『魔術師の赤』
――とある留置所――
ホリィ「承太郎! おじいちゃんが来てくれたわ!」
ジョセフ「出ろ! わしと帰るぞ」
承太郎「消えな。おじいちゃんじゃあ、おれの力にはなれないぜ」
ジョセフ「なんじゃとぉ? ハッ……! わ、わしの義手の小指が!」
承太郎「おふくろから聞いていたか? おれの悪霊が小指を抜き取った……
恐ろしいか? こいつの正体も分からないうちには、おれはここから出ねえぜ」
ジョセフ「なんという……早業……!」
承太郎「それだけじゃねぇ……おれの悪霊は!」
ホリィ「ゴクリ……」
承太郎「指が伸びるんだぜッ!」
ニュッ!
ジョセフ「……」
ホリィ「……」
承太郎「……」
ジョセフ「そ、そうか……」
承太郎「……指だけじゃあないぜ。色々伸びるが……おじいちゃんたちには悪霊は見えはしないか……」
ジョセフ「フフッ……悪霊が見えないとな? そうでもないぞ……!」
承太郎「何ッ!?」
ジョセフ「アヴドゥル、頼む……孫を牢屋から出してくれ」
アヴドゥル「分かりました。ジョースターさん」
承太郎「ガタイは良いようだが……てめえに何ができる? ブ男」
アヴドゥル「わたしがブ男? ワッハッハ! 面白い事を言う! そう思いませんか? ジョースターさん!」
ジョセフ「……」
ホリィ「……」
アヴドゥル「コ、コホン……承太郎、今から君を牢屋の外に出すわけだが、そうしたら大人しく帰る気はあるかね?」
承太郎「やれるものならやってみな……俺は出ない。もしそうなったら大人しく帰ってやるぜ……」
アヴドゥル「魔術師の赤――マジシャンズレッド――」
グォボア!
承太郎「悪霊だとォ!? て、てめーもなのか! 赤い布をヒラヒラと……その闘牛士みてーなのは!」
アヴドゥル「Yes」
承太郎「オラァ!」
ゴキュン!
ジョセフ「これが承太郎の悪霊の全貌か! なんというパワーじゃ!」
アヴドゥル「くっ!」
承太郎「力はおれの方が上みてーだが、それでしまいか!?」
アヴドゥル「はぁはぁ……なんという力だ……だが、彼の悪霊も見れた事だし……もういいか……」
承太郎「もういいだと? 負け惜しみか? スターフィンg
ホリィ「違うわ……じょ、承太郎!」
承太郎「ハッ……!」
バァーーーーン!
承太郎「なにィ!? いつのまにか牢屋の外に……!」
アヴドゥル「超スピードなんてチャチなものじゃあないぞ……これも悪霊の力だ!」
承太郎「やれやれ……よく分からんが、てめぇは悪霊の正体を知っているようだな」
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