提督「AFは真水が不足している?」 (26)
入渠の間の暇つぶしにミッドウェーをテーマに書く。
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大淀「これより図上演習を開始します」
提督「頼む」
大淀「その前に、まずは今回の作戦の概要を提督よりお願いします」
提督「うむ。今回の作戦は、ハワイ攻略の前哨戦となる戦である」
赤城「ということは、ハワイ攻略が最終目的ということでしょうか?」
提督「その通りだ。機動部隊によるミッドウェー飛行場を攻撃。その無力化後、別働隊にて占領。その後主力と合流し、ハワイより出撃してくるであろう敵機動部隊と交戦。これを撃滅する。これがハワイ侵攻までの流れとなる」
利根「提督よ、そんなにうまく行くのかのぅ」
大淀「それを今から試すのですよ」
提督「そうだな。さて、今回の図演ではまずは赤城・加賀・蒼龍・飛龍の4隻を中心とし、ミッドウェー飛行場を無力化してもらう」
大淀「今回は特別に、敵機動部隊の指揮を金剛さんと龍驤さんにお願いしてあります。そして判定はこの大淀が行います」
大淀「それでは提督。開始の合図を」
提督「よし。これより、ミッドウェー攻略に向けた図上演習を開始する。図演とは言え、油断は許されない。各員の奮励を期待する」
味方:赤城、加賀、蒼龍、飛龍、利根、筑摩
敵:金剛、龍驤
ーー史実編ーー
ミッドウェー近海
赤城「まずは偵察を行います。利根さん、筑摩さん、水偵をお願いします」
利根「いざ出陣だな!」
筑摩「筑摩、準備万端。出撃させます」
利根「……バカな!?」
加賀「どうかしましたか?」
利根「いや、すまぬ……。カタパルトが不調のようじゃ……」
赤城「……仕方ありません。それでは利根さんはカタパルトがなおり次第水偵を出してください」
利根「すまぬの……」
赤城「通常ならば2回偵察を行いますが、今回は1回とします。敵機動部隊はまだこの海域には到達していないでしょうから」
水偵妖精「じゃあ行ってくるよ」
赤城「ええ、お願いしますね」
洋上
水偵妖精「今日は雲が厚くてよく見えないですねぇ」
水偵妖精「でも、敵はいないみたいです」
水偵妖精「敵機動部隊発見できずっと。さて、帰ろうかな」
筑摩「水偵からの連絡ですと、敵機動部隊はまだいないみたいですわ」
赤城「わかりました。それでは予定通り、ミッドウェー基地に攻撃をかけます」
赤城「第1次攻撃隊、発艦してください!」
加賀「鎧袖一触よ、心配いらないわ」
飛龍「第1次攻撃隊、発艦!」
蒼龍「攻撃隊、発艦はじめ!」
ミッドウェー基地上空
艦攻妖精「うわー、思ったより対空砲火がきっついねー」
艦攻妖精「これは第2次攻撃が必要かもね」
艦攻妖精「司令部に連絡。第2次攻撃の要ありっと」
加賀「赤城さん、第2次攻撃の要請が入っていますが……」
赤城「…………」
蒼龍「第2次攻撃隊は敵機動部隊との接触に備えて、魚雷と艦船用爆弾を装備させちゃってますけど……」
赤城「…………」
飛龍「どうします?」
赤城「……仕方ありません。陸上攻撃を優先させます。第2次攻撃隊の兵装を陸上用爆弾にしてください」
蒼龍「わかりました。兵装転換を行います」
飛龍「ミッドウェー方面より、敵攻撃隊接近!」
赤城「邀撃機を飛ばしてください!」
加賀「大丈夫です。みんな優秀な子たちですから」
利根「我輩のカタパルトも直ったのじゃ。水偵を飛ばすぞ!」
蒼龍「でも、思ったより簡単でしたね。ほとんど敵の攻撃隊を撃ち落とせてますし」
加賀「そうね。鎧袖一触です」
利根「た、大変なのじゃ!」
飛龍「どうしたの?」
利根「たった今、水偵から連絡が入った」
加賀「それで?」
利根「敵は後方に母艦を伴う」
赤城「!?」
飛龍「!?」
蒼龍「!?」
加賀「!?」
赤城「第2次攻撃隊の兵装はどうなっていますか!?」
蒼龍「ダメです。ほぼ全てが陸上用爆弾に転換を終えています!」
