池袋晶葉の戦い その3 (24)

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よしのん編はそのうち書きます

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1430063367



私はアイドルになって満足している。

今の事務所にも仲のいいアイドルも何人もいる。

つまり何が言いたいかというと、中には苦手なアイドルもいる。

正直に言おう。私は白菊ほたると鷹富士茄子が苦手だ。


きっかけは簡単だ。

私は科学で説明できない超常現象が大嫌いだ。

白菊ほたるには不幸が、鷹富士茄子には幸運が連続して起きるという。

そんな確立の概念をひっくり返すようなことがおきれば高校生もひっくりかえってしまう。

しかしこのままでは科学がオカルトに負けたことになってしまう。

受験生を守るためにも私はオカルトに勝たなければ。


晶葉「ということでウサミン、ウサミンパワーでどうにかならないか?」

菜々「どうにもなりません。確立といえば数学Aですよね。懐かしいな。」

晶葉「17歳ならほんの1,2年前のことじゃないか?」

菜々「17歳にとって1年は大分前ですから…。」

晶葉「とりあえず菜々も現役JKならこの事態の大変さがわかるだろ。」

菜々「も、もちろんわかりますよ!ナナも昔やった数学の勉強を不意にしたくありませんからね。」

晶葉「ウサミン、昔とか言わないほうが…。」

菜々「と、とりあえずいつもみたいに対策法を考えましょう。」



晶葉「といっても、全く手がかりがないんだ。」

菜々「晶葉ちゃんでもあの現象はわかりませんか。」

晶葉「天才にもわからないことはある。」

菜々「どうしたもんですかね?」

晶葉「超常現象も観測してしまえばただの現象だ。たくさんの計器を持ってあの二人を解析していくぞ。ウサミンついてきたまえ。」

菜々「はい。なんだか晶葉ちゃんは博士みたいですね。」

晶葉「ならウサミンは助手か?それもいいな。」

菜々「晶葉博士。」

晶葉「うむ。いい響きだがやっぱりウサミンは晶葉と呼んでくれ。そっちのほうが距離感が近い気がする。」

菜々「わかりました。晶葉ちゃん。」


晶葉「ここが私の研究室だ。」

菜々「凄い…。見たこともないような機械がたくさんありますね。」

晶葉「あまりそこらへんのものに触れないでくれよ。下手したら爆発する。」

菜々「爆発するんですか?!晶葉ちゃんは大丈夫なんですか?」

晶葉「私は天才だからな。それにここには信頼した人しか入れないから今だかつて事故が起こったことはない。」

菜々「えへへ。信頼されてるっていいですね。」

晶葉「どうしたウサミン。気色悪いぞ。」

菜々「ひどい!!なんだか今日はいつもよりやさしいと思ったのに。」

晶葉「なにを?!私はいつでも優しいぞ。」

菜々「いつも私を年寄り扱いするじゃないですか!!」

晶葉「それはウサミンが自分で自爆するから…。」

菜々「そうでした…。」



晶葉「とりあえず計器関連を持てるだけ持っていこう。」

菜々「なんだかたくさんありますね。」

晶葉「温度計に湿度計、速度計に圧力計。時空計なんてのもあるぞ。」

菜々「なんですかその時空計って?」

晶葉「時空の歪みを測る機械だな。テレポートやタイムマシンを作ろうと思いたち、まずこれを作った。まあ今回は必要ないだろうが一応。」

菜々「晶葉ちゃんが作ってるものがオカルトな気がするんですが…。」

晶葉「失礼な!再現性のあるものは全部化学というのが私の持論だ。つまりメカニズムがわかればそれは科学だ!」

菜々「まあ実際に幽霊も見ましたし、もう大抵の事じゃ驚きません。」


晶葉「ほたると茄子はいるか?」

ほたる「は、はい!何か失礼なことしましたか?すみません…。」

