吹雪「だからこの鎮守府はおかしいって言ってるんです!!!」 (1000)

吹雪「吹雪です、本日もよろしくお願いします」ペコッ

提督「よろしくー」ペコッ

吹雪「……」

提督「?」

吹雪「いや、毎回思うんですけど、この挨拶いるのかな……?」

提督「さぁ?」



※長くなるかもしれないが↓から読んでってくれ……すまねぇ……!
1スレ目「この鎮守府はおかしいです!!」 
吹雪「この鎮守府はおかしいです!!」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1422813372/)

2スレ目「やっぱりこの鎮守府はおかしいです!!」
吹雪「やっぱりこの鎮守府はおかしいです!!」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1424708332/)

3スレ目「どう考えてもこの鎮守府はおかしいです!!」
吹雪「どう考えてもこの鎮守府はおかしいです!!」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1426297599/)

4スレ目「この鎮守府はおかしすぎます!!」
吹雪「この鎮守府はおかしすぎます!!」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1427736104/)

5スレ目「この鎮守府はおかしいって皆言ってますよ!!」
吹雪「この鎮守府はおかしいって皆言ってますよ!!」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1428504320/)

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1429798843


というわけで始まっしょい

提督「……というか、こんな代物何処で手に入れたんだ?支給品?」

戦艦レ級「まぁそんなトコだ、魚雷装備艦は絶対持っとかなきゃならねぇ品の一つだ」

提督「へぇ……でもヲ級ちゃんは持ってなさそうな雰囲気だったぞ?」

戦艦レ級「アイツの針は横須賀の検査の時に持ってかれたんだよ……何かに使えるかもしれん、だとさ」

提督「レ級ちゃんのは?」

戦艦レ級「横須賀のアイツ曰く同じものは2つもいらないみたいでな……ってかお前、ちゃんとあの資料見たのか?」

提督「資料?」

戦艦レ級「深海棲艦の必需品一覧、ちゃんと記録してあるだろ、お前見落としてんじゃねぇの?」

提督「あ、あぁー……あれね……あれか……うーん……?あれ?」

戦艦レ級「……お前……まさか読まずに捨てたんじゃねぇだろうな……」

提督「帰ったらちゃんと見とくよ……」

提督(レ級とヲ級ちゃんちゃんの裸の写真の所だろうな……吹雪ちゃんが話題に出さなかったってことは……部屋にあったよな……?)

戦艦レ級「ったく……おい艦娘、調子はどうだ?」



北上「っく……!!」ズキズキッ

戦艦レ級「んー……かなり酷いなこりゃ……」

北上「……れ、れきゅう……さん……これ……アタシ大丈夫……なの?あぐぅっ!!」

吹雪「北上さん……!」

戦艦レ級「……さぁな……アタシは医療艦じゃねぇ…………」チラ


グィィィィィ ドクドクドクドクドク……


戦艦レ級(……今日一日じゃ流石に無理だな……)

北上「……無理……なの……?」

戦艦レ級「大丈夫だ、死にはしねぇよ」ポン

吹雪「…………血受けが……もうこんなに……」

北上「……うぅ……っぐ……」

提督「血が青いな……これってやっぱり……」

戦艦レ級「あぁ、侵食剤の影響だ、赤い血を青く染めて青い血を赤く染めちまう……ひでぇもんだろ?」

提督「……確かに酷いな……深海側で規制とかされないのか?これじゃ深海棲艦も危険だろ」

戦艦レ級「……姫は反対だったけど……やっぱ他の連中が仲間を増やすために使うんだとさ……」

戦艦レ級「艦娘を深海棲艦にするなんざ、姫の意志に背く行為だってのに……あのクズ共は喜んでやりやがる……」ケッ

提督「艦娘を……?そんな事が」

戦艦レ級「別に珍しくねぇよ、死なずに沈んだ艦娘なんか侵食剤のいい実験台になるらしいからな……」

戦艦レ級「完全に侵食された艦娘は不思議なことにイキのいい駆逐イ級やらになるんだと」ハハ

北上「っ」ゾクッ

北上「……ぞっとすること言わないでよ……あたしも深海棲艦になる……なんか嫌だよ……?うぐっ……!!」

戦艦レ級「そうならないように治療してんだ、止めるぞ」カチッ

ィィィィン……

戦艦レ級「……まだ針は抜けねぇけど……我慢しろよ?」キリッキリッキリッ カポッ

戦艦レ級「……ひでぇ量だ…………確か……蓋を固定して……応急だから……薬室に……」ガゴッ ガポンッ

戦艦レ級「薬室温度を上げて……だったな……っ!」キィィィィィィン……

北上「……頭が……くらくらする……」ハァッ……ハァッ

提督「……大丈夫か?」

大井「……」ピクッ

大井「っ!!」ガバッ

大井「……」キョロキョロ

大井「…………はっ!!北上さん……!!」ダッ





提督「…………」

吹雪「…………」

戦艦レ級「っ……!んぬぬ……」プシューーッ……シュゥッシュゥッ

提督「…………」

北上「…………ふぅ……ふぅ……」


キタカミサーン!!


北上「んぁ……?大井っちの声……?」

大井「北上さん!!大丈夫で……な……!?」

北上「……大井っち……あたしは大丈夫……」

大井「こ、こんなに太い針が……!!す、すぐに抜かなきゃ……」

北上「あぁー駄目だよ大井っち……これは治療道具だから……抜いたら駄目……」

大井「で、でも……!!」

北上「大井っち……」ジッ

戦艦レ級「っくんぬぬぬぅぅぅ……!!!」シュッッシュウッシュッ!!!

大井「っ……き、北上……さん……?」

北上「大井っち……大丈夫だよ……提督も吹雪もあたしを治すために頑張ってくれてるんだから……」

大井「…………北上……さん……」

北上「……大井っちがあたしを心配してくれてるのは分かるけど……大井っちだって心配しっぱなしじゃ辛いでしょ?」

戦艦レ級「ふんっぎぎぎぎ…………!!!んぬぬぬぬぬ!!!」プシューーーッ!!! 

大井「わ、私は別に辛くなんか……!」

北上「分かるよ……大井っち、何時もあたしと一緒にいる時より少し顔が悲しそうだもん……」

北上「それに、大井っちは他の人に迷惑をかけるような守り方はしないじゃん……」

大井「……」

北上「さっきあたしを連れて行こうとした提督の顔……大井っち……殴りかけてたよね……掴みかかったけど……」

北上「いつもの優しい大井っちなら……そんなこと……しないよ……」

大井「…………き……北上さんは…………」

北上「……」

大井「北上さんは……!この二人を信用することが出来るの……?」

北上「……」

北上「あたしは、信用出来ると思うよ?……この2人がいなきゃ、あたし解体されちゃうし……」

戦艦レ級「んぬぉぉぉーーー!!!!」シュゥゥゥゥーーーーー!!!!!

北上「それに、大井っちほどじゃないけど、提督も優しいしねー」

大井「……」

北上「それn「ふんぬっぐっぐぐぐぐぐ……」だから」

北上「……あの、もうちょっと静かにできない?」

戦艦レ級「あ、ごめん、もうすぐ出来上がるからな」

プシュゥゥゥ

戦艦レ級「……はぁ……はぁ……暑かった……出来たぜ……血だ」タプッ

北上「お……ありがと、待ってました……」

戦艦レ級「……」ドヤ


サラサラ~


吹雪「……すごい……真っ赤なサラサラ……」

提督「……おおう……」

大井「あ、あなた……」

北上「こ、これは……凄いねぇ……」

戦艦レ級「よし……温度が変わらねぇうちにさっさと輸血するぞ……替え針替え針……」カチャカチャ

戦艦レ級「抜くぞ」ズボッ

北上「んぐっ!?」

戦艦レ級「……」スッ キュッキュッ

戦艦レ級「もう一回ブスって来るぞ……ほっ!!」ドスッ

北上「あぐぅっ!?ぐぅぅ……!!!あぎっ……!!!」

大井「き……北上さん……!!」ギュゥッ

北上「大井……っちぃ……!!」ギュッ

戦艦レ級「…………よし、血は送れてるな……」

提督「……けど、まだ足の色は変わってないぞ……?」

戦艦レ級「この治療は輸血で終わるような簡単な話じゃねぇんだ……まずは薬の進行を止めねぇと……」

提督「……期間はどれくらい掛かりそうだ?」

戦艦レ級「……多分治療は短くて1周間は必要になるな、リハビリはもっと長い期間必要になると思う」

提督「……そうか……」

戦艦レ級「……まぁ、気長にやればなんとかなるだろ……とりあえずあたしに出来るのは血を抜くことくらいだ……」

提督「……」

戦艦レ級「本格的な治療になると飛行場姫様の棲地に行かなきゃ出来ねぇからな……」

吹雪「……飛行場姫の棲地?」

戦艦レ級「あぁ……あそこなら医療器具もあるし、姫自ら治療してくださる……だがなぁ……」

吹雪「……飛行場姫が……治療……」

戦艦レ級「…………まぁ……ない物ねだりしてもしょうがねぇか……」

吹雪「……姫って、北方棲姫も……ですか?」

戦艦レ級「ん?あぁ……姫も治療ができる種だな……水鬼様もそうだランクが上がると皆何かしら治癒能力を持つみてぇだな……
       まぁ、本業は破壊だから本来の治癒能力を発揮できねぇって噂らしいが……」

吹雪「……」

吹雪「……破壊能力のせいで治癒能力が……」

吹雪「…………もしかして……し、司令官……!」

提督「…………だろうな……」ムムム

吹雪「……えぇ」


吹雪「川中島姫なら北上さんを治せるかも!!」

提督「飛行上記の板MI島に乗り込めば医療器具が見つかるだろうな」


戦艦レ級「見事に思考が外れたな」

数十分後

戦艦レ級「……うしっ……これでいいだろ……とりあえず今日はこれで帰りな……ただ、自分で立つのはやめとけ」

北上「う、うん……」

大井「北上さん、肩を……」スッ

北上「あ、ありがとね、大井っち」

戦艦レ級「……解ってるとは思うが、傷口に触れたり掻いたりするんじゃねぇぞ?」

北上「ん、解ってる……お風呂はどうすればいい?」

戦艦レ級「おふろ?……あぁ……あれか……別に濡らすことは問題ねぇよ、だが、足は擦るなよ?」

北上「なるほど……ありがとね」

大井「北上さん……良かった……一緒にお風呂に入れるのね?」

北上「うん、でも気持ち早めに上がったほうがいいよね……」

大井「えぇ……!北上さんの健康のためですもの……!」

戦艦レ級「…………」

戦艦レ級「おい、そこの……その、長い髪の方」

大井「?」

戦艦レ級「……その、何だ……仲良くするのは結構なんだが……」

戦艦レ級「……」ユビサシ

大井「……?」


吹雪「だいたい司令官は何時も無茶ばっかりして……今回だってちゃんと説明すれば……!」

提督「いや、思考が噛み合わなかっただけで何もそんな……」

吹雪「今回の無茶も前の馬鹿みたいな格好つけも全部司令官の落ち度です!!反省してますか!?」

提督「してるって……」

吹雪「絶対してない!!大井さんを刺激するようなことをわざとやってるようにしか見えません!!人の苦労も知らずに!!」

吹雪「だいたい大井さんと私を二人きりにして何を話せばいいんですか!!言っちゃ悪いですけどあの人物凄く面倒くさいんですよ!?」

吹雪「面倒事を私に押し付けて自分だけ楽を」

提督「シーーッ!!本人の目の前でそれはマズイ!!」パッ

吹雪「むぐぐっ……!!」


戦艦レ級「……ま、自分の行動を客観的?だったか、他の人目線で見てみりゃわかると思うぞ?」

大井「……」

北上「……」

北上「……まぁ……今日の大井っちは気が立ってたから……ね……」

大井「…………他人の評価なんてどうでも……」

大井「ど、どうでもいいわ……どうでも……」

大井「…………」

北上(……うわ……メチャクチャヘコんでる……)

ギャーギャー

大井「…………」

北上「……まぁ、大井っちは悪くないよ、変に心配させたあたしも悪いし……」

大井「いいのよ、北上さん……私は北上さん一筋なんだから……」

大井「……」

大井「いいの」

北上「……」

北上「少しずつ仲良くなれるから、大丈夫だよ」

大井「……そう……?」

北上「そうそう、コミュ力なんか後で身につくもんだよ、北上ねー様が言うんだから間違いないって、ね?」

大井「……」コクッ

北上「……」ポンポンッ

大井「……」ギュゥゥ

北上「……いててて……強いってばぁ……」

大井「……」



吹雪「…………」ジトッ

提督「な、なぁ……機嫌直してくれよ……大井さんだって悪い人じゃないんだからさ……」

吹雪「……あの人は苦手です、佐世保さんみたいで……」

提督「……ああいう人ほど優しさがあるんだよ……大井さんにだって……」

吹雪「……ないです」

提督「こ、これからだよ……な?」

吹雪「…………」フン

吹雪「……司令官に言った悪口を全部謝らない限り絶対に許しません」

吹雪「司令官も怒ってますけど司令官を悪くいう人はもっと怒ります!」

吹雪「私は大井さんを許しません!!」


提督「うーん……」

提督(……面倒なことになりそうだなぁ……


よし、我は寝るぞ……眠い!

敵に侵されるシチュエーションってよくないか?レ級が攻めで文月や吹雪みたいな汚れを知らない子がレズセックスの被害に……
睨みつけながら快感を堪える感じがベリーグー

というわけでもうすぐ始める

提督の部屋

提督「……っだはぁ……疲れた……やっと一段落ってところか……」ギィッ

提督「…………」グデーッ

提督(吹雪ちゃん……大井さんを許さないって言ってたけど……大丈夫かな……)

提督「…………」

提督(……気になるな……)ギィッ

提督(……今吹雪ちゃんはお風呂が終わって一息ついてるところだが……)

提督(…………)

提督(……いや、余計な気は起こさないでおこう……)ギィッ

提督「……」スッ パカッ

提督「うっわ……流石10分の1……ATでもかなりデカイな……作れるかなぁ」

提督「ま、やってみるか……ひぇぇ……パーツの多いこと多いこと……」





リビング

吹雪「…………」ピッ

北上「お、アニメ……」

吹雪「見ます?」

北上「いや、あたしはいいかなー……大井っちは?」

大井「私も別にいいです、他のないの?」

吹雪「他のですか?うーん……」ピッ

TV『深海棲艦の発生箇所は日を増すごとに日本本土に近づいており……』

北上「ニュースでいいんじゃない?もうすぐスポーツあるし」

大井「芸能は……朝だったわね……」

吹雪「ニュースかぁ……最近の世の中ってよくわからないんですよねぇ……」

大井「吹雪の鎮守府テレビあるのに見てないの?」

吹雪「見ますよ?でもニュースはそんなに見ないんですよねぇ……」

大井「もったいないわねぇ……うちの鎮守府じゃラジオでも貴重な存在なのに……」

北上「最近のラジオってお便りとか音楽のリクエストばっかだしねぇ……あたしも世の中には疎いのかなぁ……」

大井「主力艦隊の会話についていけないのは嫌になっちゃいます」

北上「そーそー、最上さんの部屋の人らの会話って何時もテレビの話題ばっかだよねぇ……」

吹雪「テレビって設置してある部屋と設置してない部屋があるんですか?」

北上「そだよ?重要艦隊になるとテレビは当然、漫画も当たり前のようにおいてあるんだから……」

大井「私達の所属していた第五遊撃部隊は戦術的にそんなに重要じゃないから、あまり娯楽物は置いてないのよ……おかげで退屈ったらありゃしないわ」

吹雪「へぇ……知らなかった……」

大井「その分あなたの鎮守府は裕福でいいわ……こうやってテレビをのんびり見られるもの、気付いてないかもしれないけど、あなたかなり幸せ者なのよ?」

北上「うんうん、一人でテレビを独り占めなんて普通できないからねー……普段の生活が羨ましいよ」

吹雪「そ、そうなの……かなぁ……」

吹雪(ふつうのコトだと思ってたけど……)



提督の部屋

提督「…………」カチャッ カチャカチャ

提督「……」パチッ パチッ

提督「ふぅー……」

ピコッ

提督「?」


ヨッコさん『返事をしろ』


提督「ん……?横須賀さん?」カタカタカタ ッタン


出前二丁『なんです?』

ヨッコさん『無事だったか』

出前二丁『どうしたんですか?』

ヨッコさん『大井と北上の件だ、どうしたもこうしたもない』

ヨッコさん『何故よりによって2人を選んだんだ』

出前二丁『なりゆき、でしょうか』

ヨッコさん『困ってるか?』

出前二丁『それなりに、ですけど』

ヨッコさん『そうか』

ヨッコさん『待っていろ、だが電話の内容は聞くな』

出前二丁『え?』



prrrrrrrrr!!!! prrrrrr!!!!





リビング

吹雪「……?こんな時間に誰だろ……?」カチャッ

吹雪「はい、前浜町ニ丁目鎮守府です」

横督『……吹雪か、大井は居るな?』

吹雪「お、大井さんですか?えっと……は、はい、代わります」

横督『時間が惜しい、急げ』

吹雪「は、はい……大井さん?あの……横須賀さんからお電話です」

大井「よ、横須賀?私に?」

吹雪「え、えぇ……」スッ

大井「……」カチャ

大井「は、はい……お電話代わりました、重雷装巡洋艦大井です……」





そろそろ始めようとしよう

横督『……重雷装巡洋艦……か』

大井「……え、あ、は、い……?」

横督『貴様らの噂は聞いている、随分と変わった種な艦娘のようだな』

大井「え……えぇ……よく言われます」

横督『…………』ペラッ

横督『だが、十分な戦果を挙げている、魚雷の腕前に関しては改二の貴様らを除いて右に出るものは居ないらしいな』

横督『負傷しながらも棲地MIに存在する殆どの駆逐艦を沈めたその功績は評価できる』

大井「……はぁ……ありがとうございます……」

吹雪(……あの人が褒めてるの?一体どういう……)ピクッ

北上「?」

横督『……貴様の腕は呉の新米少佐も評価しているだろう、これからも期待に応え給え』

大井「は、はい……」

大井(新米少佐?うちの提督って確か少々か中将じゃなかったの?)

横督『……』

大井「……」

横督『五遊隊の連中とはよくやっているか?』

大井「……正直な所、あまりうまくは……」

横督『ほう、旗艦の貴様が上手くやれないと感じているなると……部隊全体の調和はあまりとれていないか』

大井「えぇ……」

横督『それは良くない、だが、これから良くしていくといい』

大井「……」

横督『……そうだな……他に言うべきことはあるか……』

大井「あの……そろそろ本題に入ってもよろしいのでは?」

横督『……』

大井「どんな風の吹き回しか知りませんが、不仲である横須賀の提督が呉の私に用がある?」

大井「何か言いたいことでもあるのでしょう?」

横督『当然だ、貴様のような姉妹艦に依存しきった役立たず……』

大井「な……!!」ミシッ

吹雪「で、電話が!」

北上「大井っち……リラックス……リラックス……」

横督『失礼、失言だったようだな……言いたいことは勿論ある』

大井「……何でしょうか」

横督『では言わせてもらおう、北上を明日までに呉に戻せ』

大井「!!」

大井「な、何故ですか!?」

横督『状況は聞いている、私から見てこの程度の負傷で2週間の療養は長すぎると判断したからだ』

横督『貴様らが考えているよりも呉の負傷状況は酷い、身体的負傷は勿論、心労により療養を求めている艦娘が大勢いる』

横督『そんな状況で北上のような軽傷の艦娘を療養させるのはあまりに非効率的だ、分かるな?』

大井「…………」

横督『要件は伝えた、明日までに北上を呉に帰投させろ、以上だ』

大井「……くぅ……!!」

横須賀鎮守府 司令室前

天龍「…………」ポカーン

【入ったら射殺】

若葉「立入禁止だ」フンスッ

天龍「わーってるよ……何してんだアイツ」

若葉「レズビアンの極意を教わった提督はそれを実践している、彼の頑張りを無碍にするな」

天龍「れ、レズ……コミュ力でも治そうとしてんのか?」

若葉「そうだ…だが、あの様子だとまた反感を買いそうだな……」ヤレヤレ

天龍「たりめぇだろ……努力の方向性を間違ってるんだっての……だいたい何でよりによって同性愛なんだよ……」

叢雲「……部屋の前で何をしているの?」スタスタスタ

天龍「……ん」ユビサシ

叢雲「入ったら射殺……?またふざけたことを……」スタス

若葉「提督の言うことは絶対だ、入るな」

叢雲「秘書艦特権よ、どきなさい、用があるの」バンッ!!

ピシュッ!! チュンッ

叢雲「ヒィッ!?」

横督「命令は命令だ、貴様がなにを騒ごうと北上の帰投命令を覆すことができない」チャカッ

横督(次は当てる、出て行け)アイコンタクト

叢雲「……」コクッ

バタン

叢雲「……で、電話中みたいね……」

若葉「減音銃の餌食になるのは格好が悪い、今は諦めろ」

叢雲「そ、そうね……」

天龍「……誰と電話してんだ……?」

横督(……本音を聞きたい時は想い人を引き離す……普通の人間相手と変わらんな……)

大井『ふざけないで!!大体何で貴方みたいな見ず知らずの他人にそんな命令をされないと行けないのよ!!』

横督「貴様は北上以外の艦娘のことを考える所から始めろ、周りのことを見れないようではこの先孤立するぞ」

大井『構わないわ!!北上さんと一緒にいられるなら孤立したっていい!!!』

大井『北上さんが無事なら……!!私はどうなってもいいわ!!!!』

横督(切羽詰まった時に想い人だけでも無事でいられる等の言葉を口走る時は、想い人に何かがあった時……
    平常時は一緒に死ぬ、一緒にどこまでも突っ走る、などの言葉を使う……)ペラッ

横督(あの女、どこまでレズビアンのことを知り尽くしているのだ……)

横督「ほう、北上が無事ならば……か……」

大井『そうよ!!』

横督「……となると、貴様より北上の方が怪我が酷い、と言いたいのか」

大井『っ……私の方が怪我は酷いわ……でも私は北上さんと一緒に!!』

横督「妙だな、報告書には貴様の方が重傷だと書かれていたが?」

大井『何勝手に話を進めてるのよ!!北上さんの怪我はなんとも』

横督「少しは黙れ、嘘吐き共が」

大井『……!!』

横督「……これだから自己申告制は信用出来ないのだ……」チッ

横督「シラを切るのもいい加減にしろ、貴様は今まで勢いで乗り切っていたようだが、私にそれが通用すると思うな」

大井『……何の話よ……!!』

横督「いい加減吐け、北上に何があった」

大井『だから北上さんは何も!!』

横督「……私にこれ以上嘘を吐くつもりか」

大井『嘘なんか言ってない!!私はただ北上さんと離れたくないだけよ!!』

横督「貴様の我侭で北上を離さないというのなら、この話はそのままだ、北上を呉に戻す」

大井『っ……!!!』

横督「……だが、貴様は北上を戻したくないのだろう?北上に何があった、正直に話せ」

大井『……』

横督「……何故話せん、余程酷い傷なのか」

大井『……』

横督「深い傷ならば尚更正直に話すべきだ、北上の傷によっては二丁目の療養ではどうにもならんだろうからな」

大井『じゃあどうしろっていうのよ……解体は許さないわよ……!!二丁目で直せないなら何処で治せっていうのよ!!』

横督「貴様はホームステイに何を期待しているのだ、怪我を治すなら民家ではなく医務室に行け」

横督「医務室で直せない傷ならしかるべき所で治療をするべきだろう、二丁目で何でも治せると思ったら大間違いだ」

大井『でも!!魚雷の傷なんか治せるわけ無いじゃない!!』

横督(……魚雷負傷か……)

横督「……魚雷程度の傷で何を騒いでいる」

大井『ただの魚雷ならね!!身体侵食の恐怖を知らないからそんな事を言えるのよ!!』

横督(侵食魚雷……霧の連中とは違うタイプの事を言っているのか……北上が生きているということは……
    しかし身体侵食……深海棲艦化を懸念される負傷か……想像より酷い……)

横督(……こういったケースは即解体が基本だが……)

横督「……話は分かった、だが北上を下げる事に変わりはない」

大井『貴方は何も分かってないわ!!北上さんは今でも苦しんでるのよ!?ふざけないで!!!』

横督「話を聞けサイコレズ、何も解体する訳ではない、横須賀に療養箇所を移すだけだ」

大井『……なんですって……!?』

司令室前

天龍「……おい、今の聞いたか?」

叢雲「……大井と北上……いや……北上だけかしら……?」

天龍「……みてぇだな……っつーか……レズ関係なくねぇか?」

若葉「…………」






二丁目鎮守府 リビング

大井「……どういうことよ……!!!」バチバチッ

吹雪「は……あわぁ……で、電話が……電話が……!!」

北上「お、大井っちぃ……まずは手の力を抜いてってばぁ……!」

提督「横須賀に北上ちゃんを移す……?」

横督『横須賀鎮守府に医療器具がある、と言っている』

大井「……言っておくけど、深海棲艦の針はもう試したわ」

横督『そうか、ならば話は早い、例の針を艦娘用に改修した機械を使用する、実験機だがな』

大井「……」

北上「……大井っち、何を話してるんだろ……」

吹雪「……療養箇所を横須賀に移す……って言ってるみたいですけど……」

北上「よ、横須賀ぁ!?大井っちは!?」

吹雪「まだよくわからないです……でももしかしたら……」

大井「……それで、北上さんは助かるの?」

横督『侵食剤の除去自体は成功している、血液変換も問題ない』

大井「…………」

横督『後は艦娘を使用した臨床試験を行うだけだ、貴様らがいると助かる、あんな魚雷を避けれん間抜けはうちに居ないものでな』

大井「…………」ギリィッ

横督『貴様の切羽詰まり方を見ると、どうやら北上の状態は相当ひどいものと思える、時間がないのだろう?』

大井「…………」

横督『まぁ、北上には呉に向かうか横須賀に向かうか、明日までに決めてもらうぞ、特別に貴様の同行も許可する
    どちらにせよ、貴様ら2人はもう二丁目鎮守府には居られない、明日までに荷物をまとめて出て行け』

大井「な……そんな決定権は」

横督『無いとでも思っているのか?こんな小さな民家一つ、私が指を差せば指を差す方向に向かう』

横督『そうでなくとも、3日以内にしびれを切らした長門が療養期間を縮めていただろうな
    貴様の傲慢な態度は他の鎮守府どころか貴様の所属している呉にすら迷惑をかけている、自覚しろ』

大井「っ……!!」

横督『以上だ、明日までに出て行け、拒否は許さ』

大井「私が誰かと仲良くして何が悪いってのよ!!!!」ベキィッ!!!!

電話『ブツッ』



大井「……」フゥーッ!!!フゥーッ!!!

