明石さんと整備員 (90)
整備「……」ガチッ……ギチギチッ
明石「とぅーとぅーとぅるっとぅん♪とぅっとぅとぅるるるるん♪」ガチャガチャ
整備「……」チュイイイイイン!!
明石「とぅーとぅーとぅるっとぅん♪とぅんとぅるとぅん♪」ッカーン!
整備「明石」スッ
明石「はい?」
整備「……」じっ
明石「……」
整備「……」フイ
明石「はい……」
整備「……」カーンカーンカーン
整備「……」ガチャガチャ、ヂュイイイイイン!!
整備「……?」チラッ
明石「……」カチャカチャ
整備「……明石」
明石「はい?」
整備「声は抑えて」
明石「……!」パァ
明石「とぅるっとぅるっとぅるっとぅるっとぅるっとぅるっ♪とぅーとぅーと」
整備「明石」
明石「はい」
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明石「うーん」
整備「どうした」
明石「名前を考えてたんです」
整備「名前?」
明石「ほら、明石って名字あるじゃないですか。私、解体されても明石は名乗るつもりですから、名前を考えておこうかと」
整備「そうか」
明石「何か似合いそうな名前あります?」
整備「さ「さんま以外で」
整備「……」
明石「……」
整備「すまない……」
明石「いえ……」
明石「整備さんって、絵は描けます?」
整備「……図面なら」
明石「絵の話をしてるんです!」
整備「……明石は描けるのか?」
明石「もちろん!設計図から絵画まで、明石に任せてください!」
整備「そうか」
明石「……」
整備「……」
明石「ちょっと!今のは描いてくれって頼む流れじゃないですか!」
整備「……じゃあ」
明石「じゃあ、って……。まあいいです!お見せしましょう!はい!」ペラッ
整備「既に描いてあるのか……」
明石「どうです!」
整備「これは……?」
明石「駆逐イ級です!」
整備「ああ……そう……」
明石「まあ、私の絵は特別ですからね!秋雲も『前衛的』って言ってましたし、一目でわからないのも無理はないです!」フンス
整備(秋雲……)
――工廠裏・喫煙所――
整備「……」スパー
提督「おっすー」
整備「あ、これはどうも……」
提督「んしょ、と……改修はどうだった?」ゴソ…ゴソゴソ
整備「五連装酸素魚雷は成功しましたが、三式ソナーは……」シュボッ
提督「そっかー。まま、気長にいこう!改修資材はまだまだある」ア、アリガト
提督「……ふぅ~!生き返るぅ~。……何吸ってるんだっけ?」
整備「ハイライトです」シュボッ
提督「渋いねぇ、俺なんてキャスターだよ?」
整備「……以前はキャビンだったように記憶してますが」
提督「それがさー、駆逐連中から臭い臭いの大合唱!曙に折檻された果てに、銘柄の指定が入ったよ」ヤレヤレ
整備「キャスターはバニラの香りが強いからまだマシ、ということでしょうか」
提督「吸ってる側はまったくバニラの匂いしないけどな」ハッハッ
明石「またタバコ吸ってるんですかぁ?」ヒョコッ
整備「ああ」
提督「やっほ」
明石「健康に悪いですよー」
提督「だいじょぶだいじょぶ、潮に泣かれてから月に5箱も吸わなくなったから」
明石「程度の問題じゃないですってば」
提督「っかー!喫煙者も肩身が狭くなったもんだな!」プハー
明石「ちょっと!こっちに吐かないでくださいよ!」
提督「喫煙所に来て言うセリフじゃねえなあ」スッパー
明石「ちょっと!もー!」パタパタ
整備「提督、その辺りで」シュボッ
提督「こんなことばっかりするから折檻食らうんだよな」ハッハッ
整備(潮が泣いた原因もそれなのでは……)
明石「分かってるなら自重してください!」
提督「やれやれ、女所帯の辛い所だな。……明石は何をしに?」
明石「え?いや、その……整備さんが遅いので……」
提督「ふーん……今何本目?」
整備「15本目です」
提督「吸いすぎィ!!」
整備「程度の問題ではありません」モクモク
明石「ありますよ!?」
明石「整備さんって私が居ない間は修理や開発できませんよね?」
整備「人間だからな……」
明石「建造も妖精が担当してるし……報告書の作成や工具のメンテナンスが終わったら暇になりますよね?」
整備「まあ……」
明石「私が酒保にいる間、いつも何してるんです?」
整備「……妖精と、将棋を」
明石「あー、それなら時間も潰せそうですね。妖精って強いんですか?」
整備「勝ったことは……ない」
明石「へえー負け無しですか。強いんですね妖精さんって」
整備「いや……負けたことも無い」
明石「?私が酒保にいる時間内じゃあ勝負がつかないんですか?」
整備「いや……」
明石「?」
整備「大局将棋だから」
明石「まだ一局目!?」
夕張「こんにちはー!兵装データ、持って帰ったわよ!」
明石「おかえりなさい!」
整備「おかえり」
夕張「ただいま!改修と未改修の三式ソナーのデータ差分はこれね、こっちは爆雷とのシナジーデータ」ペラッ
明石「ありがとうございます!」
整備「いつも助かるよ。夕張がデータを持ってくるから開発もはかどる」
