モバP「こんなとこにゲーセンなんかあったっけ?」 (23)

P「……というか、どこだここ」

ちひろ「プロデューサーさん、いらっしゃいませ!」

P「あの。何やってんですか、ちひろさん」

ちひろ「何って、ゲームセンターの店員ですよ。在日米軍にでも見えますか?」

P「……あー。いや、はい。なるほど」

P「せっかくですし、ちょっと遊んでいってもいいですか?」

ちひろ「どうぞ。今日はプロデューサーさんの貸し切りですよ!」

P「貸し切りって……まあ、いいですけど」

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P「さて。携帯は圏外だし、ちひろさんは水着だし。どう考えても現実ではなさそうなんだが」

P「中は思ったよりも普通だな。2階にプリクラ、対戦ゲーム、メダルコーナー……」

P「1階は音ゲと……クレーンゲームか」

P「おお、すごいなこれ。トレーナーさん達のデフォルメ人形か」

P「何もしないで帰るとちひろさんがうるさそうだし、これでいいかな……」

P「あ、そういえば財布……は、いらないみたいだな。チケット制か、これ」ウィーン

P「1ボタンで横移動、2ボタンで縦の調整……こんな感じか?」

P「おっ、なんか掴んだ! ルキトレちゃんか? それとも……」

http://i.imgur.com/cL24lmQ.png

菜々「ウッサミーン♪」キャハッ

P「」

菜々「……」

P「……」

菜々「…………」タラリ…

P「…………」ガコンッ

菜々「えっいや、ちょっ!? なんで下ろすんですか!?」

菜々「待ってください、そんなに優しく下ろされると逆に辛いですよぉ……」

P「いやもう、どっから突っ込めばいいんですかねこれ」

P「菜々のぬいぐるみだと思ってたら動くわ喋るわ……」

菜々「お、お騒がせしました……」チョコン

P「ええと。晶葉の作った人工知能とかじゃなく、菜々本人なんだな?」

菜々「はい。運動会の打ち上げで、きらりちゃんの家に遊びに行ったはずなんですけど……」

P「気がついたらそのサイズでクレーンの中に入っていた、と」

菜々「みたいですね……あはは、なんだか妖精になったみたいです」

P「妖精なら、クレーンに頼らんでも空飛ぶぐらいできるだろ」

菜々「いやあ、このサイズだと微妙に出口に届かなくて……出してくれてありがとうございました♪」

P「そういえば、思い出したことがある」

菜々「なんですか、プロデューサーさん」

P「ここに来る前、俺もきらりの家に居たはずなんだよ」

P「えーっと……確か、変な色したケーキやらパフェやらが出てきて、それから……どうなった?」

菜々「さあ……? ナナも記憶が曖昧で……」

P「まあ、どっちにしろこれは夢の世界だろ。どっちのかは知らないが」

菜々「そうですねえ……案外、二人で同じ夢を見てるのかもしれませんよ?」

P「同じ夢、ね……実際、そういうことってあるもんなのかね」

菜々「えへへ、なんだかビューティフル・ドリーマーみたいですね♪」

P「おい17歳」

菜々「あ……だ、大丈夫ですよ、声優志望なら観てなきゃおかしいですって!」

P「本当かよ……確か、俺が生まれる前の作品だぞ……」

菜々「ナナだって、映画館で観たわけじゃないですよぉ!」

P「……今度から、好きなアニメを語るときは無難にジブリアニメにしておくように」

菜々「はい……」

菜々「えへへ、なんだかビューティフル・ドリーマーみたいですね♪」

P「おい17歳」

菜々「あ……だ、大丈夫ですよ、声優志望なら観てなきゃおかしいですって!」

P「本当かよ……確か、俺が生まれる前の作品だぞ……」

菜々「ナナだって、映画館で観たわけじゃないですよぉ!」

P「……今度から、好きなアニメを語るときは無難にジブリアニメにしておくように」

菜々「はい……」

P「特にすることがあるわけでもなし、夢から覚めるまで話でもしてるか」

P「ちなみに菜々、その状態だとどのぐらい動けるんだ?」

菜々「うーん……関節が無いみたいなので、あんまり複雑な動きは難しそうですが」ピョコピョコ

P(なんだこの可愛い生き物)

