吹雪「ようこそ『お尻の館』へ~!」 (141)


吹雪「こちらではお尻を拡張したい、オシリスキーさんの為の部屋です~!」

吹雪「早速お客さんが来ていますねぇ……さーて、どなたでしょうか………………」


ガチャッ


明石「あの…………」

吹雪「おや、明石さん!いらっしゃいませ!」

明石「私、大淀に言われて来たの…………ここに来れば、変われるって聞いて」

吹雪「はい、変われますよ。このお尻の館ならね」


SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1431356854


吹雪「じゃあ明石さん、そこの装置に四つん這いになってください」

明石「こ、こう……?」スッ


ガチャッ


明石「え!?拘束され…………」

吹雪「お尻の拡張にはまずは腸内洗浄!!浣腸ぶっこみまーす!!」

明石「ええええええぇぇぇぇぇぇぇえぇ!!!?!?」



・・・・・・


明石(ボテ腹)「う、うぅぅっ……!」

吹雪「苦しいですかぁ?じゃあこの栓を抜いちゃいましょう!」

明石「あ、ちょ、やめて!せめてトイレに!」

吹雪「大丈夫。この部屋は瞬時に自動洗浄されます!えいっ!!」

明石「きゃあああああああああああああああああぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁ!!!!!」


~数時間後~


明石「あ、あへぇ…………あひぃぃ……」ピクピク

吹雪「明石さんのお尻も随分拡張されてますねぇ~!大根並の太さのこのディルドが入っちゃうとは!」

明石「お、おほぉ……」

吹雪「そろそろ調きょ…………拡張完了ですね!じゃあ締めはこれを抜いて…………!!」

明石「あへ?」

吹雪「えいっ!」


明石「んほおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!!!!!!おひりいいぃぃぃぃぃ!!!!!!!!!!!!!!めくれちゃうのおおおおおおおおおおおおおおおおおおぉぉぉぉぉ!!!!!!!!!!!」ビクビクビクッ


吹雪「あれ、明石さん気絶した?」

明石「」失神

吹雪「まぁ最後に良い悲鳴を聞かせてくれたからいっか!」


吹雪「お尻の館では現在お客様をお待ちしていま~す!男女は問いませんので、そこの司令官も是非1度いらしてくださいね~!!」


・・・・・・


 【安価】提督「艦娘を惚れさせた後突き放して反応を見たいんだが」4周目の5


 前スレ
 【安価】提督「艦娘を惚れさせた後突き放して反応を見たいんだが」4周目の4 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1431185169/)
 の続き(比叡編)


 ・注意
 
 ・提督達はあくまで健全ドッキリをしかけたいので痛いことや体の傷つける事はNG
  (例:腹パン、焼き鏝、尿道がガバガバになるくらいの尿道調教 等)

 ・露骨な自分ブースト安価取りはNG(安価先が遠かった場合はちゃんと取るかも)

 ・これは上記に反するなと感じたら安価下にします

 ・荒らしは無視しましょう

 ・今回はエロ許可周となっています(控えめにね)

 ・後は頑張れ

 連取単発については規制無し

 大前提なのでこれらに関するクレーム等はナシで

 
 ・持ってない艦(キャラ安価で選べない艦)

大鯨・矢矧・酒匂・大淀・秋月・名取・鬼怒・瑞鳳・天津風・時津風・磯風
浦風・野分・舞風・朝霜・早霜・清霜・プリンツ・U-511 ・天城・雲龍・香取
春イベ2015全部


某重婚スレで安価取れた嬉しさに立てた
ちなみに荒らしが来た場合はスレを畳んで間を開けます

ううむ、さすがにそうか……ならリクエストされて書く短編集かなにかにしようと思います

ゴム外しの方は息抜きだから放っておいてもいいよな(慢心)

マジか じゃあドミネーターの2でもここに書きます

















吹雪「ドミネーター、ですか?」2


















 前スレ
 吹雪「ドミネーター、ですか?」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1428341266/)


 ・艦これ(艦隊これくしょん)とサイコパスのクロス

 ・艦これメインで、サイコパスからはドミネーターの設定だけ頂いている

 ・地の文無し ちょっとオリ世界観?



