保健医「初恋の相談?」女生徒「……はい」 (142)
保健医「私なんかでよければ、いくらでも聞いてあげるわ」
女生徒「ありがとうございます……」
保健医(小動物みたいな子ね……真っ赤になっちゃって、可愛い)
女生徒「その……好きな人、と言うのが」
保健医「うんうん」
女生徒「部活の先輩、なんです」
保健医(先輩かぁ、青春って感じねぇ)
保健医「あなた、何部なの?」
女生徒「……女子バスケ部、です。私はマネージャー、ですが」
保健医「ほうほう、女子バスケ……」
女生徒「……」
保健医「……」
保健医(……なるほど、それでここに来たわけか)
女生徒「……じー」
保健医(どう返答したものかしら……)
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保健医「ってな事がありましてね」
教師「ふーん」
保健医「もう、せめて視線はこっちに向けて話を聞いてよ」
教師「なんて答えたんだ?」
保健医「もう少しじっくり考えてみて、それでも気持ちが変わらなかったらもう一度来るようにって」
教師「解決になってる?それ」
保健医「学生の恋愛感情って、憧れとかの延長線な事が多いから。冷静になってみると案外落ち着いたりするものなのよ」
教師「説得力ないなぁ」
保健医「……自分で言ってて分かってる」
教師「ごめんごめん、むくれるなよ」
保健医「あなたはそういう経験ない?」
教師「恋愛相談?」
保健医「そう。教師になってそれなりに経つでしょ」
教師「んー、あんまキャラじゃないからなぁ。生徒もそれ分かってるのか、その手の話題はからっきしだ」
保健医「そっかー」
教師「あー、でも」
保健医「?」
教師「一回あったな、『先生好きです、付き合ってください!』ってのなら」
保健医「……」
教師「なんて顔してるんだ、相手は学生だぞ?」
保健医「だって、まんざらでもない顔してる」
教師「ちゃんと断ったよ、先約がありますからってな」
保健医「……怪しい」
教師「疑り深いやつだなぁ、それじゃ証拠に……」
保健医「あ、ちょっと……っ」
教師「……ん」
保健医「……っふ」
教師「……ぺろ」
保健医「……眼鏡を付けたままじゃ危ないって、前にも言ったのに」
教師「こりゃ失敬、では改めて……」
保健医「……ダメ」
教師「ありゃ?」
保健医「相談の答え、ちゃんと考えてあげなきゃ」
教師「クソ真面目だなぁ、相変わらず」
保健医「あなたが不真面目なだけだと思うけれど」
教師「実体験を元にしてみてはいかがだろう」
保健医「……と言うと?」
教師「キミは完全に忘れていますが……こう見えて私は2つ上です」
保健医「……」
教師「……背は低い、ですが」
保健医「……胸もね」
教師「キミは私を泣かせたいのかね」
保健医「あなたと私の関係を参考にさせちゃ、絶対にダメな気がする」
教師「うわ、なんだか傷付くなぁ」
保健医「事実だもの。恋する乙女はもっとロマンチックに恋をするべきです」
教師「……」
保健医「……」
保健医「……もう寝ます」
教師「自分で言っておいてヘソ曲げるって理不尽じゃないかな」
保健医(……先輩、かぁ)
教師(ロマンチック、ねぇ?)
つづく
「一年、声出てないよーっ!」
「ハイッ!」
先輩「……はっ……はっ……」
先輩「……ふぅ」
女生徒「せ、せんぱいっ」
先輩「……?」
女生徒「タオルです、よかったらどうぞっ」
先輩「ん、ありがと」
女生徒「……じー」
先輩「ボクの顔」
女生徒「へっ?」
先輩「何か、付いてる?」
女生徒「あ……ぅ」
「次、2対2ーっ!」
「ハイッ!」
先輩「おっと、もう行かなくちゃ」
先輩「はい、タオルありがとね」
女生徒「先輩……」
「それじゃ、今日はここまで!」
「お疲れ様でしたーっ!」
女生徒「……」
女生徒(……人のいなくなった体育館って、静かだな)
女生徒(おっと、後片付け急がなくちゃ)
女生徒「あ」
女生徒(これ、先輩が使った……)
女生徒「……」
女生徒「すん、すん……」
「おーい」
女生徒「……っ!」
「なんだ、まだ残ってる奴いたのか?下校時間ギリギリだぞ」
女生徒「す、すいません。すぐ帰りますっ」
「うわっと……なんだ?顔真っ赤にして」
女生徒(見られた?いや、見られて……ない、よね?)
教師(……私もまだ捨てたもんじゃないか?)
教師(ああいうのはポイント高いだろうな、男女問わず)
教師(っと、やばい。私も急がねば)
保健医「……んー」
教師「どうした、せっかくいい肉がセールだったのに。何を難しい顔してるんだ」
保健医「前に話した子、いたじゃない?」
教師「はふ、はふ……バスケ部のマネ、とかだっけ」
保健医「何で既に曖昧……まぁいいや。そう、その子」
保健医「あの後、どうなったか気になってね……なんだかこっちから聞くのも変な感じだし」
教師(そういや、体育倉庫で見たあの生徒……)
教師「……もぐもぐ」
教師「もしさ」
保健医「はむはむ……ん」
教師「もしその子がもう一度来たとして、なんて言うの」
保健医「それは……その」
教師「もふもふ……」
教師「答えがちゃんと定まってないなら、むしろ来てくれない方がいいんでないかね」
保健医「……」
教師「……んー?」
保健医「んがーっ!肉ばっかり食べるなーっ!」
教師「ならキミも食べる?」
保健医「えっ、ちょっ……と」
教師「……」
保健医「……」
教師「ごちそうさまでしたっと」
保健医「……お粗末様、でした」
つつく
「一年、ちんたら走ってるともう一週だよ!」
「ハイッ!」
女生徒(……)
女生徒(私はなんてことを、してしまったんだろう)
女生徒(いくら好きでもタオルの匂いを嗅いじゃうなんて、まるで変態……)
「あ、危ないっ!」
女生徒「へっ?」
女生徒「あぅっ!?」
女生徒(め、目の前が……まっ、しろ……)
保健医「……ふー」
保健医(あの子、今日も来なかったわねぇ)
保健医(思い詰めてなければいいんだけれど……)
保健医「……ん」
先輩「失礼します」
保健医「あら、いらっしゃい」
先輩「マネージャーの子にボールがぶつかっちゃって。ベッドをお借りできますか?」
保健医「もちろん、大丈夫よ。ゆっくり降ろしてあげてね」
先輩「はい」
保健医(……)
保健医(この子が、話に出てきた先輩って子かしら?)