赤城「くっ!」
飛龍「赤城さん! このまま第2次攻撃隊を発艦させましょう!」
加賀「いいえ、待って。陸用爆弾が敵空母に有効かわかりません。赤城さん、ここは魚雷に付け替えてから攻撃をしましょう」
飛龍「たしかに陸用爆弾では致命傷を与えられないかもしれない。でも、飛行甲板に穴を空けて発着艦不能にさえしてしまえば……!」
赤城「…………」
蒼龍「赤城さん?」
赤城「…………」
飛龍「赤城さん、今すぐ発艦を!」
加賀「雷装転換を、赤城さん」
赤城「……雷装……転換を……。ただちに雷装転換を行ってください。敵の攻撃が止み次第、護衛機と共に出撃させます」
飛龍「……赤城さん! 再考を!」
赤城「飛龍さんの言い分もわかります。ですが、あれを見てください……」
飛龍「…………」
赤城「今、艦戦のほとんど全てを私たちの直掩に割いてます」
飛龍「…………」
赤城「今、第2次攻撃隊を発艦させれば、護衛機無しで敵空母に攻撃を仕掛けることにはなりませんか?」
飛龍「………」
赤城「そうなれば、今の状況と同じことが起こります。私たちが丸裸の敵攻撃隊を次々と撃ち落とし続けているのと、今度は逆のことが起こるのです……」
蒼龍「飛龍……?」
飛龍「……わかりました……。ただちに雷装転換……させます……」
赤城「さぁ、まだ負けたわけではありません。速やかに転換作業を終わらせ、私たち機動部隊の力を見せてあげましょう!」
加賀「たしかに。ここは譲れません」
蒼龍「そうね、大物を狙っていきましょう!」
side金剛
金剛「OH! もうミッドウェー基地が攻撃されてマース!」
龍驤「ちゅーことは、すぐ近くに敵機動部隊がおるっちゅうことやな!」
金剛「でも、見えませんネー」
龍驤「そりゃそうやよ。空母同士の戦いっちゅうんは、見えないところで戦うもんやで」
金剛「何だかあんまり面白そうじゃないデース」
龍驤「ちょっ!? 何言うとるんや! おもろいでー。腹と腹の探り合い、どっちが先に敵を見つけるかの、手に汗握る頭脳戦」
金剛「ふーん、デース」
龍驤「空母戦に五分五分はないんや。勝つか負けるか。やるかやられるか。伸るか反るかの真剣勝負。それをつまらんってあんた……」
金剛「OH! sink or swimですネ! それは面白そうデース!」
龍驤「そうやろそうやろ。まっ、いっちょ見せたるか。さぁ、仕切るでー。攻撃隊、発進!」
赤城「加賀さんっ、直上!」
加賀「飛行甲板に直撃。そんな……バカな」
蒼龍「上、赤城さん!」
赤城「真上? 直上!?」
蒼龍「やだやだやだ。飛行甲板に被弾!? やだ、誘爆しちゃう!」
大淀「……空母・赤城、加賀、二隻沈没。蒼龍、大破……」
提督「…………」
大淀「提督、少しよろしいですか?」
提督「なんだ?」
大淀「今の命中弾は多すぎます。3分の1の命中としましょう」
提督「……」
大淀「我が艦隊の練度を考えれば、もっと敵攻撃機を撃墜可能かつ、操舵による回避が可能なはずです」
提督「……わかった」
大淀「では、加賀沈没、赤城小破とします」
提督「うむ」
大淀「それでは演習を続行します」
こうしてこの図上演習は当初の予定通り味方勝利で幕をおろす。
そして作戦決行日……。
運命の7時23分
加賀「赤城さん……あなたが無事ならいいの……先に逝って……待ってるわね……」
赤城「ごめんなさい……雷撃処分……してください……」
蒼龍「飛行甲板の火……消えないね……ごめん……」
しかし最後に残った飛龍は反撃を開始。
飛龍「たとえ最後の1艦になっても叩いてみせます!」
必死の反撃の末、敵空母一隻を大破させるも。
飛龍「沈むのね……最期に月を肴に一杯やるかなぁ……」
提督「…………」
大淀「……提督……空母赤城、加賀、蒼龍、続けて飛龍……沈没……」
提督「…………」
大淀「……提督……」
提督「……全軍に撤退命令を……」
大淀「……承知しました……」