夕張「なんのなんの!データ取りが生きがいだからwin-winってヤツよ!」
整備「後は無傷で帰ってくれば言うこと無しなんだけどな」
夕張「そこはホラ、ご愛嬌ってことで」
整備「しょうがないな……ほら、ドックは空いてるから」
夕張「はーい!兵装実験艦夕張、入渠します!」
明石「……」
整備「……どうした?」
明石「整備さんって、私以外の人だと普通じゃないですか?」
整備「……いつも普通だと思う」
明石「なんというか……私相手だけ無愛想じゃありません?」
整備「……そんなことはない」
明石「……なんです?その間は」
整備「……怒ってる?」
明石「怒ってないです!」
整備「そ、そうか……」
明石「酒保の方に行ってきます!マルゴマルマルには戻ります!」スタスタ
整備「……」
夕張「あーサッパリぃー!……あれ、明石は?」
整備「今は酒保の方に行ってる」
夕張「ふーん……。で、整備さんは?」
整備「開発は終わったし、妖精さんは建造中。修理する艤装は特にないから」
夕張「暇なんだ?」
整備「まあ、そうなるな」
夕張「じゃあ夕張とお話しましょ!私も暇なの!」
整備「いいよ。珈琲でも入れよう」
夕張「ありがとー!それじゃあ……何か話題ちょうだい」
整備「俺が振るのか……」
夕張「ほらほら、早く早くー」
整備「そうだな……。夕張から見て、俺は無愛想に見えるか?」
夕張「え?そんなことないけど……何で?」
整備「明石に無愛想だと怒られてな……」
夕張「なに、ケンカ?」
整備「という程のものでもないと思うんだが」
夕張「普段の二人の会話を見てないから何とも言えないけど……無愛想だったの?」
整備「まあ……自覚はある」
夕張「明石が苦手なの?」
整備「そういう訳ではないんだけどな」
夕張「じゃあなんなの?」
整備「何というか……その……な?」
夕張「何よ、そこまで言って言わないのはナシよ?」
整備「う……いや、なんだ。明石相手だと言葉が詰まるというか……。もういい、この話やめ」
夕張「ん……ん~?おや?おやおやぁ?」ニヤニヤ
整備「なんだよ」
夕張「キャー!良いこと聞いちゃったー!やっぱするなら恋バナよねー!」
整備「声が大きい!静かにしろ!」
夕張「あっはっは!慌てちゃってかわいいー!」
整備「途端に元気になりやがって……艦とはいえどやはり女だな」
夕張「さっそく作戦会議ね!」
整備「聞く耳持たずか……」
夕張『結局のとこ、愛想よく話せば解決なんでしょう?』
夕張『意識するな、って言っても無理だろうし、とりあえずハイテンションで接せばいいんじゃない?』
夕張『自分で「あ、これちょっと調子乗りすぎかな?」ってぐらいでちょうどいいわよ!』
夕張『提督や鈴谷の言動を意識してみたらいいんじゃないかしら?』
夕張『私は工廠裏でこっそりのぞいてるから、頑張ってね!」
整備(ハイテンション……提督……鈴谷……調子に乗る……)
明石「戻りましたー」
整備「おっすー!遅かったじゃん!」
明石「!?」
整備「珈琲入れるけど飲む?酒保にカンヅメだったんでしょ?」
明石「え、あの……」
整備「何?それとも先に食堂行ってる?後で出撃艦隊帰ってくるし、今のうちに腹ごなしも悪い選択じゃあないけどな!」
明石「……」
整備「……」
明石「……あの、いつものトーンで大丈夫です……」
整備「……うん……」
明石「なんか、その、ごめんなさい……」
整備「いや、いいよ……」
夕張(うわぁ……うわぁだわコレは……)
夕張(でも……)
夕張(こういうの覗くの、超楽しいのよねー!)
青葉(わかる)
夕張(!?)
明石「あ、あの、さっきはごめんなさい。無愛想とか……」
整備「いや、無愛想なのは事実だから……」
明石「……なんで私だけなんです?私、何か……」
整備「そうじゃない、そうじゃなくて」
整備「……こう、どう明石相手だとどう話したらいいか、というか……」
明石「私……面倒、ですか?」
整備「違うんだ!そうじゃなくて……」
整備「目を合わせ辛い、というか、照れるというか……」
明石「……あ」
整備「……」
明石「あー……わ、忘れ物したんで酒保行ってきます!///」ダッ
整備「……」
夕張「ひゅう~♪やるじゃない整備さん!」
整備「逃げられてるんだが」
夕張「私の方からは顔を赤くして走り去る明石がバッチリ見えたわよ!」
整備「走り去りたいのは俺の方なんだがな……エラい目にあったぞ夕張」
夕張「まさかいい年した男が思春期の学生みたいなマネするとは思わなかったから……」
整備「……返す言葉も無い」
夕張「でもま、いいんじゃないかしら?後は夕張に任せて!」
整備「これ以上は突つかないでもらいたいんだが」
夕張「女の子の恋バナ心に火を付けた整備さんが悪いのよ!こればっかりは聞けないわ!」キラキラ
整備「……本当に程ほどに頼むぞ」
夕張「はーい!兵装実験艦夕張、出撃よ!」
整備「……」
――――鎮守府・酒保――――
明石「はぁ~……!」
明石(びっくりしたぁ……さっきのってもしかしなくても、だよね……)
明石(こういう時なんて言うんだろ。……脈アリ?……脈アラレ?)
