提督「百合鎮守府の日常」 (122)

注意
・実は全然百合百合しない。
・むしろ提督(♂)とイチャイチャする。
・でも恋愛感情皆無。
・恋でも友情でもない、親愛度とでも呼んでおこう。そういうのはカンストしてる。

という訳で、「お前ら仲良すぎだろ爆発しろ」的な内容ながら「でも恋愛度ゼロなんだよな……」みたいなふとした切なさを味わうスレ。
を、目指したい。
基本激甘を志すけれど、ただイタイ・クサイ・サムイだけになるかもしれないから、そんな風に感じたらそっ閉じどうぞ。

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1431520435

提督「ふう……」

加賀「提督、お疲れですか」

提督「む、すまん。これみよがしに溜息なんぞ。気を引きたかった訳ではないのだがな」

加賀「隠さずとも構いません。提督が女に構って欲しくて堪らない好色漢であることは承知しているので」

提督「何にも承知していない訳だが」

加賀「で、何をそんなに疲れているの? 今日の仕事は寧ろ少なかったと思うのだけど」

提督「……仕事に疲れてる訳じゃない」

加賀「では何?」

提督「惚けてくれる……君の膝に張り付いているその一航戦の片割れのおかげだ」

赤城「うへへぇ……加賀さぁん……」

加賀「何か問題が? いつものことじゃない」ナデナデ

提督「いつもだからだよ……。毎日毎日百合空間の展開に巻き込まれる身にもなってくれ。慣れるより先に精神が摩耗する」

加賀「では秘書艦を変えてはいかがでしょう」

提督「それに意味があるならとっくにやってると思わないか?」

加賀「そうね」

提督「こいつ……」

提督「仕事中も一緒にいないと作業効率が落ちるっていうから許可出したのに……これじゃ俺が保たん」

加賀「まあ、もともと『女同士なんて非生産的なことしてないで俺に全て捧げろ』などという変態だから、今の状況は辛いのでしょうね」

提督「そんなこと一言も言っとらんし、一欠片たりとも思っとらん。青葉にでも聞かれたら面倒なことになるような発言は控えてくれ」

加賀「まあまあ。いい加減付き合いも長いのだから、私にくらいは隠さなくても結構よ」

提督「……『いい加減付き合いも長いのだから』、少しくらいは信じてくれてもいいのではないか」

加賀「……っ」

提督「確かに、君から見て俺は優秀な提督ではないのかもしれん。だが、君たちへの情は本物だ。いつだって、俺なりに真摯に向き合ってきた」

加賀「……」

提督「『男なんて』と思うならそれはそれで構わん。だが、『提督として』の俺くらいは信用に足らないか?」

加賀「…………」

提督「……はあ。まあ、いいさ。取り敢えず今日はもう下がれ」

加賀「……ッ?」

加賀「ですがまだ仕事が残って……」

提督「僅かにな。この程度俺一人で十分。君はその寝坊助を連れて部屋に戻れ」

赤城「……もう食べれませぇんへへへへ……」

加賀「しかし……」

提督「秘書艦というのは実に疲れる仕事だ。第一艦隊の旗艦、提督の補佐、時報もある。明日もよくよく働いてもらうのだ、今日はもう休め。命令、だ」

加賀「……はい。分かりました。では加賀、これにて失礼いたします」ヒョイ

提督「おう。お休み」

加賀「……お休みなさい」

提督「しかし当たり前のようにお姫様抱っこしていったなあいつ……」

コンコン

提督「ん、誰だ? 入っていいぞ」

青葉「ども司令官! 青葉です!」

提督「げっ、青葉」

青葉「『げっ』てなんですか『げっ』てー!」

提督「何でもないから気にするな」

青葉「気にしますよ! さては今出て行った加賀さんと何かありましたね? これは是非取材を」

提督「何でもないから気にするな」

青葉「いやだから」

提督「気にするな」ニッコリ

青葉「はい」

提督「で、何の用なんだ?」

青葉「あ、はい! 青葉、取材の成果を発表してみたいのです! と言う訳で新聞の発行の許可を!」

提督「……それを今まで許可してこなかった理由を、俺は一々説明していたのだがな?」

青葉「わ、分かってますよぅ……いささかプライベートに踏み込み過ぎだったんですよね?」

提督「いささかどころではないがな」

青葉「ま、まあまあ。今度はちゃんと節度を守るつもりですし……司令官の利益にも繋げるつもりですよ! まずはこちらをお納め下さい!」

提督「物で釣ろうとしてないか……で、これは何だ、アルバム…………ッッッ!!!??!?!?」

青葉「艦娘の皆のセクシーショット(全年齢版)です!」

提督「早速節度を守ってないぞ戯けッ!!」

青葉「え、ええ? だって全年齢版ですよ? ミセイネンオコトワリ版は、その、青葉にはそもそも刺激が強すぎて無理でしたし」ポッ

提督「何にせよ盗撮だろうが!」