以後、この戦いにおいて再び優位を取り戻すことはなかった。
end
おまけ
金剛「AFは真水が不足しているってなんデスカ?」
龍驤「当時の帝国海軍が本国に打電した暗号を解読したものやな」
金剛「暗号デスカ?」
龍驤「そうや。当時米国では、日本の暗号を解読し、AFという所に日本が奇襲を仕掛けて来るちゅうところまではわかっとった。もちろんおおよその日付までな」
金剛「それはすごいデース!」
龍驤「せやけど、AFがどこを指しとるかまでは解読できんかったんや」
金剛「OH! 流石帝国海軍の暗号デース!」
龍驤「まぁな。当時、帝国海軍の使ってた暗号は、決して時代遅れのものなんかではなかったんや。米国にも負けてへんかった」
金剛「でも、場所はわからなくても、日付はわかったんデスヨネ?」
龍驤「せや。暗号ちゅうんは、どんなに優れていても、時間さえかぇればいつかは解読できる。実は当時海軍の使っていた暗号は、帝国陸軍に解読されとった。せやけど海軍はその事実を黙殺したりもしとるんや」
龍驤「まぁ米国はもっとその解読に十分な手間も暇もかけてたんやね」
金剛「日本は米国の暗号を解読しようとはしなかったデース?」
龍驤「そりゃあもちろんやったわ。せやけど、米国ほど時間も人員も割かんかった」
金剛「どうしてデース?」
龍驤「それはあれや。卑怯やという考えがどこかにあったからや」
金剛「卑怯、デスカ?」
龍驤「せや。事前に相手の動向をコソコソ探るのは卑怯。正々堂々戦って決着をつける。それが正しいと、みんなどこかで思ってたんや」
金剛「OH! たしかにそうデース! なんとなく卑怯な感じがしマース」
龍驤「まぁ、他にもいろいろな理由はあるけど、ともかく日本はあまり相手の暗号を解読することには力を入れとらんかったわけや」
金剛「理解できマシタ!」
龍驤「話が逸れたな。どこまで話したんやったっけ?」
金剛「AFの場所以外はほぼ解読できていた、というところまでデース」
龍驤「ほかほか。まぁ、奇襲相手と日時がわかっておっても、場所がわからんとあんまり意味ないやろ?」
金剛「まぁそうデスネ」
龍驤「そこで米国は一計を案じたんや」
金剛「どうしたデース?」
龍驤「あえて暗号化せず平文で、ミッドウェーは真水が不足している、って打電したんや」
金剛「それでどうしたデース?」
龍驤「もちろん日本かて相手の打電には気を払っている。まして平文だから、内容はすぐにわかった」
龍驤「それでその米国の打電を盗聴した日本の担当者は、まんまと相手の思惑に乗っかるかたちで本国に報告したんや。AFは真水が不足している、ってな」
金剛「OH! それでAmericaにAFがMidwayを指しているとわかってしまったデスネ?」
龍驤「せや。これで米国は、日本がいつどこに奇襲を仕掛けてくるかを事前に知ることができたっちゅうわけや」
金剛「それはnot goodデスネ」
龍驤「まぁな。この情報戦の敗北がミッドウェー敗戦の一因となったのは確かやな」
金剛「unfortunateデスネ」
end
史実編はこれで終わり。
一応史実を踏まえてはいるけど、
所々違うとこあり。
ミッドウェー海戦に興味があって、もっと詳しく知りたければまずはwikiをどうぞ。
本当に学べることの多い戦いで、
諸説入り混じって知れば知るほど面白いので、
これまで知らなかった、
あるいは興味がなかった人の一助となれば嬉しい。
すでに詳しい人は、あまりツッコまないでくださいな。
にわか知識なので、ご勘弁を。
あとでIF編も書くつもり。
もし暇なら、以前書いたクソssも見てもらえると嬉しいです。
比叡「気合い! 入れて! 出します!」 - SSまとめ速報
(ttp://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1429973948/)
乙
加賀が源田、大淀が宇垣かな?