茄子「なんでしょうかーっ?」

晶葉「いや。少し実験に付き合ってほしくてな。私とポーカーをしてほしい。」

ほたる「ポーカーですか?そういった運を使うゲームは苦手で…。」

茄子「逆に私はそういうゲーム得意ですよ♪」

晶葉「データは多いほうがいいからな。こっちに来てくれ。」

ほたる「なんか色々機械があるんですけど私が近づくと壊れたりしませんか?」

茄子「私もいるから平気ですよ♪」


晶葉「早速やっていくぞ。ツーペアだ。」

茄子「スリーカードですよ!」

ほたる「ノーペアです…。」

晶葉「次だ。スリーカード。」

茄子「ストレート!」

ほたる「ワンペアです…!」

晶葉「これは勝っただろ。フルハウス。」

ほたる「ノーペアです…。」

茄子「ロイヤルストレートフラッシュですよ♪」

晶葉「…。やっぱり茄子は規格外だな。ほたるも安定して低い役だな。」

ほたる「すみません…。」

茄子「一番ですよ!」


晶葉「いや、別に攻めているわけじゃない。ウサミン。結果はどうだ?」

菜々「いや、反応している計器が一つだけあるんですけどね…。」

晶葉「どうした?妙に歯切れが悪いな。」

菜々「反応しているのが時空計なんですよね…。」

晶葉「なに?!時空計が反応しているのか!どうしてだ…。早速この結果を持ち帰り仮説を立てるぞ。」

ほたる「なにかあったんですかね…?」

茄子「あわただしく晶葉ちゃんと菜々ちゃんが出て行きましたね。」


晶葉「時空計が反応したということは歪みが起きたということだよな。」

菜々「時空の歪みってそもそもなんですか?」

晶葉「そもそもこの世界はパラレルワールドと呼ばれるいくつもの並行世界があるんだ。」

菜々「またオカルトめいた…、いや観測できるならそれは科学なんですよね。」

晶葉「そうだ。前にテレポートやタイムマシンを作るといったがそれは不可能だった。いや、正しく言うなら不完全だった。」

菜々「不完全?」

晶葉「時空の歪みを利用するとテレポートなら違う座標の違う平行世界へ。タイムマシンなら違う時間帯の違う平行世界に飛んでしまうんだ。」

菜々「簡単に言うとこっちの世界から晶葉ちゃんがいなくなってその違う平行世界に晶葉ちゃんが二人存在してしまうことになるんですか?」

晶葉「そうだ。理解が早くて助かる。しかし、なぜ時空の歪みが発生したのか…。」


菜々「二人がパラレルワールドを移動してるんですかね?なんてそんなこと「それだ。」あるわけ…え?」

晶葉「そうだ。それなら筋道が通る。ほたるは常に運の悪い世界線に、茄子は常に運のいい世界線に移動してたんだ。それも無意識のうちに。」

菜々「そんなことが可能なんですか?」

晶葉「不可能だ…といいたいがあの二人ならあるいは。しかし、まだ仮説の域を出ていない。」

菜々「それじゃどうするのですか?」

晶葉「時空間の移動を防ぐものを作ろう。狙った時空に移動することは難しくても移動自体を防ぐことは出来るだろう。」

菜々「流石は晶葉ちゃんですね。」

晶葉「へへん、私は天才だからな!」

菜々「天才の域を超えてる気が…。」



次の日

晶葉「ほたると茄子はいるか?」

ほたる「はい。ここに…。」

茄子「昨日はあわただしく帰りましたけどどうしたんですか?」

晶葉「ちょっと作ってたものがあってな。二人ともこのブレスレットをつけてほしい。そしてまたポーカーをやろう。」

茄子「かわいいブレスレットですね♪」

ほたる「またポーカーですか…。」

晶葉「平気だ。私は負けず嫌いなのだ。今日こそ公平なゲームで決着を付ける。」



晶葉「ツーペア。」

茄子「ワンペアです!調子が悪いですね。」

ほたる「スリーカードです!そんな…私が茄子さんに勝つなんて…。」

晶葉「だから言ったろう。今日は完全な運任せのゲームだ。スリーカード。」