北上「お、大井っち……」

大井「……北上さん……」

横督「……」ガチャンッ

横督「……さて……」

ガチャッ 

叢雲「っとととっ!?」ドサァッ

横督「聞いての通りだ、準備しておけ、それと、陸軍と連絡はとれたか」

叢雲「えぇ……まぁ……でもどうするっての?今からでも呉の力を借りたほうが……」

横督「戦傷艦娘を頼るほど我々が落ちぶれているとでも言いたいのか、陸軍と我々で片付ける」

叢雲「……そう……じゃあ報告するわ、陸自と陸軍の参加は確定、この作戦は陸軍が指揮をとるそうよ」

叢雲「旧式の艦艇特務兵に80センチ電砲を装備させて東京湾の棲姫を一撃で仕留めるみたい、護衛が必要みたいよ?」

横督「中々大規模な作戦になりそうだな、決行は何時だ」

叢雲「0200よ、住民の避難は完了してるわ」

横督「そうか、第2艦隊を出せ」

叢雲「はいはい」

バタンッ

横督「……」








数十分後 前浜町ニ丁目鎮守府 提督の部屋

提督「…………なるほどねぇ……」

吹雪「……大井さんの話を聞いた限りでは…恐らくそういう事だと思います」

提督「……」アタマカカエ

提督「……で、二人は今いそいそと荷物をまとめてるわけだ……」

吹雪「えぇ、明日までに出て行けって言われたみたいで……」

提督「そうかぁ……何か申し訳ないな……せっかく来てくれたのにこんなんじゃなぁ……」

吹雪「……ヲ級や司令官を傷つけたとはいえ、大井さん……何だかかわいそうかも……許せないけど」

提督「だなぁ……でも許さないんだ」

吹雪「それとこれとは話が別です」プイ

提督「……北上ちゃんは?」

吹雪「大井さんと一緒に荷物をまとめてますけど……北上さんは別に何とも思ってないみたいですね……」

吹雪「でも大井さんは……」メソラシ

提督「まぁ……横須賀さんと話しちゃったしなぁ……」

提督「明日、何かしてあげるか……」

吹雪「そうですね……大井さん……これじゃただうちに落ち込みに来ただけですし……」


提督「……そういや、吹雪ちゃんはどこで寝るんだ?」

吹雪「……」チラ

提督「……俺?」

吹雪「……」コクッ

提督「まぁ、いいかな…………こんな日だ、ずいぶん疲れたろ」

吹雪「そうですね……まだまだ他の人と一緒に暮らすっていうのに慣れてないのかもしれません」

提督「俺も……そうだな……全然慣れてないな……」ギィッ

吹雪「……お互い成長しないといけませんね……」

提督「だなぁ…………」スクッ

吹雪「?」

提督「ちょっと二人の様子見てくるよ、流石に何もなしじゃなぁ……俺からもフォローしないと」

吹雪「え?でも……大丈夫かな……」

提督「死ぬ訳じゃないし、それに恐れてばっかで会話しなかったらずっとこのまんまだ、やるときゃやらないと」

スゥーッ スゥーッパタン

吹雪「司令官……」

スゥーッ

提督「あ、悪い、吹雪ちゃんのかけ布団って何色だっけ?」

吹雪「え?青い布団ですけど……」

提督「了解っ」

スゥーッパタン







吹雪の部屋

トントンッ

北上「提督?」

提督『俺だ、入っていいか?』

大井「……」コクッ

北上「うん、いいよ、入って入って」

スゥーッ スゥーパタン

提督「……大井さん?」

大井「…………」フィッ

北上「んぁー……ちょっと大井っちは話せないかなぁ……あたしが代わりに話聞くよ?」

提督「……そうか……でも……これはちょっと大井さんも聞いて欲しいかなぁ……」

大井「……っく……」クスンッ

提督「ぁーうん……そんな大したこと無いから、後ろ向いたままでもいいから聞いてくれ」

大井「……何?」

提督「そのー……何だ、今日は済まなかったな、君らの事情も知らず、余計なことばっか言っちゃって……」

大井「……別に、終わった事だし……」

提督「北上ちゃ……北上さんのことも、ちゃんと説明とけばこんなややこしい事にはならなかったし」

北上「……」

提督「その……気の利いたことは言えないけど……ここから出ても、頑張ってくれ、ホントに悪いな……何も出来なくて……」

大井「…………」

大井「……ねぇ、一つ、聞いてもいいかしら」

提督「あ、あぁ……どうぞ?」

大井「……同性愛って、どう思う?」

北上「お、大井っち?」

大井「私は北上さんを愛しています……でも、周りの理解が得られないのよ……」

大井「私は北上さんと愛を育みたいだけなの」

大井「なのに……皆……!!皆……!!私の愛が重いだの……怖いだのと……!!」

大井「どうして……!!私の何が間違ってるっていうのよ……!!」グスッ

提督「……」

北上「あー……泣いちゃった……」

提督「大井ちゃん……」

大井「私は……私はぁ……!!うぅ……ううう……!!」グッ

大井「ただ……北上さんと仲良くしたいだけなのに……北上さんを愛してるだけなのに……!!」

北上「……大井っち……」

北上「…………大井っち……こっち向いて……」

大井「北上さん……きたかみさぁん……見ないで……私のこんな情けない姿……ひぐっ……うう絵tん」

北上「……大井っち……ムリしないでいいんだよ……」ポンッ

大井「…………!」

大井「……北……上さん……」

北上「…………大井っち……」スッ

大井「北上さ……んむ……!?」

北上「…………ん…………」

提督「……っと……」クルッ

北上「…………んっ……はぁ……んぅ……」

大井「……んくっ……ぷぁ……んんっ……」

北上「…………っはぁ…………」

大井「……はぁ……っふぅ……」

北上「……愛してるよ、大井っち、重くなんかない……大井っちの愛はちゃんと伝わってるから…………」

大井「…………」

北上「あたしは……誰に抱きつかれようと、絡まれようと大井っちのことは忘れてない……」

北上「だからさ……あたしのことは心配しないで大丈夫……何時も無理し過ぎだよ……大井っちは……」

北上「…………」ギュウッ

大井「……北上さん……!!北上さん……!!お姉ちゃん……!!」

北上「……うん……もう大丈夫……大丈夫だから……妹に無理させる姉で……ごめんね……?」

大井「…………ぁぁぁ……うぁぁぁぁぁ……!!」

提督「……」

提督(……一件落着……じゃないよな……とりあえず布団持ってくか……)

提督(愛の形も色いろあるんだな……さて……部屋で書類仕事でもするか……今日は大変だぞ……)

スゥーッ ゴソゴソッ スゥーッパタンッ

深夜 横須賀鎮守府

横督「佐世保提督……ふむ……」

横督「斉藤由里……か……まぁ……記憶には留めておこう……か」

叢雲「なーにカッコつけて本名覚えようとしてんのよ、村上一さん」コトッ

叢雲「どうせ後にも先にも呼び名は佐世保でしょうに」コトッ

横督「本名あっての呼び名だ、人間にとって名前というものは大事なのだよ、ミルクはどうした」

叢雲「はい、ミルク……そんなものなの?」

横督「当たり前だ」カチッ トトトッ クルクルッ

横督「……横須賀提督だの司令官だの呼ばれているのは決して愉快なものではない」

叢雲「へぇ……そうなの、じゃあ、これから私はアンタのことを村上さんって呼ぶけどいい?」

横督「……せめてハジメと呼んでほしいものだな」

叢雲「じゃあ、一さん」

横督「……やはり今まで通りでいい、むず痒い」

叢雲「そう?」フフッ

横督「……そろそろ作戦開始時刻だ、映像を」

叢雲「分かったわ、一さん」ヴンッ

横督「死にたくなければ今すぐ呼び名を治すことだ、いいな?」

叢雲「怖いわねぇ……さぁ……はじめましょうか、司令官」

横督「いいだろう」


ヒエンコウゲキタイジュンビカンリョウ オウカ ヨウイデキテイルナ!?リッコウニツメ!

ショウコウドノ テイトクドノ サクセンカイシデアリマス!! デンジホウチクデンカイシ!!!





提督の部屋 

吹雪「それで……どうなったんですか?」ストッ

提督「キスで目覚めたみたいだ、多分明日の大井さんは素直になってると思うけど……」カタカタ

吹雪「そっか……良かった……」

提督「…………全く……疲れたなぁ……」カタカタカタカタッ ッタン

吹雪「そうですね……」

提督「これで……送信っと…………でも北上ちゃんも大井さんもいなくなるって事は……明日中に新しい艦娘の療養を始めないと駄目なのかな……」

吹雪「一日でも早く量を終わらせて通常状態に戻さないとダメですし……早いうちのほうがいいと思いますよ?」

提督「そうか……じゃあ明日中に大井さんたちと相談しようかな……あの二人は呉の人達だし詳しいかもしれないな」

吹雪「はいっ……あ、お仕事終わりました?」

提督「待ってくれよ……よっと……」カチッ 

提督「これで終わりっと……ふぅぅ……」ギィッ

吹雪「お疲れ様です、司令官」

提督「はぁー……疲れたー……」ボスッ ゴロッ

吹雪「じゃあ、電気消しますね……」カチッ

提督「ありがとー」






吹雪&提督「「ね、寝れない……!!」」

ふみぃ……ねるねー

ふぅ……短いがやるかな

深夜3時程 中学校付近 川

空母ヲ級「…………淡水か……」

空母ヲ級(あまり入りたくないが……仕方ない……)ザブッ

空母ヲ級「っ……」ピリッ

空母ヲ級「……こんな所に居るのか……?血液を癒やすカギが……」ポワワーン


-----------------------------------------------------

数時間前

空母ヲ級「川底棲艦の親玉?」

戦艦レ級「あぁ、さっき艦載機が見つけたみたいでさ、ネ級をちっこくしたような奴みてぇだ」

空母ヲ級「ネ級?ネ級ってあの重巡のか?」

戦艦レ級「そ、そのネ級、近所の人間のアイドルみてぇな存在らしい、アイツならキタカミ?の侵食剤を取り除く鍵になるはずだ」

空母ヲ級「ほう……というか、あ、アイドル?あの仏頂面の典型みたいな奴がアイドルだと?」

戦艦レ級「ネ級の割にやたら表情豊からしいぜ……まぁ、見に行ってみろよ」

空母ヲ級「にわかに信じ難いな…………所でお前、何艦載機を使っているんだ、お前の艦載機はもうないはずだろう」

戦艦レ級「…………」メソラシ

空母ヲ級「返せ、今なら尻尾踏み躙るだけで許してやる」

戦艦レ級「は、裸足……だよな?」

空母ヲ級「ヒールだ」ニコッ

戦艦レ級「……返さなかったら?」

空母ヲ級「目玉だ」

戦艦レ級「スミマセンでした許してください返しますヲ級様悪気はなかったんです一応成果は上げたから許し」


ズンッ グリッ アギャァアァァァァァーーーーーーッッ!!!!!!!!

-------------------------------------------


空母ヲ級「…………」

空母ヲ級(……おかしい……親玉どころか川底棲艦すら居ないじゃないか……)

空母ヲ級「…………一体何処に居ると言うんだ……」ザブザブザブ


チリンチリン

女中学生「ん……?何あれ……えっと……懐中電灯懐中電灯」カチッ ピカァッ

空母ヲ級「っ……眩し……?」

女中学生「えっと……ど、どうしたんですか……?」

空母ヲ級「…………」

女中学生「…………え?」

空母ヲ級「……はっ!まずい……!!」

女中学生「えっ……川底棲艦……の……虫母ヲ級……だっけ……?」

空母ヲ級「……は?」

女中学生「……でも……あのヲ級ってたしか「を」しか喋らないんじゃ……」

空母ヲ級「…………」

空母ヲ級(今の所敵意はないのか……?しかし何故こんな子供がこんな時間に出歩いている……人間にも夜戦好きが居るのか……?)

女中学生「…………」

空母ヲ級「……用がないなら帰った方がいい、こんな時間に歩くと深海棲艦に襲われるかもしれないぞ」

女中学生「…………」

女中学生「……」

空母ヲ級「……何か事情でもあるのか?」

空母ヲ級(早く帰ってくれないか……)

女中学生「特に……これといった事情は……ないけど……それに、そろそろ日が昇るから……」

空母ヲ級「……そうか……なら帰った方がいい、提督が心配しているだろう」

女中学生「ていとく?」

空母ヲ級「あ…………お、親のことだ……すまない、元艦娘なもので……」

女中学生「!」ピクッ

空母ヲ級(しまった……!!バレたか……!?)

女中学生「あ、あなたも艦娘……!?」

空母ヲ級「へ?」

女中学生「わ……私も元艦娘なんです……でも……人間にされちゃったみたいで……」

空母ヲ級「そ、そ……そうか……それは……き、奇遇だな……昔の名前は何だったんだ?」

女中学生「……それが……分からないんです……昔のことは全く……」

空母ヲ級「……覚えていないのか……?」

女中学生「……」コク

空母ヲ級「そうだったのか……今の名前は覚えているか?」

女中学生「梅月めい……です」

空母ヲ級「……めい……か」

空母ヲ級「……蒼髪……だったか……きれいな髪の色だな」

女中学生「……そう……かな……?」

空母ヲ級「あぁ……だが……何故こんな時間に出歩いているんだ、理由でもあるのか?」

女中学生「……うん……この時間は人がいないから……一人で空を見れるでしょ?」

女中学生「……川底棲艦の元艦娘さんは……どうしてこんな時間に?」

空母ヲ級「……まぁ……私にも色々事情があるんだ……眠れない日は誰にだってある」

女中学生「……そうなんだ……」

空母ヲ級(私の嘘が通じるとは……ずいぶん抜けた子だな……こんな子が艦娘をしていたのか……?)

空母ヲ級(だが……こんなタイプは見たことがない……相当無名な艦娘だったんだろう)

空母ヲ級「まぁ……とにかく今日は帰ったほうがいい、お前のような子は狙われやすい筈だ、私もそろそろ帰るからな」

女中学生「……うん、じゃあ……帰りますね」ペコッ

スタスタッ ステッ タッ……

空母ヲ級「…………?」

女中学生「じゃ、じゃあ……失礼します……よいしょっと……」カチャンッ モタモタ


サヨナラー チリンチリン


空母ヲ級(……あの暗くてよく見えなかったがあの足……人口の足か?)

空母ヲ級(…………)

空母ヲ級「……元艦娘というのも大変だな……」ザブッ

空母ヲ級「……人の手で作られた足では歩くのも大変だろうに……辛いだろうな……」

空母ヲ級「……まぁ……下手に気にしてはあの子にも悪い……とにかくあの川底棲艦を探さなければ……」ザブザブッ


数十分後

空母ヲ級「…………」ザクザクザクッ

空母ヲ級「く……これほど掘り起こしても見つからんとは……」

空母ヲ級「……見つかったか?」

艦載機「……」ピピピッ

空母ヲ級「……ダメか……くそ……何処に……」

ザバッ

空母ヲ級「?」

浄水ネ級「……」ジッ

空母ヲ級「……」

空母ヲ級「……ネ級?」

浄水ネ級「…………」ジィッ

浄水ネ級「……」ユビサシ

空母ヲ級「……何だ?私の足元がどうかしたか?」

浄水ネ級「……」コク

浄水ネ級「……」ユビサシ

空母ヲ級「…………」

ドロッ

空母ヲ級「何だと言うんだ、まさか川に入るなとでも言うのか?」

浄水ネ級「……」コク

空母ヲ級「…………私が深海棲艦だからか」

浄水ネ級「……」キッ

空母ヲ級「……ほう……その態度……私に楯突こうというのか……劣等種に何が出来」

浄水ネ級「…………」ムムムッ…ムンッ!!

空母ヲ級「……な!?」フワッ

空母ヲ級(か、体が浮いて……!?)

浄水ネ級「…………!!」クイッ

ブンッ

空母ヲ級「っ……!!ぐぅっ……!!」ザバァッ ドサァッ

空母ヲ級「く……こいつ……!!」ザッ 

浄水ネ級「……」キィィンッ

空母ヲ級「……青目……重巡でもないノーマルタイプに空母のわたs」

浄水ネ級「…………」クイッ

ザバァァァァァッ ゴゴゴゴゴゴゴッ

空母ヲ級「え、ちょ……その岩は洒落に」

浄水ネ級『ヨゴスナ、デテケ』クイッ

空母ヲ級「ちょ、ちょっと待て!!誤解だ!!私は川を汚しに来たんじゃない!!提督の!吹雪の使いだ!!やめろ!やめてぇ!!」

浄水ネ級「……!」ピクッ

ドボォォォォォンッ

空母ヲ級「……うぅ……!!…………?………………た、た、助かった……」

説明後

空母ヲ級「キタカミを救うのに………お前の力を借りたい」

浄水ネ級「…………」フムフム

浄水ネ級「…………」コクッ

空母ヲ級「……そうか……彼女の汚れた血を普通の血に治してやってほしい……そういうことも出来るか?」

浄水ネ級「……」コク

空母ヲ級「ありがとう……朝の間に彼らを連れてくるようにする……待っていてくれ」

浄水ネ級「……」コクコク

空母ヲ級「……」チラッ


チチチチチチッ 


空母ヲ級(時間がない……)

空母ヲ級「すまないネ級、約束は果たすから待っていてくれ、じゃあ!」

浄水ネ級「……」コクコク ピョンッ ザブンッ

空母ヲ級「日が昇ってしまった……急がなければ……」

タッタッタッタッタッ






灯台付近

空母ヲ級「っふぅ……ふぅ……!」

空母ヲ級「…………な!?」


釣り男『釣れへんのぉ……ここほんまに釣れるんか?』

釣り男『当たり前や、深海棲艦っちゅうわけの分からん奴のおらん釣りスポットやで、釣れるに決まってるやろ』

釣り男『そーゆーんは爺さんの考えやっちゅうに……ホンマにジジイになったのう冴島……』

釣り男『お前よりはマシや』


空母ヲ級(釣りか……!く……姿を見られたらマズい……だが老人とはいえ気絶させるのは心が痛む……)

空母ヲ級(……艦載機を飛ばして気を引くか……いや、それでは根本的解決にはならない……)

空母ヲ級(どうする……考えろ私……!)


ブンッ ドボォーーンッ!!!

空母ヲ級「!」


釣り男『な、なんや!?クジラでもおるんか!?』

釣り男『ほぉ……ごっつい大物がおるやないか……』

釣り男『いやいや!洒落にならんで!深海棲艦やったらどないすんねん!?』

釣り男『ドスで突き刺したれ、今も持っとるやろ』


戦艦レ級『……』テマネキ

空母ヲ級(感謝するぞ……!!)

タッタッタッタッタッ

テトラ棲地 海底

戦艦レ級「で、どうだった?」

空母ヲ級「何とか交渉には成功した、血液の浄化も可能みたいだ」

戦艦レ級「そいつは良かった……んだが……ちょっと厄介な問題が発生したみてぇだ……」

空母ヲ級「……どうした?」

戦艦レ級「いやぁ……ちょっと気になって鎮守府の方見たらさ……何かキタカミらの荷物がまとめてあったんだよ……」

空母ヲ級「……それはそうだろう、荷物を散らかして生活する奴は居ないはずだ」

戦艦レ級「馬鹿、そういう意味じゃねぇ、あいつら今日でどっか行くつもりだって事だ」

空母ヲ級「な!?馬鹿な!彼女らは2週間ここに居るって」

戦艦レ級「予定が変更になったんだろ……こりゃ……まずいな……」

空母ヲ級「……出来て応急処置程度か……ネ級の力が試される……ということか?」

戦艦レ級「あぁ……ったく……艦娘ってのはどうしてまぁこう忙しいのかねぇ……」

空母ヲ級「そうだな……」ゴロッ 




空母ヲ級「……なぁ……レ級」

戦艦レ級「あん?」

空母ヲ級「お前、ウメヅキって艦娘、知ってるか?」

戦艦レ級「はぁ?誰だそれ」

空母ヲ級「やはり知らないか……いや……特にこれといった意味は無いが……」

戦艦レ級「……そーかい……」

空母ヲ級「あ、それと……人工の足って正しくはなんて呼ぶか、知ってるか?」

戦艦レ級「義足だ、ぎ、そ、く」

空母ヲ級「そうだった……義足だったか……そのウメヅキって子はな……両足に義足を付けてたんだ」

戦艦レ級「……両足?」ピクッ

空母ヲ級「あぁ……髪は青色で……どこか抜けた正確だったな」

戦艦レ級「ふーん……」

空母ヲ級「めい……ウメヅキ……どういう意味なんだろうな……」

戦艦レ級「さぁな……馬鹿なこと言ってねぇで治療器具の準備しとけ」

戦艦レ級(いきなり何言い出すかと思えば……)

空母ヲ級「どうした?」ヌギッ

戦艦レ級「ん?なんでもねぇよ、あと帽子は床じゃなくて壁にかけろ、踏んだらいてぇんだよそれ」

空母ヲ級「あ、あぁ、悪いな」

戦艦レ級「ったく……」

戦艦レ級(両足の吹き飛んだ艦娘……ね……アイツじゃねぇよな……アイツは金髪だったし)スィーッ

戦艦レ級「って!」ゴンッ

空母ヲ級「大丈夫か?」

戦艦レ級「お前の帽子……デケェんだよ……」ヒリヒリ

あーまじで死ぬ……死ぬほど寝かせてぇ……

ここの皐月ちゃん(暫定)は両足吹っ飛ばされたのか……

ここの皐月ちゃん(暫定)は両足吹っ飛ばされたのか……

連投になってもうた……
すみません

もうすぐ始めるよ!

朝 前浜町ニ丁目鎮守府

大井「忘れ物はない?北上さん」

北上「ん、大丈夫だよ大井っち……大井っちはない?」

大井「私は大丈夫よ、北上さん!後は……」

チュッ

北上「あ……そうだったね……」

大井「えぇ!これで心置きなく旅立つことが出来るわ……!」

北上「えへへ……そうだね……」

キャッキャッ ウフフ

吹雪「……」

提督「……」

提督(悪化した……)

吹雪(これは……熱々というか……)ゲンナリ

提督「あ、あのー……」

大井「はい?」チラッ

提督「!」

吹雪「!」

大井「何ですか?」

提督「あ、あぁ、そうだな……えっと……ちょっとこの紙を見て欲しいんだけど」ペラッ

北上「ん?」

大井「?」

大井「これは……呉鎮守府の負傷艦娘?」

提督「あぁ、多分君たちが呉か横須賀に言ったらすぐに艦娘の受け入れをしないといけないんだ」

北上「ふんふん……」

吹雪「だから、お二人に今最もここを必要としている艦娘を選んでもらおうかと思いまして」

大井「なるほど……北上さんは誰がいいと思います?」

北上「いやぁ……大井っちが決めてよ、大井っちの選択に間違いはないんだからさっ」

大井「北上さん……!」キラキラ

吹雪「……」

提督「……」

大井「……コホンッ……じゃ、じゃあ……!」ピシィッ




大井「↓4とかなら……一番効率がいいかもしれないわね……ペアより一人のほうがここはやりやすいと思うわ」

北上「↓4?でも……大丈夫かな……」

1.赤城さん

2.加賀さん

3.睦月

4.夕張メロン

5.デース

6.霧島

7.ヒェー

8.響

9.電

10.夜戦バカ(川内)

     川     内
大井「やかましい夜戦バカね」

北上「川内ぃ?何で?」

大井「あいt……あの子は確かこの間の夜戦で思い切り貰ったじゃない?その傷が完治したらしいから、リハビリにいいと思ったの」

北上「あ~……あの時の傷だっけ?治ったの?」

大井「えぇ、いつもの時間に騒ぎ出したからそろそろ完治に向かってるはずよ、リハビリをしてちゃんと前線で活躍してもらわないと」

北上「へぇ~……」

大井「それに短い期間だけど2000時からの時間をを静かに暮らせるじゃない?」ボソッ

北上「……大井っち、ホントはそれが目的なんじゃないの?」

大井「ギクッ」

北上「……ま、いいか~とりあえずあたしらは川内を推すよ?あの子もここで休ませてあげたら?」

吹雪「川内さん……夜戦に関しては右に出る者が居ないって聞くけど……どこを怪我したんだろう……」

提督「……川内さんか……なるほどね……」チラッ

提督「って、二人共時間だな、そろそろ行こうか、荷物大丈夫?」

大井「えぇ、大丈夫ですよ」

北上「元々そんな重い荷物じゃないしね……あ、吹雪、悪いけど肩貸してくれる?」

吹雪「あ、はい!よいしょっと……」

北上「悪いね……じゃ、行こっか」

吹雪「はい!」

ガララッ ガラララッ ピシャッ



前浜町 坂道

大井「…………頼りになるわね、駆逐艦は」

提督「だろ?……そういえば、白雪ちゃんはどう?」

大井「あの子に似てとてもいい子よ」

提督「そうか…………」

大井「えぇ、うちの提督が選ぶ理由が分かる気がするわ」ニコッ

提督「……というか、昨日の今日でどえらい変わりっぷりだな……」

大井「そうかしら?これが素なんだけど……」

提督「……そ、そうなのか……?…………」

提督(心なしか肌がツヤツヤしてるような……)

北上「いったたた……!」

吹雪「大丈夫ですか?」

北上「いやぁ……昨日は無茶しすぎたみたいでさ……あぁー……痛い……」

吹雪「……ムリしないでくださいね?」

北上「ん、ありがと……はぁー……もうやだ……」


灯台付近

ベントウノウナッテシモウタ シャーナイ コウテコヨカ コンビニトオイノウ…


提督「そういえば結局二人はどこ行くの?このまま呉に帰るのか?」

大井「治療を優先したいから……ちょっと不本意だけどこのまま横須賀に行く予定よ、で……なんだけど……」

吹雪「はい、大井さん」チャラッ

大井「?」

吹雪「曳航ベルトです、使って下さい」

大井「吹雪……いいの?」

吹雪「はい、私ができるのはこれだけなので……」

大井「吹雪…………」


チャラッ

大井「ありがと、あなたも好きよ」

吹雪「…………私はまだ好きにはなれないです……」

大井「……そう……」

吹雪「だから、また来て好きにさせて下さい、次は歓迎します」

大井「……!」

大井「……」フフッ

大井「分かったわ、今度は吹雪を虜にしてあげる……北上さん」

北上「ん、大丈夫」

大井「はい……」キュッ ギュッ カチャカチャカチャッ

北上「……留まった?」カチャッ

大井「……ええ、水に入りますね?」


ザブッ ザシャゥッ


吹雪「あ……司令官!!書類!!」

提督「……あぁ!お、大井さん!!これ!!これっ!!えっとペンは……あったあった!」

大井「……全く……」シャァゥ

カキカキカキ

大井「はい……じゃあ……行くわね?もう何も忘れてない?」スッ

提督「えーっと……」

吹雪「解任書類は?」

提督「大丈夫」

吹雪「横須賀に送るハンコ付き書類は?」

提督「今日送る、大丈夫」

ジャア、アレトコレトソレ ソレト……

ダイジョウブダッテ……アノショルイダケダカラ……


北上「……仲いいねぇ……」

大井「本当……」

大井「…………」

北上「大丈夫だよ、横須賀でも今日みたいに素直でいれば……みんなちゃんとイメージ改めてくれるよ」

大井「…………」コクッ

大井「じゃあ、行くわね、また!」ザシャァゥッ

北上「またねー」

吹雪「また来てくださいねー!!」

提督「ぐっばーい」

ケガシタラネーッ
サヨナラーッ










ドドドドドドドドドドドッ!!!!
スタタタタタタタッ!!!!


オエーーッ!!! ニガスナァーーーーッ!!!!



吹雪「?」

提督「ん?」


ドドドドドドドドドドドドドドッ!!!!!!!!!


空母ヲ級「レ級!!走れ!!!もっと早く走れないのか!!!!」ドドドドドドドッ!!!

戦艦レ級「んだぁっから!!!アタシの足はっ!!地上を走る用じゃねぇって!!!」ゼェッゼェッ!!!!

浄水ネ級「っ!っ!っ!」イソイデイソイデ

空母ヲ級「このまま海を浮くぞ!!なんとしてもアイツの足を治すんだ!!!」

戦艦レ級「どけどけどけどけどけぇぇぇぇぇ!!!!!」

ドドドドドドドドドドッ!!!!!!!

ゴォォォォォォォォッ

吹雪「え、何ですかあれ」

提督「さぁ……でも何かこっち来てない?」

吹雪「…………」

提督「……来てるな……」

ォォォォォォォォォォ

吹雪「し、司令官!!避けないと!!」

提督「でもどっちに!?右は海、左はテトラポッドだぞ!?ちょっと突き出てるせいで退路g」

オオオオオオオオオ

吹雪「海!海です!!海に飛び込めば……あぁぁもうダメぇ!!!」バッ グィッ

提督「うぉぉっ!?」バッ


ザッブーンッ


戦艦レ級「よしっ!!定位置!!」ズザァァッ

空母ヲ級「頼む!!」ダダダダッ バッ

戦艦レ級「任しとけ……!!どぉぉぉりゃあああああ!!!!!」ガシッ ブゥゥンッ!!!!

ヒュンッ!!! ビュゥゥゥゥーンンッ!!!!!!

空母ヲ級「待ってろキタカミ!!今すぐ直してやるからな!!!!」ゴォォォォォ!!!