人類と深海棲艦の戦いが収束化してきた頃――両者の戦いは冷戦のような水面下に移った


人に化け、人のように暮らしスパイ活動を行う深海棲艦

鎮守府のある街にのみ現れる彼らは時に人を襲い、人類への脅威性は変わらない

そして流れる、艦娘の深海棲艦化という噂……


日本海軍はこの事態を重く受け止め、政府や陸軍と協力し、各鎮守府に新部署『刑事課』を設立。鎮守府周辺の街に艦娘による警察権が認められた

刑事課に所属する艦娘に与えられるのは、艤装ではなく、特殊拳銃『ドミネーター』。正式名称「携帯型心理診断・鎮圧執行システム『ドミネーター』」である

艦娘や深海棲艦からのみ(一般人にも微弱ながら確認されている)測定される「深海係数」を測り、人に化けている深海棲艦を見つけだし、執行する……

これが、鎮守府刑事課に与えられた使命なのである



そして……街に最悪の被害をもたらした深海棲艦『赤城』の事件から2年。

鎮守府刑事課に新たな事件が襲い掛かろうとしていた…………



鎮守府刑事課所属 特型駆逐艦『吹雪』


私は奪い続ける。

狂ってしまいそう。


私は奪われ続ける。

狂ってしまいそう。


奪い続けなければならない。奪われ続けなければならない。

終わりはない。


引鉄にかけた指を引く度、私の世界は溶け出す。

その瞬間、私は奪う側に立つ。奪い続ける側に立つ。

私の前に神様が降りて来たら、きっとこう言うだろう――


『あなたは 誰?』


・・・・・・

~移動車両内~

吹雪「本日16:03……武装グループが○○駅を占拠。電車の乗客を人質に、海軍内部の重要機密の公表を要求……」

吹雪「武装グループのメンバーは、顔はマスクで隠していたものの、体型から全員女性と判別。更に要求内容から、深海棲艦のグループと判断」

能代「確かに今のご時世、ストレートに海軍上層部の秘密を暴こうとするあたり深海棲艦っぽいわねぇ」

叢雲「それが私達刑事課が出動する理由?」

吹雪「理由としては十分」

能代「警察の機動部隊も出動してるから、ドミネーターを向けて反応が無ければ、そのまま鎮守府に帰れるけどね」

叢雲「…………そうですか」


ブロロロロ……


・・・・・・

~○○駅前~

キィィ ガチャッ


警官「あなた方が、鎮守府の?」

吹雪「はい。刑事課艦娘、吹雪です」

能代「同じく能代です」

警官「(こんな少女が……!)」

吹雪「状況を聞く前に、皆さんにも車内から出てきてもらいましょう」


ガチャッ


叢雲「さて、出番なのかしらね」

武蔵「…………」

熊野「あらあら、静かにお茶もできませんのね」


吹雪「皆さん、ドミネーターを」

能代「了解」


運搬ドローン「」ウウゥゥン……

パカッ カシャッ


吹雪「………………」スッ

『携帯型心理診断、鎮圧執行システム「ドミネーター」起動しました』

『ユーザー認証、駆逐艦吹雪……鎮守府刑事課所属、使用許諾確認……適正ユーザーです』


吹雪「準備はいいですね?」

一同「…………」コクッ

吹雪「じゃあ、これより駅構内に潜入します」


・・・・・・

~○○駅構内・吹雪班~


吹雪「能代さん、状況は?」

能代『こっちは大丈夫。敵はいないわ』

吹雪「では予定通り、物陰を利用して隠れながら人質が捕らわれている電車まで行きましょう」

能代『りょーかい!』


武蔵「なぁ吹雪、本当に良かったのか?二手に別れずとも、一気に電車まで駆ければ……」

吹雪「相手は深海棲艦です。こっちが艦娘だと分かれば、人質も巻き込んでしまうでしょう。大勢での行動は危険です」

武蔵「そうか…………」

吹雪「…………あの、今更ですけど聞いていいですか?」

武蔵「なんだ?」

吹雪「何で武蔵さんが、刑事課に入ったのか…………」


武蔵「………………妙な事を聞くな。私が刑事課に入ってから1年半……ずっと聞かなかったろうに」

吹雪「今は2人きりですから…………聞いておきたいんです。それに、大和さんの事も……」

武蔵「…………そうだな」


武蔵「刑事課には、提督からオファーが来た…………最初は大和が死んでしまった部署になど、意地でも入りたくなかったが…………」

武蔵「どういうわけか、私は入ってしまった。これが理由だな」

吹雪「そうなんですか……」

武蔵「そして、お前についても……別に私はお前に怒っている訳ではないぞ?」

吹雪「えっ?」


武蔵「お前は自分のせいで大和が死んでしまったのだと思っているのだろうが、そんなことはない。アレはアレなりに、自分の役割を果たしたんだ。お前を守るという役割をな」

武蔵「だから、この武蔵もお前を守る。それが刑事課での私の役割だと思っているよ」

吹雪「武蔵さん…………!」


武蔵「これからもよろしく頼むぞ、吹雪」

吹雪「はいっ!」


・・・・・・

~能代班~


能代「吹雪ちゃん達は南口から潜入して、私達は北口…………駅構内の構造上、ホームに行くにはこの通りを突っ切る必要があるわね……」

叢雲「駅北口から改札に行くまでの通りね……お店が沢山並んでるわ」

熊野「でも、きっと敵はここに歩哨を置いているはずですわ」

能代「ええ。反応によると、武装グループの内2人がここの通りを見張ってるみたい」

叢雲「じゃあとっとと片付けましょう」

能代「簡単に言うわね……でも、まだ相手が深海棲艦だと決まったわけでもないわ。まずは確かめないと」スチャッ


能代「2人はここで待機。私は敵に気付かれないようにドミネーターを向けるわ」

叢雲・熊野「了解」


能代「…………」タッタッタ


覆面1「…………」

覆面2「………………」


能代「(覆面をした武装グループの2人が通りの真ん中に陣取っている…………)」

能代「(よし、ここからなら相手に気付かれずにドミネーターを向けられるわね!)」スッ


『深海係数、114。執行対象です。セーフティを解除します』


能代「(ビンゴ!)」


・・・・・・

~鎮守府・執務室~


能代『提督、武装グループはやっぱり深海棲艦の集団でした』

提督「了解だ能代。これより現場の担当は我々鎮守府となった。警察には引き上げてもらおう」


・・・・・・

~駅南口・吹雪班~


吹雪「どうやら見立ては合ってたようですね……」

武蔵「では行くか」

吹雪「こっちの方がホームに近いですからね……迅速にいきましょう」


・・・・・・

~能代班~


能代「叢雲ちゃん、聞こえる?」

叢雲『はい』

能代「そっちから、敵見える?」

叢雲『………………1人だけ、ギリギリ狙えるわ』

能代「多分それはこっちから見て右側に居る奴ね。左側はこっちが仕留めるから、合図で同時に撃ちましょう」

叢雲『了解』


叢雲「アイツを…………こっから仕留める……!」スチャッ


『深海係数、149。執行対象です。執行モード、ノンリーサル・パラライザー。落ち着いて照準を定め、対象を無力化してください』


熊野「狙えますの?」

叢雲「これくらいできるわよ!口挟まないで」

熊野「はいはい」フッ

能代『いい?いちにのさんで行くわよ』


能代『いち、にの……さん!』カチッ

叢雲「…………………………!」カチッ


バァン! バァン!!


覆面1・2「!?」


ヴィイイイイイイィィィィィィン…………


覆面1・2「………………」ドサッ


能代『ナイスプレー!』

叢雲「やった……!」

今日はここまで なんてスレタイだ(驚愕)


・・・・・・

能代『見張りを無力化、改札まで行きます』


吹雪「私達も…………」

武蔵「………………待て、こちらにも見張りがいるようだ」


覆面「…………」スタスタスタ


吹雪「危なかった……」

武蔵「ここは私がやろう」


・・・・・・


覆面「……」スタスタ

武蔵「おい」

覆面「!?」クルッ


ガッ


覆面「グアッ……ガッ……!」

武蔵「騒いだら首の骨を折る。なぁに、質問に答えてさえくれれば殺しはしない。いいね?」

覆面「…………!……!」コクコク

武蔵「よし。ならまず貴様らのグループについてだが―――」


・・・・・・


武蔵「――なるほどな……深海棲艦で団結して海軍の機密を暴こうと」

覆面「!」コクコク

武蔵「そして貴様らは全員で6人。通路の見張りはお前を含め3人で、人質の監視が2人。リーダー格の奴が電車のどこかに1人……だな?」

覆面「!」コクコク

武蔵「ありがとう。助かったよ」グリグリ

覆面「!?」


『深海係数、298。執行対象です』


武蔵「約束通り殺しはしない。ただ眠ってもらうだけさ」カチッ


バァン! ヴィイイイィィィィン……


覆面「」ドサッ

武蔵「ふぅ……皆、敵の配置が分かったぞ」


・・・・・・

~改札~


吹雪「能代さん達も無事でしたか」

能代「うん。でも電車を占拠して警察を駅構内に立ち入らせなかったグループにしては、やけに人数も手応えもアッサリね……」

叢雲「楽に仕事ができていいじゃない。さっさと人質を解放して執行対象を撃つわよ」

熊野「私も叢雲さんに賛成ですわ。事件が長引けば、その分人質のメンタルにも被害が及びますし」

吹雪「はい……人質の深海棲艦化は避けたいですし、私も人質解放は急務だと思います」

能代「じゃあ吹雪ちゃんのやりたいようにすればいいんじゃないかな」ポンッ

吹雪「えっ?」

能代「吹雪ちゃんは私達のリーダー……艦隊的に言えば旗艦なんだし」

吹雪「ええっ!?私、旗艦なんかじゃないですよ!」アセアセ

武蔵「何を言う。提督も期待し、我らをよくまとめているではないか」

熊野「ま、私はどうでもいいですけれど」

吹雪「そんなぁ……私、駆逐艦ですし……無理ですよぉリーダーなんてぇ!」

能代「あはは、頑張ってねリーダー!」

吹雪「おだてないでくださいぃ!」


叢雲「……………………」


・・・・・・

~電車内・最後部車両~


男性「わ、私達はいつまでこうしていればいいんだ……」

女の子「うわああぁぁあん!おうちかえりたいよおおお!!」

母親「シッ!静かにしなさい!」チラッ


覆面1「…………」スタスタ

覆面2「……」スタスタ

覆面1「問題アリマセン」

リーダー格『ヨシ、私ハ最前車両デ、電車ヲ動カセルヨウニシテイル。ソノママ見張レ』

覆面2「通路ノ仲間カラ応答ガアリマセン」

リーダー格『オソラクヤラレタナ……敵ガ乗リ込ンデクルゾ。注意シロ』

覆面2「ハッ」


・・・・・・

~ホーム~


吹雪「…………あの電車ですね……」

武蔵「見たところ、電気が点いているな……人質は一番後ろの車両に集められているようだ」

熊野「では、人質を見張っている2人も最後部車両に?」

吹雪「その可能性は高いですね…………あと1人、リーダー格と思わしき人物がいるはずですが」

能代「ここからじゃどこにいるか…………とりあえず、人質を解放しましょう」


叢雲「助けるのはいいけど、どうやって突入するの?ドアも窓も閉まってるわよ?」

吹雪「大丈夫。この駅から遠隔操作でドアの開閉と電気のON・OFFくらいは操れるらしいから、駅員の人に協力を要請しておいたの」

叢雲「ふぅん……なら、ちゃっちゃかやっちゃいましょうか」スッ

熊野「今回は獲物はイタダキですわ」スッ


吹雪「よし、じゃあ…………突入!」


・・・・・・

~最後部車両内~


女の子「…………ッ、うぅ……ふぇえええぇぇぇぇぇん!トイレ行きたいよおおお!!」

母親「ちょっと!」

覆面1「ウルサイゾ!静カニシロ!」

母親「ッ、すいません!すいません!」

女の子「うああああああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁん!!!」

覆面1「コノ、ウルサイト言ッテイル!」グオッ

覆面2「オ、オイ……」


パリィン!


