暁「ルージュの伝言」【艦これ】 (39)

電車

暁「zzz」

暁「(はっ、居眠りなんて、レディにあるまじき行為だわ)」

暁「(よだれ、垂れてないかしら)」ゴシゴシ

暁「(もう夕暮れ……あっ、鎮守府だ)」

暁「(あんなに小さいのね。今頃、皆、何してるかしら)」

暁「ねえ、ひび――」

暁「(そうだ、響もいないんだった。……暁は一人でも平気よ)」

暁「(べ、別に寂しくなんかないわ)」

暁「(司令に一泡吹かせてやるんだから)」


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鎮守府 食堂

提督「なあ、暁、見てないか?」

赤城「いえ、見ていませんね」

加賀「私も見ていません」

飛龍「私もー。蒼龍は?」

蒼龍「見てないよ?」

翔鶴「申し訳ないですが……」

瑞鶴「私、見たわよ。入渠じゃないの? 大浴場に向かってたけど」

提督「え? でも今日、暁は何の予定も入ってないはず……」

赤城「レディの嗜み、じゃないですか?」

加賀「もしくはこの娘の見間違いとか」

瑞鶴「何ですって! 私のこと、ここでも馬鹿にする訳?」

加賀「別に馬鹿にはしてません。ただ、その情報が信頼に足るかどうか、疑問なだけよ」

飛龍「加賀さん、またそんな嫌味な言い方ぁ」

蒼龍「そうですよ、いつも瑞鶴にばっか厳しくして」

翔鶴「私は加賀さんの指導があればこそ、ここまで来れたと思っています」

加賀「別にそんなつもりは――」

赤城「――加賀さん、それは本心ですか?」

加賀「知りません」プイッ

赤城・飛龍・蒼龍・翔鶴「」クスクス

瑞鶴「私は加賀さんの指導なんか無くたって、どうってことないわ」

提督「おいおい、燃料投下するなよ」

加賀「そんなこと、早く一流になってから言って頂戴」

提督「まあ、なんとも思ってない奴にはどうでもいい接し方しかしないって言うしな。仲良くしろよ」

加賀・瑞鶴「」ワーワー

提督「とにかく、ありがとう。他の皆にも聞いてみるよ」

鎮守府 廊下

提督「おーい天龍、龍田。暁、見てないか?」

龍田「うーん、見てないわ~」

天龍「何だ、また遠征かぁ?」

龍田「今日はオフだって、言ってたわよね」ゴゴゴゴ

提督「違うって、遠征じゃなくて」

龍田「あら~、ごめんなさい。早とちりしちゃった」

天龍「ちぇ、違うのか」

提督「どうした? オフは嫌いか」

天龍「だから、何回も言ってるだろ。俺を戦わせろって」

提督「もう少し我慢しててくれ。いつか、な?」

龍田「約束よ~」

天龍「破ったら、何飲ませてやろうか」

龍田「天龍ちゃん、軍刀一本丸々、飲んでもらいましょう」

提督「大道芸人じゃないんだから」

天龍「そういえば、さっき執務室に妙高たちがいたぜ。聞いてきたらどうだ? 仕事も残ってるだろ」

提督「そうだな、そうするか。ありがとう、それじゃ」

鎮守府 執務室

ガチャ

足柄「」ビクッ

提督「足柄さん、そこで何やってるんですか?」

足柄「いえ、何も」アセアセ

羽黒「ごめんなさい、ごめんなさい」

提督「今、後ろ手に隠したものを出してください」

足柄「くっ」スッ

提督「何勝手に編成、組んでるんですか!」

足柄「だって、勝利が。勝利が足りないもの」

足柄「私の中の飢えた狼が叫ぶのよ。勝利をよこせって」

提督「どうして、妙高さんと那智さんも止めないんですか!」

妙高「すみません、ですが私たちも……」

那智「最近、出番が少ないだろう」

提督「うっ、それは」

足柄「贔屓の娘たちばっかり出撃させているわよね?」

足柄「羽黒、やりなさい。その豊満な体で提督と組んず解れつ、籠絡よ」

羽黒「え、ええ~。そんな、私なんかで」

妙高「足柄、やめなさい。羽黒も本気にしなくていいのよ」

那智「何だ、止めるのか」

妙高「当然です」

那智「良いんじゃないか? 本人たちがその気なら」