青葉「失敬な! ちゃんと許可は取ってます!」

提督「えっ……あ、そう……」

提督「そ、そも何故これを俺に贈ろうと?」

青葉「ぶっちゃけたまってらっしゃるでしょ?」

提督「今見せた純な姿は一体どこに!!!!!」

青葉「だ、だって司令官が一番よく分かってるでしょ? この鎮守府、百合嗜好の艦娘しかいない所為で『オコトワリ鎮守府』とか他所から言われてるんですよ?」

提督「え!? そんな風に言われてんの!?」

青葉「そのクセ何故か皆さん好感度高いから司令官のことベッタベッタ触るし! ムラムラモンモンしない訳ないじゃないですか!」

提督「なんてこと言うんだ君は! 立派な婦女子の言うことか!?」

青葉「失礼な! 青葉まだ腐ってません!!」

提督「その『ふ』じゃないわ!! しかも『まだ』とか言ったか今!?」

青葉「先のことなんて分からないじゃないですか! だから青葉は今を精一杯生きるんです!!」

提督「何か格好いいこと言ったって今更取り繕えるものかぁあ!!!」

提督「……と、とにかく。君の言い分は分かった」

青葉「許可して頂けるんですか!?」

提督「いや、まずは試しに作ってみろ。それを俺に持ってこい。その時判断する」

青葉「やった! 門前払いから進歩した! やっぱり嬉しかったんじゃないですかこのスケベ司令官~」

提督「この話は無かったことにしよう」

青葉「ああ!? ごめんなさいごめんなさい! 青葉自身のミセイネンオコトワリ版だったらある程度OKなんで許してくださーい!」

提督「何も分かってないな君ってやつは!」

提督「全く、本当に困ったやつだな青葉は……あ」

提督「……アルバム持ってかせるの忘れてた。こんなの持ってるなんて知れたら事だぞ……」

提督「いや……許可、取ってるんだったか。確かに盗撮とは思えないアングルのものばかりだ」

提督「だからって持ってる訳にはいかないが……ん?」

提督「1人1枚って訳ではないんだな。愛宕なんて枚数やたら多い上に凄いノリノリじゃないか」

提督「そして駆逐艦のセクシーショットまであるのは一体どういう了見なのだろうな?」

提督「…………加賀が、1番枚数多いな」



提督「……不器用過ぎるぞ、そのデレ方」

提督「取りあえず、見つからんように鍵付きの引き出しにでもしまっておこう。で、後で青葉に突っ返す」

提督「こっそり1枚だけでも残しておこう……なんて考えられないとは、我ながら枯れているというか」

提督「……いや、意地か。単なる」

提督「…………俺とて、一応、健康なる健全なる男子なのだ」

提督「……何の言い訳だ、馬鹿馬鹿しい」

提督「おや……今日は満月だったか」

提督「中々見事、だな」

提督「どれ、まずは仕事を終わらせて……」

千歳「あら、提督じゃありませんか」

提督「む、千歳か」

千歳「お酒なんて持ってどうなさったんです?」

提督「見事な月が出ているだろう? こんな肴があれば、俺でもそこそこ呑めるかと思ってな」

千歳「まあ素敵。私もご一緒してもよろしいですか?」

提督「勿論。ただ、お手柔らかにな?」

千歳「うふふ」

提督「恐いぞ……」

提督「あー駄目だ、やっぱりくらくらする……」

千歳「大丈夫ですか? お水です」

提督「ありがとう……折角上等な物を貰ったからって、いきなり日本酒はやっぱりまずかったか……」

千歳「提督、お顔が真っ赤です」

提督「はは……でも、酔っ払いもするさ。美しい満月を肴に、美人の酌で上等な酒を頂く。酔って当然ってものだ」

千歳「まあ。千歳に惚れちゃ駄目ですよ?」

提督「それなら大丈夫だ。俺の気持ちは分かってるだろ?」

千歳「えー? 千歳、分かりませぇん」

提督「おい」

千歳「分からないからこんなことしちゃう」コテン

提督「……男の膝枕なんて硬くて心地悪いだろうに」

千歳「そんなことありませんよ。女の子みたいな柔らかさは勿論ありませんけど、凄く安心します」

提督「そんなものか」

千歳「はい、そんなものです」

提督「そうか」ナデナデ

千歳「うふふ。……ねえ、提督」

提督「うん?」

千歳「確かに私たちは皆女の子の方が好きで、もし提督が『そういう気持ち』になったって応えてあげられません」

提督「……」

千歳「でも、私たち全員、提督のことをとっても大事に想っていますし、大好きなんです」

提督「……うん」

千歳「勿論、加賀さんも」

提督「……知ってるよ」

提督「君の写真もあったから言ってしまうが、青葉作のセクシーショット集な、加賀の写真が1番多かったんだ」

千歳「ふふふー、加賀さん、張り切ってましたよー?」

提督「はは……方法はどうかと思うんだがな、想われてるんだなって伝わってきて、凄く嬉しかった。方法はどうかと思うが」

千歳(2回言った……)

