もんぶち
「こんにちはー」
「衣様がお待ちですこちらへ」
「はい」
純「お!また来てるのか」
一「うん、毎週来てるね」
智紀「でも、衣も喜んでる」
一「これだけ打ってても一切嫌な顔しないし礼儀正しいからね」
純「よっし、んじゃいっちょ俺も打ってきますか」
智紀「ただ、打ちたいだけ...」
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衣「来たな!穏乃」
穏乃「はい、お久し振りです天江さん」
透華「いらっしゃいまし、高鴨さん」
穏乃「龍門渕さんもお久し振りです!」
透華「長かったでしょう、少し座ったらいかが?」
穏乃「いえ、大丈夫です!天江と打つと思うとウズウズして止まりません!」
衣「それなら、今すぐ打とう!」
穏乃「はい!」
純「お!やってるやってるー」
穏乃「皆さんもお久し振りです!」
「おう」「うん、久し振り」「久し振り...」
衣「よし、座れ穏乃」
穏乃「はい!」
タン...タン...
衣「ロン7700」
穏乃「うー...やっぱり強い...」グデーン
智紀「また衣の勝ち」
純「でも、頑張った方じゃねえの?」
透華「純なんてラスですものね」
一「透華ー、止めてあげなよ」
純「くっ...事実だから仕方ない...」
衣「穏乃は支配がまだ甘い」
穏乃「支配ですか...」
智紀「また意味分からないトークが始まった...」
純「本当にあんなアドバイスで強くなるのか?」
一「でも、最初の頃に比べて僕達もだんだん勝てなくなってきてるしね」
透華「どんどん、衣に近いうち筋になってる事は確かですわ...そのまま、強さまで」
一「なら衣に教わって正解だね、こんな事他の人じゃ誰も教えてくれなそうだし」
穏乃「ありがとうございました」
衣「また何か行き詰ったら衣に聞くと良い」
穏乃「はい!」
純「終わったみたいだな」
純「どうだった?意味分かったか?」
穏乃「はい!これでまた一歩強くなれそうです!」
純「そうか...良く分かったな」
衣「穏乃はこれからどんどん強くなるぞ」
智紀「また始まった、衣の穏乃自慢」
一「でも、本当に強くなってるし」
透華「私達で鍛えて差し上げてるんだから当然ですわ」
衣「それもあるが、穏乃は...」
穏乃(は、恥ずかしいけど...今..言わなくちゃ)
穏乃「あ、あの!!」
皆「!!?」
透華「どうしまして?いきなり」
穏乃「今日は天江さんに...いえ」
穏乃「衣さん!お願いがあるんです!」
純(こ)
一(衣)
智紀(さん?)
衣「衣さん///」ポヤー
穏乃「衣さん?」
衣「い、いや、なんでもない、どうしたんだ?いきなり」
穏乃「えっと...衣さんに...衣さんに、私の師匠になって欲しいんです!!」
「「「「し、し、師匠!!?」」」」
穏乃「はい」
穏乃「私の周りにこういう打ち手の人が居ないんです...」
穏乃「それで、もっと強くなるならこういう打ち方が出来てとても強い人に教わらなくちゃいけないと思って...」
穏乃「それで、衣さんに師匠になって貰いたくて...」
透華「なるほど...」
穏乃「迷惑ですかね?」
透華「それは、衣本人に聞かないとどう答えるか分かりませんけど...」チラッ
純「おい、衣!大丈夫か!」
衣「えへへ....///...衣さん...///...師匠...///」ポヤー
一「どうしよう、衣が...」
透華「その本人があれじゃあ...」
穏乃「うう...やっぱり迷惑ですかね...」ズーン
純「おい、衣、穏乃が落ち込んでるぞ」
衣「はっ、危ない危ない、もう少しで極楽浄土へ向かう所だった」
一「よかった、生き返った」
衣「すまない、少し取り乱した」
穏乃「いえ..こんな事いきなり言われても迷惑ですよね...」
衣「そんな事は無い、寧ろ衣は素直にうれしかったぞ」
穏乃「そんな////」
衣「それと...返事の事だが」キリッ
穏乃「はい....」ジッ
衣「少しばかり骨が折れるが、付いてこれるか?」
穏乃「それって!」
衣「ああ!これからは天江さん改め衣さん改め、衣師匠と呼んでくれ」
穏乃「ありがとうございます衣師匠!!」
衣「い、いや///待て、やはり少し恥ずかしい///」
一「これで決まったね」
衣「今日を持って穏乃は正式に衣の弟子だ!」
穏乃「はい!衣さん!」
純「でもよお、良いのか?お前教えることあるのかよ」ボソボソ
衣「こ、これから考える...」ボソボソ
穏乃「衣さん衣さん」
衣「どうした?」
穏乃「これから、どんな特訓をするんですか!?」キラキラ
衣「うっ...」
純「ほら、言わんこっちゃない」
衣「え、ええと...」
穏乃「はい」キラキラ
衣「今日は泊まっていけ明日からの修業の為にもう休むぞ!」
穏乃「はい!」
ハギヨシ「では、客室へご案内します」
穏乃「ありがとうございます!」
衣「ホッ」
透華「良いんですの?あんな約束して...」
衣「大丈夫だ...今日徹夜で考える」
一「衣が...徹夜?」
智紀「それは、想像できない」
衣「馬鹿にするな!」
衣(どうしよう...あんな事言ってしまった手前..あまり凄くない練習では失望させてしまうのではないだろうか)ウツラ...ウツラ
衣(衣を師匠と、先輩と扱ってくれる穏乃を失望はさせたくない...)ウツラ...ウツラ
衣「そうだ...」
衣(これは良いアイデアだ)
スースー...
一「11時まで持ったね...」
純「まあ、9時になる衣にしては大健闘か...」
透華「それにしても..大丈夫かしら...」
智紀「それは分からない」
次の日
衣「それでは、修業内容を発表する」
穏乃「ワクワク」
「「「「ドキドキ」」」」
衣「穏乃は衣と全国を回り強敵を倒していくぞ!」
「は?」
「え?」
「ん?」
「な!?」
穏乃「凄い、流石衣さん!」
衣「これが衣の導き出した最短ルートだ」フフン
純「ダメだダメだ!そんな事!」
一「そうだよ!高校生二人で修行の旅なんて」
透華「なにがなんでも危なすぎですわー!!?」
智紀「危険、止めた方が良い」
衣「それは...衣も分かっている」
「「「「え?」」」」
衣「しかし、衣は色んな世界に触れてこそ強くなれるのだと思う」
穏乃「確かに...」
純「でもダメだ!そんな事」
一「透華も何か言ってやってよ!」
透華「いえ...もしかしたら、衣にとってもいい機会なのかもしれませんわ」
一「え?」
透華「衣の為にも一度外の空気を感じさせてやるのが一番では無くて?」グスン
一「透華...」グスン
純「お前って奴は...」グスン
智紀「成長の時」グスン
衣「みんな..」グスン
穏乃「イイハナシダナー」グスン
衣「みんなまた会おうー」
「無事に帰って来るんだよー」「いつでも帰って来ーい」「頑張れ」
「いってらっしゃいましー」
穏乃「皆さん、離れて行きますね」
衣「ああ、一旦さよならだ、だが!行きつく先で出会いがある!」
穏乃「はい!」
衣「これからよろしく」
穏乃「はい!」
キュッ
交わした握手の間にはその小さな掌から想像もできない壮大な物語が眠っているのだが
それはまだ先の話
今日はもうおやすみ
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