美希「SPプリキュアワンフォーオールスターズ!」春香「みんなともだち、だもんげ!」 (78)


……
-765プロ、事務所


ガチャ

美希「ただいまー……なの。あふぅ」

P「おぉ、美希。お疲れ様。迎え行けなくてごめんな」

美希「いいよ。最近前より忙しくなって、ハニーも大変でしょ」

P「竜宮小町や美希だけでなく、みんなもけっこう売れだしたからな……嬉しい悲鳴だけどさ」

美希「ミキも、もっともーっと頑張っちゃうからね!」

P「あぁ、期待してる」

美希「えへへ~」

小鳥「でも、そろそろこっち側の人数も増やして欲しいところですよねー」

美希「あ、小鳥。いたの」

小鳥「……」

P「う~ん、でもなぁ」

美希「新しい人を雇うのは、プリキュアの秘密があるから難しいんじゃない?」ペラペラ

P「何を言ってるのか分かりません。こら書類を勝手にいじるなー」

美希「む~……あれ? これって」ペラッ


“夢の大遊園地! オープン記念特別チケット”


美希「え? え? これってもしかして……」

P「あ、それか……」

美希「……えーっと、遊園地でお仕事があるの?」

P「いや、それは仕事じゃなくて、今度のオフに」

美希「プライベートなの!? デート!!」

P「あ、いや」

美希「やったやったやったぁ~!! ハニーとデート!!」ギューッ

P「あー、すまん。ちょっと待った」

美希「? なに?」

P「そのチケットな。二枚じゃないんだ」

美希「……ほんとだ。3、4、5……いっぱいあるの。これってつまり」

P「あぁ、みんなで行こうと思って。だからデートってわけじゃ……」

美希「……」

P「美希……? 期待させて悪かったが……」

美希「ううん。ミキ、嬉しいよ。デートじゃなくっても、ハニーと、みーんなと、遊びに行けるなんて、とーっても楽しみなの!! それに、みんなのお休みを合わせるのも大変だったでしょ? ありがとっ」

P「いやー……それなんだがな」

美希「?」



SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1428411614


P「うん、俺も頑張ったんだけど…………竜宮のメンバーだけは都合がつかなくて……」

美希「あー……」

P「なんか、重ね重ねすまん」

美希「仕方ないの。オトナノジジョーなの」

P「大人の事情というか、仕事の都合、な。一応、一緒に行けないぶん、埋め合わせはするつもりだが」

小鳥「竜宮は律子さんの領分ですしねぇ」

美希「プリキュアの秘密も知らないし、仕方ないかなって感じ」

P「またそれか。まぁとにかく、楽しみにしといてくれよ」

美希「うんっ! 次のお休みはぁ~……みんなで遊園地に、けってぇーい! なの!!」


……


美希「映画! スペースアイドルプリキュア!!」

真「ワンフォーオールスターズ!!」

春香「みんなともだち! だもんげ!!」

……


増子「はいはーい! みなさんお待たせしました! 私、当番組のレポーターを務めます、増子美沙です! 続けて読むと~……マスコミさ!!」

増子「というわけで、今回は本日オープンする、大遊園地へとやってまいりました~! 見て下さい! すごい人の数です! ピカピカの入場ゲートから大遊園地内へと人がどんどん吸い込まれていきます! では私も早速、中へ入ってみたいと思います!!」

「少し待ちたまえ。眼鏡の似合うマドモアゼル」

増子「は……えっと、私……?」

黒井「ウィ、その通りだよ」

増子「黒井社長!! 出ました! この大遊園地の大オーナー! 961プロの社長!! 黒井崇男さんです!!」

黒井「出ましたとはなんだ……フン! まぁいい。画面の前の皆々様、御機嫌よう。本日はこの私めが、不肖ながらこの夢の大遊園地、961フェアリーランドをご案内させて頂きます」

増子「なななんと! オーナー自ら案内して下さるようです! ではではまずこの遊園地のコンセプトと……」

黒井「ウィ、庶民からセレブまで全ての人が楽しめる……」

増子「芸能プロダクションとしての……」

黒井「これからはここを一つの拠点とし、限定イベントやグッズ販売、さらには……」



春香「ついたよ千早ちゃん! ここが!!」

千早「えぇ、そうみたいね」

春香「大遊園地ですよ! だ、い、ゆ、う、え、ん、ち!!」

千早「分かったから……あんまりはしゃがないで」

春香「えー? 千早ちゃんはワクワクしないの?」

千早「……そうね、確かに、これだけ立派なアミューズメント施設となると、少し気がはやるわ」

春香「うん! 血が騒ぐよね!!」

千早「えぇ、バンジーもあるようだし」

春香「千早ちゃん? 芸人としての、じゃなくて、女の子としての、ね?」

千早「女の子として血が騒ぐというのもどうなのかしら」

春香「だってね千早ちゃん! チュロスにスコーン、アイス、ポップコーン、クッキー、マカロン、園内各地にある売店でそれぞれ異なる種類と味の本格的なお菓子が! って、あ! でもこのスイーツバイキングっていうのも気になるなぁ……」

千早「ふふ、そんなに食べたら太るわよ。確かグラビアの撮影が何日後か……」

春香「う゛……で、でも今日ぐらいは、普通の女の子としてですね……」

千早「えぇ、広い園内を歩いてアトラクションで叫べばカロリーも消費されるし、きっと大丈夫よ。少しぐらい、食べ過ぎちゃっても。少しぐらい、ね……」

春香「んーっもう! そんなイジワル言ってると、巨大迷路の壁と一体化しちゃうよ!」

千早「春香」

春香「なぁに千早ちゃん。出口を塞いで私を恋の迷宮に迷わす気?」

千早「……まぁいいわ。真と萩原さんが先に入ってるはずだし、早く行きましょ」

春香「うんっ!」ギュッ

千早「……春香?」

春香「はぐれないように腕を組んで行こうね! 千早ちゃん!」

千早「歩きにくいわ……」


……


真「うわ~、すっごい広いし、いっぱいアトラクションがあるなぁ。ねぇ雪歩、どれから乗ろっか。あ! あのジェットコースターなんてすごいよ! 空中に飛び出して三回転半ひねりだ!」

雪歩「うぅ、真ちゃん……そういうのはちょっと……」

真「あ、……そっか、雪歩、ああいうの苦手、だよね? ごめんごめん。じゃあもっと怖くないの……」

雪歩「あ、真ちゃん、あのメリーゴーランドなんて」

真「コーヒーカップはどうかな! ほらあれ! すっごく可愛いよ!」

雪歩「え、えっと……それは……」

真「…………もしかして雪歩、ボクがすごい勢いで回すんじゃないかって思ってる?」

雪歩「えぇっ!? そ、そんなことないよ?」

真「大丈夫だって。ボクが雪歩に怖い思いなんてさせるわけないだろ?」

雪歩「う、うん……真ちゃんなら大丈夫かな」

真「さっ! そうと決まれば、行こう! あのひときわピンクのカップに乗るんだ!」グイッ

雪歩「あっ、うん!」


……


グルグルグルグルグル

真「あの、雪歩、ちょっと」

グルグルグルグルグルグルグル

雪歩「あはははははは! すごい! すごいよ真ちゃん! 景色が流れて!」

真「けし、きなんて、みえ、ちょ、ま、ゆき」

雪歩「あはははははははは!! あははははははははははははははは!!」

真(雪歩が壊れた……そして僕の三半規管も、もう……ごめんね、雪歩、弱いボクで)

雪歩「あはははははははははははははははは!!」

ギュルルルルルルルルルルルルルルル……ギャルギャルギャルギャル……

……


雪歩「……うぅ、ごめんね、真ちゃん」サスサス

真「ぁ……ぅん……いいんだ、だい、じょう……う゛っ!」

雪歩「私のせいで……私が真ちゃんの肉体を過信したから……」サスサス

真「ぃ、いや、うん……自分で回るのと、人に回されるのじゃ違う、から……それより、雪歩が生み出した、あの黄金の回転には……驚いたよ」

雪歩「穴掘りのときのくせで……つい手動ドリル殺法を……ごめんなさいぃ」

真「ドリル……殺法?」

雪歩「可愛いコーヒーカップに乗ったらつい気持ちが昂っちゃって、頭の中で囁きが……私達はまるでコーヒーとミルク、苦くて甘い二人の関係、でも混ざり合うことで本当の味になれるの……って、それで気がついたら……」

