先輩「君は恋をした事があるかい?」男「はぁ?」(81)

男「どうしたんですか急に」

先輩「なに、少し気になっただけさ。君の恋愛事情がね」

男「先輩はいつも話が唐突すぎます」

先輩「その唐突な話にいつも付き合ってくれる君には感謝しているよ。で、どうなんだい?」

男「もちろんした事がありますよ」

先輩「ほう、意外だな」

男「……俺の事に恋愛は似合わないと」

先輩「あぁ失礼。そういう意味ではないさ。てっきりお茶を濁した回答をするかと思っていたんだが、まさかハッキリと応えてくれるとはね」

男「そういう先輩はどうなんですか?」

先輩「私かい?私もあるさ。というより現在進行形なんだがね」

男「」

先輩「失敬な。私だって乙女の端くれさ」

男「いや、驚きました。本当に」

先輩「君は私が色恋沙汰に興味がないと本当に思っていたのか」

男「あ、いや…その…」

先輩「みなが私の事をどう思っているかは知らないが、私だって人を好きにはなるさ。想い人と愛を囁きあう事に夢を見るさ」

男「…ですよね。すみません」

先輩「全くもう」

男「でも、先輩に想いを寄せられるなんてその男の人はとっても立派で素晴らしい人なんでしょうね」

先輩「もちろんだとも。彼の魅力を説明しようと思うのならばそれは一日二日でできるものではない」

先輩「彼の魅力に気付いてからというものの、私の心は彼に支配されたままなんだ」

先輩「彼の事を考えるだけで胸の鼓動は速くなるし、会話をしようものなら目眩を覚える始末さ」

先輩「滑稽だろう?」

先輩「とまぁこんな私の恥ずかしい話をしたかったわけじゃない」

男「はぁ」

先輩「本題は別にあるのさ」

男「……はぁ?」

先輩「男くん」

男「はい」

先輩「君はセックスをした事があるかい?」

男「いえ、残念ながらまだ」

先輩「では近々にする予定は?」

男「ないですね。残念ながら」

先輩「だが機会があればしてみたい?」

男「まぁそうですね」

先輩「性欲は人並みにはあるかい?」

男「まぁ人並みにはあると思います」

先輩「ふふふ。心底呆れた顔をしつつも律儀に答えてくれるとはね」

先輩「ふふふ、いいじゃないか。実にいいじゃないか」

男「相変わらず先輩は他人を置いてきぼりにするのが得意な事で」

先輩「ああ、すまない。ヒアリングの結果が求めていた条件に対して余りに合致してたからね」

男「条件?」

先輩「そう。条件さ」

先輩「君にあるお願いをしたかったのさ」

男「お願い?」

先輩「男くん」

男「はい」

先輩「どうか、私を抱いてくれないだろうか?」

男「えーっと……」

先輩「ふふ」

男「先輩との付き合いも結構長いと思うんですが、俺は全然先輩の事をわかってなかったみたいです」

先輩「一年二年の付き合いで全てを知られる程底は浅くないつもりだよ」

男「考えても仕方ないのでお聞きしますが、どうしてまた急にそんな事を?」

先輩「さっきの話だよ。想い人を私のものにするためさ」

男「すみません。まだわからないですね」

先輩「私の想い人はそれはもう真面目な堅物でね」

男「はぁ」

先輩「とても責任感の強い人間なんだ」

男「立派な人じゃないですか」

先輩「そんな彼が、行きずりとは言え特定の女性と身体を重ねあったらどうなると思う?」

男「あ、あー……。話が見えてきました」

先輩「ふふふ。君は理解が早くて助かるよ」

男「既成事実を作ってなし崩し作戦」

先輩「さすがだね」

男「それと今の話になんの関係が?」

先輩「簡単な話さ。セックスの練習台になって欲しいのさ」

先輩「なに、君が気にするような事はなに一つないさ」

先輩「まず始めに、私は既に生娘ではない」

男「えっ」

先輩「……心底意外そうな顔をするな。さすがの私でも傷つく」

男「あぁ、すみません」

先輩「…コホン。ゆえに、君は私の純潔に気を使う必要はない」

先輩「そしてもう一つ。クラスメイト曰く私の容姿はなかなかのものらしい」

男「らしいって…」

先輩「加えて体型にもそれなりに自信はある。女として君を満足させる事ができると思うのだが」

男「いや、でも…」

先輩「端的に聞こう。君は私に欲情するかい?私を見て劣情を催すかい?」

先輩「もし私が君の眼鏡に叶うのであれば、人助けをすると思って私を抱いて欲しい」

男「なんだか流されてる気がするんですけど」

先輩「とは言え君も所詮一人の雄だったという事さ。私の身体の魅力に抗えなかった」

男「ぐ…」

先輩「君が私に欲情してくれた。これは私にとって大きな自信になるよ。ありがとう」

男「いえいえ、こちらこそありがとうございます」

先輩「ふふふ。なんだか間抜けな絵面だな」

男「まったくです」

先輩「………さて」

先輩「そろそろ始めようか」

男「……はい」

先輩「断っおくが、君は私に気兼ねする必要はない。君の欲望の赴くままに私を貪ってくれていい」

先輩「君が私に欲情すればするほど、その事実は私にとっての自信となるからね」

先輩「…では、私のシャツを脱がせてくれないか」

