春香「何度生まれ変わっても」 (31)
※アイマスSSです
※口調とかおかしいところがあるかもしれませんが、見逃してやってください
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春香「やった!ついにトップアイドル……やった!やったよ皆!」
美希「うん!ミキ、今最高にキラキラしてるの!」
響「う、嘘みたい……ハム蔵、イヌ美……みんな!やったぞ!」
P「みんな!やったな!」
春香「はい!プロデューサーさん!」
美希「これもみんな、ハニーのお陰なの!」
春香「あの……プロデューサーさん!帰ったら伝えたいことがあります!聞いてくれますか……?」
P「あぁ……わかった。…………10年か。長過ぎたな。リセットか」
響「確かにトップアイドルになるまでの10年間、長すぎたけど、自ぶ──」ブツッ
ジリリリリリリリ
春香「あはは……プロデューサーさん……」
ジリリリリリリリ
春香「……はれ?夢?」
春香「えっと……今何時だろう……あれ?」
春香「時計壊れちゃったのかな……プロデューサーさんに初めて会った日になってる……どうしてだろう」
春香「……それにしても、いい夢だったなぁ。私たちももうSランクだし、あぁなるのも時間の問題かぁ……」
春香母「起きなさーい、ご飯できたわよ」
春香「まぁいっか!朝御飯食べて事務所に行こう!」
母「おはよう春香。ずいぶんご機嫌じゃない」
春香「えへへー……そうかな?何てったって、もうすぐトップアイドルだからね!」
母「春香……まだ気が早いんじゃない?いくら今日からプロデューサーが増えるからって」
春香「えへへ、やっぱそうだよねー……え?今なんて?」
母「新しいプロデューサーが765プロにやってくる、って昨日あんたが言ってたんじゃない」
春香「えっ……?そんなこと言ってないよ……?」
母「あんたまだ寝ぼけてんのー?今まで律子さん一人で頑張ってて大変そうだったけど、明日からは律子さんのお仕事も半分、ってニコニコしてたじゃない」
春香「うそ……今って何月何日?」
母「200×年○月□日よ。本当に大丈夫?」
春香「えっ……そんな……どうして?……プロデューサーさんが来た日……」
春香「嘘だ……よね…」ガタッ
母「ちょ、春香!どこいくのよ!」
春香「変装用の帽子と眼鏡がない……」
母「ちょっと……?春香?」
春香「そんな……じゃあ、今までのって……皆との思い出って……」
母「本当にどうしたの?春香……どうして泣いてるの?」
春香「……うぅん、大丈夫。ごめんね、お母さん」
母「そう……?何か辛いことがあったら言うのよ?お母さんはいつでも相談にのってあげるから」
春香「うん……グスッ、ありがとう」
春香(電車のなかでボーッとして、フラフラといつもの道を歩いていたら、いつの間にか事務所に到着していました)
春香(私が今まで過ごしてきたと思っていたあの日々は、どうやら一夜の夢だったみたいでした)
春香(新しいプロデューサーが来て期待の気持ちが高まりすぎたのかな)
春香(竜宮小町の三人がデビューしたときの感動。初めてのオールスターライブで見たサイリウムの海。やる気を出した美希。961プロの妨害。千早ちゃんの過去。道を見失った私を、皆が助けてくれたこと。そして……プロデューサーさんへの、この気持ち)
春香(どれも、まるで本物みたいに心の中に残ってる)
春香(でも、プロデューサーさんにはもう、会えない)
千早「春香?どうして泣いているの?」
春香「えっ!?あっ、あぁ千早ちゃん!?」
千早「ビックリしたわよ。事務所に来たらドアの外で春香が立って泣いているんですもの」
春香「う、ううん!何でもないよ、何でも!ささ、入ろ!私今日クッキー焼いてきたんだ!皆とプロ……新しいプロデューサーさんのために!」
千早「そう言えば今日から新人のプロデューサーさんが来るって話だったわね。まだ、どうでもいいけれど」
春香「どうでもいい……の?」
千早「えぇ。私は、歌があれば、それでいいから……」
春香「でも、ただ歌が歌えるより、沢山の人に歌を届けられた方が良いと思わない?」
千早「えぇ、確かにそうね」
春香「最初のうちはアイドルとして、嫌な仕事があるかもしれないけど、それを我慢して乗り越えれば、自分のやりたい事が出来るようになるんだ。プロデューサーさんは、私達をそこにつれていってくれる。絶対に」
千早「そう……春香がこんなに真面目なことを言うなんて珍しいわね。昨日までの春香は、もっと普通の娘だったのに」
春香「あっはは、やだな千早ちゃん!私だって成長するんだよ!」
千早「……でも、春香の言う通りね。今日入ってくる私、プロデューサーの事、できる限り信じてみることにするわ」
春香「うん!それが良いと思うよ!」
千早「……まぁ、とりあえず中に入りましょう?いい加減寒いし」
春香(そういえば昔の千早ちゃん、歌にしか興味なかったなぁ……懐かしいなぁ。こんな千早ちゃんが、無尽合体キサラギでロボットの声優しているなんて、何だか可笑しい)フフッ
千早「どうして笑ってるの?……変な春香」
春香「おはようござ……って、もうみんな揃ってるんだ。早いね」
響「自分達が早いんじゃなくて、春香が遅すぎるんだぞ!」
春香「そ、そうかなぁ」のワの
春香(言えない……泣きすぎて目が腫れて、引くまで家で待ってたなんて……!)