真「ぅ、うん……雪歩の気持ち、うれし、嬉しいよ……たかぶるっていうか、ずいぶん荒ぶってたみたいだけど……それもボクへの、う゛う゛ぅっ!!」

雪歩「真ちゃん! わ、私、お水持ってくるね!」タッタッタッタ……

真「ありがとう……あと一応ビニール袋も……う゛ぅっ」


……


愛「わーーーーーーーい!! つきましたぁーーーーーーーー!!」

涼「うん。ついたね。でも良かったのかな……竜宮小町のぶんのチケットだって言ってたのに……」

絵理「仕事なら……仕方ない。そのぶん私達で楽しめばいい?」

愛「はいっ!! いっぱいおみやげと、いっぱい思い出を持って帰りましょーーー!!」

涼「でもせっかくだから、765プロの人達にも会っておきたいよね。お礼も言いたいし、できれば一緒に楽しめればな、って」

絵理「……うん。でも……ここ、電波が入らないみたい」

愛「あーーー! それなら私にいい考えがありますよっ!!」

……



『はーい皆さん! オープン記念イベントでアイドルがやってきましたよー! こんなにカワイイボクと出会えて本当にラッキーな方々ですね!』フフーン

「はい、ロープは大丈夫ジョバね。では前へどうぞジョバ~」

『あ、マスッコトキャラが案内係なんですね。あなたもとってもカワイイですよ! まぁボクほどじゃあ、あ、押さないで、ちょま、待って! まだ心の準備がですねっ』

「レッツ?」

『ば、ばん』

「バンジー!!」ドンッ

『ぁあぁあああぁぁっくろぃふぇぁああありぃらっどかいぇんおめでとうございまぁあああああああああああ!!』

ヒュ――――――ン……ビヨーーン…ビヨーン


涼「……で、ここ?」

「はーい次の方~、ロープ付安全ジャケットをしっかり固定して下さいジョバ~」

愛「はいっ!! 高いところから見れば、きっと見つかりますっ!!」

「はいでは次の方、前へどうぞジョバ~」

絵理「…………どうしてこうなった?」

涼「バカとなんとかは高いところがと言うけれど……」

絵理「伏せる単語が逆?」

涼「バカとなんとかは使いようだと思った僕がバカだった」

愛「えーーーー!? 涼さんバカなんですかーーーー!?」

涼「うん、そうだね」

「それでは、線の位置へ……レッツ?」

愛「バンジーーーでーーーーーーーすっっ!!」

ドンッ

ぎゃぉおおおおおおおおおん……

ひぅうううううううっ…………



……


オカケニナッタバンゴウハ、ゲンザイデンパノトドカナイ……

真美「ん~ダミだこりゃ」

やよい「やっぱり繋がらない?」

真美「うん、兄ちゃんも千早お姉ちゃんもゆきぴょんもダメ。もうこれは二人で入っちゃっていいっしょ」

やよい「はわわっでもでも、連絡くれたら迎えに行くから、って」

真美「その連絡がつかないんじゃーちかたないじゃん? それに真美達ももう子供じゃないしね~遊園地ぐらいよゆーよゆー!」

やよい「そうかなぁ……」

真美「あ、そうだやよいっち! こっちが先に兄ちゃん達を見つけてさ、驚かしてやろうよ!」

やよい「でもどうやって見つけるの……?」

真美「それは、うーん……入ってから考えようぜぃ!」

やよい「あ! 待ってよ真美!」

タッタッタッタ……


真美「おっ、売店はっけーん! お腹すいてたんだよね~」

やよい「もう、真美ったら、め! 迷子は勝手に動いたらダメなんだよ?」

真美「別にまだ迷子じゃないしー、それより見てよこれ! もやしバーガーだって! やよいっちこれ食べる!?」

やよい「好きでもやし食ってるわけじゃねぇよ」

真美「え…………?」

やよい「……って言ったらウケるよって教えられたんだ」

真美「あー、亜美? それともはるるん?」

やよい「あずささん」

真美「…………」

やよい「うっうー! もやしバーガー二つ! くださーい!!」

真美「えっ真美もそれ?」

やよい「……もやしおいしいよ?」

真美「う、うん……そだね」

「三十分後に広場のCステージでヤキニクマンショーが始まるチャオ~、よいこのみんな~席はたっぷりあるから焦らず来るチャオ~」

真美「ティンときた!!」

やよい「はわっ、なに?」

真美「んっふっふ~……兄ちゃん達を見つけて、かつ驚かせる方法……それは」

やよい「そ、それは」

真美「イベントステージの乗っ取り、だよ」

やよい「えぇ~っ! そんなことしたら園の人達に迷惑が」

真美「だーいじょぶだって、ちゃんとスタッフさん達に話は通すんだからさ。真美達も売れてきたし、アイドルが飛び入り参加のステージなんて、向こうも大歓迎っしょ!」

やよい「うぅー……だといいけど」

「へいお待ち、もやしバーガー二つ」

やよい「うっうー! ありがとうございまーすっ!」ガルーン

真美「んでふぁ」モッシャモッシャモッシャ

やよい「口にもの入れて喋らないの」

真美「んぐ……とりあえず広場の方に移動しながら食べよっか」

やよい「うん」ハグッ……モッシャモッシャモッシャ

モッシャモッシャモッシャ……モッシャモッシャモッシャ…………


……


美希「あふぅ……やぁっと着いたの」

P「すまん、思ったより道が混んでてな……」

美希「ううん、ハニーとドライブできて嬉しかったからいいの!」

P「ほとんど寝てたのにか?」

美希「大切な人の隣で寝れるのって、すっごい幸せだよ?」

P「はは……照れるな」

美希「せっかくだから、もーっと照れさせちゃおっかなぁ? みんなと合流する前に……」

P「お、おい美希?」


響「あ! いたぞ! おーい! 美希ー!!」


美希「……」

P「……ほっ」

タッタッタ

響「はいさい! 美希! プロデューサー!」

貴音「おはようございます。皆様」

美希「おはよう、響、貴音」

P「おはよ、皆様と言っても、ここには俺と美希しかいないけどな」

響「他のみんなは?」

P「多分、もう中に入ってるんじゃないかな」

貴音「それでは急ぎましょう。さぁ早くさぁ響」

美希「貴音テンション高いね」

響「昨日からずっとこの調子だぞ……」


貴音「なにを言うのですか、わたくしは平常心を保っております。日頃から心身を鍛えて」ソワソワ

美希「これがパンフレット?」

響「うひゃー広いなー」

貴音「わたくしにも見せなさい! 響!!」ガバッ

響「ちょ、ちょっと貴音ぇ」

貴音「これが、これが夢のてーまぱぁくの案内図ですか。なるほど。なるほどなるほど」

響「貴音、それ反対だぞ」

貴音「……なるほど」クルッ

美希「興奮しすぎなの」

貴音「まずはここ! その次はここ! それから」

響「はいはい、入ってから決めてこうなー」

貴音「こういったものは事前の計画が、響!」

美希「あふぅ、いいから入ろ?」

P「園内は広いし、一つめを目指しながらでも計画は立てられるだろ」

貴音「確かに、その通りですね……わたくしとしたことが、目先の物事に囚われ」

「チケット拝見しますピヨ~、はいどうぞ~、はい次の方チケットを」

響「……なんか、聞き覚えのある声が」

貴音「小鳥嬢の声、でしょうか」

美希「でもあれ」

鳥のマスコットキャラ?「はい拝見しますピヨ! はいどうぞ~」

美希「鳥なの」

響「鳥だぞ」

貴音「鳥ですね」

P「なんで手伝わされてるんだあの人は……まぁ、かくいう俺も、」

ボワンッ

妖精「一応挨拶に行かないとだから、みんなは先に行っててほしいプロ」

響「もう隠す気はないのか……」

美希「はーい。じゃあ先行ってるね?」

妖精「オレも挨拶がすんだらすぐ追いつくから、気にせず楽しんでるといいプロー」トテトテトテ


……


「こちら大観覧車の順番待ち最後尾ピピー、ランド内を一望できる絶景がロマンチックピピー」

千早「これに乗るの?」

春香「うん。これなら、プロデューサーさんやみんなを見つけられると思って。あれ? 千早ちゃんって、高いところ苦手だっけ?」

千早「いえ、そうでもないわ。……それにしてもあの案内係」

春香「あ、マスコットキャラがやってる。可愛いね」

千早「……そうかしら。マスコットにしては、なんだか目つきが悪いような」

春香「今ああいうのが流行ってるんだよ」

千早「目つきの悪いマスコットが? ……不思議ね」

ピピン「……お客さん達は、特別優待券で来たピピね」

春香「えっ! 私達? えっと、確かにそうだけど」

ピピン「なら順番待ちなしで乗れるピピ。こっちだピピ」

春香「えっいいの?」

千早「並んでる人達に悪い気がするけれど……」

ピピン「優待券で来といて今更だピピ。それに感謝のしるしに贈られたものなんだから、多少のお得があってしかるべきピピ」

千早「感謝の……?」

春香「なら、お言葉に甘えて……さっ千早ちゃん!」

千早「えぇ……」


……


春香「わー! いい眺めだね。あっ見て見て! 池にカモがいるよ!」

千早「ねぇ春香」

春香「なぁに千早ちゃん」

千早「みんなを探すために乗ったのよね?」

春香「そうだよ?」

千早「なら、同じ方を見ていても仕方ないと思うのだけれど」

春香「そうかなぁ」

千早「……」

春香「千早ちゃん」

千早「春香、……見つめあってるのは、もっと無意味だと思うわ」

春香「うん……」ズリッ

千早「なんだか、春香が近づいてきているような」

春香「近づいてるよ」ズリッズリッ

千早「春香、」

春香「もうすぐてっぺんだね、千早ちゃん……」

千早「顔が、近いわ……息が……」

春香「千早ちゃん……私」


ドガゴォオオオオオオン!!