提督「いや、俺は心に決めた人が」

羽黒「それって暁ちゃんですか?」

提督「ま、まあ。それで暁を見ていませんか?」

妙高「いえ、知らないですね」

提督「そうですか」

足柄「はい、報告書。それじゃあ私たちはこれで」

提督「足柄さん、ちょっと待ってください。まだ編成書、返してもらってませんよ」

足柄「よく分かったわね」スッ

提督「そりゃあ、長い付き合いですからね」

妙高「それでは、今度こそ失礼します」

ガチャ バタン

提督「(暁、どこへ行ったんだろう? 今日は……)」

ガチャ バタン

提督「妙高さん? まだ何か――」

曙「このクソ提督! 入渠できないじゃない。どうしてくれるの!」

朧「お風呂……早く入りたいです」

提督「え? そんなはず――」

曙「私が嘘ついてるっていうの!」

提督「そういうわけじゃ……」

潮「提督、お願いします」

漣「ご主人様、なるべく早くね」

鎮守府 大浴場

提督「あれ、響? 雷と電も」

響「やあ司令。これを見てくれ」

提督「何だこれ? 赤いな」

電「何かの落書きに見えるのです」

雷「誰かのいたずらかしら?」

提督「これのせいで、入渠できないって言ってたんだな」

提督「ところで、三人はどうしてここに?」

響「暁を探してたんだ」

雷「どこにもいないのよ」

電「瑞鶴さんが見たと言っていたので、来てみたのです」

提督「響たちも探してるのか」

雷「司令も?」

提督「ああ」

電「鎮守府の色々な所を探したけど、どこにもいないのです」

響「司令、これを見てくれ。そこの排水溝に引っかかっていた」

提督「口紅?」

雷「じゃあこの落書きって、その口紅で書かれたのかしら?」

提督「そうかもしれないな」

電「司令、見てください。この方向から見るみたいなのです」

『実家へ帰らせていただきます』

提督「実家?」

響「雷、電、ちょっと」コソコソ

雷「何、どうしたの」コソコソ

電「内緒話なのです?」コソコソ

響「これ、暁が書いたんじゃないかな」コソコソ

提督「そうだな。その疑いが強い」

響・雷・電「うわっ」

提督「約束をすっぽかして、こんないたずらしやがって、絶対に許さないぞ」

暗い駅のホーム

暁「(四月といっても夜は寒いのね。何か上着でも持ってくればよかったかしら)」ブルブル

暁「くしゅん」

暁「//////」

暁「(く、くしゃみなんてレディらしくないわ。暁のバカバカ)」

暁「(鎮守府では、暁のこと探してるかしら?)」

暁「(今頃は夕食の時間ね。今日はカレーライスだわ)」

暁「(司令は暁のこと、探してくれてるかしら)」

暁「(心配してくれてたら、嬉しいな)」

暁「」ブンブン

暁「(司令なんて知らないわ。あんな浮気性のスケベで変態で……)」

暁「(……電話しようかな)」

暁「(そうよ、これは響たちを心配させないためなんだから)」

暁「(だから、ちょっと声を聞くだけ)」

鎮守府

prrrr prrrr

響「もしもし」

暁『あっ、響?』

響「っ! 暁、大変だ。司令が怒ってる」

暁『司令が?』

響「暁、大浴場に落書きしただろう」

暁『落書きじゃないわ!』

提督「響、代われ」

響「あっ、待って。司令」アタフタ

提督「暁、どこにいる?」

暁『言うわけないじゃない』

提督「今すぐ帰ってくるんだ」

暁『嫌よ』

提督「分かってるのか。これは命令だぞ。それに背くということは――」

暁『分かってないのは司令の方よ。お義母さんに叱られればいいのよ』

提督「え?」

ツーツー ツーツー

提督「切れた。というか、母さん?」

金剛「Hey提督。話は聞いていました」

不知火「不知火たちが」

加賀「連れて帰ります」

島風「私も行くよー」

提督「島風はいけない」

島風「おっそーい」

提督「鬼ごっこじゃないんだよ!」

金剛「暁が実家に行った時点で、outだと思いマース」