明石(うー……工廠に顔出しづらいなあ……)
夕張「あーかしっ!」ヒョコ
明石「うわっ!夕張!?」
夕張「何カウンターでボーっとしてんの。魔女宅のジャケット撮影でもしてるのかしら?」
明石「判りづらいですよそれ。何か入用ですか?」アハハ
夕張「たまたま寄りかかっただけ。でも明石、深いため息なんてついちゃって何悩んでるの~?」
明石「いや、別に悩んでるわけでは」
夕張「この時間は工廠のはずでしょ?整備さんと喧嘩でもしたの?」
明石「っ……いや、喧嘩ではないんですけど……」
夕張「何かあったのね?……はっは~ん、さては愛の告白でもされた?」
明石「ッ!?」ガタッ
夕張「えっ図星!?キャー!」
明石「声が大きいです!静かに!」
夕張「は~い」ヘラヘラ
夕張(こういう所は二人とも似てるのよねー)
明石「違うんです、いや、違わなくはないけど、でも……」
夕張「まあまあ、話してごらんなさい」
夕張(あとこうやって煮え切らない感じも)
―――――
――――
―――
――
―
夕張「なるほどねー」キラキラ
明石「うう、恥ずかしい……///」
夕張「私が見たところ、それは脈アリね!間違いないわ」
夕張(本人から聞いたし!てか見てたし!)
明石「やっぱりそうかなあ……うう……」
夕張「で?どうなのどうなの?」
明石「え……?」
夕張「明石はどうするの?気付かなかったことにもできるラインだけど?」
明石「そんな器用なことできないですよぉ……///」
夕張(うわぁ……乙女だぁ……)キラキラ
明石「何をそんなに面白がってるんですか……」
夕張「面白がってるんじゃないの、嬉しいのよ」
明石「嬉しい……?」
夕張「いい明石?一隻の艦で、一人の人だから、私たちは艦娘なの」
夕張「私たちは軍艦ではないし、かといって人間でもないの。あなたも分かるでしょう?」
夕張「でもその私たちを、軍艦と認めてくれて、同時に女性と認めてもらえるっていうのは」
夕張「『艦娘』にとってはこの上ない幸せなんじゃないかってこと」
明石「……」
夕張「ま、私たちが人の形をとった以上、私たちにも好みが生まれてしまったから……」
夕張「嫌いなら嫌いで、良いんじゃないかしら?その時は私、整備さん狙っちゃうから!」
明石「えっ!?」
夕張「整備さん、私結構好きよ?いい人だし、兵装もデータも大事に扱ってくれるし」
明石「う……」
夕張「別に、特に意識してなかったんでしょう?無理する事はないのよ、好きじゃないなら好きじゃないで」
夕張(私相手に無意識で嫉妬してる段階で、ほぼほぼクロだけど)
明石「だ……けど……」
夕張「だけどぉ~?」ニヤニヤ
明石「う……うう~~~~~!!」グス
夕張「あわわ、ごめんごめん!いじめすぎちゃった」ナデナデ
明石「キライ……キライです!」フイ
夕張「ごめんってば~!」ギュー
――工廠――
夕張『しっかり目を合わせて、いつも通りにね』
夕張『変に意識しちゃうと気まずいからね!』
夕張『ささ、行った行った!』
明石「……」
明石「も、戻りましたァ!」
明石(声、裏返っちゃった……///)
整備「……」
明石「……整備、さん?」
整備「……」
明石「……?」
整備「……」スーッ
明石「寝てる……?」ヒョコ
整備「ん……」スーッ
明石(これじゃ目も合わせられない……でもちょうどいいのかも)
明石「……」ススッ
明石「……整備さーん」ボソッ
整備「……」スーッ
明石「……」
明石(好き……)
明石(そう思ってくれてるんだよね、整備さんは……)
明石(私は……)
明石(夕張と整備さんが話してる時、無性に心がささくれ立って)
明石(整備さんに無愛想だと怒ったけど、本当は違ってて)
明石(あの時本当は、整備さんと会話してる夕張に嫉妬してた)
明石(いつも工廠に一緒にいるのに。いつもお話してるのに。どうして夕張のほうが、楽しそうにお話してるの。って…)
明石(やつ当たりもいいとこだなぁ……)
明石(でも、私はそう思った。思ったんだ。ということは。私は)
整備「ん……」モゾ
明石「……」つん
整備「んぅ……」グニ
明石「……」キュン
明石「私は……」
妖精「私は?」
明石「ひやああああああ!?」ガタッ!
整備「敵!?敵襲!?敵!?いってえ!!」ガッシャーン!!