先輩「……」
保健医(なるほど、確かに密かな人気を保持してそうなタイプね……)
先輩「先生、後はお願いします」
保健医「えぇ、お任せなさい」
先輩「それじゃ、ボクは練習に戻ります」
保健医「……」
保健医(ボク、ねぇ?)
女生徒「……すー……すー……」
保健医(せっかく麗しの王子様におんぶしてもらったのに、気絶してるなんて残念ね)
保健医(いや、麗しのお姫様かしら?)
保健医(ん……目の下、隈が酷いわね)
保健医「ま、今はゆっくり眠りなさいな」
先輩「……」
「おい」
先輩「?」
「1対1で何をボーッとしてる。お前までケガでもしたら面倒だぞ」
先輩「それは無いと思うけど……」
「そんなに心配なら、目を覚ますまで付いててもよかったんだぞ」
先輩「んー……それはちょっと、ね」
先輩「特別扱いしちゃうと、逆に迷惑かかっちゃいそうだし」
「……なら、もっとシャキッとしろ」
先輩「言われなくても……ねっ!」
「……っ!」
先輩「はい、一本」
「ぐぬぬ……次だ、次っ」
女生徒「くかー……」
教師「おいーっす」
保健医「……ちょっと、何しに来たの?」
教師「突然キミの顔が見たくなって……ね」
保健医「学校では極力会わないようにって、言ったはずだけど」
教師「そんなつれない事言うなよー、どうせ暇だろ?」
保健医「ところがどっこい」
教師「おんやぁ?」
保健医「この子が話してた子」
教師「やっぱり」
保健医「あら、面識ありかしら」
教師「一方的にだけどね」
保健医「ま、そういう事だから。保健室ではお静かに」
教師「……」
保健医「あ、こらっ。眼鏡を返しなさい」
続かないとか言っておいて続きます
ごめんなさい
そんな長くならないと思います
先輩「ふぅ……ふぅ……」
「ハァーッ……ハァーッ……」
先輩(マネージャーさん、大丈夫だったかな?)
「……そのまま付いていてやればよかったと言っただろ」
先輩「あれ、声に出てた?」
「顔見りゃ分かる。まぁ、隠す気も無かったんだろうがな」
先輩「むむむ」
「心ここにあらずな奴と練習しても仕方がない。今日はもう帰れ」
先輩「……ありがと、主将」
「マネージャーの事は私も心配だったからな」
先輩(帰ってないといいけど……いや、無事なら帰ってた方がいいのかな?複雑)
「……」
先輩「……ん?」
『早く返してください。目、かなり悪いんですから』
『ほんとだ、視界がブレッブレ』
先輩(この声、保健の先生……と、誰だろ?)
『なんで掛けるんですか』
『眼鏡ありもいいけど……無い方が色々と楽だし、この際コンタクトにしなよ』
先輩(取り込み中だと悪いな、どうしよう)
『別に不便を感じた事はありませんが』
『こういう時に、不便じゃん』
先輩(あ、静かになった。今がチャンスかな)
先輩「お取込み中すいません、先程ここへ来た……」
保健医「……はぁ……はぁ」
先輩「……先生?」
保健医「ん、えぇ。覚えてるわよ」
先輩「具合が悪いんですか?真っ赤ですよ」
保健医「っ!」
先輩(聞いちゃいけない事だったのかな……)
保健医「だ、大丈夫よ。心配しないで」
先輩「ですか……」
保健医「そ、それでマネージャーちゃんなんだけどね」
先輩(そうだ、それが本題だった)
保健医「打ち所は悪くなかったと思うんだけれど、まだ目を覚まさないの」
先輩「……」
保健医「心労とか疲労が重なっただけだと思うから、そんなに心配そうな顔しなくても大丈夫よ」
先輩「そうですか、よかった……」
保健医「もう少し様子を見て、それでも目が覚めなかったら保護者の方へ連絡しようと思っていたのだけれど……」
先輩「……あの」
保健医「?」
先輩「マネージャーさんの目が覚めるまで、付いてていいですか?」
保健医「……」
先輩「……」
保健医(知ってか知らずか、気になるところだけれど)
保健医「下校時間までしか、約束できないけれど」
先輩「……はい」
保健医(……)
保健医(脈あり、かも?)
先輩「……」
女生徒「……すー……すー……」
『先輩、待ってくださーいっ』
『あはは、追いついてごらーん』
『待ってくださいってばー』
『あはは……』
『ちょっ、せんぱ……ほんとに、まっって……』
『うふふ……』
『げほっ、ごほっ……せんぱ……ぃ』
女生徒「……うーん……むむむ……」
先輩(うなされてる……ほんとに大丈夫かな、マネージャさん)
先輩(……)
先輩「……ぎゅぅ」
先輩(マネージャーさんの手、冷たいな)
つづく
『はぁ……ひぃ……』
『ひぇんぱい……やっと、ふかまへた……』
女生徒「……ん」
先輩「あ」
女生徒(あれ、ここは……?)