春香「な、なに今の」

「見つけたよ。伝説の戦士」

春香「えっ?」

千早「! 春香危ない!!」ドンッ

春香「きゃあっ! 千早ちゃん!?」

ビカァーーーッ


オッドアイの女「フフ、捕まえた。まずは一匹、鏡の牢獄へ」スッ

春香「ち、千早ちゃんが……姿見の中にっ、ほんとに真っ平になっちゃった!!」

オッドアイの女「さて、次はキミだ」

春香「空中に浮いてる……! あなたはいったい……」

オッドアイの女「アタシは伝説の戦士を狩る者……アイドルハンター・レオン」

春香「レオン……!?」

レオン「天海。キミの持つ夢への力……封じさせてもらうよ」スッ

春香「!!」


……



ピピン「よう、久しぶりだな」

妖精「そうでもないだろ」

ピピン「この姿で会うのは、だよ」

妖精「……そうだな、プロ。チャオ……いや、ほくほくや、しょうたんは」

ピピン「俺と同じで、ここの従業員をやってるぜ。ま、折を見て、復帰するつもりではいるけどな、ピピ」

妖精「そうか……良かったプロ」

ピピン「久々に、お前も一緒にやるか? おっさんも誘ってよ」

妖精「それもいいかもな……いっそ思い切ってメルヘ」


ドガゴォオオオオオオン!!

妖精「な、なんだっ」

ピピン「敵襲か!?」


……


響「な、なんだぁ、地震か?」

美希「この感じ……」

貴音「面妖な気配……何奴!」


「クックック……我の放つ深き闇を気取るとは、さすが伝説にその名を刻みし者共よ」

響「だ、誰だ!?」

退廃的な衣装を纏いし乙女「我が名は、ローゼンブルクエンゲル……貴殿らに黄昏の闇を告げる、天征く仮初の箱舟より来たる御使い」

響「な、なにを言ってるんだ……?」

美希「ぜーんぜん分かんないの」

貴音「……そういうことですか」

響「えっ! 貴音、あれで分かったのか!?」

ローゼン「ほう? 我が魂の戒律を読み解くか?」

貴音「魂などと……偽りでしかない現世において、満たされぬ器のなんと空しきことか。…………去りなさい。そして伝えるのです。ここは、我々の侵していい領域ではない、と。」

響「うぎゃー! 貴音まで分からない言葉で喋りだしたぞ!」

ローゼン「フン……其方の紡ぐ言の葉になど、最早一滴の秘薬にもならぬわ。なぜなら……今という時において、我はもう一人のお前……」

ローゼン「我こそが、真のヤーネフェルトとなるのだ」バチバチバチィッ

貴音「っ!」

響「よけて!!」

ズガァアアアアアアッ!!


貴音「これが……あなた方の答え、ですか」

ローゼン「……薄氷の一瞬に、難を逃れたか。忌々しい。」

響「な、なにがどうなってるんだ……?」

美希「ふぅん、そういうこと。だいたい分かったの」

響「えっ美希? 分かったって……いったい」

美希「言ってることはなんにも。けど、一つだけ分かったから」


美希「そこの人、貴音の敵でしょ」

ローゼン「ならば、なんとする?」

美希「だったら、ミキの敵だもん。やることも一つだよ」

響「……確かに、そうだな。それだけ分かれば、充分さー!」

貴音「美希……響……」

美希「いくよ!」

響「あぁ!」

貴音「はい……!」


カチカチカチッ……


プリキュア!! フェアリーオンステージ!! レディ?

ピカァアアアアアアアアアアアアアアア!!!


……きらきら輝く、星のアイドルッ!

スター「キュアワンダリングスター!!」ビシッ

……太陽さんさん! 照り返す海のアイドル!!

サン「キュアパーフェクトサンッ!!」キラーン

……月光に冴える、白銀のアイドル……

ムーン「キュアミッシングムーン……!」シュタッ……


スター「夢と現を駆け巡る……天空の妖精(フェアリー)!! 私達はっ」

三人「「スペースアイドルプリキュア!!」」キラキラキラキラ……


ローゼン「古より伝わりし秘術を、時を刻みし魔具により甦らせたか……だが、根源より力授かりし我の敵ではないわ!!」ビュンッ

バシィッ

サン「ムーンには指一本触れさせないさー!!」

ドガァッ

ローゼン「くぅっ……邪魔をするか! 煩わしい太陽ね……!」

スター「サンだけじゃない!!」ヒュッ

ガキィイン……

ローゼン「光から祝福されし者か!」グググッ

スター「ムーンを傷つけるなら、容赦しないの!」ググゥッ

サン「今だぞ! 自分達が押さえ込んでる内にっ」

ムーン「はいっ……」カチャンッ

オーバーマスター!

ムーン「はぁああっ」

ローゼン「ちっ! させるか!!」グォオオオオオッ

スター「な、なにっ!? 闇がっ」

ローゼン「まとめて闇に飲まれよ!!」カッ

ギュァアアアアアアアアアアアアッ!!

サン「うぁあああああああっ!」

スター「きゃぁああああ!!」

ムーン「これはっ……っ!」


シュゥウウウン……

ムーン「スター! サン!! ……二人をどこへやったのです」

ローゼン「この地に、契約の箱庭を創り出した。最早、再会することも叶わぬ」

ムーン「おのれ……姑息な手を。それでもヤーネフェルトの名を継ぐ者か!」

ローゼン「クク、それを其方が言うか? 裏切りの堕天使よ……」

ムーン「っ……!」

ローゼン「なぁ? …………己が使命から逃げ出した……卑怯な、姉上様」


……


シュゥウウウン……ドサッ

サン「ぁうっ! いたた……はっ」ガバッ

サン「スター!? ムーン!!」キョロキョロ

サン「いない……っていうか、ここどこだ? なんか、おっきな迷路の中みたいだけど……。とにかく、早くムーンのところに戻らないとっ」ビュンッ

ゴチィン!!

サン「~っぁがぁあ! 頭ぶっつけたぁ!! な、なんだぁ……? 迷路に、透明なふたでもされてるのか……?」

サン「……えいっ!」バシッ

ガキンッ

サン「壁も壊せそうにないさー……この迷路を進むしかないのか? どの方角に行けばいいかも分からないのに…………いいや!」パンパンッ

サン「弱気になっちゃダメだ! 自分、絶対にムーンの、貴音の力になるって約束っ……そっか、もしかして、あの時言ってた……。そうと分かれば、なおさら急がなくっちゃ! な、ハム蔵! ……い、いないぞ」

サン「ま、まぁ、ハム蔵ならきっと大丈夫……だよね。さて、と。どの道を」

「ひぃいいいいっ!!」

サン「! この声はっ」ダッ




雪歩「来ないで! 来ないでくださぁい!」ガクガク

ドッグネムイナー「グルルルルゥ……バウワゥ!」

雪歩「ひぃいい!! もうダメですぅう!!」

「てりゃぁあああ!」ドカァッ!