キラーン

数時間前 テトラ棲地

空母ヲ級「……だが……あいつらが帰るということは……帰り道がああるはずだ……」

戦艦レ級「帰り道……となると……近くの灯台か?」

空母ヲ級「……恐らくな……だが……あそこでは人目につく……夜でない限りあそこに行くのは危険だ」

戦艦レ級「……今の時間外に出たらどこでも危険だと思うんだけどな……」

空母ヲ級「……だが、それは違う……お前は知ってるか?人間の今どうなっているか」

戦艦レ級「何って……そりゃ普通に日常生活送ってんだろ、いきなり何言ってんだお前」

空母ヲ級「……甘いな、人間の今は「ナツヤスミ」というイベントの後半だ、これがどういう意味かわかるか?」

戦艦レ級「ナツヤスミの後半?」

空母ヲ級「言ってしまえば、子供が外に出ない日が続くんだ、それに応じて大人も出てこなくなる……」

空母ヲ級「……「シュクダイ」という試練を超えるために大人も子供も住処から出てこなくなるんだ」

戦艦レ級「……つまり、どういうこった?」

空母ヲ級「鈍いやつだなお前は……人口の少ない前浜で子供の集まる場所が手薄になるということだ」

空母ヲ級「……つまり、人通りの少ない所で提督がよく通る道を割り出せば……」フフフッ

戦艦レ級「応急処置を施すチャンスが生まれるってことか!!」

空母ヲ級「そういう事だ……よし!そうと決まればすぐに調べるぞ」

戦艦レ級「お前やっぱ頭いいな!尊敬するぜ!」

空母ヲ級「よせ、照れるだろう…………しかしやはり子供が集まって治療の行える場所は限られるな」

空母ヲ級「……行け、お前たち、情報を集めてくれ」


艦載機s「!」ピューンッ



数分後

空母ヲ級「……候補を挙げると、この3つのポイントだな」クイッ 

戦艦レ級「鎮守府の前……お前が昨日行った川沿い……それと、棲地の前か……」

空母ヲ級「……川沿いならすぐに川底棲艦とコミュニケーションを取れる」

戦艦レ級「でも、提督はここ通るか?」

空母ヲ級「通るな、絶対に、ここは提督が何時も散歩する道だ、お喋りな彼なら必ずここを通る」

空母ヲ級「なぜなら……」

戦艦レ級「?」

空母ヲ級「ここを通って回り道をすれば時間が稼げる、さり気なくお喋りをするには重要な拠点となるからなっ」ドヤ

戦艦レ級「確かにそうだ……相手の気持を読み取ればここが一番自然になる……」

戦艦レ級「よし……ここに決定だな」

空母ヲ級「あぁ……そうと決まれば直ぐに出発だ、行くぞ!変装を忘れるな!」


戦艦レ級「あぁ!行くぜ!」ドシューンッ




現在 太平洋上 地上2メートル 時速600キロメートル

空母ヲ級(あれから数時間……待てど暮らせど来なかった……またしても私の計算が外れるとは……!!)ゴォォォォッ!!!!

空母ヲ級(だが悔やんでなど居られない)

空母ヲ級(無事か!?ネ級!!障壁に穴は開いていないな!?)

浄水ネ級「……」コクコク

空母ヲ級(そうか……いた!!)


大井「……」

北上「~♪」

大井「……」パァァッ


空母ヲ級「補足される前に決めるぞ……準備はいいか!?」

浄水ネ級「……?」

空母ヲ級「……わからないか……!まぁいい!あの引きずられている奴の血を癒やすんだ!やるぞ!!」ゴォォォォッ!!!

浄水ネ級「……」コクッ

空母ヲ級「……行くぞ!!!」


ゴォォゥッ!!!


空母ヲ級「……!!」

浄水ネ級「……」スッ


ナデナデッ


ゴォォォォウッl!!!!



アレ?トマラナイ……ウワッ!!ダ、ダレカトメテクレエエエエエエエエーーーーーーーーー…………






北上「……あれ?」

大井「……北上さん?」

北上「……んー……なんか……痛みが引いたような……あれぇ?」

大井「……北上さん!?」バッ

大井「ほ、本当……足の傷が……かなりマシに……な、何故……?」

北上「…………」

大井「北上さん……」

北上「大井っちぃ……!!」ギュゥッ

大井「北上さぁん!!北上さん良かったぁ……!!」ギュゥゥッ







トラック島

空母ヲ級「……うぅ……死ぬかと思った……」ガサッ

浄水ネ級「…………」ドヤッ

同時刻 前浜町 灯台

吹雪「……」ゴボボッ

吹雪「……ぷぁっ!はぁっ……はぁ……」ザバァッ

吹雪「しれい……かんっ!」グイッ

ザバァッ

提督「ぶはぁっ!!げっほげほっ!……ふぅ……はぁ……!!」

提督「ごほぉっ!!」

吹雪「わっぷ!……汚い!!」ジャブッ ジャブジャブッ

提督「ゲホッゴホッ……悪い悪い…………書類は無事か……?」

吹雪「無事なわけ無いでしょ……」ジロッ


戦艦レ級『……うーっわ……あいつ何処行きやがった……?途中で方向転換しやがったけど……』


吹雪「……」チラッ

提督「……」コクッ

吹雪「……」ザバッ ビチャッ ビチャッ

吹雪「…………」ビチャッビチャッビチャッ

レ級尻尾「……」フリッ♪ フリッ♪ ……ピクンッ! 

吹雪「……」チラッ

提督「……」コクコクッ

吹雪「……」フッ

吹雪「……えいっ!!!!」ブミッ

戦艦レ級「んぁぁっ!!!!?」ビクンッ!!!

吹雪「いきなりっ!!人を!!海に!!突き落として!!何のつもりなんですか!!」ブミブミブミブミブミッ!!

戦艦レ級「やっ!!いでぇっ!!痛い!!や……あぁ……き……痛い!!!」ビクッビクンッ!!

吹雪「……ふぅー……!!ふぅーー!」

戦艦レ級「はっ……あ……あぁ……んっ……んっ……」ビクッピクッ

戦艦レ級「な……なにすんだ……よぉ……あっ……」ビクッ

吹雪「それはこっちのセリフですっ!!!一体何なんですか今のは!!説明して下さい!!」

戦艦レ級「は……はあ……何って……治療だ……応急処置程度しかできない上に向こうが行っちまったんだ……ああするしか無かっただよ……」

提督「治療って……あれが……?」ザバッ ビチャビチャッ

提督「ヲ級ちゃん……どっか行っちゃったけど……」ビチャッ

戦艦レ級「……ありゃ多分……例の島にとんぼ返りしちまったみてぇだな……」

戦艦レ級「……ちっこいネ級と一緒に」

吹雪「小さいネ級……?」

提督「…………」

吹雪「…………!!??」ビクッ!!

提督「!!」

吹雪「司令官!!すぐに艤装を!!!!」

提督「なんてこった!!川が大変なことになっちまうぞ!!」

戦艦レ級「……?」

家に帰る ゲームをする 書く、アニメを見る前にしゅうりょうのほうこくをしなけr(寝落ち

いつもこのパターンじゃのう、本当にすまん

すまない……今日は……無理そうだ……
だが安心し給え……目が冴えてる時に必ずや……このこじれた話を一段落させてくれる……
期待し給え

というわけでもうすぐ始めるぜよ

トラック島 海岸付近

空母ヲ級「………………っと」ムクッ

空母ヲ級「……キタカミの応急処置というミッションは完了したんだ……とにかく帰還しなければ……」ザッザッ

空母ヲ級「……ネ級、ネ級?おい!どこに行ったんだ?」

空母ヲ級「あれ……おーい!ネ級!!ネ」

ジャキッ

空母ヲ級「!!」

大和「動かないで、深海棲艦ヲ級……そのままこちらを向きなさい、逆らえば幼体の命はないわ」

空母ヲ級「…………ヤマト……?」

大和「えぇ……大和型戦艦一番艦、大和よ」

空母ヲ級「…………」クルッ

大和「……空母ヲ級、あなたを排除」

空母ヲ級「……また会ったな、ヤマト、私だ」

大和「人間の言葉……あなたまさか!?」

空母ヲ級「あぁ……少し事情があってだな……また来てしまったみたいだ」テレッ

大和「生きていたの……!?呉からは処分されたと報告が……」

空母ヲ級「そうなのか?今は二丁目で過ごしているんだが……報告されていなかったのか……」

大和「…………そ、そう……なの……?」

大和(戦艦長門……!!)

大和「……」

空母ヲ級「まぁ、報告の漏れは気にしないほうがいい……しかし奇遇だな……またこの島に来てしまうとは……」

空母ヲ級「……だが、済まないが長居はできそうにない、ネ級はどこに居るんだ?あの子と一緒に帰らなければいけないんだ」

大和(……ここでこいつを生かして返すと……艦隊の情報が深海棲艦に漏れる可能性がある……)

大和(私は機密として扱われている艦娘……私の姿を見た深海棲艦を生かして返すわけにはいかない)

大和(……やはりここで!!!)ジャキッ

空母ヲ級「!?」

大和「……っ!!!」


ドドドォォォォォン!!!!



前浜町 灯台

吹雪「司令官は力を借りられる鎮守府に応援を要請をお願いします!!私はトラック島に行って2人を連れ戻します!!」

提督「あ、あぁ……分かった!」

吹雪「それと、ヲ級とレ級の力を借りて代理の管理者を探して下さい!川を浄化する川底棲艦はネ級以外にも居るはずです!!」

戦艦レ級「あ、アタシ?アタシは別にそんな川底棲艦と……」

吹雪「……沢蟹レ級の力を借りてください!!レ級さんは昔の仲間とか、ヲ級さん以外に信頼できる仲間と連絡取れます?」

戦艦レ級「アタシはそういう慣れ合いはあいつとしかやってねぇよ……北方様と港湾様の連絡数は知ってるけど……」

吹雪「……今、ヲ級さんと無線か何かで連絡は取れますか?」

戦艦レ級「え……あ……ちょっと待ってろ……」ピピピッ ピピーッピピッ

戦艦レ級(おい、聞こえるか?出ろ)


ザザザーッ ザザッ ザザーーーッ


戦艦レ級(おい、冗談はよせ、お前帰ってこれるか?帰ってこれるなら応答しろよ)

空母ヲ級(…………いまそ…どころ…………って……っ……!!……!!)ザザザーッ ザザッ

戦艦レ級(……!?)

戦艦レ級(おい!ヲ級!!おい!!何やってんだ……誰と戦ってんだ!?)

空母ヲ級(……と……せんか…や…と!!もうもた……!!ネきゅ…………は……ぐぁ……ぁぁぁ!!)ザザーッッブツッ


ピピビーィーー……


提督「……急に黙りこんだな……どうしたんだ?」

吹雪「レ級さん?レ級さん?」ツンツン

戦艦レ級「……吹雪……アタシも行く!!」ガシッ

吹雪「え?え?」

戦艦レ級「…………あいつが心配になってきた……目立つのは承知だ……それにあいつぶん投げたのはアタシだしな……」

戦艦レ級(……吹雪のあのことを伝えるべきか……)

戦艦レ級(……いや……今伝えたら吹雪が艦娘を信じられなくなるかもしれねぇ……)

戦艦レ級(……着く直前で吹雪を別の所にやって……密かにやるしか……)

吹雪「あ、は、はい!レ級さんがいるなら他の深海棲艦が襲ってきても……大丈夫ですよね!」

戦艦レ級「ったりめぇだろ、ただ艦娘が来た時は説得頼むぜ?」

吹雪「はい!任せて下さい!行きましょう!!」タタタッ バッ バシャッ ザシャァゥッ!!

戦艦レ級「おうよ!!」バッ ドシュゥゥーーーンッ!!!


レ、レキュウサン……ハヤイデスヨォ!! オセェヨフブキ、カンムスッテノハナンデコウオソイヤツバッカナンダ?



提督「……」

提督「とりあえず横須賀さんに電話するか……」スッ ススッ prrrrrr

太平洋沖

戦艦レ級「……」ドシュゥーン

吹雪「はぁっ……はぁ……レ級さん……速い……」ドシュゥゥゥンッ!!!

戦艦レ級(や…と……ヤマトだよな……例の島の艦娘……)

戦艦レ級(あのアマ……アタシの仲間に手ぇだすと許さねぇつったろうが……!!)ギリィッ!!

戦艦レ級(…………)

戦艦レ級「……」

吹雪「……レ級さん?」

戦艦レ級「……へ?あ、あぁ……悪い悪い……どうした?」

吹雪「い、いえ……何も……」

戦艦レ級「……そうか、ならいい……」(ピクッ


スゥー


吹雪「?」

戦艦レ級「……来やがったか……」キッ

ザバァァッ

駆逐イ級「…………」ジャキッ

駆逐ロ級「…………」ジャコッ

軽巡ト級「…………」ググッ

吹雪「……」ドクンッ

吹雪「深海棲艦……!!」ジャキッ

吹雪「…………ふぅっ……ふぅ……!!」

戦艦レ級「……」スッ

吹雪「え?」

戦艦レ級「……ゴミども三人衆よぉ!てめぇらの狙いはどっちだ!?アタシか?吹雪か!?」

駆逐イ級「……?」

駆逐ロ級「?」

軽巡ト級「……??」

戦艦レ級「答えられねぇのか!?あぁ!?てめぇらの親玉は誰だ!?」

駆逐イ級「……!!」ドォンッ

駆逐ロ級「!」ドォンッ

ヒヒュンッ

戦艦レ級「……」パシパシィッ

戦艦レ級「……」ムカッ

戦艦レ級「そうかい……聞く耳持たずかよ!!」ビシュビシュッ!!!

ガァンッ ガァンッ!! 

駆逐イ級「  」ブシュゥゥゥッ グチャァッ

駆逐ロ級「  」グチュッ グチュチュチュ ドロォォォ

吹雪「……う……」

戦艦レ級「……うえっ……やっぱ改造種かよ……気持ちワリィ……さっさと行こうぜ……」

吹雪「え、あ、あはい!でもあれは?あの軽巡は……旗艦だし撤退したらまた……」

戦艦レ級「あいつらは艦隊じゃねぇ、一人で放置してりゃいずれ死ぬ、ほっとけ」

吹雪「……は、はい……」

トラック島

ドドォォンッ!!ドドドォォォンッ!!

空母ヲ級「…………」ガクッ ドサァッ

大和「…………」ガシッ ググッ

空母ヲ級「…………」

大和「…………まだ生きている……!!!」グググッ ドゴッ!!

空母ヲ級「っはぁ……!!?」

空母ヲ級「あぁ……ぅ…………っがは!!」ビタビタッ

空母ヲ級「……ね、ネ級……は……あの子を……どこ…………に……」

大和「…………」

空母ヲ級「こ、こたえ……ろぉ……!!!!!」ググッ 

大和「……」ガコンッ

大和「……全砲門!!接射!!」

ドドドドドドォォンッ!!!

空母ヲ級「…………」フッ バタァッ

空母ヲ級(……陸だから沈めないのか…………)

空母ヲ級「…………腕がない……」ボソッ

空母ヲ級(…………足もこれでは使いものにならないな……だが顔は動く……)

空母ヲ級「全く……頑丈だな……私の体は……」

空母ヲ級(まぁ……じき顔も動かなくなるだろう……)

大和「…………」

空母ヲ級「…………っ」クッ

大和「第一砲塔、とどめを刺すわよ」

空母ヲ級「……!!」

空母ヲ級「…………うっ……!!やめて……!!」

大和「確実に仕留める!!撃てぇ!!!」

空母ヲ級「いや……嫌だ……レ級……姫ぇ!!!」


カチッ 

シーン

大和「!?」

空母ヲ級「……え……?」

大和「……第一砲塔弾切れ……!?そんな筈は……!!っ!?」フラッ ドサァ

大和「く……燃料漏れ…………いや……これは……」ビチャビチャビチャ

大和「タンクそのものが……無くなってる……!?き、機関停止!!急いで!!早く!!はや……!!」

ボッ!!メラメラメラッ

大和「くっ……!!艤装解除!!」ガキィンッ ガシャァン!!!

大和「…………一体何が……!?」

空母ヲ級「………………」

ギィッ ガゴォンッ

浄水ネ級「……」ヨッコラショット

大和「……!?いつの間に……!?」

浄水ネ級「…………」ギロッ

大和「…………この!!」ガシッギリギリギリッ!!!

浄水ネ級「…………っ」キッ ググググッ!!!

大和「!?」ググッ

浄水ネ級「…………!!」ギロッ!!

大和「この……艤装がないとはいえ……こんな小さな体に……力で負けるはずが……!!」ギリリリッ!!!!

浄水ネ級「…………っ!……」サワッ

大和「……」ギリギリッ

浄水ネ級「……」ムッ

ジワァァァァッ

大和「!?」バッ

浄水ネ級「…………」ヒューッ スタッ

大和「服が……!?う、腕抜きが溶けて……!?」

浄水ネ級「…………」ギロッ

大和「いや……!!いやぁ!!服が溶ける……!服が消える……!!」ガクッ 

ジワァァァ……シュゥゥゥ……




浄水ネ級「…………」フッ

大和「し、下着まで……」

大和「く……!!……こ…………こんな屈辱……!!!」キッ

浄水ネ級「…………」ニヤリ ジロジロッ

大和「…………」カァァッ

大和「…………く、空母ヲ級……!!その場でじっとしていなさい……必ずトドメを差すわ!!!!」

大和「戦艦大和に恥をかかせた罪……その命を持って償ってもらうわ!!覚悟しなさい!!!」

浄水ネ級「…………」サワッ ムムムッ……ムッ!!

大和艤装『   』ジュゥゥゥゥゥゥ


シュゥゥゥゥゥゥッ フッ


大和「あ……!?」

浄水ネ級「…………」

大和「……くっ!!!」

ザザザッ ザッザッザッザッザッ!!!

浄水ネ級「…………」クイッ

ドサァッ!! 

アウッ!!ハ、ハダカデコロブナンテ……モウイヤァッ!!!


浄水ネ級「……ククッ」

浄水ネ級「……ハッ」

空母ヲ級「…………っく……うぐ……!!」

浄水ネ級「…………!!」タタッ

浄水ネ級「……!……!」

空母ヲ級「……大丈夫だ……大丈夫……」

浄水ネ級「………………!」ギュッ

空母ヲ級「……心配してくれるのか……?」

浄水ネ級「…………!!」コクッ コクッ

浄水ネ級「…………ウ……」ナデナデ

空母ヲ級「……う、腕の再生は……暫く掛かる……お前一人では直せない……」

空母ヲ級「……ネ級……お前は逃げろ……!!奴はすぐにやってくる……逃げるんだ……!」

浄水ネ級「……」フルフル

空母ヲ級「艦娘に二度も同じ手は通用しない……死にたくなければ早く逃げろ!」

浄水ネ級「…………!!」ナデナデ

浄水ネ級「…………!!」

空母ヲ級「く……何をしている……無駄だ……早く逃げろ!」

浄水ネ級「…………!……!!」フルフルッ フルフルッ

浄水ネ級「…………」ポロポロッ

空母ヲ級「……お前……何故泣く……私とお前はまだ会って一日も……」

浄水ネ級「…………」ギュゥッ

空母ヲ級「……ネ級……」

浄水ネ級「…………」

空母ヲ級「……」


ザッザッザッザッ 

大和「…………!!」ドドドドドドォォォンッ!!

浄水ネ級「……!」

空母ヲ級「ネ級!!逃げろ!!!!」

浄水ネ級「……ウ……!?」グッ

ゴォォォォォッ!!!!!
スパァンッスパァンッ

ドドドォォォンッ!!!! 

ヒュゥゥゥゥッ


空母ヲ級「…………!?」

龍田「待たせたわねぇ~ヲ級ちゃん~」チャキッ

空母ヲ級「お前は……」

天龍「理由は後で聞くけどよ……とりあえず今はそのちっこいのとお前を助けねぇとな」チャキッ 

大和「横須賀鎮守府……!!」

摩耶「こっぴどくやられやがってよ……そんなカッコでよく生きてられんな、お前……腕どこ行った?」

空母ヲ級「恐らく燃え尽きたんだろう…………何故お前たちがここに……?」

摩耶「お前んとこの提督から電話があったみたいでさ、とりあえず行ってみたらお前のダチと特Iが向かっててよ
    レ級と駆逐艦が並んでるってことは……まぁタダ事じゃないと思って、いるやつ全員連れてきたらビンゴってトコだ」

空母ヲ級「……吹雪とレ級が?」

摩耶「あぁ……だがとりあえず今は……」ガシッグイッ

摩耶「そこのちっこいのも乗れ、二丁目に連れて行くぜ……ド級戦艦と化け物軽巡のドンパチに巻き込まれちゃたまったもんじゃねぇ」

浄水ネ級「……」コクッ


よし、きりがいい、しばらく寝る!!

英国で生まれたわけではない、SS書きが趣味の>>1デース!
ヨロシクオネガイシマース!

摩耶「天龍」

天龍「あ?」

摩耶「少しは手加減しろよ」

大和「……」ピクッ

天龍「わーってる、俺だって大人の一人だ、ガキの面倒くらいお手のもんだっての、それに最初は龍田だ」

摩耶「……そうか?」

天龍「ったりめぇだ、いい加減龍田も戦闘慣れさせねぇとな……いい練習台になんだろ?」ニヤッ

大和「……」ピキッ

龍田「天龍ちゃん……私のために……」

天龍「おう、こないだの戦闘みたいなヘマはゴメンだろ?」

龍田「…………」コクッ

大和「……」ジャコンッ

摩耶「……よし、じゃあ逃げんぞ、掴まってろよヲ級!」

空母ヲ級「掴まる為の腕がない、しっかり抱えてくれ」

摩耶「そういやそうだったな、悪い悪い、じゃ、行くぜ!」


ドシューンッ!!





大和「……手加減はしません……」

龍田「私もよ~?」

大和「……」

龍田「……」チャキッ

天龍「叢雲か?悪ぃ、大和型と戦闘するわ」スッ

天龍「っ~!……怒鳴るなっての……わーってる、このことは穏便に、だろ?」


大和「全砲門斉射!!薙ぎ払え!!!」

龍田「~♪」

天龍「……今度おごるからさ、頼むって……ん?」

ドオオオオオオオオオンッ!!!!!!!

モクモクモクモクッ

ヒュゥゥゥゥゥ

天龍「…………ケホッ……悪い、後でな…………龍田?終わったか?」

龍田「終わったよー?」ブンブンブンッ チャキッ

大和「……!!」ドッ ドサァッ

天龍「お、やるじゃねぇか、お前タイマン得意だっけ?」

龍田「1対1は天龍ちゃんより上手だって言ったはずだよー?」

天龍「んぁー……そういやそんなこと言ってたっけか……」ポリポリ

龍田「うふふ……でも大和さん、すごく硬くて強かったなぁー」

天龍「へぇー……で、どうすんだ?これから暇だろ?」

龍田「…………」チラ

天龍「……ったく……わかったよ……ちょっとだけな?」スラッ 

龍田「やっった♪」

トラック島付近

吹雪「ヲ級さんは……!……?」ピピピッ…ザザッ!!

摩耶『吹雪だっけか?横須賀の摩耶ってんだ、空母ヲ級を確保したぜ』

吹雪「摩耶……摩耶さんってあの……!?」

摩耶『あん?アタシってそんな有名人なのか……んまぁーいいや……』

摩耶『吹雪、お前らはとりあえずアタシについて来い、深海棲艦と行動しちゃあらぬ疑いかけられんぞ』パンッ


ヒュルルルルルルッ パスゥーッ


吹雪「煙弾……?」

摩耶『早く来いよー』ブツッ

吹雪「あ、はい!レ級さん、ヲ級さんは救出されたみたいです、行きましょう!」

戦艦レ級「……」ギッギリッギリリッ

吹雪「……レ級……さん?」

戦艦レ級「……!……あ、あぁ……そうか……」ペチペチッ

戦艦レ級「悪い、行こうぜ」

吹雪「……は、はい……」

















太平洋沖

吹雪「いた……あの青い服……摩耶さん!」

戦艦レ級「お、あいつか…………ネ級は……いたいた……あそこ……あり?」

吹雪「?」

戦艦レ級「ヲ級がいねぇ……」スッ

吹雪「え?」

戦艦レ級(ヲ級?お前どこにいるんだ?)

空母ヲ級(……マヤに抱えられてる……っ……)

戦艦レ級(……抱えられてる?けどお前の姿は見えねぇぞ?)

空母ヲ級(……いいから来い、説明するのは面倒だ)

戦艦レ級(そ、そうか……悪い)

吹雪「ヲ級さんが居ないって……?」

戦艦レ級「いや、気のせいだったみたいだ、行くぞ」ドシューンッ

吹雪「え、あはい!」ドシュー


摩耶の所

吹雪「摩耶さん!」ザシャゥッ

摩耶「お、来たか……よう」

戦艦レ級「おう……で……ヲ級は?」

摩耶「あー……うん……えっとだな……」

ポタポタポタッ 

吹雪「………………?摩耶さん……背中から何か青いのが……」

摩耶「……」

空母ヲ級「っく……うぐ……」

吹雪「……!」

戦艦レ級「ヲ級……おいマヤ!ヲ級を見せてくれ……どうなってんだ!?」ガシッ

摩耶「わ、分かった分かったって……待てよ……えっと……ヲ級、大丈夫か?」

空母ヲ級「あ、あぁ、生きてる……」

摩耶「……そうか……」スッ 

空母ヲ級「っ……あまり傷口には触らないでくれ……」

摩耶「っと……悪い……ここでいいか?」

空母ヲ級「大丈夫だ……」

戦艦レ級「……」

摩耶「……ほらよ…………」スッ

空母ヲ級「っはぁ……はぁ……吹雪……レ級……」


吹雪「っ!?……ヲ級さん……!!」

戦艦レ級「…………ヲ級……!!腕は……足はどこ行ったんだ……」

空母ヲ級「腕は撃たれた時に吹き飛んだ……足……というか、下半身は……どうやら落ちたようだな……」

戦艦レ級「っ!!!」

キィィィィィィィンッ……ドォォォォォォンンッ!!!!

吹雪「っ!!……レ級さん!!レ級さん!!!!」グッ ドシュ

摩耶「…………行くな、行ってもあいつは止めらんねぇよ」ガシッ

空母ヲ級(…………投げたあいつが悪いとはいえ……私がもう少し早く逃げていれば……くそ……)

トラック島 ビーチ

天龍「……っらぁ!!」ブンッ

龍田「っ……」スカッ

天龍「嘘だろオイ……今の間合いで外すかy」

龍田「……」ブンブンブンブンッ!!!

天龍「っておい!こら!」ガィンッガンッガキィンッ!!

龍田「お喋りは事故のもとだよー?」

天龍「……あぁそうかよ……っ!!」ジャキッ ドォンドォンドォンッ!!

龍田「……」スッスッ パシッ

龍田「……!」ブンッ ドドドォンッ!!!

天龍「ちぃっ!!」カァンッ!! 

天龍「んのやろ!!」バッ ヒュヒュヒュンッ!!

ドドドォォンッ!!!

パラパラパラ…

天龍「……連射は卑怯だろ……連射は…………」チャキッ

ヒュゥゥゥ……

天龍「…………な……消え……いや……いつものやつか……」カチッ スキャンモード

天龍「眼帯は飾りじゃねぇって言ってんのによ……」ピピピッ ピーピーピー!!

天龍「後ろ……!!」バッ ブゥンッ

ザクッ

天龍「!?」

天龍「どこ……」

ゴスッ

天龍「……っぐ……はぁ……!!?」ドサァッ

龍田「……とーどめっ」チャカッ パァンッパァンッ!!!

天龍「………………」

天龍「くそ……また負けかよ……ったく……」ムクッ

龍田「でも天龍ちゃんも強かったよ?私3回も斬られそうになっちゃったぁ……」スッ

天龍「……いや……むしろ弱くなったな……あの一撃くらいで悶絶するようじゃ旗艦勤まんねぇよ……」

龍田「そんなことないよ~……だって第1艦隊は1対1無いでしょ?私集団戦は本当にダメだからー……」

天龍「……嫌味にしか聞こえねぇ」

龍田「そう?」


ヒュンッ ドォォオオオオオオン!!!!!


龍田「?」

天龍「二丁目のレ級か…………まぁそりゃキレるよなぁ」ザザザッ! バシャァッ ドシャァゥッッ!!!

龍田「いってらっしゃーい」







戦艦レ級「…………」フゥーッ!!!! フゥーーッ!!!!!

大和「…………」

戦艦レ級「……言ったよな……!!アタシの仲間に手ぇ出したら許さねぇって……!!!」

大和「…………」

戦艦レ級「アタシは言ったよなぁ!!!」ミシッミシミシッボキッ!!!

