犬娘「恩返しですっ!」男「いらん」(382)

需要があるなら明日からこっそりと書くわ

おそくなりました書きます


犬娘「ごしゅじん!ごしゅじん!」

男「何?」

犬娘「じかんですっ!」

男「何の?」

犬娘「おさんぽですよ!」

男「あー勝手に行って来い」

犬娘「ひどいっ!?」ガーン


男「今何時だと思ってる?」

犬娘「とけーはよめません」

男「なら教えてやる8時半だそれも日曜の」

犬娘「それがどうかしたんですか?」

男「寝かせろ」

犬娘「どーしてですか!いつもはこのくらいですよね?」

男「日曜は起きれないの」

犬娘「ならおきてください!いますぐ!」


男「腹減ったし着替えたいし無理、わかる?」

犬娘「あんまりですよ……」

男「ただ…」

犬娘「なんですか?」

男「散歩に行く方法があるけどどうする?」

犬娘「やるにきまってるじゃないですか!」

男「その方法はなー」

犬娘「もったいぶらずにおしえてくださいよ!」

男「犬娘が10分待つこと」

犬娘「無理です」キッパリ


男「そう言うとは思ったけどさ…ところで1日って長いよね?」

犬娘「とーってもながいですよ?」

男「1秒って短いよな?」

犬娘「とってもみじかいです。いっしゅんです」

男「じゃあさ…600秒待ってて?」

犬娘「あはははは!そんなのすぐじゃないですか!」


男「そんなに早い?」

犬娘「いっしゅんがいっぱいならはやいにきまってます!」

男「じゃあかぞえててね?」

犬娘「はーい!」ワクワク

男(アホで助かった…)

犬娘「いーち、にーい、さーん……あり?つぎなんだっけ?」

>>6>>8は本当に関係ございません
本当に迷惑千万な話です


男「犬娘が600秒数えるのは無理に決まってる。だからゆっくり用意するか」

犬娘「ごしゅじん!ごしゅじん!」

男「もう数え終わったの?」

犬娘「ちがいます!さんのつぎはなんでしたっけ?」

男「『よん』だ」


犬娘「よんですね?わかりました!」

男「あー犬娘?」

犬娘「なんですか?ごしゅじん!」

男「一応なんだけどさ、1~10まで言える?」

犬娘「ば、ばかにしないでください!そのくらいいえます!」

男「『よん』もわからないのによく言えるね…」


犬娘「あ、あれは……ど、どわすれってやつです!どわすれ!」

男「じゃあ言ってごらん?」

犬娘「いーち、にーい、さーん、よーん、ごーお、ろーく…」

男(600秒数える前に日が暮れるな)

犬娘「なーな、はーち、きゅーう、じゅう!いえましたよごしゅじん!」

男「じゃあ十の次は?」

犬娘「」

男「わからない?」

犬娘「い、いやおぼえてます、おぼえてます!わすれてません!」

男「じゃあ言ってごらん」

犬娘「じ……じゅういち、じゅう…に、じゅ…うさん…」

男「詰まってるけどどうかした?」

犬娘「ごしゅじん、たいへんなことにきづいちゃいました…」

男「何?」


犬娘「いっしゅんがいっぱいならはやいとおもったのに…」

男「どうかした?」

犬娘「いっしゅんでもいっぱいあつまったらおそいです!」

男(いまさら!?)

犬娘「ごしゅじん!どういうことですか!?」

男「かんちがいじゃない?」

犬娘「なんでですか?」


男「ためしに十秒数えてごらん?」

犬娘「えーと…いーち、にーい、さーん、しーい…」

男(この間に着替えてと…)

―男着替え中―


犬娘「きゅーう、じゅう!かぞえました!」

男「何か変わったところは無いかい?(結局詰まりまくって30秒くらいたったな)」

犬娘「ごしゅじんがきがえてます」

男「犬娘、十秒は長かったかい?」

犬娘「みじかいとおもいます!」

男「その短いあいだに着替えたんだから用意なんかすぐ終わると思わないかい?」

犬娘「!そうですね!やっぱりごしゅじんはあたまいーですね!」


男「でも600秒は長いから30秒でいいよ?」

犬娘「おまけにやさしいしだいすきです!」

男(ちょろいな)

犬娘「いーち、にーい、さーん、……」


――10分後

犬娘「じゅうに?じゅうよん?あっ!じゅうさん、じゅうに…」

犬娘「いやいや…じゅうよん、じゅうろく?ご?ありり?」

男「犬娘ー終わった?」

犬娘「はなしかけないでください!」

男「へいへいすいませんね」

犬娘「じ…じゅう……あーもう!ごしゅじんのせいでわかんなくなっちゃたじゃないですか!!」

男「文句は置いといて、何か気付かない?」

犬娘「きょうのごしゅじんはしつもんがおおい!」

男「それも正解かな?じゃあ他は?」

犬娘「あっ、かみのくるくるがとれてます!」

男「寝ぐせな、さあ散歩行くかい?用意できたよ」


犬娘「ほんとですか!!」パァァ

男「あ、ゴメンまだ行けないわ」

犬娘「なんでですかっ!?いじわるですっ!おーぼーですよ!」

男「だれが横暴だ、単刀直入に言うぞ?」

犬娘「たんとう…?なんですかそれ?」

男「ハッキリ言うって事」


犬娘「そのほうがわかりやすいですー」

男「着替えろ」

犬娘「……へ?」キョトン

男「聞こえなかったか?俺が着替えても犬娘も着替えなきゃ散歩に行けないぞ?」

犬娘「あわわわわ…すぐきがえてきますっ!」


―三分後

犬娘「ごしゅじん…」

男「どうかした……ん!?」

犬娘「こんがらがりました!」

男「ボタンどうなってんだ…これ」

犬娘「なーおーしーてーくーだーさーい!」


男「いつになったら一人で着れるんだ?」

犬娘「むー、これでもぼたんいがいできます!」

男「あのなぁこれ掛け違いってレベルじゃねーよ…それぞれがバラバラだ」

犬娘「はやくはやく!おさんぽいきたいです!」

男「コラコラ動くな……よしできたぞ」


犬娘「さあはやくいきましょう!」タタタ…

男「走るとコケるぞ?」

犬娘「だいじょぶですー!」

男「ったく…鍵閉めてと」ガチャ


犬娘「さあはやくいきましょう!」タタタ…

男「走るとコケるぞ?」

犬娘「だいじょぶですー!」

男「ったく…鍵閉めてと」ガチャ



―外

犬娘「うーん!おひさまぽかぽかいいおてんきです!」

男「せっかくの日曜日…」

犬娘「きもちーですね!ごしゅじん!」

男「…そうだね」


男「さて今日はどこまで行こうか?」

犬娘「ごしゅじんがいっしょならどこでもいいです!」

男「それなら…季節的に河川敷かな」

犬娘「かせんじき?どんなところですか?」

男「川があるし今なら良い風も吹いてる気持ちいいところかな」

犬娘「かわ?あのおよげるとこですか?」


男「泳いじゃダメ、あの時の周りの人からの痛い眼差しを俺は忘れていない」

犬娘「???ことばがむずかしくてよくわかりません!」

男「とにかく泳ぐなってことさ、泳ぎたければプール連れてってやるから」

犬娘「ぷーる???どんなとこですか?」

男「好きに泳いでも怒られないとこ」

犬娘「かわでおよいでもおこられませんよ?」

男「俺が怒られる…社会的に」


犬娘「ならやめます…ごしゅじんがおこられるのはとっっっても嫌ですから!」

男「犬娘はいい子だなー」

犬娘「ほめてくれるならなでてください!」

男「帰ってからな今は散歩」

犬娘「むむむ……なでてもらいたいし、おさんぽもしたいし…」

男(一つを後に回すという選択肢はないのだろうか)

犬娘「きめました!おさんぽです!」

明日書けないので合間に書きました。楽しんでいただけていれば幸いです。

犬娘「ならやめます…ごしゅじんがおこられるのはとっっってもいやですから!」

男「犬娘はいい子だなー」

犬娘「ほめてくれるならなでてください!」

男「帰ってからな今は散歩じゃなかったっけ?」

犬娘「むむむ……なでてもらいたいし、おさんぽもしたいし…」

男(一つを後に回すという選択肢はないのだろうか)

犬娘「きめました!おさんぽです!」


男(後で撫でてあげよっと)

犬娘「ごしゅじん!かわにれっつごー!ですっ!」ピョンピョン

男「跳ねるな、ってか泳ぐ気だろ」

犬娘「そそそそそんなことありませんっ!わすれてません!」アセアセ

男(ちゃんと見張ってよう)