覆面1・2「ッ!?」クルッ


カラッ コロコロ………………ピカッ!!

「きゃああぁぁ!!」「なに!?」「眩しいよぉ!!」


覆面1「ウワァァッ!」

覆面2「目晦マシ……!」


ガシャッ


吹雪「鎮守府刑事課です!!あなた方を執行します!!」バァン!

熊野「返答は聞きませんわ!!」バァン!


ヴィイイイィィィィン……


覆面1・2「ナッ…………アッ、アァ…………」ドサッ


能代「さっすが、いっちょあがりね」

武蔵「面白いほどにアッサリ片付いたな。敵に武器も使わせないとは」

吹雪「エリミネーターが作動しないでよかった……小さい子もいるし、ちょっとあの光景は見せたくないから……」

叢雲「…………フンッ、まだ1人残ってるんだから気を抜かないでよね」

熊野「でもこれで後1人と考えれば――」


ガコンッ


一同「ッ!?」

熊野「なんですの!?」

武蔵「何かの音がしたが…………」

能代「…………ッ、見て!!前の車両が遠ざかっていくわ!」

吹雪「まさか、この車両を切り離して…………発車した!?」


・・・・・・

~最前車両・運転席~


リーダー格「マサカ全員ヤラレルトハ…………オノレ艦娘……!」

リーダー格「コウナッタラ、私ダケデモ!」


・・・・・・


武蔵「どうする!」

能代「どうするったって……!」

叢雲「…………ッ!」ダッ

熊野「叢雲さん!?」


叢雲「(走れば、まだ追いつく!)」


ガタン、ゴトン…………ガタンゴトン、ガタンゴトン……


武蔵「アイツ……」

能代「もうー!独断専行ー!!」


ガタンゴトン、ガタンゴトン……


叢雲「ドアが開いてなくたって…………!」


ガタンゴトンガタンゴトンガタンゴトン


叢雲「とりゃああああぁぁぁぁぁーーーーーー!!」バッ


・・・・・・


熊野「電車が行ってしまいましたわ…………」

能代「叢雲ちゃんは!?」

吹雪「ホームには居ない……じゃあ」

武蔵「電車に、乗れたのか……?」


・・・・・・


ゴオオオオオオオオオオオオオオ


叢雲「うううぅぅぅ……!寒い……!」

叢雲「なんとか車両の間に飛び込んで、潜入できたわね……」


能代『叢雲ちゃん、大丈夫!?』

叢雲「ええ、大丈夫よ。今から執行しに行くから、通信を切るわ」

能代『ちょ、まっ――』プツン


叢雲「…………見てなさい、吹雪に頼らなくたって、私だけでもやれるんだから……!」スチャッ


・・・・・・



 今日はここまで
 その日の更新の最後には、「sage saga」にします

いちいち「今日はここまで」とか書くのもなんかアレなんでな


叢雲「目標は多分運転席でしょうね…………てことは、1番前の車両のはず!」

叢雲「車両間のドアは…………よし、開く」ガラッ

叢雲「一気に仕留めてやるわ……!」


・・・・・・

~○○駅~


能代「これで5人全員縛り上げられたわね」

覆面s「」ドサッ


武蔵「それにしても、仲間を見捨てて逃げるとはな」

熊野「深海棲艦らしい卑怯で卑屈な手に出ましたわね」


吹雪「…………」ペラッ

能代「どうしたの?地図とにらめっこなんかして」

吹雪「電車は線路で行き先が決まっています。いかにポイントを変えようと、駅で待ち伏せしてしまえば簡単に捕まります」

能代「というと?」

吹雪「人質を取って駅を占拠したグループのことだから……逃走経路も考えずに電車を発車させるだけだなんて考えられません」

武蔵「確かにな。なりふり構わず逃げたとしたら、ある意味捕まえやすいのだが」

吹雪「きっと、線路の通っている場所のどこかで電車から降りるはず……」

能代「それで地図を見てたのね!」


吹雪「相手は深海棲艦…………逃げるなら…………多分…………………………あった!」

熊野「これは…………橋、ですの?」

武蔵「ああ、大きな河にかかっている橋だな」

吹雪「この橋の上を電車は走るはずです!能代さん、衣笠さんに連絡を!」

能代「なんて?」

吹雪「ボートでこの橋の下に急行するように伝えてください!」


・・・・・・


叢雲「この次が先頭車両………………よしっ」ガラッ


・・・・・・

~運転席~


リーダー格「ッ、先頭車両ノドアセキュリティニ、反応?」

リーダー格「コノ電車ニ、誰カ乗ッテイルノカ……!」

リーダー格「橋マデアト少シ……ソレマデニ、殺シテヤルカ」スクッ


・・・・・・


叢雲「この先にリーダー格の奴がいるのね……絶対執行してブチのめしてやる!!」

リーダー格「貴様…………艦娘カ?」

叢雲「ッ、敵!?」スチャッ


『深海係数、449。執行対象です。執行モード――』


シュウウウウウウゥゥゥゥゥ………………


装甲空母鬼「艦娘…………沈メ!!」ジャキン


ダァン!!


・・・・・・


能代「吹雪ちゃん!電車を追いかけた索敵機によると、戦闘車両で爆発が2回起こったみたい!」

吹雪「爆発!?叢雲ちゃんは!?」

能代「まだ分からない……深海棲艦の姿もまだ確認できてないって」

武蔵「我らもその橋とやらに行くぞ!」


・・・・・・


叢雲「あ、あぁっ……ぁ……!」

叢雲「(危なかった…………!!)」

叢雲「(後1歩でも前に出てたら、死んでた…………目の前にあるこの、砲撃によって空いた大穴が良い証拠よ…………)」


叢雲「ッ、そうだ、運転席!」


・・・・・・

~運転席~


叢雲「居ない…………じゃあ、どこに……」


ガンッ、ガスッ…………


叢雲「ッ(天井から、音………………電車の上!!)」

叢雲「車両の間なら、はしごがあったはず!」ダッ


・・・・・・

~最前部車両上~

ゴオオオオオオオオオオオオオオオオォォォオ


装空「モウスグ橋カ…………」

装空「作戦ハ失敗…………クッ、アイツノ指示通リニシタトイウノニ……!」


叢雲「こんのおおぉぉ!!待ちなさいよぉぉぉぉ!!」カンッカンッ


装空「………………サッキノハ脅シダト、理解デキナカッタノカ?次ハ当テル」

叢雲「分かってるわよ。でもアンタが深海棲艦で、私が刑事課艦娘である限り……この銃口は向けさせてもらうわ」スッ

装空「馬鹿ガ……死ネ!」ダァン!

叢雲「ッ!」


ドォン!!


・・・・・・

~移動車両内~


能代「今度は深海棲艦の砲撃が叢雲ちゃんに……!」

熊野「な、大丈夫ですの!?」

武蔵「走っている電車の上とはいえ、煙でよく見えん!」

吹雪「(叢雲ちゃん……!)」


・・・・・・


装空「愚カナ……死ンダナ」


ヒュウウウウウウ……


装空「橋ニ、差シ掛カッタカ……今ノウチニ河ニ降リ、海ヘト逃ゲナケレバ……」バッ


叢雲「な、に……逃げようとしてんのよぉっ!!」バッ

装空「ナッ……空中マデ追ッテ来タ……!?」


『執行モード、リーサル・エリミネーター。落ち着いて照準を定め、対象を排除してください』


装空「(クッ、空中ダト思ウヨウニ狙エナイ……!セメテ、水ノ上ナラ)」

叢雲「水面に着く前に決めてやるわ!」


叢雲「(落ち着け私…………空中だからって関係ない。ドミネーターさえ向けて引き金を引けば……!!)」カチッ


ドヒュウウウウゥゥゥン……


装空「ナッ…………グ、アァッ……!」モコモコモコ

装空「アアアアアアアアアァァァァァァァァァーーーー!!!!!」


パァン!!


