【艦これ】 艦娘の花道 (150)
※ニコニコ動画の「初音の花道」リスペクト。
※エッチなシーンは無いですが、題材が大人向けです。
※艦これSS投稿スレ4隻目に投稿した分も、こっちに、再投稿します。
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1430162173
ボーイ 「長門さん、ご指名です!」
長門 「出撃するぞ!」
私は、戦艦長門。
いわゆる「艦娘」だ。
ここは、横浜 桜木町 艦娘キャバクラ「桜木町鎮守府」。
提督に成りたくて、成れなかった人々が、
「カンムス」とキャッキャウフフする場所だ。
店の「カンムス」達は、本物の「艦娘」ではなく、
艦娘のコスプレをした、人間の女の子だ。
では、なぜ、私がここにいるかというと……。
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長門 「陸奥!」
長門 「頼みがある!」
長門 「金を貸してくれ!」
長門 「駆逐艦のチビ達に、間宮で、甘いものを食べさせてやりたいんだ!」
長門 「しかし」
長門 「金が、もう無くてな!」
陸奥 「駄目です」
長門 「」
陸奥 「姉さん」
陸奥 「あれほど」
陸奥 「お金は計画的に使いなさい、って言ったのに」
陸奥 「まだ、分からないんですか!!!」
長門 「」
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というわけで、駆逐艦達と遊ぶ金欲しさに、
バイトをしているわけだ。
無論、艦娘は、バイトは禁止だ。
なので、身分を偽って、
こっそり、やっている。
私は、本物の艦娘だから、このバイトは楽勝だと思っていた。
しかし……。
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女性客A 「長門~、腹筋さわらせて~?」キャッキャ
女性客B 「私も、私も~!」キャッキャ
長門 「いいだろう!」
長門 「ビッグ7の力、侮るなよ!」フン!
女性客C 「腹筋、割れてる!割れてる!」キャッキャ
男性客A 「」
男性客B 「」
男性客C 「」
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ということで、女性客からは、人気絶大だが、
男性客からは、からっきしだ。
そのため、売り上げは、下から数えたほうが早い。
そんな不人気な「カンムス」は、勤務シフトに、入れさせてもらえない。
人手が足りない時だけ、お呼びがかかり、シフトに入れるのだ。
だから、ほとんど勤務出来ない。
金欠は、相変わらずだった。
そんな不人気な私にも、
常連のお客さんが出来た。
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結局新しく立てたのか期待してるよ
ボーイ 「長門さん、ご指名です!」
長門 「出撃するぞ!」
私を指名してくれた彼は、
XXXX鎮守府 警備隊の警備員だ。
警備員 「長門さん、こんばんは!」
長門 「こんばんは」
20代半ば、短い髪、細いが鍛えられた体。
焼けた肌、結構ハンサム、明るい性格。
私は、そんな彼を見て、いつも思うのだ。
長門 (残念だ……)
長門 (人間の女性相手なら、モテモテだろうに……)
長門 (恋をした相手が悪すぎる……)
彼は、恋をしていた。
彼の鎮守府の、長門に恋をしていた。
艦娘と、人間の恋愛は、禁止されている。
見過ごされることも多いが、少なくとも、建前上は禁止だ。
報われない恋だった。
その心のスキマを埋めるため、
この艦娘キャバクラ「桜木町鎮守府」に来ているのだ。
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警備員 「聞いて下さい!」
警備員 「なんと!」
警備員 「今日、長門さんに」
警備員 「声をかけて貰ったんですよ!!!」
長門 「やったな!」
彼は、この店に来ると、彼の長門のことを、
とても楽しそうに、私に話してくれる。
私は、いつしか、彼と、その感情を
共有し始めた。
警備員 「長門さん、中破して、帰ってきました……」
警備員 「本当に、心配です……。」
長門 「そうか……」
警備員 「長門さん、MVP取りました!!!」
警備員 「嬉しいです!」
長門 「そうか!」
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実は、私は提督から疎まれていた。
言いたいことをズケズケ言っていたら、疎まれてしまった。
そんなこともあり、
私は彼の長門が羨ましかった。
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ある日、閉店のまぎわ、彼が店に来た。
思いつめた顔だった。
彼は、閉店まで私と過ごした。
警備員 「アフター」
警備員 「いいですか?」
長門 「……」
長門 「いいだろう」
-----------------------------------------------
閉店後、私達は、近くのショットバーに移動した。
お互い、黙ったまま、酒を飲んだ。
警備員 「長門さん」
長門 「……」
警備員 「うちの鎮守府の長門さんが」
長門 「……」
警備員 「轟沈しました……」
長門 「……」
実は、知っていた。
艦娘の横のつながりは、意外と強い。
そのような情報は、
一瞬にして共有される。
-----------------------------------------------
長門 「……」
長門 「警備員さん」
長門 「もしだ」
長門 「長門さんが、あなたに告白したら」
長門 「それを受けたか?」
警備員 「はい」
長門 (艦娘と恋愛をした場合)
長門 (どんな処分になるか)
長門 (全てを知った上で)
長門 (ためらいも無く)
長門 (力みも無く)
長門 (スルっと言ったか……)
長門 「それが聞きたかった」
私は、警備員に口付けをした。
長門 「あなたの長門さんの気持ちだ」
長門 「あなたの気持ちは」
長門 「伝わっていたと思う」
長門 「長門の気持ちは」
長門 「長門が一番分かる」
長門 「……」
長門 「あっ」
警備員は、ニコっと笑った。
警備員 「ありがとう」
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私は、店で彼を待っていた。
普段は、店の用意した、コスプレ用の制服を着るのだが、
今日は、彼の誕生日ということで
私は「本物」の制服を持ってきて、それを着ていた。
長門 (驚くだろうか)
長門 (喜ぶだろうか)
長門 (怒るだろうか)
長門 (フフフ)
-----------------------------------------------
彼は、来ない。
長門 (おかしい)
長門 (店に来てくれる日は)
長門 (開店と同時に)
長門 (来てくれるんだがな……)
携帯が鳴った。
私物の携帯ではなく、
業務の携帯が鳴った。
長門 「もしもし」
陸奥 「姉さん!」
陸奥 「直ぐに鎮守府に戻って!!!」
-----------------------------------------------
鎮守府が深海棲艦の襲撃を受けたため、
日本全土の鎮守府が、緊急防衛体制となり、
私は鎮守府に呼び戻された。
襲撃を受けたのは、警備員の鎮守府だった。
艦娘の被害は無かった。
警備隊に死者が出た。
彼だった。
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私は、不思議と泣かなかった。
長門 (天国で)
長門 (長門と会っているのだろうか)
長門 (口付けしたけど)
長門 (長門は許すだろうか……)
長門 (私なら……)
長門 (「私にもキスすれば、許してやるぞ!」)
長門 (と、言うだろうな……)
長門 「フフフ」
私は、なぜか、噴出してしまった。
そして、やっと泣くことが出来た。
- 完 -
>>4
コメント、ありがとう!
期待に沿えるかわかんないけど、
頑張るよ!
続・艦娘の花道
[注意]
※特にオチの無い話です。
※人死、轟沈は無いです。
※ニコニコ動画の「初音の花道」リスペクト。
※エッチなシーンは無いですが、題材が大人向けです。
ボーイ 「長門さん、遅刻ギリギリっすよ?」
ボーイ 「神経の図太さ」
ボーイ 「さすが、ビッグ7っすねwww」
長門 「」
-----------------------------------------------
私は、戦艦長門。
いわゆる「艦娘」だ。
ここは、横浜 桜木町 艦娘キャバクラ「桜木町鎮守府」。
言うまでもなく、艦娘は、バイトは禁止だが、
私は、駆逐艦達と遊ぶ金欲しさに、
身分を隠して、バイトをしている。
-----------------------------------------------
油断すると盥が降ってくる中、艦娘が演歌を歌うスレかと思ったら全然違ったでござる(みなさんのおかげです視聴者並感)
私は、急な出撃の後、
遅刻ギリギリに、この店に出勤した。
私は、タイムカードを押した。
出勤時刻、ジャストだった。
なんとか間に合った。
ボーイ 「長門さん、遅刻ギリギリっすよ?」
ボーイ 「神経の図太さ」
ボーイ 「さすが、ビッグ7っすねwww」
長門 「」
-----------------------------------------------
急いで、長門のコスプレ衣装に着替え、
店内に入った。
長門 「おはようございます」
女の子 「!?!??!?」 ビクッ!!!