―河川敷

男「さすがは日曜9時前…誰もいねー」

犬娘「みんなねぼすけさんですね」

男「俺らが変なんだよ」

犬娘「ごしゅじんはへんじゃありません!わたしがほしょーします!」

男「世界一不安な保証だな」

犬娘「そんなことありませんよ!」プクー


男「ほっぺ膨らますな引っ張るぞ?」ムニ

犬娘「ふぉうひゃってるひゃっひゃふひゃひゃいですか!」

男「何て言ったの?」

犬娘「もうやってるじゃないですか!っていったんです!」

男「もう一回やっていい?」

犬娘「だめにきまってます!!」

男「やっぱりダメ?」


犬娘「すこしはこりる?てください!」

男「言葉がおかしいよ?」

犬娘「あげあし?とんないでください!」

男「少しは勉強しようなー犬娘」

犬娘「なにかいいましたか?」キョトン

男「都合の悪いとこは聞き流すんだね」


犬娘「そんなことよりごしゅじん!きれーなかわですよ!」

男「…そうだね」

犬娘(およぎたいです……)ウズウズ

男「まさかとは思うけど、泳ぐなよ?」

犬娘「そそそそんなななことかかかかんがえてままません」

男「噛みすぎだよ?図星でしょ」


犬娘「そそそそんなごしゅじんにめーわくをかけるようなことは…」

男「はぁ…後でプールに連れってってあげるよ」

犬娘「ぷーるってなんでしたっけ?」

男「忘れるの早っ!」

犬娘「ねーごしゅじんーぷーるってなんですかー?」

男「好き勝手に泳げるトコ」

犬娘「ほんとですかっ!?ゆめみたいです!」


男「あ、でも無理か…」

犬娘「なんでですかっ!?やっぱりめーわくですか…?」シュン

男「落ち込まなくてもいいって――まぁ原因は犬娘だけどさ」

犬娘「なおすからつれってってください…」ウルウル

男「その目止めろスゲー罪悪感がする」

犬娘「だってごしゅじんがいじわるします…」


男「意地悪じゃなくてさ犬娘の問題は尻尾だ」

犬娘「しっぽ?」

男「そう、尻尾」

犬娘「これがどうかしましたか?」パタパタ

男「振るな隠しとけ」

犬娘「はーい」


男「プールに入るには水着って物が必要なんだよ」

犬娘「れーぎってやつですか」

男「礼儀な、まぁそんなもんだね」

犬娘「そのくらいいいじゃないですか!」

男「水着を着たらたぶん尻尾が出るそこまではわかる?」

犬娘「ばかじゃありませんからわかります!」

男「…なら、尻尾が生えた女の子を見て周りはどう思うだろう?」


犬娘「きまってるじゃないですか!『かわいいこだなぁ』ですっ!」テレッ

男「それは極々一部の人な。一般にはお化けとか妖怪の類と思われるよ?」

犬娘「じゃあがまんします…ぷーる……」

男「ん?妙案が浮かんだ何とかなるかも」

犬娘「ごしゅじん!みょうあ――」

男「妙案って何?でしょ」

犬娘「そのとーりですっ!ごしゅじんちょーのーりょくしゃです!」


男「妙案ってのは、簡単に言えばいいこと考えたってことかな」

犬娘「ふむふむ…そのいーことってなんですか?」

男「プールだよ水着じゃなくても多分怒られない」

犬娘「ほんとですかっ!」

男「ちょっとアテを思い出した」


犬娘「おねがいできますか?」ウルウル

男「その目は止めろ、まぁ犬娘のために一肌脱ぐとするか!」

犬娘「ひとはだぬぐってなんですかー?さむくないですか?」

男「いや本当に脱がないからね、頑張るって意味さ」

犬娘「がんばれがんばれごしゅじん!」

男「ありがと」


犬娘「むーつめたいです…」

男「そんなことないよ?」

犬娘「まーいいです。そろそろかえりませんかっ?ごしゅじん!」

男「散歩はもういいのか?」

犬娘「おなかすきました!」


男「なら帰ろっか楽しかった?」

犬娘「はい!ごしゅじんとあるけるだけでしあわせですっ!」

男「楽しそうでなにより、よし帰ろう」

犬娘「ゆっくりですよ?はしっちゃだめですよ?」

男「なんで?犬娘走るの好きでしょ?」

犬娘「ごしゅじんとなるべくいっしょにいたいんですー!」

男「なら歩いて帰ろうか」


犬娘「かえってなにするんですか?」

男「とりあえずメシ」

犬娘「そのあと!」

男「プールの交渉」

犬娘「ごしゅじん!」


男「交渉ってのは…まぁお願いするって感じかな」

犬娘「すごいです!やっぱりごしゅじんはちょ-のーりょくしゃです!」

男「犬娘が単純なだけもっと勉強しような?」

犬娘「またべんきょうですか…べんきょうきらいです」

男「じゃあ帰るか」

犬娘「むしですかっ!?」

毎日書くつもりでしたが、ついに書き溜めが尽きました…
明日は書けませんすいません


―男の家

犬娘「ただいまーです!」

男「誰もいねーけどな」

犬娘「いいんですーこーゆーのはきぶんですー」

男「そんなもん?」

犬娘「そんなもんです」


男「ま、いいやご飯できるまで待っててね」

犬娘「はーい!」

―食事後

犬娘「おいしかったです!」

男「さてと…」ガタッ

犬娘「おさんぽですかっ!?」


男「さっき行ったろ」

犬娘「むぅーじゃあなにするんですか?」

男「プールの手配……じゃなくてお願いする」

犬娘「きょういけるんですか!?」

男「かもね」


犬娘「はやくおねがいしてください!」

男「少し黙っててね?」

犬娘「………」

男「よし」ピポパ…トゥルルル

『もしもし』


男「あ、もしもし男だけど」

『キミかなんか用かい?』

男「プール使えない?」

『藪から棒になーに言ってるのさ?』

男「犬娘のおねg『すぐ用意する』ガチャツーツー…


犬娘「………」

男「犬娘、もういいよ」

犬娘「ぷはぁ、やっとしゃべれます!」

男「別に静かにしてればしゃべってもいいんだけど?」

犬娘「それでごしゅじん!ぷーるはどうなったんですか?ぷーるは」


男「快諾…じゃなくて、何とかなったよ」

犬娘「ほんとですかっ!?」パタパタ

男「尻尾振るな埃が舞う」

犬娘「はやく!はっやく!」

男「着替えは…いっかたぶんアイツが用意してんだろ」

犬娘「ごーしゅじーん!」ジタバタ

男「…何より待てなさそう」


―とある豪邸

犬娘「うわぁ…おっきいおうちですねごしゅじん!」

男「本当にバカでかい家だよいくらするんだか…」

犬娘「はいっていいんですか?」

男「勝手に入っちゃダメ」


犬娘「じゃーどーするんですか?」

男「ピンポーンって言ってみ?」

犬娘「ぴんぽーん!」

ガチャ

「いらっしゃいませお嬢様からお話は聞いております」

男「マジで聞こえたの!?」


犬娘「ごしゅじんこのひとだれですか?」

男「この人は執事っていってこの家で働いてる人」

執事「あなたが犬娘様ですね。お嬢様からプールを用意しろと言われておりますこちらへどうぞ」

犬娘「はわわわわわ…なんかきんちょーします」

男「執事だからな」

執事「執事ですから」


男「じゃあ宜しくね執事」

執事「仰せのままに」

犬娘「ごしゅじんこないんですか?」

男「僕はプールに興味ないしね」

犬娘「こないんですか…?」ウルウル

男「あーもう!ついてきゃいいんだろ?あと上目遣いなんかどこで覚えた!」


犬娘「やりぃ!です!」

男「はぁ…という訳で一人増えたけど案内してくれる?」

執事「元より男様も連れて来いと言われております」

男「うへーあいつ苦手なのにな…」

執事「ご容赦ください」

犬娘「はやくいきましょーよー」

執事「こちらです」


―プール

執事「お嬢様お連れしました」

男「よう」

「やあ」

犬娘「こんにちはっ!」

「さがっていいよ執事」


執事「かしこまりましたでは仕事に戻ります」

「これが噂に聞く犬娘かい?」

男「ああそうだ」

「けっこう可愛いじゃないか」

男「だろ?」


犬娘「はじめまして!いぬむすめですっ!」

「ご丁寧にどうもボクは女さヨロシクね」

犬娘「はい!こちらこそです!」

男「女、着替えある?」

女「もちろんさ。客には最高のもてなしをするのが礼儀ってものさ、でもいきなりその質問はどうかと思うよ?」


犬娘「ごしゅじんーこのひとのことばはむずかしいです…」

男「そうゆうときは聞けば教えてくれるよ?」

女「そうだよ、ボクは鬼っていうワケじゃないよ?」

犬娘「じゃあつぎからききます!」

女「…ずいぶんとキミに懐いているじゃないか」


男「そう?」

女「そうさ……妬けるほどにね…」ボソッ

男「ごめん最後聞こえにくくて…なんて言った?」

女「ククク…言う気があればハッキリと言うさ」

犬娘「はわわわわ…わらいかたがこわいです…」

男「コイツの笑い方は元からだからな気にするな」


女「ククク…たまに来たと思えばずいぶんと失礼な事を言うね?」

男「事実だからな」

女「そんなこと言ってるとプール貸さないよ?」

男「相変わらず性格悪い事この上ないな」

女「それは褒め言葉と取るべきかい?」

男「褒め言葉って思うならもう一度学校行って来い」