先輩「ここは保健室。マネージャーさん、ボールに当たって運ばれてきたんだよ」
女生徒「せ、先輩っ!?」
先輩「ん、なに?」
女生徒(これも、夢?こんなに近くに先輩が……)
女生徒「……!」
先輩「どしたの?って、そっか。ごめんごめん、勝手に握っちゃってた」
女生徒(あっ……ぅ)
女生徒(先輩の手って、凄くあったかいんだ……)
先輩「先生、マネージャーさん起きました」
保健医「あら、そう?そろそろ保護者の方に連絡しようと思っていたのだけれど……」
女生徒「あ……多分、お母さんはまだ家にいないと思います」
保健医「お父さんは?」
女生徒「……いません」
保健医「……知らなかったわ、ごめんなさい」
女生徒「いえ、先生のせいじゃないですので」
保健医「でも、そうなると少し心配ね。外傷はないけれど、まだ何があるか分からないし……」
保健医(車で来てる常勤の先生、まだいたかしら?)
保健医(まぁ、最悪の場合は……)
先輩「ねぇ、マネージャーさん」
女生徒「は、はい。なんですか?先輩」
先輩「マネージャーさんの家って、どの辺り?」
女生徒「えっと、駅前の……」
先輩「よかった、通り道」
女生徒「……え?」
先輩「ということで、先生」
保健医「あなたはそれで平気?歩けそう?」
女生徒(せ、先輩と二人……ごく)
女生徒「だ、大丈夫だと思います」
保健医(……別の意味で大丈夫じゃなさそうな気がするけれど)
保健医「なら一応、私の連絡先を教えておくわね。何か緊急の事があったら連絡して」
先輩「承りました」
先輩「それじゃ、行こっか」
女生徒「は、はいっ」
保健医(うーん、少し心配)
「ふんぐっ!」
保健医「うわっと……もう、部屋が埃っぽくなっちゃうじゃない」
教師「なら掃除用具入れ何かに突っ込むなよ」
保健医「眼鏡まで埃まみれ……」
教師「聞けよ」
保健医「はいはい、ごめんなさいごめんなさい」
教師「誠意が感じられないな」
保健医「込めてないもの」
教師「では強制的にいただこう」
保健医「強制的に取られるぐらいなら」
教師「んむっ……ちゅ……れるぅ……」
保健医「……」
教師「……」
保健医「……舌は反則じゃないですか」
教師「とか言って本当は?」
保健医「……」
教師「へぶっ」
保健医「続きは帰ってからにしてください」
教師「おー、お誘い?」
保健医「……バカ」
止め
世辞や同情を本気で捉えてしまったのは間違いだったでしょうか
完結までかなりスローペースになりそうです、ごめんなさい
先輩「……」
女生徒「……」
女生徒(せ、先輩と二人で並んで歩くなんて……)
先輩「ねぇ、マネージャーさん」
女生徒(たまにはボールに当たるのもいいかも……)
先輩「マネージャーさん?」
女生徒「ひゃ、ひゃいっ!?」
先輩「わっ、ビックリした。次、どっち?」
女生徒「あ、そこを右です」
先輩「りょーかいっと」
女生徒(うぅ……先輩に変な子だと思われてないかな)
先輩「大丈夫?頭クラクラしたり、してない?」
女生徒「あ、はい。平気です」
先輩「辛かったら遠慮せず言ってね?」
女生徒「はい……」
女生徒(先輩、優しいなぁ)
女生徒(誰にでもこんなに、優しいのかなぁ)
先輩「あっ、マネージャーさんっ」
女生徒「へっ?」
女生徒(先輩の手が、また……)
先輩「信号、赤だよ」
女生徒「あ……す、すいません」
先輩「次はどっち?」
女生徒「そこの角を、そっちに……」
先輩「ん、こっちだね」
女生徒「……」
先輩「ー♪」
女生徒(先輩、気付いてないのかな)
先輩「やっぱり、まだ辛い?」
女生徒「?」
先輩「さっきもフラついてたし、今も顔が赤いよ」
女生徒「だ、だいじょうぶですっ」
女生徒(多分先輩が手を、握ったままだからです……なんて、言えない)
女生徒「あ」
先輩「ん?」
女生徒「ここです、ここが私の家です」
先輩「んー、何階?」
女生徒「4階です」
先輩「心配だし、最後まで着いていくよ」
女生徒(まだ手を繋いだままですから必然的にそうなりますよね)
先輩「よっ、ほっ」
女生徒(……この階段を登り終えたら、先輩とはお別れ……)
女生徒(先輩がここまでしてくれるのは、私が部活のマネージャーだから?)
