聖杯戦争 ?学園都市編? (82)
前スレで設定をミスってもう一度立て直しました。
禁書側では第三次世界大戦後、fate側は第四次聖杯戦争。
時系列に矛盾がありますが突っ込んだら負けと思ってください。
初SSです。捏造と矛盾たっぷりです。
禁書側は原作新訳以外読破済み、fate側は原作読み進めながら書いてます。
一応スレ立てしますが投下は今夜9時?10時頃。
よろしくお願いします。
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1360234163
投下します。
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目当ての女性の面影は、すぐに見分けがついた。
「やあ、久しぶり」
「あらーー雁夜くん」
慎ましい愛想笑いに口元を綻ばせながら、彼女は読みかけの本から目をあげた。
窶れたーーーそう見て取った雁夜にはやるせない不安に囚われる。今の彼女には心痛の種があるのだろう。
原因を問いただし、力を尽くしてその”何か“を解決してやりたいが、雁夜にはできない。
遠慮のない親切を尽くせるほど彼女に近しい立場ではなかった。
「三ヶ月ぶりかしら、今度の出張は長かったのね」
「ああ…まぁ、ね」
旧友に会いにいくため、イギリスに行ったなんて言えるはずもなく、いや、旧友というのは語弊があるのだろうか。彼にとって”彼ら“の事を旧友と呼ぶには少し違う気がする。そんな言葉で説明できないややこしい関係だったのは事実だろう。
気まずい雰囲気にならないようにするため、他の会話相手を捜す。
そんな中、一人の女の子が駆け寄ってくる。
ーーー遠坂凛。まだ幼いながらも母親譲りの美貌の兆しを見せ始めていた。
「凛ちゃん」
「カリヤおじさん、おかえり!またオミヤゲ買ってきてくれたの?」
「これ、凛、お行儀の悪い…」
雁夜は、隠し持っていた二つのうち片方のプレゼントを差し出す。
「わぁ、キレイ…」
「おじさん、いつもありがとう。これ大事にするね」
「はは、気に入ってくれたのならおじさんも嬉しいよ」
そして、もう片方のプレゼントを受け取るべき相手を捜す。
「なあ、桜ちゃんはどこにいるんだい?」
途端に凛の表情が曇る。
「桜はね、もういないの」
硬く虚ろな眼差しのまま、棒読みの台詞のようにそう答えると、それ以上雁夜に何か訊かれるのを拒むかのように走り去った。
「……」
不可解な言葉に戸惑う雁夜。
「どういうことなんだ…?」
「桜はね、もう私の娘でも、凛の妹でもないの」
とても乾いた口調。
「あの子は、間桐の家にいったわ」
マ、トウーーー!!
忌まわしい程に親しみ深いその呼び名が雁夜の心を抉った。
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二度と見ないと思っていた故郷の景色の中、雁夜は足早に歩を進めた。
結局、あの後の会話は全く耳に入らなかったが、それでも話の最中に彼女が見せた涙を雁夜は見逃さなかった。
その事実で十分だった。
『…それでいいのか?』
目を伏せる彼女に思わず投げかけた言葉。
これほど感情を露わにしたのは八年ぶりだった。
あの時も問うた。
年上の幼馴染に向けて彼女が遠坂の姓を得る日の前夜。
そして、
あの時も、
『それでいいのか?』
幼いながらにして十万三千冊もの魔導書を頭の中に持っている彼女。
禁書目録、インデックスに。
忘れもしない。
ステイルと神裂と共に見守ったインデックスが記憶を消す日の前夜。
だが彼女は、
『…いいんだよ、かりや。今までありがとね』
困ったように、申し訳なさそうに、それでもはにかみながら頬を紅潮させながら小さく彼女は呟いた。
そして今、再びインデックスと同じように苦しんでいる人がいる。
雁夜は思う。
「(あの時…あの時に、『それでいいのか』と問うのではなく、『それはいけない』と断じるべきだった…!)」
雁夜の胸に抱くのは悔恨の念。
二度ならず三度まで。同じ言葉を間違えた。
そして雁夜は三度の過ちを重ねた自分を罰するため、決別した過去の場所へ戻ってきた。
十年の時を経て、間桐雁夜は再び生家の門前に立った。
(もう、もどれない)
今日はここまで。
一応参考にしているSSは『とあるフラグの天使同盟』です。
有名なので(笑)
コメントしてくれてる人にひたすら感謝していますのでアドバイスなどお願いします。
ではでは
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