女「本当に貸さないよ?」

男「わかったよ…降参だ、どうかプールをお貸しくださいお嬢様?」

女「わかればよろしい」

男「あれ?犬娘は?」

女「ああそこで」

犬娘「 」パクパク


女「口をパクパクさせて固まってる…のかな?」

男「話が難しすぎたか…」

女「関係ないでしょ?」

男「俺らには慣れた会話だけど犬娘はある程度難しい言葉を聞くと動かなくなるのさ」

女「便利な機能だね」

男「おかげで簡単な言葉に言い換えなきゃいけないし結構めんどくさい」


女「まぁいいじゃないか小さな子に説明ができるじゃないか」

男「今なら小学生に方程式でも教えられそうだよ」

女「クククッそれでこの子はほっとけばいいのかい?」

男「ああ、それまで色々と用意を頼める?」

女「執事!浮き輪に水着あと着替えにタオルを頼むよ勿論子供サイズだよ」


男「執事って…ここで言っても聞こえないだろ?」

女「多分聞こえているさ」

―数分後

男「」

女「だから言ったろう?」

男「お前のとこの執事は悪魔かなんかか?」


女「ちょっと優秀なだけさ」

男「数分で着替えその他諸々を揃える人物を人は悪魔と呼ぶ」

女「ふむ…またひとつ賢くなったよ」

犬娘「ごしゅじん!ゆーしゅーってなんですか?」

女「優れ秀でている事さ」

犬娘「 」パクパク


男「お前…説明する気ゼロだろ」

女「わかるかい?」

男「犬娘」

犬娘「……はっ!なんですか?」

男「優秀ってのは、大雑把…じゃなくて、ああもういいやとにかくスゴイってこと」

犬娘「ふむふむ…すごいひとですか、おぼえましたっ!」


女「さて早速プールに入るかい?」

犬娘「いいんですか!?」

女「勿論さ」

男「じゃあ犬娘着替えてきな」

犬娘「へ?」

女「ボクについてきなってことさサイズが合うかも心配だからね」


犬娘「うぅ…このひとにがてです…ごしゅじんついてきてくれませんか?」

男「やなこった風呂でもないのに何が楽しくて着替えさせなきゃいけねぇんだよ」

犬娘「ついてきてくれませんか?」ウルウル ウワメ

男「お前俺の弱点覚えたろ?」

犬娘「こうするとごしゅじんはやってくれますから!」


女「小さな策士だねこの子」

男「しゃあないついてくか…」

犬娘「やっぱりごしゅじんはやさしいですー!!」

―数分後

犬娘「ごしゅじん!どーですかっ?」

男「あーはいはいよくお似合いですね」


犬娘「むぅ…さめてますー」

女「面倒そうだね」

男「そう?」

犬娘「ごしゅじん!はやくいきましょーよ」


男「はいはい…わかりましたっと」

女「これ持っていきなよ」つ浮き輪

犬娘「なんですか?このぷにぷにしたのは」ツンツン

男「浮き輪だ」

犬娘「うきわ?」キョトン

男「プールってのは深いんだよ」

犬娘「ふかい?」


男「足が地面につかないって言えばわかる?」

犬娘「なにいってるんですか?あしがつかないはずないじゃないですか!」

女「男、この子の自信はどこから来るの?」

男「一回川で泳いだ事があってね…」

女「それで?」


男「服脱がないで川に飛び込んで俺は通りがかりの人から嫌な目で見られたよ…」

犬娘「それってだめなことですか?」

男「ダメに決まってるだろ」

女「まぁでもボクのとこなら好きなだけ泳いでいいよ」

犬娘「そうですっ!はやくおよがせてくださいっ!」

男「浮き輪は外すなよー」


犬娘「わかってますー!ごしゅじんもはやくきたくださいね!」タタタ…

男「ああ分かったから行ってこい」

女「ほらキミも行きな、あの子溺れるかもよ?」

男「心配ない泳ぎだけは上手い」


―プールサイド

犬娘「あ!ごしゅじんおそいですよー」

男「あれ?まだ泳いで無かったの?てっきりもう泳いでるもんだと思ったけど?」

犬娘「ごしゅじんにまためーわくかけるのやなのでまってました!」

男「そっか偉いぞ犬娘」ナデナデ

犬娘「やっとなでてもらえました!」パタパタ


男「尻尾平気?」ナデナデ

犬娘「はい!これしっぽだせるんですよ!ぶい!」

男(ま、フツーの水着に穴あけただけけどな)

犬娘「むぅ、ごしゅじんもっとなでなでしてくださいよー」

男「後でな、よしプールはいるか」


犬娘「このままでいいんですよね?ね?」

男「あ、そうだせっかく待てたんだし準備体操するぞ」

犬娘「じゅんびたいそー?」

男「ちょっとでも危険…じゃなくて危なくないようにね」

犬娘「またぷーるがとおいです…」

男「じゃ俺のマネしてね?」

id変わりました
恩返しの件まで書きたかったけど無理でした。
支援してくれている方ありがとうございます。


犬娘「むしですかっ!?」

男「はい!一、二、三!」

犬娘「ごー、ろく、しち、はち」

―数分後

犬娘「おわりました!」

男「よし入っていいぞ」


犬娘「いきますよー!」ドボン

男「勢い良いな」

犬娘「~♪」バシャバシャ

男「やっぱり犬掻きなんだな」

犬娘「ごしゅじん!どうですかー?」バシャバシャ


男「やっぱり泳ぎは上手いな」

犬娘「えへへ…///」

女「楽しそうだね?」

男「おかげさまでね」

犬娘「あ!おんなさんです!」


女「やあ」

男「どうかした?」

女「この子に忠告さ(ホントは実験だけどねククッ)」

男「忠告?」

女「犬娘、キミは男に感謝しているかい?あ、感謝はありがとうって意味ね」


犬娘「もちろんです!いっっぱいありがとうです!」

女「男にありがとうって言われたことは?」

犬娘「うーん…あんまりいわれたことないです」

女「ならさ男にありがとうって言われたくは無いかい?」

犬娘「ごしゅじんにですか?」


女「質問を変えようか、キミは男を幸せな気分にしたくないかい?」

男「おい、さっきから何言ってる」

女「ちょっと黙っててくれるかな」

執事「男様少々こちらに」ガシッ

男「まーたお嬢様のわがままですか?」

執事「申し訳ありませんがこちらへ」

男「わーかったっての」


女「それで?どうなんだい?」

犬娘「ごしゅじんにありがとうですか…う~ん…」

女「なに簡単なことさ、キミはたくさん男に感謝しているだろう?」

犬娘「もっちろんですっ!いっぱいありがとうですっ!」

女「キミが感じている感謝と同じくらいに男を喜ばせてあげるだけさ」

犬娘「よろこばせる?」


女「そう、それを恩返しというんだ」

犬娘「おんがえし?」

女「恩返ししたくないかい?」

犬娘「よくわかんないけどごしゅじんがよろこぶならやります!」

女「良い返事だ、じゃあ具体的…の意味はわかる?」

犬娘「わかります!おそわりました!」


女「そうか、なら男にやってもらっている事をやってあげるとたぶん喜んでくれるよ」

犬娘「ごしゅじんにやってもらってることですか?う~ん…」

女「男の誕生日も近いしね」

犬娘「でもなにやればいいかよくわかりません…」

女「そうだね…たとえば…」

女「……男の…に…」ゴニョゴニョ


犬娘「ええ!?それほんとですかっ!?」

女「ボクはこれでも男のことはよく知っているつもりさ」

犬娘「うぅ…ちょっとはずかしいけどやってみます!」

女「まぁそれは後で考えてくれ、今はプールを思う存分楽しむと良いよ」

犬娘「ありがとうございますっ!」

女(面白くなりそうだ…ククッ)


女「ああそうだ執事もういいよ」

執事「はい」スッ

男「ったく聞かれたくない話だったらまた今度にすればいいのに…」

女「キミは次にいつ来るつもりだい?」

男「…気が向いたら?」

女「ほらダメじゃないか」


男「そこまでして何をするんだ?」

女「一言で言えばキミは忙しくなる…だろうねククッ」

男「無駄に仕事を増やすなよ…はぁ…」

女「ため息すると幸せが逃げるらしいよ?」

男「逃げてもまた来るさ」


女「深いね」

男「そうか?テキトーに言っただけなんだが」

女「ククッ!酷い目にあっても知らないよ?」

男「一体なに吹き込んだんだよ…」

男「まあいいかしばらく泳いでるとこでも見てるかでも入らなきゃ犬娘うるさいしな…」

犬娘「~♪」

男「ほっといていいか」

  バン   はよ
バン (∩`・ω・) バン はよ
  / ミつ/ ̄ ̄ ̄/
  ̄ ̄\/___/


バンバンバンバンバンバンバン
バン     バンバンバン
バン (∩`・ω・)  バンバン
 _/_ミつ/ ̄ ̄ ̄/
   \/___/ ̄


    ; '  ;
     \,( ⌒;;)
     (;;(:;⌒)/
    (;.(⌒ ,;))'
 (´・ω((:,( ,;;),
 ( ⊃ ⊃ / ̄ ̄ ̄/__
    \/___/


―しばらくして

犬娘「うーあー…」トテトテ

男「どうした?そんな変な声出して」

犬娘「つかれました…」

男(そりゃあノンストップで犬掻きしてたら疲れるよな)