明石「あぁっ!整備さん!」
妖精「……あかしぃも整ちゃんも何やってるの?建造、終わったよー」
明石「いや、その……」
妖精「……」
妖精「整ちゃん、建造終わったし、居眠りの罰として提督に報告に行ってくれない?」
整備「う……了解」
妖精「駆け足!」
整備「しかたない」タッタッタッ
妖精「いってらー」フリフリ
明石「……」
明石「……」
妖精「さて……あかしぃ?ここ工廠だから、そういうのは妖精がいないところでやりなよ?」
明石「う……」
妖精「みんな建造しながら見てたよ?」
明石「……///」ボンッ
妖精「……整ちゃんいいヒトだよね。必死に妖精や艦娘の仕事に食らいつくし、……確かに明石には、口下手だけど」
妖精「うん、普通に優良物件だね!妖精の太鼓判なんて珍しいよ?レアリティで言えば彩雲くらい?」アッハッハ
明石「う……」
妖精「明石はどう?彼の事」
明石「私、は…………」
明石「好き……かも……です」
妖精「……そう?」
明石「……///」
妖精「ま……頑張りなよ?応援してるよ、いち妖精として。君たち艦娘の親として、ね」
明石「はい……///」
妖精「さ、仕事に戻ろうか」
明石「……はい!」
整備「戻りました」
妖精「おかえりー!なんだって?」
整備「解体・改修・編入の処分は工廠に一任すると」
妖精「おっけーい、じゃあお披露目と行こうか!」
バサッ
那珂「艦隊のアイドル、那珂ちゃんだよー!よっろしくぅー!」
整備「……」
明石「……」
妖精「……」
整備「資源の帳簿、つけときます」
妖精「うん、お願い」
明石「じゃあクレーン動かしますね」
那珂「えっ!?那珂ちゃんまだデビューもしてな」
カーンカーンカーン
ネタ切れにつき本日は更新終了。
たった23レスに2日かかりました。物書きがここまで難しいとは。
初投稿につき、文章に過不足があればご指摘ください。
最後は既に書いてあるので、完結はお約束いたします。
明石「整備さんって何か音楽聴きます?」
整備「音楽……ジャズは好きだ。まれに外へ聴きに行く」
明石「へぇ~!ジャズだなんてハイカラですねー!」
整備「……そうか?」
整備(ハイカラ……?)
明石「整備さん、見かけによらず流行に敏感なタイプですね!」
整備「そうでもないと思うが……明石は何か聞くのか?」
明石「そうですねえ……東海林太郎とか」
整備「……ん?」
明石「あとは笠置シヅ子とかですかね~」
整備「……そうか」
明石「……?なんです?」
整備「……いや、生まれを考えると、そうなるな、って……」
明石「?」
――マルヨンマルマル・工廠――
整備(そろそろ日の出か……これで三徹目に突入だな)バチバチッ!ガンッ!ガンッ!
整備(夜戦は結構だが……帰投は日を跨ぐし、整備組は連日徹夜を強いられる……)ボオォォォォォォ!!
整備(眠すぎて頭が痛い……辛い……)ガンッ!ガンッ!
明石「―――っ!」
妖精「―――っ!」
整備「……ああ?」
明石「ねえなんでそんなことしたの!?おかしいでしょ!?」
妖精「あかしぃ、聞き分けなよ。もう決まったことなんだから」
整備「……なんの騒ぎだ?」フラフラ…
明石「あっ!整備さん聞いてくださいよ!本当に信じられない!」
整備「……なんだ?」
明石「今、妖精さんが炊き出しで作ったカレーの具が、豚なんです!」
整備「……」
明石「普通牛肉ですよね!?」
妖精「もう作ったんだから諦めて食べなよ……」
明石「どう思います整備さん!?海軍カレーに対する裏切りもいいところですよね!?」
整備「……」
整備「いいから仕事しろよ……」ヒクヒク
明石「アッハイ」
妖精(二人とも疲れてるなぁ……)イタダキマス
――――鎮守府・食堂――――
整備「……いただきます」
夕張「こんばんは!隣、いいかしら?」
整備「ん?ああ、どうぞ」
夕張「最近は明石とどうなの?」
整備「特に何も」
夕張「えーつまんない!そんなんじゃオーディエンスは納得しないわよ?」
整備「見せ物ではないのだが……」
夕張「デートに誘え!とまでは言わないけど、ちょっとくらい口説いてみたらどうなの?」
整備「できると思うのか……?」
夕張「口説くって言い方はアレだけど、要はちょっとしたとこを褒めたりするのよ。女の子にはそれが一番ね!」
整備「例えば?」
夕張「私服を着てたら『かわいいよ』って褒めるとか!明石、可愛いパジャマ着てるわよ?」
整備「……明石のツナギ以外の格好を見たことが無いのだが」
夕張「……まま、格好だけじゃないから。機会があれば口説いてごらんなさい?たぶん効果てきめんだから!」
整備「……覚えとく」
夕張「でも進展なしかー、つまんないなー」
整備「この間の一件で味を占めたなお前……」
夕張「うぇっへっへ」
明石「こんばんはー」
整備「ん……」
夕張「やっほー!明石、隣空いてるよ」ポンポン
明石「はい!お邪魔しますね?」スッ
整備「……」
夕張(あ、そっち……?)
明石「カツカレーですか?私もです!」
整備「……今夜も徹夜だから」
明石「やっぱり徹夜になりますよねえ……あ~!早く夜戦地獄終わらないかなぁ~!」
整備「……その為にも艤装を万全に、な」
明石「勿論です!今日も頑張りましょう!」
夕張(全く進展がないわけでも、ないみたいね?)フフ
更新終了。ネタ切れが早すぎる。
更新が苦し紛れ過ぎて日常パートとシナリオパートが混線してますね。
書いてると感覚がマヒして分からなくなります。
思いつくだけ日常ネタを続けた方が良いのか、とっとと最後まで行った方がいいのか
明石「……」ヂュイイイイイイ!!