店の女の子の1人が、明らかに、異常な反応をした。
長門 (ん?)
長門 (挨拶の声が大きかったか?)
長門 (むむ?)
私は、あまりにも急いでいたため、
私のIFF(敵味方識別装置)を
OFFしていないことに気付いた。
長門 (ん?)
私は、IFFをOFFして、
ONしてみた。
女の子 「!?」 ビクッ!!!
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閉店後、私は、彼女に、こっそり声をかけた。
長門 「那珂さん」
那珂 「!」 ビクッ!!!
長門 「ファミレスで」
長門 「なにか食べていきませんか?」 ニヤッ
那珂 「……」
那珂 「はい」
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私は、私以外の本物の「艦娘」が、
なぜバイトをしているか、興味を持った。
単純な好奇心だった。
お互い、本物の「艦娘」というのは分かっていた。
だから、周囲には、「艦娘」と、ばれないように話した。
-----------------------------------------------
長門 「那珂さん」
長門 「なぜバイトしているんですか?」
那珂 「……」
那珂 「那珂は……」
那珂 「やりたいことがあるの」
那珂 「実は、那珂」
那珂 「今、放置されているの」
那珂 「ダブってるから」
那珂 「使ってもらえないし」
那珂 「何時」
那珂 「2-4-11になるか」
那珂 「考えると……」 ウルウル
那珂 「だから……」 グシグシ
那珂 「何か……」
那珂 「私が居たっていうのを」
那珂 「残したくて」
那珂 「TVでアイドルのコンサートを見て」
那珂 「これだって」
那珂 「皆の心の中に」
那珂 「那珂を」
那珂 「残せるって思って……」
那珂 「コンサートをしたいの」
那珂 「そのために」
那珂 「歌やダンスのレッスンを受けてて」
那珂 「それで」
那珂 「バイトしているの」
-----------------------------------------------
那珂 「長門さんは?」
私は、思ったよりもヘビーでシリアスな理由に、戸惑った。
長門 (言えない)
長門 (駆逐艦達と遊ぶ金欲しさとは)
長門 (……)
長門 (言い方を変えよう)
長門 「ああ」
長門 「近所に、小さい女の子達がいるんだが」
長門 「最近、深海棲艦との戦争とかで」
長門 「元気がなくてね」
長門 「彼女達に元気になってもらいたくて」
長門 「お菓子をあげたり」
長門 「遊びに連れて行ってあげようと思ってね」
長門 「その費用のため」
長門 「バイトをしているんだ」 ニッコリ
-----------------------------------------------
那珂 「長門さん!」
那珂 「那珂」
那珂 「感動しました」 ウルウル
長門 「き、気にしないでいいぞ」
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那珂 「那珂」
那珂 「伊勢崎町でストリートライブを」
那珂 「時々やっているんです!」
那珂 「CDも自主制作しているんですよ!」
那珂は、CDをバッグから取り出した。
長門 (「横須賀2-4-11音頭」……)
長門 「CD、一枚、頂けるかしら↑」
口調がおかしかった。
艦娘が音楽活動をしていることに興味を持ったことと、
少しの罪悪感から、
私は、那珂の自主制作CDを買った。
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私は、那珂のCDを聞きながら、あの時の会話を思い出していた。
長門 (言い方って)
長門 (大事だな……)
長門 (何かを残す……)
長門 (か……)
長門 (私が轟沈したり、解体されたら、)
長門 (誰か、私のことを、覚えていてくれるのだろうか?)
私は、そんなことを、ぼんやり、考え始めた。
- 完 -
>>14
ごめんなさい
違いました(笑)
ところで、だれか、もっとコテコテの、ドリーム艦これクラブ、とか、
書いてくれよ~、頼むよ~。
続続・艦娘の花道
[注意]
※特にオチの無い話です。
※人死、轟沈は無いです。
※ニコニコ動画の「初音の花道」リスペクト。
※エッチなシーンは無いですが、題材が大人向けです。
カメコ 「目線くださーい!」
長門 「いいだろう……です?」
カメコ 「あんたじゃない」
長門 「」
-----------------------------------------------
私は、戦艦長門。
いわゆる「艦娘」だ。
私は、横浜 桜木町 艦娘キャバクラ「桜木町鎮守府」で
バイトをしている。
言うまでもなく、艦娘は、バイトは禁止だが、
私は、駆逐艦達と遊ぶ金欲しさに、
身分を隠して、バイトをしている。
-----------------------------------------------
長門 「同伴!?」
長門 「……」
長門 「とは、なんだ?」
常連の女性客は言った。
常連 「同伴っていうのは」
常連 「お店が開く前に」
常連 「私とデートして」
常連 「それから」
常連 「一緒に、このお店に」
常連 「同伴出勤することだよ」
長門 「なん……だと……」
常連ちゃんは、とても背が小さくて、可愛い。
私は、内心、狂喜した。
しかし……。
今月も、駆逐艦のチビ達に、散々、
間宮で、甘いものを食べさせてしまい、
お金が、無かった。
長門 「申し出はありがたい……」
長門 「しかし……その……」
長門 「今月は、持ち合わせが無くてな……」
常連 「長門~」
常連 「キャバクラで、同伴するときは」
常連 「普通」
常連 「お客がデート代を出すんだよ」
長門 「なん……だと……」
長門 (艦娘の本懐)
長門 (ここにあり)
長門 (人生に悔いなし!)
常連 「でね」
常連 「一緒に行って欲しいところがあるの」
-----------------------------------------------
待ち合わせ場所の建物の前に、
「艦娘オンリー コスプレイベント」
の看板が有った。
長門 「」
常連 「待った~?」トテテテ
常連 「ごめんね」上目遣い
長門 (可愛い……)
常連 「長門」
常連 「私、コスプレ仲間が居なくて」
常連 「だから」
常連 「一緒に、艦娘のコスプレをして欲しいの……」上目遣い
長門 (可愛い……)
長門 「いいだろう!」
長門 「胸が熱いな!」
-----------------------------------------------
私達は、更衣室に移動した。
常連 「じゃーん!」
常連 「どうかな?」
常連ちゃんは、武蔵のコスプレだ。
艤装は、ダンボールの手作りだ。
長門 「可愛いぞ!」
長門 (ロリ武蔵……)
長門 (ありだな……)
常連 「長門はね~」 ゴソゴソ
常連 「これ!」 バァーーーーン!
長門 「」
電の衣装だった。
常連 「長門」
常連 「駆逐艦が大好きって、言ってたから……」
長門 「」
常連 「だめ……?」ウルウル
長門 「長門型の装甲は伊達ではないよ。」(白目)
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コスプレ衣装に着替た私たちは、ブースに入った。
レイヤーA 「電さんだ……」
レイヤーB 「電さんがいるぞ……」
レイヤーC 「なの☆DEATH!?」
長門 (フフフ)
長門 (私が気になるのか?)