犬娘「ごーしゅーじーんー」グッタリ

男「どうした?」

犬娘「おひざかしてください…」

男「わかったよほら」ポンポン

犬娘「きゅーけいです…」コテン


男「おい体拭いたか」

犬娘「くぅ……くぅ…」

男「って寝てるし…」

執事「膝枕の最中申し訳ありません男様」

男「はい?」


執事「これを」つタオル

男「おおナイス執事」

執事「当然のことをしたまでです」

男「そういえばさアイツ犬娘に吹き込んだんだ?心底楽しんでたぞ」

執事「あれはおそらくお嬢様の暇潰しに御座います」

男「ヒマつぶし?」


執事「なんでも退屈だとか」

男「そりゃあバカでかいこんなとこで何一つ不自由なく暮らしてりゃ退屈だろ」

男「ってかヒマつぶしなら他でやれ」

執事「それほどに男様を信頼しているということです」

男「これ信頼か?」

執事「ええお嬢様なりのですが」

男「ひねくれてるな」

執事「ですね」


男「…まぁいいや、執事今何時?」

執事「午後二時半で御座います」

男「じゃあさ寝るとこある?あと三十分は起きないからさ」

執事「かしこまりました。客間へどうぞ」


男「客間?」

執事「間違えましたゲストルームです」

男「何か変わってない気もするけど…まいっか」

―午後三時 ゲストルーム

犬娘「…ふわぁぁあ」


男「お、起きたか」

犬娘「ごひゅひんいまなんひれすか?」

男「おやつの時間」

犬娘「やったぁ……あれ…?さっきまでプールに…」

男「まず顔洗ってこい」

犬娘「ふわぁい」トコトコ


男「ってヤベここ女の家だったっけ、まぁ執事がなんとかするか」

―女の家 食堂

女「――で?」

男「何だ?」

女「どういう状況?」

男「見て分からない?」


女「う~ん…キミが犬娘ちゃんをお姫様だっこしてることはわかるけど?」

男「その通りだな」

犬娘「おはよーございます!」

女「ああ」

男「足が疲れたって言うからな、軽いしじゃあ抱っこでいっかってこと」

女(か…過保護すぎる…)

女「ま、まあいいさとりあえずティータイムにしようか」


男「ほら降りろ」

犬娘「ごしゅじん!てぃーたいむ?ってなんですか?」

男「おやつの時間だ」

犬娘「もうそんなですかっ!?」

男「犬娘どこくらい寝てたかわかる?」

犬娘「う~ん…いっぱいですか?」


男「そんな感じだ(そういや時間ってどうやって伝えりゃいいんだ?)」

女「はいはい続きは紅茶でも飲みながらゆっくり話そうよ」

犬娘「こうちゃっておいしいんですか?」

女「たぶん気に入ってくれると思うよ…確証はないけど」

ガチャリ


執事「お待たせいたしました紅茶が入りました」

女「ありがとう」

男「臭いからして凄そうだな」

犬娘「う~んきもちいいにおいですねごしゅじん!」

男「気持ちいいか?」

犬娘「おちつくのです!」


男「まぁ俺のとこだと絶対飲めないだろうしな…ってか紅茶飲めるか?」

執事「考慮し犬娘様の分はミルクティーにしてあります」

女「流石だね」

執事「お褒めに預かり光栄に御座います」

男「…ちなみにコレいくらだ?」

女「さあね執事に任せっぱなしだし、値段なんて気にしなくてもいいよ」


男「余計気になるわ!」

犬娘「あのーごしゅじん?」

男「どした?」

犬娘「のんでいいですか?」

男「遠慮しないで冷めないうちに飲みな」

犬娘「はいっ!」ニコッ


男「ってかなんで飲まなかったんだ?」

犬娘「だって…」

男「?」

犬娘「ごしゅじんがのんでないから…だめなのかなって」

男「俺は猫舌なだけ気にすんな」


犬娘「ごしゅじんねこさんですか?」

男「猫舌な、熱いものが苦手ってこと」

執事「男様、少々味は落ちますが適温にしてあります」

男「…お前サイボーグか何かじゃないよな?」

執事「ご冗談を」


―午後4時

男「さてと…そろそろ帰るか犬娘」

犬娘「もうですか?」

男「ああ、晩メシの材料買って帰るからな、何か食べたいものあるか?」

犬娘「きいろくておっきいの!」


男「黄色くて大きい?」

犬娘「あ、あとあかいの!」

男「???」

女「執事わかる?」


執事「おそらくオムライスですね、小さな子が好む食べ物の一つですから」

男「ああそれか、そういや前に作ったら黄色いでっかい卵って言ってたっけ」

犬娘「おむらいすってゆーんですか?」

男「……一応確認だが、黄色いやつの中に赤いご飯がなかった?」

犬娘「ありました!とっってもおいしーの!」


男「んで、食べる時はスプーンを使うだろ?」

犬娘「!!!ごしゅじんやっぱりちょ-のーりょくしゃです!」

男「決まりだな単純っつーか純粋というか…」

男「ってなわけで帰る。じゃあな今日はサンキュ」


女「執事!二人がお帰りだ車を――」

執事「お嬢様、車は不要かと」

女「そうなのか?」

男「当たり前だ、あんな長細い車でスーパーに行けと?近所からまた変な目で見られるだろ」

犬娘「ながほそいくるま?」

男「えーと…とにかく長い長ーい車」


犬娘「ながい?どのくらいですか?」

男「えっと…犬娘が手を伸ばしてもまだまだ足りないくらい」

犬娘「ええっ!?」


男「ん?そういえば……執事、今何時?」

執事「4時を少々過ぎた頃ですね」

男「タイムセールやってるな…よっしゃ!行くぞ犬娘!」

犬娘「へ?」ガシッ


男「全速力でgo!」ダッ!

犬娘「ぎにゃー!!はやいはやい!ごしゅじんすっとぷ!」

男「すっとぷ?知らん!」ダダダ…

執事「……100メートル9秒台と言ったところですか?」

女「さすがにそれは早すぎ、まぁでも足の速さ、体力、家事が自慢っていつも言ってるからね」


執事「……最後で台無しですよね」

女「十分だよ、むしろキミのように万能にできる人間の方が珍しいよ」

執事「私はそこまでの事をしましたか?」


女「顔を見れば体調を理解し、客人が来れば一瞬で好みを見抜く……どこの超能力者だ」

執事「経験と勘さえあれば大抵の事は見抜けます。当然の事ですよ」

女「ふーん……そんなことよりあれは?」

執事「既に手配してあります。予定外も含め到着するころには届いているでしょう」

何日も放置することが多々あると思いますが、必ず完結させます。
とりあえず今日は以上です。書き溜めてまた来ます。


―近所のスーパー

男「よっしゃ!タイムセールピッタリ!」

犬娘「なんでつかれてないんですか……」グッタリ

男「逆に何でそんなに疲れるのかわからん」


犬娘「はやいのはきらいなんです…」

男「じゃあ次から少し遅くするよ」

犬娘「そーしてください…」


男「えーと…卵、ケチャップ、鶏肉、それに油か、ちょっと野菜も買ってくか」

犬娘「おやさいきらいですごしゅじん!」

男「却下だ」

犬娘「うぅ…ごしゅじんがいじわるする…」


男(そういえば犬娘の好物ってなんだっけ?肉?魚?野菜…はないとして…)

犬娘「ごしゅじん?」

男(オムライス?でもなんか違う…)

犬娘「ごしゅじんってば!」クイクイ


男(刺身?でも生臭いって言ってたな…)

犬娘「ごしゅじん…グスッ」ウル…

男(辛い物は苦手だし、梅干し…却下だな)

犬娘「ごしゅ…じん……」

男(タイムセールだしこの際だからまとめ買いってのも…)


犬娘「ご…ごしゅ…じん?」

男(手持ちは…十分か、あれ?なーんか忘れてるような…)チラッ

犬娘「ヒグッ…グスッ…ごしゅじん…」

男(ん?なにこれなにこれなにこれ!俺が悪いのか!?)