菜々「普通に歩いたり座ったりはできますよ? どういう仕組みなんですかね、これ」

P「なるほど。トッペマよりは動けないくらいか」

菜々「ああ! ……うっ……えーと」

P「いや、今の誘導尋問は俺が悪かった。好きなんだよ、あの映画」

P「オトナ帝国が2000年頃だろ、確か。その辺からは観てないから詳しくは覚えてないけど」

菜々「わたしーはウサミーンーあなたのしもべー♪」

P「その、なんだ。俺と菜々しかいない夢なんだし、今くらいは素でいいからな、菜々」

菜々「ナナは別に……これがノーマルですから」

菜々「プロデューサーさんは、もしもこれが夢じゃなかったらどうします?」

P「そういうメルヘンな話題は苦手なんだけど……そうだな」

P「ちひろさんに頼み込んでどうにか元に戻してもらうか……」

P「それが無理なら、宇宙最小のアイドルとして売り出すか、かな」

菜々「いいですねえ……プロデューサーさんの肩に乗って、営業行きたいです♪」

P「……うん。企画出すか、手乗りウサミンぬいぐるみ」

P「衣装も何種類か出して、フィギュアよりもお手頃な価格設定にして」

菜々「う……売れますか? 智絵里ちゃんならともかく」

P「俺が欲しい。家に並べる」

菜々「……なんか、照れますねこれ……」

P「まあ、シリーズとしてだな。 他にも幸子とか杏とか、今の菜々みたいな感じで」

菜々「杏ちゃん、自分の身代わりに使いそうですね、それ」

P「その時はダブルブッキングさせるまでだよ」

菜々「うわぁ……」

P「そういえば」

菜々「なんですか?」

P「なんで菜々だけ人形になったんだろうな?」

菜々「そうですねー。プロデューサーのぬいぐるみ姿、見たかったです」

P「そっちかよ!?」

菜々「あれ、違うんですか?」

P「いや、夢の世界で起きる事にいちいち突っ込むのが不毛なんだけどな……」

P「菜々、誰かに恨まれるようなことしたか?」

菜々「うーん……特に無いとは思いますけど」

P「ならいいんだが。ほら、ファンタジーでよくあるだろ? 呪いで姿を変えられて、みたいな」

菜々「今はどちらかというと、ナナがファンのみんなに魔法をかける側ですからねー」

P「まあ、うちのアイドルを呪うような輩はどんな手を使ってでも報復してやるつもりだけど」

菜々「あはは……あんまり無茶しちゃダメですよ?」

P「んー? その言葉、そっくりそのまま返してやろうか?」

菜々「うひゃあ!? い、いきなり持ち上げないでくださいよっ!」

菜々「もうっ! せっかく『こんな姿でもちゃんとプロデュースしてくれるんだなあ』って思ってたのに」

菜々「台無しじゃないですかー! 責任とってくださいよぉ!」

P「へいへい。やっぱこれ、パンツとかもちゃんと履いてるもんなのか?」ヒョイ

菜々「ちょっとぉ!?」

P「ほー。ふむ、なるほど」

菜々「何に納得してるんですか!?」

P「いや、最近のぬいぐるみってすごいんだな、と」

菜々「もういいですから、下ろしてくださいよー! ちょっと高くて怖いですここ」

P「大丈夫、ぜったい大丈夫だよ」

菜々「そんなにぎゅっと掴まないでくださいよぉ……は、恥ずかしいんです……」

P「どうせ夢だし、せっかくだから提案がある」

菜々「な、なんでしょう……」

P「おとぎ話だとさ。よく呪いってキスで解除されるじゃん?」

菜々「いや、いやいやいや! 論理が飛躍しすぎでしょう!?」

P「男は度胸、なんでも試してみるものさ」

菜々「ナナは! リアル! JKなんですけどっ!」

P「別に唇にはしないっつーの」

P「人間に戻ったら儲けもんだろ。俺もいつまでも、南くんの恋人ごっこみたいなのは飽きるし」

菜々「こ、心の準備とかいろいろあるじゃないですかぁ!」ジタバタ

菜々「ぜぇ……ぜぇ……」

P「……少し調子に乗り過ぎたなと思いました」

菜々「本当ですよ……い、嫌ってわけじゃ、ないですけど……」

菜々「ナナは今、アイドルですし……夢ですけど、その、ムードとかちゃんと考えてください」

P「はい……反省してます……」

菜々「…………」

菜々「これが、二人同時に見てる夢だったとしたら」

菜々「ナナが、絶対先に起きますから……それまで、起きちゃダメですよ?」

P「んな無茶な」

菜々「起きてもいいですけど、ナナが起きるまで寝たふりしててくださいね」

P「……お、おう……?」

菜々「そしたら、ナナが……」

菜々「ちょっとだけ……今までの、お礼を……んぅ……」

P「菜々は……かわいい……なぁ……むにゃ……」

きらり「……二人とも、幸せそうな寝顔だにぃ☆」

杏「はぁ……杏一人にきらりの相手任せて、どんな夢見てるんだか」

きらり「ちひろちゃんにみんな送ってもらったし、杏ちゃんもきらりとおやすみすゆ?」

杏「ん……そうだね。ここじゃ狭そうだし、あっちで一緒に寝よっか」

きらり「うへへー……菜々ちゃん、Pちゃん、おやすみ☆」

菜々「ナナのこと……シンデレラにしてください……えへへ……」



おわり

くぅ疲
即興込みだから日付またぐと思ってトリ付けたけどそんなことはなかったぜ

発作のウサミンかわいい症候群で書いただけなのでオチとか特に考えてなかった
抱きまくら代わりにするんでウサミンぬいぐるみください(切実)

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