長門 (注目されるのも悪くない)
1人のカメコが近づいてきた。
カメコ 「目線くださーい!」
長門 「いいだろう……です?」
カメコ 「あんたじゃない」
長門 「」
カメコ達が、常連ちゃんの周りに集まってきた。
常連ちゃんのロリ武蔵は、大人気だった。
しかし……。
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レイヤーD 「なにあの電」
レイヤーD 「お前みたいなデカくて筋肉質な電がいるか、っつの」 ヒソヒソ
長門 「……」
レイヤーD 「それに」
レイヤーD 「あのチビッコ」
レイヤーD 「チビッコの分際で、武蔵コスなんて」
レイヤーD 「コスプレ、分かってないんじゃない?」 ヒソヒソ
長門 「そこのお前……」
レイヤーD 「なによ!」
長門 「お前にも、あの光を見せてやる……です?」┣¨┣¨┣¨┣¨ドド
レイヤーD 「ヒィ!!!」
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私達は、揉め事を起こしたため、
会場から、追い出されてしまった。
長門 「本当に申し訳ない……」
常連 「いいの」
常連 「うれしかったよ」
常連 「長門が、ああ言ってくれて」
常連 「でも」
常連 「あのレイヤーが私に言ったことは」
常連 「完全に間違いってわけじゃなくて」
常連 「似合わないコスプレは」
常連 「周囲の人や」
常連 「コスプレしたキャラのファンを」
常連 「不愉快にさせることもあるの」
長門 「……」
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常連 「私」
常連 「とても小さい頃」
常連 「武蔵さんに、命を助けてもらったの」
常連 「それから、将来の夢は」
常連 「艦娘になること」
常連 「今でもそう」 テレテレ
常連 「私、人間だから」
常連 「なれないって分かってるけどね」
常連 「だから意地になって」
常連 「コスプレも」
常連 「チンチクリンの私が」
常連 「似合わないって分かっていても」
常連 「武蔵さんのコスプレを、やり続けた」
常連 「でも」
常連 「やりたいこと、と」
常連 「できること、って」
常連 「違うんだよね」
長門 「……」
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常連 「最近」
常連 「今さら」
常連 「それが分かっちゃって」
常連 「悲しかった」
長門 「……」
常連 「でね」
常連 「開き直って」
常連 「やれること、で」
常連 「やりたいこと、に」
常連 「近づこうと思うの」
常連 「私」
常連 「艦娘の支援部隊に」
常連 「志願しようと思うんだ」
長門 「!?」
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私達、艦娘は、支援部隊に、頭が上がらない。
支援部隊は、戦場まで艦娘を輸送、護衛してくれる。
そして、戦場近くで待機し、
大破、轟沈しかかった艦娘が居たら、
命を賭して、救助してくれるのだ。
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長門 (そのため)
長門 (艦娘の轟沈率は)
長門 (劇的に下がった)
長門 (だが)
長門 (支援部隊の損耗率は)
長門 (ハンパではない……)
-----------------------------------------------
長門 「……」
長門 「ありがとう」
長門 「ただ」
長門 「やり方は」
長門 「一つだけでは無いはずだ」
長門 「他の方法も」
長門 「検討してみないか……」
私は、彼女を抱きしめた。
常連 「長門?」
常連 「長門……」ギュッ
-----------------------------------------------
私は、鎮守府に帰る電車の中で、常連ちゃんのことを思い出していた。
長門 (やりたいこと……)
長門 (私にやりたいことは)
長門 (あるのだろうか……)
長門 (それと)
長門 (今度)
長門 (支援部隊の人に)
長門 (甘いものでも、おごってあげようかな……)
長門 (フフフ……)
私は、そんなことを考えながら、電車の窓の外の景色を眺めていた。
- 完 -
とりあえず、一段落です。
また話が思い浮かんだら、書きます。
スレ汚し、失礼しました。
ではでは。
>> 33
>> 34
>> 35
コメント、感想ありがとう!
うれしいっす。
また、降りてきたので、書きますよ~。
10分後くらいに。
おつですー
常連ちゃん清霜っぽいなー
続続続・艦娘の花道
[注意]
※特にオチの無い話です。
※人死、轟沈は無いです。
※ニコニコ動画の「初音の花道」リスペクト。
※エッチなシーンは無いですが、題材が大人向けです。
※粗製乱造? 戦は数だよ!
提督 「長門ちゃ……ブーーーヒャヒャヒャヒャヒャ!!!」
長門 「」
-----------------------------------------------
私は、戦艦長門。
いわゆる「艦娘」だ。
私は、横浜 桜木町 艦娘キャバクラ「桜木町鎮守府」で
バイトをしている。
言うまでもなく、艦娘は、バイトは禁止だが、
私は、駆逐艦達と遊ぶ金欲しさに、
身分を隠して、バイトをしている。
-----------------------------------------------
提督 「長門ちゃん」
提督 「艦娘ってさ」
提督 「提督LOVEって娘が」
提督 「多いじゃん」
提督 「あれさ」
提督 「本当」
提督 「なんなんだろうね……」 ため息
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艦娘キャバクラの客は、鎮守府関係者が、割と多い。
彼は、現役の提督だ。
数少ない、私の常連客だ。
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長門 「男なら」
長門 「いい女に言い寄られて」
長門 「悪い気は」
長門 「しないんじゃないか?」
提督 「長門ちゃん」
提督 「……」
提督 「俺……」
提督 「妻子持ちなんだ……」
長門 「……」
提督 「いや……」
提督 「妻子持ちだったんだ……」
長門 「あっ……」(察し)
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男性提督の離婚率は、
凄まじく高かった。
理由は、言うまでもない。
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提督 「長門ちゃ~ん」
提督 「世間じゃ」
提督 「艦娘ブームで」
提督 「提督とのロマンスの映画、ドラマ、小説が」
提督 「大ヒットじゃないですか~」
提督 「実際は」
提督 「憲兵がいるから」
提督 「艦娘と恋愛なんて」
提督 「出来ないっつーの……」
提督 「いくらそれを説明しても」
提督 「嫁も」
提督 「娘も」
提督 「納得しねーし……」
長門 「……」
提督 「特にね」
提督 「娘にね」
提督 「パパ大嫌い……」
提督 「ってね」
提督 「言われて……」ウルウル
長門 「」
提督 「いっそ」
提督 「解体されてしまいたい……」
長門 「」
-----------------------------------------------
長門 (このままでは)
長門 (深海棲艦にやられるまでもなく)
長門 (提督のメンタルが)
長門 (轟沈してしまう……)
長門 (そうだ!) ピコーン
-----------------------------------------------
長門 「いいだろう!」
長門 「連合艦隊旗艦を務めたこともある」
長門 「この長門!」
長門 「貴官のために」
長門 「一肌脱ごうではないか!」 バーーーン!
長門 「……」
長門 「私の胸を」 ヒソヒソ
長門 「触ってもいいぞ」 ヒソヒソ
-----------------------------------------------
「男は、理屈抜きで、胸が大好きだ」
「胸を触れば、元気が出る」
と、
愛宕が言っていた。
愛宕が言うなら、
間違いないだろう。
-----------------------------------------------
提督 「なん……だって……」
提督が、プルプルしながら、手を伸ばし……
提督 「!?」 ビタッ!
提督の手は、宙で、止まった……。
長門 「!?」
提督 「……さん……」
提督 「憲兵……さん……」
提督 「憲兵さん!」
提督 「憲兵さん! ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい!!!」
長門 「」
-----------------------------------------------
提督は、艦娘と、以前、トラブルが有ったらしい。
その時、憲兵に、コッテリ怒られたらしい。
提督は、多くを語らなかった。
私も、それ以上、聞かなかった。
-----------------------------------------------
そもそも、艦娘にトラウマがある提督が
なぜ、艦娘キャバクラに来たのか、
という疑問は、
とりあえず脇に置いて、
私は考えた。
長門 (艦娘にトラウマ……)
長門 (どうすれば……)
長門 (そうだ!) ピココーン
-----------------------------------------------
長門 「提督」
長門 「こんなイベントが有るんだが」
長門 「来ないか?」
-----------------------------------------------
この店には、逆コスプレDay、というイベントが有る。
普段、艦娘のコスプレをしている女の子が、
普通のキャバ嬢らしい服装になるイベントだ。
----------------------------------------------
長門 「これなら」
長門 「怖くない……」(C.V. 島本 須美)
長門 「はずだ!」
提督 「あ…… あ……」
提督 「ありがてぇ! ありがてぇ!」 号泣
----------------------------------------------
私は、困っていた。
長門 (とは言ったものの)
長門 (普通のキャバ嬢って)
長門 (どんな格好するんだろうか……)
私は、インターネットで調べた。
----------------------------------------------
イベント当日、私は、精一杯、めかしこんで、
店で、提督を待った。
彼が、店に来た。
長門 (どうだ?)
長門 (ビッグ7の力、侮るなよ!)
提督 「長門ちゃ……ブーーーヒャヒャヒャヒャヒャ!!!」
長門 「」
----------------------------------------------
長門 (なぜだ?)
長門 (完璧なはずだ?)