犬娘「うえぇぇん!ごしゅ…ごしゅじん!」ウルウル

男「どうした!?」

犬娘「ごしゅ…じんがっグスッだまっ…てヒグッおこっ…てる!」

男「え?」

犬娘「おやさいたべるからっ!!ごきげんなおしてください!」グスッ


男「機嫌?野菜?ドユコト?」

犬娘「おこって…ない…んですか?」

男「いや、怒る理由がないというか…考え事してたらなんか泣いてたなウン」

犬娘「」ジワ…

男(あ、やべ地雷踏んだ?コレ)


犬娘「ばかぁぁあああ!」

男(周りの目が痛い…)

犬娘「さびしかったんですよ!?ごしゅじんちっともこっちみないし!」

男「うぇ!?」

犬娘「だいたい!」

男「はい!」ビクッ


犬娘「ごしゅじんはいつもそーです!せっかくおうちでごしゅじんと
   あそべるとおもったらしかくのはことかたかたやったり!」

男「四角の箱?かたかた?」

犬娘「ねんねもよこでねれないし!こっそりはいってもごしゅじんおきるといないし!」

男「いやそれはさすがに一人でも平気かなぁと…」


犬娘「おふとんひとりじゃつめたいです!」

男「今、夏だから暑くなくていいじゃん」

犬娘「あつくてもいーんですっ!」

男「ってことはいつも起きると横で抱きついてたのはわざとか!」

犬娘「!」ギクリ


男「どーりで毎朝、毎朝、腕にしがみついてるわけだ。ってか気づけよ俺」

犬娘「あれはごろごろしててそっちにいっちゃうんです!」

男「せっかく夏は暑いからと思ってもうひとつ布団買ったってのに…はぁ…」

犬娘「そうだったんですか!?」

男「今年は猛暑…もといあっつい夏だって言ってたし去年も暑いって言ってたろ?
  だから別にしたって言わなかったか?」


犬娘(そういえば…)

犬娘「で…でも!」

男「デモもストもねーよ、ん?」

店長『さぁ!本日の目玉コーナー!夕方からの大サービス!全品半額だ!もってけドロボー!』


男「」キラーン

犬娘「ふにっ?」ガシッ

男「半額っ♪半額っ♪」ダダダダダ!

犬娘「ふにゃぁぁぁああああああ!」


―買い物 終了

バイト「合計で3千円になりまーす」

男(安っ)

バイト「ちょうどお預かりしまーす」

バイト「あざっしたー」

犬娘「」ジッ…


男「どうかした?」

犬娘「(あれちょうどです!)ごしゅじんあれください!」

男「これ?」

[業務用段ボールお得サイズご自由にどうぞ]

男「デカッ!!」


男「業務用でお得サイズ?わけわからん」

犬娘「これもってかえっていいですか?」

男「じゃあそのかわり犬娘が持つんだぞ?」

犬娘「はーい!」


―買い物後 男宅

男「現在時刻…午後五時半」

犬娘「えっと…ここをこうして…これを…」

男「オムライス製作開始!」

男「…え~と執事特製のレシピはと……」


『犬娘様にはあまり塩分の濃い物は避けたほうがよろしいと思いましたので。
 あっさりとした味になるよう書いてあります。御了承を』

男「変なとこ真面目だなコイツ」


―三十分経過

男「よっし完成!」

男「さて犬娘はと…」

犬娘「ここにこれを…」ペタ

男「(段ボールに飾り付け?)ご飯できたぞー」

犬娘「いまいきますー」トコトコ


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

男「いただきます」

犬娘「いっただきまーす!」パク

犬娘「~~~~~~!」ジタバタ

男「おお珍しくちゃんとした食える味だ」


犬娘「ごしゅじん!」

男「どうだ?美味いか?」

犬娘「もっっちろんです!おいしいです!」

男「そっか良かった」


犬娘「ごしゅじんおみせひらいてくださいよ!」

男「いやそれ執事のレシピ…ちなみにレシピは作り方って意味だっけ」

犬娘「しつじさんはりょーりもとくいなんですか?」

男「ああ、何でもできるな」


犬娘「へー」

男「それはそうとさっき何してたんだ?随分楽しそうだったけど?」

犬娘「あふぇはひゃいひょへふ」モグモグ

男「食ってから話そうか」


犬娘「ひ・み・つです!」

男(この顔は…なんか変なことしてるな)

