池袋晶葉の戦い
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池袋晶葉の戦いその3
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ナナはアイドルになって満足しています。

今の事務所にも仲のいいアイドルも何人もいます。

みんなにお祝いされることは嬉しいはずなんですけど。

正直に言います。私は誕生日が苦手です。



きっかけは簡単です。

当たり前のことですが歳をとってしまうからです。

まだまだ現役JKのナナですが。焦りを感じたりすることもあるのです。

そうした焦りを一番感じる日が誕生日。つまり明日です。

私は誕生日に、ひいては老いに勝たなければ。


菜々「ということで晶葉ちゃん。いつもの科学力でどうにかなりませんか?」

晶葉「私にだって無理なことはある。」

菜々「そこをなんとか。お願いします!!」

晶葉「今日のウサミンはぐいぐいくるな。そんなに誕生日が嫌か?」

菜々「お祝いされるのは嬉しいんですけどね。歳をとったと自覚するのが嫌なんですよ。」

晶葉「といってもウサミンは次は18歳だろ?まだまだ若いじゃないか。」

菜々「いえ。17歳です。」


晶葉「今は何歳だ?」

菜々「17歳です。」

晶葉「明日には何歳になるのだ?」

菜々「17歳です。」

晶葉「そうか…。」

菜々「なんですかその呆れた顔は?!」

晶葉「いや、すでにウサミン星の科学力は私の科学力をはるかに超えていたんだな。」

菜々「だってナナは永遠の17歳ですから!」

晶葉「流石だなウサミンは。」

菜々「その悟ったような顔をやめてください!」

晶葉「いやいや。それより今日のところは失礼する。」

菜々「あ、はい。お疲れ様でした。」

晶葉「ああ。お疲れ様。」シカシ、ウサミンガソウオモッテイタトハ。ブツブツブツ

菜々「なんか呟きながら帰ってしまいましたね。仕方ないです。ナナも帰りましょう。」


ブーッブーッ

菜々「晶葉ちゃんからのメールです。明日の朝一で事務所に来てください。ですか。朝一でお祝いしてくれるんですかね?」


菜々「さあ。ついに迎えてしまった5月15日。とりあえず言われたとおり事務所に向かいましょう。」

菜々「おはようございます。」

晶葉「うむ。おはよう。」

モバP「おはよう。菜々。」

菜々「モバPさんもいるんですか。それでどんな用事で?」

晶葉「良くぞ聞いてくれた。私はウサミン星人に関する新事実を発見してしまったのだ!」

モバP「ナ、ナンダッテー。」

菜々「あれ?そのことなんですか?」

晶葉「ほかに何がある?」

菜々「たから始まってびで終わることとか。」


晶葉「まあまあ。まずは聞いてくれ。」

菜々「は、はい。」

晶葉「実はだな。ウサミン星まで電車で一時間。これにウサミン星人の秘密が隠されていたんだ!」

モバP「ナ、ナンダッテー。」

菜々「秘密なんてないですよ!」

晶葉「悔しいがこの仮説が正しいならウサミン科学が私の科学力を超えているということを認めなければならない。しかしそんなことは些細な問題だ!」

菜々「晶葉ちゃんが素直に負けを認めるなんてどんな状況なんですかこれ?」

晶葉「まずはだな。ウサミン星まで一時間。私の仮説が正しいならウサミン星人は瞬間移動、またはワープ、テレポーテーションといった実を身につけている。」

モバP「ナ、ナンダッテー。」

菜々「Pさん。もうそれいいですよ。」

モバP「ふむ、しかし晶葉は前にそれらは無理だといってなかったか?」


晶葉「ああ。だからウサミン科学が私の科学力を超えているんだ。多分一時間とはワームホールへの移動時間だろう。」

菜々「なんか話が壮大になっていくんですけど…。」

晶葉「そしてウサミン星というぐらいなのだから宇宙空間にあるのだろう。そうした長い距離を瞬間移動する。そうするとある問題が発生するんだ。」

モバP「どんな問題だ?」

晶葉「ウサミンの体感ではただ移動しているだけかもしれない。しかし周りから見たらウサミンは光より速く移動していることになるのだ。」

菜々「ナ、ナンダッテー。」

晶葉「そしてワームホール上を光速を超える速度で移動すると特殊相対性理論により物質の時間は遅くなる。つまりウサミンは周りと比べてゆっくりな時の流れの中で生きている。」

モバP「それがどうしたんだ。」

晶葉「それが証明しているのさ。ウサミンの永遠の17歳を。」

モバP「そうか、菜々が永遠の17歳なのはワームホールによる移動を多用した結果なのか。」


晶葉「以上が私の仮説だ。ウサミン、何か反論はあるか?」

菜々「いえ…もうなにもありません…。」

晶葉「だからだな。ウサミンにとってもう誕生日なんて記号的な意味しかないのかもしれない。」

菜々「え?」

晶葉「意味を成さない誕生日だけど日ごろの感謝を伝えるのにはいい機会だと思わないか?」

菜々「えっと…。」

晶葉「だからなウサミン、誕生日おめでとう。いつも感謝している。」

モバP「誕生日おめでとう菜々。これからもよろしくな。」

菜々「はい…!」


胸の奥が暖かくなりました。

晶葉ちゃんはナナが昨日誕生日が嫌だといったのを聞いて今回の話を考えてくれてたみたいです。

Pさんが教えてくれました。

ありがとうございます。晶葉ちゃん。

朝一で呼び出した理由は二つあるみたいです。

一つはナナが気持ちよくみんなに祝ってもらえるようにこの話をしたみたいです。

そして一つは誰よりも早くナナを祝いたかったとのことです。

晶葉ちゃんはかわいいな。Pさんにも感謝していますよ。


こうしてナナは誕生日を克服しました。

そのあと事務所のみんなに祝われたり、パーティーをしてもらったり、楽しかったです。

もうナナは誕生日が嫌いではありません。

これも全部晶葉ちゃんとPさんのおかげです。

菜々「今、ナナは毎日が楽しくて幸せです。Pさんにプロデュースしてもらえて、晶葉ちゃんと一緒に憧れてたアイドルになって…夢を追いかけて♪」

以上短いけど終わりです。

菜々さん17歳の誕生日おめでとうございます。

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