社長「さて、みんな揃ったようだな。さて、前々から言っていた、新しいプロデューサーを紹介するぞ」
千早「新しいプロデューサー、どんな人なのかしらね」
春香「うん……楽しみだね!」
雪歩「わたしは……ちょっと怖いです……」
真「うーん……僕はやっぱ、王子様みたいな人がいいなー」
あずさ「うふふ、運命の人だったらいいわ~」
社長「じゃあキミ、入りたまえ」
P「はいっ!初めまして、765プロのプロデューサーとして働かせてもらいます、Pです!これからよろしくお願いします!」
伊織「へぇ……ま、入ったからには、この伊織ちゃんのためにきびきび働いてもらうわよ!」
亜美「えーっと、男の人で……」
真美「年上だからー……」
亜美真美「「兄ちゃんだね!」」
律子「プロデューサーさん、そんなに畏まらないで下さい!皆プロデューサーさんより年下なんですから……仲良くいきましょう?」
P「は、はい!よろしくお願いします!」
響「まだ全然畏まってるぞ」アハハハハ
春香「……」
千早「春香、新しいプロデューサーは……春香?どうしたの?」
春香「…………ううん、何でもないよ!」
春香(どうして……プロデューサーさんは……夢の中にいた人だったはずなのに!)
春香(それからはあっという間でした)
春香(まず最初に、私は美希と響ちゃんとユニットを組まされました)
春香(プロデューサーさんが提案したスケジュールは、私達をトップアイドルにするのに最適化されたルートでした)
春香(曲や衣装の選択も完璧だった。まるで、その時その時に、お客さんや審査員さんが求めているものがわかっているかのようでした)
春香(初めてのオールスターライブでは、台風が起きて竜宮小町が来られないかもしれないというハプニングが発生しました)
春香(竜宮小町が車で、私達で頑張って時間を繋ぎました)
春香(ちょうど自分REST@RTを歌い終わった頃、竜宮小町が到着した)
春香(皆笑って、皆泣いていました)
春香(笑っていなかったのは、私一人だけでした)
千早「春香?どうしたの?」
春香「うぇ!?ち、千早ちゃん!……あはは、昔のことを思い出してたんだ」
千早「ドアの前で突っ立って?せめて中に入ったらいいのに」
春香「あはは、何となく外で考える気分だったんだ……」
千早「……プロデューサーが、最初に来た日を思い出すわね。あの時は春香、泣いてたけど。懐かしい。あの頃は二人ともまだまだ全然人気もなくて……」
春香「……ねぇ、千早ちゃん」
千早「……どうしたの春香?そんな真剣な顔で」
春香「千早ちゃんは、タイムスリップってできると思うかな?」
千早「タイムスリップ……?それは、さすがにないと思うわよ?確かにできたら夢があると思うし……嫌な過去を、やり直すことが出来る、けど」
春香「嫌な過去を……やりなおす……?」
千早「えぇ。もし過去に自分のせいで、取り返しの付かないこと……誰かが死んでしまったりしたとき、過去に戻ることができたら、それを止められるかもしれない」
春香「千早ちゃん……」
千早「私も、やり直したい過去の1つや2つはあるのよ」
春香「……ねぇ、千早ちゃん。もし過去にタイムスリップしたら、幸せになれるのかな?」
千早「……よく分からないけど、未来に起こることが分かっているなら、嫌なことを避けられる分、幸せになれるんじゃないかしら」
春香「本当にそうなのかな?」
千早「えっ?」
春香「私ね、人生って、何が起こるかわからないから楽しいと思うんだ。ほら、もしフェスとかで自分が勝つのがわかってたら、やる気でないでしょ?」
千早「まぁ……そうね」
春香「それに……もしタイムスリップしたら、一人ぼっちなんだよ?」
千早「一人ぼっち……?」
春香「うん……だって、もし過去で何かを変えたら、例え戻ってきたとしても、その世界は今まで自分が生きてきた世界とは違う世界だから……。プロデューサーさんはプロデューサーさんだけど、私の……私が好きだったプロデューサーさんじゃないんだ……」
千早「春香……泣いてるの?」
春香「……うん」
千早「それにしても、どうして急にこんな話……」
春香「あのね千早ちゃん。こんなこと、信じられないとは思うんだけど……私ね、未来から来たんだ」
千早「未来から……?」
春香「うん、信じてくれないよね……でも、しょうがないよね」
千早「……確かに、そう簡単に信じられるような話ではないわ。だけど、春香のその涙は、嘘で出せるようなものじゃない」
春香「千早ちゃん……」
千早「私は春香を信じるわ。ねぇ春香、話して?私達の、未来の話」
春香「でも千早ちゃん、未来の話をしたら……」
千早「人生が楽しくなくなる、でしょう?良いのよ。春香が一人で抱え込むくらいなら、話した方が楽になると思うわ」