ーーif編ーー
日本時間6月4日 20:00
??「……とく」
??「……いとく」
??「……提督?」
提督「……ん? ああ……」
??「提督? お目覚めですか?」
提督「……ああ、大和か……?」
大和「はい。ご気分はいかがですか?」
提督「……ああ、問題ないが……」
大和「それはよかったです。何か召し上がりますか?」
提督「……いや、今はいい……。それより……」
大和「はい?」
提督「……ここは、どこだ? なぜ俺は洋上にいる……?」
大和「……提督……? 本当に大丈夫ですか……?」
提督「……大事ない。それよりも早く教えてくれ」
大和「……はい……。今は航空母艦赤城を中心としたミッドウェー等攻略作戦の途上にあります。現在私たちは赤城さんたちの後方、およそ500Kmのところにあります。……その……提督は出港直後お倒れになりましたので……」
提督「現在の時刻は?」
大和「……提督……本当に……」
提督「現在の時刻を!!」
大和「っ!? は、はい、6月4日、フタマルマルマルですっ!」
提督「至急全員を艦橋に集めてくれ。大至急だ!」
大和「はっ、はい!!」
提督「……それと……先ほどは怒鳴ってすまなかった……。だが、事は一刻を争うのだ。頼む」
大和「かしこまりました。至急集めます」
提督「(6月4日の20時だと……。ありえん……。ありえんが……まさか……。いや、今は考えまい。とにかく全力を尽くすのみ。あの悲劇を回避するためにも……)」
同日 20:10
艦橋
長門「提督よ、目覚めたと聞いたが体調はどうだ? 全く、いくら忙しいとは言え体調管理も仕事の……」
陸奥「あらあら長門ったら。提督のことが心配であんなにうろうろ落ち着きがなかったのに」
長門「なっ!? そ、そんなことはない!」
陸奥「はいはい、そういうことにしておいてあげるわ」
川内「なに? 夜戦!?」
吹雪「司令官! ご無事ですか!?」
鳳翔「提督、少し混乱しているとお聞きいたしましたが……」
提督「すまん、心配をかけた。今はもう大事ない。それよりも……」
長門「なんだ?」
提督「俺が倒れている間に、ミッドウェー島付近からの敵空母と思しき通信呼び出し符号を傍受しなかったか?」
大和「はい、いたしました。ですが、提督はどうしてそれを?」
提督「……やっぱりか……」
陸奥「それに、それがどうしたの?」
長門「赤城達の方がミッドウェーには近い。当然赤城達も傍受していただろう」
川内「それに図演では、第二次攻撃隊は敵空母来襲に備えて雷装することになっていたよね」
長門「そうだ。だから無線封止を優先し、赤城達には打電していない」
提督「…………」
大和「提督?」
提督「至急赤城に打電を……」
長門「なっ!?」
陸奥「あらあら……」
川内「そんなことをしたら、敵にこっちの位置がバレちゃうよ」
長門「川内の言う通りだ! 下手に無線封止を解けば、赤城の位置を敵に知られ、かえって危険だ!」
大和「提督……?」
提督「……鳳翔さん」
鳳翔「はい」
提督「空母はマストが低く、敵信傍受が難しい。そうですね?」
鳳翔「ええ、提督のおっしゃる通りです」
長門「だが、巡洋戦艦とは言え榛名・霧島も同行しているのだぞ」
提督「……もう一度言う。至急赤城に打電を」
長門「危険過ぎる!」
陸奥「そうね、敵空母が近いなら尚更危ないわ」
提督「……これは命令だ」
大和「提督……」
長門「いくら命令とは言え、これだけは譲れん! 赤城達が危険にさらされる可能性を見捨てるなど……。大和!」
大和「…………」
長門「提督はまだ疲れているようだ。しばらく休ませろ!」
吹雪「ま、待ってください!」
長門「吹雪か……。なんだ」
吹雪「もし、司令官の言う通り、赤城さん達が敵信を傍受できていなかったら……」
長門「そんなことはありえん。500Kmも離れた我々が傍受できているのだぞ」
吹雪「ですが……」
鳳翔「…………」
川内「まっ、そういうこと。提督も特型駆逐艦も心配し過ぎだって」