長門 (レイテ沖の夜空のような)
長門 (漆黒のロングドレス)
長門 (マーシャル諸島の夕日のような)
長門 (輝くグロス)
長門 (対空機銃のような)
長門 (パッチリ付けまつげ)
長門 (そして)
長門 (扶桑姉さんの艦橋のような)
長門 (髪型)
長門 (名づけて……)
長門 (昇天扶桑盛り!) バーーーーーーン!
----------------------------------------------
ボーイ 「長門さん」
ボーイ 「その髪型」
ボーイ 「ないっすwwwwwwwwwwww」
長門 「」
ボーイ 「ポルナレフっすかwwwwwwwwwwww」
長門 「」
----------------------------------------------
提督 「長門ちゃん……」
提督 「奇麗だよ……」
提督 「ありがとう」
提督 「俺を元気付けようとして」
提督 「わざと」
提督 「そんな……」
提督 「髪型……」
提督 「ブッヒャヒャヒャヒャ!」
提督 「生きる気力が出てきた!」
提督 「ありが……」
提督 「ブッヒャヒャヒャヒャ!」
----------------------------------------------
私は、鎮守府に帰る電車の中、
昇天扶桑盛りの自分の写真を見ていた。
長門 (笑いを取りにいったわけでは)
長門 (なかったんだがな……)
私は、結果オーライ、ということで、
納得しようとした。
私は、もう一度、写真を見た。
長門 (あり……)
長門 (だと思うんだがな……)
私は、納得、出来なかった。
私は、電車の中、モヤモヤし続けた。
- 完 -
また話が思い浮かんだら、書きます。
スレ汚し、失礼しました。
ではでは。
ポルナレフww
>>38
コメントありがとう!
す、するどいですね。
清霜ちゃんにインスパイアされました。
>>51
コメントありがとう!
話の中の髪型は、
昇天ペガサスMIX盛り、にインスパイアされました。
超ヤバイっす。
この髪型www
昇天扶桑盛りの、
自援絵を描いたよ~。
長門さんが、全然、似てないのは、許して……。
http://imgur.com/4o45EQ2
この髪型はアカンwそりゃドン引きやでwww
乙、ペガサス盛りわろた
30分後に投下するよ~。
新・艦娘の花道
[注意]
※特にオチの無い話です。
※人死、轟沈は無いです。
※ニコニコ動画の「初音の花道」、「リンガ英雄伝説」リスペクト。
※SS速報VIPの「そこに直りなさい」?シリーズ リスペクト。
※エッチなシーンは無いですが、題材が大人向けです。
※粗製乱造? 戦は数だよ!
オネェさん 「長門ちゃん」
オネェさん 「もう隠さなくてもいいのよ」
長門 (本物の艦娘とバレた?)
オネェさん 「あなた……」
オネェさん 「男でしょ……」
長門 「」
-----------------------------------------------
私は戦艦長門。
いわゆる「艦娘」だ。
横浜 桜木町 艦娘キャバクラ「桜木町鎮守府」で
私はバイトをしている。
言うまでもなく艦娘はバイトは禁止だが、
私は駆逐艦達と遊ぶ金欲しさに、
身分を隠してバイトをしている。
-----------------------------------------------
ボーイ 「長門さん」
ボーイ 「先月の売り上げ成績」
ボーイ 「最下位っすよwwwwwwwwwww」
長門 「」
-----------------------------------------------
先月の私の成績が、とうとう最下位になってしまった。
春になると、お気楽なバイトのキャバ嬢が居なくなる。
学生と兼業のキャバ嬢が、卒業と同時に店を止めてしまうからだ。
残るは本職の精鋭エリートのキャバ嬢ばかり。
結果、最下位になってしまった。
-----------------------------------------------
店が終わった後、私は先輩に相談した。
長門 「龍驤さん」
龍驤 「おう! なんや?」
龍驤 「あとな、いつも言っとるけど」
龍驤 「龍驤って呼び捨てで、ええよ」
龍驤 「さん付けは関東モンっぽくて」
龍驤 「よそよそしくて嫌いや」
長門 「龍驤」
長門 「ちょっと相談に乗ってくれないか」
龍驤 「……」
龍驤 「なんや急に」
龍驤 「甘いものを食べたくなったわ~」 ニヤリ
長門 「」
-----------------------------------------------
私達は近くのファミレスに移動した。
ウエイトレス 「ご注文は?」
龍驤 「フェアのジャンボチョコパフェ」
龍驤 「ドリンクセットで」 ニコッ
龍驤 「で」
龍驤 「相談は?」
長門 (可愛い……)
長門 「実は……」
売上成績を上げるには、どうすれば良いかを、私は彼女に聞いた。
-----------------------------------------------
龍驤 「まず」
龍驤 「キツイことを言うけど堪忍な」
龍驤 「長門という艦娘をチョイスした時点で」
龍驤 「アウトやで」
長門 「」
龍驤 「長門の評判は」
龍驤 「pix●vのタグによると……」
龍驤 「おっぱいのついたイケメン」
長門 「」
龍驤 「メスゴリラ」
長門 「」
龍驤 「おもしろい格好のアブナイ女」
長門 「」
長門 「……」
長門 「戦いの中で沈むのだ…… あの光ではなく…… 本望だな……」(白目)
-----------------------------------------------
龍驤 「これでも飲んで」
龍驤 「まあ落ち着き」
龍驤はオレンジジュースを差し出した。
長門 「ありがたい」
私はジュースを飲んだ。
龍驤 「気にせんでええよ」
龍驤 「長門の払いやし」 ニヤリ
-----------------------------------------------
龍驤 「長門」
龍驤 「男性客はな」
龍驤 「キャバクラにな」
龍驤 「恋愛しに来てるんやで!」
龍驤 「リアルマネーで」
龍驤 「艦娘メモリアルをしに来てるんや!」 バーーーン!
長門 「な、なんだってーーー?」
龍驤 「『おっぱいのついたイケメン』や『メスゴリラ』と」
龍驤 「恋愛したいと思うか?」
長門 「」
龍驤 「そんな長門に」
龍驤 「ウチにイイ考えがあるんや」 ニヤリ
-----------------------------------------------
龍驤 「さっきは恋愛って言うたけどな」
龍驤 「ぶっちゃけ」
龍驤 「夜戦がしたいんや」
龍驤 「客共は」
龍驤 「客に」
龍驤 「『夜戦に持ち込める』感を」
龍驤 「持たせられるか、が」
龍驤 「勝負なんや!!!」
龍驤 「だから金剛姉さんの成績は」
龍驤 「常にトップグループなんやで!」
-----------------------------------------------
私の店の不動のトップ3は、鳳翔さん、愛宕さん、金剛さんだった。
長門 「愛宕さんは?」
龍驤 「あれは素質」
龍驤 「胸はマネできへん……」
長門 「鳳翔さんは?」
龍驤 「あれは天才」
-----------------------------------------------
鳳翔さんの売上は断トツだ。
客層は50代以降が多く、会社役員、高級官僚、将官ばかり。
鳳翔さんのテーブルだけ、常に異次元空間だ。
-----------------------------------------------
龍驤 「ウチにも意味わからん……」
龍驤 「分かろうとしないほうがエエで」
龍驤 「偉い人が言うてた」
龍驤 「『天才は模倣の対象にならないのに』」
龍驤 「バーーーイ」
龍驤 「ヒルデガルド・フォン・マリーンドルフ」
龍驤 「ウヒャヒャヒャヒャ!」
長門 「?」
龍驤 (すべった……)
龍驤 「気にせんといて……」 テレテレ
-----------------------------------------------
龍驤 「客共の『やれそう』の基準の一つは」
龍驤 「頭が『ゆるそうか』なんや!」
龍驤 「頭がゆるい = 股がゆるい」
龍驤 「という理屈やで~」
龍驤 「だから、アホ可愛い艦娘なら」
龍驤 「人気爆発っちゅう訳や!」
龍驤 「それを踏まえて」
龍驤 「この艦娘で……」
龍驤 「どやっ!!!」 ドヤァ
-----------------------------------------------
オネェさん 「ということで」
オネェさん 「夕立ちゃんの格好をしているわけね」
長門 「はい……っぽい」
このオネェさんは野毛のバーのママだ。
私の数少ない常連さんの1人だ。
キャバクラやバーの仕事のストレスを、
他のキャバクラで発散することは、
意外と有るらしい。
-----------------------------------------------
オネェさん 「長門ちゃん」
オネェさん 「そこに直りなさい」
長門 「はい……っぽい」
オネェさん 「突っ込みどころが多すぎて」
オネェさん 「めまいがしそうだけど」
オネェさん 「これだけは言わせて」
オネェさん 「長門ちゃんから」
オネェさん 「長門ちゃんらしさが無くなったら」
オネェさん 「なんの価値も無いの」
オネェさん 「安直に夕立ちゃんを真似ても駄目」
オネェさん 「もし真似るなら」
オネェさん 「長門ちゃんらしいアホ可愛さ」
オネェさん 「じゃないと駄目よ」
オネェさん 「確かに世間や社会は」
オネェさん 「必ずしも」
オネェさん 「自分らしさを受け入れてくれる」
オネェさん 「とは限らないわ」
オネェさん 「でも妥協しちゃだめ!」
-----------------------------------------------
オネェさん 「こんなことを」
オネェさん 「なぜ言うかというと」
オネェさん 「世間や社会の目と」
オネェさん 「自分らしさで」
オネェさん 「私も葛藤したからよ」
オネェさん 「長門ちゃんを見て」
オネェさん 「昔の自分を思い出して」
オネェさん 「応援したくなったの」
オネェさん 「ウフフ」 ニコッ
長門 (可愛い……っぽい) カァァ
オネェさんは声をひそめた。
オネェさん 「長門ちゃん」
オネェさん 「もう隠さなくてもいいのよ」
長門 (本物の艦娘とバレた?)