先輩「あの」
女生徒(それとも、それとも……)
先輩「マネージャーさん、もう4階だよ」
女生徒(なっ、あっという間……ここの階段もっと長いはずなのにっ)
とめ つづく
まだ待ってくれてる人がいるか分かりませんが、多分今日更新できます
先輩「あ」
女生徒「?」
先輩「気付かないうちに勝手に手を繋いじゃってた、ごめんごめん」
女生徒(あっ……)
先輩「……んっ?」
女生徒「……」
先輩「どう、したの?」
女生徒(と、咄嗟に握り返してしまった……)
先輩「……」
女生徒(でもなんでだろう、ここで先輩を離したらダメ、そんな気がする)
先輩「少し痛いよ、マネージャーさん」
女生徒「っ……す、すいませんっ!」
女生徒(あ、あっさり離してしまった……)
先輩「……」
女生徒(き、気まずい……何か、何か話さなきゃ……)
先輩「部屋、電気が付いていないけれど。まだ家の人帰って来てないのかな?」
女生徒「多分、もう少しで帰ってくるとは思いますが……」
先輩「となると、ここで別れてしまったらキミは一人になっちゃうわけね」
女生徒「……そう、なりますね」
先輩「よし、それなら……お母さんが帰ってくる間だけでも、一緒にいてあげようかな?」
女生徒「へ?あ、えと……」
先輩「あ、ありがた迷惑かな?だったら……」
女生徒「ぜんっぜんそんな事ないですっ!」
女生徒(……ドキドキ)
先輩「あ、あはは……心配しすぎかな?困らせるつもりはなかったんだけど」
先輩「もう少しで帰ってくるなら、やっぱりボクは帰ったほうが……」
女生徒「……いえ、こちらからお願いします」
先輩「……」
女生徒「居てください、先輩」
女生徒(今度は絶対、離しません……)
先輩「おじゃま、します」
女生徒「狭くてすいません」
先輩「狭いかな?ボクの家は一軒家だけど、兄妹が多いからここの方がむしろ広く感じるよ」
女生徒(先輩、兄弟いたんだ……よく考えると、先輩の事全然知らないな……)
先輩「そこ、座っていいかな?」
女生徒「あっ、はい。どうぞ」
先輩「それじゃ、遠慮なく……ぽふんっと」
女生徒(先輩が、私のベットに腰掛けている……)
女生徒(さっきから、話が旨い方向に進みすぎている気が……)
先輩「……きょろ、きょろ」
女生徒(もしかしてこれは、ボールで頭を打った時点から全て夢なのでは……)
先輩「マネージャーさん」
女生徒「は、はひっ!?」
先輩「なんで自分の部屋なのに、立ったままなの?」
女生徒「え?いや、その……」
先輩「ほら、座った座った。って、ボクが言うのは変かな?」
女生徒「いや、そんなこと……」
女生徒(せ、先輩の隣……)
女生徒(夢なら夢で、もういいや)
先輩「??」
多分まだつづく
先輩(あ、そういえば。遅くなるかもって連絡するの忘れてたな)
女生徒「……」
先輩(ま、メールでいっか)
先輩「……めるめる」
女生徒(こうして近くでまじまじと見れた事なんて無かったけど)
女生徒(やっぱり素敵だなぁ、先輩……)
先輩「……?」
女生徒(ぽけー……)
先輩「そ、そんなにじっと見つめられると、少し照れちゃうな」
女生徒(ずきゅーんっ)
女生徒(ゆ、夢……これは夢なんだ……)
女生徒(夢ならきっと、なにしたって……)
先輩「えっ」
女生徒(このまま押し倒したって、勢いでそのまま告白したって……)
先輩「ちょ、ちょっと……ぐ、ぬぬ」
女生徒「むむむ……ぅ」
女生徒(つ、強い……っ)
先輩(か、軽い……?本気じゃない、のかな)
女生徒「はぁ……はぁ……」
先輩「と、とりあえず落ち着こう?」
女生徒(夢のはずなのに、先輩が強い……)
先輩(この隙にボクも落ち着いておこう……顔が真っ赤なの、バレちゃったかな……?)
女生徒(もしかしてこれって……夢じゃ、ない……?)
先輩(あ、なんかそれどころじゃなさそう)
女生徒(あわわわわわ……)
先輩(今のって、やっぱり……だとしたら、受け止めずに身を任せた方がよかったのかな)
女生徒「あ、あの、先輩……い、今のは、その……」
先輩(真っ赤になっちゃってる、当たり前か)
女生徒「ち、違うんです。そんなつもりじゃ、全然……」
先輩(……なんて答えるのが、正解だろうか)
女生徒(ぜ、絶対変な娘だと思われた……)
女生徒「……っ」
先輩「……ぎゅぅ」
女生徒「しぇん、ぱい……」
先輩(こうすると弟達は大抵落ち着くんだけれど)
女生徒「……」
先輩(弟達と同レベルに扱うのは、少し失礼かな……)
女生徒(先輩の胸、あったかい……)
先輩(マネージャーさん、柔らかい……少し、羨ましいな)
女生徒「……」
先輩「……」
女生徒「あ、あの……」
「ただいまー」
女生徒「……っ!!」
先輩「っ……」
先輩「……お母さん、帰ってきたみたいだね。ボクはお役御免かな」
女生徒「み、みたいですね」
先輩「ボクがここにいる理由、説明してから帰る事にするよ」
女生徒「……は、はひ……」
女生徒(……まだ、ドキドキしてる……)
「あら、あなたは?」
先輩「実は、かくかくしかじかで……」
「まぁ、そんなことが。あの子ったら、いつもぼんやりしてるから……」
先輩「そういうわけで、ボクはもう帰ります」
「なんのもてなしも出来なくてごめんなさいね。あの子に今度お礼させるわ」
先輩「……いえ、お構いなく」
先輩(もう十分、頂きましたので)
「もうあんな遠くに……」
(顔が真っ赤だったけど、あの子も体調悪かったのかしら)
「だとしたら尚更お礼が必要ね」
続く
よかったら悪いとことか教えていただけると助かります
こんな半端な所で効かれてもで困る、とは思いますが
保健医「……んぁ」
保健医(……暗っ、完全に寝ちゃってたなこれ)
保健医(今、何時だろ……?)