大和「っ……!!!」ビクッ

戦艦レ級「……楽に死ねると思うな……」スッ ベキッ ガチャコンッ

大和「……!……それ……私の主砲…………」

戦艦レ級「…………これ……お前んだよな……これ使ってヲ級……撃ったんだよな……」

戦艦レ級「…………これで撃ったらヲ級……どうなったんだ……?」

戦艦レ級「……ヲ級の腕……吹っ飛んだんだろ……足が黒焦げになったんだろ……?」

戦艦レ級「……アタシさ……体のどっかが吹っ飛ぶような攻撃は……あまり好きじゃないんだ……」

大和「…………」

戦艦レ級「今になって思ったんだよ……艦娘の骨格って……基本的には人間と変わんねぇって……」

戦艦レ級「……はは……あの金髪の駆逐艦……悪い事しちまったなぁ……両足が無くなってさ……」

戦艦レ級「吹雪と変わらない背丈のガキが足がなくなる痛みに悶えてもがき苦しんで……」

戦艦レ級「今考えたら……アタシとんでもないことしてたんだな…………」

大和「な、何の話を……」

戦艦レ級「体の何処かが無くなるのは……やっぱり痛くて苦しんだよ……」

戦艦レ級「主砲が当たるのは物凄く痛いんだよ、体の近くで弾が爆発すると暑くて苦しいんだよ……!!」

戦艦レ級「事情は知らねぇがな……その痛み、苦しみを知らねぇんだろてめぇは……!!」

戦艦レ級「人間の言葉を喋るアタシたちに向けて砲弾ぶっ放せるんだからよ!!!」ポロッポロッ

戦艦レ級「アイツはお前のことを仲間だと信じてたろ!!吹雪達に話すのと同じように話してただろ!!!」グスッ

戦艦レ級「なのに……何でお前は……何でお前はそれを……それを無視しやがったんだぁ!!!」ジャカッ

大和「……!!」

戦艦レ級「……てめぇだけは許せねぇ……てめぇだけはこの手でぶっ殺す!!!」

大和「は……や……だめ……やめ……て」

戦艦レ級「ヲ級も……そうやって命乞いしてただろうが……!!アイツも私と同じで……死ぬのが怖いんだよ……」

戦艦レ級「てめぇがヲ級の命乞いを聞かなかった……だから私もお前の命乞いを聞かねぇ……」

戦艦レ級「…………」ギリッ!!

戦艦レ級「」カチッ


フッ バコォンッ!!!

戦艦レ級「……!」ドドドォオオオオオンッ!!!!

天龍「……」ヴンッ!!!!

戦艦レ級「だれだ……な……!?てんりゅ……」

ズバァッ!!!

戦艦レ級「っぁがっ……っはぁ……!!!」

天龍「大和さん、生きてるか!?」

大和「…………」フゥッフゥ…

天龍「しっかりしろ、アンタは日本の秘密兵器だろうが、秘密のままで終わりてぇのか!?」

大和「……は……!……あのレ級は……」

戦艦レ級「…………ぐぅっ……!!テンリュウ……てめぇ何しやがる……!!!」

戦艦レ級「てめぇも邪魔するのか……!!私の怒りが分かんねぇのか!!!」

天龍「…………」

戦艦レ級「…………邪魔すんじゃねぇよ……!!こいつは……こいつは私の仲間を……!!ヲ級を!!」

天龍「レ級」チャキッ

戦艦レ級「…………てめぇ……!!!」

天龍「俺とこいつは艦娘、お前は深海棲艦だ」

天龍「……艦娘が深海棲艦を倒すのは間違った行為じゃねぇ……こいつは何も間違ってねぇんだよ」

天龍「……むしろこうやって深海棲艦をかくまってる俺達の方が間違ってんだ」

戦艦レ級「んなこたぁ私だって分かってんだよ!!!それでも許せねぇんだ!!!ヲ級をあんな姿にしやがって……!!!」

戦艦レ級「てめぇはムラクモや提督がぶっ殺されても気にしねぇのか!!!」

天龍「…………」

戦艦レ級「何とか言えよ!!!!てめぇだってこいつが許せねぇだろ!!!何で邪魔しやがる!!!」

戦艦レ級「そこどきやがれ!!!切り札だかなんだか知らねぇが人間の思考しねぇ奴が人間を守れるかぁ!!!」

天龍「てめぇの言うことだって間違ってねぇよ!!」

戦艦レ級「……!」

天龍「人間が命乞いしてんなら助けんのが普通だ……困ってるやつを助けるのは日本に住む人間の基本だ……!!」

天龍「でもな……てめぇら深海棲艦は人間じゃねぇんだよ!!容赦したらダメなんだよ!!」

天龍「たとえそれが人間みたいな考え方してて……人間の言葉喋ってもだ……」

天龍「ましてそいつらと戦争してんだよ!!普通の考えしてる奴はてめぇら助けねぇんだよ!!」

戦艦レ級「…………」

天龍「ホントなら……あん時俺は命乞い聞かずに斬り殺すべきだったんだよ……」

天龍「……俺だって今……どっち助けりゃいいか分かんねぇんだよ……」

戦艦レ級「…………」キッ

大和「……!」

戦艦レ級「…………」

戦艦レ級「…………ふ……ぐぅぅ…………!!!」ガクッ

戦艦レ級「……ヲ級……ヲ級…………!!うぅぅ……!!!」ポロッポロッ…

天龍「…………レ級……お前……」

戦艦レ級「…………あぁぁああああああああ……!!……うあぁぁぁぁあああああああ!!!!」

天龍「…………」スッ


天龍「……叢雲か……あぁ……ちょっと問題が発生した……あ?うるせぇ?我慢しろ」

天龍「……まぁ……何だ……予約する店、貸しきってくれ……もう一人仲間が増える」

天龍「……酒初体験、恐らく泣き上戸だ、騒音被害は覚悟しとけ」

天龍「あ?てめぇはソフトドリン……あぁ、冗談だって……」

天龍「じゃあな、頼んだぜ?」

前浜町 灯台

提督「…………」ソワソワ

提督「…………」

提督「…………」

提督「…………お、遅いな……」

提督「…………」


シレイカーンッ!! タイヘンデス!!


提督「?」

吹雪「摩耶さん!急いで!!」ザバァッ スタッ!

摩耶「あ、あぁ……!!」ザバッ スタッ

吹雪「……と、とにかくヲ級さんを……えっと……血が止まる所……えっと……!!」

空母ヲ級「……ネ級……もう十分だ……お前はすぐに川にもどれ……」

浄水ネ級「……」コクッ

吹雪「はっ……し、司令官!ネ級を川に!!」

提督「え、えっとヲ級ちゃんずいぶん小さくなったけど大丈b」

吹雪「早くして!!!ヲ級さんもそうだけど川も危ないでしょ!!!!!」ギロッ

提督「は、はい!ネ級っ」

浄水ネ級「……」ストッ


タッタッタッタッタッ



吹雪「……ヲ級さん……ヲ級さんを治す方法は……!!」

空母ヲ級「……自然治癒には数年かかる……死ぬことはないが……これでは人間の生活ができなくなってしまうな……」

摩耶「…………」

空母ヲ級「…………まぁ……いいだろう……好き勝手してしまった報いというものだ……」

空母ヲ級「会話はできるし、日常生活には問題ない……とりあえず足が復活するまで海の底でおとなしくしておくよ」

吹雪「……ヲ級さん……」

摩耶「お前……それでいいのか?」

空母ヲ級「構わない、どうせ他に治療歩法はないんだ、これが一番最善だろう……」

吹雪「…………でも……」

空母ヲ級「…………」

空母ヲ級「……まぁ……何か方法があるかもしれない……レ級にも相談してみるがな……」

吹雪「……探してみます……ヲ級さんが一日でも早く良くなるように……私も頑張りますから!!」

空母ヲ級「……ありがとう、吹雪、私は仲間に恵まれているよ」ニコッ

吹雪「……」コクッ

摩耶「……ま、何かあったら横須賀もできるだけ手を貸すぜ……提督もしぶしぶだが協力してくれんだろ
    じゃああたしはそろそろ失礼すんぜ、じゃあな、よくなれよ?」

吹雪「……はい!摩耶さん、有難うございました!」

オーウ

吹雪「……ヲ級さん、家まで送りますね…………へぇ……ヲ級さんの体って意外とぷにぷにして」スッ

空母ヲ級「……んあ、ぁ……そこは掴むな……」

吹雪「へ……あ……あぁぁ!!……す……すみません!」

空母ヲ級「……気をつけてくれ……」

ふぅ……吾輩は眠いぞ……
自分の生活の空間で非日常なものを見ると妙に恐ろしく感じちゃう現象=天龍たちのビビリ具合

あと、ゴキちゃん出るの早すぎんよ…………

もうすぐ始めたいなー

二丁目鎮守府 リビング

提督「……はい?」

横督『聞いてのとおりだ、あの馬鹿が、酒で全て水に流そうと考えているようだ、無論レ級の同行は却下したがな』

提督「なんでまたそんな……一体どこに連れて行くんですか?」

横督『知らん、艦娘のプライベートを調べるほど私は暇ではない』

提督「…………」

横督『……ッチ……どいつもこいつも馬鹿ばかりだ……』

提督「…………」

横督『……貴様も貴様だ、二丁目で管理すると決めたのなら行動を監視するべきだったはずだ』

提督「ぬぐ……やはりそうですよね……」

横督『当然だ、当面の貴様の存在価値は深海棲艦の管理だというのに、それすらもこなせんのなら存在する意味が無い』

横督『次はないぞ、いいな』

提督「も、申し訳ありません……」

横督『……』

横督『……』

横督『……二丁目』

提督「は、はい」

横督『ヲ級はどうなった』

提督「え……えっと……」

横督『口ごもるな、さっさと言え』

提督「は、はい……空母ヲ級は両手両足が吹き飛び、見るも無残な姿になってしまいました……」

横督『……そうか』

提督「……えぇ…………い、今レ級ちゃんはどこに?」

横督『……心的被害が酷い、馬鹿の目の届かない安全な所で治療中だ』

横督『だが……ちにカウンセラーと呼べる医者や艦娘は居ない、近い内に貴様の所に送るつもりだ』

提督「は、はぁ…………その……少しレ級ちゃんと話せませんか……?」

横督『構わん、今繋ぐ、少し待て』


キノコッノッコーノコゲンキノコッ♪


提督「……大丈夫かな……あの子……」

戦艦レ級『……て、提督…………?』

提督「お、出たか……大丈夫か……?怪我とかしてないか?」

戦艦レ級『あ、アタシは大丈夫…………』

提督「……そうか……」

戦艦レ級『……』

提督「…………」

戦艦レ級『…………っ……ヒグッ……』

提督「あー……うん……その……なんだ……」

提督「早く帰ってきてくれ」

戦艦レ級『…………グスッ……うぅ……』

提督「君が居なきゃヲ級ちゃん一人になっちゃうからな、手足がなきゃ食事も出来ないだろ?」

提督「吹雪ちゃんが気を遣って浅い穴掘ってあの子の面倒見てるけど、さすがに一日中面倒は見きれないからなぁ……」

戦艦レ級『……』

提督「……なるべく早めにきてくれよ?人間の看病はあの子経験してるけどヲ級ちゃんたちは未経験なんだ」

提督「それにレ級ちゃんがいてくれなきゃヲ級ちゃんも寂しいし、頼むよ?」

戦艦レ級『……提督……』

提督「ん?」

戦艦レ級『……』

提督「どうした?」

戦艦レ級『……提督は……アタシの味方だよな……?』

提督「勿論」

戦艦レ級『……ヲ級やアタシを……捨てたりしないよな……?』

提督「あぁ、捨てない……どうした?らしくないじゃないか」

戦艦レ級『…………深海棲艦から追われて……人間たちにも嫌われて……』

戦艦レ級『………………』

戦艦レ級『…………私は人間が好きで居たい……でも人間は私達の事が嫌いなんだよな……』

提督「……まぁ、お世辞にも友好的とはいえないな……深海棲艦と人間は……」

戦艦レ級『…………じゃ、じゃあ……私は……もう……』

提督「……深海棲艦は、な?レ級ちゃんは違うだろ?」

戦艦レ級『……ぇ……』

提督「……だって言ったじゃん?自信満々な表情で『アタシは深海棲艦じゃねぇ』って」

戦艦レ級『……!』

提督「だろ?俺の記憶が正しければそう言ってたはずだけど……」

戦艦レ級『で、でも……』

提督「見た目やら何やらは俺が何とかするよ、街を自由に出歩きたいなら俺が説明会開いて敵意がないことを教えるし」

提督「海を渡りたいっていうなら時間がかかるかもしれないけど、艦娘側を説得するなら俺は力になる」

提督「……引きこもってちゃ何時までたっても理解されないままだ、今までどおり好きに生きたほうが君たちらしいよ」

戦艦レ級『…………』

提督「あ!でも自称「深海棲艦じゃない」だから俺も使うときは深海棲艦って言葉使うからな?俺は深海棲艦じゃないって思ってるけど」

戦艦レ級『……はは……なんだそりゃ……意味わかんねぇ……』

提督「……まぁ、そういう事だ……」

戦艦レ級『…………』

提督「一騒ぎ起こるレベルのくさいセリフだったけど……元気でた?」

戦艦レ級『お前が必死こいてアタシ励まそうとしてるのは伝わった…………』

提督「……そうか、なら……良かったのか?」

戦艦レ級『…………でもアタシは艦娘がちょっと信用できなくなっちまった……』

戦艦レ級『提督には悪いけど……でも……ヲ級を半殺しにしたのはどうしても許せねぇ……』

提督「……まぁ、そうだろうな……俺は別に否定しないよ」

戦艦レ級「……ごめんな……提督……」

深海 前浜付近

潜水カ級『…………』ゴボボボッ

潜水カ級『…………』ゴボボボボボッ ズゴッ

潜水カ級『ゴボッ!!ゴボッ……ヴェッ……ゲホッ……!!!』

潜水カ級『…………』ゴボボボッ

潜水カ級『……!』ゴボッ

潜水カ級『…………センボウキョウ』カチッ カチッ グィィーーーッ



前浜町 テトラ棲地付近

カ級潜望鏡『……』ザプッ キョロキョロッ

吹雪「ヲ級さん、口を開けてください」

空母ヲ級「…………悪いな………あ……んぐっ………」モグモグ

吹雪「大丈夫です、もう一口、大丈夫ですか?」

空母ヲ級「……いや、もういい……やはり消化器官が落ち着いていない……」

吹雪「そうですか……」

空母ヲ級「体の一部がなくなると再生に意識が集中して空腹感を感じなくなるんだ……
      それ故に体が食物を取ることを拒否してしまう……だが体は栄養を求めているんだ……」

吹雪「な、なら食べないと……」

空母ヲ級「……そ、そうなんだ……だが……食べたくないんだ……すまない……」

吹雪「…………」


カ級潜望鏡『……』

カ級潜望鏡『……』チャプンッ ブクブク




深海

潜水カ級『…………ヲ級……ウラギリモノ……?』

潜水カ級『……アレハ北方様ノヲ級……報告シナイトダメネェ……』

潜水カ級『……フフフ……』


北方海域 深海 

北方棲姫『……なんですって……!?あの子が……!?』

潜水カ級『……ハイ……奴ハ四肢ガ吹キ飛ビ、戦闘ハオロカ、航行モマトモニデキナイ状態……
      コロスナラ今ガ一番ノ好機カト……』

北方棲姫『…………』

潜水カ級『ゴケツダンクダサイ!リ級達ガシズンダ今……裏切リ者ヲ始末デキルノハワタシダケ……』

潜水カ級『ワタシニ殺セと命令スルダケデス……何ヲ迷ウヒツヨウガ……』

北方棲姫『……駄目よ』

潜水カ級『ナ……何故デス!?』

北方棲姫『裏切り者は生かして私のところに連れてきなさい……』

潜水カ級『……ナニユエ……』

北方棲姫『裏切り者を始末するのは私がやると言ってるの、あいつの苦しむ姿を見ないと気が済まないわ』

潜水カ級『ナ……ナルホド……』

北方棲姫『艦娘に感付かれないようにしなさい、アイツがいなくなってからここに連れてくるのよ』

潜水カ級『……御意、カナラズヤ……』

北方棲姫『……行きなさい、私はお姉様を連れてくるわ』スイーッ


潜水カ級『…………フフフ……遂ニ目ノ上ノナンチャラノアイツヲシマツデキル……』

潜水カ級『深海棲艦イチノ天才デアルワタクシヲ差シ置イテ……勝チニゲナンテ……ユルサナイワ……!!』


潜水カ級『フフフフ……アーーッハッハッハッハッハァァーーーッ!!!!!』

北方棲姫『うっさい!!!』

潜水カ級『ア、ゴメンナサイ……』

北方棲姫『……』

北方棲姫(ヲ級……)

港湾棲姫『北方……聞いたわ……ヲ級が瀕死……ですって……?』

北方棲姫『お、お姉さま……』

港湾棲姫『……心配……なの……?』

北方棲姫『そんな訳ないわ!だいたいアイツは裏切り者だし……捨てたのは私だし……』

港湾棲姫『……そう……?でもあの子……』

北方棲姫『な、何よ……』

港湾棲姫『いえ……やっぱり……何でもないわ……でも……どうして捨てたりしたの……?』

北方棲姫『役立たずはうちの艦隊にいらないの……何度も言ったでしょ!』

港湾棲姫『……そうだった……?』

北方棲姫『……もう!!何なの!?言いたいことがあるならはっきり言って!!お姉さまのそういうトコ嫌い!!』

港湾棲姫『……嫌い?嫌い……なの…………嫌いなら……私も嫌い……来るな……』ドンヨォォーーン…

北方棲姫『……え、ちょっ……そういう意味で言ったんじゃなくて……』アタフタ

港湾棲姫『来るな……来るなと言ってるのに…………もうイヤ……皆嫌い……一人にして……』ドヨォォオオン…

北方棲姫『お、お姉さま!お姉さま待って!!!』

北方棲姫(お、お姉さまが塞ぎこんだら3ヶ月は出てこない……!!な、何とかしないと……!!)


北方棲姫『あ、あぁー!!ぜ、ゼロが墜落してる!!持って帰らないと!!わ、私艦娘が来る前に取りに行くわ!!』アタフタ

港湾棲姫『……!北方!』ギュッ

北方棲姫『うぎゅ……』

港湾棲姫『海の上は怖いって……言ってるのに……北方は出ちゃ駄目……』

北方棲姫『く、苦しい……お、お姉さま……離れて……』ジタバタッ

港湾棲姫『……北方は……お姉ちゃんが居ないと……だめね……』ギュゥゥッ

北方棲姫『う、うぎゅうう……!!お、お姉さま…………く、くる…………あふ……』カクンッ

港湾棲姫『……北方……寝ちゃったの……?』

前浜付近 

潜水カ級『…………』ゴボボボッ

潜水カ級『…………』

潜水カ級『…………』クィーーンッ チャプッ



前浜町 灯台

カチッ カチッ グィーーーンッ ピピッ

吹雪『…………』

潜水カ級(……アレガ……艦娘駆逐艦……コードネーム、ブリザード……?)

潜水カ級(……ドコニブリザードナ要素ガアルノカシラ……地味ネ……)

吹雪『ヲ級さんって……どんな人が好みですか?』

空母ヲ級『好みか……あいにく人間の男は提督しか知らないんだ……』

吹雪『司令官しか見てないんですか?おとなりの吉岡さんも?』

空母ヲ級『見てないな……どんな人なんだ?』

吹雪『今は受験勉強中であまり顔を出さないみたいですけど……顔は司令官より若々しくて……』

空母ヲ級『……よく分からんな……ジュケンって何だ?』

吹雪『私もよくわからないですけど……多分大事なテストなんだと思います……勉強してますし……』

空母ヲ級『そうか……何を目指しているのか知らないが……頑張ってほしいな……』


潜水カ級(……人間語?……イッタイ何ヲハナシテイルノ……?)


空母ヲ級『…………なぁ……吹雪』

吹雪『?』

空母ヲ級『そういうお前は、好きな人はいるのか?』

吹雪『!!』

空母ヲ級『?』

吹雪『いい、居ません!!居ませんよ!私そういうのは無理なんですから!!』

空母ヲ級『……何だ、居ないのか……』

吹雪『あ、当たり前でしょう……もう!』




潜水カ級(……ハヤク帰ッテホシイワ……アノ艦娘……)

潜水カ級「ハヤクカエッテクレナイト……」




戦艦レ級『アタシみたいなこわーい奴が出るからな……』ヌッ

潜水カ級「ヒィイイイイイイッ!!!??潜望鏡ニバケモノガウツッタァァァーーーッ!!!!!」

戦艦レ級『誰がバケモノだ誰が……えっと……確か……あー……アー……思い出してきた……こう……いや、コウカ』

戦艦レ級『オイ、カ級……ココハ退イタホウガ身ノタメ』

潜水カ級「ヒイイイッヤアアアアアアアアーーーーー!!!!コロサナイデェェーーーー!!!!!」ドシュゥウーーーンッ!!!!

戦艦レ級『オイッ!!………行っちまった……何だってんだ?』

ふぅ……吾輩はもう以下略

もうそろそろ始めようかなー

歓楽街 居酒屋

天龍「だぁー……ったく……これじゃ貸しきった意味ねぇじゃねぇかよ……」グビッ ゴトッ

叢雲「軍事機密の塊のような子をこんな人通りの多い街に連れ込むってあんたねぇ……ってか東京って……遠いでしょ」

天龍「そこまで頭回らなかったんだよ、察せ」

叢雲「……全く……少しは後先考えなさいよ……」ゴクッ

叢雲「……で?もう一人は連れてきたの?」コトッ

天龍「摩耶もアイオワもアルバコアも疲れて寝こけちまってる……エンプラはまだ日本語きついからなぁ……」

叢雲「他には?」

天龍「………………携帯持ってねぇ奴ばっかだ……別に友達が居ねぇ訳じゃねぇ」

叢雲「……ふぅん……私別に友達のことは何も言ってないわよ?」

天龍「……居るからな、友達の一人は……」グビッ

叢雲「あ、そ……」ゴクッ

天龍「……飲み友達……居たらいいんだが……」グビッグビッ


トントンッ


天龍「?」クルッ

叢雲「……?」クルッ

横督「待たせたな」

天龍「ブハッ!!」

叢雲「ブフゥッ!!」

横督「座るぞ」

天龍「ヴェホッ!!ゴホッ!!!てめ……!何でここに居やがる!!」

叢雲「ずっとつけてたっての……!?コホンッ!!コホッ!!」

横督「友人の居ない貴様の事だ、叢雲以外誰も誘わずに行くことくらい分かりきっている」

天龍「お、俺だって飲みに行く友達くらい居る!!」

横督「アメリカ人の3人と摩耶以外で誰か居るのか?」

天龍「……わ、若葉……とか……加古……とか……あ、明石だ!明石!!」

横督「……ほう?会話すらしない艦娘を無理やり飲みに連れて行くのか、やはり貴様は見た目通りの鬼畜だな」

天龍「た、龍田だ!龍田と飲みに!!」

横督「下戸を強制的に連れて行くとは……私は貴様をそんな艦娘に育てた覚えはないぞ」

天龍「…………あ、あと……あとは……叢雲……」

叢雲「えぇ、天龍の愚痴には迷惑してるわ、司令官、何か飲む?」

横督「カルピスハイ、カルピス多め」

叢雲「ん、アンタは?」

天龍「……枝豆と生、あと唐揚げも」

叢雲「はいはい」

スミマセーンッ


天龍「……で、提督、アイツは?」

横督「先に帰らせておいた、監視はつけたが護衛はつけていない」

天龍「そうか……大丈夫なんかねぇ……」

横督「大丈夫だ、奴は二丁目の「艦娘」だ、信用に足る」

天龍「…………」

叢雲「……アンタ仕事は?」

横督「終わらせた」

叢雲「ふぅん……私が精査しなくていいの?」

横督「問題ない、元より貴様如きに精査される覚えなど無い」

叢雲「へぇ……昔はあれもこれも見てたのに、見ない間に偉くなったじゃない?」

横督「逆の立場だっただろう、貴様の書類ミスは他の追随を許さん、殺意を覚える出来だ」

叢雲「最初のうちはね、後からアンタより良くなってたわよ」

横督「今も昔も貴様の不出来は変わりない」

叢雲「言ってなさい、いずれ私の有能っぷりに腰を抜かすわよ」

横督「そんな日は絶対に来ない、私が断言しよう」


天龍「……随分仲いいじゃねぇか、ケッ」グビッ

叢雲「あら、嫉妬?」

天龍「横須賀4番目の俺を差し置いてまぁお盛んで……アツいねぇ……」イジイジ

横督「01、長門、鉄屑1号、の次に来たのが貴様だったか」

叢雲「誰が鉄屑一号よ誰が」

天龍「あぁそうだよ、忘れられがちだけど俺だって古株なんだぜ?初々しいてめぇらをちゃ~んと見てんだ」

横督「そして私達も痛々しい貴様を見てきた」

叢雲「うんうん」

天龍「うっせぇ!あん時はまだガキだったんだよ!!」カァァッ

横督「……宝の価値に気付かん暴力少女が何を言うか」ボソッ

天龍「あ゛?」

横督「幻聴だ」ゴクッ コトッ

横督「……少しアルコールが多くないか?」

叢雲「アンタ絶対下戸でしょ、ほとんどカルピスよそれ」

横督「その容姿で日本酒を飲む貴様よりはマシだ」

叢雲「背丈は子供だけど年齢はもう20超えてる、何回言ったらわかるのよ……」

離席してた、まだ寝てないぞ……今から書き始めるから若干遅くなっちまうぜ、悪いな

叢雲「……ふぅ……BS-01さん……元気にしてるかな……」ゴトッ

横督「恐らくな、奴の記憶は消されていない、人間と同じように年をとって暮らしているだろう」

叢雲「年をとる……ねぇ……私達は解体されても姿は変わらないのよね……」

横督「そうだ、奴は他の艦娘と違い年をとる、それ故に解体が早まった」

叢雲「…………」

横督「……」

叢雲「あの人は、他の皆の雛形みたいな存在よね?」

横督「そうだ、奴の戦闘データと基本構造が後の艦娘の義体と艤装に反映されている」

叢雲「……そう……」

横督「貴様ら以外はな」

天龍「あぁ、知ってる」

叢雲「……」コクッ

横督「……だが、未だに腑に落ちん」

叢雲「?」

横督「他の艦娘と同じように01の戦闘データを使ったはずの龍田が何故貴様を凌ぐほどの戦闘力を持っているのだ」

天龍「俺を凌ぐって……俺は龍田に負けちゃいねぇよ」

横督「集団戦ではな、貴様と龍田の一対一では龍田のほうが僅かに貴様を上回っている」

横督「……何故だ……?」

叢雲「……BS-01さんの何かが影響してるんじゃないの?」

横督「…………かもしれんな……奴の能力は今見ても不明なところがある」

天龍「……FG-01じゃなかったか?あの人の艦名……よく知らねぇけど……会ったこと無ぇし……」

叢雲「あんたが来た時はそっちになってたわ、艦娘一番艦よ」

天龍「え、じゃあ……長門さんは?」

横督「奴は長門型戦艦一番艦だ、型番上は01と同じ型番となっているがな……あんなゴミに01の型番を与えるなど許されんが……」

天龍「ふぅん……」グビッ

天龍「よく分かんねぇ……」ゴトッ

横督「貴様に理解できるなら虫でも理解できる、諦めろ」

天龍「ケッ……わーったよ……」グビッ

叢雲「あ、枝豆頂戴」

天龍「てめぇで頼め」

横督「…………」グィッ

横督「……」ゴトッ

横督「天龍」

天龍「あ?」

横督「…………慣れたか、横須賀は」

天龍「は?……そりゃ10何年もやってりゃ嫌でも慣れるっての」

横督「……そうか……」

天龍「…………何だよ、気持ち悪いな……どうした?もう酔ったのか?」

横督「…………ふっ……そうかもしれんな…………私もまだまだだ……部下の前で酔うとはな」

叢雲「……な~にしけた面してんのよ、アンタらしくないわね、男ならどっしりと構えて嫌味の一つでも言いなさいよ」ダキッ

天龍「今回の失敗はオメェは悪くねぇよ、今回は完全にイレギュラーだっつってんだろ?
    それに感情的になってアイツを傷つけたのは俺の責任だ、そう気ぃ落とすなって、酒がまずくなるぜ?」ダキッ

横督「……つくづく私の周りには害虫がよってたかる……部下に恵まれんな……私は……」

横督「…………天龍」

天龍「あん?」

横督「……貴様は謹慎処分だ、鎮守府に戻ったらしばらく出撃を禁ずる、いいな」

天龍「いつものことだな……ったく……わーったよ」

横督「解体されないだけマシだと思え……言っておくが酒も禁止だ、貴様の部屋のビールの空き瓶……誰が処分してると思っている」

天龍「ぐ……マジかよ……」

横督「当たり前だ、謹慎中に飲酒をする馬鹿が何処に居る」

天龍「……あいよ……ったく……」

叢雲「……アンタ謹慎中に酒飲んでたの……?」

天龍「他にやることねぇんだよ、龍田は愚痴あいてになってくれねぇしよ……」

叢雲「……ほんとアンタはぶっ飛んだ馬鹿ね……ホント戦闘狂は嫌になっちゃうわ……」

天龍「悪かったな……俺はお前みたいにできちゃいねぇんだよ」

横督「……とにかく禁止だ、何もするんじゃないぞ」

天龍「ッチ……はいはい……わかったよ……」

横督「……全く……無能が……」グィッ ゴトッ

吾輩は眠い!!すまんな、速いが少し寝る!
明日の日中は書くかもね!!