鳳翔「……提督? 少しよろしいですか?」
提督「?」
鳳翔「提督はいつも冷静で、その指揮も的確。そうですね、長門さん?」
長門「ん、まぁ、そうですね。異論の余地もない」
鳳翔「その提督が、先ほどまでお倒れになっていたとは言え、ここまでおっしゃるのです。まずはその理由を伺ってみませんか?」
長門「…………。そうだな。私としたことが冷静さを失っていたようだ。すまなかった、提督」
鳳翔「提督? 私には、長門さん達のおっしゃることに一理あるように思えました」
提督「…………」
鳳翔「空母戦は先に相手を発見したほうが圧倒的有利になります」
提督「そうですね」
鳳翔「それをご存知なら、なぜわざわざ相手にこちらの位置を教える危険を承知で打電を命じられるのでしょうか?」
提督「…………」
吹雪「司令官?」
大和「提督?」
陸奥「提督?」
提督「……信じてもらえないかも知れないが……」
長門「…………」
提督「……夢で、見たのだ……」
川内「夢!?」
提督「……ああ。敵空母接近に気づくのが遅れた加賀・蒼龍・赤城・飛龍は……」
長門「馬鹿馬鹿しい……。何があるかと思えば……。夢だと!?」
鳳翔「…………」
長門「大和。提督はまだ疲れているようだ。寝かせておけ」
大和「……はい……」
提督「まっ、待ってくれ!」
長門「……赤城達には打電の要無し。異論は無いな?」
提督「ま、待てっ! 待ってくれ!」
鳳翔「…………」
川内「…………」
同日 20:30
通路
長門「…………」
陸奥「本当にあれでよかったの?」
長門「……何がだ?」
陸奥「提督のことよ」
長門「夢の話を信じろ、と?」
陸奥「……違うわ。提督のことよ」
長門「…………」
吹雪「……長門さん……」
長門「……なんだ?」
吹雪「私は……司令官のことを、信頼しています……」
長門「…………」
吹雪「今、私達がこうして無事でいられるのも、司令官が常に私達のことを考えてくださったからだと思っています」
川内「確かに毎日夜遅くまで頑張ってはいるよね」
長門「………」
吹雪「それはこの鎮守府にいるみんなもそう思っていると……思います。もちろん長門さんも……」
長門「…………」
陸奥「いいの、長門?」
長門「……陸奥。大和に打電させろ。敵機動部隊、AF付近に接近の可能性大。哨戒を厳にせよ、とな」
陸奥「はいはい」
長門「はいは一度いい」
陸奥「はーい」
日本時間6月5日 午前8時
鳳翔「……提督? 二歩、 ですよ?」
提督「ん? ああ、すまん……」
鳳翔「…………」
提督「…………」
鳳翔「……提督?」
提督「……ああ、今指し直します……」
鳳翔「いえ、そうではなく……」
提督「?」
鳳翔「やはり気になりますか?」
提督「まぁ……。あれだけはっきりした夢を見ると……」
鳳翔「私が言うのも僭越ですが……あの子達ならきっと大丈夫です。提督が信じてあげませんと」
提督「……そうですね……」
コンコン
鳳翔「どなたですか?」
大和「大和です」
提督「ああ、大和か。入っていいぞ」
大和「失礼します。おくつろぎのところ申し訳ありません」
提督「いや、かまわん」
大和「長良さんからの打電が入っています」
提督「…………」
鳳翔「!?」
提督「長良からで……間違いないのか?」
大和「はい、間違いなく長良さんからです」
提督「……そうか」
鳳翔「長良は今、赤城達と……」
提督「ええ、同行しています……」
鳳翔「ではまさか赤城達に打電できない何かが!?」
提督「…………今はまず報告を聞きましょう」
大和「あの……よろしいですか……?」
提督「……ああ、すまない。続けてくれ」
大和「はい。“我敵空母3杯と遭遇。交戦す”」
提督「!? それで!?」
大和「て、敵空母3杯を撃沈」
提督「味方は、赤城達はどうなった!?」
大和「は、はい! 大きな損害はなく、ミッドウェー基地も無力化。主力部隊の到着を待つとのことです。お味方大勝利です!」
提督「そうか! 無事か!」