ドッグ「バウッ!?」ズゴォン……

雪歩「……ぇ?」


サン「ふぅ、なんとか間に合ったぞ。大丈夫か? 雪歩」

雪歩「ひ、響ちゃんん!」ヒシッ

サン「おっとと、」

雪歩「わ、わたしっ、真ちゃんが、目の前で鏡に吸い込まれて、でもっ、なにも、できなくて、わたしっ」ヒグッグスッ

サン「鏡……? いったいどういう」

ガラガラァッ

ドッグ「ゥウ~っガルルルルゥウ……!」

サン「っと、まだ終わってないみたいだな。雪歩、下がってて」

雪歩「で、でも」

サン「雪歩はただでさえ犬が苦手なんだろ? ここは自分に任せるさー、あんなの、ちょちょいのちょいっと手なづけちゃうから!」

雪歩「響ちゃん……」

サン「さぁ! 布団犬! どっからでもかかってくるさぁ!」

ドッグ「グゥウウッバウワウ!!」ダダッ

雪歩「あぁっ危ないっ!!」

ガブゥッ

ドッグ「グ、グゥ……ウ」

サン「はは、大丈夫大丈夫……こわくない、こわくないぞー」ナデナデ

雪歩「ひ、ひぃいっ……く、口の中に、手をっ……早く抜いてくださぁい! 手が食べられちゃいますぅ!」

サン「大丈夫……平気さー」グ、ググッ

雪歩「…………どうして? 響ちゃんは、怖くないの……? 動物の気持ちが分かるから……? 私は、分からない……怖いんですぅ……男の人も、わんちゃんも……分からないから、いつ牙を剥いてくるか、心の片隅に、そんな勝手な恐怖が」

サン「ははっ、そんなの、自分だって同じさ」

雪歩「え……?」

サン「動物の言ってることだって、分かってるつもりなだけ……言葉が通じる人間同士だって、すれ違ったり、傷つけあったりしちゃうんだ……だから、いぬ美とだって、ケンカしちゃうし」

雪歩「なら、どうして……」

サン「信じてる……ううん、信じたいから。相手のことを」

雪歩「……!!」

サン「それが愛さー、なんて……ちょっとクサかったかな?」

ドッグ「ググ、ゥウウ……!」ギギギッ

サン「くっ……ネムイナーはもう、プロデューサーが全部おとなしく改良したはずなのに……いったい誰がっ」




雪歩「……そっか。そうだよね……心は見えない……どんなに分かってるつもりでも、傷つけちゃうことも、誤解してケンカしちゃうことも……ある」

……ボクが雪歩に怖い思いなんてさせるわけないだろ?

……ぅ、うん……雪歩の気持ち、うれし、嬉しいよ……う゛う゛ぅっ!!


雪歩(真ちゃん……ごめんね……私、……けど、もう大丈夫)

雪歩「……離れていても……心は、すぐそばにあるからっ」タッ

(雪歩、行くよっ……!)

雪歩「うんっ! 私っ…………信じてるから!!」

ピカァアアアアッ!

「「デュアルオーロラウェーブ!!」」

サン「な、なんだぁっ」

白き衣装纏いし少女「光の使者……キュアコスモス」

黒き衣装纏いし少女(光の使者! キュアエージェント!)

「「ふたりは、プリキュア!」」

コスモス「……一人でも、変身できた……!」

サン「な……、ゆ、雪歩もプリキュアだったのかぁ!?」

コスモス「うんっ……今助けるよ! キュアパーフェクトサン!」シュバッ

キラキラキラァッ……

コスモス「闇の睡魔に囚われし者よ!」

エージェント(今、その布団をひっぺがさん!)

「「プリキュアッレインボーホーーール!!」」

ガァアアアアアアアッ!!

ドッグ「グ、グゥウウウウッ!?」

シュゥウ……

ぬいぐるみ?「ワ、ワンッワンッ」

サン「ネムイナーが、ちっちゃく……それも、可愛くなっちゃったぞ……」

ぬいぐるみ?「クゥン……」

コスモス「えへへ、これなら怖くない……かも」ソォ~……

ナデ……ナデ

サン「すごい……すごいぞコスモス!」

コスモス「そ、そう、かなぁ」

サン「そうだよ! この調子でムーンとエージェントも助けに行くぞー! おー!」

コスモス「お、おー!」


……


ナンダァ! ワァー! キャァー!
ナンデイキナリ、メイロニナッテンダァ!

しょうたん「押さないで! 慌てないでくださいトト! これはイベントの一環ですトト! すぐにアナウンスされるから、それまでじっとしてるトト!!」

しょうたん「……ふぅ、とりあえず一時的に混乱は収まってきたけど、いつまでもこのままじゃあ……」

「おぅ、坊主、いいとこにいたな」

しょうたん「! ……ハム蔵さん!」

ハム蔵「ちょいと頼みがあるんだわ」

しょうたん「頼み? ハム蔵さんには恩があるし、なんでもするよ」

ハム蔵「お前の命を助けたのは、黒井に頼まれたからよ。……んで、今回も黒井からの頼まれごとなんだがな。ほれ、これだ」ポイッ

しょうたん「黒ちゃんが……これ、サイリウム?」

ハム蔵「自由に色を変えられるタイプらしい。詳しくは分からんが、これを園内の客に行き渡らせてほしいそうだ」

しょうたん「この状況で……?」

ハム蔵「これから、必要になるかもしれんのだとよ。カモの先生やピピン、プロフェッサーも園内のあちこちで配ってるらしい」

しょうたん「ふぅん……まぁいいけど。じゃあ、僕はこの辺の人達に」

ハム蔵「あぁ、頼んだぜ。俺ぁよそを回ってくる」トタタッ



……
-広場、ステージ上

ワー! キャー!

真美「うあうあ~! こんなの聞いてないっしょー!」

クラブネムイナー「カニカニィ……」シャキン! シャキン!

ズガァア!

真美「これ以上は、も、もう無理っぽい……!」

「あきらめちゃダメなの!!」

真美「! ミキミキ!!」

スター「とぉっ、やぁあああ!!」ビュワッ

ビシィイッ!

クラブネムイナー「カニィイッ!」ドテェ!

スター「キュアワンダリングスター、見参! なの! あはっ☆彡」

真美「ミキミキぃ! もうどうなることかと思ったよ~! やよいっちとはぐれちゃうし、道は迷路になるし、ステージにはカニのお化けは出るしで」

スター「よしよし、ミキが来たからには、もう大丈夫って感じ。……みんなー! ワンダリングスターだよー! 悪いカニさんと戦うミキのこと、応援してね~!」

真美「み、ミキミキ、お客さん達は避難させたほうが」

スター「この状況じゃ下手に動くとかえって危ないの。みんなにはサプライズショーだって思っててもらえば、混乱は少なくなるし、ミキが被害を出さずにカニさんを倒せば万事オッケーって思うな!」

真美「た、確かに……そうかも」

スター「真美は司会のおねーさん役頼むねっ」

真美「う、うんっ!」

クラブネムイナー「カニカニィ」スタッ

スター「いっくよぉ!」


真美「おおっとぉ! カニのお化けが立ち上がったぞぉ! いくら遊園地が楽しそうだからって、力づくで自分のものにしようなんて悪いカニさんだー! ワンダリングスター! こらしめてやりなさーい!」

スター「はぁあ!」バシッ

クラブ「カッ、カニッ」ヨロッ

真美「こら~! ステージに近づいたらダメだかんね! あっそこ! ローアングルからのカメラ禁止ー!!」

クラブ「カニィイ!」グォオオ

スター「ぅ……こいつ、普通のネムイナーより手強いっ……!」ググゥ

真美「! ……みんなー! ワンダリングスターを応援して!! フレーフレーがんばれー! がんばれスター! がんばれミキミキー!!」

ガンバレー! ガンバレワンダリングスター!
デモスコシグライヤラレテ、フクガヤブケテモイイゾー!

真美(あれ……なんだろみんな、黄緑色のサイリウム振ってる……?)

スター「!! なんだか……ほんとうに力が湧いてきたの!! ぉおおおおお!!」

ガシッ

クラブ「カニッ!?」

スター「どぉりゃああああああああっ!!」ブォオオオオン!!

クラブ「カ、カニィイイイイッ!」

ドカァン!!

スター「冷たい布団にくるまれたカニ、返してもらうの! 覚悟はいーい?」カチャンッ

オーバーマスター!

スター「いぃっけぇえええ!! プリキュア、ハイパァーッオニギリハァアアア」カッ

チュドォオオン……!!

クラブ「チョーイソクセー」シュワァァ……

真美「あぁっ……悪いカニさんが…………大量のおにぎりにぃ!?」

スター「お腹すいてない? みーんなで食べよ! カニおにぎり!!」

真美「うあ……食べて大丈夫なのかな……これ……」



……
-???内部

やよい「うー……真美はいなくなっちゃうし、いつの間にかこんな暗いところにいるし……どうしよう……」

グスッ……ヒグッ

やよい「な、なに!? 何の音!?」

グスグス……ヒィイイ……ゴカンベンヲ、ドウカ……ヒック

やよい「……向こうからだ」ソローリ……ソローリ


パッ!