犬娘「ごしゅじんさめちゃいますよ?」

男「え?ああそうだな」


~~~~~~~~~~~~~~~~

犬娘「ごちそーさまでした」

男「お粗末さん」

犬娘「ごしゅじんまじっくありますか?」

男「いきなりどうした?」


犬娘「とにかくまじっくください」

男「マジックっていえばこれか?」サッ

犬娘「いやそれちがいますもっとみじかいのです」

男「問題です。このステッキからは何が出るでしょうか?」


犬娘「なにかでるんですか?」ワクワク

男「アイン・ツヴァイ・ドライ!」ポン!

犬娘「きれーなおはな…ってちがいます!」

男「ハハハ、ちょっとふざけただけだって」


犬娘「ぼうはどこいったんですか?」

男「そっち!?」

犬娘「どっちですか?」

男「いやそれはあっち…ん?なんかわけわからん」


犬娘「そーいえばなにかわすれているよーな……」

男「……」←考え中

犬娘「……」←真似中

犬娘「あ!まじっく!ごしゅじんまじっくです!」


男「そういえばそうだったな、色は?」

犬娘「あお!」

男「青か…ちょっと待ってて」

犬娘「はい!」


男「え~とこの引き出しか?」ガタッ

男「こっち?」ゴトッ

男「これか!」ガツッ

犬娘「なんかこわいですよ!?」


男「あった!」ゴシャ

犬娘「ごしゅじんしゃれにならないのがきこえましたよ」

男「青だよね」

犬娘「そーです」

男「床とか汚すなよ?」

犬娘「もっちろんです!」


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

男「ふわぁ…そろそろ寝るぞ」

犬娘「まだねむくないです」

男「じゃおきてろ」

犬娘「いーんですか?」


男「電気は消すけどな」

犬娘「すいっちおします!」

男「頭使ったことは褒めるがブレーカーごと落とす」

犬娘「ぶれーかー?」


男「ブレーカーってのを落とすと電気はつかなくなる」

犬娘「おとすならあげます」

男「残念なことに犬娘の背じゃイスを使っても届かないよ」

犬娘「む……なにもできないじゃないですか!」


男「だから寝ろっての」

犬娘「でもこれやりたいんですよー」

男「つーかなにコレ?」

犬娘「…だんぼーる?」


男(いやいやいや…真っ青だよコレ、ブルーマンもひっくり返るレベルだろコレ)

男(おまけにシールがやたら貼ってあるし、廃品回収でためらうヤツだよ)

犬娘「がんばりましたっ!」エヘン

男「がんばったなー犬娘」ナデナデ


犬娘「えへへ…///」

男「…寝るか」

犬娘「おともします!」ビシッ

男(ちょろい)


―夜中

男「あっちい…」

犬娘「うぅ…ん……」ギュ

男「またお前か…ったく」


犬娘「えへへ…ごしゅじん…」

男「暑いのに幸せそうでいいねぇ…」

男「深夜一時か、水でも飲んでまた寝るか」


―台所

男「こちら男、犬娘を起こさずに台所への潜入成功ってね」カチッ パッ

男「何があったっけ?」

男「えーと…緑茶に麦茶、ウーロン茶、玄米茶、さんぴん茶、紅茶、プーアル茶、ドクダミ
センブリ……俺は何を考えていたんだ?新手の宗教?ペットボトル教?」


男「ん?」ガタッ

犬娘「はわわぁ…あちゅい…」

男「ん?」

犬娘「あーごしゅじんここでしたかー」


男「…前言撤回、起こしてたか」

犬娘「のどかわきました」

男「ああ、暑いからな何か飲む?」

犬娘「いつもにょで」


男「どこの常連だよ、そして噛んでるし」つ麦茶

犬娘「んぐ…む…ぷはっ」

犬娘「ふっかつしました!」

男「よしそのまま回れ右だ」


犬娘「はいっ!」クルッ

男「そして部屋に戻って目を閉じてじっとしてようか」

犬娘「そしたらどうなりますか?」

男「疲れが取れてスッキリする」


犬娘「おーやってみますー」

男「ついでに目を閉じたときに羊を数えるといいらしいぞ」

犬娘「わかりましたー」トテトテ

男「ふぅ…行ったか。さてとどれにするか」


男「ここは目を閉じて適当に…!」パッ ゴクッ

男「がはっ…!にげえええええええ!」

男「よりにもよってセンブリ茶!?こりゃ寝れないな…」


―朝

犬娘「おはよーございます!はやいですねっ!ごしゅじん!」

男「おはよう…」

犬娘「どうしたんですか!?ごしゅじんふらふらです!」

男「犬娘…俺の目の下…どうなってる?」


犬娘「まっくろです」

男「そうか…俺、体弱いな…」

犬娘「どうかしたんですか?」

男「これ飲んでみ…」つセンブリ茶


犬娘「? わかりました」ゴクッ

犬娘「ちょっとにがいけどこれがなんなんですか?」

男「効かない…だと…!?」

犬娘「もっとありますか?なんかのどかわきましたー」


男「…味覚障害じゃないよな」

犬娘「み……なんですか?」

男「味がよくわからないこと」

犬娘「べつにせーじょーだとおもいますよ」


男「それとも単に苦みに強いだけか?これすげー苦いのに」

犬娘「ごしゅじんごはんまだですか?」ケロッ

男「すぐ作るよ」

犬娘「ごーはーんー」

男「わかったわかった」


―食後

男「さてと…何かする?」

犬娘「いぬむすめはあれやります」ビシッ!

男「まだ飾り付けするのかよ…」

犬娘「はい!」


男「俺は疲れたから寝る、お腹空いたら起こしていいから」

犬娘「まだあさですよ?」

男「昨日寝てない、わかる?」

犬娘「しずかにしてます」

男「それでよし」


―午後七時

男「」zzz…

犬娘「できました!いーかんじです!」

男「………」

犬娘「ごしゅじんおきてください」ユサユサ


男「」zzz

犬娘「おねぼうごしゅじんおきてくださいよー」ユサユサ

男「もうすこし…」

犬娘「こーゆーときは…」トテトテ


犬娘「これを…」ガラッ トテトテ ピトッ

男「ひょわあああ!?」

犬娘「おきましたかごしゅじん」

男「氷!?心臓止まるじゃねーか!!」


犬娘「ごしゅじんこれじゃないとおきないじゃないですか」

男「確かになかなか起きないと思うけどさ…なんか別に考えてくれ」

犬娘「……おみず?」

男「かけるなよ?」


犬娘「…やめます」

男「あ、そういえば――」チラッ

犬娘「どうかしましたか?」

男「犬娘、昼飯はどうした?」


犬娘「しつじさんがおひるにきてあれをおいてきました」

男「カゴ?と手紙…」

『午前11時頃電話したのですが男様が出なかったので、失礼とは思いましたが
 お邪魔させていただきました。


男「電話あったのか?」

犬娘「なってました」

男「…なんで出なかった?」

犬娘「きかい?にがてです」


男「よし明日は勉強だ」

犬娘「! おーぼーです!めーでーです!」

男「好きにしろ、えーと続きは…」

インターホンを鳴らしても反応が無かったので不躾ながら、入らせて頂きました。
居間を覗くと男様と犬娘様が寝ていらしたので、勝手ながら昼食をご用意しました。
その後、犬娘様が起床されたので昼食を、男様は疲れているようでしたのでそのままに。


男「犬娘、執事の料理なんだった?」

犬娘「えっと…なんとかはすすさんっていってました。やさいがおいしかったです!」

男「…クラブハウスサンドイッチってやつかな。――あ、まだ続きがある」

それと夕食もご用意させていただくので、七時ごろまでお待ちください。 執事』


ピンポーン

犬娘「ごしゅじん、おきゃくさんですー」

男「…あいつこそ超能力者だな」


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

男「いらっしゃいと言いたいんだが…」

執事「なんでしょう?」ドサリ

男「そのバカでかい荷物は何だ」

執事「調理器具と食材、あとは食器ですよ」ガチャガチャ


男「それ担いで持ってきたのか?それも歩いて」

執事「たまには運動が必要ですし」

男「…ちなみにどのくらいの重さ?」

執事「20キロ程ですかね。いや、良い運動になりました」


男「それと昼ごろどうやって入った?カギはしっかりやったはずだ」

執事「ピッキング…ご存知ですか?」

男「やったのか!?マジでやったのか!?」

執事「フフ…どうでしょうね?」

男(…敵に回すとマズイ奴ってこんな奴だろうな)


犬娘「こんばんは!」

執事「こんばんは。腕によりをかけて作らせていただきます」

男「何を作ってくれるんだ?」

執事「そうですね、牛肉の赤ワイン煮などはいかがでしょう?」

男「……また高そうなモンが出て来たなオイ」


執事「それでは台所をお借りしますね。とは言っても下準備はやってきましたが」

犬娘「ごしゅじん」

男「あと十分待て」


犬娘「はいっ!」グゥ

犬娘「あはは…///」

執事(…なるべく急ぎましょうか)


―五分後

執事「お待たせしました。どうぞお召し上がりください」

男「あのなぁ…」

執事「何でしょう?」


男「五分でこれを作ったのか?」

執事「ええ、これでも急いだつもりです」

犬娘「わ!とってもおいしいです!」

執事「お気に召したようでなによりです」