春香「……ふふ、あははは!」
千早「えっ!?ちょ、ちょっと春香?」
春香「千早ちゃん、それブーメランだよ!千早ちゃんだってあるでしょ?一人で抱え込んでいること」
春香(その後、私と千早ちゃんは事務所で語り合いました)
春香(これから始まる沢山の事。961プロの妨害のこと、千早ちゃんの過去についてのこと、私が挫折しそうになったこと、そしてそれを皆が助けてくれたこと)
春香(合宿に行ったこと、私がリーダーになったこと、バックダンサーがついたこと、そして、アリーナライブが大成功したこと)
春香(そして、トップアイドルになったこと)
春香(優くんの話をしたときは、未来の自分がそんなことを話したなんて!と驚いていた。社長以外には誰にも言わないつもりだったそうです)
春香(怒ったり、泣いたり、笑ったり、驚いたりしながら、千早ちゃんは全部の話を聞いてくれました)
千早「そんなに沢山の事があったのね……いや、あるのね。この先」
春香「うん!まぁ、トップアイドルになったら、その先どうなるかわからないんだけどね、えへへ」
千早「ならよかったわ。もし春香がお婆ちゃんの時から戻ってきてたらどうしようかと思ったわ」
春香「えっ?ま、まぁ結婚相手とか寿命とかまでわかりたくはないもんね……」
千早「えぇ、まぁそれもそうだけど。春香がそこまでしか知らないのなら、そこから先は私たちが作っていけるわ。確かにそこまでの思い出は私たちじゃない私たちとのものだけど、そこからの思い出は、正真正銘私たちとの思い出になるんだもの」
春香「千早ちゃん……」
千早「だからもう、絶対一人ぼっちなんて言ったらダメよ、春香」
春香「……うん……うん!ありがとう、千早ちゃん!」
春香(ここから、私の知っている未来とは少しずつ変わっていきました)
春香(こうなったら当たり前かもしれないけど、優くんに関する千早ちゃんの周りで起こった騒動は、起きませんでした)
春香(あの後すぐ、千早ちゃんは義澤さんに自分の過去についての記事を書いてもらっていたそうです)
春香(それは、悪い記者にゴシップ記事をかかれることが分かっていたから)
春香(だから、『約束』という歌が作られることはありませんでした)
春香(もちろん、私が道を見失うこともなかった)
春香(プロデューサーさんを奈落に突き落としてしまうことも、ありませんでした)
春香(そして私たちは、またトップアイドルになるための、最後のステージへ向かうことになりました)
美希「みんなー!今日は、ミキたちのライブに来てくれてありがとなのー!」
響「最後は、765プロの全員で歌うぞ!」
春香「精一杯歌います!聴いてください!」
全員「自分REST@RT!!」
キノウマデノイーキカーターヲ ヒテイスルダケージャナークーテ
春香(ついにここまでやって来た……)
イマスグコーコロノ ドアチョットヒーライテ
春香(このライブを終わらせたら新しい自分が始まるんだね……)
カガヤイター ステージニターテバ
春香(自分REST@RTか……新しい人生にふさわしい曲だったなぁ)
『夢なら覚めないでいて』
春香「!!」
春香(夢なら覚めないで……まさかね)
春香(さすがに、これも夢なんてことはあり得ないよ、ね……)
春香「ハァ、ハァ、みんなー!ありがとー!」
千早「ありがとうございましたーっ!」
小鳥『これで、765プロオールスターライブを終わります』
春香「……夢じゃ、ないよね?」
千早「ええ!春香!これは現実よ!ほら!」グイー
春香「ちょっ、いたたたたた!やめてよ千早ちゃん!」
千早「あっ……ごめんなさい、春香」
春香「うん……でも、夢じゃ、なかった!」
春香「やった!ついにトップアイドル……やった!やったよ皆!」
美希「うん!ミキ、今最高にキラキラしてるの!」
響「う、嘘みたい……ハム蔵、イヌ美……みんな!やったぞ!」
P「みんな!やったな!」
千早「はい!プロデューサー!」
美希「これもみんな、ハニーのお陰なの!」
P「最後にちょっと失敗しちゃったな。まぁ、Aランクってとこか。後ちょっとでSランクだったと思ったんだけどなぁ……リセットか」
春香「いえ、プロデューサーさん、充分です!これも皆が頑張ったからだよね!千早ちゃん、ありがとう!私たち、何度生まれ変わっても、ずっと友だ──」ブツッ
ジリリリリリ
千早「うーん……」
ジリリリリリ
千早「……あれ?」
END
あ、最近
風花「豊川市……?」
P「キスパーティでもするか」
伊織「追跡調査をするわ」
をかいたので是非そちらもよろしくお願いします!
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