やよい「そ、そこにいるのは誰ですか!!」

ムーン「ひぃいいいいいいっ!!」

やよい「あれ……? はわっ! 貴音さんです! 貴音さん! だいじょぶですか!?」

ムーン「ぁ……や、やよい……?」

やよい「はい! 高槻やよいです! うっうー!」

ムーン「情けないところを……お見せしてしまいましたね」

やよい「……?」

ウラメシヤー……

ムーン「ひぃいいいい! しかしっ……どぅ、どうしても恐ろしいのです!」

ウラメシヤー……ウラメシヤー

やよい「こ、これってお化け……? あ! そっか、ここはお化け屋敷の中なんだ!」

ムーン「作り物だと、分かっているのです……しかし、身体は独りでに竦んでしまい……」

やよい「……」ギュッ

ムーン「やよ、い……?」


やよい「弟達が怖がって眠れないとき、よくこうやって、みんなで手を繋ぐんです」

ムーン「温かな……手」

やよい「とってもキレイで、ミステリアスで、大人な貴音さんに、憧れてたんです。私とは正反対だなって」

ムーン「……では、幻滅させてしまいましたね」

やよい「そんなことありません!!」

ムーン「?」

やよい「とっても大人な貴音さんに、私でも力になれることがあって……すっごく嬉しいんです! だから……いつでも私のこと、頼ってください!」

ムーン「ふふ……ありがとうございます。だいぶ落ち着いてきました」

やよい「はい。それじゃあここから出て、みんなと合流しましょう!」

ムーン「そうですね……天より遣わされし執行者の、「瞳」に見つからぬうちに……」

やよい「う……?」


ウラメシヤー……ウラメシヤー

「ひぃいいいいい! 理から逸脱せしまつろわぬ魂よ! 早急に冥界へとひぃいいい!!」


やよい「あの、あれ……」

ムーン「今のうちです。急ぎましょう」



「あのっ……大丈夫ですか?」

「わ、我を罰することは許さぬ! ぅううう!」

「……大丈夫です」

「?」

「僕が守りますから。大丈夫ですよ」

「……ほんとに? 我を?」

「はい。絶対に」


やよい「あれ……涼さん?」

ムーン「……」

涼「あ、やよいちゃんに貴音さん、おはようございます」

やよい「はい! おはようございまーっす!」ガルーン

ムーン「手を繋いでいる時にガルウィングはおやめなさい」ブーン

やよい「はわっ! ご、ごめんなさいっ」

ローゼン「ひぃい……ひぃ」

ムーン「発展しきった科学文明を持つ箱舟の住人にとって、おかるとの類は怖ろしきもの……とはいえ、敵を助けてしまうとは」

涼「え……敵って」

ムーン「その者は、わたくしと戦う運命(さだめ)を刻まれているのです」

やよい「うぅーでも……」

涼「……すみません。それでもここにいるのは、お化けが怖くて泣いている、ただの女の子です。放ってはおけません。戦わなければならないと言うのなら、ここから出て、お互い正々堂々と勝負をつければいいはずです。……違いますか?」

ムーン「……いいえ、秋月涼。貴方のおっしゃる通り。ここで見捨てて行くのは、ふぇあではありませんでしたね」

やよい「……うっうー! それじゃあ出口に向かって、四人で出発でーす!」ギュッ

ローゼン「ひっ、なにを」

涼「こっち側の手は僕が握ります」ギュッ

ローゼン「わ、我に」

涼「人の温もりがあると、少し、怖くなくなるでしょう?」

ローゼン「…………ぅん」

涼(僕もこういうの、けっこう苦手なんだけど……愛ちゃんや絵理ちゃんと再会するためにもっ……!)


バァー! ウラメシヤァー

はやぁああああああ!
ぎゃぉおおおおん!!
ひぃいいいい!!
うっうー! 楽しいですー!


……


春香「はっ……はぁっ…………園内がいきなり迷路になったおかげで、どうにか逃げ切れたけど……」

春香「……どっちに行けば……壁が高くて、方角すら……」

春香「千早ちゃん……」


うわぁあああああああああああああん!!!


春香「!? この異様な音量の泣き声はっ」タタッ



愛「涼さぁああああああああん!! 絵理さぁああああああん!! あたしのっあたしのせいでぇええええええ!」

春香「や、やっぱり! 愛ちゃん!」

愛「えぐっうぐっ…………はるか、さん? うわぁあああああん!!」ガバァッ

春香「うわっと! 落ち着いて愛ちゃん、何があったの?」

愛「うぐ、ひっぐ……絵理さんが、鏡に閉じ込められて、涼さんも、あたしを逃がすために、どこかへ、あたしのっあたしのせいでっ」

春香「……それって、両目の色が違う、アイドルハンターって」

愛「そうですっ! 知ってるんですか!!」

春香「…………千早ちゃんも、鏡に」

愛「っ……ごめんなさい!」

春香「愛ちゃんは何も悪くないよ。それより、これからどうやって助けるかを」

愛「でもっでもあたしなんかじゃ……」


「そう、キミ達ではどうにもできない」

春香「! あなたはっ」

愛「ぁ、あぁっ……!」

レオン「キミ達には、何もできない。おとなしくアタシに狩られるがいい」


春香「そんなのっ……させない!」

レオン「へぇ、ならどうするんだい?」

春香「千早ちゃんや、愛ちゃんの仲間を真っ平にしちゃうなんて、絶対許さない!!」

キュイーン……プリキュア、リスタート!!

シュワァアアアアアン……

……大いなる、夢の力!!

赤い衣装を纏った乙女「キュアスタートドリーム!!」バァーン!


レオン「変身したか……ならば」シュォオオオン

赤黒い衣装を纏った女「アタシはお前の影……ドリームシャドーとなろう」

ドリーム「な、なにっ!?」

愛「うわぁあーーーーーーっ!! 春香さんとそっくりになっちゃいましたぁーーーーー!!」

シャドー「そう、アタシはオーバーランク……全てのアイドルを超えた存在。キミの力さえもまた、アタシの一部、というわけさ」

ドリーム「見た目を真似したからってぇ!」ヒュンッ

バキィ!

シャドー「やっぱり、この程度か」ピタッ

ドリーム「!? ゆ、指いっぽんで!?」グググッ

シャドー「それっ!!」ビュンッ!

ドリーム「きゃぁあああああ!!」

ズドガァアアン……!

愛「はっ、春香さぁあああああああーーーーーーーん!!!」


ドリーム「つ、強い……なんて力……」

シャドー「力だけじゃない」シュンッ

ドリーム「速いっきゃぁああ!!」

ズドォオン!

ドリーム「ぅ……ぐ…………」

シャドー「分かっただろう? キミでは決して、アタシに敵わない。諦めることだ。……伝説の戦士たることも……アイドルも」

ドリーム「……いやだっ、私は絶対、あきらめたりなんかっ」

シャドー「キミの夢」

ドリーム「!」

シャドー「トップアイドルになること、だったかな。……なって、どうするんだい?」

ドリーム「それは……」

シャドー「みんなに夢を届けたい? 元気や、笑顔を分けてあげたい? ……そんなものは、キミじゃなくてもいいだろう? キミである必要性がない」

ドリーム「必要性……?」

シャドー「キミ以外に、同じ事務所の仲間達だってアイドルとして活躍し、夢や希望を人々に見せている。他の事務所のアイドル達だってそうだ。キミがいなくたって、他のアイドル達がやってくれるよ」

ドリーム「私はっ夢を他人任せになんて!」

シャドー「もっとはっきり言ってあげようか。……無駄なんだよ」

ドリーム「っ!!」

シャドー「キミのしていることは。無意味なんだ。キミなんてアイドル達の中に、いてもいなくても同じ……不要な存在」

ドリーム「そんなっ……私は」

シャドー「アタシなら、他のどのアイドルよりも輝ける。誰よりも素晴らしい歌とダンス、圧倒的なパフォーマンスとファンサービスで、全ての人々を楽しませ、夢を見せることができる。……それなのに、キミみたいな没個性のアイドル、どこに必要がある?」

ドリーム「……私……けど、私…………」


愛「春香さんは不要なんかじゃありませえええええええーーーーーーーーん!!!」

シャドー「っ! なんだこの声量っ」

ドリーム「愛ちゃん……」

愛「春香さんの存在は、絶対!! ぜぇったいにっ!! 無駄なんかじゃありません!!」

シャドー「……なに?」

愛「春香さんが、いっぱい! いーっぱいっ! 一生懸命に輝く姿! 輝こうとする姿に! あたしはたっくさん勇気をもらいましたっ!! 春香さんがいなかったら、あたしはアイドルになんてなれなかったし、今のあたしはいませんっっ!!」

愛「それは、他の人達だって同じはずですっ!! 他のアイドルのみんな、春香さんがいなくても、輝けたかもしれないけど……けど! 今の輝きとは違います!! 春香さんがいたから! みんなは今の輝きをっ持っているんです!!! だからっ!!!」

シャドー「……いい加減うるさいよ。黙ってもらおう!」シュバッ

ドリーム「危ないっ愛ちゃーっん!!」

愛「あたしはっ…………あなたには負けませえええーーーーーーーーんっっ!!!」

ピカァアアアアアアアアアアアアアアアッ!!

シャドー「うっ! ……この光はっ」


プリキュア! ラブアピール!!

……みなぎる愛っ!!