執事「さて、お嬢様のお世話があるので私はこれにて退散させていただきます。
   男様、健康には重々注意のほどを」

男「ああ、サンキュ」

執事「ああ、それと犬娘様」

犬娘「なんですかー?」


執事「あと五日ですよ」コソッ

犬娘「おぼえてますっ!」エヘン

執事「そうですか、では」

バタン ピッ prrrr


執事「お嬢様、手筈通り終わりました」

女『どうだった?』

執事「作戦成功です」

女『なら良かった。今から男が困る姿が目に浮かぶよ…ククク…』


執事「楽しそうですね。」

女『当然さ、男には悪いことをしたかもしれないけどね』

執事「いえ丁度良い機会なのでは?」


女『そっか、ならいいや』

執事「それでは帰ります」

女『ああ、待ってるよ』ピッ

執事「さて…五日後ですか、万事上手くいけば良いのですが…」

書き溜め大量にあったんで一気に書きました。放置すいませんでした。


―五日後

男「う……朝…か…?」ズキッ

犬娘「おっはよーございます!ごしゅじん!きょーもいーおてんきですよ!」

男「犬娘…悪いけど、携帯と手帳を取ってきてくれるか?」

犬娘「はい!」タタタ…


男(…なんだこれ、体が重い…)

犬娘「もってきました!」つ携帯電話 手帳

男「ありがと…」

犬娘「ごしゅじんおきないんですか?あさですよ?」


男「起きれそうにない…ちょっと具合が悪いみたい…」

犬娘「! それはたいへんです!ゆっくりねてください!」

男「…いや…とりあえず飯を…」ムクリ バタッ

犬娘「!!!」


男「あ…ダメだ…立てない…ゴメン…」

犬娘「お、おきなくていいです!むりしないでください!」

男「そう言ってくれるよ…助かるよ…」

犬娘「ごはんはれーぞーこにありますから、ひとりでたべますからおきちゃだめです!」トテトテ


男「ああ…よろしく…」

犬娘「なにかたべてすぐきます!」

ペラッ←手帳を捲る

男(緊急医は…1時間くらいかかるな…車は無理だし、タクシー会社…一社やってるな…)

ポチポチ prrrrr

『はい、速く賢く安全にがモットーの○○タクシーです』


男「すいませんタクシー一台お願い…できますか?住所は――」

『すいません現在、ストライキに突入しております。申し訳ありませんができません』

男「は…?」

『それでは』ピッ


男「ちょっ……ダメか…」

男「他に頼れる所…一つしかないか」

男「…女に頼んでみるか…」


―その頃 女の屋敷

執事「お嬢様、朝食はいかがでしたか?」

女「ああ、いつも通りとても美味しかったよ、ありがとう」

執事「それは何よりです」

女「――で?」


執事「何でしょうか?」

女「今日が五日目だけど?」

執事「おそらくそろそろ電話がかかってくるでしょう」

女「失敗は?」

執事「ご冗談を」


prrrrr

女「噂をすればってやつだね」ピッ

女「もしもし?」

男『…車を用意してくれるか?』

女「いきなり何だい?まずは挨拶が一般的だよ?」


男『…非常事態なんだよ、恥を承知で頼む医者に…連れていってくれないか?』

女「具合でも悪いのかい?」

男『…体が鉛みてーだよ。頭も痛むし最悪だ、どんどん酷くなる』

女「生憎だけど、執事は無理だ予定がパンパンに詰まっている」


男『…そうか……』ピッ

女「切れちゃった」

執事「さて、どうなりますかね」

女「う~んタクシー会社は抑えたし、アレも効いてるみたいだしね」


執事「救急車という手は?」

女「既に潰したよ、ついでに男の親は偶然当たった海外旅行中だ。今頃はパリかな?」

執事「準備は万端という訳ですか」

女「そゆこと、あとは可愛い策士がどう出るか…ククッ」


女「それにしてもえげつないね」

執事「何がですか?」

女「『アレ』のことさ――新薬の実験とでも言うべきかな」

執事「男様の体調不良の原因ですね」


女「そうそれ、どんなのだっけ?」

執事「液体の薬で少し独特な臭いがあります。効果は軽い頭痛、体が重くなり動けない等です」

執事「更に追加で頭や目がハッキリと冴え渡り、眠ることもままなりません」

執事「私が少し改良を加えたことにより、発病…と言っていいのかわかりませんが
症状が出る時期を調節できます」


女「…どうやって作るの?そんなの、ボクの提案だったけど絶対作れないと思ってたのに」

執事「機密事項です」

女「機密ねぇ…つまらない…」

執事「申し訳ありませんがこればかりは…」


女「あ、その薬の副作用で死ぬことは?」

執事「無論ありません」

女「なら安心だねククッ」

執事「自ら加担しておいて何ですが…私は心配でなりません」


女「大丈夫さ、この五日で犬娘ちゃんに色々教え込んでたんでしょ?」

執事「はい、私の調べでは洗濯機の使い方、簡単な料理、一般常識
あとは携帯電話などの便利な機械の使い方を指導したようです」

女「…あの子に覚えられたのかな?」

執事「忘れたら困ることは男様が丁寧にメモ帳にひらがなでまとめたようです」


女「(過保護もここに極まれりってヤツか)その手帳をなくすこともあるかもよ?」

執事「犬娘様がデコレーションを施し、肌身離さず持っていますから無くすことはないでしょう」

女「男の誕生日まであと一日…ボクの暇つぶしが成功するかは
犬娘ちゃんと執事に懸かってる。頼んだよ」

執事「かしこまりました」


―男の家

男「はぁ…八方塞がりか…」

男(それにしても風邪にしては変だな…頭は冴えてるし、声も普通だ…ただ体の重さハンパない)

犬娘「ごしゅじん!」ガタッ

男「…ご飯食べたか?」


犬娘「はい、おなかいっぱいです。でもごしゅじんは――」

男「……それはいいから、よく聞いてくれ」

犬娘「はい」

男「俺は一日ここから動けないここまではいいか?」


犬娘「だいじょーぶです」

男「俺の心配はいらないから、ご飯だけは食べてくれ冷蔵庫を引っかき回してもいい」

犬娘「ごしゅじんのごはんは?」

男「…俺は動けないし、それに二、三日の断食なら平気だ」

男(嘘だけどな)


犬娘「でも…」

男「それと、携帯の操作教えたよな?困ったら執事に電話しろ、アドバイス位はくれる」

犬娘「はいわかりました!ごしゅじんはあんしんしてねててください!」

男「…あとは任せたからね」

犬娘「りょーかいしました!」ビシッ


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

犬娘「とはいったけど…」

犬娘「なにをどーすればいーんですかね…?」

犬娘「とりあえずしつじさんに…」ポチポチピッ

執事『何か御用でしょうか?』


犬娘「しつじさんですか?」

執事『…犬娘様でしたか』

犬娘「ごしゅじんがおかぜみたいです。どーすればいーんですか?」

執事『そうですね…月並み――いえ、平凡ではありますが看病が妥当でしょう』


犬娘「かんびょう?」

執事『病人の世話をすることです。犬娘様が風邪にかかったことがあれば男様にやってもらったはずです』

犬娘「なるほど」

執事『つかぬことをお聞きしますが、男様は食事を召し上がりましたか?』

犬娘「たべてないんです…へーきっていってましたけど…」


執事『犬娘様、携帯のカメラ機能は使えますか?』

犬娘「おそわりました」エヘン

執事『男様の顔を撮り、メールに添付して送ることは可能ですか?』

犬娘「てんぷ?」

執事『メモ帳に書いてあると思います』

犬娘「わかったらやってみますー」ピッ


―数分後

メールガトドキマシタ

執事(ふむ…この様子なら…)prrr

執事「もしもし?」

犬娘『とどきましたか?』

執事「バッチリです。それではアドバイスを…」


犬娘『めもします!』

執事「よろしいですか?まず、男様の食事を早急に用意してください。お粥などがベターですね。次に洗濯物があれば洗ってください」

犬娘『なるほど』カキカキ

執事「後は水分補給です。あまり冷えた物はダメです。薬を時間が空いたらお届けします」

犬娘『ありがとうございます!』


執事「ざっとこんなものです。もし何かあれば連絡を」

犬娘『おくすりはやくおねがいしますね!』ピッ

執事「かしこ……切れましたか」

女「順調かい?」


執事「順風満帆、風がこれでもかというほどに」

女「あとは…」

執事「私が薬を届け、犬娘様を少し騙すだけですね」

女「騙すとは人聞きが悪いよ、ただパーティーの準備をしてもらうだけさ」


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

犬娘「おかゆ…おかゆ…」ペラッ

犬娘「ふむふむ…おなべにおみずとごはんをいれてにるですか」

犬娘「これをつくったら…ごしゅじんげんきになりますかね…?」

犬娘「とりあえずつくります!えっと…いす…」


―しばらくして

犬娘「クンクン…いーにおいです!このあとは…おしお?」

犬娘「おしおをひとつまみ…」パラパラ

犬娘「かんせーい!そーっとはこびます!」