叢雲「やった…………!」


叢雲「あ、でも下は河だわ…………艤装も付けてないし…………濡れるのかしら」ヒュウウウウ


ブウウウウウウウン


叢雲「えっ?」

衣笠「キャッチは衣笠さんに、お任せぇーーー!!」

叢雲「きゃっ!」ポスッ

衣笠「よーし超低反発クッションの後部座席でキャッチ成功~!見たかぁ競艇を見て学んだボート操縦~!」

叢雲「え、え……?」

吹雪『どうでした?衣笠さん』

衣笠「オールオッケーよ。リーダー格の装甲空母鬼はエリミネーターで執行されてたし、叢雲ちゃんも回収できたわ」


叢雲「え、どうして…………」

衣笠「吹雪ちゃんがね、私にボートでここに向かえ~って。リーダー格は河から海に逃げるつもりだって踏んでたらしいけど……ビンゴだったみたいね」

叢雲「吹雪が…………」

衣笠「お、噂をすれば皆来たねぇ」


ブロロロロロ……キィィッ ガチャッ


吹雪「叢雲ちゃーん!」

武蔵「無事だったか」

能代「ったく独断専行は厳禁よー!」

熊野「事件解決したのなら早く鎮守府に帰りたいですわ」


吹雪「叢雲ちゃん、大丈夫だった?」

叢雲「吹雪………………ええ、怪我ひとつ無いわよ」

吹雪「よかったぁ!でも、これからは1人で出過ぎないでよ?大切な妹だから、心配するよ」


叢雲「……………………うるさいのよ」ギリッ

 鎮守府刑事課所属 特型駆逐艦『吹雪』


ふと、私の世界はふたつに別れる。

起きている現実の世界なのか、寝ている夢の世界なのかは分からない。

自分でない自分が、私でない私を見ている。

鏡の中の自分が、こっちを見て嗤っているような。


引き金を引く時などが、そうだ。

私はその別れたふたつの世界に沿って、私という『自分』を放つ。


・・・・・・

~鎮守府・執務室~



提督「――そうか、深海棲艦のグループは全部無力化……中々だな」

吹雪「はい、リーダー格の装甲空母鬼を除いては捕縛し、大本営へと送られました」

提督「ご苦労。もう下がっていいぞ」

吹雪「はい」クルッ


スタスタスタ


提督「…………吹雪」

吹雪「なんですか?」

提督「君はいささか働き過ぎだ。少し休暇を取れ」

吹雪「えっ……?」


・・・・・・

~夜・食堂~


春雨「それで休暇を貰ったの?」

吹雪「うん……最低でも2週間は出動命令を出さないって……」

春雨「じゃあ刑事課自体が?」

吹雪「ううん、私の端末にだけ命令が来ないようになってるらしいの」

春雨「へぇー……でもよかったじゃないですか!最近の吹雪ちゃんは少し働きすぎでしたし、これを機にリフレッシュしましょうよ!」

吹雪「そんなに私って働きすぎに見える?」

春雨「見えますよ!出動に報告書作成に作戦会議とかしてるんでしょう?しかも他の人達に任せず自分1人で!私から見てもオーバーワークという奴です」

吹雪「そ、っかぁ…………」

春雨「…………吹雪ちゃん?」

吹雪「……うん、じゃあ休もうかな」アハハ


・・・・・・

~廊下~


吹雪「それにしてもすごいねぇ、ちゃんと立って移動できるユニット」

春雨「ええ!なんか歩くよりスイスイしてて楽しいですよ」スイー

吹雪「もう私が車椅子を押すこともないんだね」

春雨「あ、やっぱり2年近くも車椅子を押すのは嫌でしたか……?」オロオロ

吹雪「ううん!元気に立ってる春雨ちゃんを見ると安心するから、嬉しいの!」

春雨「そうなんですかぁ……私は吹雪ちゃんに車椅子を押されて移動するのも好きでしたよ」ニコッ

吹雪「わ、私も押すのは好きだったよ」カァァ


衣笠「あれ、2週間の謹慎を喰らった吹雪ちゃんじゃーん!」

春雨「あ、衣笠さん」

吹雪「謹慎じゃなくて休暇です!」

衣笠「アハハ、似たようなもんだって。あ、この前面白い漫画買ったから今度貸してあげるね!春雨ちゃんも読んでみなよ!」

春雨「ありがとうございます」ニコッ

吹雪「用事は私をからかうことと、漫画を貸す宣言だけですか?」

衣笠「おっと、デートの邪魔しちゃったかな。んじゃ後で部屋に持ってくからね~」フリフリ


・・・・・・


春雨「衣笠さんは面白い人ですよねぇ」

吹雪「初めて会った時と全然変わってない……ある意味安心するよ」

春雨「能代さんと並んで貴重な先輩ですものね」

吹雪「そんなこと言ったら、この鎮守府では春雨ちゃんだって私の先輩だよー?」

春雨「おおー!そうでした!」


明石「あ、春雨ちゃんじゃない。どう?脚部ユニットの使い心地は」

春雨「明石さん!とっても使いやすいですよぉ!ありがとうございますっ!」

明石「いいのいいの。発案から完成まで2年近くかかったんだから、むしろ待ってくれて嬉しかったよ」

春雨「いえいえ!明石さんは私の恩人です!」

明石「あはは……立ち止まると地面に着くけど、歩いてるときは地面から2cmくらい浮くようになってるから、面白いでしょ?」

春雨「そうですね……歩いていると地に足がついてないような……って、まったくその通りでした!」

明石「あっはっは!春雨ちゃんは可愛いなぁ」ナデナデ

春雨「うぅ……」

吹雪「私からもありがとうございます……春雨ちゃん、本当に喜んでました」

明石「うむうむ、使用者に喜んでもらうのは開発者としての至上の喜びというもの。壊れたら修理してあげるから、使い潰してあげてね~」スタスタ


・・・・・・


春雨「じゃあまた明日、おやすみなさい!」

吹雪「うん、おやすみ」


・・・・・・

~吹雪の部屋~


バタン


吹雪「………………はぁ…………」

吹雪「休暇かぁ……そういえば、ここ1年くらい長い休暇はとってないかも……」


吹雪「……………………」


吹雪「あれ?」


吹雪「私、休暇って……どう過ごしてたっけ…………」


・・・・・・


・・・・・・

~街・裏路地~


女性「そう、あの子達は失敗したのね……」

女性「まぁいいわ。最初から期待はしていないから」

女性「心配しなくても大丈夫、艦娘は敵。1人残らず滅んでもらうわ」


女性「…………いや、滅ぶと言うにはいささか語弊があるわね」

女性「艦娘は1人残らず、暗く冷たい深海に引きずり込んでやる――」


・・・・・・

~執務室~


能代「別の鎮守府の、刑事課艦娘?」

提督「そうだ。吹雪のみならず、君達にも休暇を与えようと思ってな」

熊野「別に私達は、あの人ほど働きすぎてはいませんことよ?」

叢雲「そうね。その吹雪は私達に仕事を回さないもんだから」


提督「なに、いくら平時の仕事量が違うと言っても、出動すれば同じ刑事課艦娘だ。君らもたまには、長い休みを取れ」

武蔵「それは気を遣っていると受け取っていいのか?」

提督「別にそれでも構わんが、私はただ、たまの休みによってその後の効率に関わって来ると判断している」

熊野「『私』……?」

武蔵「フッ、なるほどな……まぁいいだろう。それならば休みを貰おうか」


能代「それでさっき言っていた、別の鎮守府からの派遣なのですか?」

提督「ああそうだ。別の鎮守府から、刑事課に所属する艦娘が3人ウチの鎮守府に臨時配属される。気になるならラウンジにでも行って顔を合わせるといい。もう到着している頃だろう」