「BS」ってなんだろう
戦艦なら「BB」だし
潜水艦は「SS」だし



……海底軍艦?

利根「BSとは……えー……Basic Ship?と呼ばれていたらしいな、それでもどこか謎な部分は残るが……」

利根「ただ、当時艦娘の艤装を小型化する技術はなくての……今の我々の数倍の大きさの艤装だったようだ
    その上あの人には潜水能力、艦載機搭載能力、雷撃能力など様々な装備を施すことが可能じゃった
    吾輩もその姿は見たことは無いがそれはそれは巨大な艦娘だったようじゃなぁ……故にShipなのだろう」

長門「私達全ての艦娘の基本となる存在だ、大きいのは仕方がない」

長門「……彼女は本当によく出来た艦娘だった、どんな任務も嫌な顔ひとつせず従い、どんな装備だろうとためらいなく装備した」

長門「その後彼女はFG-01として数ヶ月働いていた、そのことは知っているか?」

利根「い、いえ……」

長門「FGが艦娘の意を指すことは知っているな?」

利根「それは勿論、Fleet Girlで艦隊少女……じゃったか」

長門「そうだ、Warship GirlでWSGとも呼ぶが基本的にFGで統一されている」

長門「……一人で一艦隊分の力を持つ少女……だ」

利根「吾輩らのことがWSGではなくFGと呼ばれるのはもしや……」

長門「私達1人が1艦隊分の力量を所持しているからだ、彼女の能力を継いでいる私達ならば……」

利根「ほぉぅ……それならば吾輩のカタパルトが毎回不調なのも01の」

長門「01が飛ばす艦載機は毎回快調だったが?」

利根「(´・ω・`)」



無論独自設定です

え?BSが戦艦?ナンノコトヤラ
FGがフリゲート?だ、誰だねそんな間違いをスルのは

ゴメンナサイ

3時辺りにちょっとやってみようかしら

では始めよう、番外編になるがね……

ある日 二丁目鎮守府 リビング

吹雪「…………」

TV『君は美しい……だからずっとそばに居てくれ……』

TV『……はい……!』

TV『洋子……!!』

TV『仁志……!!』

吹雪「……」ホロリ

吹雪「……」

TV『…………つづく』

吹雪「…………」ピッ

吹雪「……いいお話だったなぁ……」

TV『……次のニュースです、長野県に突如現れた古本連続窃盗犯、通称ミストレインが』

吹雪「……」ピッ

TV『沖縄県に突』

吹雪「うーん……」ピッ

吹雪「…………」ポケーッ

吹雪「何か面白い事ないかなぁ……」

吹雪「……2時……ちょっと外に出てみようかな……」


ガラララッ ガラララッピシャ

ミーンミーンミーン…

吹雪「……暑い……」

吹雪「…………」パタパタッ

吹雪「…………」

吹雪「それにしても……前浜町って本当に人が少ないなぁ……」

吹雪「皆普段何やってるんだろう……」

吹雪「…………」テクテクッ


川 中学校付近


オーライッオーライッ ナイキャッチー

吹雪「あ、野球部」

カキーンッ

野球部員『カットー!右右右ー!ストップー!オーイッ!ナイボール!』

吹雪「こんなに暑いのに……頑張ってるなぁー」

吹雪「……ん?」

野球部員『集合ー!』

オーイッ!!

野球部員『…………、…………!ッゾー!!』

吹雪「?」

野球部員『オーイッ!!』

オーイッ!!!


ザッザッザッザッザ


吹雪「何だったんだろ……」

ギィッ 

野球部員「こんちはー」

吹雪「うぇ?あ、はい……こんにちは」

コンチハー ッチァー コンチャース

吹雪「あれ?皆川に行くの?」

野球部員「え?あ、あはい、せせいに言われて毎日川掃除するようにって」

吹雪「そうなんだ……でもどうして?」

吹雪(せせい……?)

野球部員「っさぁ……多分川底棲艦?とかいう生き物を保護するためだと思うんすけど……」

吹雪「川底棲艦を?」

野球部員「えぇ、もうすぐバスケ部とかバド部とか出てくると思うっすよ」

野球部員『オラー一年一人たんねぇーゾ!』

野球部員「あ、オーイッ!!……させん、じゃあ俺行くっす」

吹雪「あ、うん、ごめんね!頑張って!」


吹雪(中学校の人たちが掃除してくれてるんだ……ネ級も喜んでるかな?)

河川敷

野球部員「っしゃーす!」

浄水ネ級「……」コクッ

野球部員「今日はどこを掃除すればよろしいっしょうか!!」

浄水ネ級「……」ウーン

浄水ネ級「……」ユビサシ

浄水ネ級「……」ニコッ

野球部員「はい!!」

ハイッ!!!

浄水ネ級「!」ビクッ

浄水ネ級「……」ペコリ


ザブザブッ オーイッ コッチヒトリー コウジオマエコッチー


浄水ネ級「……フゥ……」ペタンッ

吹雪「お疲れ様、ネ級」ザッザッザッ ストッ

浄水ネ級「!」

浄水ネ級「……?」サボッテルノ?

吹雪「いや、私は掃除係じゃないよ……」アハハ

浄水ネ級「……」

浄水ネ級「……」コクコク

ザザッ ザブッ ザブッ 

吹雪「……人間が川に入って大丈夫?川底棲艦の皆とか踏まれない?」

浄水ネ級「……」コクッコクッ

浄水ネ級「……」ミブリテブリ

吹雪「そうなの?でも大丈夫かな……」

浄水ネ級「……」ニコッ

吹雪「……まぁ川って本来そういうものかもしれないけどね……なら、いいか」

吹雪「……」

ザワザワザワ

ナニアレッ……デッケーッ エ?ヒト? カワゾコセイカン?デッカクネ?

吹雪「?」

浄水ネ級「……」ユビサシ

吹雪「……川中島姫ちゃん!?」

川中島姫「……ア、フブキ……タスケテ……」

スッゲーッ デッケーッ ヨッシートカワンネェージャン!! カッケーッ

吹雪「な、何やってるの!?こんな所で……!?」

川中島姫「ヒマダカラ……サンポシテタ……コレガ……カツ……アゲ?」

吹雪「ち、違うよ!というか……二ツ木山は大丈夫なの!?」

川中島姫「……カワハ、ツナガッテル、ダカラダイジョウブ……」

吹雪「……そ、そういう……ものなんだ……」

ザワザワ 

吹雪「……」

吹雪(……川底棲艦もちゃんと地域に溶け込んできてるんだ……)

吹雪(…………何か安心した)フフッ

吹雪(…………あ、そうだ)

吹雪(ヲ級さんとレ級さんの所に行ってみようかな)

吹雪「じゃ、私行くね」

浄水レ級「……」バイバイ



タッタッタッタ



灯台近く テトラ棲地付近

戦艦レ級「さっきあそこに魚の影あったぞ!」

釣り客M「……確かにそやなぁ、お前見たか?」

釣り客S「いや……見てへんわ」

釣り客M「……そかー…………おぉ!来おったでぇ~~!!」

釣り客S「どうせ岩かなんかやろ……」

空母ヲ級「いや……あれは魚だな、恐らく大物だ」

戦艦レ級「……なぁ……アタシの竿何時になったら当たりが来るんだよ……」

釣り客S「釣りっちゅうんは……そんな頻繁に当たるもんちゃうねん」

戦艦レ級「……えー……」

釣り客M「んなシケた面したらアカンでぇ~当たるもんも当たらんで?気長ーに待つんが一番当たりやすいんやっ」ギリギリギリッ ザバ

釣り客M「ほら釣れたっ!でっかいでぇ!」

空母ヲ級「…………ボラか……案外小物だな……」

釣り客M「……ま、そういう日もあるわ」

吹雪「   」

吹雪「んな……な……!何やってるんですかぁ!?」

釣り客M「ん?」

釣り客S「?」

空母ヲ級「吹雪か……これは釣りというらしいな、私はただ見てるだけだが……」

戦艦レ級「ジーさん二人に教えてもらってるけどよ……暇だなぁこれ……」

吹雪「そ、そういう問題じゃないですって!!何で人前に出てるんですか!隠れてないと駄目じゃないですか!!」

釣り客M「まーまぁ、そう堅いこといいなや、どや?お嬢ちゃんも釣りするか?」

吹雪「しません!!」

釣り客S「何やお嬢ちゃん、この子らの知りあいか」

吹雪「知り合いも何も……と言うか貴方達誰ですか!?」

釣り客M「釣り人や」

釣り客S「釣り人や」

吹雪「……もうそれでいいです……」

空母ヲ級「……まぁ、敵意がないのは確かだ、とにかく釣りを楽しめ、私は楽しめないが」

戦艦レ級「暇だぜ?ジーさんの変な話聞くだけだぜ~?」

釣り人M「真島組の話がおもろないんっちゅうんか?」

釣り人S「おもろかったらもうちょっと尻尾跳ねてるやろ」

戦艦レ級「尻尾は跳ねねぇよ」

吹雪「…………はぁ……」

吹雪「……その、釣り人さん?」

釣り人M「何や?」

吹雪「このことは他言無用ですからね……深海棲艦が近くに暮らしてるなんてバレたらどうなるか……」

釣り人M「おう、任しとき、じっちゃんの口は堅いんや!」

吹雪「……信用出来ない……」

釣り人S「……お嬢ちゃん、名前はなんて言うんや?」

吹雪「吹雪です……あの……本当におねがいしますね?」

釣り人S「任しとき、このアホは知らんけど俺は大丈夫や、吹雪ちゃんの秘密は俺がちゃんと守ったる」

吹雪「……お願いします……」


空母ヲ級「お前もどうだ?暇だろう?」

吹雪「……」

吹雪「……もう……しょうがないですね……」ストッ

釣り人M「ほれ、竿や、餌はその復路にあるコンビニおにぎりあるやろ?それ使いや」

吹雪「は……はいありがとうございま……お、おにぎり?」

すまない、中途半端なやつだがここまでじゃ……
続きは夜にするぞよ、夜は本編じゃ

もうすぐ始めよう

二丁目鎮守府 深夜 提督の部屋

提督「……」ギィッギィッ

提督「……ふぅー……マジかー……」

提督(まぁ普通そうだよなぁ……大和さんの気持ちも分からなくない……)

提督(が……まさか両手足が吹っ飛ぶとはなぁ……)

提督(流石にきついな……身内がそんな目に遭うってのは……)

ピコッ

ヨッコさん『貴様の鎮守府に着いた』


提督「ん……?あぁ……レ級ちゃんのことか」


ヨッコさん『面倒を見ろ、今度は目を離すな』

出前二丁『了解っす』



提督「一応見に行くか……心配だし」ギィッ

スゥーッ スゥーッパタンッ

ギィッギィッギィッギィッ ガチャッ バタンッ

提督「……」

ヲ級「ヲッ……」テマネキ

提督「お、どうした?」

ヲ級「ヲー……ヲヲッヲヲ……」モジモジ

提督「……?」

ヲ級「ヲッ」スッ

提督「これ……蛍艦戦?俺に?」カチャッ

ヲ級「ヲ!?」フルフル

提督「……吹雪ちゃんに?」

ヲ級「ヲー」フルフル

提督「じゃあ、空母のヲ級ちゃんに渡すの?」

ヲ級「ヲッ……」コクコク

ヲ級「ヲヲ……ヲヲヲヲッ……ヲヲッ……」ウルウル

ヲ級「……ヲ……ヲヲ……」ポロポロ

提督「……」

提督(吹雪ちゃん……ヲ級にも話したのか……)

提督(……お見舞い品って感じなのかな……ヲ級もあの子の事が心配なんだろう)

ヲ級「ヲヲッ……」ペコリ

提督「あぁ、ちゃんと渡しとく、だから安心してくれ」

ヲ級「ヲ……」コクッコクッ

テテテッ ピョンッ チャプンッ

提督「……ちょっと大きくなったか?ヲ級……」


ザッザッ ガララッ ガラララピシャッ カチッ

前浜町二丁目

提督(しっかしまぁ……俺がちょっとボーッとしてる間にだいぶ洒落にならない事態になってたんだな……)

提督(こんなのが毎日続いたらおちおち実家に帰ってられないぞ……)

提督(明日中に呉に電話して川内さんの療養許可も出さないといけないし……)

提督(ってあれ……?実家にいつ帰るんだっけ……?)

提督(……まぁいいか……)

提督「……ん?」

戦艦レ級「………………」トボトボトボ…

提督「あ、レ級ちゃん」

戦艦レ級「…………提督……?」

提督「外出るときは変装した方がいいぞ?誰かに見られちゃ大変だ」

戦艦レ級「…………」

提督「……って……ここまで来て返すわけにも行かないか……体は大丈夫?」

戦艦レ級「……」コク

提督「そうか……」

戦艦レ級「……」

提督「……どうした?」

戦艦レ級「……いや、何でもねぇ……ヲ級が先に寝て暇だから来ただけだ」

戦艦レ級「どうせお前寝るの遅いだろ、アタシの暇つぶしに付き合ってくれるよな?」

提督「え、あ……あぁ……勿論」

戦艦レ級「……よし、じゃあ棲地行こうぜ、あそこなら誰も居ねぇだろ」

提督「俺もそこ行く予定だったんだ、行こうか」

戦艦レ級「?……何かアタシらに用があったのか?」

提督「着いてから話すよ、行こう」



行き道

戦艦レ級「……吹雪がアイツを?」

提督「そうだぞ?吹雪ちゃん、ヲ級ちゃんのために寝床作りから何から何まで色々頑張ってくれてたんだ」

戦艦レ級「……そっかぁ……また世話かけちまったな……」

提督「そう気にすることないって、レ級ちゃんだって大変だったんだろ?」

戦艦レ級「…………まぁ……な……ヲ級に比べりゃ100倍楽な方だけど……」

提督「……」

戦艦レ級「しっかしまぁ……人居ねぇなぁ前浜町って……」

提督「深夜に賑わうのは歓楽街だけでいいよ、住宅街まで賑わっちゃ誰も眠れないじゃないか」

戦艦レ級「……あー……まぁ生き物は寝る生き物だよな……」

提督「深海棲艦だってそうだろ?」

戦艦レ級「アタシらは寝たい時に寝る、朝だの昼だのって騒ぐのは人間だけだ」

戦艦レ級「……ま、アタシも基本的に夜は寝るけどな……」

提督「それみろ、やっぱ人間と同じじゃないか」

戦艦レ級「全部が全部そうじゃねぇよ馬鹿」

提督「はは……そうだったな」

テトラ棲地付近

戦艦レ級「……で?アタシらに用ってなんだ?」

提督「まぁー……大した用じゃないんだけどさ……川のヲ級がヲ級ちゃんに渡したいものがあるらしくて……」

戦艦レ級「川の?アイツが何を渡すんだ?」

提督「……多分あの子達にとって大事なものだ、お見舞い品だ」

戦艦レ級「オミマイ?」

提督「早く良くなってくれってことだ、あの子たちも心配してるらしいぞ?ほら、これだ」スッ

戦艦レ級「……」カチャッ

戦艦レ級「……これ……猫艦戦……?」

提督「そ、猫艦戦」

戦艦レ級「じゃ、ねぇよな?」ジトッ

提督「ハイ」

戦艦レ級「……川底棲艦の艦載機って奴か……言っとくけどアタシは飛ばせねぇからな?」

提督「あー大丈夫、たしかそれ、何かしたら勝手に浮かんでふよふよ飛ぶから」

戦艦レ級「何かって……ボタンでもあんのか?」

提督「そこまでは聞いてないけど……探してみたら?」

戦艦レ級「……んー……念じるのか?」ムムムッ

戦艦レ級「……っ」クイッ

蛍艦戦「……」フワッ

戦艦レ級「お、動いた」

蛍艦戦「……」フヨフヨ ピカピカッ

戦艦レ級「……光るのか……」

提督「川に蛍って生き物が居てなぁ……そいつと同じような光なんだよ……」

戦艦レ級「ほぇー……ホタルねぇ…………」

提督「……今じゃ殆ど見なくなったけどな……」

蛍艦戦「……」ボゥ…ボゥ……

戦艦レ級「…………綺麗だ……」

提督「だろ?ヲ級ちゃんも呼んだら?」

戦艦レ級「あぁ……連れてくる」ピョンッ ザブンッ





数分後

ポワポワ……ピカッ ピカッ

空母ヲ級「……」

戦艦レ級「どうだ?ヲ級……」

空母ヲ級「…………綺麗だな……私達の艦載機の一種とは思えない……」

戦艦レ級「……だろ?川のお前から貰った奴だ」

空母ヲ級「川のヲ級……あいつか……?」

戦艦レ級「あぁ……皆心配してんだぜ?早く良くなれよってさ」

空母ヲ級「……レ級……」

戦艦レ級「…………全く……世話のやける友達だよお前は」ポンポン

空母ヲ級「フッ……今まで苦労をかけさせた報いだ、しばらく世話になるぞ」

戦艦レ級「……任しとけ

前浜町の田舎度が知りたい

この時代でも普通に蛍がいたりするんだよね……

>>571

利根「……どのくらい田舎かと聞かれてもな……田舎は田舎じゃ、
    まぁ、高速を降りてかなり車を走らせた方言訛りの強い田舎を想像するといいぞ
    前浜町は標準語がメインだが」

睦月「ライフラインがイオンモール……とかでしょうか?」

利根「いや、イオンモールではなくマルショクとかの方がしっくり来るであろう」

睦月「九州の人達には結構ポピュラーなスーパーマーケットですけど……それだけで田舎とは決められないと思いますよ?」

利根「……ううむ……わからん……ひとつ言えるのは田作ではなく畑作がメインじゃ」

睦月「そして日本でも珍しい漁港が設置されていますねー……」

利根「うむ、知名度は悪くないが前浜町に向かうための交通手段がほぼ無いというのは痛いところじゃのう」

睦月「およ?でもバスは結構通ってるんじゃ……」

利根「後乃木市から名古屋駅に向かう交通集団がタクシーしか無いのじゃ……」

睦月「えー……何でですか……?」

利根「知らん!吾輩は愛知博士ではない!」

睦月「利根さんが知らなかったらもう知る手段がないじゃないですかぁ……」

利根「睦月は吾輩をなんだと思っておるのじゃ……」

※後乃木市も前浜町もフィックション!!です、実在の前浜町の地名とは一切ry


ピカッ ピカッ

空母ヲ級「……フフ……可愛いな……こいつは……」

戦艦レ級「気ままに飛んでるって奴だな……羨ましいねぇ……」







灯台

提督「……気に入ってくれたみたいだな……良かった……」

提督「……さて……帰るかな……」クルッ

女中学生「…………」ジーッ

提督「……うおおおぉぉ!!?」

女中学生「ヒェッ……」ビクッ

空母ヲ級『……!?』

戦艦レ級『……お?』



提督「……な、何だ……女の子……?」

提督「………………ど、どうしたんだ?こんな時間に……」

女中学生「……あの……」

提督「な……なんだ?」

女中学生「…………いえ……何でも……ないです……」

提督「……そ……そうか……」

女中学生「………………」トコットコッ

提督(ん?……義足……?)

女中学生「…………し、失礼します……」ガチャ シャカシャカシャカッ

提督「……あ、はーい……夜の自転車は気をつけるんだぞー」

提督「……何だったんだ……?あの子……まいっか……」テクテクッ



テトラ棲地

空母ヲ級「……ウメヅキ……」

戦艦レ級「アイツがそうか?でもあんな艦娘見たことねぇぞ」

空母ヲ級「だろうな……私も見たことが無い……」

戦艦レ級「……」

戦艦レ級(何だ、全くの他人じゃねぇか……)

同時刻 呉鎮守府

長門「…………」サラサラッ ッタンッッタンッ

陸奥「長門……もう休んだら……?」

長門「この始末書は提督のものではない、私のミスによるものだ」

長門「傘下の不始末は私の責任だ、私の責任を誰かに押し付けるわけには行かない」サラサラッ ポンッ

長門「…………秘匿情報としておくべきではなかった……多少の反感を覚悟してでも説明するべきだった……!!!!」

陸奥「長門……」

長門「くそ!!私のミスだ…………!!私が情報公開をためらったから……!!!」ガクッ

長門「二丁目のヲ級は傷つくべき艦娘ではなかった……!!私のミスで……!!くそ……!!畜生!!!」ダンッ!!

陸奥「…………」

長門「…………」


コンコンッ

大淀『大淀です、長門秘書艦は……?』

長門「……入れ……」

大淀「失礼します……」ガチャッ

大淀「あの……横須賀鎮守府から通信が来ていて……」

長門「……奴から?」

大淀「えぇ……艦隊運営における重大な伝言を伝えるそうです……通信席へお願いします」

長門「分かった……」

陸奥「……長門、いいの?」

長門「……あぁ……」

長門「……」カチャッ

横督『長門さんかな?私だ』

長門「……チッ……貴様か……」

横督『フッ……相変わらずのウジ虫っぷりを見せてくれるじゃないか……感服したよ、君は人を怒らせる天才のようだ』

長門「用がないなら切るぞ、貴様の発する声など何時までも聞いていられん」

横督『そう言うな、私とて貴様と通信をしていると心なしか吐き気を催す』

長門「なら早く要件を言え、貴様が考えているほど私はヒマじゃない」

横督『新米少佐の秘書艦がヒマじゃないとは笑わせてくれるじゃないか、何時から漫談の才能が身についたのだ?』

長門「……貴様がやったことだろうが……!!!」

横督『貴様の提督の落ち度だ、ゴミに階級を与えてはいけないからな……苦渋の決断だったよ』

長門「貴様ぁ……!これ以上提督を侮辱すると許さんぞ……!!!」

横督『侮辱する気はない、事実を言っているからな』

長門「ふざけるな!!!あの不当な降格で私達がどれ程被害を被ったと思っている!!!」

横督『知った事か、無能に似合わぬ階級を持つ方が悪い、まぁせいぜい苦しみ給えよ』

長門「……ぐ……貴様ぁ……!!!……殺させろ……!!もう我慢ならん……!!!」ギリギリッ

横督『……さて……本題に入ろうか……』

長門「早く言え……貴様の声などもう聞きたくない……!!!」

横督『そうか、ならばさっさと言おう』



横督『大和の管理ミス、非常に面白いサプライズだったよ』

長門「……」

横督『おかげで私は、再び君たちに失望することが出来た』

横督『どうやら貴様と私はとことん合わないと今回の不手際で確信した』

長門「……今さら何を言う」

横督『だが……このままでは互いの不仲により内紛が勃発するやもしれん、そこでだ』

横督『私は貴様と和解するきっかけを作りたいと考えてている』

長門「気でも狂ったか、私が屑と和解するとでも思っているのか?」

横督『私が貴様のような出来損ないと和解をしてやろうと言っているのだ、快く承諾するべきではないかね?』

長門「ふざけるのもいい加減にしろ、考える余地もない、お断りだ」

横督『そうか……まぁ私は寛大な男だ……考える時間をやろう、いずれにせよこんな関係を続けているようでは先が持たん』

横督『次に私が連絡する時に結論を聞かせてもらおう、和解を選ばなかった場合は……分かるな?』

長門「…………貴様にはもううんざりしている、いい結果は無いと思え」ブチッ

横須賀鎮守府 

横督「……」

叢雲「飲み帰りだってのにご苦労様ねぇ……」

横督「……叢雲」

叢雲「ん?」

横督「私はもう休む、当直組に仮眠の指示を出しておけ」

叢雲「はいはい」


横督(……長門め……更に捻くれたか……)

もうすぐ初められたら嬉しいかも

次の日 昼 二丁目鎮守府 リビング

提督「……というわけで……そちらの川内さんをこちらで引き受けようかと……」

提督「えぇ……えぇ……はい、資材の備蓄を優先し、その後空母をお二人を……え?一人……?」

提督「はい、では…………長門さん……何かあったんですか?」

吹雪「?」

ヲ級「ヲ?」

レ級「ン?」

提督「いえ……何か……えらい声が疲れてるような気がして……」

吹雪(長門さんの所も何かあったのかな……)

提督「……まぁ……大丈夫ならいいですけど……何かあったら言ってくださいね?」

提督「えぇ……じゃあ予定通り1周間で、はい……え?今日来るんですか?」

提督「はーい、じゃあ用意しておきます、では……あ、深海棲艦の件は……あ、大丈夫……はーい、失礼します」カチャッ

吹雪「電話、大丈夫でした?」

提督「あぁ、深海棲艦の事も伝えるみたいで、川内さんの療養は安全に済みそうだ」カキカキッ サラサラッ

吹雪「……長門さん……何かあったんですか?何だか疲れてる~とか言ってましたけど」

提督「何かなぁ、声がだるそうな声で、相当ストレスが溜まってるみたいだ……」

吹雪「そうですか……やっぱり私達が原因……?」

提督「多分……それにMI終了で色々あるし、艦隊の運営もギリギリなんだろう……多分今一番苦しんでるのはあそこだよ」

吹雪「……」

提督「ま、それを少しでも和らげてあげるのが俺達の仕事だ、吹雪ちゃん、川内さん今日来るから準備頼むよ」

吹雪「え?今日?」

提督「そ、今日だ、すぐに向かわせるみたいだから色々急いだほうがいいぞ?」

吹雪「は、はい!」タタッ ガチャッ バタンッ

提督(……川内さんかぁ……顔も見たことがない人だけど……どんな人なんだろ……)スッ ペラッペラッ

提督「……えーっと……川内だから……せ……せ……あ、った……ってこれ違う、改二だ」

提督「こっちか……えーなになに…………ふむふむ……へぇ……割と最近なんだ……」

提督「顔写真の人相から見ると結構元気な感じなんだなぁ……ふぅん……」


シレイカーン フトンドウシマスー?


提督「あー、川内さん一人だし吹雪ちゃんと同じ部屋でいいよー」


ハーイッ

提督「よし……掃除機かけるか」

提督「よし、掃除しようか、まずは……下の棚の中を掃除するからヲ級とレ級は中の物出してくれる?」

ヲ級「ヲッ?」ココ?

提督「そう、その中の救急箱とか……書類とかだな……レ級って力に自信ある?」

レ級「?……ンー……」コクコクッ

提督「なら良かった、じゃあレ級には救急箱をお願いしようか」

レ級「キュ……キュ?」

提督「これこれ……これを」スッ

レ級「……?」ガシッ ヒョイッ

提督「そうそう、そうやって持ち上げて、開いてる所に置く、他のヲ級じゃ持てないものも出来る?」

レ級「ンッ」コクッ

提督「なら安心だ、ヲ級も分かった?」

ヲ級「ヲーッ」ハーイ

提督「よし、じゃあ始めるか」

レ級「!」コクッ

ヲ級「ヲッ!」コクコク



数分後


提督「…………」ヴィーーンッ スゥィーーーンッ

ヲ級「ヲー…ヲッ」ヨイショッ ヨイショッ

レ級「……ットト」ヨッコラショット…

提督「あー、それはそっち、その棚に突っ込んどいてくれる?」

ヲ級「ヲ」コクッ

レ級「レッ!」パッ…ケイレイッ!


ドンガラガッシャーンッ!!


レ級「ア……」

ヲ級「ヲヲ…」ガクッ

提督「あらま、落としちゃったか……手伝う?」

レ級「ンンッ!」フルフル

提督「お、いいのか?任せちゃうよ?」

レ級「……ンー……」アツメッ アツメッ

レ級「…………」モタモタッ モタモタッ

レ級「……ヲキュ……?」

ヲ級「ヲッ」ダメッ

レ級「ウゥ……ヲキュー……」

ヲ級「……」プイッ

レ級「ウ……テトク……」

提督「おっけい、手伝うよ、次は無理して運ばないようにするんだぞ?」

レ級「レッ」コクコクッ

数十分後 吹雪の部屋

吹雪「……えっと……次は押入れ……っと」スゥーッパンッ

吹雪「あれ?最後まで開かない……」スゥーッパンッ

吹雪「……??」スゥーッパンッスゥーッッパンッ

吹雪「……あ……そういえば……これふすま3枚しか無いんだっけ?」

吹雪「微妙に不便だなぁ…よいしょ……」


押入れの中

吹雪「っ……ケホッ……油臭い……」

吹雪「少し暗い掃除とけばよかった……えっと……艤装は……」ゴソゴソッ

吹雪「これこれ……最近整備してなかったっけ……後で整備しないと……」

吹雪「…………ん?」


カサカサカサカサ……


吹雪「……」

黒い奴「……」カサカサ

吹雪「……」タラァ…

黒い奴2「……」カサカサッ

黒い奴3「……」ガサッ

吹雪「ひ……」

黒い三連星「……」カサササササササッ カサササササササ!!!!


キャアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!!!!!!

提督「ど、どうしたぁ!?」

吹雪「し、しれえかぁん!!」タタッ!! 

吹雪「あ、ああ、ああの!あの!あれ!あれなんですか!?なんの生き物ですか!?」

提督「……?」

提督「…………」

黒い三連星「……」ピタッ

提督「…………」

吹雪「あ、あぅぅ……!!な、何でこんな……動きが……動きが速んですかぁ……」ビクビクッ

提督「…………吹雪ちゃん……」

吹雪「は……はぃ……?」

提督「……いいか?あれは……ゴキブリという生き物だ……」

吹雪「ごき……ごきぶり……?」

提督「そうだ……ゴキブリだ……家に住まう、家族散開装置だと思えばいい」

吹雪「……一体、どんな生き物なんですか……?」

提督「……不快害虫……つまり、見てると生理的に嫌な気分にする悪魔の虫だ……」

吹雪「こ……怖い……です……」

提督「大丈夫だ……うん……大丈夫だ……」

吹雪「……ど、どこにそんな根拠が……!!」

提督「アシダカ様の取り逃しを処分するのは人間の仕事……」

提督「吹雪ちゃん、吹雪ちゃんはここで待っててくれ、危険だ」

吹雪「は、はい……」

提督「……確かあれは……後ろ棚の中だな……」パタッ ギィッ

吹雪「司令官?」
               ゴ キ ジ ェ ッ ト
提督「軍手……それと対ゴキブリ用殲滅兵器……」

提督「……吹雪ちゃん、行ってくる」

吹雪「はい……お願いします……」

提督「任せておけ」スゥッ スゥッパンッ




吹雪の部屋

吹雪「……」チラッ

提督「…………」

ゴキA「……」カサササッ

ゴキB「……」ピタッ

提督「……?三匹じゃ……」

ビィィィィィィッ 

ゴキC「…………」ビィィィィッ

提督「ふぁあああああああああああああ!!!!!!!?????」

シュタタタタッ ガッ ガッ!!


提督「ふ、吹雪ちゃん!!何故開けないんだ!!!開けてくれ!!!」

吹雪『いやです!!もしゴキブリが出てきたらどうするんですか!!!!』

提督「そ、そんな場合じゃ!!奴はドムじゃない!!リックドムだ!!飛んでる!!ひぃぃ!!背中にわさわさしたのがぁああ!!!」

吹雪「いやあああ!!あけないでぇ!!そんな状態で来ないでぇ!!!」

虫ヲ級「…」

リビング

ギャァァァーーッ!!! ヒィイイイーーーッ!!!!

ウワァアアアアアアアッ 


ヲ級「……?」

レ級「……」ポンッ

ヲ級「ヲッ……」テテッ


階段

ピョンッ ピョンッ ピョンッ ピョンッ ピョンッ 

ヲ級「フゥ……ヲーッ!」

吹雪「!」

吹雪「ヲ級……はっ!」

吹雪(ヲ級は虫を操る川底棲艦……って事は……)

吹雪「ねぇヲ級!ゴキブリって知ってる!?」

ヲ級「ヲ……?」

ヲ級「ヲー……ヲヲッ」コクッ

吹雪「操れる!?」

ヲ級「ヲー……」ウーン

ヲ級「……ヲッ」

吹雪「本当!?は、早く……司令官が危ない!急いで!!」

ヲ級「ヲッ……ヲヲ?」クビカシゲ

吹雪「司令官の心がもう持たないの!噛まれたりしないのはなんとなく分かるけど……!」

吹雪「さ、急いで!!」スゥッ!!


提督「…………」ピクピク

吹雪「し、司令官!!」

ヲ級「ヲヲッ!?」


黒い三連星「…………」

ヲ級「…………」キッ

ゴキA「……」

ヲ級「…………」ムムムムッ……ムッ!!

ゴキB・C「……!」ピタッ

吹雪「!」

ヲ級「…………ッ」ピクッ

ヲ級「………………」ピカーッ!!ピカピカッ

吹雪「……光った……?」

ガサガサガサガサッ!!! バッ!!!


アシダカグモ「…………」

吹雪「ひぃ!!?ちょ、ちょっとヲ級!!クモ呼んでどうするの!!追い出してってば!!!」

ヲ級「……」ピカッ

アシダカグモ「…………」ピクッ ガサガサガサガサガサッ!!!! バッ ガブゥッ!!!

吹雪「え……?」

提督も最初からアシダカさんの討ち漏らし云々言ってたしな

ヲ級「……ヲ」ユビサシ

アシダカグモ「…………」ガサガサガサガサ… 

ゴキA「  」ズルズル…

吹雪「い、今のクモは……?あ、あっという間に一匹……」


ヲ級「…………」ジッ

ゴキB「……」

ゴキC「……」

ヲ級「…………」ピカッ

ゴキB・C「……」カサカサカサカサッ

提督「……う……ん?……うぉ……?ゴキ共が逃げて……」

吹雪「でも逃したらまた来るんじゃ……どうするの?」

ヲ級「ヲヲ……」ニヤリ

ヲ級「……」ユビサシ

提督「窓?さっき逃げたトコか……あまり見たくないけど……」ヌッ

吹雪「……」チラッ



ゴキB「  」

アシダカB「……」ムシャァ

ゴキC「  」

アシダカC「……」モシャモシャッ



ヲ級「……ヲッ……」ニヤ

吹雪「……ざまぁみろって………ヲ級もゴキブリ嫌いなの?」

ヲ級「……」コク

吹雪「そっか……でもあの蜘蛛は一体……」

提督「あれがアシダカ様だ……ゴキブリを主食とする益虫……どこかの家から出張してきたんだろうな……」

ヲ級「……ヲッヲ」ピカピカッ

アシダカB・C「……」ガサガサガサ……


提督「……アシダカ様……ご苦労様です……」

吹雪「し、司令官?」

提督「家のゴキブリを退治してくださる虫だ……ちゃんと敬意を示すんだ」

吹雪「え、あ、あはい!……えっと……」ピシィッ

吹雪「ご、ご苦労様でした、アシダカ様!?」

ヲ級「ヲヲー……ヲッ……」ネムネム…

ヲ級「ヲー……」スタスタ

ヲ級「……ヲッ……」カイダン……

吹雪「あ、ヲ級、階段降りるの?」

ヲ級「ヲ……」コク

吹雪「じゃ、一緒に降りよっか」スッ 

ギィッギィッギィッ

提督「…………」

提督「各家庭に1人はほしいな……虫母ヲ級……」

夕方 リビング ソファの上

提督「……ふぅー……散々だった……」

吹雪「えぇ……でも……ヲ級達が手伝ってくれたおかげで……掃除は終わりましたね……」

提督「だなぁ……いやぁ疲れた……」

吹雪「ヲ級が来てくれなかったら今頃……本当に感謝しないと……」

提督「だなぁ…………はぁ……っとに……」ゴロッ

吹雪「ってちょ……司令官寝転ばないで下さい!」

提督「いいじゃないか……吹雪ちゃん見てただけだし俺なんかゴキに囲まれたんだぞ?」

吹雪「それは同情しますけど……もう……いいです、私降りますから……」ストッ

吹雪「……床、綺麗ですよね?」

提督「掃除機かけたしな、普通に綺麗だぞ?」

吹雪「…………ん」ゴロンッ ピッ

TV『……りが目にした物とはー!?』

提督(……あ、吹雪ちゃん、スカートめくれてる)

吹雪「……」グイッ

提督(さり気なく戻した……まぁそりゃ戻すよな)

吹雪「……」チラッ

提督「……」メソラシ

吹雪「……」クルッ

吹雪「…………司令官、おせんべいとかあります?」

提督「ん?あぁ、ぬれ煎餅ならあるけど、食べる?」

吹雪「はい、あ、お茶淹れますね?」

提督「あー、いい、俺が持ってくるから」

吹雪「あ、はーい……」ゴロッ

吹雪「…………ん、おいし……」

提督「……茶に合うお菓子っていいよなぁ……」

吹雪「そうですよねぇー……」

提督「……にしても川内さん遅いな……」

吹雪「交通機関に乗り遅れたとか……?」

提督「海使ってくるから交通機関もクソもないはずだけど……」

吹雪「……うーん……」

提督「ま、そのうち来るだろ」

吹雪「何かに巻き込まれてなきゃ良いけど……」


ピンポーンッ


提督「お?」

吹雪「あ、私出ます!川内さんかな……」タタッ 

吹雪「はーい」ガラッ

川内「こんばんは!!」ズイッ

吹雪「ひぇあ!?」ドテーンッ

川内「あれ?白雪も療養?」

吹雪「わ……私は吹雪です!!」

川内「え?吹雪……?」

吹雪「……」

川内「…………誰だっけ?」

吹雪「白雪ちゃんの姉です!!!!」

川内「白雪に姉いたの!?」

吹雪「いますよ!!」

川内「へぇー……」


提督「……ん?お、来てたのか川内さん」

川内「……あ!」ピシッ

川内「こんばんは!川内型軽巡一番艦川内です!よろしくお願いします!」ビシィッ

提督「よろしく、川内さん」

川内「……おぉ……」

提督「?」

川内「つ……通訳なしで提督の声が聞けるなんて……」

提督「はい?」

吹雪「え?」

川内「?」

というわけで今日は寝るぞ!
……やっと夜戦バカ出せた……

なんだろう
夜戦馬鹿が昼型のまっとうな娘に改造されて帰っていく姿が見えるようだ

ID:2w3+LpE3O 「自分はたった10レスしか雑談してないから正義」wwww

>>1のレス数が少ないのは雑談どうこう以前に>>1の書き込みスタイルがそういうものだってのがある。
つまり、
・1レスあたりの行数が多い
・1日あたりのレス数が多くない
・書き溜めせずに様子をみながらちまちま書いていくスタイル
・当日分も本編最初の1レス分を書く前に予告して読者を煽るスタイル

作者/読者書き込み比率に文句を言うなら作者に文句ついたら?
「読者数減らせ」とか「行数減らしてレス数水増ししろ」とか「書き溜めしろ」とか?
そんな要求出すのはどこの尊大な読者様だよって話にしかならんがな

ホームセンター『ほむほむ』

前浜町の端あたりに立っているホームセンター
品揃えはやたらと豊富で、値段も他のホームセンターとは比べ物にならないほど安い。

外観は工場を改装したような見た目であり、非常に大きい
立地が悪いためホームセンターだと気付かない客も少なくないそうだ。
それ故に客の数は大きさの割にまばらで経営難が疑われている。

内装は若干薄暗く、天井が異様に高い、入り口の直ぐ側にレジがある。
客の数を予想していたのか、レジはひとつしか無い。レジはかなり高性能な機種らしい。

店の奥には資材置き場のような所が存在し、
そこには艦娘の修理用資材が無造作に並べらている。
最も多いのは大和型のスペアパーツのレプリカ。
どこで手に入れたのか、何故ここに極秘情報となっている艦娘大和のレプリカが存在するのかは企業秘密だそうだ

店長兼店員は黒髪の無口な女性、滅多に店内に現れない。
同一人物か不明だがトラック島、ラバウル島など、様々な海軍基地で似たような人物が目撃されている。

接客の際に名札を付けておらず、客が店員の名前を知る機会は殆ど無い
一々店員の名前を覚える癖がある人以外はこの店員の名前を知ることはほぼない。
ちなみに二丁目鎮守府の扉の購入の際に書類を書き、店員がハンコを押したが、吹雪は名前を10秒足らずで忘れた

常連客になるとバックヤードに置かれている若干ヤバめの品も売るそうだが
辺鄙なホームセンターで常連客になる客はほぼ居ない為、売る機会がない。
商品の中にはロケットランチャーやライフル銃、艦娘用艦砲などガサ入れされたら一発アウトな商品もある。

最も高額な商品は『マジカルマスケット銃』¥49800000


後乃木市の『河城電器』と提携関係を結んでいるとか結んでいないとか

出かける前にかいてみた、後悔はしていない
深夜に書き始めるかもしれないから少し遅くなるぞよ、すまぬ

マジカルマスケット銃…もしかしてマミさんお金に困ってる?

pgr

ただいま……風呂入ったら始めるぜ

……ふぅ……やるぞ

リビング

川内「……おじゃましまーす……へぇー……これが人間の生活空間なんだ……」

吹雪「えぇ、あ、荷物は私が持って行っておきますね?二階の右の部屋に置いてるので」

川内「あ、ホント?悪いねー」スッ

吹雪「はい、じゃあお預かります」ガチャッ

川内「艤装もあるから気をつけてよ?」

吹雪「はーい」


ガチャッ バタンッ


川内「……元気な子だねー」

提督「でしょ?」

川内「うん、あの子が白雪の姉ってのもなんかわかってきた気がする」

提督「……白雪ちゃんかぁ……」

川内「あれ、知ってるの?」

提督「ちょっとだけな、一回第五遊撃部隊と演習した事があって……」

川内「?……あー……MIの前か……そういえば前浜町に一回来てたっけ?」

提督「あぁ、その時に吹雪ちゃんとタイマンでやりあったのが白雪ちゃんだったな」

川内「へぇー……あの子強かったでしょ?」

提督「確かに強かったなぁ……」

川内「そりゃそうだよ、あたし達と同じ水雷魂が入ってるからね」

提督「水雷魂……?」

川内「悖らず、恥じず、憾まず、聞いたことあるでしょ?」

提督「いや……全く……退かぬ媚びぬ省みぬしかないな……そういうのは……」

川内「そう?あまり知られてないのかなぁ……」

提督「だなぁ……提督学校じゃそういうのは教わらなかったし……」

川内「……ふぅーん……あ、ソファ座っていい?」

提督「いいぞー」

川内「ありがと……ふぁーっ……疲れたぁ……海渡るのも楽じゃないもんだねー」ドサァッ

提督「え?楽そうに見えるけどきついの?あれ」

川内「そりゃキツイよ、スピード上げるには重心下げないといけないし腰が痛いったらありゃしない」

川内「それにあたしらの艤装って右腕にだけカタパルトがついてるからさ、重心ずれたらどんどん右に方向がずれるの、っとに……」コキコキッ

提督「そりゃ大変そうだなぁ……」

川内「でしょ?体の疲労が溜まる溜まる……はぁー……」グッテーッ

吹雪「司令官、川内産の荷物運び終わりました」

提督「お、ありがとう……あ、吹雪ちゃん」テマネキ

吹雪「……?」

提督「部屋の掃除は大丈夫?ゴキ氏の残骸とか残ってないよな?」ヒソッ

吹雪「だ、大丈夫です、殺虫剤も撒いてないですし、ヲ級のお陰で……」ヒソッ

川内「?」ムクッ

提督「ならよかった……荷物は他の子と同じ所?」

吹雪「えぇ、押入れの中も整理したので艤装の保管も問題ないです」

川内「何かあったの?」

吹雪「え?あ、いえ!特に何も……」

川内「?……そう?」

提督「あぁ、寝る場所について相談してただけだよ、川内ちゃんは吹雪ちゃんと一緒でいい?」

川内「え?あ、うん、吹雪はそれでいい?」

吹雪「はい、構いませんよ?」

川内「ん、じゃあよろしくー」ドサッ

川内(ま、別に一緒に寝るワケじゃないからいいよね?)


午後7時半 夕食後

提督「ふぅー……」ジャバジャバッ

吹雪「あ、お皿手伝いましょうか?」

提督「大丈夫……ん?」

吹雪「?」

川内「……」ソワソワ

川内「……」ソワソワッ

吹雪「川内さん?」

川内「……!な、何?」

吹雪「あ、いえ……何だか落ち着きが無いように見えて……」

川内「い、いや?私はこれでも落ち着いてる……」チラッ

時計「7時47分」

川内「……」

吹雪「?」

吹雪「8時に何かあるんですか?」

川内「2000は夜戦の時間……もうすぐ……もうすぐ……」

吹雪「やせん……?」

川内「艦娘なのに夜戦知らないの!?」

吹雪「いや……知ってますけど……でも何で?」

川内「夜は夜戦の時間でしょ!?」

吹雪「夜は寝る時間ですよ?」

川内「……まさか吹雪……ずっとそれでやってきたの?」

吹雪「……え、えぇ……?」

提督「……?」

川内「…………」チラッ

時計「8時00分」

川内「来た……提督!夜戦の時間だよ!!夜戦しよ!!夜戦!!!」

吹雪「ほ、本当にやるんですか!?」

提督「や、夜戦って……夜戦するにも標的がいないじゃないか」

川内「標的は後で作ればいいよ!夜は私の時間だからね!吹雪も行く!?」

吹雪「え?えぇ?」

川内「よし!行こっか!!艤装つけるよ!!」

吹雪「え、えちょ!?川内さん!?」


ガチャッ バタンッ!!

ドタドタドタドタッ!!!


提督「…………」ポカーン

バーンッ!!!

川内「提督!!行ってくるから!!」

吹雪「ちょ、ちょっと待ってくださいってばぁ!!」

タタタタッ!! ガラッ!!ガラッピシャッ!!!

提督「……あ、あー……いってらっしゃーい…………」

提督「……夜、好きなんだなー……一応付いていくか……」フキフキッ


タッタッタッ ガラッ ガラッピシャッ カチッ






前浜町 灯台

吹雪「こ……ここです……この灯台が目印になってますので迷ったらここを目指して下さい……」ゲンナリ

川内「ふむふむ……じゃ!夜戦しよっか!!」

吹雪「え?今からですか?」

川内「もっちろん!!!!夜戦は大事だよね!!!ね!?」ズイッ

吹雪「そ、そうかもしれませんけど……川内さんの弾は演習弾ですよね?」

川内「そりゃ、勿論吹雪に撃つ弾だから演習弾に決まってるじゃん!!ね!?やろ!?」

吹雪「……ちょっとだけですよ?」

川内「ちょっとじゃ物たんない!!夜明けまで付き合ってよ!!」

吹雪「で、でも……」

川内「ふーぶーきー!!」




テトラ棲地

戦艦レ級「…………」

ヤセンヤセンーッ!! ヤセンシヨーヨー!!! アタシトヤセーン!!!

ヤーーーセーーーーンーーーーー!!!! セ、センダイサン……シズカニ……

戦艦レ級「…………っるせぇな……」イライラ

フブキガヤセンシテクレナイナラ!!! デモヤセンシタイーーーーッ!!!

戦艦レ級「……」ブチッ

うむ、眠い……早くて申し訳ないが今日はこの辺で……

もうすぐ始めるよ

灯台

川内「夜戦夜戦ー!!吹雪ぃーオールしようよぉー!!」

吹雪「川内さんっ……近所迷惑だからもう少し静かに……」

川内「吹雪は分かってないよ!夜戦の大切さ……夜戦の素晴らしさが!!」

吹雪「分かってますけど今やることじゃないですって!!夜戦は呉に戻ってからに……」

川内「一週間も我慢できるわけ無いじゃん!!今夜戦するから効果があるの!」

川内「暗闇の中探照灯を照らし……光る目だけを頼りに魚雷と艦砲をブチ込む……」

川内「分かるでしょ!?吹雪なら分かるでしょう!?」

吹雪「……ま、まぁ……一撃で倒せたらたしかに気持ちい」

川内「でしょ!?でしょ!?夜は好きでしょ!!!?」

吹雪「だからちょっとだけなら付き合うって」

川内「だぁー!!わからないのかなぁ!?そこは分からないと!!」

川内「いい!?吹雪、夜戦は一晩オールしてなんぼなの!中途半端な2300に終わっちゃそれは夜戦じゃないよ!」

川内「吹雪は分かってない!その素晴らしさをもっと知るべきだよ!!」

川内「暗闇の良さ!!何も見えないスリル!!曳光弾の放つ光のアーチ!!その全てが夜戦に詰まってるんだから!!」

川内「ね!?ね!?」

吹雪「…………」イラッ

吹雪「あぁもういいですよ!!付き合えばいいんでしょ!付き合えば!!!!もう!!」

川内「よしきた!!じゃあまず艤装の装備を夜戦用に」


ドゴォーンッ!!!


川内「!?」

戦艦レ級「ギャーギャーギャーギャーうっせぇんだよてめぇら!!!今何時だと思ってんだ!!!」ウガーッ!!

吹雪「ほら!!だから言ったでしょ!?」

川内「…………え、せ、戦艦レ……」

川内「…………」フラッ バタッ

吹雪「あ、あれ……?川内さん?川内さん!?」

戦艦レ級「……あぁ?てめぇ……気絶すりゃ許してもらえると思ってんのかテメェ……」ガシッ ゴンッ

川内「あだっ…………っ……ひぃぃ!?」

戦艦レ級「オイ……アタシどこで寝てると思ってんだ、前浜町にどんだけ人間が寝てると思ってんだ?」

戦艦レ級「人の眠り妨げんのが艦娘か?あ?」ギロッ

川内「ひ、ひい!!ごめんなさい!!ごめんなさい!!私もう騒ぎません!!!こ、殺さないで!!」

戦艦レ級「……チッ!!」ブンッ

川内「うっ……!」ドサァッ

戦艦レ級「……で?吹雪、こいつあれか?療養なんたらか?」

吹雪「え、えぇ……そうですけど……」

戦艦レ級「……へぇ……」

川内「……ふ、吹雪……こいつ……」

吹雪「えぇ、深海棲艦の戦艦レ級です、長門さんからお話を聞いてると思いますけど……」

川内「え、え?……あ……あぁ……そういえば……そうだっけ……味方につけた深海棲艦……って……」

吹雪「戦艦レ級……と空母ヲ級ですけど……」

川内「だ、大金星にも程があるでしょ……」

吹雪「そうですか?」

戦艦レ級「……ったく……しっかし随分夜戦が好きなんだなお前……」

川内「は、はい!だ、大好きなんです!はい……ハイ……」

戦艦レ級「……ふぅん……夜が好きな割には肌が綺麗なんだな……」ペタペタ

川内「え……は、はい……こう見えても美容には……気を遣ってるので……」ゾワゾワッ

吹雪「そうなんですか?」

川内「那珂がうるさいんだよね…………アイドルの姉が可愛くなかったら駄目ー!なんてね……懐かしいなぁ……ハハハ…」

吹雪「せ、川内さん……死ぬ直前みたいな笑いしないで下さい……」

川内「…………戦艦レ級さん……」

戦艦レ級「ん?夜戦か?いいけど」

川内「あああいやいやいや!違う違う!違うんです!!え、えっと……」

戦艦レ級「そんな遠慮すんなって、アタシは別に夜戦嫌いじゃないからさ……それに、目が冴えちまって少し疲れたくなって……な?」ジロッ

川内「い、いやいや!そんなお手を煩わせるようなことは!」

戦艦レ級「行こうぜ?久々に腕がなるって奴だなっ!」ガシッ グイッ

川内「いや!!やだぁ!!夜戦いやぁぁ!!助けて!!助けてぇ!!!吹雪ぃい!!!」ズルズルー

吹雪「……はぁ……結局私も行か無きゃダメなんだ……」スタスタッ

意識が飛ぶ程度の能力を持ってるかのような寝落ち率、BADだね

ただいま、もうすぐ始めるかと、今日は寝落ちしないぞ

数分後 灯台

提督「……あれ、行っちったか……」キョロキョロッ

提督「……ってあれ?棲地の入口が開いてる……あの子も行ったのか?」スタッ タッタッタッタ

提督「……おーい、ヲ級ちゃーん?」

……プカーッ

空母ヲ級「……どうした?」チャプンッ

提督「お、浮かんできた……怪我はどう?」

空母ヲ級「問題ない……しかしさっきから何だと言うんだ……夜に騒がないで欲しいんだが……ふぁ……んぅ……」ムニャムニャ

空母ヲ級「…………っ…………」シバシバ

空母ヲ級「て、提督……すまないが目の周りを拭ってくれ……あくびのせいで涙が……」パチッパチッ

提督「あら……えっと……まぁ指でいいか……」コシコシッ

空母ヲ級「……男性に世話をされるのは中々恥ずかしいものだな…………ありがとう……」

提督「いいんだ、水借りるよ」パシャパシャッ

空母ヲ級「……」テレ

空母ヲ級「……そういえば、アイツはどこに行ったんだ?」

提督「ん?多分吹雪ちゃんらと一緒にどこか行ったと思うけど」

空母ヲ級「そうか……悪い、水から出してくれ」

提督「あいよ……っと……」ザバァッ

空母ヲ級「……重くなければいいが……」

提督「別に重くないよ、空母の部分がないからかな?」

空母ヲ級「一応全身が空母なんだが……」

介護デートという新ジャンル

ところで深海組は「夜寝るものだ」って固定概念無いって前書いてなかったっけ?

>>796

利根「固定概念はないが、人間に感化されたヲ級は夜が寝たい時になるのではないだろうか?」

利根「吾輩も昼寝をする時間が夕方であっても普通に寝れるのだから、そんな物じゃろう」


※べ、別に忘れてたワケじゃないんだから!勘違いしないでよね!!

-------------------------------------


灯台、壁近く

提督「……にしても、怪我本当に再生するのか?あ、ここでいい?」

空母ヲ級「構わない、良い角度だ…………勿論再生する、かなり時間は必要になるがな」

提督「時間って……何日くらい?」

空母ヲ級「腕で数年、足でもう数年必要になるな……まぁ、気長に治すさ……」

提督「…………おおぅ……結構掛かるんだな……」

空母ヲ級「そう驚くことはない、沈んだ深海棲艦の復活は数十年規模の年数が必要になる、それに比べれば短い方だよ」

提督「何かこう、高速修復剤みたいなのってあるんじゃないのか?すぐに再生する薬みたいなの」

空母ヲ級「……無い事はないが、応急処置グッズの中には入っていないな、そういった大掛かりなものは大型棲地に設置してあるものだ」

提督「大掛かりなの?」

空母ヲ級「そりゃあそうだろう、深海棲艦を高速で復活させる装置だぞ、資材も食うし苦痛も伴う」

空母ヲ級「先輩……私の知り合いもそれを勧められたのだろうか……目を破壊されてもそのまま働いていたが……」

提督「……め、目を?大丈夫なのか?」

空母ヲ級「視力自体は失っていなかったが……あまり直視したくない姿だったな」

提督「だろうなぁ……眼帯とかしてた?」

空母ヲ級「ガンタイ?」

提督「目に怪我した人が付けるものだ、片目を隠す布だな」

空母ヲ級「いや、そんな物はしてなかったな、内部構造をむき出しにしていた」

提督「うへぇ……いかにも戦人ですって感じだなぁ……」

空母ヲ級「彼女は命令に忠実な女だ、部下のヌ級共も駆逐とはいえ艦娘を一人沈める功績を上げる程の隠れたエースだった」

空母ヲ級「……そのエースの長となれば大破程度でノコノコと治療に帰るわけにはいかないのだろう」

提督「ふぅん……」

空母ヲ級「無事でいればいいのだが……今は敵とはいえかつての知り合いとなれば沈んでほしくない……」

提督「無事さ、きっと」







太平洋沖 深海

潜水カ級『…………』コポポッ

潜水カ級『……四肢ガナイワネ……再生ニハ時間ガカカルカシラ……ヤッパリ』

潜水カ級『…………』キョロキョロ

潜水カ級『……北方様ニバレル前ニ殺シテオクベキ……カシラ?』ジャカコンッ

太平洋沖 演習場

戦艦レ級「っさーって!準備はいいかぁ?軽巡さんよー?」

川内「……」ガクガクブルブル

戦艦レ級「準備万端って顔だな!よし!始めっぞ!」

川内「し、してない!!してないよ!!!」

吹雪「レ級さん、川内さんもう足が……!」

戦艦レ級「ん?どした?吹雪もやるか?」ジャコンッ

吹雪「ひっ!!?」ビクッ

戦艦レ級「ん?吹雪怖いのか?」

吹雪「や、やっぱり……怖いです……」

戦艦レ級「んー……そっか……じゃあ川内だけにするか?」

川内「わ、私も怖いです!!夜戦怖いです!!」ブンブンブンブンブンブンッ!!

戦艦レ級「あー?お前さっきまで夜戦夜戦って騒いで今更そりゃねーだろっ」ケラケラ

川内「ひぃぃ……や、やだぁ……やだよぉ……!私まだ死にたく……」


フッ ドボォンッ


川内「…………消え?」

吹雪「……!」グッ


ザバァァァアアアアンッ!!!!