加賀「私もそう思いますが」

提督「」ガクガクブルブル

不知火「では、そういうことで」

金剛「提督の実家へ Lets goデース」

提督「それでも! 島風は行かせない!」

島風「離してよー」ジタバタ

真っ暗な田舎道

暁「(ここ、どこ? 響、雷、電。……………司令)」

暁「」ゴシゴシ

暁「(暁は平気。平気なんだから)」

暁「(司令、ものすごく怒ってた。暁、嫌われちゃったのかな?)」

暁「(ううん、司令が浮気するのが悪いのよ)」

暁「(でも、それって暁に魅力が足りないってこと?)」

暁「」ゴシゴシ

暁「(レディはタダじゃ泣かないわ)」

???「おや、そんな所で何やってるんだい。寒いでしょう。中へお入り」

暁「ま、待って。暁は家を探してるの」

???「家? 誰のだい?」

暁「T督さんの」

提督母「何だ、その家はここだよ。さ、どうぞ」

鎮守府 執務室

提督「」ガクガクブルブル

雷「司令は平気なの?」

響「どうだろう」

電「暁ちゃんとケッコンしてることは、そんなにまずいことなのですか?」

提督「ぼくは悪いロリコンじゃないよ」プルプル

雷「司令、少年みたいな綺麗な目をしてるわ」

響「幼児退行というやつだろうか?」

雷「そんなにお義母さんが怖いのかしら」

電「司令、どうして暁と喧嘩したのですか?」

提督「」ハッ

提督「い、電?」

雷「喧嘩の原因は何なの?」

提督「そんなの俺が知りたいよ」

響「心当たりは?」

提督「」ウーン

提督「最近、忙しくて、暁と中々一緒にいられなかったことか?」

提督「でも暁は、平気だって言ってたぞ」

雷「それは暁の強がりよ!」

提督「ええっ?」

電「きっと暁ちゃんは寂しかったのです」

提督「でも仕方なかったんだよ。今日の準備をしたり……」

響「何の準備?」

提督「俺と暁のケッコン記念日だよ」

提督「金剛にプレゼントを選んでもらったり、鳳翔さんに料理を教えてもらったり」

響「もしかすると暁は、それを見たのかもしれないね」

雷「暁からしたら、浮気してるように見えたかもね」

電「きっと、本当に辛かったと思うのです」

提督「」

雷「大丈夫よ、話せば分かってくれるわ」

電「そうなのです。暁ちゃんは絶対帰ってくるのです」

響「司令、気を落とすこと無いよ」

公海上

金剛「提督のMotherはどんな人でしょうか?」

不知火「司令に聞いた話ですと、大変恐ろしい方だとか」

加賀「親子なのに似てないのですね」

不知火「反面教師という奴では?」

金剛「提督を立派に育てた人デース。きっとたくましいお母様デスね」

加賀「不知火さん、それで提督から聞いた話で何かおもしr……」ゴホンゴホン

加賀「有益な情報は無いのかしら?」

不知火「母君様も提督だったそうで、幼少の頃から教育を受けたそうです」

不知火「いくつも宿題を出され、解けないとひどく叱られたとかで」

不知火「それ以来、うだつがあがらないとおっしゃっていました」

金剛「厳しい人デスね」

加賀「お母様も提督。それなのにどうして……」

不知火「司令は幼い頃、ひどいいたずら小僧だったので、それを更生するために」

不知火「そのように厳しく当たったのだ、ともおっしゃっていましたね」

金剛「私も提督にいたずらされてみたいネー」

不知火「司令はロリコンですので、お二人では……」オチドー

金剛・加賀「それで?」

不知火「」

不知火「お二人では……………」

不知火「何でしょうか? 不知火に落ち度でも?」キリッ

金剛「よーく見ててください。高速戦艦の名は伊達じゃないネー」

加賀「あなた相手では、鴨撃ちね」

鎮守府

prrrr prrrr

提督「もしもし」

暁『もしもし、司令?』

提督「暁! 今、どこにいるんだ。変な奴に絡まれてないだろうな」

暁『平気よ。今、司令の家からかけてるの』

提督「そんな所にいないで、早く帰ってこい」