叢雲「遠慮しておくわ。休みはありがたく貰うけど、どうせ2週間くらいしかこっちに居ないんでしょ?」

熊野「私も別にいいですわ。せっかくの休みを見ず知らずの人と過ごすのは面倒ですから」

能代「ちょ、ちょっと2人とも~!」

提督「結構だ。別に交流しろと言っている訳ではないからな」

武蔵「私は少しだけ興味がある。会ってみるか」

能代「私も……少しの間とは言え、街を守ってくれるんだから」

提督「私から言うことは以上だ。解散」


・・・・・・

~執務室前~


熊野「あの皆さん……」

能代「どうしたの?」

叢雲・武蔵「?」


熊野「さっきの提督の喋り方、変じゃありませんでした?」

叢雲「変?どこが?」

熊野「一人称が、その……いつもは『俺』なのに、今日は『私』だった気がしますの」

武蔵「そうだったか?」

能代「提督の喋り方とか一人称とか……あんまり気にしたことないなぁ」

叢雲「ていうか、ぶっちゃけどうでもいいし」

武蔵「気のせいじゃないのか?いつもの喋り方でも、意識して聞いてみると案外違って聞こえるともいうし」

叢雲「そそ、気のせいよ気のせい」

熊野「そ、そうですわよね」ハハ

吹雪「ドミネーター、ですか?」2 はお話の都合上特定の艦娘が殉職したりします。読む際はご注意ください


・・・・・・

~ラウンジ~


能代「ここに別の鎮守府の人達が?」

武蔵「まぁ入れば分かるだろう」


ガララ


長門「………………」

飛龍「~♪」

筑摩「あら?」


能代「あなた方が別の鎮守府から派遣されてきた、刑事課の?」

長門「そうだ。戦艦の長門だ、しばらくやっかいになる」

飛龍「私は正規空母の飛龍。よろしくね」

筑摩「私は重巡の筑摩と申します……お世話になります」


・・・・・・


能代「あうぅぅ……私は仲良くしたかったなぁ……」

武蔵「仲良くなってどうする。文通でもする気か?」

能代「他の鎮守府の刑事課の人達がどんなんか知りたいじゃないですかー」

武蔵「そんなの関係なかろう。我らは我らだ」

能代「はぁぁ……」


・・・・・・

~吹雪の部屋~


吹雪「前回の作戦の人質の深海係数は……よかった、大丈夫だった」カキカキ

吹雪「こちらの被害は0……ドミネーターの破損やメンバーの怪我も認められず」カキカキ

吹雪「目立った被害は電車車両っと…………」カキカキ


コンコンコン


吹雪「はーい」


ガチャッ


熊野「あら、吹雪さんは休暇じゃありませんの?」

吹雪「休暇の間でも、報告書の追記くらいはしておこうと思って……」

熊野「ふぅん…………」

吹雪「熊野さんこそ、どうしたんですか?」

熊野「ああそうでした。吹雪さんだけでなく、私達刑事課にも休暇が言い渡されたんですの」

吹雪「ええっ、そうなんですか!?」

熊野「その間は他の鎮守府の方々がカバーしてくれるみたいですわ。吹雪さんも報告書は後にしましょ!」ガシッ

吹雪「わわっ、どこに連れてくつもりですかぁー!」

熊野「買い物ですわ!」

吹雪「か、買い物ぉ?」


・・・・・・

~街・服屋~


熊野「さ、いざオシャレデビューですわよ吹雪さん!」

吹雪「ええぇぇぇぇー……」

熊野「吹雪さんがいつも着ている服……セーラー服と刑事課のパンツスーツ以外になにかありますの?」

吹雪「え、えーと……パーカーとか……」

熊野「はぁぁぁ……」

吹雪「なんですか!熊野さんこそ何かあるんですか!?」

熊野「姉の鈴谷と一緒によくこういうお店には来ますの。勿論沢山持ってますわ!」

熊野「艦娘だってオシャレしてなんぼですわ。さ、選んであげますから入りましょう!」グイッ

吹雪「わ、わぁっ!」

「いらっしゃいませー!」


熊野「うーん……こっちもいいですわねぇ……いや、でも吹雪さんの素朴な可愛さを活かすならこっちの方が……」

吹雪「(色んな服がある…………でも、私に似合う服は……)」キョロキョロ

熊野「あ、これなんてどうでしょう!」

吹雪「あの熊野さん……このシャツ、どう見てもお腹出ちゃうんですけど……」

熊野「これはそういうシャツなんですわ!吹雪さんはスレンダーですから、こういうのもお似合いかと」

吹雪「えぇぇ……似合わないですよぉ」

熊野「物は試し、ですわ!このホットパンツとカーディガンも合わせて着てみてくださいまし」

吹雪「うぅ……わかりました」


熊野「もう着ましたー?」

吹雪「は、はい」


ジャッ


吹雪「こういうのでいいんですかね……」

熊野「………………」ジー

吹雪「あ、あの……熊野さん?」

熊野「Goodですわ!」グッ

吹雪「えっ?」

熊野「ホットパンツで足長効果も得られますから、普段の吹雪さんより身長が高く見えますわ!」

吹雪「そう、ですか?」

熊野「ええ!この調子でドンドン選んでいきましょう!」

吹雪「え!まだ選ぶんですか!?」


・・・・・・


熊野「いやー買いましたわね!」

吹雪「買いすぎですよぉ……どうするんですかこの大荷物」

熊野「このお店は2万円以上の買い物で宅配が使えますのよ。それを利用しましょう」

吹雪「そ、そんなものが……」

熊野「もう男に荷物を持たせる時代は終わったのですわ」


熊野「でも、もしかしてお財布がピンチだったりしますの?だとしたら無理に誘ってしまって申し訳ありませんけれど……」

吹雪「え、あ、そんなことないですよ!刑事課手当で結構貰ってますし、そんなに普段使ってないですし……」

熊野「使っておりませんの!?え、吹雪さん。口座の中はどれくらい!?」

吹雪「え?これくらい……」

熊野「私の残高より遥かに多いですわ!!流石刑事課リーダー……」

吹雪「だからリーダーとかじゃないですって!」

熊野「そんなに貯めるなんて……何か大きな買い物でもする予定ですの?」

吹雪「うーん……なんか私、あんまり欲しい物とかなくて……刑事課で頑張ってる内にいつの間にか貯まってたというか……」

熊野「そうですの…………」


熊野「吹雪さん、いつも休暇は?」

吹雪「え、えーっと…………寝たり…………報告書の追記書いたり……」

熊野「遊びに行ったりとか、美味しい物を食べたりとかは?」

吹雪「あんまり遊びに行こうとか思えないし……美味しいのなら食堂にあるし……」

熊野「…………吹雪さん」

吹雪「えっ?」


ギュッ


熊野「なんてこと……!吹雪さん。この熊野、あなたに遊ぶことの楽しさを教えてあげますわ!!」

吹雪「え、ええぇぇ!?」


・・・・・・

~ゲームセンター~


熊野「年頃乙女の通場、ゲーセンですわ!」

吹雪「ゲーセン?」

熊野「え、ゲーセン知りませんの?」

吹雪「はい……」

熊野「ええぇぇ!?」


熊野「まぁ習うより慣れろですわ。早速入りましょう」

吹雪「は、はい!」


・・・・・・

ジャンジャンジャガジャン!