整備「……」ギッギッ……ガチャッ
整備「……」
整備「明石、ちょっと」
明石「何です?」スッ
整備「ここの機関部の奥なんだが、持ち上げてみてくれ」ドンッ
明石「……あー、奥の配線が焼き切れてますね」ガチャ
整備「俺が左から持ち上げるからその間に配線し直してもらえるか?」
明石「了解です」ズイ
明石「……んん、もうちょっとそっちへ行けません?」
整備「俺の手はそこまで長くない」
明石「ですよね、ちょっと寄りかかります」ムニュン
整備「すぐ終わりそうか?」
明石「はんだ付け、通電確認、絶縁加工で、10分はかかりますね」
整備「片側から10分も持ち上げるのは厳しいぞ」
明石「じゃあ一旦私の後ろ側に回って両側から持ち上げてください」
整備「了解」スッ
明石「じゃ、はじめます」ジジジ…
整備「……」
明石「……」ジジジ…
整備「……」
明石「整備さん、機関部が下がってきてます」ジジジ…
整備「腕が伸びてると力が入らないんだよ……」グググ…
明石「私の手が潰れちゃいます。詰めますからもっと」スッ
整備「ん」ピト
明石「……」ピピッ
整備「……」グググ…
明石「……」ギチギチッ
明石「……はいっ!OKです!」
整備「っつぁ~!ああ、重かった……」ドサッ
明石「お疲れ様です……!?」クルッ
整備「……!?」
明石・整備(ち、近……!?)
整備「……!」ササッ
明石「……!」バッ
整備「……」
明石「……」
整備「……じゃ、俺は続きをやるから」クルッ
明石「はい!私は戻ります!」クルッ
整備「……」
明石「……」
整備「……」スンスン
明石「……」スンスン
明石・整備(汗臭くなかったかな……?)
妖精「何やってんのあの二人……」
――鎮守府・工廠――
明石「戻りました~」
妖精「おかえりー、あかしぃ頼んだヤツはー?」
明石「ありますよー、はい飴ちゃんです!」
妖精「よっしゃー!これで3日は戦える!」
明石「整備さんは、いつものハイライトのカートンですねー」
整備「どうも……」
妖精「あかしぃがいると酒保に行かなくていいから楽だねー」
明石「ちゃんと自分で買いに来て下さいよ、配給じゃないんですから」
整備「……」
妖精「お代は渡してるからへーきへーき!」
整備「……明石」
明石「そういう問題じゃないで……はい?」
整備「煙草……次から持ってこなくて大丈夫」
明石「そうですか?わかりました。ほら、妖精さんも見習ってください!」
妖精「飴くらい荷物にならないでしょー?」ヘラヘラ
明石「まったくもう!」
整備「……」
――工廠裏・喫煙所――
整備「……」スッ
提督「やあ、お先」スパー
整備「お疲れ様です」ペコ
提督「最近はどうよ?」
整備「夜戦続きで整備が大変です」シュボ
提督「たはは、手厳しい……申し訳ないとしか言えないなぁ」
整備「仕方のないことです」スパー
提督「サーモン沖は敵の戦力が厚くてね…夜戦で奇襲するのが精一杯で」
提督「艦娘はローテーションできても、裏方は人員が少ないからどうしても無理強いさせちゃうんだよな」
整備「仕方のないことです」
提督「そう言ってもらえると助かるよ。落ち着いたらまとめて休暇を出そう」
整備「期待はしないでおきます」
提督「言うじゃないのよー」ケラケラ
整備「喫煙所に上下関係は無いと仰ったのは提督ですので」スパー
提督「まあね。煙草くらい肩肘張らずに吸いたいよ。部屋に戻れば曙が待ってるからな」ハッハッ
整備「喫煙者は煙たがられるものです」
提督「違いない」スッパー
整備「……では、お先に失礼します」ジュッ
提督「あれ?一本だけ?」
整備「禁煙でもしようかと、少しずつ減らしてます」
提督「工廠から出る煙の一割は整備員の煙草だと言われてる程のヘビースモーカーがか?」
整備「……誰がそんなことを」
提督「明石ー」ケラケラ
整備「……なおさら禁煙に力が入りますね」
提督「その意気だ!俺はいつでもここで待ってるからなー!」スッパー
整備「……」ヂュイイイイイイン!
整備「……」ギッギッ
整備「っ……」ウズ…
整備「……!!」パァン!
整備「……」
整備「……」ヂュイイイイイイイ!