提督「ただな、やっぱり思ってしまうんだ。1回でいいから、赤城に向けるような笑顔を俺にも向けて欲しいって」

千歳「はい」

提督「俺に惚れてくれって言ってるんじゃない。あの、何の心配や警戒の無い、無防備な笑顔。『信頼しています』っていう証」

千歳「……」

提督「それが、俺も欲しいなって。そうしたら俺、鎮守府の皆に愛されてるって確信を持って、胸を張れるのに」

千歳「欲張りさんですねー、提督ったら。こんな良い女を膝に寝かせておいて、他の女性の愛が欲しいだなんて」

提督「こんなに愛されててもどうせ誰とも『そういう関係』には絶対なれないんだ。それくらい欲張ったって罰は当たらないと思うが」

千歳「ふふ、全くその通り……大丈夫です。いつか絶対、欲しい物は手に入ります」ナデナデ

提督「そうか? ……君が言うなら、そうなんだろうな」

千歳「はい。千歳が保証しますとも」ナデナデ

提督「ところで、その体勢から俺の頭を撫でるのは止めておけ。辛いだろう」

千歳「あら、そうでもないのよ?」ナデナデ

提督「そう、なのか」

千歳「はい」ナデナデ

千歳「はい提督、寝室に着きましたよ」

提督「すまんな、苦労かける……」

千歳「そんなにフラフラにしちゃったのは私ですからね」

提督「美人に酌されて調子に乗った俺の自業自得さ」

千歳「もう。あんまり美人美人と褒められると流石に恥ずかしいです」

提督「ふ。照れてる千歳は可愛いな」

千歳「……酔うと随分軟派になられるのね」

提督「嫌いか?」

千歳「甘い言葉を掛けられるのは嫌いじゃありませんけど、やっぱり限度ってあります」

提督「フラれてしまったか」

千歳「さっきから物言いが卑怯です、提督」

提督「すまんすまん」

加賀「……随分お楽しみだったようね」

千歳「あ、加賀さん」

提督「休めと言ったじゃないか、仕方ないやつめ」

加賀「休もうとしたわ。けど、寝るには早いし、赤城さんは寝ているし……だったら、提督と一緒に、と思ったって良いでしょう」

提督「……!」

加賀「執務室を出た時、青葉とすれ違ったわ。受け取ったでしょう、あれ」

提督「ああ……確かに」

加賀「我ながら馬鹿な方法だとは思ったけれど」

千歳(自覚あったんだ)

加賀「それでも、伝わると思ったから。……伝わったって確信を得たら、素直になろうって、思った」

提督「……」

加賀「愛してます、提督。恋とか、一生添い遂げたいとか、そういう気持ちとは違うけれど。でも、あなたの為なら命だって投げ出せる」

提督「……俺は、随分酷いことを君に言った」

加賀「ええ。流石に少し傷つきました」

提督「……ちょっとした意地悪のつもりだった」

加賀「ええ。分かってます。だから『少し』です」

提督「……許して、くれるのか?」

加賀「許す許さないの話しをするなら、そもそも私が先に酷い態度を取って提督を不安にさせていたわ」

提督「許すも許さないもない。そも俺は、直接伝えて欲しいって駄々捏ねてただけで、君の気持ちなんかとっくに知っていた」

加賀「でしょう? だから、私だって許すも許さないもない」

提督「……はは、何だか俺の情けなさばかりが目立つな」

加賀「そういうところも愛おしい。……そうよね、千歳」ギュッ

千歳「ええ、勿論」ギュッ

提督「幸せ者だ、俺は」

加賀「あら、今頃気付いたの?」

提督「再確認だよ、再確認」

千歳「何度でも実感しなおして下さい。その度、きっともっと幸せになる」

提督「ああ……俺は、皆に愛されて……幸せ、だ……」

千歳「提督?」

加賀「……寝てしまったのね」

千歳「まあ。お部屋のすぐ目の前なのに」

加賀「……余程呑ませたのね?」

千歳「うふふ。それもあるでしょうけど、やっぱり安心したんでしょう」

加賀「……」ナデナデ

提督「……ぅ……」

千歳「……起きた時、その笑顔。見せてあげて下さいね」

加賀「勿論よ」

千歳「お部屋には戻らないんですか?」

加賀「ええ。今日は、この寝顔の傍に。そんな気分」

千歳「赤城さんが嫉妬なさるのでは?」

加賀「だったらあなたも妹の所に帰るそぶりを見せたらいかが?」

千歳「千代田のことは言いっこなし、ですよ」

加賀「先に赤城さんのことを話題に出したくせに」

千歳「一本取られちゃいましたね、これは」

加賀「減らず口を……まあ、いいわ。今、幸せだから」

千歳「ええ、幸せだから」





青葉(これは記事にはできませんねー。この温かさごと、青葉の胸の中に閉まっておくのがいいでしょう……なんちて)