吹雪「結構うるさいんですね……」

熊野「色んなゲームが他の音に負けないように音量を大きくしていますからね……どのゲームをしてみたいですか?」

吹雪「え、あー……じゃあアレ。なんか可愛いのが」

熊野「太鼓の鉄人ですわね。初心者でもやりやすいゲームですわ」

吹雪「なんかこの太鼓みたいなキャラが可愛いですね!」

『とっととお金を入れるドソ!』

熊野「じゃあお金を入れて、と……始めましょうか」

『曲を選べドソ!』

熊野「こういうのは知ってる曲でやるのが楽しいんですわ」

吹雪「あ、この曲好きなやつだ!選んでいいですか?」

熊野「ええ。いいですわよ」

『さぁ、ゲームスタートだ』


ドドドドカッドドカッ


・・・・・・


熊野「次はあのガンシューティングにしましょうか」

吹雪「はい!」


熊野「音ゲーというものはご存じ?」

吹雪「?」


熊野「よーし、私のエピオンでボコボコにしてやりましたわ!」

吹雪「なんか向こうの台から奇声が……」


・・・・・・

~バッティングセンター~


熊野「はい、吹雪さん。目指せホームランですわ!」

吹雪「は、はい!」


・・・・・・

~カラオケ~


熊野「壁際に、寝返りうって、背中で」~♪

吹雪「寝たふり、してる間に~出て行ってくれぇ~」~♪

熊野「アア~アア~~~アアアアァァアアア~」~♪

吹雪「アアア~~~アァァアア~アアァア~~~」~♪


・・・・・・

~夜・吹雪の部屋前~


吹雪「あの、今日はありがとうございました!楽しかったです!」

熊野「楽しんでくれたようでよかったですわ。それより……」

吹雪「え?」

熊野「現場では頼れる先輩ですけど、いつもの吹雪さんはこんなにも頼りないんですね」

吹雪「あ、あう……」

熊野「でも、やっぱり年下らしくて……可愛かったですわよ」ニコッ

吹雪「えっ!?」カァァ

熊野「それでは、おやすみなさい」スタスタスタ

吹雪「お、おやすみなさい……」


ガチャッ バタン


吹雪「あ、もう買った洋服届いてる」

吹雪「はぁぁ…………ベッド気持ちいい」ボフッ

吹雪「今日は楽しかったなぁ…………熊野さんとも仲良くなれた気がするし……」

吹雪「そっかぁ……休暇って、こうやって過ごしてたんだなぁ」

吹雪「…………でも疲れちゃった。寝ようっと」

吹雪「報告書の追記は……明日でいいかな」


 鎮守府刑事課所属 特型駆逐艦『吹雪』



誰……?


「誰しもが自分の内に、もう1人の自分がいて……それが暴走すれば……フフッ」


あなたは……


「かわいそうな吹雪さん……あなたも私と同じ」


違う……私はあなたとは違う。私はあなたみたいにならない。


「いいえ、あなたと私はよく似ているわ。私がそうだったように、あなたも……」


そう言って彼女は、私の『真っ白な』手に触れた。


「ほら、あなたも『そう』。私と同じ。境界線なんて、おぼろげな物よ」


違いますよ、あなたとは。


「あなたもいつかは、私と同じようにおかしくなって……大切な物を、不意に自らの手で奪ってしまうのよ。フフフフフフ」


そうはならない。私は違う。

だから、あなたは出て行ってください。過去に帰ってください。


あなたは、邪魔なんです。赤城さん。


・・・・・・

~1週間後~

~昼・廊下~


吹雪「(意外と早く休暇が過ぎて行ってる……もう1週間過ごしちゃった)」スタスタスタ

吹雪「(熊野さんに明石さんに能代さんに春雨ちゃん……出かけるのに付き合ってくれた人も結構いてくれてよかったぁ)」

吹雪「(今日は…………あれ?)」


長門「貴様が吹雪か」

吹雪「はい!?(スーツ姿に、ドミネーター……じゃあこの人達……)」

飛龍「見ない顔だなぁーって顔してるね、まぁそうなんだけど」

筑摩「私達は他鎮守府からやってきた刑事課艦娘です」

吹雪「あなた方が……私は――」

長門「知っている。ここの刑事課に所属する駆逐艦吹雪だろう」

吹雪「え、なんで私を?」

飛龍「そりゃ、なんてったって有名人だからねぇ」

吹雪「私が!?」

筑摩「2年前の事件の中、見事反逆した深海棲艦赤城を倒した艦娘……それによくテレビにも出ていましたしね」

吹雪「(あっ、そういえば刑事課のPRでよくインタビュー受けてたっけ……)」


長門「まぁそういうわけだが、あと1週間は大人しくしてるんだな」

長門「貴様らがいなくても、我らがこの街の平和は守ってやる」


スタスタスタ


吹雪「行っちゃった……」

吹雪「なんだろう……私、嫌われてる?」

武蔵「違うな」

吹雪「ひゃあぁぁ!?武蔵さんいつからそこに!?」

武蔵「たった今だ。それよりも奴らだが……」


武蔵「連中、結構乱暴な捜査をしているらしいぞ」

吹雪「乱暴な……?」

武蔵「ああ。例えば、我々が密かに探っていた裏町のバーがあっただろう?」

吹雪「はい。深海棲艦に情報をリークしているとの疑いがある……」

武蔵「あいつらは昨日そのバーに突入したそうだ」

吹雪「ええっ!?」

武蔵「結果として、まぁ確かに深海棲艦も多少は仕留めたものの、バーの客も巻き込んだ戦闘になったらしい」

吹雪「そんな!せっかく事を荒立てないよう捜査を進めてたのに……」

武蔵「まぁ連中からしたら、深海棲艦を倒す上での犠牲だと思っているんじゃないか?」

吹雪「…………巻き込まれた民間人は?」

武蔵「数人が負傷して搬送されたらしい」

吹雪「ッ!」ダッ

武蔵「おい吹雪、何処へ行く!」


・・・・・・

~執務室~

ガチャッ


吹雪「司令官!」

提督「…………あ、吹雪」ボー

吹雪「どういうことですか!?あの人達の強行突入を許すなんて!」

提督「あの人……?ああ、長門達か」

吹雪「そうですよ!納得のいく説明を要求します!」

提督「説明も何も、『深海棲艦による被害を未然に防ぐ為』に奴らは少々強引な手段に出たに過ぎん」

吹雪「しかし民間人が負傷したと……!」

提督「必用な被害もある。それに長門達が昨日突入したことによって、起こるかもしれなかった本来の被害が未然に防げたのだ。これは君らにはできないことだと思うが?」

吹雪「それは、そうですが……」

提督「だがまぁ君らのやり方が甘いとは言わない。しっかり結果は出せているからね」

吹雪「…………」

提督「犠牲など先か後かだ。どうせ生じるならいちいち気にしなければいいじゃないか」

吹雪「……失礼します」


ガチャッ バタン


提督「…………ったく、いちいち人の生き死にで騒ぐなんて、僕には分からないね」


・・・・・・

~街・裏路地~


飛龍「にしてもよかったんですかねぇ。今朝ここの刑事課……能代だったかな?その人にすごい剣幕で詰め寄られましたよぉ」

筑摩「大方昨日の突入のことでしょう?」

飛龍「そうそう。手柄を取られて怒っちゃったのかな?」

長門「ふん、関係ない。手をこまねいて被害が広がればそれこそ本末転倒……甘い捜査など奴らを増長させるだけだ」

飛龍「ま、そうですよね…………と、お客さんみたい」


リ級「艦娘……!?」

チ級「何故ココガ!?」


長門「各自、殲滅しろ!」スチャッ

飛龍「了解!」スチャッ

筑摩「ふふっ……」スチャッ


・・・・・・


長門「こんなものか。どちらも300越えだったから始末が楽だったな」

筑摩「そうですね。では引き揚げますか」

長門「ああ………………ん?飛龍はどうした」

筑摩「あら、どこに行ったのでしょうか?」


ザッザッ


飛龍「ぁ…………ぁ……」フラフラ

長門「飛龍、どうし――」


ダキッ


長門「お、おい!?」

飛龍「な、がと…………さ……ん」


筑摩「ッッ……!」

長門「おい、どうしたんだ飛龍!」

筑摩「飛龍、さん……」

飛龍「……ぁ、あ……」

長門「おい、どうしたんだ!血まみれじゃないか!」

飛龍「わ、たし……」


筑摩「飛龍さん…………何で、あなた…………『右腕が無い』んですか……!?」


長門「なに!?」


ドヒュウウウウウン……


長門・筑摩「ッ!?」

飛龍「ぁ、あっ……がっ!」モコモコモコ


パァン!