整備「……」ウズ…
整備「っ……」
整備「ハァー……」
明石「……」
妖精「整ちゃん、調子悪い?」
明石「日に日にああして溜息をつく頻度が増えてます」
妖精「ふぅん……」
明石「すいません、私、酒保に行く時間なので」
妖精「はーい、いってらー」フリフリ
妖精「さて……」
整備「……」
妖精「整ちゃーん」
整備「はい?」
妖精「どうしたのさ?随分とアンニュイじゃない?」
整備「いえ……」
妖精「一服してシャッキリしてきたらどう?」
整備「それができないのです」
妖精「切らしたの?あかしぃに断ったんだからこれからは自分で買いに行かなきゃダメだよ?」
整備「いえ、煙草はやめようかと」
妖精「ええ!?歩く煙突の整ちゃんが!?」
整備「随分な言いようですね……」
妖精「あかしぃが言ってた」
整備「……」
妖精「……やっぱりそういうことなんだ?」
整備「……ええ」
妖精「辞めるにしてもちょっとずつ量を減らさないと……この間のカートンは?」
整備「無いです」
妖精「はやっ!」
整備「吸い収めとばかり……」
妖精「意外に計画性無いね……」
整備「返す言葉も無いです」
妖精「それで禁断症状出されて仕事でポカされても困るんだけどなあ……」
整備「……」
妖精「とりあえず医務室の彼のとこで、カウンセリング受けておいで」
整備「……できればアレには会いたくないのですが」
妖精「気持ちはわかるけどさ……あかしぃと天秤にかけなよ」
整備「ぐ……うぐ……」
整備「しかたない……」スタスタ
妖精「はーい、いってらー」
妖精「でも、確かにここの医務室の世話にはなりたくないよね……」
――鎮守府・医務室――
ガラガラ――
整備「失礼――」
電「ふぶぇっ!?」ドン
整備「うおっ」ボス
電「はわわわ、ご、ごめんなさいなのです!失礼するのです!」パタパタ…
整備「……?」
医務官「はあ……。あら、いらっしゃい。よく来たわね」
整備「できれば来たくはなかった」
医務「ケンカなら買うわよ?」
整備「いや、いい……多分勝てない」
医務「なっさけな!アタシ相手に勝てないなんてちゃんとタマついてんの?」
整備「お前にもついているだろう……」
医務「アタシはいいのよ。で、何の用?」
整備「ああ……」
―――
――
―
医務「ふーん……わかんないわ」
整備「はあ?」
医務「禁煙外来でも行きなさいよ。アタシ軍医よ?」
整備「基本的な知識くらいはあるだろう」
医務「身体からニコチンが抜けるまで待つしかないわよ。徐々に煙草を減らすこと」
医務「後は口に何か入れたら?禁煙からの肥満コースはありがちだからオススメしないけど」
整備「本当に基本的だな……」
医務「専門医でも無い限り基本的な知識以外は忘れるわよフツー」
医務「結局、煙草を断ち切るココロが大事ね。肉体依存もあるから根性だけでどうにかするのも難しいけど」
整備「来るだけ無駄だったか……」
医務「ああん?」クワッ
整備「……」
医務「……とりあえず飴でもスルメでも買ってきなさい、はい、オワリ!」シッシッ
――鎮守府・酒保――
明石「あれ?整備さん?」
整備「ああ……」
明石「ようこそ酒保へ!こっちに来るのは初めてじゃないですか?」
整備「そうだな……ツナギ以外の明石を見るのも初めてだ」
明石「工作艦明石の制服です!どうです?」クルクル
整備「なんというか……女学生だな」
明石「ベースはセーラー服ですからねー」
整備「……そのスカートは?」
明石「これですか?袴なんですけど、上着の丈が短いからこんなことになってます。もう慣れましたけど」
整備「あー……」
明石「やらしい目で見ちゃダメですよー?」ニヤニヤ
整備「……」フイ
明石「……。あ、あはは……///」モジ
明石「あ、ちょ、ちょっと待ってて下さいね、ハイライトハイライト……」
整備「いや……いい」
明石「はい?」
整備「煙草は、いいんだ」
明石「煙草を買いに来たんじゃないんですか?」
整備「……飴をくれ」
明石「飴……ですか?」
整備「ああ……」
明石「……わかりました。……はい、飴ちゃんです」
整備「ん」
明石「それと、コレ――」
整備「……煙草は要らないんだが」
明石「サービスです!」
整備「いや……いいよ」
明石「最後に吸ったの、いつです?」
整備「……」
明石「煙草は身体に毒ですが、急にやめるのも毒ですよ?」
整備「知ってたのか……」
明石「いつも見てますから」
整備「……」
明石「とりあえず、少しずつ本数を減らしましょう?」
整備「……ありがとう」
明石「どういたしまして!でも何で急に禁煙を?」
整備「……何となくだ」
明石「そうですかー。うん!頑張ってください!応援してます!」
整備「……ああ」
明石「ということがあって……」
夕張「……」
明石「……夕張?」
夕張「え?ああ……そうなのね」
夕張(この娘しれっと自分が告白したの気づいてないのかしら)
明石「でも何で急に禁煙なんてするんでしょうね……?」
夕張「え、ええ……?」
明石「?」
夕張「いや……節約でもしてるんじゃないかしら……?」
明石「ですよね、煙草代もばかになりませんし」ウンウン
夕張「……」
夕張(なんかこの娘、一周回ってアホの子になってるような……?)