戦艦レ級「レ級キィーーック!!!」ブンッ!!!

吹雪「っ!!!」ガァァアンッ!!!

吹雪「っぁあ!!」ブワッ バシャァッ!! ドボォォォンッ!!!

川内「ふ、吹雪!?」

吹雪「っつ……ぅ……う」ムクリッ

吹雪「か……艦砲が……完全にひしゃげちゃった…………」プシュゥウウウー バチバチッ

戦艦レ級「っと……もうヘタレたのか?」スチャッ

川内「……こ、この!!」ドドドォンッ!!ドドドォンッ!!!

戦艦レ級「おっ……」ドドドォオオンッ!ドカァドドォーーンッ!!

川内「……やった!?」

戦艦レ級「……」パンッパンッ フッフッ

川内「って……やってるわけ無いか……よし……慣れてきた!!」ジャコンッ!!

戦艦レ級「お、いい顔になってきた……ほら、来いよ」クイクイッ

川内「…………」ニヤッ

川内「上等!!」グィィッ……ドシュゥウウーーンッ!!!

川内「…………!!」ドドドォンッ!!ドドドォンッ!!

戦艦レ級「よっ、ほっ……そいっと……それ!お返しだ!!」ヒュヒュンッヒュンッ パシッ ブンッ!!! 

川内「……ちっ!!」ザシャァゥッ!!ズザァァ!!! ヒュンッドボォーンッ!!

川内「はっ……はぁ……こいつ……演習弾とはいえ投げ返してくるなんて!!」ゼェッゼェッ!!

戦艦レ級「おうおう、止まってていいのか?近づいちゃうぜ?」ザシャァッ……ブゥンッ!!!

川内「っつぁああ!!!!」ガァァァンッ!!!

川内「んなろお!!!」ガシッ ドドドォンッ!!!

戦艦レ級「っててて……いてぇよ馬鹿!」バッ バシャァッ


川内「っ……はぁ……!!はぁ!!……っく……はぁ……はぁ……!」

川内(それにこいつ……明らかに本気じゃない……さっきから一発も撃ってこないし……殴ってばっか……!!)

川内(私を馬鹿にしてんの!?)

川内「……アンタ……!本気でやってないでしょ!!」

戦艦レ級「やっていいのか?」ニッ

川内「っ!!馬鹿にして……!!上等!!本気だろうが極限だろうが耐え切ってやる!!」

戦艦レ級「……オーケイ、じゃあ、本気でぶっ放すか……解ってるたぁ思うがお前も本気で来いよ?」

川内「…………」グッ

戦艦レ級「さっきみたいな戦い方じゃそのままぶっ殺すかもしれねぇからな……行くぜ……?」グィィィィン……ィィィイインッ!!!

川内「――!!!」ゾクッ

川内「ヤバイのが来る……!!吹雪!!ボーっとしてないでアンタは逃げて!!」

吹雪「え……?」


シュンッ ドッ


川内「早くし……っぶ……!?」ガハ!!

戦艦レ級「………………っ!!」ググググ…… グッ!!!!!

川内「……ぁ……!!」

戦艦レ級「…………っ!!!!!!」ブオオオンッ!!!!

川内「―――― っ!!」 ブワッ


ヒュン 


吹雪「……あ、あれ……川内さん?……何処に……」


ドドドドドオオオオオーーーーーーンッッ!!!!!!


吹雪「……!?」ググッ

吹雪(衝撃波!?)

戦艦レ級「……ふっ……結構いい運動だな……」コキコキッ

吹雪「あ、あの!レ級さん!?川内さんは!?」

戦艦レ級「向こうで伸びてる、安心しろ、怪我はしてねぇよ、艦娘ってのは相変わらず頑丈だな……」

吹雪「と、と言うか!!い、今の衝撃波ってまさか…………」

戦艦レ級「……?」


陸戦演習場  準備体操用資材置場

キィイイイイイーーーーンッ!!!!! ボフッボフボフボフゥゥゥゥゥ……ガシャァァアアアアンッ!!!!!!

川内「い……っつつ……………………し、死んだかと思った………な…何なの今の……」ピクピク

数分後 陸戦演習場

吹雪「川内さーん!!」ザッザッザッザッ 

戦艦レ級「マットだったか、柔らかいもんに向けてぶっ飛ばしたから死んじゃいねぇと思うけど……」ザッザッ…

吹雪「川内さ……ひっ!?」


川内の足「…………」ピクピク

戦艦レ級「うお……建物崩れてんじゃねぇか……」

吹雪「せせ、せせ川内さぁぁああん!!??」ガシャガシャッ ズルッズルッズルッ

川内「……うぅー…………」










前浜町 灯台

戦艦レ級「……生きてるかー?」ペチペチ

川内「はっ!?……あれ……?ゴホッ!!ゴホッ」

戦艦レ級「……大丈夫か?腹とかヘコんでねぇよな?」

川内「っはぁ……うん……だ、大丈夫……だけど…………」

戦艦レ級「……ったく心配かけさせやがって……」

川内「…………アンタ、一体何したのさ……?あんな砲撃聞いたことないよ……?」

戦艦レ級「は?砲撃?」

川内「衝撃砲か何かでしょ?ものすごい威力だったじゃん……どんな技使ったの?」

吹雪「私、レ級さんの武装についてよく知らないので……あの……私にもさっきの武装の名前教えてください!」

提督「俺もちょっと気になるかも……衝撃波で吹き飛ばせるなら犠牲も減らせるじゃないか」


戦艦レ級「え?お前ら何言ってんだ?」

川内「ほら、もったいぶらないで教えてよ!」

戦艦レ級「……は、は?教えるも何も……」

川内「私でも応用できるかな……!?」

戦艦レ級「出来るだろそりゃ……普通のパンチだぞ?本気で走りこんで本気でぶん殴るだけだっての」

川内「……え……」

川内「…………」

戦艦レ級「」

川内「…………嘘でしょ?」

戦艦レ級「嘘じゃねぇっての」



だった、畜生寝落ちする上にミスるとは

               オリョクル
よし起きたな?さっさと執筆して投下するんだ

>>817
お仕事が休みだからって即効で執筆とは酷いでち
朝ごはん終わったらでかんべんしてくだち

川内「……殴るって……所謂パンチ?」

戦艦レ級「拳作って相手にぶつけるのがパンチで合ってるならそうだけど……」

川内「あ、合ってるね……」

戦艦レ級「ならパンチだな、普通の」

川内「…………そ、そうなんだ……アンタくらいでしょ、あんな強いパンチ打つ奴」

戦艦レ級「多分深海棲艦で敵をぶん殴る奴はレ級しかいねぇと思う」

川内「だよねぇ……手の生えてない奴が殆どだし……両腕が空いてるのってリ級とかの人型だけだし」

戦艦レ級「ヲ級も一応格闘は使えんだけどな、アイツは手より足で蹴る方が得意だとよ」

川内「ヲ級って格闘するの!?」

戦艦レ級「手足あるなら殴る蹴るくらいするだろうよ……あのヒールで蹴られたら痛ぇぞ?先っちょ尖ってるし……」

川内「そ……そうなんだ……吹雪?」ボソッ

吹雪「はい?」

川内「深海棲艦って靴履いてるっけ?知ってる?」

吹雪「え?えぇ……いつも履いてますよ?」

提督「割とサイズ小さいんだよなぁ、あのヒール」

川内「……何で知ってるかは突っ込まないよ……ってことはあのレ級の足も?」ユビサシ

戦艦レ級「…………アタシもちゃんとした足だったらなぁー……」ピョンピョンッ

提督「あぁ、指とかは無いけどあれも立派な靴だな、平べったい靴で歩きにくいとか聞いたことある」

川内「……そ、そうなんだ……うー……何か混乱してきた……」

戦艦レ級「ま、そういうこった、不用意にヲ級に近づいたら体中にアザができても文句言えねぇぞ、気をつけな」

川内「う……うん……」

空母ヲ級「何適当な事教えてるんだお前は、暴力を振るうのはお前らと改造種くらいだ」チラッ

空母ヲ級「っと……と!」コテンッ

川内「!……空母ヲ級……?でも……」

吹雪「えぇ……大和さんと戦闘をしてしまったみたいで……こんな事に……」


戦艦レ級「ん?お、お前出てきてたのか、ほら、じっとしてろ」スッ

空母ヲ級「悪いな」

戦艦レ級「気にすんな、ここには提督に連れてってもらったのか?」

空母ヲ級「そうだ、灯台から見える夜の風景は綺麗だからな、それに、お前たちの演習も気になったからな」


川内「そ、そうなんだ……」

吹雪「再生には数年かかるみたいです……何か方法があればいいんですけど……」


戦艦レ級「お、見てたのか?どうだったよ」

空母ヲ級「どうも何も、いつも通りの馬鹿力だったとしか感想は出てこない、星空が台無しと言うべきか」ハァー

戦艦レ級「ありゃ向こうが本気出せって言うから出したんだ、アタシの本意じゃねぇ、馬鹿でもねぇし」

空母ヲ級「分かりやすい挑発に乗るような深海棲艦はどいつもこいつも馬鹿ばっかだ、お前もその一人なのは言うまでもない」

戦艦レ級「言ってろ、アタシだってやる時はお前以上の天才になんだからよ」ヘヘッ

空母ヲ級「それはないな、絶対に」シラーッ


川内「仲、結構いいんだね、あれ見る限りだと」

吹雪「本当です……元深海棲艦とは思えない表情の豊かさですよ……」

川内「元……あぁ……味方につけたからそうなるの?」

吹雪「いえ、あの2人、深海棲艦からは裏切り者として追われる身になってるんです……だからもうあの2人は深海棲艦じゃないみたいですよ?」

提督「向こう側の声は聞き取れないけど、本人から聞いたらそういう扱いにされてるらしいな、通信の声もかなり切羽詰ってたし嘘じゃないと思う」

川内「ふぅん……向こう側の偉い人ってことは……戦艦棲鬼とかその辺りかな?」

提督「いや……確かあの2人の主は北方棲姫だったはず」

川内「北方棲姫……?あの小さいのだっけ?」

提督「本人は見たこと無いけど多分その小さいのだと思うぞ?」

川内「結構ヤバイ奴の下についてたんだ……でもそんな深海棲艦が何でこんな所に?」

吹雪「さぁ……?前浜町に用があるのは間違いなかったと思いますけど……知ってますか?」チラ

提督「俺も詳しいことは聞いてないな……何でだっけ?」

川内「そっか……知らないんだ……」チラッ


戦艦レ級「……そういえばお前、髪型とか変えないのか?」サラサラッ

空母ヲ級「わざわざ変える必要がないだろう……髪を触るな鬱陶しい」ブンブンッ

戦艦レ級「そう言うなよ、なんだっけ、人間の髪型にはミツアミってのがあるらしいぜ?確かこうやって……」ワシャワシャ

空母ヲ級「お、おい……全く……すぐに戻すんだぞ」ハァッ


川内「ま……あのコンビニ昔のことを問い詰めるのは野暮ってやつだね、今はやめとこ……」

吹雪「そうですねっ」

提督「……三つ編みっていうかあれ髪撫でてるだけのような……」

ちょっと出かけるぞよ

もうそろそろ始めたいです、ふぅ……

吹雪「…………!!!!」ビクンッ

提督「……??」

吹雪「た、大変……お風呂!!!洗ってない!!」

提督「あ、そういえばそうだったな……」

川内「え?お風呂?」

吹雪「し、司令官!すみません!!私先に帰らないと!!!し、失礼します!」

提督「え、あ、おう、気をつけてなー?」

吹雪「す、すみません司令官!」ペコリッ タタタターッ!!



川内「……一日放置しただけでそんな汚くなるの?お風呂って」

提督「あの子のお風呂に対するこだわりは凄いんだよ、毎日最高の風呂を用意するのが日課なんだ」

川内「へぇー……そりゃ期待できそうだねぇ」

提督「湯加減、バスロマンの量、湯船のお湯の量、あれに勝てる子はほぼいないと言っても過言じゃないぞ」

川内「旅館みたいなこだわりじゃん……うちの入居ドックと比べてどうなんだろう……」ワクワクッ

提督「そりゃ、入ってみてのお楽しみだ、さ、行こう」

川内「うん、あ、レ級、今日はありがとね!色々勉強になったよっ」

戦艦レ級「おーう、また遊ぼうなー」フリフリッ

川内「今度は負けないから!」





二丁目鎮守府 風呂場

吹雪「…………ふぅっ!これで大丈夫……後はー……バスロマン……っと」スッ パカッ

吹雪「…………!!!」

吹雪「……ば、バスロマン……き、切らしてる…………」ガクッ

吹雪「………………」

吹雪「………………」ホウシンジョウタイ

吹雪「………………はっ!!そんなことしてる場合じゃない!!」ダッ!!


リビング

吹雪「9時半……薬局は……10時閉店!!」

吹雪「今から全力疾走すれば間に合うはず……!!!」ダッ!!! ガラッ ガラッピシャーンッ!!!!


タタタタタタタッッ!!! クルッ!! タタターッ!! ガラッ!!!


吹雪「財布……えっとバスロマンは……1000円あれば足りる……急がないと!!」ガラッ ピシャ!!!


タタタタターッ!!!!

前浜町 川 河川敷通り 午後9時40分

潜水カ級「…………フシュッ!!!」ビチャチャチャッ 

潜水カ級「フゥ…………」ビチャッ ビチャッ

潜水カ級「…………」カチッ プシュゥゥゥゥゥゥ…… 

潜水カ級「……プハッ……マスク外スノ……久シブリネ……」

潜水カ級「…………コレガ……人間ノ生活空間……コレガ……アスファルト……」

潜水カ級「……………………フフ……人間ハ開発能力ノ高サハ一人前ネ……」ペタペタッ

潜水カ級「…………ン?」


タタタタタタッ!!!タタタタタタタタッ!!!


吹雪「い、急がないと……!!!と、通して下さい!!」ドンッ

潜水カ級「ット……!?」ドサッ

吹雪「う、うわっ!」ドサッ

潜水カ級「艦娘……!!?コードネームブリザード……イイトコロニ……殺ス!」ガチャコンッ!!!

吹雪「す、すみません!お怪我は……あぁでも…………す、すみません!本当に!失礼します!!」ペコッペコッ

タッタッタタッタタッ!!!タタターッ!!






ヒュウウウーーッ……


潜水カ級「……エ……無視……?」

前浜町 町中

潜水カ級「…………明ルイ……コレガ……電灯……」ヒタッ ヒタッ……フラッフラッ

潜水カ級「……普通ノ道ニコンナノガ……コレジャ夜戦デ隠レラレナイワネ……」ボーッ

潜水カ級「…………ハァ……ダルッ……」トボトボ

フッ

潜水カ級「………………アラ……消エタ?」

潜水カ級「……寿命ハ短イノネ……」テクテク


ブゥゥゥン……ブゥゥゥーンッ


潜水カ級「……?」

トラック『……』ブゥゥゥゥゥン

潜水カ級「!?!?」

トラック『…………!!』ビッビーーーーッ!!!! キィィィィィッ!!!!

潜水カ級「あ、あわあああああ!!うぁああああああああ!!!!!」ドサッ!! 

トラック『!!!』キィィィィィィィッ!!!! ップシュゥウウウウーーッ!!!!

潜水カ級「ははは……はわわわ……ああ…………」ガクガクブルブルッ…!?

潜水カ級(新兵器……!人間ノ新兵器ジャナイ……!!マサカモウ潜入ガ……!?

潜水カ級「ニ、ニゲナイト……!!コロサレ……」ガクガクガクッ



運ちゃん「だ、大丈夫かぁ!?」ガッチャッ バンッ! タッタッタッ

潜水カ級「……!?……ナンカサケンデル……!仲間ヲ呼ブノネ!?」

運ちゃん「うへ……かなり色白いな……浮浪者か……?」ペタッペタッ

潜水カ級「……!!」バッ

運ちゃん「うぉ!?つめて……!!」

潜水カ級「サ、サワラレタ……!!ツレテイカレル……!!ヒ、ヒィィィ……!!北方様ァ……!!」ヨロヨロヨロッ!!


ペタッペタッペタッ……


運ちゃん「……あ、ちょっと!……何だ……あの湿り具合……それにあの背中……変な奴だな……」

運ちゃん「……一応警察に電話しとくか……浮浪者の保護って何か謝礼出たっけか……いや、出ねぇな」ピッピッポ

二丁目鎮守府

ガララッ!!!

吹雪「ただいま……!!」ハァッ……ハァッ……!!!

川内「おかえり、遅かったね~饅頭食べる?」マフッ

提督「おつかれー、どこ行ってたんだ?鍵もかけずに」

吹雪「すみません……し、しれっかん……!!ば、バスロマン……買ってきてコホッ……買ってきてました……」ヘロヘロ

提督「あ、そうなのか……そりゃ急ぐな……森林浴?」

吹雪「え、えぇ……すぐ沸かしますね……」タタッ

ヨロヨロッ カララッ カラララッピシャッ


提督「……な?命がけだろ?ここでミスって代わりに沸かしたりした日には……」

川内「あ、あまり想像したくないかも……」

川内「ってかそれよりも気になってたんだけど……」ユビサシ


ヲ級「ヲーヲヲヲヲ?」タズネテル

レ級「ンー……ヲキュ……アー……ウーン……」


川内「これって……あれ?川底棲艦だっけ?」

提督「え、今気づいたの?」

川内「いやぁ、夜戦のことばっか考えててずっとスルーしてたんだよねぇ……」


レ級「……レキュ……レキュ?……ウーン……」ムムム

ヲ級「ヲッ?ヲヲヲッ……ヲ?」クビカシゲ

レ級「……レキュウ?……」ピクッ

レ級「ンッ!レキュウ!ヲキュ!……ンッ!」グッジョブ

ヲ級「ヲヲ……」テレテレ

レ級「ヲキュッ!」ダキッ


川内「噂には聞いてたけど……へぇ……小さいねぇ……それにあの海のヲ級より仲良さそうじゃん」

提督「だろ?あの2人より目つきが優しいし、それに物凄く人懐っこいんだ……だよな?」

レ級「ン……テトク?」テテテッピョンッ

提督「よしよし」ナデナデ

レ級「……アゥー……ウィー……」ポワーン

川内「おー……私もなでていい?」

提督「いいぞー……レ級も少し大きくなったか?」

レ級「ン?」

提督「……いや、確実に大きくなってるな、背丈が2センチ位伸びた」

レ級「ンー……?」

川内「よーしよしよしよし!名前は?」ナデナデ

提督「沢蟹レ級だ、通称レ級、尻尾が蟹のハサミだからそう名づけたんだってさ」

川内「へぇー……蟹レ級かぁ!いい子だねぇ―!!」ナデナデナデナデナデナデナデ

レ級「アゥッ……ウゥー……アゥアゥアゥアゥ……」グラングラングランッ

川内「レ級さ、夜は好き?」

レ級「ヨ……?」

川内「ほら、今の時間のこと!暗くて周りが見えないスリルとかさ!」

レ級「……ンー……ンー……」クビカシゲ

川内「ね!?好きでしょ!?夜!!」

レ級「ウ…………」タジロギ

川内「ね!ね!?」

レ級「ン……ンッ」コクッコクッ

川内「よかったぁ!!いやぁ嫌いかと思ってびっくりしたよ!やっぱかわいいねぇ!!」ダキッ

レ級「ア……アー…ウー……」ニガワライ

川内「よぉっし!じゃあ今日はお姉ちゃんと一緒にお風呂入ろっか!体の隅々まで綺麗にしてあげるからね!!」

レ級「オ……ンッ!」コクコクッ

レ級「ア……ヲキュ?」

ヲ級「ヲッ」コク

ヲ級「ヲー?」クビカシゲ

川内「お?ヲ級も一緒に入るの?いいねぇ……仲いいって!じゃあ夜のお風呂は一緒に入ろう!」グッ

ヲ級「ヲッ!」グッ

レ級「レー」グッ

川内「よし!じゃあ吹雪の準b」

はぁぁぁああああ!!!!……ったあああ!!!!

ドォォォォォンッ!!!!!

川内「っ!?!???」ビクゥッ


もう一丁!! っだぁ!!だぁっ!!!どおおっっりゃあああああ!!!!

ドォォォンッ!!!ドォォォンッ!!ズドォオオオンッ!!!


川内「ふふ……え、これ……え!?」

ヲ級「ヲヲッ……」アハハ

レ級「レー……」ヤレヤレ






横須賀鎮守府 提督室

横督「………………」

若葉「…………以上です」

叢雲「……そいつは今も行動中?」

若葉「はい、沖縄本土に上陸したイ級は歩行機構を備えており、現在も沖縄県三田村、久美浜で破壊行動を継続しております
    もう一隻のリ級は先ほど沈黙、ですが撃破報告は受けていないので、恐らく自壊したかと思われます」

叢雲「戦闘中の艦娘は?」

若葉「舞鶴からの派遣艦娘、駆逐艦磯波が戦闘中です……ですがとても一人では持ちそうにないかと……」

横督「……磯波がイ級ごときに苦戦だと?」

若葉「……恐らくイ級に改造を施した種でしょう、少なくとも只のイ級でないことは確かです」

横督「…………了解した、佐世保の連中を向かわせろ、可能ならば陸軍にも応援を」

若葉「了解」

ガチャッ バタンッ


横督「……チッ……遂に上がられたか」

叢雲「……えぇ……マズイわね……」

横督「過激派の首を掴まなければこの窮地からは逃れられん、分かっているな」

叢雲「えぇ……分かってるわ」

横督「…………」

太平洋 海中

伊58「…………」スィーッ

伊58「ここ……機雷の量が半端じゃないでち……」

伊58「………………でも、ここを抜ければ恐らく……」スィーッ

伊19「ゴーヤちゃん、それ以上は危ないんじゃ……」

伊58「大丈夫でち、イク達はそこで待っててくだち、こっから先は複数でいるとバレるかもしれないから……」

伊19「う、うん……気をつけてね?」

伊8「もし危なくなったらすぐに逃げる、いい?」

伊168「死んだら資材集めらんないから、絶対よ?」

伊58「ホント……いい友だちを持ったよねぇ……ゴーヤは……じゃ!」スィー







機雷原

伊58「……ここまでして隠したいもの……一体何だろ……」スィッ スィッ ピタッ

伊58「…………っ……ゴホッ……!!」

伊58(……急に水の温度が変わった……?生ぬるくて気持ち悪い……)ウプッ

伊58「…………フゥー……ウッ……」ジィーッ

伊58「………………!」


深海棲艦 過激派棲地

アァァアアアーアァァーー……ギャァアアァァァアアアーーーーー…………

ギュィィイイーーーンッ!! ガリガリガリッ!! キュゥゥーッ!!! ガリガリッ ガシャーンッ


伊58(…………)

伊58(……何……この場所…………)

伊58(……深海棲艦が……暴れまわってるでち……それに……皆目の色が……)

伊58(…………親玉……親玉はどこに……)


戦艦棲鬼「…………!」

戦艦レ級(改造)「…………」ギロッ

伊58(……!!)

戦艦レ級(改造)「……ゲヒッ……フヒヒィ……」ダラァーッ……ペペッ!!

戦艦レ級(改造)「カンムス……ガンムス……!!見ツけ……ミッケ……!!」

伊58(バレた……!!)

戦艦棲鬼「……」ユビサシ

戦艦レ級(改造)「殺ス……チギリトル……絞め殺ス……ニハヒヒヒ!!ニヒャアアア!!!」グゥン……ジャキコンッ

伊58「っ!ゴーヤ!撤退するよ!!皆も早くそっから逃げて!!!」

戦艦レ級(改造)「ビャアアアア!!!!!!!!!」ドドドドドドオオオオンッ!!!!!!

伊58「最大船速!!間に合ってくだち……!!!」ドシュゥゥゥーーンッ!!!

ドボォオオーーーーンッ!!!

ふぅ……吾輩はry

このスレでは駆逐艦娘が新幹線並みの速度で
航行できるらしい、潜水艦娘も最大出力が同じ
ならゴーヤの全力離脱で海が割れるか爆発するかも?
教えて、利姉さん!

今回も乙でした。

>>898
利根「潜水艦の構造は非常に特殊なものじゃ、速度は駆逐艦のそれと同じじゃ
    だがその身に来る衝撃と水流を全て足の裏より後ろ、それも上下左右に拡散せず直線上に逃がす構造となっておる、
    無論その直線上の建造物や岩にはそれ相応の被害が及ぶが……」

睦月「でも、あのスクール水着にそんな機能があるようには見えませんけど……」

利根「水着の能力ではなく艦娘だからこその能力じゃ、島風ら駆逐艦が新幹線以上の速度で航行可能なのも
    砲弾を手でいなすことが出来るのも艦娘が持つ能力の一つであるのと同じ、
    潜水艦は水中で呼吸が可能で、最大戦速でも敵に悟られぬような水流のコントロールが出来るのじゃ」

睦月「へぇー」

利根「……吾輩にもわからぬ謎がまだまだあるのだ、艦娘という生き物は」

やあ、もうすぐ始めたい

佐世保鎮守府 司令室

青葉「……!」ピピピーッピリッピピピーーッ!!

青葉「救難信号……!リンガ泊地の……!」

青葉「司令官!作戦行動中の伊58から救難信号が!」

佐督「場所を教えなさい」

青葉「は、はい!出ます!」カチャカチャカチャッ ピピッ

佐督「……台湾近く……?」

青葉「恐らく、敵棲地の調査途中で敵に発見されたかと……」

佐督「となると向こうは最近話題の改造種って奴ね……」

青葉「え、えぇ……どうしましょう……?」

佐督「見捨てる訳にはいかないわ、呉と横須賀に情報を送って、それと佐世保の陸軍駐屯地から陸攻を」

青葉「は、はい!桜花ですね!」

佐督「当然よ……逃げ足の早い潜水艦が救難信号を送るんだから……生半可な戦力じゃ話にならない
    可能なら蒼の潜水艦にも支援要請を出して、あの人達がいれば百人力よ」

青葉「了解です!」

佐督「こっちも艦娘を出すわ」カチャッ

佐督『皆!すぐに出撃準備!古鷹、初雪、扶桑、山城、名取、瑞鳳はすぐに出て!』

佐督『全員フル装備よ!作戦は後ほど知らせるわ!!』


バタバタバタッ シュツゲキ?コンナヨナカニ……フコウダワ……



佐督「青葉、作戦パネルを出しなさい」

青葉「は、はい!」パチッパチッ

ブゥンッ

佐督「…………ヲ級」

ヲ級「ヲヲッ」

佐督「ごめんねヲ級、少し部屋に戻ってて」

ヲ級「ヲッヲ!」

テテテッ テテーッ

佐督「…………悪いわね青葉、今日は眠れそうにないわよ」

青葉「分かってます……お付き合いしますよー?」

佐督「……」

古鷹『提督!臨時艦隊出撃準備完了です!!』

佐督「了解、射出後全艦散開、各艦にルートを送るからそこから逸れないようにまっすぐ移動しなさい」

佐督「今回の作戦は巡潜乙型潜水艦を全て救出すること、確保後は全員まっすぐ撤退して」

佐督「敵艦は全て改造種と予想出来るわ、死にたくなければ戦闘は考えないように」

初雪「……装備の破棄は?多分これじゃ機動力が思ったように発揮できないと思うけど……」

佐督「任せるわ、だけど潜水艦の被弾は絶対に許さないわよ」

初雪「……了解……」

佐督「……詳細は各自追って知らせるわ、悪いけど時間がないの、全艦20秒で出なさい、以上」ガチャッ

古鷹『了解、佐世保鎮守府臨時艦隊、潜水艦救出作戦開始します!全艦同時出撃!!』

ピッピッピッ ビィーーッ!!!

ドシュゥゥーーーーッッ!!!!