長門「な………………!?」

筑摩「ぇ……!?」


ドチャッ……


長門「ッッ!飛龍!!」

筑摩「ドミネーター……!どこから!?」

長門「気を付けろ!飛龍のドミネーターを奪われている!!」

筑摩「それも右腕ごと……しかも、今の……エリミネーター……!」

長門「深海係数が上がる要因も近くにあるということだ!油断するな!!」

筑摩「はい!」


女性「流石は刑事課艦娘ね。仲間の死よりも状況把握を優先させるなんて、恐れ入るわ」


長門・筑摩「ッ!」クルッ

女性「ん、流石に艦娘……私の体にも馴染むわ」

長門「誰だ!」

女性「あらあらご挨拶ね」

長門「ただの人間……?」

筑摩「いえ長門さん。ドミネーターを持っています!」スチャッ

長門「まさか、コイツが飛龍を殺った……!」

女性「ドミネーターだけじゃないわ。ちゃんとあなた達のお仲間の腕も……ほら。ここ、肘から先の肌の色が違うでしょう?」

筑摩「まさか、飛龍さんの腕を……!?」


女性「まぁ遠目からじゃわからないだろうけど、右目も貰ったわ……フフッ、これでドミネーターが使えることも、彼女で分かったし」

長門「まさか、我らが深海棲艦と戦っている間、飛龍を襲い腕と目を奪ったと?そしてそれを瞬時に自分の体に移植したと!?ばかばかしい!人間業じゃ――」

女性「ええ……人間なら、ね」


女性「そして…………」ダッ

筑摩「なっ!?」

長門「ッ、筑摩!」

長門「(まったく見えなかった……瞬時に筑摩の後ろに回り込み、抱き付いた?)」


女性「さあ、あなたも一緒に堕ちましょう」ギュウウ

筑摩「なにを、あ、がっ……あぁっ……!」

長門「筑摩!!」スチャッ

女性「おっと」

長門「(しまった、筑摩を盾に……!)」


『深海係数、210。執行対象です』


長門「な、なに!?」

女性「ふふふ、驚くわよねぇ…………なんといってもお仲間が……」

筑摩「ぁ……は、ぁ……ぁぁぁ……!」シュウウウウ

女性「深海棲艦になってしまうのだから」


長門「そ、んな……どういうことだ……!?」

女性「ほらほら、早く執行しないと、この人……本当に深海棲艦になってあなたを襲うわよ?」

長門「くっ……筑摩!」


『深海係数、303。執行モード、リーサル・エリミネーター。落ち着いて照準を定め、対象を排除してください』


筑摩「長門、さン…………撃っテ……」

長門「筑摩!」

筑摩「私ハ、いいかラ……!」

長門「(深海棲艦は……たとえ誰であろうと、兆候を見せた時点で、執行……)」

長門「だが…………!」

筑摩「早ク!!」

長門「ッ!う、ああああああああああああああぁぁぁぁ!!」カチッ


ドヒュウウウウウゥゥゥゥン……


女性「ふふっ……」


・・・・・・


女性「せっかくの綺麗な黒髪とスーツが2人の血で思い切り汚れちゃったわねぇ」

長門「はぁっ……はぁっ……!筑摩………………」

女性「お仲間を撃つなんて、酷いわぁ」

長門「貴様ぁぁ!!」スチャッ

女性「無駄よ」ガシッ

長門「あ、ぐっ……!(なんて力だ!)」

女性「そうねぇ……あなたには利用価値がありそうだし、ふふっ…………もう少し生かしてあげる」

長門「なに、を…………」

女性「あなたもすぐに分かるわ。正しいことをするのは辛いけど、間違ったことをするのは、気持ちが良いって」


女性「辛かったでしょう?刑事課艦娘として、人類を守る者として、仲間を手にかけるのは」

女性「でも自分を責めなくていいのよ。誰だって辛い。でもそうするしかないのだから……深海棲艦は執行対象。執行対象は執行」

女性「そんな辛さから、あなたを解放してあげる」

長門「カッ……あ、がっ……!」


シュゥゥゥゥウウウウウ……


中間棲姫「全部、沈メテシマエバイイノヨ」

中間「フフフフフッ……」

・・・・・・

~1週間後・明け方~

~脱衣所~


吹雪「ふぅ……良いお湯でした、と。目が覚めちゃったときのお風呂は気持ちいいなぁ」

吹雪「湯冷めしない内に着替えちゃわなきゃ」タオル一枚

吹雪「(今日で丁度2週間……仕事に戻れる)」

吹雪「(そういえば、最近長門さん達を見ないけどどうしたのかな?数日かけて外で捜査してるとかかなぁ)」


中間「ナルホド……アナタガ吹雪ネ」

吹雪「ッ!?」

中間「おっと」スチャッ

吹雪「…………!」ピタッ

吹雪「(いきなり横に、何か突き付けられた…………銃!?)」


『深海係数、10。刑事課登録艦娘』


中間「ヘェ……本当ニコンナニ低イノネェ……深海係数」

吹雪「ッ、ドミネーター!?」バッ

中間「正解。ハジメマシテカシラ……ドミネータート分カッタ途端飛ビ退クノハ良イ判断ネ」

吹雪「深海棲艦!」

中間「エエ。中間棲姫ッテイウノ。ヨロシクネ、特型駆逐艦吹雪」

吹雪「私の事を……」

中間「有名人デスモノ」


吹雪「(私のドミネーターは着替えと一緒にカゴの中…………そのカゴは……)」

中間「フフフ……」

吹雪「(中間棲姫の、向こう……)」

吹雪「私に何の用ですか?」

中間「敵ニ敬語ッテ…………少シ調子狂ウワネ」


中間「マァイイワ。アナタヘノ用ハ2ツ」

中間「1ツ目ハ、報告ヨ」

吹雪「報告……?」

中間「アナタノオ仲間ヲ数人イタダイタワ」フッ

吹雪「お仲間…………ッ、長門さん達!?」

中間「エエ。ソレトコノ腕ト、目モ……」

吹雪「どういう……」

中間「私ミタイナノガ、ドミネーターヲソノママ使エルト思ウ?」

吹雪「ッ、まさか…………誰かの腕と目を奪った!?」

中間「ユーザー認証、飛龍……ツイデニ命モモラッタシ」

吹雪「あなたは……!」

中間「デモ筑摩ハ違ワヨ?彼女ハ長門ガ殺シタモノ」


吹雪「長門さんが、仲間を……!?」

吹雪「(1度しか会ってないけど、とても仲間を撃つような人には……それに、撃ったって……そうなると撃った対象は……)」


中間「サテ、2ツ目ネ…………イイノヨ?スグサマ私ヲ執行シヨウトシテモ。ドミネータージャアナタヲ殺セナイノハ知ッテイルシ」

吹雪「それは、私がタオル一枚だけって知ってて言ってるんでしょう?」

中間「大変ネ……コウヤッテドミネーターヲ挟ミ隠ス胸モ無イナンテ」ポヨン

吹雪「ッ、関係ないでしょう!」ペタン

中間「マァドミネーターデナクテモ、アナタヲコノ場デ殺ス手段ハイクラデモアルノダケレド…………何故ソウシナイカ分カル?」

吹雪「私にはまだあなたとって利用価値がある……ですよね」

中間「正解ヨ♪」


 >>112
 ×中間「デモ筑摩ハ違ワヨ?彼女ハ長門ガ殺シタモノ」
 ○中間「デモ筑摩ハ違ワヨ?彼女ハ長門ガ撃ッタモノ」



中間「2ツ目ハ…………宣戦布告、カシラ」

吹雪「宣戦布告……?」

中間「鎮守府ハ、私達深海棲艦ニトッテ存在シテイルダケデ忌ムベキ存在。跳梁跋扈ヲ繰リ返スコノ世ノ中ノ根源ハ絶タナキャ」

吹雪「その言い分……もう聞き飽きました」

中間「赤城ノコトカシラ?」

吹雪「ッ……」ピクッ

中間「彼女ハ愚カダッタワ……チカラヲ過信シスギテイタノヨ」

吹雪「ならあなたは、どうするんですか?」

中間「ドウモシナイワ。タダ、アナタ達ガ自ラ奪イ奪ワレルノヲ眺メルダケ……」

吹雪「奪い、奪われる……?」

中間「ソウイウコトダカラ、言イタイコトハ言ッタワ。バイバイ」

吹雪「そのまま返すと…………」ジリッ


 >>122だった……もう駄目だおしまいだ



吹雪「思ってるんですか!」ブォン!