更新終了。砂糖の出し方が分からない。
こんな駄文を少量ひりだすのが限界な人間がSSを書かざるをえないくらい明石SSは少ないんです
誰か書いてください。マジで
――工廠裏・喫煙所――
整備「……」スパー
提督「お!おかえりー!」
整備「御無沙汰しております」
提督「意外と早かったなー。記録は4日か」シュボッ
整備「禁煙ではなく減煙に切り替えました」
提督「それがいい。ある程度まではスムーズに行くよ。経験談だ」スパー
整備「ハイライトではなくなりましたが」
提督「そらそーだ!減煙のお相手は?」
整備「ピアニッシモです」
提督「うっはっは!医務官とお揃いだー!」ゲラゲラ
整備「やめてくださいよ……」スパー
提督「どうしてまた禁煙なぞ?」
整備「……提督と同じようなものです」スパ…
提督「……そっかー」スプアー
提督「俺が煙草を控えた理由知ってるっけ?」
整備「潮に泣かれた、とだけ」
提督「そそ、それで曙から折檻食らったんだけど――」
―――
――
―
――鎮守府・執務室――
提督『提督が帰投しました!』ガチャ
潮『し、失礼してます』
朧『こんにちは』
提督『おっすおっすー。曙ー昼休憩は終わりだ。飯は食ったか?』
曙『食べたわよ……ってくっさ!いつもいつも煙草臭いのよクサ提督!』
提督『クサ提督とはなんだ!上手いこと言ったつもりかー?』ズイ
曙『近寄るな!クソクサ提督』
提督『こんにゃろ~!』
ギャーギャー
潮『煙草ってやっぱり身体に悪いのかな……』
朧『1日1箱吸う人は肺がん発症率が3倍違うそうよ』
潮『そ、そんなに』
朧『でも肺がんより咽頭がんや口腔がんの方がよっぽど発症率は上みたいね。咽頭がんは30倍くらい?医務官さんが言ってたわ』
潮『さ、30倍!?それって大丈夫なの……?』
朧『大丈夫だったら問題にならないと思うけど』
潮『だ、だよね……提督は大丈夫かな』
朧『さあ……聞いてみたら?』
潮『て、提督……』
提督『ん、うん?』
潮『一日に……お煙草は、どれくらい吸われてますか?」
提督『んー?二箱くらいかな』
潮『えっ……』
朧『咽頭がんなら通常の60倍か。お若いのに残念です、提督』
提督『待って待って殺さないで!せめて赤いちゃんちゃんこ着させて!』
朧『一日2箱も吸っておきながら長生きしようだなんて図々しいですよ』
提督『正論すぎてグウの音も出ねえや』
朧『提督はいつまで生きるおつもりですか?』
提督『朧さん、聞き方にトゲがあるんだけど……でもやっぱり還暦までは生きたい』
朧『このペースじゃ退役まで持つかどうかも怪しいですよ』
提督『なに、人はいずれ死ぬ』キリッ
曙『……ねばいいのに』ボソッ
提督『あぁん?』
曙『何よ』
提督『聞こえたぜぇ曙ぉ?お前はいつから霞になったんだ~?』ガバッ
曙『ちょっと!離しなさいよ!臭いって言ってるでしょ!』ジタバタ
提督『なぁにぃ?聞こえんなぁ?』ウリウリ
曙『聞こえない訳ないでしょクソ提督!』
潮『……』
提督『どしたい、潮さんや、そんなに暗い顔をして』
潮『提督は、長くはないのですか……?』
提督『え゛っ、いやー……そんな急にポックリは逝かない……とは、思うけど……』
潮『けど……?』
提督『このペースだと早死には間違いないね』ハッハッ
潮『……提督』
提督『はい』
潮『……お煙草、辞めてとは言いません。お仕事のお付き合いもあるでしょうし……』
提督『うん』
潮『ですが、必要以上に……吸いすぎないで、ください……お体に、障り、ます、から……』ジワ
提督『うん……うん?』
潮『潮っ……からの……おねっ……おねがい……です……っ。あの……ご、ごめんなさい……』グス
提督『えっ……えっ?う、潮?』
曙『ねえ提督……』
朧(あっ……)
提督(げぇっ! 曙の「提督」呼びは……!?)
曙『……』シュッ
提督(あ、これ終わ――)
ゴッ
提督「あん時は参ったよ」スパー
整備「解体処分されてもおかしくないんですがね」
提督「いいんだ、曙が暴れたおかげで潮が泣きやんだし」
整備「しかしそれでも完全な禁煙を言い渡されなかったのですね」
提督「そういや辞めろとは言われなかったな。ま、いずれ辞めるがね」
整備「……意外です」
提督「何だかんだ言ってもねー、男にとって女以上に重いものはないから」ハッハッ
整備「それはどちらの意味でしょうか」
提督……さーて、どっちでしょう?」フゥー
整備「……好かれてますね」
提督「それに応えるのが男の仕事だ。わかるだろ?」トントン
明石「整備さーん?そろそろお時間ですよ―?」ヒョコ
整備「……」フゥー
整備「ええ」ジュッ
更新終了。咽頭がんじゃなくて喉頭がんの間違いだけど、パッと見わかんないし別にいっか
よく「ageるな」という声を見かけますが、もしかしてこれは建て主もsageた方がいいのでしょうか。
今までsaga sage進行だったのを今回だけageたのですが。
わかりました。では投下はageで進行いたします。
といっても今回で完結になりますが……今後の参考、ということで
明石「整備さーん」
整備「ん」
明石「サーモン沖を掌握して一段落したので、提督が私と整備さんに休暇をくださるそうです」
整備「本当に休みを確保したのか……」
明石「いやー休暇なんて久しぶりですよ」
整備「一応戦時下、だしな」
明石「というわけで、お花見しません?」
整備「花見?」
明石「酒保のお酒を確保したので、間宮さんの甘味も一緒に。どうです?」