保健医「……じー……ぐし、ぐし」
保健医(ダメ、全然見えない。眼鏡眼鏡……)
保健医「……ない」
保健医(どこやったんだっけ、えーと……)
保健医『乱暴に扱わないでね、割れたりしたら大変』
教師『その時はコンタクトにすればいいじゃん』
保健医『簡単に考えてるみたいだけど、度を合わせたり結構面倒なのよ』
教師『……むー』
保健医『それじゃ、先にシャワー浴びるわね』
教師『……にやり』
保健医『おまたせ……って、あれ?眼鏡は?』
教師『では後にシャワーいただきますっと』
保健医『あ、ちょっと!答えてからにしなさいっ!』
教師『いやん、えっちぃ』
保健医『くだらない事言ってないで……っ』
教師『いいじゃん、する時邪魔なだけなんだし』
保健医『ちょっと、服が濡れちゃう……』
教師『んーっ』
保健医『……んっ……』
保健医(……あの後結局うやむやのままだったっけ)
教師「くかーっ……くかーっ……」
保健医「……うらっ」
教師「んっ……ぁ……」
保健医(漫画とかで寝てる間に色々するシチュエーションとかあるけど)
保健医(ああいうのって本当に起きないものなのかしら)
保健医「……もみもみ」
教師「あふっ……ぅ」
保健医「ハッ」
保健医(こんなことしてる場合じゃない、早く探さないと……)
保健医(めぼしい所は漁ってみたけど、結局見つからなかった)
保健医(叩き起こして聞き出してもいいんだけれど……)
教師「すーっ……すーっ……」
保健医(寝顔をまじまじと見てると、起こしづらくなってしまった)
保健医(コンタクト、かぁ。あんまり考えた事なかったなぁ、そう言えば)
保健医(学生の頃からずっと眼鏡だったし、今さら感が凄い気がする)
『キミ、いっつも眼鏡だよね。コンタクトとかにしないの?』
『……私みたいなブスは……眼鏡の方が、都合いいんです……』
『んー……?ていっ』
『あっ、わっ、ちょっ……』
『うわー、視界がぐにゃぐにゃだ』
『度がかなり高いですから……その、返してください……』
『どこにいるんだー、早く取ってー』
『……?今、とりま……っ』
保健医(昔から変わらないな、この人は)
教師「……」
保健医「全く、私みたいな可愛くない女のどこが気に入ったんですかねぇ」
教師「そりゃ、全部ですよ全部」
保健医「……」
教師「……ニヨニヨ」
保健医「いつから起きてました?」
教師「そりゃもう、もみもみの辺りから……」
保健医(やっぱり漫画は漫画か)
保健医「眼鏡、どこに隠したんですか」
教師「照れ隠ししちゃって、可愛いなぁ」
保健医「は・や・く!」
教師「仕方ないなぁ、それじゃ……目、瞑って?」
保健医「……何故です?」
教師「しないと返してあげない」
保健医「……」
保健医(こういう時、目を瞑ったら……そうはいかない)
教師「……?」
教師「んむーっ」
保健医「ちゅ……ん、ぺろ……っ」
教師「……ちゅぱ……はぁっ」
教師「えっちだなぁ、キミは。待ちきれなかったのかね」
保健医「えっ、あっ、ちょっと……」
保健医「……こんなはずでは」
教師「つやつや」
続
保健医「……くぁ」
保健医(結局あの後、流されるままに何回もしたせいで体が重い……)
保健医「……ふわーぁ」
保健医(いつまでもこんな調子じゃいけないわね、次こそはバシッと……)
「失礼します」
保健医「あら、いらっしゃい。って、あなたは……」
先輩「その節はどうも、お世話になりました」
保健医「マネージャーちゃんに続いて、今度はあなたが?」
先輩「いえ、今日は別件で相談がありまして」
保健医「……?」
保健医(とりあえず、寝惚けた頭で相談事を聞いちゃダメね)
保健医「それじゃ、そこに座って」
先輩「はい、ありがとうございます」
保健医「コーヒー、あなたも飲む?」
先輩「……砂糖、ありますか?」
保健医「えぇ、クリープもあるわよ」
先輩「なら……両方たっぷり、頂いてもいいですか?」
保健医(あら、かわいい)
保健医「……んくっ」
先輩「……ずぞぞーっ」
先輩「……」
保健医「好きなタイミングで話していいからね」
先輩「あ……では、遠慮なく」
先輩「実はボクには……前から気になっている人がいまして」
保健医(……あら)
先輩「先日、その気になっている人から猛烈なアプローチを受けてしまってですね」
先輩「でも、あまりにも突然の事過ぎて……その、突っぱねてしまって……」
先輩「そのせいでその人は、深く傷付いてしまったんじゃないかと……」
保健医(あらあら)
保健医(お相手はあの子、なのかしら?奥手そうに見えたから少し意外だけれど)
保健医(一応、聞いておこうかしら)
保健医「その人とどういう関係なのか、聞いてもいいかしら?」
先輩「……部の、マネージャーの子です」
保健医(やっぱり。両想いでよかったわね、マネージャーちゃん……なんて言ってる場合じゃなさそうだわ)
保健医「それで、今日のマネージャーちゃんの様子、どうだったの?」
先輩「それが、学校には来ていたらしいんですが……体調不良で早退したと、顧問の先生が仰ってました」
保健医「なるほど、ね」
保健医(学校に来てたってことは、本当は先輩ちゃんと会って話がしたかったんでしょね)
保健医(でも、放課後が近づくにつれて怖くなって……かな)
『先輩、好きです……大好きなんですっ!』
保健医(奥手に見えて、か)
先輩「先生、ボクどうしたらいいんでしょうか?」
保健医「そうねぇ……別にマネージャーちゃんの事が嫌いになったわけじゃないんでしょう?」
先輩「嫌いになるわけありませんっ!……です」
保健医(凄い前のめり……赤くなっちゃって、そんな表情も出来たのね)
保健医「なら、今度はあなたからアプローチしてみたら?」
保健医「きっとその子は今、ものすごく不安になってると思うの。あなたに嫌われてしまったんじゃないか、って」
保健医「あなたの方から好きだなんて、伝えてないんでしょう?」