中間「ッ、ドライヤー?」バシッ

吹雪「今ッ!」バッ

中間「カゴニ突ッ込ムナンテ……ソンナニ着替エタカッタノ?言ッテクレレバ服クライ渡シ――」


カシャッ、カシャン

『深海係数、445。執行モード、リーサル・エリミネーター』


吹雪「これで!」カチッ

中間「ッ!」バッ


ドヒュゥウウウゥン……


吹雪「外した!?」

中間「ヤルジャナイ、ドライヤーヲ投ゲツケテ気ヲ逸ラシタ隙ヲ突クナンテ……チョット驚イタワ」ガスッ

吹雪「あっ、う……」

中間「引キ金ハ引ケナクテモ、十分鈍器ニハナルノヨネェ」

吹雪「ま、だ……!」スチャッ

中間「無駄ヨ。マタ避ケルモノ。ソレニコンナ所デ死ニタクナイデショウ?」

吹雪「クッ……」

中間「チャントシタ殺シ合イハ、チャントシタ場所デネ…………ソレジャア今度コソ、バイバイ」シュウウゥゥウウ

吹雪「うっ……」ガクッ


・・・・・・


「――!――い、――!」

吹雪「(うぅ…………頭が痛い……なんだろう)」

「ふ――!――き――!」

吹雪「(なんだろう、さっきから…………うるさいなぁ)」

「吹雪!!」

吹雪「はひっ!?」パチッ


・・・・・・


吹雪「…………あれっ……?」

能代「うわぁぁ吹雪ちゃんー!」

吹雪「の、能代さん?」

武蔵「脱衣所で倒れているお前を叢雲が見つけてな……部屋まで運んできたのだ」

吹雪「叢雲ちゃんが……?」

能代「朝から部屋のドアを叩かれてどうしたのかと思ったら、看病するように頼んで来てたわ」

武蔵「そのくせ奴は頼んだ後どこかへ行ってしまったがな」

吹雪「そうなんだ…………叢雲ちゃんが」

能代「それより、どうして脱衣所なんかで倒れてたの?聞いたところによるとタオル一枚で、ドミネーターを持ってたとか」

吹雪「ドミネーター…………」


吹雪「ッ、そうだ!深海棲艦!」

武蔵「なんだと……?」


・・・・・・

~昼・執務室~


提督「中間棲姫だと?」

吹雪「はい。中間棲姫が長門さん達を襲ったんです!」

提督「…………」


叢雲「バカバカしい。急に風呂場に棲姫レベルの深海棲艦が現れるなんて普通に考えてありえないわ」

武蔵「おい叢雲――」

叢雲「そもそもこの鎮守府にはセキュリティとして要所にスキャン妖精や監視妖精がいるのよ?深海棲艦が1歩でも入ろうとすれば簡単にバレておしまいだわ」

吹雪「でも!」

提督「叢雲の言う通りだ。風呂でのぼせて、幻覚でも見たのではないか?」

吹雪「司令官まで……!」


能代「でも吹雪ちゃんの言うことも無視はできません。事実長門さん達3人は行方不明のままです」

熊野「提督には何も伝えられていませんの?」

提督「そのことについても解明中だ。彼女らの鎮守府からも至急調査を頼まれているからな」

武蔵「それが中間棲姫の仕業とは考えないのか?」

提督「今は情報が少ない。確かに急に艦娘が行方不明になった所に吹雪の報告は点を繋げる線となるだろう……が、事態が事態だ。早計は控えたい」

吹雪「………………」

提督「話は終わったな?ならば君達に新しい指令を下そう」

能代「指令ですか?」

提督「ああ。後で各端末に内容を送る。衣笠を参加させるかどうかは君達に任せよう」

吹雪「……分かりました」

提督「では解散だ」


提督「監視妖精やスキャン妖精の報告はこちらに定期的に上がってくる。そこで君が中間棲姫に襲われた時間の報告を調べてみたところ、興味深い記録が入ってきたよ」ピラッ

吹雪「記録報告書……」

提督「早朝の時間を見てみたまえ」

吹雪「………………」パラパラ

吹雪「ッ!?こ、これって……!」

提督「まぁ、君の言うことを裏付ける要因になるな」


【○○:○○ 正門 正規空母飛龍 通過】
【○○:×× 廊下 正規空母飛龍 通過】
【○○:△△ 脱衣所 正規空母飛龍 入】


吹雪「これ…………なんで……」

提督「君は、中間棲姫の片目と右腕は飛龍の物を移植していると言ったね」

吹雪「は、はい……」

提督「どんな手品を使ったかは知らんが、君の話を信じるならこの記録上の飛龍は……まぁそういうことになるな」

吹雪「なんでこれをさっき話さなかったんですか?」

提督「真に重要な情報は多数に教えず、ごく少数が知っていた方が良い。それに……」


提督「非常に興味ある存在だとは思わないかね?」

吹雪「……また、ですか」

提督「察しが良くて助かるよ」

吹雪「1度失敗した私に頼むようなことじゃないと思うんですけど」

提督「だが君しかいないのだよ。2年前から続く我々の仲じゃないか」

吹雪「私はそんなに司令官と仲良しになった覚えはありませんが」

提督「それにだ。深淵を覗いてもなお深淵に染まらない君に頼むのが、一番得策だと私は考えているのだよ」

吹雪「それってどういう……」

提督「おっと、時間だ。すまないがこれから会議がある」

吹雪「…………分かりました。失礼します」


・・・・・・

~執務室の扉の前~


叢雲「………………」

叢雲「なんで、吹雪だけ…………」


ガチャッ


吹雪「はぁ…………あれ、叢雲ちゃん」

叢雲「…………」キッ

吹雪「えっ?」

叢雲「…………」スタスタ

吹雪「あ、待って!」

叢雲「……なに?」


吹雪「今朝、私を見つけて運んでくれたって……」

叢雲「大したことじゃないわ。それに――」

叢雲「鎮守府刑事課の顔に何かあったら皆が困るだろうし」

吹雪「……ありがとう。叢雲ちゃん」

叢雲「…………別に」スタスタスタ

ここまで 更新が遅かったのは許してほしい

現在最後の構想が練れたので2~3週間後に、ちょっとした焼き直しと最後までを書いたスレ『吹雪「ドミネーター、ですか?」2』を立てます
ということでこのスレはお役御免
ここまで読んでくれてありがとうございます


・・・・・・


「――!――い、――!」

吹雪「(うぅ…………頭が痛い……なんだろう)」

「ふ――!――き――!」

吹雪「(なんだろう、さっきから…………うるさいなぁ)」

「吹雪!!」

吹雪「はひっ!?」パチッ

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2015年05月15日 (金) 14:46:12   ID: LyuQ_i0N

ここがあの>>1のハウスね!

とりま一週間ぐらい間を置くのかー、ゆっくり尻でも眺めてゴム外して待ってよーっと

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