加賀「ところであなたはどうするの、青葉」

青葉「うひゃあ!? バレてた!?」

千歳「一緒にどうかしら?」

青葉「……そうですね! 青葉、ご一緒します!」

青葉「そういえば加賀さん」

加賀「何かしら」

青葉「結局、司令官へのあの態度はなんでだったんですか?」

千歳「あら、聞かれちゃいましたね加賀さん」

加賀「……」

青葉「おや、その口振りはご存じの様子」

千歳「知っているけれど……加賀さん。ご自分で言った方が傷口は小さく済みますよ」

加賀「つまり言わなきゃ自分が言う、と。私を脅すとは中々肝が据わっているわね」

千歳「んふー。戦功じゃ勝てないんですから、こういう所で優位に立ってみたいじゃないですか」

加賀「全く……」

青葉「で! で! 結局どうなんですか! 早く教えて下さいよー!」

加賀「取りあえずその手帳をしまいなさい」ギロッ

青葉「はい」

加賀「ボイスレコーダーも」

青葉「はい」

加賀「最初は、その……『男なんて』と、無条件で侮って、嫌っていた」

青葉「まあ、そういう艦娘けっこういましたよねぇ、うちは」

加賀「でも、付き合いが長くなるに連れて、感じるようになった。……この人は、私たちを愛しているのだと」

千歳「……だから、皆態度を軟化させていったんですよね」

加賀「だからこそ、私は…………その」

千歳「ほら、加賀さん」

加賀「う、うるさい。分かっているわ。……っふう、そ、その……だから……」

青葉「だから?」

加賀「…………まっすぐ向き合ってしまうと、赤城さんより……だ、大事に」

青葉「……!」

加賀「す、好き、に……! なって、しまいそうで……」

青葉「きゃああああっ!? これは大大大スクープですよぉおおッ!!!」

加賀「黙りなさい。提督が起きてしまう」ギロッ

青葉「はい。すいません。殺さないで」

加賀「あとオフレコだから。口外禁止」

青葉「はい。はい。死にたくないです。ごめんなさい」

千歳(噂が広まることより提督の安眠が大事なんですねぇ)ニコニコ

千歳「んふふふー、かーがさーん」ギュッ

加賀「ちょっと、いきなり何?」

千歳「加賀さんは可愛いなぁって」

加賀「言っておくけれど、赤城さん一筋よ」

千歳「あら、提督は?」

加賀「また意味合いが違う。というか、あなたもでしょう」

千歳「ま、そうなんですけど」

青葉「あれー、青葉は放置ですかー?」

青葉「もー。結局青葉をほったらかしたまま2人とも寝ちゃってー」

青葉「うりうり。ほっぺつついちゃいます。青葉の恨み思い知れい。えいえい」

青葉「……加賀さん、起きたら恐いし。この辺にしとこう」

青葉「それはさておき……しれーかんっ」

青葉「実はとっても熱烈だった加賀さんとか、こっそりそれに負けず劣らずの千歳さんとか」

青葉「他にも色んな人が、あなたを大好きです。恋愛感情はほぼ皆無ですけど」

青葉「……それって男の人的にすっごく残念かもですねー。悲しいですねー」

青葉「あ、でも加賀さんなら一押しすればいける……?」

青葉「あー、えっと、つまり何が言いたいかって言うとですね」

青葉「……青葉だって、この2人に負けないくらい、あなたをお慕いしてますからね」

青葉「にへへ。ちゅーしちゃった。ほっぺだけど」

青葉「一応言っとくと、お父さんっ子な娘さんがお父さんのほっぺにちゅってする感じですからね? お兄ちゃんと妹でも可」

青葉「さて、青葉もおねむです。腕、借りちゃいますね」

青葉「……お休みなさい」

提督「……ぅ……」

提督「朝、か……」

提督「…………あんなタイミングで寝落ちしたのか、俺は」

提督「で、だ。……左腕に青葉が寝転がり、床に座りながら加賀が右腕を枕、同じく千歳は足にしがみつく」

提督「何だ、この状況」

提督「……両腕の感覚が無いんだが」

提督「足もけっこうやばい」

提督「どうしたもんかね、これ」

加賀「ん、んぅ……」

提督「起きたか、加賀」

加賀「あ……っ」

提督「そういきなり起き上がるもんじゃないぞ。どうせ俺の腕は手遅れだ。両方な」

加賀「え……あ、青葉……」

提督「ハネムーン症候群、か。カッコカリすらしてない身が、ねえ」

加賀「ご、ごめんなさいっ」

提督「折角の爽やかな朝。謝罪の言葉なんかより、ずっと聞きたい言葉がある」

加賀「……!」

提督「……そんな悲しい顔よりも、ずっと見たい顔がある」

加賀「……」



加賀「……おはようございます。私の提督」

提督「ああ、おはよう。俺の加賀」

提督「良い、笑顔だな」

加賀「あなたこそ」

提督「ふ……」

加賀「ふふ……」

提督「……ところで、頭が痛い」

加賀「え?」

提督「死ぬほど痛い」

加賀「え……」

提督「……ふ゛つ゛か゛よ゛い゛た゛……」

加賀「青葉っ、千歳っ。どきなさい、起きなさいっ。提督を医務室に……というかお薬、お薬をっ」

ここまではプロローグ的な感じです。
あとは、艦娘1人ずつ「~編」みたいにやってこうかと。
基本は1対1でイチャイチャしてるだけになるかと思います。

別に安価じゃありませんが、お好きな艦娘の名前でも書きこんで頂けたら次回の書き込み時にその艦娘をやるかもしれません。
ではまず鳳翔さん編でも。



というか誰か見てくださってる……?