先輩「……はい」
保健医「なら、あなたの方から言ってあげて。それできっとうまく行くわ」
先輩「……ずぞぞ」
保健医「おかわり、いる?」
先輩「いえ、もう平気です」
先輩「……先生」
保健医「ん?」
先輩「相談に乗っていただいて、ありがとうございます」
保健医「いえいえ、こんな私でよければ」
先輩「ありがとうございました、失礼しますっ」
保健医「……んく」
教師「どこかで聞いた事ある話だったねぇ」
保健医「裏口から入って来ないでください」
教師「えー、こっちのルートの方が職員室に近いんだもん」
保健医「ほんの少しの差じゃないですか」
教師「猛烈なアプローチだってさ、羨ましいねぇ」
保健医「にやにやしないでください」
教師「顔真っ赤」
保健医「うるさい」
教師「かーわいっ」
保健医「あっ……」
保健医(また流されて……)
教師「んーっ……」
保健医(……バシッと言うのは、また今度でいいや)
続く
女生徒「んー……むー……」
女生徒(……結局、先輩に会わずに帰っちゃった)
女生徒(でも、会っても何を言えばいいのか、分かんないし……)
女生徒(……)
女生徒(……お母さんが帰ってくるまで、寝ちゃおうかな)
女生徒(……)
女生徒(……うと、うと)
「キャー、頑張れーっ!」
女生徒『……がんばれーっ』
女生徒(なんで体育祭なんてあるんだろう)
女生徒(運動苦手な人からすれば、面倒事以外のなにものでもないのに)
「あーっ、もうっ!先輩達、手加減してよぉっ!」
女生徒(……和さがしいなぁ)
女生徒『……!』
女生徒「……ねぇ」
「ん?」
女生徒「あの先輩、バスケ部の人?」
「そう、バスケ部。こっちにもバスケ部の人いるんだけど、先輩が相手じゃね……」
女生徒(バスケ部の先輩……か)
先輩「……ん」
「どうした、よそ見してると危ないぞ」
先輩「いや、ね。なんだか視線を感じたような?」
「そりゃ、みんな見てるだろ」
先輩「そういうのじゃなくてですね……」
女生徒(……かっこ、いい)
女生徒「……むにゃ」
女生徒「……」
女生徒(なんで今さら、先輩と出会った時の事を夢に……)
女生徒「……水、飲も」
ピンポーン
女生徒「……ん」
女生徒(お母さん、帰ってきたのかな?)
女生徒「おかえりー……」
先輩「はい、ただいま」
女生徒「……」
先輩「……あは、は」
女生徒「……っ」
先輩「あう」
先輩(閉め出されちゃった)
女生徒(な、なんで先輩が……っ!?)
先輩(やっぱりいきなりはマズかったかなぁ)
女生徒(こんなダサいパジャマ、先輩に見られるなんて……)
先輩(イチゴ柄、似合ってたなぁ)
女生徒「……うぅ」
先輩(むー)
「あら?」
先輩「あ、どうも」
「何で、そこで立ち呆けてるのかしら」
先輩「それが、内側から鍵を掛けられてしまったようで」
「??」
「あの子、中にいるの?」
先輩「はい、一瞬だけ会えました」
「もう、何をしてるのかしらあの子は」
女生徒(今のうちに着替えて……いや、もう帰っちゃったかな……)
「ただいまー」
女生徒「あ、お母さ……っ」
「先輩さんを閉め出して、何を考えてるのあなたは」
女生徒「……っ」
「あっ、こらっ!ごめんなさいね、あの子ったら……昨日から少し様子が変なの」
先輩「……」
先輩「少し、お邪魔してもいいですか?」
「始めからお邪魔してもらうつもりだったけれど、そんなつもりなかった?」
先輩「ありがとうございます」
「もしよかったら、あの子を部屋から連れ出してもらえないかしら。私が言ってもあの状態じゃ聞いてくれなさそうだし
先輩「……善処してみます」
早く終わらせたいけどなかなかオチが浮かばない
続く
先輩(善処するとは言ったものの……当事者のボクにどこまで出来るやら)
先輩(ここがマネージャーさんの部屋、か)
先輩「マネージャーさん、開けていいかな?」
先輩「……」
先輩(返事はなし、か……)
先輩(でも、ここで立ち止まってちゃ……ボクも嫌だし、マネージャーさんも、きっと)
先輩「入る、ね」
先輩(……あれ?いない……?)
先輩「……む」
先輩(布団が膨らんでる……なんてベタな)
先輩「勝手に座らせてもらうね、マネージャーさん」
先輩「……んしょ」
女生徒「……」
先輩「……好きなタイミングで、話し始めていいからね」
女生徒「……先輩」
先輩「ん?」
女生徒「……なんで、ウチに来てくれたんですか?」
先輩「なんでって……」
女生徒「変、ですよね。あんなことして……」
先輩「……」
女生徒「……でも、でも」
先輩(あ、顔を出してくれた。亀みたいだ)
女生徒「……それが先輩の優しさだったとしても、嬉しかったです」
先輩(……後輩にここまで言わせて)
女生徒「……ぐす」
先輩(情けない先輩だな、ボクは)
女生徒「……せん、ぱい?」
先輩「もしも、マネージャーさんが変だとしたら」
女生徒「え、ちょ、ちょっと……」
先輩「ボクも相当変なんだね、きっと」
女生徒(顎に、頬に、先輩の手が……っ!)
先輩「似た者同士なら、きっとお似合いだと思うんだ」
女生徒「あ、あわわ……」
女生徒(でも、私はこれに似た事を先輩にしちゃったわけで……あの反応は当たり前の事だったんだ)
先輩「一つだけ、勘違いしないで欲しいのは」
先輩「優しさとか、同情とか……そういう感情で、ボクはここまでしたりしない」
女生徒「それは、その……」
先輩「そっか、言わなきゃ分からないよね。そのせいでややこしくなっちゃったんだもん、ちゃんと言うよ」
先輩「キミがボクにとって、特別な人だって事」
女生徒「……っ」
先輩「顔、真っ赤」
女生徒「……先輩だって」
先輩「だろうね、熱いもの」
女生徒(先輩、意外とまつ毛長い……)
先輩「……」
女生徒「……せん、ぱい……っ」
「ご飯とっくに出来てるよ、何してんの?真っ暗な部屋で」
先輩「……イエ、ナンデモナイデス」
女生徒(……お母さんの、ばかぁっ!!)