男「……」

先輩「緊張しているのかい?まぁ仕方ないさ」

男「す、すみません…」

先輩「ブラジャーの外しかたは……知らないか。外してしまっても構わないかい?」

男「お、お願いします…」

先輩「……見るなとは言わないが、食い入るように見られるのはいささかおもはゆいな」

男「すっ、すみません…」

先輩「ふふふ、さっきから謝ってばっかりじゃないか」

男「すみま…あ」

先輩「ふふっ」

僧侶スレが気になって眠れない

先輩「……どうかな、私の胸は?」

男「……その」

男「先輩って、着痩せするタイプなんですね」

先輩「……はっ?」

男「あっ!いや!その…すごく大きくて綺麗だと思います!!」

先輩「ふふっ、やはり男性は胸が大きい女性の方が良いのかな?」

男「それはまぁ…人それぞれだと思いますけど…」

先輩「なんにせよ褒めてもらえるのは嬉しいよ。ありがとう」

男「すみません、その…」

先輩「ん?」

男「先輩の胸、触ってもいいですか?」

先輩「一体なにを言ってるんだ君は。私たちはこれからセックスをするんだ」

男「は、はぁ」

先輩「挿入して射精するだけがセックスか?違うだろう。愛撫だって立派なセックスさ」

男「つ、つまり…」

先輩「そんな事いちいち確認しなくてもいいっ!」

男「………では失礼して」

先輩「………」

男「………」

先輩「………」

男「………」

先輩「……一心不乱に揉んでいるな」

男「すみません。ちょっとこれは無理です」

先輩「なに、構わないさ。好きなだけ揉んでくれていい」

男「………」

先輩「………………んっ!」

男「!?」

男「あの」

先輩「なんだい?」

男「そろそろ……」

先輩「ん?あぁ、こっちか」

男「はい」

先輩「せっかくだ。パンティーを脱がせてくれないか」

男「おっ、俺がですか!?」

先輩「驚くような事ではないだろう」

男「まぁ確かにそうなんだけど…」

先輩「ほら、頼む」

男「……脱がせます」

男「これが…先輩の……」

先輩「女性器を見るのは初めてかい?」

男「はい、生では…」

先輩「生…?あぁ、そういう事か。くっくっくっ」

男「先輩の……すごく綺麗です」

先輩「ふふふ、ありがとう」

先輩「ところで君はいつになったら脱ぐのかな?」

男「え?」

先輩「私を裸に剥いておきながら自分は未だにズボンをはいたままかい?」

男「すっ、すみません!!」

先輩「あぁ、そんなに慌てなくても……」

先輩「ふむ、これが男の……」

男「ああ、なんだかすごく恥ずかしい」

先輩「天を突かんばかりに反り返っているね」

男「相手が先輩ですからね」

先輩「嬉しい事を言ってくれる」

男「痛いくらいです。こんなの初めてですよ」

先輩「そうかそうか。光栄な事だ」

男「でも…本当にいいんですか?」

先輩「当然さ。私の方は準備が出来ている。一思いにそれを私に捩込んでみたらどうだい?」

先輩「あぁ違う、そこじゃない。こっちさ」

先輩「そうそう、そうだ」

先輩「……さぁ、舞台は整った」

先輩「後は君が腰を押し込みさえすればいい」

先輩「一思いに頼むよ」

男「……」

男「……あの、先輩?」

先輩「なんだい?」

男「その………キス、してもいいですか?」

先輩「…」

先輩「…それはダメだ」

男「えっ」

先輩「キスは……キスだけは、好きな人…愛する人としたいんだ」

先輩「だから、だから…すまない」

男「………」

男「……わかりました」

先輩「……ん」

男「こんな時に言うのは卑怯だと思いますが」

先輩「なんだい?」

男「俺、ずっと先輩の事が好きでした」

男「俺なんかが先輩の力になれるなんて本当に嬉しいです。今日の事は一生の思い出にします」

男「……じゃあ、行きますっ」

先輩「…………っっっ!!」

男「……入りましたね」

男「…………って、え?コレ……血?………んっ!?」

先輩「ちゅっ…………んちゅっ………」

先輩「んっ…ちゅっ…じゅるっ……」

男「………ぷはっ!せっ、先輩!これって!?」

先輩「きっ、既成事実を盾に関係の継続を迫る。男女間の駆け引きでは古典的なしゅ、手法だ」

先輩「想い人に対し、その人の名前を伏せて恋愛相談をし気をひく」

先輩「これもまた古典的なしゅ、しゅ……」


先輩「……やめてくれ」

男「えっ?」

先輩「……私の目を…見ないでくれ」

先輩「君に見つめられるだけで、私は…私はっ!!」

先輩「正直なところを言えば『あわよくば』という想いはあったっ!」

先輩「でも…、一度だけ。一度だけでいいから君に抱かれたかった!」

先輩「一度きり、一度きりだと思ってたのに。まさか君が……」

先輩「あぁ、何を言ってるんだ私は。さっきから支離滅裂な事ばかり言っている」

先輩「すまない、本当にすまない。今落ち着くから……。落ち着いたら全部話すから…」

終わりじゃないけど仕事っていうね

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