オネェさん 「あなた……」
オネェさん 「男でしょ……」
長門 「」
オネェさん 「骨格で分かるわ」
オネェさん 「間違いなく男」
オネェさん 「私もそう」
長門 「」
オネェさん 「私は今」
オネェさん 「艦娘風に言うと」
オネェさん 「腰部の艦橋を撤去して」
オネェさん 「魚雷を出し入れする装填口を設置してるわ」
長門 「それ以上いけないっぽい!」
----------------------------------------------
鎮守府に帰る電車の中、
私は夕立のコスプレをした自分の写真を見ていた。
長門 (男女の前に)
長門 (人間じゃないんだがな……)
長門 (私らしいアホ可愛さ……)
長門 (語尾……)
長門 (アホ毛……)
長門 (ちょっと面白いじゃないか……)
長門 (フフフ)
私らしいアホ可愛さとは何か?を、私は電車の中で考え続けた。
- 完 -
また話が思い浮かんだら、書きます。
スレ汚し、失礼しました。
ではでは。
筋肉隆々で夕立はちょっと無理があるっぽい!
この長門さん色々と抜けてて好き
30分後位から小ネタ投下するよ~。
新・艦娘の花道 - 後日談 -
[注意]
※特にオチの無い話です。
※人死、轟沈は無いです。
※ニコニコ動画の「初音の花道」、「リンガ英雄伝説」リスペクト。
※エッチなシーンは無いですが、題材が大人向けです。
※粗製乱造? 戦は数だよ!
提督 「だから」
提督 「お前の『付き合った彼氏』の人数は」
提督 「1,368名だ!」 バーーーーン!
長門 「な、なんだってーーー!」
-----------------------------------------------
私は戦艦長門。
いわゆる「艦娘」だ。
横浜 桜木町 艦娘キャバクラ「桜木町鎮守府」で
私はバイトをしている。
言うまでもなく艦娘はバイトは禁止だが、
私は駆逐艦達と遊ぶ金欲しさに、
身分を隠してバイトをしている。
-----------------------------------------------
ボーイ 「長門さん」
ボーイ 「彼氏いたこと」
ボーイ 「あるんすかwwwwwwwwwww」
長門 「」
私は店でボーイと雑談していた。
私の男っ気の無さに、ボーイが突っ込んできた。
私は恋愛話が苦手だった。
彼氏いない暦 = 船齢だからだ。
-----------------------------------------------
このバイトをしていると、よく彼氏がいるか聞かれる。
客 「長門はさ」
客 「彼氏↑とかいんの?」
長門 「フッ」
長門 「職場に出会いが無くてな……」(遠い目)
客 「あっ……」(察し)
客 「……」
客 「ドリンクでも飲む?」 アセアセ
長門 「ありがたい」
----------------------------------------------
ちなみに経験則上、もれなくキャバ嬢は彼氏が居る。
もれなくだ。
長門 (しかし)
長門 (彼氏↑彼女↑の前に)
長門 (人間じゃないんだがな……)
ふと私はオネェさんを思い出した。
長門 (その前に)
長門 (なぜ艦娘は)
長門 (全員)
長門 (女性なんだろうか……)
長門 (……)
----------------------------------------------
鎮守府に帰った私は、提督に聞いた。
長門 「提督」
長門 「少しお時間よろしいでしょうか!」 ビシ!
提督 「なんだ?」
提督 (長門から話しかけてくるなんて)
提督 (珍しいな……)
提督 (緊急事態か?!?!?)
長門 「提督」
長門 「なぜ艦娘は」
長門 「もれなく腰部に」
長門 「魚雷を出し入れする装填口があるのでしょうか?」
提督 「それ以上いけない!!!」
----------------------------------------------
提督 「ようするに」
提督 「なぜ艦娘は女性か?」
提督 「を聞きたいんだな?」
長門 「はい」
提督 「……」
提督 「実は軍にも分からんのだ」
提督 「ただな……」
----------------------------------------------
以前、提督は妖精さんに同じ質問をしたそうだ。
答えは「『船魂』の性別が女性だから」だそうだ。
----------------------------------------------
長門 「ふ、船魂に性別があるのですか?」
提督 「妖精さんが言うにはな」
提督 「船は生物ではない」
提督 「性別は無いはずなのだが……」
提督 「……」
提督 「ここからは私の推測だ」
提督 「英語圏ではな」
提督 「船の代名詞は『彼女』なんだ」
提督 「船乗りにとっては船は」
提督 「命を預ける『母』であり」
提督 「愛しい『恋人』であり」
提督 「守るべき『娘』なんだ」
提督 「船員が『母』『恋人』『娘』として」
提督 「船を取り扱い続けた結果」
提督 「船は自身を女性と見なすようになった」
提督 「これが私の考えだ」
----------------------------------------------
提督 「という訳で」
提督 「長門!」
長門 「は!」
提督 「貴艦の乗員は1,368名だったな」
長門 「は!」
提督 「既に貴艦は1,368名の息子がいる『母』であり」
提督 「1,368名の彼氏の『恋人』であり」
提督 「1,368名の父親の『娘』なのだ!」
提督 「だから」
提督 「お前の『付き合った彼氏』の人数は」
提督 「1,368名だ!」 バーーーーン!
長門 「な、なんだってーーー!」
----------------------------------------------
鎮守府から桜木町に向かう電車の中、
私は提督との会話を思い出していた。
長門 (『付き合った彼氏』の人数が)
長門 (1,368名と言ったら)
長門 (どんな反応をするのだろうか……)
長門 (フフフ)
長門 (胸が熱いな)
そのようなことを考えながら、私は店に向かった。
- 完 -
また話が思い浮かんだら、書きます。
スレ汚し、失礼しました。
ではでは。
メインタンクブロー! (1回言ってみたかった……)
※なお長門さんの乗員数はwikiで調べました。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%95%B7%E9%96%80_%28%E6%88%A6%E8%89%A6%29
「続続・艦娘の花道」の「電さん」は、ニコニコ静画の「タウイタウイの魔境シリーズ」リスペクトなのDEATH!
電さん
http://nico.ms/im4101559
その前にトリップのテスト
ご存知! 艦娘の花道
[注意]
※特にオチの無い話です。
※人死、轟沈は無いです。
※ニコニコ動画の「初音の花道」リスペクト。
※エッチなシーンは無いですが、題材が大人向けです。
※粗製乱造? 戦は数だよ!