輝く赤い衣装の少女「キュアッラブリーハーーーーーート!!!」バリバリバリィッ


ラブハート「どんなに眩しく輝いたって……想いがなくちゃ、夢は届けられませんっ!! だからっ……あたしはあなたと戦います!!」

シャドー「こちらも変身能力を取り戻したかっ……!」

ドリーム「愛ちゃん……ううん、ラブリーハート!」

ラブハート「はいっ!! 行きましょう!!」


ドリーム「夢見る乙女の底力! 受けてみなさい!!」キララリィーン

ラブハート「うおおおおおおおお!! 気合いだ気合いだ気合いだ気合いだ気合いだぁあああああああああーーーーーーーーーーーーー!!!!」ズゴゴゴゴゴ

ドリーム「プリキュア! ドンガラアタァーック!!」シュバァアアアアアアッ!!

ラブハート「プリキュア!! ゴッドボイスゥウウウウウウウウ!!!」バリバリバリバリバリィイ!!

シャドー「ぬぉおっ……! こ、こんなパワーが、どこにっ……うあぁあっ!!」

ドガァアアアア!!

レオン「ぐぁ……! ばかな、アタシの変身がっ」

ドリーム「……レオン! これが私達の気持ちだよ!」

ラブハート「はぁっはぁ……あなたがあたし達以上のアイドルだって言うなら、分かるはずですっ」

レオン「なにをっ」

ドリーム「レオン。……あなた自身の夢は、なに?」

レオン「な、に……アタシの……夢だと?」

ドリーム「夢を届けるって言いながら、今のあなたからは、夢が感じられないよ。……だから私は、あなたにも夢を届けたいっ!!」

レオン「…………この、私に? ……オーバーランクアイドルであり、ナチュラルボーンアイドルである…………生まれつきアイドルである……アイドルとして生まれた、この私に……」

ラブハート「最初っからアイドルな人なんていませんっ!! 輝きたいと想う気持ちが! アイドルなんです!!!」

レオン「!! ……くくっ……ははははは! ははははははははははっ!!」

ドリーム「レオン……?」


レオン「……笑わせてくれる。もう勝ったつもりでアタシに情けをかけるのか?」

ドリーム「違う! 私はっ」

レオン「例えキミをコピーしなくともっ力の差は歴然だ! うぉおお!」ゴォオオオ!!

「させないさぁーっ!!」

レオン「なにっ!?」

ズガァッ!

レオン「ぐっ! おのれっ」

サン「ふぅ、やっと見つけたぞ、春香……キュアスタートドリーム」

ドリーム「パーフェクトサン!」

スター「ミキもいるよっ! あはっ☆彡」

ドリーム「ワンダリングスターも!」

ムーン「遅ればせながら、わたくしも駆けつけさせて頂きました」

ドリーム「ミッシングムーン……みんなぁ」ジワァ

サン「さぁ! 戦いはこれからさー!」

スター「ミキ達のキラキラ、いーっぱい見せちゃうの!」

ドリーム「うん……やるよ! みんな!!」

レオン「いいだろう。まとめてかかってくるがいい!!」


はぁあああああああ!!

うぉおおおおおおおお!!


ズガァアアアアアアッ……!


……


ローゼン「我は、何をしている……相対する宿命の者共を見逃すなど」

……この世界は、この世界の民の者、我々が侵していい領域ではないのです

……どうしても、戦わなくては、奪い合わなくてはいけないんですか? いい人ばっかりじゃないけど、でも、優しい人もたくさんいる、僕達の大切な世界なんです!

……こうしてせっかく仲良くなれたのに、傷つけ合うなんて悲しいかなーって……



ローゼン「しかし……我は、我に絡みつく業(カルマ)は」

「あら、何をしているの? こんなところで」

ローゼン「!! 貴殿はっ常闇の主」

謎の女「ローゼンブルクエンゲルさん? お仕事はまだ終わっていませんよね?」

ローゼン「わ、我は、魂の調べを乱し、故に禁断の言霊をもってそれを今一度確かめようと」

謎の女「元気が出ないときは、これを飲めばいいんですよ」スッ

ローゼン「ひっ!」

謎の女「悩むも、疲れも、全て吹き飛ばしてくれますから」

ローゼン「いらぬ! 我は自らの持つ因果での決着をっ」

ガッ

ローゼン「ぅぐっ……! ん、んんーっ!! んぅっ!」

ゴクッゴクッゴクッ……

ローゼン「ぁ……ぁあ…………!」

謎の女「行ってらっしゃい。覚醒めし魔の王……」

ぅぁあああああああああああっ……!!


……


……

ドガッ! バキッ……ズササササッ

シュタッ

レオン「っ……まさか、ここまでやるとはねっ」

ドリーム「はぁっ……はぁ」

サン「へへっ……どうだ!」

ムーン「しかし、5人がかりでようやく互角とは……!」

ラブハート「……もうエネルギー切れ、ですっ」

スター「ミキも……疲れてきちゃった……」


「おーい! みんなぁ!!」

ドリーム「! この声っ」

真「遅れてごめん! 助太刀に来たよ!」

スター「真くん!」

雪歩「どうにか、囚われた人達を解放できましたぁ」

やよい「うっうー! みんなで力を合わせましたーっ!」

真美「真美達のおかげっしょー!」

絵理「……みんなに、感謝」

涼「愛ちゃん! 無事!?」

ラブハート「ぅ……うわぁあああああああああん!! よかったよぉーーーーー!! 二人とも生きててよかったよぉおおーーーーーー!!」

涼「愛ちゃんってば……」

絵理「信じ合い、心配しあう……それも仲間?」

千早「……春香、」

ドリーム「千早ちゃん……」

千早「……ただいま」

ドリーム「うんっ……おかえり! 千早ちゃん!!」ガバッ

ギュウウ



レオン「鏡の牢獄が……破られただと……!? 同時に、この数が相手では」


「何を遊んでおる。「究極の瞳」持つ者よ」

サン「あいつはっ……!」

ムーン「ローゼンブルクエンゲル……」

スター「今度こそ、返り討ちにしてやるの!」

ローゼン「先刻までの我と、同じにするでないわ」

レオン「キミは引っ込んでいろ。これはアタシの」

ローゼン「いいや……もう其方の出る幕はない」

レオン「なにっ」

ローゼン「これで仕舞いにする……」ズゴゴゴゴォオオオッ……

レオン(なんだっ……凄まじい闇の渦が……! こんな力を持っていたのか!?)

ローゼン「目障りだ…………魔王の翼に触れ、煉獄へと堕ちるがいい!!」

ズゴドガァアアァアアアアアアアアアッ!!!

サン「うぁあああああああ!!」

ドリーム「きゃぁあああああ!!」

バシュウウウウウウン……


真「ぅ、ぐ……がはっ」ドサッ

美希「ちからが……入らない、の……」

響「変身も、とけちゃってるぞ……!」ヨロッ

真美「ぅあうあ~……接待特命ってやつっしょ……」

絵理「それを言うなら、絶対絶命……?」


ローゼン「さぁ……幾度となく巡りし伝説に終止符をうってやろうぞ」ズオオッ


春香「…………ここまで、なの……?」



「あきらめるな!!」

春香「!」

妖精「あきらめちゃ、ダメだプロ!」

春香「プロデューサーさん……」

『ウィ、各地点のモニターへの表示は完了した。そちらの様子は、園内全ての客が見ている』

妖精「……了解」

『では、武運を祈る』ピッ

妖精「みんな! この戦いを見ているみんな! 聞いてほしいプロ!!」

ローゼン「なんだ……あの小さき者は?」

妖精「ここにいる少女達は……みんなに夢を届けるため、みんなの笑顔を守るために、必死に戦っているプロ!! けど、敵の強大な力に追いつめられている……だからっ」

ローゼン「今更何をたくらもうと無駄な足掻きよ……だが、その存在は煩わしい!!」ヒュッ

ガシッ!

ローゼン「なにっ!?」

美希「させない、の……ハニーには、近づかせないっ」

ローゼン「貴様ぁあ!!」バキッ

真「まだだっボクもいる!!」ダッ

千早「行かせないわ!」ガッ

ローゼン「くぅうっ! 貴殿らのどこに、まだこんな力がっ」


妖精「みんなの応援が……プリキュアの力になるプロ!! その手に持ったサイリウムを応援したいアイドルのイメージカラーに点灯させて、掲げるんだプロぉ!!」


レオン「応援を……力に? そんなことが……」

妖精「頼むプロ!! みんなぁああ!!」


ピピン「負けんじゃねぇぞーっ!」(赤)

ほくほく「応援してるよ、エンジェルちゃん達!」(黒)

しょうたん「ちゃんとこの園を守ってよね!」(橙)


ハム蔵「バカ野郎! いつものど根性見せてやれ!」(浅葱)

カモ先生「ここで終わるほど、やわな鍛え方をしたつもりはないぞい」(黄緑)


長介「ねぇちゃーん!!」(橙)

かすみ「頑張ってーっ!」(橙)

菜緒「立って! ミキならやれるわ!」(黄緑)


夢子「負けたら許さないんだから!」(ノイエグリーン)

鈴木「その通りデス!」(イノセントブルー)

岡本「しっかりー!」(スプラッシュレッド)

ヴぁい!つ赤


「空気など読むな」(青)(ノイエグリーン)


「お嬢ぉーっ!」「いてこましたって下さい!」(白)(白)
「お嬢のスコップは天を衝くスコップでさぁ!」(白)


「ここで負けてもらっては大迷惑なのだ」(イノセントブルー)


善澤「信じてるぞ……高木、黒井」(青)

渋澤「961がダメになるかどうかだ、やってみる価値はありますぜ!」(黒)


優((大丈夫……きっと勝てるよ……))(青)



……

ピッカァアアアアアアア!!!!