~~~~~~~~~~~~~~~~~

男(なんか騒がしい…大丈夫か…?)

犬娘「ごしゅじん!おかゆができました!」

男「よく作れたな、ありがとうそこに置いといてくれ」

犬娘「おきれますか?」


男「ん…無理すればな」グイ

犬娘「ごしゅじん、あーんしてください」

男「…?」

犬娘「あーんですよ、ごしゅじんふーふーしますからねこさんもだいじょぶです」フーフー


男「いや、いい置いとけばそれに今は食えそうにな…ムグッ!?」

犬娘「ちゃんとたべなきゃだめです。しつじさんがいってました」

男「あの野郎…」

犬娘「どーぞ、ごしゅじん」ニコッ

男(あれ?犬娘が天使に見える…熱が上がったか?)モグモグ

犬娘「はやくげんきになってまたおさんぽにいきましょう!」


男「…それが目的か」

犬娘「ごしゅじんおいしいですか?」

男「…ちょっと塩が足りないかな」

犬娘「う~んおかしいですね…ちゃんとひとつまみって」


男「犬娘」

犬娘「はい?」

男「手のひらの大きさわかってるか?」

犬娘「……あっ!」


~~~~~~~~~~~~~~~~~

犬娘「こんどはふたつまみいれることにします」

犬娘「つぎは…せんたくですか」

犬娘「せんたくもの…ありませんね。じゃ、つぎです」

コンコン

犬娘「」ピクッ


執事「こちらです」コソッ

犬娘「しつじさん?なんでまどに?」ガラッ

執事「薬をお届けに、それと手紙です」サッ

犬娘「これでごしゅじんなおりますか?」

執事「おそらくは緩和…軽くなるかと」


執事「おそらくは緩和…軽くなるかと」

犬娘「ほんとですか?」

執事「男様にこの薬を与えるときにお嬢様が来たとお伝えください」

犬娘「?」

執事「訳あって話せませんがその方が都合が良いのです」


犬娘「よくわかりませんけどわかりました」

執事「(大丈夫ですかね…)それと」

犬娘「なんですか?」

執事「明日は男様の誕生日です」

犬娘「ペラッ あ!」


執事「用意は…出来ていませんね、無理もありません」

犬娘「ずっとごしゅじんがいてできませんでした」

執事「飾りは出来ていますか?」

犬娘「あのだんぼーるにいれてあります」

執事「…今日がチャンスです。飾ってしまいましょう」


犬娘「でもごしゅじんが…」

執事「薬で眠ってくれます。そして明日の朝、驚かせましょう」

犬娘「う~ん…でも…」

執事「お嬢様の作戦が成功すれば、男様は犬娘様にメロメロかと…」ボソッ

犬娘「やります!なにがなんでもやります!さっそくはじめます!」

執事(大分扱い方に慣れてきましたね)


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

男(今度は静かになったな…何か寝れないし暇だ…)

犬娘「ごしゅじーん!」

男「またきた」

犬娘「おくすりがとどきました!おてがみつきです」

男「薬?誰から?」


犬娘「しつ…おんなさんからです」

男「…執事が来たな?」

犬娘「はぅ!?」

男「執事が来たね?」

犬娘「…きてませんよ」ポソッ


男「……もし、嘘なら散歩無し」

犬娘「きましたすっごくきました」

男「素直でよろしい」

犬娘「とりあえずおくすりどーぞ、おみずもあります」


男「寝ながらは飲みにくいな…」ゴクッ

男(待てよ…執事がこれ持ってきたんだよな?ってことは…)

男「…そういや手紙は?」

犬娘「ごしゅじんよみますから!ねててください!」


犬娘「に…っておこう、すまない。きみの…の…は…でも」

男「漢字を覚えろ、ほら渡して」

犬娘「うう…めんぼーないです…」

男「面目な、えーと…」


『 最初に謝っておこう、すまない。キミの体調不良の原因は他でもないボクの企みだ

 別に恨みなどがあるわけじゃないよ?少し時間が欲しいんだ。

 その薬を飲めば少なくとも眠れるようにはなるはずだ、お大事に

 p.s 翌日には治るよ』


男「」ピキッ

犬娘「…ごしゅじんおこってます…?」オソルオソル

男「病気を忘れるほどに怒ってるよ」ピキキ

犬娘「あはは…」

男「…怒っても仕方ない、俺は寝る静かにね」

犬娘「はーい」


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

犬娘「う~ん…ごしゅじんのたんじょうびがあした…」

犬娘「なにかぷれぜんとをあげたいです!」

執事「お呼びでしょうか?」

犬娘「あれ?しつじさんまだいたんですか?」

執事「何か困り事があるといけないとお嬢様が」


犬娘「しつじさんおねがいがあるんですけど…」

執事「私めに出来ることでしたらなんなりと」

犬娘「ごしゅじんのすきなものってわかります?」

執事「……これは難しい質問ですね、流石に人の好みは…」

犬娘「そうですか…」ションボリ


執事「あ、一つ思い出しました」

犬娘「なんですかっ!?」

執事「以前、花がお好きと仰っていました」

犬娘「おはな…ですか?」

執事「はい、買いに行きますか?」


犬娘「でも…おかねがないです」

執事「男様が日頃お嬢様の暇つぶしに付き合っているお礼です。
   そのくらいどうということはありません」

犬娘「ありがとうございますっ!」

執事「お嬢様と懇意の所がありますそこにしましょう」



―花屋

店員「いらっしゃいませ執事様」

執事「久しぶりですね、少々お邪魔させていただきます」

店員「いえいえ!滅相もない、いつもありがとうございます」

犬娘「どれにしましょうか…」キョロキョロ


執事「今日はこの子の案内をお願いします。そして贈答用なのでラッピングもお願いします」

店員「まかせてください!」

犬娘「むむ…まよいます…」

執事「時間はたっぷり御座いますのでゆっくりでいいですよ」

犬娘「むむむ…」ジー

執事(聞こえていませんか)


― 一時間後

犬娘「」ジー

執事(悩み始めて一時間ようやく決まりそうですね)

犬娘「しつじさんこれなんておはなですか?」

執事「千日紅ですね。被子植物門 双子葉植物綱 ナデシコ亜綱 
   ナデシコ目 ヒユ科 センニチコウ属 センニチコウです」

犬娘「?????」


執事「あ…すいません、これにしますか?」

犬娘「はい!」

執事「これをください」

店員「少々お待ち下さい」

執事(センニチコウですか、意味を知ってか知らずか恐ろしいですね)


―帰宅

執事「そろそろお嬢様の昼食の用意の時間なので帰ります。花の手入れは教えた通りですそれでは」

犬娘「ありがとうございました」ペコリ

犬娘「おひるですか…ごしゅじんのおかゆでいいですね、いっっぱいつくりましたから!」

犬娘「まずはごしゅじんに…」


―昼食終了

犬娘「さあ!かざりつけしましょう!」

犬娘「」ゴソゴソ

犬娘「かべにかいたらおこられますからこれと…あれと…」ガサゴソ

犬娘「おりがみ…」


―午後8時

犬娘「さいごにだんぼーるをこうして…かんせいっ!」

犬娘「いーかんじにできましたっ!」

犬娘「よし!あしたはしょーぶですっ!」


―翌日 早朝

男「お…?」グイ

男「体が重くない?治ったのか?」

男「うん、気分快調、絶好調だ――ってあれ?犬娘?」

男「布団の上に…なんだこりゃ」

『いまでまってます』

男「…行ってみるか」


―居間

男「……ナニコレ?」

ダンボール「」

男「えーとおそらくダンボールだよな、犬娘が必死に飾ってたヤツ」

男「それと微妙に高い位置にある飾り…イスを使っても届かなかったか」

ダンボール「」ゴソッ


男(まぁアレだ、中に蛇の代わりに犬娘がいるんだろうけど…)

ダンボール「」コソコソ

男(あ、持つとこからこっち見てる)

ダンボール「」サササ

男(取ってみるか)バッ

犬娘「にぃに!おたんじょーびおめでとうございます!」



男「」

犬娘「あれ?にぃに?おーい」ユサユサ

男「…どこで覚えたそんな水爆並みの効果の言葉」

犬娘「おんなさんにおそわりました!」

男「また余計なことを…」

犬娘「へんですねーこうやればよろこんでくれるって」



男「とにかくにぃには止めろ恥ずかしい」

犬娘「いやです」

男「なあ、一体なにを吹き込まれた?」

犬娘「えっとですねー」


―遡ること六日前 プールサイドにて

女「男の誕生日も近いしね」

犬娘「でもなにやればいいかよくわかりません…」

女「そうだね…たとえば…」

女「男の事をにぃにって呼ぶだけ」ゴニョゴニョ

犬娘「ええ!?それほんとですかっ!?」

女「ボクはこれでも男のことはよく知っているつもりさ」

犬娘「うぅ…ちょっとはずかしいけどやってみます!」

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


犬娘「ってことがあって…やってみただけなんですけどねー」

男「あー、そういや俺の誕生日かすっかり忘れてたな」

犬娘「あ、そうだにぃに!ぷれぜんとがあるんです!」

男「プレゼント?」

犬娘「はい、きれーなおはなです!いまならいぬむすめもついてきます!」

男「付いてきますじゃねーよ、洒落にならん」


犬娘「とりあえずどーぞ!きれーなおはな!」

男「にしても花とはな…俺の唯一の好きなものだな――ってこの花…」

犬娘「だめでしたか…?」

男「代金の話は置いといて、犬娘…この花の花言葉知ってるのか?」

犬娘「しりません、きれーだったんでいいかなーとおもって」



男「千日紅の花言葉はな…不朽とか安全とか永遠の命とかあるんだが…」

犬娘「むずかしくてよくわかんないです」

男「永遠の愛とか変わらぬ愛とかもこの花の花言葉なんだ」

犬娘「え…それって…」


男「この花がプレゼントで、それに犬娘も付いてくるってことは…」

犬娘「つまり…///」

男「この花はそう受け取ってもいいのか?」

犬娘「……はい!もちろんです!」


男「なんてな」

犬娘「へ…?」

男「子供に求婚されてokする様なロリコンじゃねーよ」

犬娘「むぅそんなのかんけーないじゃないですかにぃに!」

男「わーかった、代わりにお返しのプレゼントをやろう」

男「俺の取って置きだ、花のお返しは花でってね」スッ


犬娘「きれい…これなんておはなですか?」

男「ハナシノブって花だよ」

犬娘「はなしのぶ…ですか、おはながはなしのぶ?」

男「そう、意味が分かったら褒めてあげるよ」

犬娘「うーん…」


男「さあ!折角の誕生日だ今日は奮発して外食にでも行くか!」

犬娘「なんでもいいんですか?」

男「当たり前田のなんとかってな、レーションでも何でもいいぞ」

犬娘「はんばーぐ!」ピョンピョン

男「よっしゃ!それじゃ行くか!」

犬娘「はい!にぃに!」


―翌日 女の屋敷

男「執事―いるかー?」

執事「何でしょうか?おや、犬娘様は?」

男「昼寝中だ心配いらん」

執事「そうですか、では何事ですか?」

男「お前、俺に一服盛ったろ?いつかは知らないけど」

執事「はて?なんのことでしょう?」


男「家に特効薬を持ってきたのは執事だろうが…バレバレだ」

執事「そうですか…六日、いえ七日前ですね。ちょっとした毒を使用しました」

男「…アウトじゃねーの?」

女「う~ん…ボクがいるからセーフかな」

女「でも実験成功で良かった良かった」

男「すごいじゃねーよ、幼子に求婚させて何が実験成功だ」


執事「ならば媚薬でも盛れば良かったかもしれませんね」

女「あ、それいただき次やろう」

男「…執事の料理二度と食わねーようにするか」

女「犬娘ちゃんにちょこっと盛れば万事解決だけど?」

男「…悪魔みたいな二択だな」


女「別に悪い話じゃないだろう?」

男「ヒマつぶしでにぃにって呼ばせたり、求婚させたり一度頭の中覗いてみてーよ」

女「うん?後者は覚えがないな」

男「とぼけるな、お前以外いないだろ?」

女「ホントさ、ボクは捻くれてるけど嘘はつかない」

男「じゃ犬娘が自分で決めたと?」

女「そうじゃないの?キミにとっても懐いているんだし」


男「懐くと恋愛は違うだろ」

女「そうかな?どちらも信頼って意味では同じさ」

男「上手くねーぞ」

女「ま、いざって時はボクに言ってくれれば後始末をしてあげるよ」

男「後始末?」

女「後始末って言うと語弊があるけど、たとえば…結婚年齢を引き下げるとか」


男「根っこを挿げ替えるな、てかできるのかよ」

女「なんでもいいけど家で犬娘ちゃんが待っているんだろう?早く帰りなよ」シッシッ

男「待て、さっき実験て言ってなかったか?まさか…」

女「執事」パチン

執事「お任せを」サッ

男「危ねぇ!?フォーク投げるな!」サッ

執事「当たっても痺れるだけですのでご安心を」ブン

男「安心できるかぁ!!」


執事「そこです」

男「あがっ」ザクッ

執事「即効性の麻痺です。すぐに治りますよ」

女「さあ、送ってあげるから犬娘ちゃんと遊んであげな、あの子やっと
  素直になってきたんだから」


男「余計なお世話だ」ビリビリ

執事「末永くお幸せに、たまには顔を出してくださいね」

男「…それフォーク刺した奴が言う言葉か?」

執事「お嬢様が寂しがりますので」ボソッ

女「~~~~! 執事!減給!」

執事「おやおや、手厳しい」

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


― 数年後

男「さてと最早、恒例だなあのダンボール」

ダンボール「」ジッ

男「また少し大きくなったし今年は何をしてくれることやら…」ヤレヤレ

男「じゃ、オープン!」

犬娘「にぃに!恩返しですっ!」

男「いらん」

犬娘「がーん!!」


男「なんてな、冗談だよ犬娘」

犬娘「もー!にぃに!ふざけないでくださいよー」

男「ゴメンゴメン」

犬娘「むぅ…今年のプレゼントは恩返しですよ!にぃに!」

男「ああ、楽しみだよ」

犬娘「それだけじゃないですよ~なななんと!わたしも付いてきます!」

男「いらん、いつもと一緒だ」

犬娘「ががーん!!」


男「だから冗談だっての、恩返しの方をありがたくもらうよ」

犬娘「まっかせてください!」

犬娘(相変わらずてごわいです…)

男(なんか年々積極的になってるな…ハナシノブの効果かもな)

男(俺があの日送ったハナシノブ…花言葉は『あなたを待つ』)


男「ちゃんと待っててやるからな」ナデナデ

犬娘「えへへ…///」

男「よろしくな」

犬娘「はい!末永くおねがいしますね!にぃに!」ニコッ

おわり

やっと終わりました。本当は夏祭りとか花火とか入れたかったんですが微妙だったのでカットしました
読んでくれた皆さんありがとうございました。

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