鳳翔「よかったですね、提督。本当によかった……」
提督「ええ、本当に。ええ!」
数日後
ミッドウェー基地
加賀「やりました」
蒼龍「第一機動艦隊の栄光、揺るぎません」
提督「ああ、本当によくやってくれた。だがなによりも、お前達が無事でいてくれて本当によかった!」
赤城「いえ、私達も慢心していたつもりはありませんが、提督からの打電が無ければどうなっていたか……」
提督「え? 俺からの打電?」
飛龍「えって、提督が敵機動部隊接近のおそれありってくれたじゃん」
提督「?」
大和「提督。提督があのあとお休みになってから、長門さ」
長門「ごほんっ!」
陸奥「あらあら、長門ったら照れちゃって」
長門「て、照れてなどいない!」
提督「そうか、長門が」
長門「ご、誤解するな! あれは吹雪が提督を信頼していると言うからだな……」
吹雪「ええっ!?」
提督「そうかそうか。あんな夢の話を信じてくれるなんて……」
長門「ふん。ならばこれからも、我々の信頼を裏切らない指揮を心がけることだな」
陸奥「まったく、最後まで素直じゃないんだから」
提督「ああ、お前達の信頼に応えられるよう努力していくよ」
吹雪「私もがんばりますから、これからもよろしくお願いしますね、司令官!」
end
おまけ2
提督「AFで真水が不足しているだと?」
大淀「はい。その……申し上げにくいことですが……」
提督「?」
大淀「その……提督のAFはいつも激しすぎるので……」
提督「いや、待て。確かに俺はローションは使うが、浣腸はしない派だ。だからAFのあと、周囲が汚れてしまうこともある。だがそれだけで……」
大淀「……いえ、そうではありません。提督のAFが激しすぎて、肛門が緩くなってしまう娘達が多いのです……」
提督「なに!? それはすまないことを……。しかし……それにしてはみんな締まりが……」
大淀「いえ、私達艦娘は肛門が緩くなってしまっても、入渠すれば元に戻ります」
提督「そうなのか? ではどこに問題が?」
大淀「ところで提督、昨晩はどなたとAFを?」
提督「? 加賀とだが?」
大淀「ではちょうど今頃、加賀さんが入渠しているころですね。ちょっと一緒に見に行きませんか?」
提督「おいおい、一緒にって……」
大淀「もちろん変な意味ではありませんよ? ぜひ提督にも、真水が不足している原因を見ていただきたく」
提督「なるほど、そういうことなら吝かではない。今から行こうか」
入渠場
ガラッ
提督「うっ! くさっ!」
大淀「提督が誰かとAFなさったあとはいつもこうなっています……」
提督「……大淀、この臭いはなんだ?」
大淀「う◯こです」
提督「う◯こだと!?」
大淀「はい、提督との激しいAFで肛門が緩くなった艦娘がお風呂に入ると……」
提督「なるほど、肛門からう◯こが漏れるって寸法か……」
大淀「その通りです……。う◯こが広がったお風呂は張り替えなければなりませんので……」
提督「それで水を大量に使うのか……」
大淀「そうです」
提督「……わかった、これからはAFを控えよう……」
大淀「い、いえ提督。なにも控えろとは」
提督「? どういうことだ?」
大淀「これからは浣腸を使ってみましょう! そうすれば」
提督「先に出しておけば風呂への被害は少ないというわけか」
大淀「その通りです!」
提督「さすがは大淀。賢いな!」
大淀「これで真水不足を気にすることなくAFができますね!」
提督「おお、そうだな!」
ブクブクブク
加賀「やりました……浣腸プレイ、さすがに気分が高翌揚します……って、くさっ!」
加賀「自分のうんこですが臭い……さすがに気分がげんなりします……」
おしり
>>16
その通りです。
このSSまとめへのコメント
オチwww
結城彩雨の官能小説に出てくる変態♂どもには感服する。浣腸大好きの変態♂ばかりで、ひたすらヒロインに浣腸しているが、どんな美人でも臭いものは臭い。普通、百年の恋も一瞬で醒めて萎えてしまいそうだが萎えないから凄い。