暁『司令が浮気を止めない限り帰らないわ』

提督「俺は浮気なんてしてない」

提督母『浮気してる奴は大抵そう言うよ』ボソッ

提督「母さん、変なことを暁に吹きこまないで!」

暁『明日の朝、またかけるわね』ガチャ

提督「暁、待っ」

ツーツー ツーツー

提督の実家

提督母「まったく暁ちゃんは優しいね。心配かけないように連絡してあげるなんて」

暁「だって、それじゃ公平じゃないもの」

提督母「浮気した奴に気を遣わなくたっていいんだよ」

暁「でも提督が浮気したのは、暁の魅力が足りないから――」

提督母「――浮気は、したやつが全部悪いんだよ」

提督母「それに公平じゃないっていうなら、暁ちゃんも浮気したらどうだい?」

暁「//////」ボッ

暁「そっ、そんな……」

提督母「はあ、暁ちゃんたら、すっかりほの字なんだねえ」

暁「ほの字?」

提督母「何でもないよ。お風呂、沸いてるから入ってきな」

暁「う、うん」

暁「(司令、どうして浮気なんて)」ゴソゴソ

暁「(やっぱり暁に魅力がないから?)」ヌギヌギ

ガラガラ カポーン

暁「(司令のバカ)」ソー

暁「熱っ」ビクッ

暁「(そうだ、掛け湯してから入れって、司令に……)」

暁「(どうして司令のことばっかり頭に浮かんでくるの?)」

暁「(司令なんて大っ嫌いなのに!)」

暁「(大っ嫌い、なのに……)」

暁「」ザパー

暁「(嫌いなわけない。嫌いだったらケッコンなんてしないもん)」

暁「(司令、暁の何が駄目だったの?)」

暁「」ブクブク

提督母「暁ちゃん、湯加減どうだった?」

暁「……れ、レディにはあれぐらいが丁度良いわね」

金剛「Hey 暁、元気がないネー」

暁「金剛さん!?」

暁「(何で金剛さんが? まさか司令のことで、暁に何か言いに来たの?)」

暁「(金剛「提督は私のものデース」とか!?)」ガタガタブルブル

金剛「加賀と不知火もいますよ」

加賀「お義母様、こんな夜分遅くに……」

提督母「おやおや丁寧に。でも、あんたにお義母様なんて呼ばれる筋合いはないよ」

加賀「うぐっ」

提督母「それで不知火ちゃん、どうしてそんなにボロボロなの?」

金剛「小さい子に優しいのは、どうやら親譲りみたいデース」ボソッ

加賀「」ボーゼン

不知火「気付いたら、こうなっていました。途中の記憶がありません」

提督母「そう、お風呂はすぐは入れるからね」

提督母「それで、あいつはどうしてた?」

不知火「不知火たちが出発した時は、暁さんを除く三姉妹を侍らせて、なにやらゴソゴソとしていました」

不知火「それと島風さんを縛り上げて――」

金剛「ワーワー、不知火、それはNoデース」

提督母「そうか、あのバカ息子。女の子一人泣かせて、まだ飽き足らないか」

提督母「ところで、島風ってあの痴女みたいな格好をしてる娘だね?」

金剛「痴女……まあ、間違ってないデスが」

提督母「はあ」

不知火「不知火が何かしましたか? 不知火に落ち度は無いはずですが?」

加賀「お義母様でなければ、なんとお呼びすれば」

提督母「何とも呼ぶんじゃないよ」

ワーワー ワーワー

提督母「まったく人が増えると騒がしいね。お前ら、さっさと寝ろ!」

金剛「じゃあお風呂を頂いてきマース」

加賀「では私も」

不知火「ご命令ならば」

提督母「暁ちゃん、布団敷くの手伝ってくれる?」

暁「えっ、あ、うん」

暁「(司令はやっぱり金剛さんみたいな人が好きなのかな?)」

提督の実家 寝室

提督母「ああ、ありがとう。暁ちゃんのおかげで早く済んだわ」

提督母「こんな良いお嫁さんもらっておいて、まったく」

暁「(司令も同じこと言ってくれた)」

提督『暁は良いお嫁さんだな。まったく俺は幸せものだ』

暁「(……司令)」

提督母「さあ、明日に備えて、今日はもうお休み」

提督母「皆、同じ部屋だから寂しくはないでしょ?」

暁「……寂しくなんか――」