整備「……料理は持っていかないのか?」
明石「そうですねー……。でしたら鳳翔さんのお料理を持っていきましょう!」
整備「……明石は?」
明石「はい?」
整備「明石は作ってくれないのか、料理」
明石「私!?私のですか!?」
整備「ああ」
明石「いやー、私のお仕事はお酒の確保までで……やはりそちらの方面は鳳翔さんや伊良湖さんの方が……」
整備「……」
明石「う……」
整備「……」
明石「~~~~!」
明石「わかりました!わかりました!作ります!作りますから!」
整備「……楽しみだ」
明石「ひえ~……」
明石「助けてぇ大淀ぉ~」
大淀「いいじゃない、あなた一応料理できるでしょう」
明石「カレーとか朝食程度ならできるけど、お花見の重箱なんてやったことないもの!」
大淀「彼も重箱を望んでいるわけではないと思うのだけれど……」
明石「でも一箱は作りたい!」
大淀「そういうことが言いたいのではなくてね……」
大淀「そもそも、私より鳳翔さんや給糧艦の方々に頼む方がいいと思うわ。鳳翔さんはともかく、間宮さんと伊良湖さんは本職だし……」
明石「それも考えたけど、二人とも仕事があるし、教えてもらうにしても……」
大淀「しても?」
明石「すっごい優しい眼差しに包まれながら料理を教えてもらうのは私の心が持たないというか……///」
大淀「まるで乙女ね」
明石「私は乙女です!」
大淀「そうだったわね、うふふ」
明石「笑い事じゃないんですよ!もう!」
大淀「でもいいじゃない?一喜一憂して、あくせくして」
明石「それは……」
大淀「艦として戦うばかりだった昔じゃないもの。海は今も敵でいっぱいだけど、艦娘として生まれて、人と同じ身でこんなやり取りができるなんて幸せだと思うわ」
明石「……」
大淀「……さあ、買い出しに行きましょう?とびきりの料理、作らなきゃね」
明石「……はいっ!」
――数日後・鎮守府近郊――
明石「この辺りにしましょう!」
整備「それなりに歩いたな」
明石「少しくらい遠出した方がお花見気分が出ますよ」
整備「そうだな」
―――
――
―
明石「というわけで、乾杯っ」カッ
整備「乾杯」カッ
明石「んっ……んーおいしい~!」プハ
整備「美味いな」チビ
明石「春は新酒の時期ですからね、美味しいお酒がいっぱいです!それと……はい、間宮で買ってきたさくら餅です、どうぞ」
整備「……料理が先じゃないか?」
明石「あー……やっぱり?」
整備「ああ」
明石「ですよね……。はい、こちらです……」パカッ
整備「おお……」
明石「うう……」
整備「どうした?」
明石「味は確かめましたが、美味くできてるかどうか……」
整備「……」パクッ
明石「あっ」
整備「……うん、美味い」
明石「本当ですか?今の間は何ですか?遠慮してないですか?」
整備「口に入れた直後で味が分かるわけないだろう」
明石「あ、そうか……」
整備「美味いよ。濃いめの味が酒に合う」
明石「良かった~!ちょっと不安だったんです~」ヘナァ
整備「うん、いいよ、このタコの煮付け」
明石「さくら煮って言うんですよ。ほら、桜色してる」
整備「……なるほど」
明石「安心したらお腹すきました~。私もいただきます!整備さんもどんどん呑んでくださいねー!」
整備「いただくよ」
―――
――
―
ヒラ…ヒラ…
整備「……っと」スッ
明石「杯(さかずき)に桜ですか!風流ですねー!私もやります!」
ヒラ…ヒラ…
明石「……はいっ!」サッ
明石「できましたー!花見酒かんせい―!」キャッキャッ
整備(酔ってるな……)グイ
明石「いやーそれにしても絶好の花見日和ですね!晴れてよかった―!」ケラケラ
整備「時機が過ぎて散り始めてるが……。まあ、花見にはちょうどいいよ」トクトクトク…
明石「ですね!散る桜って、何であんなに綺麗なんでしょうかねー!私、桜大好きです!」
整備「俺も好きだ」グビ
明石「ですよねですよね!日本の心ですもんね!」
整備「……それもあるが」
明石「はーい?」
整備「……明石と同じだからな」グイ
明石「はい?」
整備「桜は、明石の髪の色をしてるから」
明石「あ……。えっ……と……?///」
整備「桜の色は、明石の色だから」
整備「だから……好きだよ」
明石「ぅ……あー……///」
整備「……でも」
明石「……?」
整備「この桜のようには、散らないでくれ」
明石「……はい、勿論です!」
整備「なら、いいよ……」グイ
明石「……整備さん、酔ってます?」
整備「どっちが」
明石「んふふ……。……隣、よろしいですか?」ススッ
整備「……動く前に聞くべきじゃないか?」
明石「……だめですか?」ピト
整備「いや……」
明石「ふふ……」
明石「……」
整備「……」
ザアアアア……
整備「……良い香りがする」
明石「……桜の香りです、きっと」
整備「……そうか」
ヒラ…ヒラ…
投稿終了。自レスで50レス以上書いた自分に間宮アイス奢ってあげたい。出来はさておき。
明石SSが余りにも少ないので書きました。やってみたら結構面白かったのでまたSS書いてみます。
何が良くて何が悪いのかがサッパリなので、いいとこ、悪いとこ、ありましたら是非ご教授いただければ。
返事はしてませんが全ての乙コメが励みになりました。閲覧・コメント、ありがとうございます。
それでは、html依頼出してきます。
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