~鳳翔編~


鳳翔「提督。そろそろ休憩をお入れになってはいかがですか?」

提督「そうだな……うん。急ぎの案件も無いし、それもいいだろう」

鳳翔「では、お茶の用意を致しますね」

提督「鳳翔の淹れる茶はいつも美味い。今日も期待しているからな」

鳳翔「まあ。プレッシャーを掛けないで下さいませ。他ならぬ提督の期待なんて、裏切れないではありませんか」

提督「だから言ってる」

鳳翔「意地の悪いお人なんだから」

提督「はは、許せ」

鳳翔「はい。許します」

提督「ふう。やっぱり美味いな」

鳳翔「お口に合って光栄です。お茶菓子もどうぞ」

提督「ありがとう。羊羹か」

鳳翔「お好きでしたと思うのですが」

提督「ああ。好物だよ。……というか、君が秘書艦の時は、毎回俺の好物が茶菓子に出て来るな? しかも毎度違うものだ」

鳳翔「折角一心地つこうというのですから、どうせならより安らいで頂きたくて」

提督「俺が言うのもなんだが、君は俺を甘やかしすぎだと思うぞ」

鳳翔「そうでしょうか」

提督「ああ。いつか調子に乗って何かしら仕出かすだろう」

鳳翔「……実は、甘やかすにも相手への信頼が必要なのですよ? この人ならきっと歪まない、という」

提督「……だから、調子に乗るって」

鳳翔「その時はその時。しっかり対処させて頂きます」

提督「ほう、どのように?」

鳳翔「では僭越ながら……」




鳳翔「……めっ、ですよ?」




鳳翔「と、まあ。このように」

提督「今実演したのは逆効果だったな、鳳翔。寧ろ悪さをしたくなってきたよ」

鳳翔「まあ、怒られたいと? いけないお人」

提督「君の方が余程罪作りだと思うがね」

鳳翔「どうしてそうなるのです」

提督「君が魅力的だ、という話だよ。これは」

鳳翔「……もうっ。そうやって煙に巻こうとして」

提督「そんなつもりは無いのだが……で、今の俺は『悪い子』だと思うが、どうする?」

鳳翔「それは勿論……」





鳳翔「めっ。です」

まあ、1編この程度のもんになります。

人がいて下さって嬉しいっす。
もう書き溜め無いんで今日はもう書き込めないですけど、早速ご要望は参考にして考えてみますね。

速筆だったら即興で書けるんだろうなー……自分の遅筆が憎い。

スレタイ詐欺じゃん

どうもこんばんわ。少しは書き溜めできたんで書き込みますよ。

>>45
百合好きの方を釣る感じになってしまってるのは申し訳ない限りです。
タイトルにも百合要素薄い旨を加えるべきだったかもしれません。

~金剛編~


金剛「ふぅ~……」

提督「何だ金剛。溜め息なんてついて」

金剛「あ、提督。ごめんなさいネー、みっともないとこ見せて」

提督「みっともないなんて思うものか。溜めている物があるなら存分吐き出せばいい。それを受け止めるだけの器はあるつもりだ」

金剛「んふー。だからLoveヨ、提督」

提督「……これでもドキドキするんだぞ? 頬とは言え、軽々にキスなどせんでくれ」

金剛「人をキス魔みたいに言わないで下さいネー。提督だからしてるのデース」

提督「……それはどうもありがとう」

提督「で、どうしたと言うんだ?」

金剛「あー……比叡が、カレーが……」

提督「…………それを受け止めるだけの器はあるつもりだ」

金剛「せめて冷や汗止めてから言って欲しいデース」

提督「んむ。汗くらい、自分で拭ける」

金剛「いいから黙って任せてクダサーイ。ね?」

提督「……俺は君の妹たちのような甘えん坊ではないぞ」

金剛「だから甘やかしてあげたいノ。提督は頑張り屋さんだからネー」

提督「それを言うなら」

金剛「What?」

提督「同じ頑張り屋さんの君のことをこそ、俺は甘やかしてあげたい」

金剛「ふわぁ……提督のナデナデ、極上ネー」

提督「伊達に駆逐艦たちをあやしていないさ」

金剛「モー、子供扱いデスかー?」

提督「普段お姉さんなんだから、俺にくらい甘えるが良い」

金剛「……それもそうネー。えっと……オニーチャン?」

提督「まあ、父ではないな」

金剛「ンー……でもやっぱり兄も違いマース」

提督「ではなんだろうか」

金剛「提督は、提督ネー」

提督「……ふむ」

金剛「皆大好き、私の提督ヨ」

提督「皆の、じゃないんだな?」

金剛「甘えろって言ったからには全力で甘えさせるのが筋ネー。今だけは私専属の提督デース」

提督「専属提督とはなんと贅沢な……ま、いいか」

金剛「ほーらー? まずはぎゅーっとハグするネ、ぎゅーっと」

提督「そら、これでいいか?」

金剛「にゅふー」

提督「何だその声」

金剛「ふふーん! 提督、私とっても幸せネー!」

金剛編終了です。
個人的に、提督への恋心が無いとちょっと落ち着いてお姉さんっぽくなると思ってます。

~曙編~


曙「入るわよ、クソ提督……って、寝てるし」

曙「何よ……せ、折角、クッキー焼いてみたから持って来たのに」

曙「……あの時の失敗作と違って、ちゃんとしたやつ」

曙「……あんな炭みたいなもの食べて、あんた『美味い』って笑ってたわね」

曙「馬鹿よ、ほんと」

曙「馬鹿すぎていっそ可哀想だから、ちゃんと美味しいクッキー食べさせてやろうってのよ」

曙「…………頑張ったんだから」

曙「さっさと起きて食べなさいよ、ばか」

曙「何よ、幸せそうな寝顔しちゃって。憎たらしいわね」

曙「……こっちは一大決心して来てるのに」

曙「あっ……ち、ちがう! そんな大した決心でもない! そもそも決心なんて大げさな言葉を使うほどでもない!」

曙「そんな……全然……大したものじゃ……」

曙「ある、わよ……ばか」

曙「ばか、ばかばか」

曙「私は皆と違うのよ。素直になんか、全然なれないの」

曙「そんな私が、素直になろうって。そう思って、あんたの所に来るのに、どれだけの覚悟が必要だったか」

曙「分かる? 分からないでしょう? ……でも、伝わるんでしょうね」

曙「そんなあんただから、私は……」

曙「愛しい、の」

曙「駆逐艦だからって馬鹿にしないで。私だって分かってる」

曙「この気持ちを『愛』って言うんだって」

曙「友情じゃない。恋でもない。愛」

曙「大好きなの。感謝したいの。仲良くしたいの」

曙「クソ、なんて言いたくないの」

曙「……何よ、寝てればこんなスラスラ言えるじゃない」

曙「何で……起きてる時に面と向かって言えないのよ」

曙「意味、無いじゃない……っ」

提督「だが……起きてる俺に面と向かって言う覚悟を固めて来たんだろう?」

曙「はっ? ……ちょ、あんた、起きて……ッッ!??!」

提督「途中からな。随分美味しそうな香りがしたもので」

曙「……~~~ッ」

提督「そのクッキー。良ければ、貰えないか? 食いしん坊としては是非食ってみたい」

曙「…………し、仕方ないわね。どうしてもって言うなら食べさせてあげても――違う」

提督「……」

曙「あなたの為に、作って来たの。是非、食べてちょうだい……提督」

提督「ああ。有り難く頂くよ、曙」

曙「……うんっ」

今日の所はこんなもので。
恐らく明日はこれないと思います。
というか不定期になりますね、多分。
まあある程度書き溜めができ次第ちょくちょく書き込みますので、気楽にお付き合いくださいまし。