金剛「はー、いいお湯でした」

加賀「気分が高揚しました。素晴らしかったわ」

不知火「今日は何だか疲れました。早く寝ましょう」

提督母「そうしな、電気消すよ。布団に入って」

提督母「いいかい?」

金剛「okデース」

加賀「大丈夫です、お義母様」

不知火「zzz」

暁「消していいわよ」

パチン ガラガラ ピシャ

暁「(金剛さんと一緒で眠れないわ)」

暁「(髪を下ろした所、初めて見たけど、やっぱり大人のレディ魅力があったし)」

暁「(帰国子女で英語はぺらぺら、それに超ド級戦艦で沢山の活躍もあって)」

暁「(暁も金剛さんも四姉妹の長女なのに、全然違う)」

加賀「zzz」

不知火「zzz」

金剛「暁、まだ起きてますか?」

暁「」ビクッ

暁「お、起きてるわ」

金剛「どうして、暁はこんなことしたんデスか?」

暁「」ムッ

暁「そんなこと、金剛さんが一番知ってるんじゃないの!」

金剛「oh どうして怒るんデス?」

暁「暁が何も知らないと思ってるの? 司令とデートしてたくせに!」

金剛「暁、違いマス。あれは」

暁「言い訳なんて聞きたくないわ」

金剛「落ち着いて聞いてください。あれはデートではありません」

金剛「提督に頼まれて、presentを一緒に選んだんデス」

暁「……何の」

金剛「提督と暁のケッコン記念日のgiftデース」

暁「えっ?」

金剛「提督はスケベですけど、浮気するようなひどい人ではないデスよ」

金剛「一つ聞いてもいいデスか?」

暁「ど、どうぞ」

金剛「暁は、提督のどんなところが好き、デスか?」

暁「//////」

暁「(どこが好きなんて、そんな)」

暁「……全部?」

金剛「what?」

暁「…………好きよ! 全部」

金剛「oh 意地悪してsorry そうデスか」

暁「わざとやったのね! ひどいわ」

金剛「だからsorryって言ってるネ」

暁「もう! 許さないんだから」プクー

金剛「フフフ、提督は本当に幸せ者デース」

金剛「でも、気持ちは伝えないと伝わりませんよ?」

金剛「見てて欲しい時にはちゃんとappealしないとネ」

翌朝

提督母「暁ちゃん、起きて」

暁「お義母さん? どうしたの? こんな朝早く」

提督母「いいから、顔洗って。客間に来て」

――――――――――――――――

暁「失礼しま――」

提督「暁! ごめん」

暁「し、司令!?」

提督「暁、俺は浮気してたわけじゃないんだ。本当は――」

暁「司令、暁の方こそごめんなさい」

暁「昨日、金剛さんから聞いたわ。勝手に勘違いして、飛び出して、ごめんなさい」

提督「いや、俺が悪かったんだ。ごめん。本当にごめん」

暁「司令、顔を上げて。暁が悪いのよ」

提督「違う、俺だ」

暁「…………」

暁「じゃあ司令、一つお願いを聞いてくれたら、許してあげる」

提督「何だ?」

暁「暁のこと、愛してるって言って」

提督「」ギョッ

提督「……な、なら、俺だって同じだ。愛してるって言ってくれなきゃ、ゆ、許さないぞ」

暁「司令、愛してるわ」ニコッ

提督「う、暁、あ、あ、愛してる」シドロモドロ

提督「うわああああああああああああ、言っちゃったああああああああ」

提督母「うるさい! さっさと帰れ!」

鎮守府

電「暁ちゃんが帰ってきたのです」

ガチャ

暁・提督「「ただいま」」

電「おかえりなのです!」

雷「暁、おかえりっ」

響「おかえり」

暁「皆、ただいま」

提督「あれ? 今日はやけに静かだな」

雷「皆、足柄さんと一緒に、出撃したわよ」

響「司令の指示だろう」

提督「嘘だと言ってくれ! あの飢えた狼、何してくれてるんだ」

提督「あ~、仕事が増えた~」

暁「司令、仕事もいいけど、暁のこと、ちゃんと見ててね」

終わり

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