ボーイ 「長門さん」
ボーイ 「舌」
ボーイ 「腐ってるんすかwwwwwwwww」
長門 「」
-----------------------------------------------
私は戦艦長門。
いわゆる「艦娘」だ。
横浜 桜木町 艦娘キャバクラ「桜木町鎮守府」で
私はバイトをしている。
言うまでもなく艦娘はバイトは禁止だが、
私は駆逐艦達と遊ぶ金欲しさに、
身分を隠してバイトをしている。
-----------------------------------------------
長門 「私のオリカク?」
長門 「……」
長門 「いいだろう」
長門 「ビッグ7の力、侮るなよ!」
長門 「……」
長門 「すまないが」
長門 「少し席を外す」
長門 (オリカクとは一体……)
-----------------------------------------------
私は厨房の間宮さんに聞いた。
長門 「間宮さん」
長門 「オリカクとは何ですか?」
間宮 「オリジナルカクテルのことですよ」
間宮 「一般的には」
間宮 「有名なカクテルではない」
間宮 「地域や店の独自のカクテルを指します」
間宮 「ただし、この店では……」
間宮 「女の子がアドリブで作るカクテルを指します!」 バーーーン!
長門 「な、なんだってーーー!」
-----------------------------------------------
長門 (しかしカクテルなんて)
長門 (作ったこと無いが……)
長門 (いや)
長門 (女は度胸だ!!!)
長門 (ここでアドリブの効かない奴は)
長門 (海戦で勝てない!!!)
-----------------------------------------------
長門 「お待たせいたしました」 コトリ
長門 「私のオリカク」
長門 「長門スペシャルだ!」 バーーーン!
客A 「どれどれ」 クイッ
客A 「……」
長門 「どうだ?」
長門 「テーマは『海』!」
長門 「美しい青い酒があったのでな」
龍驤 (ブルーキュラソーやな)
長門 「グラスに、なみなみと注いで」
龍驤 (常温の原液をカクテルグラス一杯に注いで)
龍驤 (店のブルーキュラソーは40度やったなwwwww)
長門 「そこに海らしく……」
龍驤 (そこに海らしく……)
長門 「塩を一つまみ」
龍驤 (塩を一つまみwwwwww)
長門 「絵的に物足りなかったので」
龍驤 (絵的に物足りなかったのでwww)
長門 「夏の積乱雲をイメージして」
龍驤 (夏の積乱雲をイメージしてwwwwwww)
長門 「生クリームをトッピング!」
龍驤 (生クリームをトッピングwwwwwwwwwwwwwww)
-----------------------------------------------
隣のテーブルの龍驤が爆笑した。
龍驤 「ウヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャ!!!」
龍驤 「我慢できへん!!!」
-----------------------------------------------
客B 「こういうショート・グラスのカクテルはな」
客B 「3口ぐらいで飲み干すのが」
客B 「作法らしいぜ」 ニヤリ
客A 「」
龍驤 「まあまあ」
龍驤 「無理はあきません」
龍驤 「ゆっくり飲んで下さい……」
龍驤は長門スペシャルのグラスをチラッと見た。
龍驤 「ウヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャ!!!」
長門 「」
-----------------------------------------------
ボーイ 「長門さん」
ボーイ 「舌」
ボーイ 「腐ってるんすかwwwwwwwww」
長門 「」
龍驤 「ウヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャ!!!」
龍驤 「まあ最初はこんなもんや」
龍驤 「あんまり気にせんでエエよ」
龍驤 「長門~」
龍驤 「ラッキーやで~?」
長門 「?」
龍驤 「今日な」
龍驤 「カクテルに詳しい隼鷹姉さんが店に出るんや」
龍驤 「あんまり店に来いへんから」
龍驤 「ラッキーなんやで!」
龍驤 「相談するチャンスや!」
----------------------------------------------
龍驤 「隼鷹姉さん、来たで~」
ステージのピアノの傍に美人がいた。
隼鷹 「隼鷹でーすっ!ひゃっはぁー!」
隼鷹 「の…呑んでなんかないよぉ?素面だよぉ」
隼鷹 「じ……じゃあさぁ、アタシの歌を聴いてくれるかなぁ」
隼鷹はピアノを演奏しながら、歌い始めた。
----------------------------------------------
私の店にはカラオケを歌うステージがある。
そこで「カンムス」とお客が歌を歌うのだ。
大抵のキャバクラのステージは、カラオケだけらしいのだが、
この店にはグランドピアノがある。
----------------------------------------------
龍驤 「すごいやろ!」
龍驤 「歌もピアノもプロ級なんやで~!」
龍驤 「実際に会うと」
龍驤 「もっとビックリするで~!」
----------------------------------------------
隼鷹 「はじめまして」
隼鷹 「隼鷹ともうします」
隼鷹 「よろしくお願いいたします」
長門 「?!」
長門 「は、はじめまして」
龍驤 「ビックリしたやろ!」
龍驤 「ほんまはメッチャ」
龍驤 「お嬢様なんやで~!」
ステージでの振る舞いと、目の前の振る舞いのギャップに
私は戸惑った。
龍驤 「隼鷹姉さん」
龍驤 「ちょっと長門の相談に」
龍驤 「乗ってもらえませんか?」
隼鷹 「ええ」
隼鷹 「よろこんで」 ニッコリ
長門 「ありがとうございます!」
長門 (美人だな……)
----------------------------------------------
閉店後、私達は24時間営業の居酒屋に移動した。
酒を飲みつつ、私は事情を説明した。
龍驤 「ウヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャ!!!」
隼鷹 「あらあら」 ニッコリ
カクテルのことより、私は隼鷹が気になった。
長門 「隼鷹さんの本業は」
長門 「バーテンダーなのですか?」
隼鷹 「わたしは歌手をしておりました」
----------------------------------------------
隼鷹は豪華客船の歌手だったらしい。
時間が空いた時には、船のバーの手伝いをしていて、
その時にカクテルの作り方を覚えたそうな。
----------------------------------------------
隼鷹 「そのときにわたし……」
隼鷹 「カクテルの作り方と一緒に……」
隼鷹 「『お酒』も覚えてしまいました」 ニッコリ
長門 (美人だな……)
隼鷹 「ウフフ」
隼鷹 「気持ち良くなってきました」
隼鷹 「……」
隼鷹 「わたし」
隼鷹 「その船のピアノ奏者と」
隼鷹 「駆け落ちしたんです」
隼鷹 「何も持たずに」
隼鷹 「その豪華客船に飛び乗って」
隼鷹 「彼と一緒に」
隼鷹 「世界中を巡りました」
隼鷹 「……」
隼鷹 「今、思い返しても夢のようでした……」
隼鷹 「……」
隼鷹 「でも……」
----------------------------------------------
深海凄艦の出現で、状況は一変した。
旅客船業、漁業、海運業、造船業は壊滅してしまった。
----------------------------------------------
隼鷹 「彼は少し変わっていて」
隼鷹 「子供のころから」
隼鷹 「その船で暮らしていました」
隼鷹 「ピアノは独学で学んだそうです」
----------------------------------------------
豪華客船を所有していた海運会社は倒産し、
豪華客船は廃船が決まった。
----------------------------------------------
隼鷹 「しかし彼は」
隼鷹 「『船を降りるくらいなら死ぬ』」
隼鷹 「と言って……」
隼鷹 「……」
長門 「すまない」
長門 「立ち入ったことを聞いてしまって……」
隼鷹 「気になさらないで下さい」
----------------------------------------------
隼鷹 「わたし」
隼鷹 「旅客船が大好きなんです」
隼鷹 「隼鷹さんのコスプレをしているのも」
隼鷹 「お酒が好きで」
隼鷹 「元々旅客船だったから……」
隼鷹 「わたし」
隼鷹 「昼間はNPOでボランティアをしているんです」
隼鷹 「今、ほとんどの旅客船は港で放置されています」
隼鷹 「船会社は倒産してしまい、野ざらしになっています」
隼鷹 「それをボランティアで保守しているんです」
隼鷹 「平和になったときに」
隼鷹 「すぐに出航出来るように」 ニッコリ
----------------------------------------------
長門 「私達を……」
長門 「船を愛してくれて……」
長門 「ありがとう」
龍驤 「?」
隼鷹 「?」
長門 「と、船も思っているだろう」 アセアセ
----------------------------------------------
龍驤 「隼鷹姉さん……」
龍驤 「微妙に大事なことを」
龍驤 「誤魔化してないですか?」
隼鷹 「ウフフ」
長門 「?」
隼鷹 「わたしの彼」
隼鷹 「実はバッチリ生きているの」
長門 「!?」
----------------------------------------------