どもども。ちょっとはできたので来ました。

当スレにおける百合要素とは、あくまで前提と言いますか、隠しパラメータと言いますか、そんな感じです。
ので、百合っ気が微塵も出てこない話もございます。

※ただし恋愛感情ゼロ

を後から思い当たっていただく形になりますね。

あんまり説明みたいなことしてても言い訳くさいのでそろそろ書きます。

~陸奥編~



陸奥「起きて。ねえ、起きて。提督」

提督「……む、陸奥……?」

陸奥「ええ、あなたの陸奥よ。おはようのキスでもする?」

提督「……遠慮しとく」

陸奥「あら、残念。寝ぼけてるあなたからなら許可貰えるかな、って思ったのに」

提督「……そんなことより、朝っぱらから一体何の用なんだ?」

陸奥「そんなこととか……つれないわねぇ」

陸奥「今度のお休み、何かご予定はあって?」

提督「それ、寝てる俺を起こしてまで早朝に聞かなきゃならんことか?」

陸奥「聞かなきゃならんことよ。貴重な提督の休み、一緒にいたい艦娘なんか山ほどいるんだから」

提督「つまり、君も俺と過ごしたい、と」

陸奥「ええ。急がないと、他の誰に先を越されるか分かったものじゃないわ」

提督「そういうものかね……」

陸奥「そういうもの。で、私と一緒に街までお出かけ、いかが?」

提督「勿論構わんさ。だが、長門はどうした?」

陸奥「……」

提督「あー……」

陸奥「第6駆のみんなとピクニックに行くんだー、ってニコニコしてたわ……」

提督「第6のピクニック? それは天龍が引率予定だった筈では?」

陸奥「急用が出来たらしく、代理でね。まあ多分……」

提督「龍田絡みだろうな……」

陸奥「……とにかく! 1番さんにはとっくにフラれてるから、気にせず付き合って頂戴な」

提督「つまり俺は2番目な訳だ?」

陸奥「もう、拗ねてるの? 可愛いわね、提督ったら」

提督「むぐ……ぷは。胸で顔を覆うなと言ってるだろ……ッ」

陸奥「あら、ごめんなさい。でも役得でしょ?」

提督「こいつ……」

陸奥「大丈夫よ。2番目なのは確かだけど、ほんのちょっとの差しか無いもの」

提督「その『ちょっと』が大きいのだと俺は知っているぞ」

陸奥「そうだけど、でも」

提督「ああ。実質同率1位なのも知っている」

陸奥「そういうこと。じゃ、今度の休日を楽しみにしてるわね」

提督「……結局キス、しおってからに」

陸奥「おでこだからいいじゃない」

提督「何度もするな!」

スレタイに見事に釣られたわ
次から紛らわしいスレタイは付けないでくれマジで

~川内編~


提督「今日はハードだったな……さっさと寝よう」

川内「川内参上!」

提督「どわぁ!? どどどっから出てきた川内!?」

川内「天井に張り付いてた!」

提督「何でそんな珍奇な真似を……!?」

川内「だってほら? 折角忍者っぽくなったんだから、ね! ね!」

提督「そんな理由で……」

川内「へへん! くノ一川内だよ!」

川内「と言う訳で夜戦しよ!!」

提督「お休み」

川内「何でっ!?」

川内「折角夜戦装備も出来たんだよ~!? 夜戦させてよ~や~せ~ん~!!」

提督「君の改二改修の件もそうだが、今日は大事が続いたんだ……休ませてくれ。明日なら存分させてやるから」

川内「待ちきれないよ!? 今したいのー!!」

提督「……」

川内「やーせーんー!! やせーん!!」

提督「…………そんなにしたいなら許可しよう」

川内「え!? ほんと!? やったー!!」

提督「ただし!!」

川内「?」

提督「性的な方だ!!」

川内「うん!」

提督「……え?」

川内「……え?」





川内「…………あぁああああああああああああッッッっッっっ!!??!??!!!」

川内「ちちちちちがちがちがちががッッ!!???!」

提督「あああすまん川内つい物の弾みでとんでもないこと口走った俺が悪い分かってる分かってるから落ち着けホントすまんお願いだからッッ!!??!?!」

川内「違うの私そんなえっちな子じゃないのぉおおおッッ!?!!??!」

提督「分かってるからあぁあああああ!!!!!!」

川内「…………取り乱しました」

提督「…………こちらこそ」

川内「……」

提督「……」

川内「……あ、のさ」

提督「なっ、なんだ?」

川内「提督もさ……その、えっと、『そういうこと』……したいの?」

提督「けっ! 決してそんな訳では……!?」

川内「青葉さんの撮ってたアレとかもそうだし……男の子だもん、ね。そうだよね」

提督「アレは青葉が勝手に……!」

川内「……ごめんね、応えてあげられない。応えてあげられない、から――」

提督「――ストップだ川内」

川内「みぎゅ」

提督「今何しようとしたんだ、君は」

川内「え、えっと、ちゅー……」

提督「口にな……」

川内「……何でダメなの? 私、夜戦のお相手はしてあげられないから、もうこれくらいしかしてあげられることが」

提督「そんなに思い詰めないでよろしい」

川内「でも」

提督「……そんなに思い詰めてしまう程、俺のことを想ってくれている。それで充分過ぎる程嬉しい」

川内「……提督ってちょろいね」

提督「ちょ、ちょろい……」

川内「だってそうじゃん。何でも気持ちだけで気持ちだけでって、手元に何も残らないよ。もっと欲張りなよ」

提督「十分欲張りなつもりなんだが」

川内「まあいいや。要らないって言っても私たちがどんどん押し付ければいいんだからね」

提督「それは『押し当てる』だろうっ」

川内「へへ。あんまりおっきくはないけど、張りと弾力は密かに自慢だよ!」

今日の所は以上です。
キスネタに頼りがちな現状。なんとかせねば……

>>73
や、本当申し訳ない。立ててから「あ、やばいかな」って思ったんですけど、もっと早くそういうことに気付くべきでしたね。

そういう意味だとお見合いとかでふつうに結婚してもいい鎮守府ってむしろ新鮮な気がする

大抵誰か嫉妬に狂うのばっかり見たせいか…?