続く
終盤に入ってると思う、きっと
「もう少しゆっくりしていってもよかったのよ?よければ、夕飯だって」
先輩「すいません、親も用意してくれてると思うので……」
先輩(それにもうお腹いっぱいです……なんて)
「そうね、それじゃ今度はキチンと誘われた時にね」
女生徒「ちょ、ちょっと」
先輩「……そう、ですね」
女生徒「っ!?」
先輩「それじゃ、ボクはこれで」
女生徒「先輩」
先輩「ん?」
女生徒「……ま、また明日」
先輩「うん、また明日」
女生徒「……ごちそうさま」
「あら、もういいの」
女生徒「うん、少し食欲が……」
「まだ調子悪い?薬、飲んどく?」
女生徒「う、うぅん。そこまでは」
「あらそう……」
女生徒「……ふー」
女生徒(さっきまで先輩が、ここに……)
女生徒「……」
女生徒「んーぅー……」
女生徒
女生徒(さっきのアレ、お母さん見ちゃったかな)
女生徒(見られちゃってたら……見られちゃってたら、どうしたらいいんだろう)
女生徒(……どう説明したら、いいんだろう)
女生徒(……せん、ぱい……)
女生徒「……ぐぅ」
先輩「ただいまー」
「おかえりー」
「おねえちゃん、おっそーい。一緒にゲームするって約束ー」
先輩「はいはい、ごめんごめん」
「……お姉ちゃん、調子悪い?」
先輩「ん?」
「顔、赤い」
先輩「っ」
「……?」
先輩「なんでもない、平気だよ」
「……そう?」
先輩「さぁ、ゲームだゲーム」
教師「……んーっ」
保健医「ていっ」
教師「いてっ」
保健医「火を使ってるときに冗談はやめて」
教師「冗談じゃないのに」
保健医「学校で散々したでしょ?」
教師「家と学校は別腹別腹」
保健医「どっちがメイン腹なの?」
教師「んー……甲乙つけがたい」
保健医(全く、いつ誰かに見つかるか分からずにひやひやしてるこっちの気も知らないで……)
教師「??」
保健医(……惚れた弱み、かしら)
保健医「出来たわ、食べましょう」
教師「ほいほい」
教師「……すー」
保健医(食べたらすぐ寝ちゃって……ほんと、子供みたい。変わらないな、この人は)
保健医(それに比べて私は、学生の頃から大分変わっちゃったなぁ)
保健医(先輩に嫌われちゃったら、なんて考えたこともあったっけ)
保健医(今じゃそういう心配、全くしなくなったけど)
保健医(……そんなところを、好きになっちゃったのかな)
保健医「……」
保健医「……ん」
教師「がばーっ」
保健医「ん、んんーっ!?」
教師「……じゅる……ぺろっ」
保健医「……」
教師「……」
保健医「キスしたいならさせてあげるから、こういうのは……んぅっ」
教師「んーっ……」
保健医(ね、寝惚けてるなこれ……もういいや、どうにでもなれだ)
あと2回か3回に収めたい所
続く
先輩(マネージャーさんに会う前に、先生に会ってお礼を言っておこう)
先輩(今回の事が上手くいったのは、先生が親身に相談に乗ってくれたおかげだし)
先輩(……ん?)
先輩「マネージャー、さん?」
女生徒「っ!」
女生徒「しぇ、しぇんぱい……」
先輩「あはは、そんなにガチガチになられると……」
先輩「こっちも赤く、なっちゃいそうだ」
女生徒「す、すいません」
先輩「おっと、ごめんごめん。謝らせたかったわけじゃないんだ」
先輩「それで、マネージャーさんはなんでこんな所に?」
女生徒「そ、それを言うなら先輩も……」
先輩「ボクは、先生に用があって」
女生徒「先輩もですか?」
先輩「……」
女生徒「……」
先輩(もしかして)
女生徒(まさか)
先輩「同じ相談を同じ人にしてたとは……ボク達似たもの同士なのかもね」
女生徒「……かも、しれませんね」
先輩「ま、これからする報告の内容的に……」
女生徒「あっ……」
先輩「二人で来て正解、だったかな?」
女生徒(先輩の手、少しひんやりしてて……)
先輩(誰も見てないよね……?)