隼鷹 「自殺しようとしたのは本当なんです」
隼鷹 「陸に上がった彼は」
隼鷹 「本当に元気を無くしてしまって……」
隼鷹 「平和になったとき、すぐに」
隼鷹 「彼の居場所を用意してあげたくて……」
隼鷹 「そして……」
隼鷹 「わたしが彼のそばに居て……」
隼鷹 「キャーキャーキャー」 カァアア
長門 (美人可愛い……)
----------------------------------------------
隼鷹 「話を戻して……」
隼鷹 「長門さんに似合うカクテルは……」
隼鷹はスマホで何やら調べ始めた。
隼鷹 「ふむふむ」
隼鷹 「こういうのは、いかがでしょうか」 ニッコリ
----------------------------------------------
長門 「お待たせいたしました」 スッ
長門 「私のオリカクです」
客A 「どれどれ」 クイッ
客A 「……」
客A 「美味しい」
長門 「ありがとうございます」
長門 「テーマは『一時の休憩』」
客A 「ショート・グラスで……」
客A 「色は無色透明……」
客A 「味はギムレットのような」
客A 「ジントニックのような」
客A 「ジンが強くて、戦艦らしいね」
客A 「ちょっと甘いかな」
客A 「ジンとサイダー?」
長門 「ジンとラムネです」
----------------------------------------------
長門 「ジンは英国海軍で飲まれていたそうで」
長門 「海軍とゆかりのあるお酒です」
長門 「また」
長門 「日本海軍ではジン、ラム酒、焼酎を」
長門 「支給していたらしいです」
長門 「そして」
長門 「巡洋艦より大きい船にはラムネ製造装置があったらしいです」
長門 「長門の乗員も休憩の時」
長門 「このようなカクテルを作っていたのでは」
長門 「と思いまして……」
----------------------------------------------
龍驤 「と」
龍驤 「隼鷹姉さんが」
龍驤 「おっしゃってたんやで~~」 ニッコリ
長門 「」
客A 「知ってた」
客B 「知ってた」
間宮 「知ってました」
ボーイ 「知ってたっすwwwwwwwww」
長門 「」
----------------------------------------------
鎮守府に向かう電車の中、私は隼鷹のことを思い出していた。
長門 (海の平和を)
長門 (早く取り戻さないとな……)
そして、私の鎮守府の「本当」の隼鷹のことも思い出していた。
長門 (空母に話しかけるのに)
長門 (抵抗があって)
長門 (話したことが全く無かったが)
長門 (これからは、色々)
長門 (話してみようか……)
長門 (フフフ)
- 完 -
また話が思い浮かんだら、書きます。
スレ汚し、失礼しました。
ではでは。
【注意】
※作者はカクテルについて完全に素人です。
※作中のカクテルも、完全なフィクションです。
※本当に上手いか不味いか、不明です。
※旧日本海軍が、ジンのラムネ割りを作ったかは不明です。
【参考】
海の上のピアニスト
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%B5%B7%E3%81%AE%E4%B8%8A%E3%81%AE%E3%83%94%E3%82%A2%E3%83%8B%E3%82%B9%E3%83%88
「BAR 『 初音ミク 』 へ、ようこそ。」
http://oyoguyaruo.blog72.fc2.com/blog-category-474.html
「日本軍ではタバコや酒・菓子などの嗜好品はどのように配給されて
いたのですか?」
http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1087093315
ジンのライム割りに見えて「あれ?ギムレット」と思ったけどラムネか。
意外とラムネ割ってあるから美味しいかも
作者のリアルライフがアレで、エタりそうなのと、
最終回が降りてきちゃったから
30分後から、最終回行きます。
さよなら! 艦娘の花道
[注意]
※特にオチの無い話です。
※人死、轟沈は無いです。
※ニコニコ動画の「初音の花道」リスペクト。
※エッチなシーンは無いですが、題材が大人向けです。
※粗製乱造? 戦は数だよ!
提督 「長門」
提督 「士官学校に入らないか」
長門 「?!」
-----------------------------------------------
私は戦艦長門。
いわゆる「艦娘」だ。
横浜 桜木町 艦娘キャバクラ「桜木町鎮守府」で
私はバイトをしている。
言うまでもなく艦娘はバイトは禁止だが、
私は駆逐艦達と遊ぶ金欲しさに、
身分を隠してバイトをしている。
-----------------------------------------------
私は提督に呼び出された。
長門 (とうとうキャバクラでバイトしていることが)
長門 (ばれてしまったのか?)
提督は無表情に言った。
提督 「長門」
提督 「士官学校に入らないか」
長門 「?!」
提督 「長引く戦争で」
提督 「士官の損耗も激しい」
提督 「そこで……」
-----------------------------------------------
軍は艦娘に目を付けた。
実戦経験豊富な艦娘を士官学校に入学させて
士官にしたいらしい。
-----------------------------------------------
長門 「厄介払いですか?」 ニヤり
提督 「相変わらず遠慮なしだな」 ニヤり
長門 「以前、提督は」
長門 「『艦娘は兵器』」
長門 「と、おっしゃいましたが」
長門 「兵器を士官にするのですか?」
-----------------------------------------------
私と提督がギクシャクし始めたのは
提督が言った「艦娘は兵器」の一言からだった。
-----------------------------------------------
提督 「長門」
提督 「私の」
提督 「『艦娘は兵器』」
提督 「という認識は」
提督 「今でも変わらない」
長門 「?!」
提督 「長門」
提督 「お前は勘違いをしている」
提督 「艦娘だけが兵器ではない」
提督 「軍においては」
提督 「私も含めて」
提督 「人間の兵士も兵器なのだよ」
-----------------------------------------------
提督 「人間の兵士も」
提督 「作戦において必要ならば」
提督 「大破進軍のごとく、進軍命令が下り」
提督 「捨て艦のごとく、捨石になるのだ」
長門 「……」
-----------------------------------------------
提督 「長門」
提督 「私がお前を推薦する理由は」
提督 「納得しないことは」
提督 「はっきり遠慮無く言うところだ」
提督 「お前なら」
提督 「クズな提督が理不尽な命令を出しても」
提督 「その提督を諌め」
提督 「部下の艦娘を守れるだろう」
-----------------------------------------------
提督 「もちろん」
提督 「士官になった場合」
提督 「部下を死地に行かせる」
提督 「非情な決断をすることも有り得る」
提督 「返事は今直ぐでなくて良い」
-----------------------------------------------
長門 「……」
長門 「提督」
長門 「私は提督に疎まれていると思っておりました」
長門 「評価されているとは思っておりませんでした」
提督 「フフ」
提督 「正直なところ」
提督 「やはりウザかった」
長門 「」
提督 「同時に頼もしくもあった」
長門 「……」
-----------------------------------------------
提督 「立場が偉くなってしまうと」
提督 「周りは何も言わなってしまってね」
提督 「私の決断は」
提督 「本当は間違っている」
提督 「しかし」
提督 「私が提督だから、周りは何も言わないのでは?」
提督 「と、疑心暗鬼になることも多くてね」
提督 「そこでお前が」
提督 「遠慮なく言ってくれたことは」
提督 「少し嬉しかった」
長門 「……」
-----------------------------------------------
私は自室に戻った。
長門 (クズ提督から部下守れる……か)
長門 (駆逐艦を守ってやりたい)
長門 (そして)
長門 (平和な海を)
長門 (一刻も早く取り戻したい)
長門 (それに)
長門 (士官になったら給料が上がって)
長門 (駆逐艦に甘いものを)
長門 (もっと食べさせてやれるな……)
長門 (フフフ)
私は申し出を受けることにした。
-----------------------------------------------
士官学校は広島にある。
私は「桜木町鎮守府」を卒業となった。
-----------------------------------------------
キャバ嬢は卒業時「卒業イベント」をすることが多い。
卒業するキャバ嬢の常連さんを呼んで、
店で「卒業パーティ」をするのだ。
卒業にかこつけて、最後に一稼ぎすることと、
他の「カンムス」に常連さんを引き継ぐこと、
を目的にしていることは秘密だ。
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私の卒業パーティが開かれた。
オネェさん 「長門ちゃん」
オネェさん 「卒業おめでとう!」
オネェさん 「寂しくなるわね~」
オネェさん 「長門ちゃんが望むなら」
オネェさん 「私の店で働いてもいいのよ?」
