零児「これが君がいなくなってすぐの榊遊矢だ」柚子「遊矢……」 (23)

遊矢『お前のせいで柚子が!』


柚子「遊矢ったら、私のことをそんなに……」

零児「ああ、この頃の彼は、君のことをいたく心配していた」

零児「この私に食って掛かってきたくらいだ」

柚子「そう、それがなんで……」


遊矢「待てよー、セレナー!あはははは」

セレナ「ふふん、捕まえられるものなら捕まえてみろ」


柚子「ああなるのよ!!」

零児「……」

零児「順をおって説明しよう。一週間ごとに榊遊矢の様子を写した映像がある」

ピッ

零児「つまりこれは君がいなくなってから一週間した頃の彼だ」

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遊矢『柚子……絶対に俺が、助け出してみせる!』


柚子「これは……?」

零児「ランサーズとなり、君を助けるために別の次元に旅立つところだ」

零児「覚悟が完了しているため、人前では見せていなかったが……」


遊矢『柚子……カードにされたらどんな気分なんだ……』

遊矢『辛い思い、してないかな……』


零児「一人きりになると、やはり君のことが心配なようだ」

柚子「これって、隠し撮りなの?」

零児「無論だ」

柚子「あなたねぇ……まあいいけど」

柚子「流石にまだ変わりはないみたいね」

零児「そのようだな。では次の週に」


『さ、榊遊矢!』

遊矢『え、君は……セ』

ブツッ


柚子「ちょっと!なんかこの後あったんじゃないの!?」

零児「そうかもしれない。だが残念ながらこの週はこれで映像は途切れたようだ」

柚子「ああもう!じゃあ次!早く次を見せて!」

零児「いいだろう」

ピッ

遊矢『なあ、この店で昼にしようぜ!』

遊矢『別次元の食べ物っていっても、俺らの世界と変わんないんだなあ』


柚子「これは?」

零児「探索にいった向こうの次元の店で、昼食をとっているところだな」

柚子「遊矢、大分明るくなったみたいね」ホッ

零児「そう見えるかね」

柚子「え」

零児「この頃彼は、誰よりも多く一人で調べ回っていた」

零児「時には私にも内緒でだ」

柚子「遊矢……」


遊矢『お、セレナが頼んだのおいしそうだな!』

セレナ『そうか。適当に頼んだんだが』

セレナ『遊矢のもおいしそうだな』


柚子「仲良さそうね」

零児「この頃、セレナと一番打ち解けていたのが彼だろうな」

零児「セレナが君のことを榊遊矢に色々聞いていたのを、何度か私も目にしている」

柚子「へー、私のことを」

遊矢『いい食べっぷりだな、セレナ』

セレナ『食事は体作りの資本だ。食べられない奴は戦士にはなれない』

遊矢『ははは、なるほど。でも、そのくらいだったら柚子もぺろりと食べるぜ』


柚子「え?」


遊矢『柚子のやつ、結構大食いだからなあ』

セレナ『ほう、柚子も体作りのために』

遊矢『いやあ、柚子は単に大食いなだけだろ』


柚子「遊矢ぁ!わ、私だって!アクションデュエルのために体力つけてただけよ!」

零児「ちなみに、君とセレナの体重の差は

柚子「なにそれ!なんで知ってるの!?」

零児「体調管理のためだ」

遊矢『あ、そうだセレナ。こっち食べたいって言ってただろ』

遊矢『これ、残りやるよ』

セレナ『いいのか!?いや、それでは遊矢がお腹が空く……』

遊矢『いいんだ。ほら、俺あんまり腹減ってないし』


柚子「遊矢、よく見ると、目の下にくまが……それに、少し痩せた……?」

零児「そうだ。先程言っただろう。誰よりも調べ回っていたと」

零児「当然、睡眠時間や食事を削ることになる」

柚子「そんな……」


セレナ『……嘘はよくない』

遊矢『お、俺は別に嘘なんて……』

セレナ『ならばこうしよう。遊矢の残りは私が食べる。だから、遊矢はこの私の残りを食べろ』

セレナ『交換だ』


柚子「なっ!こ、交換って」

柚子「いえ、でもこれは遊矢のためだし」


遊矢『い、いいよそんな』

セレナ『ダメだ、ほら、口を開けろ』


柚子「や!やっぱりそれはダメ!」


セレナ『あー

ブツッ


柚子「あー!」

零児「この週はこれで終わりのようだな」

柚子「ちょっと待って!この続きはどうなったのよー!」

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