どうもどうも。とりあえず1人分だけですが、書いたので来ました。
励ましの言葉ありがたいです。頑張らせていただきますとも。

>>83
仮に結婚したとして、嫁さんの方が嫉妬に狂うと思います。
旦那が部下(♀)とあまりに仲良すぎて。
という訳で独身待ったなし。

~瑞鳳編~


瑞鳳「ふんふふーん」

提督「おや、厨房から楽しげな声がすると思ったら」

瑞鳳「あ、提督。なぁに、つまみ食いでもしに来たの?」

提督「はは、見回り中にちと小腹が空いてな」

瑞鳳「食いしん坊なんだからー」

提督「ところで、何を作っていたんだ?」

瑞鳳「あ、えっとね、これ!」

提督「卵焼きか」

瑞鳳「どう? 結構自信作なの!」

提督「いや、見た目だけ良くて味は、みたいなパターンかもしれん」

瑞鳳「……食べたいのね」

提督「そういうことだ」

瑞鳳「もう、仕方ないなぁ。……本当は姉さんに作ってたんだからね? ちょっとだけよ?」

提督「ありがとう、瑞鳳は優しいな」

瑞鳳「もう」

提督「じゃあ箸を……」

瑞鳳「はい、あーん」

提督「……ん?」

瑞鳳「食べないの?」

提督「ああ、いや、食べる食べる。うん」

瑞鳳「じゃ、改めて。あーん」

提督「……あー、ん」

瑞鳳「どう? どう?」

提督「美味い。大変美味い。実に美味い」

瑞鳳「ほんと? よかった、えへへ」

提督「これなら祥鳳もよろこ」

瑞鳳「じゃあじゃあ、もうちょっと食べていいよ? はいあーん」

提督「え、おい」

瑞鳳「あーん」

提督「…………あーん」

瑞鳳「わはっ、食べた食べたー。ほらほらもう1個~」

提督(餌付けされてる気分だ……)

瑞鳳「ね、ね。もう1個、もう1個食べるぅ?」

提督(ま、楽しそうだからいいか……)