長門 「ありがとうございます」
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常連提督 「長門ちゃ~ん」
常連提督 「卒業おめでとう!」
常連提督 「俺さ」
常連提督 「嫁と娘と仲直りできたんだ!」
常連提督 「それもこれも」
常連提督 「長門ちゃんのおかげだよ!」
長門 「ありがとうございます」
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常連ちゃん 「長門~」
常連ちゃん 「卒業おめでとう……」
常連ちゃん 「本当に」
常連ちゃん 「やめちゃうの……?」
常連ちゃん 「ねえ……」
常連ちゃん 「ウワーーーーン」 抱き付き
長門 「ありがとう」
長門 「ごめんね」 ギュッ
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隼鷹 「隼鷹でーすっ! ひゃっはぁー!」
隼鷹 「の…呑んでなんかないよぉ? 素面だよぉ」
隼鷹 「じ……じゃあさぁ、旅立つ長門しゃんにぃ、この歌を捧げますぅ」
隼鷹さん歌い出した。
https://youtu.be/qunwTx9OxOM
隼鷹 「な…長門しゃん? 卒業おめでとぉうぅ!!!」
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私は隼鷹の歌を聴きながら、
警備員のことを思っていた。
長門 (彼が来てくれたら、どんな感じだろうか) ホワンホワンホワン
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警備員 「長門さん、おめでとう!」
警備員 「僕は『長門さん』と」
警備員 「一緒に元気にやってます!」
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長門 (こんなところか)
長門 (フフフ)
長門 (そういえば彼は)
長門 (シャンディガフが好きだったな……)
長門 「すみませーん」
長門 「私の払いで」
長門 「シャンディガフを一つ……」
長門 「いや……」
長門 「二つ」
長門 (彼と彼の「長門さん」に)
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パーティは終わった。
間宮 「卒業おめでとう!」
ボーイ 「長門さん」
ボーイ 「昼間の職場で」
ボーイ 「やらかしたら」
ボーイ 「いつでも戻ってきて、いいんすよwwwwwwwww」
長門 「ビッグ7の力、侮るなよ!」
私はボーイの頭をグリグリした。
ボーイ 「長門さん!」
ボーイ 「マジ痛いっすwwwwwwww」
ボーイ 「ゴリパワー、まじパネェっすwwwwwwww」
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鳳翔 「長門さん」
鳳翔 「卒業おめでとうございます」
鳳翔 「二人だけで」
鳳翔 「少しお話よろしいでしょうか」
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鳳翔 「わたし」
鳳翔 「このようなことをしているのです」
鳳翔は私に名刺を渡した。
名刺には「艦娘支援センター センター長」とあった。
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艦娘支援センターでは、
ブラック鎮守府から脱走した艦娘を保護する艦娘シェルター、
戦後を見据えて艦娘の社会受け入れの準備、
を、しているそうだ。
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鳳翔 「機会がありましたら」
鳳翔 「ぜひ協力してくださいね」
長門 「はい」
鳳翔 「それと」
鳳翔 「IFF(敵味方識別装置)のON/OFFは」
鳳翔 「ちゃんとしてくださいね」
鳳翔 「艦娘の長門さん」 ニッコリ
長門 「」
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鳳翔は艦娘の試作品だった。
鳳翔は試作品として様々なテストを行い、
その経験を活かし指導教艦となって、
多くの士官候補生、提督候補生、艦娘を育てた。
その後、退役し、今に至るそうだ。
鳳翔の常連は、指導教艦として面倒見た人達だそうだ。
鳳翔は「店に来なくても良い」と言っているらしいが、
恩返ししたい人達が、ひっきりなしに、やって来るそうだ。
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閉店後、私と龍驤は駅に向かって歩いていた。
龍驤 「長門~」
龍驤 「ウチがおらへんでも」
龍驤 「大丈夫なんか~?」
龍驤 「心配やで~」
龍驤 「……」
龍驤 「長門」
龍驤 「なんで店やめてしまうん?」
龍驤 「さみしいやんか」
龍驤 「さみしいやん……」
龍驤 「……」
龍驤 「さみしいやんかーーーー!!!」 ウワーーーン
長門 「すまない」
泣き止むまで、私は龍驤を抱きしめた。
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私は士官学校に行くための荷造りをしていた。
長門 (わが青春の「桜木町鎮守府」)
長門 (というところか……)
長門 (では行くか)
長門 (平和の海を取り戻すために)
長門 (そして)
長門 (世界の駆逐艦のために!!!)
- 完 -
これで「艦娘の花道」は完結です。
読んで下さった皆様、本当にありがとうございました。
スレ汚し、失礼しました。
ではでは。
急遽、もう一つだけ。
さよなら! 艦娘の花道 - おまけ -
パーティの後の、更衣室の一シーン。
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パーティが終わり、私は更衣室に戻った。
那珂 「長門さん」
那珂 「卒業おめでとうございます!」
長門 「ありがとう」
那珂 「今度」
那珂 「小さなライブハウスで」
那珂 「ライブするんです!」
長門 「やったな!」
那珂 「ありがとうございます」
那珂 「新しいCD作ったんです!」
長門 (『横須賀 近代化改修ブルース』……)
長門 「一枚貰おうか」
那珂 「ありがとうございます!」
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- おまけ おわり -
さよなら! 艦娘の花道 - おまけ -
パーティの後の、更衣室の一シーン。
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パーティが終わり、私は更衣室に戻った。
那珂 「長門さん」
那珂 「卒業おめでとうございます!」
長門 「ありがとう」
那珂 「今度」
那珂 「小さなライブハウスで」
那珂 「ライブするんです!」
長門 「やったな!」
那珂 「ありがとうございます」
那珂 「新しいCD作ったんです!」
長門 (『横須賀 近代化改修ブルース』……)
長門 「一枚貰おうか」
那珂 「ありがとうございます!」
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- おまけ おわり -
トリつけわすれたから、もう1回投稿しました。
スマンス。
これで本当に終りです。
お疲れ様
投稿スレからよくここまで仕上げたと思う、頑張ったね
ま、ゆっくり休むなり次の妄想するなり好きにしてくれよ
乙
最初っから見とったで
面白かったで
乙
面白かったよ
まだ書き込めるようなので、お礼を。
乙してくださった皆様、レスしてくださった皆様、
本当にありがとうございました。
>>119
話の中だと美味しそうなんですけどね……。
今度、ショットバーに行ったら、たのんでみようかな。
嫌がられそうだけど (笑)
>>143
投稿スレから見ていただいていたなんて……。
ありがとうございます!
ここまでくるとは、
正直、私も想像していませんでした。
>>144
ありがとうございます。
関西弁のお兄さん?のコメントは、
とても励みになってました。
>>145
ありがとうございます。
■あとがきのような独り言
艦これのSSにハマって、
良く言えば『不思議』、
悪く言えば『破綻』している艦これの世界に、
魅せられてしまいました。
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敵も味方も女の子で、どちらも正体不明。
大破すると半裸になる。
解体すると資材になる。
同じ艦がダブる。
近代化改修は、どうみてもカニバ(以下、自粛
水上を滑る。
ボーキサイトを食べる。
羅針盤。
妖精さん。
鎮守府。
提督。
etc……。
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そんな艦これの世界で、普通の人々が、
どんな生活をしているのか想像するのは、
結構、面白かったっす。
自分としては、長門さんの成長物語?のつもりもありました。
意外と、王道ですね。
途中、コースアウトした感じがしますが……。
今、頭の中の長門さんは旅に出てしまって、居ません。
もし、戻ってきたら続編を書くかもしれませんw。
むむ。
まだ書き込めるようなので、
書き忘れのインスパイア元を……。
オネェさんは、次のSSにインスパイアされました。
提督「暁の水平線に~、勝利を刻むわよぉ!」
提督「暁の水平線に~、勝利を刻むわよぉ!」 - SSまとめ速報
(http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/internet/14562/1406779127/)
このSSまとめへのコメント
もっと知られてほしい作品なんだけどなあ…