佐督「……皆、無事で帰って来なさい」

佐世保鎮守府 近海

古鷹「……来た!」ピピッ

古鷹「皆、ルートは貰った?」

初雪『……ん』

名取『は、はい……受信しまし……しました……』

瑞鳳『でもこれって……完全に散開するし……途中で合流とかしないの?』

扶桑『私達は比較的短いルート……それ故に的にされやすいかも…………』

山城『姉様と私は所謂オトリ……不幸な役回りだわ……』

古鷹「大丈夫です!提督を信じましょう!」


瑞鳳『……そうしたいけど……うぅん……考えてもしょうがない!!じゃあ別れるね!』ドシュゥーッ

扶桑『戦艦扶桑、別行動に入りますっ』スゥウーッッ

山城『ルート通りに進めば死なない……ルート通りに進めば死なない……姉様、また後でっ』スゥーーッ


古鷹「…………」

名取『……大丈夫……でしょうか……』

古鷹「きっと大丈夫……でも……ちょっと不安かな……」

初雪『不安なのは……司令官も同じ……ポーカーフェイス気取ってるけど……キャミソールぐっしょりだと思う』

古鷹「キャミソ……ブラじゃないかな……多分……」

初雪『……陥没貧乳にブラは不要の長物だよ……』フフッ

名取『あの人……陥没……』

古鷹「あぁもう!いいから散開!!エッチィ話はなし!!」

初雪『あーい……じゃあねー』ドシュゥーッ

名取『は、はい!ご、ごめんなさい……じゃあこれで……』シュゥウーーン

古鷹「全く……もう!」



前浜町 テトラ棲地

空母ヲ級「…………?」ピクッ

戦艦レ級「…………ん……お前も感じたか……?」

空母ヲ級「あ、あぁ……今……北方様の気配がしたような……」

戦艦レ級「……だな……確かに今近く通ったよな……すげぇ速度で……」

戦艦レ級「………………」

空母ヲ級「……何かあったのか……北方様が動き出すとは……」

戦艦レ級「…………行くか?お前がいきたいって言うならアタシが連れて行くけど」

空母ヲ級「いや……深海の問題に首を突っ込む訳にはいかない……気になるが、ここは待機だ」

戦艦レ級「ま……いい子ちゃんな判断だな……よし、アタシも無視決め込むか」

空母ヲ級「……」

戦艦レ級「……」

スゥゥゥウウウウーーーーーーーーーッッッッッッッッ…………

ヲ級&レ級「「港湾様!?」」ガバッ

港湾棲姫「……?」

空母ヲ級「……!」オクチチャック

戦艦レ級「…………!!」ダマリコミ

港湾棲姫「…………気のせい……?」スゥゥゥゥーーッッ

空母ヲ級「……いったい何が起こっているんだ……?」

戦艦レ級「アタシが知るかよ……けど……何かヤバいことになってる気がするな……」

空母ヲ級「……ヤバイって……一体何がヤバイことになっているんだ?」

戦艦レ級「だから知らねぇっての……姫が出るほどのヤバイことだ」

空母ヲ級「そうか…………」

戦艦レ級「そうだ、やべぇんだ」

空母ヲ級「……何か考えても無駄だな……関係ないことだ」

戦艦レ級「…………アタシ達にゃ関係ねぇことだ……寝とけ」

空母ヲ級「そうだな……」

戦艦レ級「…………」

空母ヲ級「……おい」

戦艦レ級「あん?」

空母ヲ級「勝手に出ていくような真似はするんじゃないぞ、抜け駆けは許さんからな」

戦艦レ級「ギクッ……わ、わかってる」

空母ヲ級「……隣にいてくれ、せめて私が寝るまでは」

戦艦レ級「……わ、分かったよ、ったく……心配症だなお前は」

空母ヲ級「目を離したら何をしでかすかわからんからな……お前が常に近くにいなければ落ち着かん」

戦艦レ級「はいはい……遠回しな愛情表現は聞き飽きたっての……」ストッ

空母ヲ級「別に愛情を表現してるわけじゃない、事実を言っているだけだ」

戦艦レ級「いいから寝てろ、腕の再生が遅くなっちまうぞ?」

空母ヲ級「…………フゥ……そうだな……」

太平洋沖 棲地付近

伊58「…………っぐ……!!」

戦艦レ級(改造)「ッキヒッ……コロセル……ナン……ヨワイダネ……ナンデ?……ツヨイ??ジャナイ???」

伊58「…………皆は……逃げた……?良かった……」

戦艦レ級(改造)「ヒヒ………………ナヒヒ……!!コロッス……コロセ……殺ス……!!!」ギリギリッ

伊58「…………っぐ……が……!!!」

戦艦レ級(改造)「ドウシテコロス?????クルシイ、コロス??」クルッ

戦艦棲鬼「…………」ユビサシ

戦艦レ級(改造)「クルシイコロス?……コロス、イイ……デモコロスクルシ、イ……イイイ……!!」パッ

伊58「…………離れた……!!!」バッ

戦艦レ級(改造)「……アィァアア……ニゲ……ニゲネ、ニゲ……!!!!」ガシィッ!!!

伊58「あぐっ!!!?……尻尾……!!腕に……この!離れ……!!」

戦艦レ級(改造)「……ヒヘ」

ボキッ

伊58「っ!!……あぁああー!!!」

戦艦レ級(改造)「クルシイ???クルシイコロス……!??」

伊58(こいつ……!!!!なんて濁った目してやがるんでち……!!)

伊58(………でも……どんな生き物も目は弱点のはず……!!潰してやれば……!!)

伊58「……左腕の一本くらいくれてやる……でち……!!でも……体は渡さない!!」

伊58「……アンタの両目が腕の代金でち……!!」ジャキッ ドドッ!!

戦艦レ級(改造)「……!」ドドッ

伊58「…………どうでち?水中で機銃弾を喰らう感想は……!!」チャカッ

戦艦レ級(改造)「………………メ、クライ??メクラ……ハハヒ……メクラ!!」ギョロッ

伊58「う……弾が突き刺さってるのに目玉がまだ動いてる……筋金入りの化け物でち……」

戦艦レ級(改造)「……フフエ……ヘア……フヘヒ……!メクラメクラ……」ポトッポトッ

伊58「いい加減ゴーヤの腕を……はなっせ!!!」ゲシッ

戦艦レ級(改造)「アァイ……」パッ

伊58「っ!早く逃げないと……!!」ドシュゥゥウウウーーンッ!!!


数十秒後

戦艦レ級(改造)「………………」ギョロンッギョロンッ

戦艦レ級(改造)「アウイ……メ……ミエ……アカルイ……ミエミエ……ドコドコ…………」

戦艦レ級(改造)「…………ミッケ……ミケミケ……ミミミミ……ニイイイウウウウウ!!!!!!!!」

キィィィィンッ ドッッッシュウウウウウウーンッ!!!

太平洋 棲地外れ 水中

戦艦レ級(改造)「…………ナァアアアア!!!!」ドシュゥウウウーーーンッ!!!

北方棲姫『…………お姉様、あれよ』

戦艦レ級(改造)「……!!アレ……シンカイセイカ……!!アレ!コロス!!コロスロスッスス!!!!!」

港湾棲姫「これ…………?」ガシッ

戦艦レ級(改造)「……ン!!」ジタバタッ

北方棲姫「……えぇ、殺して」

港湾棲姫「分かった…………ごめんね……っ」ブチッ!!! ポイッ   ボチャッ ボチャッ

港湾棲姫「……このタイプの深海棲艦は……沈めちゃダメだっけ……?」

戦艦レ級(改造)「   !!  !!!! 」ビチャッ ジタッ ジタッ……

北方棲姫「えぇ……この場で殺さないと復活するから、この子に罪はないんだろうけど……」スッ グチュッ ブチッブチッ

港湾棲姫「…………そう……あの艦娘は?潜水艦だったはずだけど……」

北方棲姫「放っとかないとダメ、あの子だって戦艦棲鬼の被害者……私達に危害は加えてないんだから」

北方棲姫「…………それよりもアイツよ……上陸ならまだしも破壊行為なんて……!!」

港湾棲姫「……許される行為じゃない…………一度お灸をすえないと……」

北方棲姫「お灸?何馬鹿なこと言ってるのよ」

港湾棲姫「……?じゃあ、許すの?」

北方棲姫「…………ぶち殺す」

港湾棲姫「殺す……?でも……せめて沈めるだけに……」

北方棲姫「ふざけないで!!!」ギリッ

北方棲姫「水鬼様達が手を出さないなら私が殺す……!!!いい加減うんざりなのよ……あいつらのやり方は……!!!」

北方棲姫「仲間のことを考えない異様な改造……!!限度を超えた侵略行為……!!
       あいつらは深海棲艦の戦う理由を履き違えてる!!許されていいわけないじゃない!!」

港湾棲姫「…………そうだけど……」

北方棲姫「お姉様は行くの!?行かないの!?」

港湾棲姫「……私は……行く……かな……」

北方棲姫「ならついて来て……形はレ級達に似てるかもしれないけど容赦しちゃダメよ、完全に殺して」

港湾棲姫「……分かった……」


港湾棲姫「…………」クルッ ジィィイーーーッ


遠い所 水上

伊58「……はぁっ……はぁ……!!逃げ切った…………はぁ……」

瑞鳳「見つけた……!伊58ちゃん!掴まって!」

伊58「……?佐世保の……瑞鳳……?」ガシッ

瑞鳳「うん……大丈夫?……!……左腕が……」

伊58「大丈夫でち……腕はすぐ治る折れ方だし……負傷艦娘にはならないよ……」ゼェッゼェッ

瑞鳳「そう……じゃあ安心……?……曳航はいる?」

伊58「大丈夫……でも……肩を貸してほしいな……」

瑞鳳「分かった、じゃあ掴まって……」スッ

伊58「……ありがと……」

ドシュゥーーッ


棲地外れ 水中

港湾棲姫(……逃げ切った……良かった……もうここには着ちゃ駄目……)

北方海域 北方棲地

潜水カ級「…………タダイマ……モドリマシタ……」ヨロヨロ

潜水カ級「北方様……港湾様……マエハマノ情報ヲ持ッテカエリマシタ……新兵器ニツイテデス……」ヨロヨロ

潜水カ級「……アレ……北方様……?港湾様?」

潜水カ級「…………」キョロキョロ

潜水カ級「…………」サァーッ

潜水カ級「…………ステラレタ……コノワタシガ……?」

潜水カ級「ソンナノ嘘ヨ……リ級モ ツ級モ 居ナイ……頼レルノハ私ダケヨ……!?」

潜水カ級「……デモ……イナイ……ッテコトハ……ヤッパリ……」ガクッ

潜水カ級「…………ステラレタノネ……コノ私……深海棲艦一ノ天才デアルコノ私ガ……」ショボーンッ



コウワンサマー……ホッポウサマー…………

台湾付近 深海 大規模棲地内

北方棲姫「…………」ギリギリ

戦艦棲鬼「…………」

北方棲姫「今すぐイ級の暴走を止めなさい……!!!!!」

戦艦棲鬼「…………」ニヤッ

北方棲姫「黙ってても何もならないわ!!!死ぬか止めるか選べって言ってんのよ!!!!」バシィンッ!!

戦艦棲鬼「…………」ニタニタ

北方棲姫「っ……!!こいつ……!!!」ギリギリッギリッ!!

戦艦棲鬼「…………」クックック

戦艦棲鬼「…………」フフ

カララ……カララ……

北方棲姫「…………アンタのせいで……アンタのせいで深海棲艦が狂ったのよ!!!!」

北方棲姫「呉の近くに住むあんたの替え玉は死んだ……でもあんたが死なないと深海棲艦は!!」

ブンッ!!! ゴスッ!!!

北方棲姫「ううっぐ……!!」ガクッ

北方棲姫(何……!?鉄の棒で殴られた……!!頭が……割れる……!!)ズキッズキッ

重巡ネ級「……北方棲姫……オマエハ……戦艦棲鬼様ヲコロスノカ?」 

北方棲姫「ネ級……!!アンタ……!!!うぐっ……!!!!頭が……!!」フラッ

重巡ネ級「……ククッ……ヤハリ鈍器ハイイナ……砲弾デハスグニ死ヌ……」カラッ カランッ

重巡ネ級「……ナァ……北方……」グイッ

北方棲姫「っ……」キッ

重巡ネ級「脳ミソヲ少シズツ……ブチマケルカ……口ノ中ヲボロッボロニサレルカ……ドッチガイイ?」

北方棲姫「……どっちも……お断りよ……アンタに私の体を好き勝手出来るとでも思ってんの?」ペッ!!

重巡ネ級「……フッ……ソウカ……確カニオマエハ……体ニ訴エルヨリ……」ガシッ

ビリィッ!!!

北方棲姫「……っ!」

重巡ネ級「心ヲ壊シタホウガ面白ソウダ……」

北方棲姫「……こんな体に欲情するのね、アンタも女のくせに変な趣味……」

重巡ネ級「ソウダナ……ホウ……子供ノ体ノ割ニハ出ル所ガ出テルジャナイカ」 ムニッ

北方棲姫「……触るな!……変態……頭イカれてるんじゃないの?純粋種のくせに」

北方棲姫(気持ち悪い……お姉様……!!)



港湾棲姫(……待っていて……こいつらを片付けたらすぐに……!!)ブンッ グチャァッ

港湾棲姫「レ級達……今ならやめられる…………皆目を覚まして…………皆あの子のようにいい子だったはず……」

戦艦レ級(改造)「ギッガッ……ヒギグッ……グッ……カチカチチチチチッ…キルルル……」

港湾棲姫「……駄目……なの……もう……?…………分かった……せめて苦しまないように葬ってあげる……」ググッ

港湾棲姫「…………ごめんね……」ブンッ!!!!

戦艦レ級(改造)「キッッルル……ルリルルルル……ッリュブッ!!!」グシャッ

バァンッ!!!

港湾棲姫「また一人……潰してしまった……かつての仲間を……虫を叩くように……」ウルッ

港湾棲姫「…………手の平の血は……汚くなんかない…………こんな姿でも生きてたんだから……」

港湾棲姫「……北方も大変なことになってる……私は……どっちを優先すればいいの…………?」

ふぅ……始めるか

横須賀鎮守府 提督室

叢雲「潜水艦は無事救出されたみたい……救出が遅れた伊58の損傷も大した事ないみたいね」

横督「そうか」

叢雲「それと……沖縄のイ級はまだ暴れ続けてるみたい、さっき水偵からの映像が届いたわ」

横督「見せろ」

叢雲「分かったわ」カチャカチャッ カチッ

……ドゴーンッ グルァァーーーッ……!!  

ドドドドドッ!! ドドンッ!!

横督「……」

叢雲「……デカイわね……」

ドドドッ!!ガシャァーンッ!!  フラッ  ガッシャァァーーンッ!!!!

横督「…………」

叢雲「倒れた?歩行に慣れてないのかしら……」

グルァァァーーッ!!!!!! ドドドーーンッ!!!!

横督「どうやらそのようだな……」

叢雲「……他に何か分かった?」

横督「わからん、使えん映像だ」

オラァアァッ!! トマレェッッ!!!!!!  ガシャアーーンッ!!!

横督「止めろ、不愉快だ」

叢雲「はいはい……」カチッ


叢雲「で?どうするの?放っておく訳にも行かないでしょ」

横督「…………」

叢雲「私と天龍は出れるわ」

横督「…………無能共を下がらせろ、沖縄のゴミは他に処分させる」

叢雲「他って……こんな化け物、うちの艦隊しか相手にならないわよ?どこの艦隊にやらせるのよ」

横督「二丁目に繋げ、ゴミ処理はゴミにやらせる」

叢雲「な!?何を考えて!姉さんはまだ!!」

横督「貴様は私の命令を聞く事が仕事のはずだ、人間の命令に従え、人工物が」

叢雲「っ……わかったわよ!どうなっても知らないから!!」ガチャッ バタンッ!!

ヨッコさんは深海凸凹勢を明確に「二丁目所属の鑑娘」って断言してる手合いだったな
ということはつまりそういうことか

二丁目鎮守府 深夜 リビング


川内「…………」ポッケーッ

ヲ級『……』スヤスヤ

レ級『……』クーッ クーッ

川内「にしても……こうやることがないと……どうも暇だなぁー……」ポケーッ

川内「………………ん……」ゴロッ

川内「…………テレビ見よっと……」スッ ピッ

TV『行けー!!グランビートル!!!』 ダイオンリョウ

川内「っと…!やばっ」ピッ ブツッ

ヲ級『……ヲ……?』ムニャムニャ

川内「あ、ごめんね……!えっと……イヤホンって知ってる?イヤホン欲しいんだけど……」

ヲ級『……ヲー……』フルフル

川内「そっか……うーん……」

ヲ級『…………ヲヲ……クァ……ッンゥ……ヲー……』ネムイ

川内「あ、寝ていいよ、ごめんね?」

ヲ級『ヲ…………』スヤ…

シーン……

川内「……しゃーない……自分で探そ……」


prrrrrrr!!!! prrrrrrr!!!!


ヲ級『……!』ビクッ

レ級『!!』ガバッ

川内「ひゃっ!?」ビクッ

ヲ級『……ヲ!!』ギロリ

レ級『……ン?』

川内「ち、違う!私じゃないって!!」

prrrrrr!!! prrrrr!!! 

prr…


川内「あ……切れた……あ、違う……誰か取った?」

ヲ級『ヲヲッ!!』プンプンッ 

ヲ級『……ヲ……』モゾッ スヤスヤ

レ級『……ンー……』モゾッ 

川内「…………ごめんね?ほんとごめん……」

川内(なんなのもう……イヤホンは……これ……?)スッ 

ソロソロッ ソーッ

川内「……ええっと……イヤホンって確かイヤホンジャックに……どこだっけ……」ズコッ


提督『え、えぇえ!?二丁目で出撃ぃ!!?な、何で!?ちょっ……えぇえええー!!?』


ヲ級『ヲヲヲーーーーッ!!!!!!』ムッカァーーーッ!!!

レ級『……ンー……』イラッ

川内「いや!違う!私じゃないから!!ホントに!!!!もうなんなのもう……!!」

提督の部屋

提督「え、えぇー……!?」

横督『少しは落ち着け、出撃ごときでがたがた喚くな』

提督「って言っても何でよりにもよって僕が……?指揮も僕が取るんでしょう!?」

横督『当然だ、私に胃痛の原因を押し付けたいとほざく気か?』

提督「い、いや、そういう訳じゃないですけど……」

横督『ならばそういうことだ、1時間以内に出撃しろ』

提督「ちょ、ちょっと待って!」

横督『……何だ、貴様が1秒遅れるごとに沖縄の住人が一人死ぬ、それを自覚しているのか』

提督「自覚してますよ!でも問題を放置したまま出撃できないでしょう!」

横督『…………問題だと、日本の国民を救うより重要な問題があるのか』

提督「国民を救うための設備が揃ってないのに国民なんか救えないでしょ……」

横督『……設備……だと?』

提督「えぇ……他の鎮守府や泊地みたいに司令室がないんですよ、うちの鎮守府」

横督『…………司令室がなくとも戦えるはずだ、通信手段と海図があれば十分だ』

提督「…………」ガチャガチャッ

横督『何だ、まだ問題があるのか?』

提督「えーっと……これと……これか……」

横督『何をしている』

提督「あ……あの……海図はありますけど、その……」

横督『……』

提督「とと、トランシーバーで、この作戦行けますかね……これしか無いんですけど……」

横督『私を侮辱しているのか出撃したくないのかどっちだ』

提督「だってこれしか……」

横督『…………本当に無いのか』

提督「えぇ……無いです……パソコンのチャット機能くらいしか……」

横督『……チッ……了解した、摩耶と天龍を貴様の鎮守府に送る、発電機くらいは持っているだろうな?』

提督「………………」

横督『……返事はどうした』

提督「……持ってません……」

横督『…………私が指揮したほうが早い気がしてきた…………』ダンッ!!!!!

提督「ひっ……だ、だから最初からそうすれば……」

横督『……私はレ級を扱う技能を持ち合わせていない、出来るなら貴様のような役立たずに任せるわけがないだろう』

横督『…………まぁいいだろう、発電機も私が用意する、貴様は通信資材を置くことが出来るスペースを確保しておけ
    ……分かっているとは思うが海に面した場所は許さんぞ、いいな』

提督「……」ギクッ

提督「は、はい……川ならいいですか?」

横督『……まぁいいだろう、それと発電機を用意できそうな住民が居るならば声をかけろ、数は多ければ多いほどいい』

横督『…………以上だ、吹雪とレ級を起こし、スペースの確保を急げ、療養艦娘は待機させろ』ガチャッ

提督「…………マジかよ……」ガタッ

ここでこの作品最初の安価を思い出してみましょう

>吹雪「ここ…↓3だよね……」
>
>1.公園
>2.崖
>3.山沿いの住宅街
>4.塹壕

鎮守府っていったい

.oO(そういやこの安価の下3は1公園だったはずなんだが、なぜか下2の3山沿い住宅街が採用されたんだったっけな)

数十分後 中学校付近 河川敷

提督「……うーん……ここなら行けるか……?」

吹雪「もう少し広い場所のほうがいいと思いますけど……通信機材ですし……
    部屋1つ分のスペースは最低限必要かと…………く……あぁ……ふぅ……眠い……」グシグシッ

提督「…………」チラッ

吹雪「…………学校……ですか……」チラ

提督「まぁ……そうだろうな……ここしか無いし……」

吹雪「学校の……どこを使うんですか?」

提督「そりゃやっぱ、運動場が限度じゃないか?さすがに教室ひとつ借りる訳にはいかないし」

提督「…………と言うか……勝手に学校使っていいのかな……?」

吹雪「勝手に使ったら駄目でしょう……でも……うーん……」

提督「ここしか無いだろ?じゃあやっぱ使うしかないじゃん……」

吹雪「……せめて、せめて市役所に電話した方が」

提督「市役所閉まってるよ……例え残ってる人が居たとしてもその人の判断じゃ使用許可は降りないし……」

吹雪「……そうです……か……じゃあどうすれば……」

提督「そうだなぁ……最悪この河川敷を上手く使って通信施設作るけど……一番問題になるのは騒音だよな……」

吹雪「あぁ……騒音……確かにこの辺は民家も少なく無いですし……寝てる人に迷惑ですよね……発電機とか明かりとか……」

提督「……やっぱ学校借りたいよなぁ……明日って休日?」

吹雪「夏休みの後半ですし、授業とかに影響はしないと思いますけど……」

提督「……よし……やむを得ない……借りるか……」

吹雪「え?でも警察とか来たら……」

提督「俺達が動かないことによって警察沙汰より酷いことが起きるんだ、少しくらいの迷惑は目を瞑らないと……
    吹雪ちゃん、艤装持ってきた?」

吹雪「は、はい!」

提督「……学校には申し訳ないけど門を開けないと……こじ開けてくれるか?」

吹雪「わ、分かりました……いいんですか?」

提督「あぁ、責任は俺が取る」

吹雪「……はい!」シュルッ ガチャガチャッ カチッカチッ カチッ

吹雪「…………行きますよ……?」ガッ ググッ

提督「……」コクッ

吹雪「…………っ」 ベキッ!!!! バキンッ!!!

吹雪「……や、やっちゃいました……これ、立派な器物損壊ですよ……?」

提督「軍事行動がどうのこうので許してくれるはず、さ、入るぞ」

吹雪「……うーん……悪事を正当化するのはあまり……」

提督「言っても仕方ないだろ……えっと……懐中電灯は……」スッ カチッ

吹雪「うぅ……気が進まないなぁ…………」

トントンッ

吹雪「?」

戦艦レ級「よう、来たぜ、何だ?」

提督「あぁレ級ちゃん、悪いな呼び出して……ちょっと出撃命令が出てさ……」

戦艦レ級「出撃って……このガッコウでか?」

提督「違う違う、ちゃんと海に出るから大丈夫だよ」

戦艦レ級「ほー……って事は弾も使えるってことか?」

吹雪「はい……?弾……」チラッ

吹雪「……!」ビクッ

吹雪「しし、司令……官……」

提督「ん?」

吹雪「…………主砲が……あの……その……夜戦演習の時に……」ボロッ

提督「げ……マジか……撃てる?」

吹雪「…………駄目です……ベルトが動かないですし……引き金も何処か壊れて……」

提督「そりゃマズイな……今からでも待機する?」

吹雪「だ、駄目ですよそんなの……ほ、ほら!叢雲ちゃんの艤装がまだあるからそれ使えば……」

提督「あれ手持ち式じゃないだろ……流石に慣れてない艤装で出撃させる訳にはいかない」

吹雪「…………うぅ……修理できる物があれば……すぐにでも修理するのに……」

提督「……さすがにここじゃ無理だな……予備の主砲とかあればいいんだけど……」


バタバタバタバタバタバタバタバタバタ……


戦艦レ級「お?」

提督「ん?うお!?ヘリ!?低っ……!?」

吹雪「!」


ピカッ!!!

提督「って……まぶし……!!」


バタバタバタバタバタバタバタバタバタバタ……ヒュヒュヒュヒュヒュヒュヒュヒ……


提督「……軍のヘリ……だな……何だったか……」

吹雪「輸送ヘリ……ですね……って事は……」

戦艦レ級「これも人間が作った乗り物か……すげぇな人間……」

グィィィーーンッ バタバタバタッ

天龍「おう二丁目、久しぶりだな」

提督「元気そうだな、天龍さん……あれ?眼帯つけてないの?」

天龍「四六時中つけてるわけじゃねぇよ、それより緊張してんのか?顔が固ぇぞ?」

提督「……そりゃ緊張するよ……」


摩耶「よ、レ級、ヲ級はどうだ?」ハイタッチ

戦艦レ級「元気だ、あん時は済まなかったな……」ハイタッチ

摩耶「しゃーねぇよ、あれはお前が怒っても仕方ないことだって……アタシだって同じ立場だったら怒ってる」

戦艦レ級「……ありがとよ、お前いい奴だな」フッ

摩耶「お前もな、仲間思いな奴は好きだぜ……で、さっきからこいつは何拗ねてんだ?」チラ

吹雪「……あ、あの……」

摩耶「ん?摩耶ねーちゃんに言ってみな?怖くなったのか?」

吹雪「い、いや!違うんです!その……」

摩耶「んな……主砲が使えないって……」

吹雪「すみません……私がすぐに修理しないから……」

摩耶「いや……吹雪は悪くないけど……オイ提督!!」

提督「そうだな……緊張は……はい!?何でしょうか!!」


ズンズンズンッ ガシッ


摩耶「てめぇ艦娘のメンテ怠ってよく提督名乗ってられんな……」グググッ

提督「いや、ちがうんですそれは深い訳が……」

摩耶「あん?何の訳があるのか言ってみろよ……」

提督「え、えっと……」

天龍「お、おい摩耶……ちょっと落ち着けって」

摩耶「落ち着いてられっかよ!アタシ達はこいつに命預けて出撃すんだぞ!」

天龍「……いいから聞けって」グイッ

摩耶「……んだよ!!」


天龍「……お前、よく考えろよ、ろくな設備がねぇこの鎮守府で艤装の修理なんかすぐ出来る訳ねぇだろ……」ボソボソ

摩耶「はぁ?だとしても主砲の修理なんざ20分もありゃすぐに終わんだろ」ボソボソ

天龍「修理妖精がいればな……吹雪の艤装よく見ろよ」ユビサシ

摩耶「……?」

天龍「……あれ、どう見ても溶接してんだろ……多分あいつら手作業で修理してんぞ……」

摩耶「嘘だろ!?」

天龍「そういうこった……取り敢えずヘリん中に修理妖精何人か連れてきてるからそこで修理させとけ」

摩耶「あ、あぁ…………提督……」

提督「は、はい……」

摩耶「その……悪かったな……アンタも苦労してんだな……修理妖精が居ないなんて知らなかったんだ……」

提督「い、いやぁ……そんな……」

摩耶「……まぁ……帰ったr」

提督「待て待て!!」

摩耶「?」

提督「そのセリフは駄目だ……」

摩耶「え、あ……あぁ……悪い、取り敢えず吹雪はアタシ達が修理しとくから安心してくれ、吹雪!こっち!」テマネキ

吹雪「あ、はい!!」


ヨクミタラツギハギダラケジャネェカ…… エ、エェ……シュウリヤ メンテナンスハ ゼンブテサギョウデスカラ……


戦艦レ級「……ん?なぁ提督」

提督「ん?」

戦艦レ級「……何であそこの設備、なにもないのに組み上がってんだ?」

提督「妖精が働いてるからな、ほら、よく見たら居るだろ?」

戦艦レ級「は?……妖精?……どこに居るんだよそんなの」

提督「……見えないのか?」

戦艦レ級「見えるも何も居ねぇじゃん……何言ってんだよお前……」

提督「……??」

取り敢えずこのへんで、次スレの季節がやってきたけど明日立てるぜよ

吹雪「この鎮守府はおかしいって言ってるのに聞いてくれません……」
吹雪「この鎮守府はおかしいって言ってるのに聞いてくれません……」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1431283182/)

待ちに待った次スレ立てか……胸が熱いな……

(今日中に立てとこ)


精霊さんなんてウソさ
寝ぼけた人間が見間違えたのさ

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