提督「所で、祥鳳に食べさせる分はどうした?」

瑞鳳「あ……あ~!! 調子乗ってあげ過ぎた~!?」

提督「もっと早く言えば良かったな……すまん」

瑞鳳「……んーん。いいの。もう1回作るから」

提督「では、今残ってる分はどうする」

瑞鳳「全部提督にあげる! はい、あーんして!」

提督「……ひょっとして残りも全部『あーん』で食わせる気か?」

瑞鳳「? 何かダメ?」

提督「いや……何も。頂くよ」

瑞鳳「うん! どーぞ?」

食べりゅううううううううううううううううううう
って提督に言わせるかちょっと悩んで、キャラじゃないからと結局断念。

はい、すっくねえですが今日はこんなもんです。遅くとも一週間以内にはまた来ますのでその時また。

予告してた通りに来られなくてほんとごめんなさい。時間はあったんですが、すっげー疲れててすぐ寝ちゃったりしてたんで……
それでも一回顔出すべきでした。

とにかくすいませんでした。今日の夜こそ書きますので。

このスレで起こるかどうかはわからんが、万が一提督と艦娘がエロいことしようとする場合、それはいわゆるセフレみたいなことになるのかな?恋愛感情ゼロとすると

昼間の宣言通り来ましたぜよ。
前回から間が空いちゃってすいません。今日は3人です。

では早速。

~暁編~


暁「ふふん! どう? 司令官! これで暁のこと一人前のレディだって認めざるを得ないでしょう!」

提督「ちょっ、探照灯向けないでくれ。眩しい」

暁「あっ、ご、ごめんなさい」

提督「よしよし。悪いことしたらちゃんと謝れるなんて立派だな」

暁「と、当然よ。暁は一人前の……って、頭をなでなでしないでよって言ってるじゃない!」

提督「おお、すまん。詫びという訳でもないんだが、改二改装を祝して豪華なランチを用意したんだ」

暁「え、ほんと!?」

提督「ああ」

暁「あっ……えと、ふ、ふん! 果たしてこのレディの口に合うものなのかしらね!」

暁「あ、あれ……」

提督「どうした?」

暁「……旗が……立ってない……」

提督「おや、そっちが良かったか?」

暁「ち、ちが、違うわよ! いっつも旗が立ってる例のランチ出すのに、今日は違ったからちょっとびっくりしただけ!」

提督「はは、いつもすまんな。暁があまり可愛いのでついからかいたくなってしまう」

暁「か、可愛いとか言ったって誤魔化されないんだからぁ!」

暁「大体何よ! 可愛いとからかいたくなるって! 好きな子についイジワルしちゃう小学生じゃないんだから!」

提督「俺もまだまだお子様ってことかね」

暁「……違う」

提督「ん?」

暁「司令官は立派な大人の男の人なの」

提督「お、おお」

暁「暁が認める立派な男の人なの。隣に並びたいって思えるくらい大人なの」

提督「……」

暁「……その為に、暁頑張ってるんだから。頑張って、改二にもなったんだから」

提督「……そっか」

暁「だから! お子様なんて言っちゃ駄目なんだから!」

提督「俺の事、そこまで評価していてくれたとはな」

暁「当然よっ。だって暁の司令官なのよ! 一人前のレディに相応しい人に決まってるじゃない!」

提督「おいおい、あまりプレッシャーかけるな。俺だって駄目な所いっぱい持ってるんだぞ?」

暁「分かってるわ。だからこのレディがそういうところをフォローするんじゃない」

提督「それは頼もしい」

暁「でしょう? これで完璧な司令官よ!」

提督「……じゃあ、いっぱい食べて体力付けて、午後からも頑張ってくれな? 頼りにしてるぞ?」

暁「暁に任せなさい! それじゃあ、頂きます!」

提督「ああ、召し上がれ。俺特製の豪華ランチだ」

暁「ふぇ!? 司令官が作ったの!?」

提督「ふふふ……一人暮らし経験者舐めんな」

~大井編~


提督「ん?」

大井「あ」

提督「……」

大井「……」

提督「何を、している?」

大井「夜這いですけど何か?」

提督「そうだな。俺もうパンツ一丁だしそのパンツにも指がかかってるしな。言い逃れできないよな。……でも一回くらい誤魔化せ?」

大井「嫌ですよ面倒くさい」

提督「面倒くさいって……」

提督「で、何故こんなことをしたんだ」

大井「まず勘違いしないで欲しいのは、私はどこまでいっても北上さん一筋だってことです」

提督「分かっているからこそ困惑している」

大井「子どもが欲しいんです」

提督「……成る程」

大井「でも、私たちは女同士だからそれは望めない。まあ、この鎮守府の艦娘全員同じことを言えますけど」

提督「だから俺の種で、か。いくらなんでも無茶だぞ」

大井「もう二つ勘違いしないで欲しいのは」

提督「……?」

大井「あなたとだったらそういうことするのも嫌じゃないし、生まれた子もしっかり愛せると確信してますから」

提督「……君はかなり愛が深いタイプだが、だからこその思考か」

大井「私、北上さんの為なら何でもできますから」

提督「その北上とはしっかり話し合ったのか?」

大井「うっ……」

提督「やっぱり。北上の為ならなんでもできるのはいいが、だからって暴走してたら当の北上にも迷惑かかるだろう」

大井「くっ……提督とは言え他人に北上さんのことについて諭されるなんて……」

提督「こんな重要なことなら尚更だぞ。どうしても子どもが欲しくて俺とするって言うなら、事前に話し合え」

大井「所で、しっかり話し合った結果、提督の子を産むとなったらお相手して下さるの?」

提督「いや、断るが」

大井「じゃあそういう結論になったらまた夜這いしに来るから」

提督「今度から厳重に鍵を掛けておくとする」

大井「酸素魚雷80発に耐えられる扉なんて存在しないわ」

提督「さらっと北上の分が加算されているのだが」

大井「そうなるとしたら、その時は二人一緒にってことになるでしょうからね」

提督「というか、俺の許可なく艤装の装着は行えないからな」

大井「分かったわよ、もう。昼間に強引にやらせてもらうから」

提督(球磨に助けを求めなければ)

~北上編~


北上「おーい、提督やーい」

提督「ん……北上?」

北上「やっと起きたかー」

提督「……俺の寝室で何をしている?」

北上「夜這い」

提督「…………鍵はどうした」

北上「妖精さんに頼んでちょちょいと」

提督(後で買収しておかないと)

北上「やー、しかし提督。そこまでひんむいたのについぞ起きなかったねぇ」

提督「む? ……パンツ一丁じゃないか……」

北上「まーどっかで起きるべー、と思って脱がしてたんだけどなー。最後の一枚になっても起きないんだもん」

提督「君、夜這いしにきたんじゃないのか?」

北上「んーん。フリだよ、フリ」

提督「フリとな」

北上「昨日大井っちが私に黙って勝手に暴走したじゃん? こっちからもやり返して困らせてやれって思って」

提督「俺が一番困るのだが」

北上「まーまー、気にしない気にしない」

北上「でさ、提督」

提督「何だ、結論が出たのか?」

北上「話しが早いねぇ。結論、私たちは提督に種の提供を頼まないことにしました」

提督「そうか。断る心苦しさを味わわずに済む」

北上「それだ」

提督「む?」

北上「や、ほんとは頼んでもいいかなー、っと思った訳よ私も」

提督「マジか」

北上「マジマジ」

提督「では何故?」

北上「提督が本気で困るよなーって思って」

提督「まあそうだが」

北上「ほんとは性欲も人並みにあるから興味はあるけど、でも私たちが結果傷つきかねないから絶対応じない」

提督「……」

北上「自分が本気になって自分に本気になってくれる人としかしない、っていう意地もあるっぽいけどね」

提督「……何でバレてるんだろうな」

北上「へへーん。スーパー北上さまには何でもお見通しだよー」

提督「気遣ってくれてありがとうな、北上」

北上「提督こそ、普段から私たちに気遣いまくってるでしょ。少しは返さないとね」

北上「だから球磨姉に言いつけないでね……?」

提督「はは……」

北上「笑ってないでうんって言ってよ!? あの割と恐いもの知らずな大井っちがマジビビりする唯一の相手なんだから!?」

はい。今日は以上です。
重ね重ねすいません。もう次いつ来るとか言うのやめようかな……

>>102
当鎮守府でチンジュプするには大井っち編で起床失敗夜這い成功する必要があります。その後なんやかんやあって種馬ルートに入ることになります。
レズカップルに子供の提供、という形でエロい関係になる訳ですね。

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2015年08月29日 (土) 14:02:12   ID: dqI2Pp5N

なんだろうこの虚無感は

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