レオン「こ、これはっ」

ローゼン「裁きの、光……!?」


春香「すごい…………力が」

美希「希望が……!」

真「勇気が!」

やよい「夢がっ!」

愛「愛が!!!」

春香「みんなの想い……大切な気持ちが、みなぎってくる!」


春香「…………今度こそ、……行こう! みんな!!」

プリキュアッファイトォーッ!!

「「おぉーーーー!!!」」

キラキラキラキラァアアアア……


スター「キラキラ輝く、星のアイドル! キュアワンダリングスター!!」ビシッ

サン「太陽さんさん! 照り返す海のアイドル! キュアパーフェクトサンッ!」キラーン

ムーン「月光に冴える、白銀のアイドル……! キュアミッシングムーン!」シュタッ……


スター「夢と現を駆け巡る……天空の妖精(フェアリー)!! 私達はっ」

三人「「スペースアイドルプリキュア!!」」



コスモス「光の使者、キュアコスモス!」ポワァアン

エージェント「光の使者、キュアエージェント!」キュッピピピピーン!

二人「「ふたりはプリキュア! グルーヴィーチューン!!」」


ウッウー「キラメキラリン! はいたーっち! いぇい! で、キュアウッウー!」ピョンッ

ドーダイ「んっふっふ~、はじけるヘロモンの香りっ! キュアDo-Dai!?」クネンッ

ウッウー「私達っ」

ドーダイ「ワンツ→テイルズ!」

ウッウー「えっ」

ドーダイ「あっ」

ウッウー「じゃなくて」

二人「「ファンキーノートプリキュア!!」」


ドリーム「大いなる夢の力! キュアスタートドリーム!!」キララリィーン

ソング「天空に歌う蒼い鳥……! キュアソングプリンセス!」ファサッ


ドリーム「夢へ羽ばたけ!!」

二人「「ハニーサウンドプリキュア!!」」



ラブハート「みなぎる愛!! キュアラブリーハーーーーート!!」ルンルルルン!

ファウンテン「英知の泉? キュアファウンテン……!」スタッ……

スプラウト「ひだまりりゅんりゅん! キュアスプラウト!」リュンリュン!

三人「「ディアリースターズプリキュア!!」」


妖精「伝説の戦士達が……勢ぞろいプロ!!」

ドリーム「夢を届けたい!」

ラブハート「輝きたいっ!!」

エージェント「だから!!」

スター「私達はアイドル!」

ソング「そして!」

「「プリキュア! ワンフォーオールスターズ!!!」」キラキラキラァッ……


ローゼン「なんという……神々しき団結の光……!」

レオン「これが…………この世界の、夢」



ドリーム「私達の……ううん、みんなの、みーんなの夢!!」

ソング「その想いの力を、受けてみなさい!」


「「オールスタァアーードリームバーストォオオオーーーーー!!!!」」

ピカァアッ

ローゼン「ばかなっ! アカシックレコードには、こんなっ、こんな結末などっ」


ズォオオオオッ……ドガゴゴォオオオオオオオオオオオオン!!!


ズサァアアッ

ローゼン「…………ぅ……うぅ、我は、いったい、なにを」ドサァッ……

ムーン「貴方もまた、強硬派の操り人形に過ぎなかったのですね……」


レオン「……さすがに、アタシも負けを認めざる」

「そんなことはありませんよ?」

レオン「っ! キミは」

謎の女「まだまだお仕事、頑張って下さいね!」

レオン「そうやって戦意を失った彼女を無理矢理戦わせたのか!」

謎の女「私はただ、お手伝いをするだけです。……戦うために生み出された、あなたのような人の、ね?」

レオン「! ……ふふ、はははは! ……オーバーランクだ、などと浮かれていたが、所詮はアタシも駒の一つ、ということかい?」

謎の女「さ、どうぞ!」スッ……

レオン「…………いいだろう。戦い、争い、傷つけることが……存在意義だと言うのなら!」

ゴクッゴクッゴクッ……

ぅううううぉおおおおおおおおおおおお!!!


グゴゴゴゴゴゴゴゴゴ……

ドリーム「な、なにっ!?」

サン「すごい地響きだぞ!!」

ドーダイ「は、はるるん! あれ!!」


オッドアイの魔獣「ォオオオオオオオオオオオン!!」


ウッウー「はわわっ! ドラゴンさんですかーっ!?」

スプラウト「まさか、あれって……」

ドリーム「レオン……!?」

魔獣「グゥウオオオオオオオオン!!」ビュォオオオッ

ズガァアアアアアアッ!!

ファウンテン「ひぅっ!!」

ラブハート「ファウンテンさん!!」

エージェント「コスモス! 大丈夫!?」

コスモス「う、うんっ、なんとかっ……」

サン「あんなでっかい相手、どうしたらいいんだ!?」

魔獣「グガォオオッ!!」ドカァアン!!

スプラウト「ぐぁああっ!」ドタッ……

スター「スプラウト!!」

魔獣「オオオオン!!」ビュゥウン!!

ソング「くっ……! ディーヴァプロテクション!!」ガキィイイン

グググググゥッ…………バリィイン!!

ソング「きゃあああっ!」ドタァッ

ドリーム「ソングっ!!」

エージェント「たぁああ!」バシィイ

魔獣「グルルゥウウウウ……」

コスモス「き、効いてないですぅ」

ドーダイ「このままじゃまずいよにーちゃぁん!」


魔獣「グォオオオオオオオオ…………ガァアアアアア!!」ビカァーーーッ!!

チュドォオオオオオオオオン!!

うわぁあああああ!
きゃぁああぁああああ!


ドサッ……ドタッ、ガクッ
ヘタン……

ラブハート「も、もう……だめなんだ…………ぅ、う」

ドリーム「まだ……だよ」

ラブハート「スタートドリームさん……」

ドリーム「私達は……あきらめたり、しないっ」ヨタッ……

ソング「そうよ、私達を……信じてくれる人達が」ググッ

ウッウー「私達が、信じる人達が!」

ムーン「仲間達が、いる限り……!!」


ドリーム「絶対……負けないからっ」ニコッ




「その通りだっ!」カッ

スター「な、なんなのっ!?」

サン「見ろ! 逆光の中に!」

ムーン「三人の……人影が……」

「誰もがあきらめかけるときも、笑顔を忘れない。それがアイドルっ!!」

ドーダイ「い、いったいどちら様だYOー!」

「アタシか? アタシは……ピンチには必ず現れる……通りすがりのアイドルだ! 覚えておけ!」

「そして私は、愛の切り札!」

鮮烈な衣装纏いし美女「キュアレジェンド!!」ババァーン!

「同じく、愛の戦士!」

過激な衣装纏いし美女「ワンダーモモ!!」ズバァーン!


ムーン「まさか……あのお二方は」


『いかん! そいつらを園内から排除しろ!! 今すぐに!!』

妖精「……え?」

レジェンド「さぁて……よいっ、しょっとぉ!!」ガシィッ……ズボオオオ!!

コスモス「ひぃいいいい!! 観覧車を引っこ抜いたよぉ!!」

エージェント「しかも……片手で持ち上げて!」

『よせぇ! やめろぉおお!!』

レジェンド「どっ……せぇえええええええい!!」ギュォワッ!!

ズドガゴォオオオオオオン!!

魔獣「ギャアアアアア!?」



謎の女「ちっ……やつらまで出しゃばってくるとは、もう一度強化を」

モモ「させないわよ! それっワンダーリング!!」ビュオン!

謎の女「ぐぁっ! こいつっ!!」

モモ「ブランクはあっても、私だって夢を届けるアイドルの端くれ! あなたを押さえるぐらいやってみせる! ワンダーショット!」バシュン! バシュン!