茄子「ストレートです♪」

ほたる「ふ、フラッシュです!!」

晶葉「運任せでも勝てないのか…。ウサミン、計器の様子はどうだ?」

菜々「どれも異常なしです!」

晶葉「よし仮説は証明された!」



ほたる「こんなについてるなんて…。生きててよかったです…。」

晶葉「そこまでなのか。」

茄子「このブレスレットが関係あるんですか?」

晶葉「そうだな。わからないかもしれないがそれは二人の時空間の移動を防ぎ本来の世界線をいかせるものだ。」

ほたる「よくわかりませんが。これがあれば不幸なことは起こらないんですか?」

晶葉「そういうわけではない。不幸が起こることが決定している世界線なら不幸は起きてしまう。しかし今までみたいに理不尽に不幸が起こるということはない。」

菜々「ちょうどここに近所の商店街の福引券があります。みんなで引きにいきましょう。」

ほたる「はい!楽しみです!」


晶葉「しかし都合よく福引券を持っていたな。」

菜々「茄子さんほどじゃないですけどナナも運がいいんですかね♪」

晶葉「ほたるはいつも引くとティッシュばっかりか?」

ほたる「いえ…。私が引くとなぜかいつも抽選機が壊れてしまい、まともに引いたことがないです。」

晶葉「そこまでなのか…。」

ほたる「だから…今日は楽しみです!」

茄子「抽選所が見えてきましたよっー♪」



晶葉「さあほたる。そのブレスレットを付けて引いてみろ。」

ほたる「本当にいいんですよね…?」

晶葉「もちろんだ!私を信じろ。」

ガラガラガラ

男「お、五等だ。はい。図書券500円分。」

ほたる「…。」ポロポロポロ

晶葉「ど、どうしたんだほたる?!」

菜々「五等じゃダメでした?」

ほたる「いえ…。嬉しいんです。昔から不幸体質で…辛い思いもたくさんして…これでもう他人も自分も不幸にならないんですね。」

晶葉「ああ。もう大丈夫だ。」

ほたる「アイドルになるのに一生分の幸運を使い果たしたと思ってました。こんなに私も幸せになっていいんですか?」


茄子「ほたるちゃんは元から幸せでいる権利はありますよ。」

ほたる「こんな…いろんな人を不幸にしてしまい疫病神と呼ばれた私でも?」

茄子「ほたるちゃんは疫病神じゃないですよ。それにほたるちゃんは一つ勘違いをしています。」

ほたる「勘違い?」

茄子「幸せにはなるものではありません。晶葉ちゃん、ブレスレット一つ私に貸してください。」

晶葉「ああ。」

茄子「見ててくださいほたるちゃん。私は今から福引を引きます。」

晶葉「そしたらいつもの幸運がないんじゃないか?」

茄子「そこが違うんです。」

ガラガラガラ



男「い、一等。大当たり!!和牛5kg!!」

晶葉「なに?!」

茄子「幸せとはなるものではありません。幸せとは掴むものです。」

晶葉「う、ウサミン。計器に異常は?」

菜々「ありません!時空計も反応していません!」

茄子「さ、みんなでお肉パーティーをしましょう♪」

ほたる「は、はい!」

晶葉「私の負けなのか?いや、これはたまたまだ。たまたまなのだ。」ブツブツブツ

菜々「あ、晶葉ちゃんも帰りますよ。」


こうして私はオカルトに勝利?した。

あのあと食べたお肉はおいしかった。

やっぱりみんなで食べるとおいしいな。

この一件を通してほたるは不幸じゃなくなった。

茄子的に言えば気の持ちようらしいが…。

と、とりあえずこの超常現象もメカニズムがわかったので現象と呼んでいいだろう。

私の科学で超常現象を暴く戦いはまだまだ続くだろう。

以上で終わりです。

こじつけ科学を考えているときが一番楽しいです。

よしのん編はよしのんに勝てるこじつけ科学が浮かんだら書きます。

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