先輩「失礼します」
女生徒「失礼します」
保健医「もう、昨日今日でなんでそこまで盛れるのよ!」
教師「昨日は昨日、今日は今日だから……」
保健医「もう……」
教師「……」
保健医「どうしたの、急にやめ……っ」
先輩「……えーっと」
女生徒(く、くんずほぐれつ……)
保健医「……な、なんの用かしら?二人とも」
教師「いや、流石にそれはムリあるでしょ」
保健医「うるさいっ!誰のせいで……」
先輩「……お邪魔、でしたか?」
女生徒(いつか先輩とも……?はわぁ……)
保健医「……」
保健医「……そこに、座ってもらえるかしら」
先輩「では改めて、失礼します」
女生徒「……ハッ。し、しますっ」
保健医(いつかはバレると思ってたけど……結構早かったなぁ)
先輩「先生達は、いつからカップルなんですか?」
教師「私達も、あんたらと同じ」
保健医(
先輩「ってことは……」
教師「実体験を元にしたアドバイスで、うまくいかないわけがないわけだ」
先輩「なるほど……」
保健医「ちょっと」
教師「なんだ、話してる途中に」
保健医「……頭痛くなってきた」
教師「医者の不摂生ってやつか」
保健医「養護教諭は医師免許とは違うって前にも……」
先輩『なんだか、普段と雰囲気が違うね』
女生徒(せ、先輩の吐息が耳に……っ)
女生徒「……はぅぁ」
先輩『マネージャーさん、マネージャーさん?』
教師「見せつけてくれちゃってるねぇ、それならばこっちも……」
保健医「しないから!」
教師「バレちゃったもんはしょうがないんだから、今さら取り繕ってもさ」
保健医「そういう問題じゃないでしょ!」
先輩「絶対言いませんから安心してください、先生」
女生徒「わ、私も言いませんっ」
教師「ね?」
保健医「……むー」
教師「ま、同じ秘密の共有者として気楽にいこうや」
保健医(私がおかしいんじゃない、この人がおかしいんだ)
一旦止め
一応リクエストで書きはじめたのにリクエストとはかけ離れた内容になってる
終わる一個前で言う事じゃないけどほんと申し訳ない……
「今日の練習はここまで!」
「ありがとうございましたーっ」
先輩「……ふぅ」
女生徒「先輩、お疲れ様でした」
先輩「ん、ありがと」
女生徒「それじゃ、私は片付けがありますので」
先輩「……」
「その様子だと、うまくいったみたいだな」
先輩「うん、おかげ様で」
「これで少しはお前の腑抜けも治るといいのだが」
先輩「そんなに腑抜けてた?」
「今も顔がゆるゆるだ」
先輩「おっと、それはいけない」
先輩「色々とありがとうね」
「何の事だ?私は何かした覚えはないぞ」
先輩「うん……でも、ありがとう」
「……ふん」
先輩「キミはそういう浮いた話、無いの?」
「バカ言え。恋愛なんて面倒なだけだ」
先輩「そうかなぁ」
(……面倒な、だけだ)
「お前見てたら、そう思った」
先輩「残念、恩返ししたかったのに」
「残念だったな……ん」
先輩「?」
「お邪魔虫は退散するか、じゃあな」
女生徒「先輩……?今のキャプテン、でしたよね。どうしたんですか」
先輩「ちょっと立ち話。待ってる間、暇だったし」
女生徒「え……」
先輩「家が逆方向だから、分かれ道までだけど」
女生徒「……ありがとう、ございます」
先輩「お手をどうぞ」
女生徒「だ、誰かに見られたら……」
先輩「……」
女生徒「……で、では。失礼、します」
女生徒「……」
先輩「……」
女生徒「あの、先輩」
先輩「ん?」
女生徒「……な、なんでもないです」
先輩「??」
女生徒(せっかく先輩と、歩いてるのに……な、何を話していいか分からない……)
先輩「……」
女生徒(先輩も黙ったまんまだし……ど、どうしよう……)
先輩「……」
女生徒「……」
女生徒(あぁ、もう分かれ道に……)
先輩「……ぷはっ」
女生徒「……?」
先輩「ごめん、こういう風に並んで歩くの慣れてなくって」
女生徒(……先輩、顔真っ赤)
先輩「楽しくなかったよね、ごめんよ」
女生徒「いえ、そんなことは……」
先輩「……」
女生徒(先輩、そんな難しい顔をしないで……いつもみたいに、笑ってください)
女生徒「せ、先輩の手……」
先輩「……手?」
女生徒「ひんやりしてて、気持ちいいです……」
先輩「……」
女生徒(……へ、変なこと言っちゃったかな)
先輩「……そんなこと言われたの、初めてかも」
女生徒「……あぅ」
先輩「マネージャーさんの手は、温かいよ」
女生徒「……っ」
女生徒「く、くすぐったいです先輩」
先輩(……今はまだ、このぐらいで)
女生徒(先輩の髪、サラサラだな……)
先輩「んゃ?」
女生徒(あっ、思わず……)
先輩(……このくすぐったい感覚、嫌いじゃないかも……?)
オチが上手く浮かばなかったので続く
次で確実に終わりです
先輩「……マネージャー、さん」
女生徒「……?」
先輩「そ、そろそろ人が来るといけないし……ね?」
女生徒「……ハッ。す、すいません」
先輩「うぅん、嫌だったわけじゃないから……心配しないで」
女生徒「……」
先輩「じゃあ、また明日」
女生徒「……はい、また明日」
女生徒(もっとお話し、すればよかったな……)
先輩「マネージャーさーん」
女生徒「……?」
先輩「……ちぅ」
女生徒「……」
女生徒「……っ!?」
先輩「先生達みたいにイチャイチャは、まだ難しいけど」
先輩「ボク、頑張るからっ……それじゃっ」
女生徒「……ぽかん」
女生徒(先輩の唇が触れた部分が、熱い……)
女生徒(……私も頑張ります、先輩)
教師「くしゅんっ」
教師「……誰かが私の噂をしてるのか?」
保健医「そんな恰好してたら、誰かが噂してなくてもくしゃみぐらい出るわよ」
教師「いやね、初々しい二人を見てたらつい昔を思い出して」
保健医「昔を?」
教師「私達が初めてしたのは……」
保健医「それ以上いけない」
保健医(……昔、か)
『大好きです、先輩』
保健医「大好きですよ、先輩」
教師「へ?」
保健医「……」
教師「今の超可愛かった!もう一回、もう一回!」
保健医「絶対、もう二度と言いません」
教師「ならば……」
保健医「あっ、ちょっと……」
教師『私も大好きだよ、愛しの後輩くん』
保健医『……ばか』
終わり
色々とアフターも考えましたが自分の腕では蛇足になりそうなのでここまで
お付き合いくださった方々、ありがとうございました
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