謎の女「くそっ! ここは退くしかないようね……さらばよ!」ヒュオンッ

モモ「あれは……UFO!? 彼女はいったい……」


「しっかりしろ! ローゼンブルクエンゲル!」

ローゼン「ぅ……貴殿は」

「ここはアタシと一緒に避難するんだ。さぁ、掴まって!」

ローゼン「……すまない。小さき英雄よ……」

「気にするなよ。……アタシにはまだ、これぐらいしかできないからさ」

ローゼン「……優しさ、か」



スター「今だよ! みんな!! みんなの力を、スタートドリームに集めるの!!」

「「おぉー!!」」

キュォオオオオン……ピカァアアアアアアア


……夢、希望、勇気、愛、みんなの想いを掻き抱いて……!

赤き羽衣を纏いし乙女「プリキュア……マスターオブドリーム!!」キラキラァアア……


魔獣「グ、ォオ……オオオォン……!」ググゥッ

レジェンド「さぁ! ゲームオーバーよ!!」

マスター「はぁあああああ!! ……全ての光を、今ここに!!」ギュォオオオッ


マスター「プリキュアッワンフォーオール……アイドルアルティメイトバーストォオオオオオオオオオオオオオオ!!!」

カッ…………ドワォオオオオオオオオオオオオ!!!


グォオオオオオォォ……ォォオオオオン…………

ドシャアァァァ……


……



……

チュンチュン……ピヨピヨピヨ……


レオン「ぅ…………あお、ぞら?」

レオン「なぜ、アタシはまだ生きて……」ムクリ


ラブハート「よかった……ぶじ、ですね」ボロッ……

レオン「!? キミはっ……アタシを助けたのか!? なぜ!!」

ラブハート「言ったじゃ、ないですか。……これが、あたし達の」

レオン「アタシは、過ちを犯したんだ……! 自らの力を傲り、キミ達を傷つけた! アタシはここで消えるべきだったんだ。まして、キミが命をかけてまでっ」

ラブハート「いいんですっっ!!」

レオン「!?」

ラブハート「アイドルはっ……いっぱい失敗して! いっぱいへこんで!! いっぱいいっぱい泣いちゃっても!!!」

レオン「なに……」

ラブハート「また起き上がって…………もういっかい、ううん、何度だってトライすればいいんですっ!! そうすればっっ」

レオン「……ラブリーハート……日高、愛……」

ラブハート「最後はきっとみんな笑顔で……」

パシュウン……

愛「はなまるでぇええええええーーーーーーーーーーーーーーーっす!!!!!!!」


バッタァン!!

レオン「!! お、おい日高!?」

……zzZ……zzZ

レオン「寝て……る?」

レオン「ぷっ………………あはは……ははははははははは! ……そうだな。アタシも、キミみたいに輝きたいと思うよ。」

レオン「……1から出直しだな。……今度こそ、自分の想いで…………生まれ変わって、全てのアイドルを超えた、オーバーランクになってみせる……!!」グッ

レオン「その時には…………この借りは必ず。それまで、さらばだ……伝説の戦士達よ!」バサァッ……シュゥン!




舞「……さすがは私の娘ね。あなたのおかげで……世界は今日も、ウルトラハッピー♪ さて、じゃあ私達は引き続き大遊園地を楽しみましょ!」

桃「はぁ……元気ね。こっちは久々の変身でくたくたなんだけど。こんなことなら桃子も連れて来るんだったわ……」

舞「いいじゃないせっかく大人だけで集まったのよ? ぴよや社長達も合流する予定だし、そのまま夜は飲みなんだから! バテてらんないわよ~」グイグイ

桃「ひぇぇええ……飲みだけでいいよぉ……」ズリズリ……



……

黒井「……全く! とんでもない助っ人を呼んでくれたものだな。あれではどちらが侵略者か分からんぞ!」

「……吾輩が呼んだのは小さなヒーローただ一人なのだ。残りはおまけなのだ」

黒井「あれぞ! あれぞまさしく大迷惑な存在というのだぞ!!」

「恩に着る必要はないのだ。世界を征服するのは我々。あんな連中に先を越されたくなかった……それだけなのだ」

黒井「人の話を聞け!!」

ピピン「まぁいいじゃねぇか。あのラストバトルを見てた人達の夢エネルギーで、フェアリーランドは元通りになったんだからよ」

ほくほく「けど、そもそも大遊園地は人々の夢の力を蘇らせるために、夢エネルギーで造った、いわば第二の妖精世界、その先駆けだ」

しょうたん「それが初っ端からこの調子じゃ、先が思いやられるよねー」

黒井「むぅう……」

ほくほく「それに、アイドル達の救出にも協力して下さったのでしょう? 感謝こそすれ、八つ当たりしても仕方ないですよ」

「ふん。Ellieをも閉じ込められては、我々にとっても大迷惑だからな」

ピピン「つーかよ、文句なら直接言えばいいだろ。破壊活動をした張本人によ」

黒井「む、ぐ、ぐぐぐ…………」

「では、吾輩はそろそろ失礼させてもらう」

黒井「どこへ行く。この世界で貴様の居場所など」

「さて、人はみな旅人。吾輩もまだ、旅の途中なのだ」

カツ、カツ、カツ、カツ……

……ちょっとどこ行ってたのよ! アンタはアタシと一緒に世界征服するんだから、寄り道なんて

……すまなかったのだ。あっあっマント引っ張っちゃダメなのだ待つのだレイナサ

ピピン「行ったか……」

黒井「大迷惑なやつだったな……」


……



……

貴音「……終わりましたか」

響「貴音……あのローゼンなんとかって人、もしかして」

貴音「……はい。わたくしの故郷と、関係のある人物です。立場として言えば……妹、と申しても、差支えないかと」

響「やっぱり……。これでよかったのか? 自分、なにもできなくて」

貴音「そんなことはありませんよ、響。……響の言っていた通り、わたくしたちの仲間は、闇の中にあった彼女の心さえも溶かしました。きっとこれからも、何事か、面妖なことが起こることでしょう。しかしそのたびに必ずそれを乗り越えられると、わたくしは信じております。……響が、わたくしと共にある限り」

響「へへっ……そうだな。自分に任せといてよ! なにしろ自分」

貴音「完璧、ですからね」

響「あっ……うがーっ! 貴音が自分の台詞とったぞー!」

貴音「ふふっ」


美希「ねー二人共、こんなとこで何してるの?」

響「あっ! 美希! ひどいんだぞ貴音ったら」

貴音「はて?」

美希「あふぅ……なんでもいいけど、一緒にアトラクション行こ? 結局午前中は遊べなかったし。このソンシツを取り戻すベキだって思うな」

響「そうだな。じゃあまずは…………あそこなんてどうだ!」

美希「えっ? あれ…………お化けやしき?」

貴音「」

美希「うんっいいよ! ハニーも誘ってくるね!」

貴音「おま、お待ちなさい美希響」

響「貴音も楽しみだよね! お化けやしき!」

貴音「いいけません響それだけはそれだけはどうか」

響「だーいじょぶだって。自分、何があっても貴音を守るからさ! 自分がいれば大丈夫なんでしょ?」

貴音「響、響違うのですそれとこれとは全く別の」

美希「連れてきたよー! さっ行こ!」

P「おいおい引っ張るなって……」

美希「こわーいお化けが出たら、ちゃんと守ってね? ハニー!」

P「ははっ、あんなに強い美希を、俺が守れるかなぁ」

美希「むー、そういう問題じゃないのー」

貴音「いけませんいけいけま面妖な面妖な」ズリズリ

響「ささっレッツゴー!」グイグイ



はやぁあああああああ!!!
きゃーハニー!
クッツクキスギダコラ! ムネガアタッテッ……
ダゾダゾ
ナノー






END


前回
美希「星井美希だよ!」亜美「んっふっふ~ではミキミキですな?」

前々回
春香「天海春香です!」美希「ふぅん……じゃあハルハルだね」



ここまで読んで下さった方に、心からの感謝を。
ありがとうございました。


……

<次回予告(嘘)>

「おのれチヒェイド! デレマスの世界のみでなく、アイマス世界、そしてプリキュア世界すらも破壊するとは!!」

「吾輩のアイドルにライブバトルを仕掛けるとは、大迷惑な存在なのだ」

「とうとうこの日が来たのよ! このレイナサマが、大ショッカーの大首領として、世界を征服する日が! ひれ伏しなさい愚民ども! アーッハッハハァッゲホッゲホォッ」


「アイマスの歴史が狂ってしまった……存在しないはずのアイマス3……」

「……翼もがれしこの我が……アイドルに? ……そうか、其方は「瞳」を持つ者か」

「オーバーランク? チッチッチ……だが日本じゃあ、二番目だ」

「ズンボガンボ」

「プロデューサー……見てて下さい、アタシの……」




スーパーヒーロー大戦SP! アイドルマスター3号!!

乞うご期待!!


このSSまとめへのコメント

このSSまとめにはまだコメントがありません

名前:
コメント:


未完結のSSにコメントをする時は、まだSSの更新がある可能性を考慮してコメントしてください

ScrollBottom