シャーク「璃緒に腕相撲で負けた?」 ドルべ「ああ」 (13)

シャーク「・・・」

ドルべ「すまない・・・」

シャーク「何で謝ってるか知らねえが落ち込むなよ」

ドルべ「・・・」

アリト「ひっでえ落ち込み様だぜ」

ミザエル「ああ」

ギラグ「そりゃ女のメラグに負けりゃ落ち込むぜ」

シャーク「お前は力じゃなくて知恵専門なんだから非力でもいいじゃねえか」

ドルべ「・・・」

アリト「どうすんだナッシュ」

シャーク「仕方ねえ璃緒に話でもつけて来てやる」

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璃緒「勝ったけど」

シャーク「少しは手加減してやれよ」

璃緒「だってドルべが誘って来たんだし」

シャーク「それでもな」

璃緒「なら凌牙が手加減するの?」

シャーク「・・・」

璃緒「しないわよね」

シャーク「けどな」

璃緒「とにかく腕相撲でも勝負は勝負よ。文句を言われる筋合いは無いわ」

シャーク「くっ・・・」

アリト「妹に言い負かされてるんじゃねえよ!」

ギラグ「情けねえぞ!」

シャーク「うるせえな」

ミザエル「ならばドルべを強くさせればいい。簡単な事だ」

シャーク「ドルべを強化させるってか・・・」

ミザエル「腕相撲には大体2つの勝ちパターンがある」

シャーク「勝ちパターン?」

ミザエル「速攻で決着をつける者と持久戦を得意とする者だ」

アリト「ふーん」

シャーク「ミザエルはドルべはどっちのタイプだと思う?」

ミザエル「持久戦型だな」

アリト「俺も思う」

ギラグ「そういうネチネチしたの好きそうだもんな」

シャーク「ったく、俺もそう思ってたぜ」

ドルべ「私は持久戦型なのか」

シャーク「璃緒と五分に張り合える力と」

アリト「体力を作るぜ!」

ドルべ「私は運動音痴だ。体力を作るなんて」

シャーク「とりあえず走って来い!」

アリト「俺も一緒に行ってやるから行こうぜ!」

ドルべ「あ、ああ」

アリト「ほら!走れよ!」

ドルべ「ハァハァ・・・」

アリト「どうした!そんな事じゃメラグに勝てねえぞ!」

ドルべ「ハァハァ・・・」

アリト「ドルべ!」

ドルべ「も、もういい!疲れた!」

アリト「疲れたじゃねえぞ!ステップ1だ!」

ドルべ「ステップ1だと?」

アリト「体力をつける!」

ドルべ「この時間の私は図書館で本を読んでいる・・・帰りたい」

アリト「帰さねえぞ!オラァ!」

バシッ

ドルべ「し、尻を叩くのはやめてくれ!」

アリト「だらしねえぞ!」

ギラグ「ステップ2はメラグより力強くなる事」

ドルべ「な、何をするんだ」

ギラグ「手四つだ」

ドルべ「?」

ギラグ「俺と同じように手を出してみろ」

ドルべ「こ、こうか?」

ガッ

ドルべ「ぐっ・・・背骨が折れる・・・!」

ギラグ「押し返してみろよドルべ!」

ドルべ「ギギギ・・・」

ギラグ「ドルべ!」

ドルべ「お、折れる・・・!」

ギラグ「押し返してみろ!」

ドルべ「無茶苦茶だ・・・!」

ミザエル「ステップ3は精神統一」

ドルべ「腕相撲に関係あるのか?」

ミザエル「要するに力とは精神と密接な繋がりがある。さあ座禅を組め」

ドルべ「これなら簡単そうだ・・・」

ミザエル「・・・」

ドルべ「・・・」

プーンプーン

ドルべ「蚊か?」

ミザエル「喝!」

バシッ

ドルべ「な、何をする!」

ミザエル「今の一瞬の隙がメラグに敗北するかもしれんぞ」

ドルべ「・・・」

ミザエル「精神の乱れが勝敗を左右する」

ベクター「ステップ4ォ~!」

ドルべ「彼らは?私に何をする気だ!」

ベクター「鈍いなァ!模擬練習だぜ」

ハートランド「さあ腕相撲だ」

ドルべ「・・・」

蚊忍者「俺達も参戦するってかァ?」

クラゲ先輩「俺は先輩だぞ?文句はねえよな!」

蝉丸「悪く思うなよ」

ドルべ「こ、これは!」

ベクター「反則技も対処しねえとダメだろ?」

ドルべ「メラグは反則なんてしない」

ベクター「そんな事を言ってたら負けちまうぞ」

ドルべ「しかしな・・・最初から反則する気満々だぞ」

ベクター「余裕で反則できる奴らって言ったらこいつらだろうが!」

シャーク「ステップ5」

ドルべ「力も技も体力も精神もついたが・・・他に何があるんだ?」

シャーク「女と手を握るみてえなもんだろ?緊張したんじゃねえか」

ドルべ「・・・少しは」

シャーク「なら瑠那を璃緒だと思って思いっきり腕相撲をしてみろ!」

瑠那「よろしくね」

ドルべ「これが最終試練なのか?」

シャーク「女に耐性をつける!これがラストだ!」

瑠那「さあ腕相撲よ!」

ドルべ「わかった。やろう」

シャーク「後は本番だけだ」

アリト「そうだな」

ベクター「けど勝てると思うか?」

ギラグ「そいつはドルべ次第だろうぜ」

ミザエル「ああ」

ドルべ「メラグ」

璃緒「な、何?真面目な顔して」

ドルべ「腕相撲だ」

璃緒「夕飯の準備があるから、また後でね」

ドルべ「メラグ!」

璃緒「だから後でって」

ドルべ「これは私の誇りがかかっている!やってくれ!!」

璃緒「・・・わかったわ」

ドルべ「今日までの修行の成果を見せてやる。デュエル!」

璃緒「・・・」

ドルべ「くっ・・・」

ドルべ「ぐぬぬ・・・落ち着け・・・メラグの体力が切れるのを待つんだ」

ドルべ「体力切れ体力切れ体力切れ・・・そして一気に持って行く!」

璃緒「ここで勝ったらしつこく何度でもやって来そうよね・・・仕方が無い」

ドルべ「メ、メラグの力が弱まったぞ!今だ!」

ペタッ

璃緒「私の負けね!これで満足よね?」

ドルべ「ああ!私はメラグに勝ったんだ!!」

アリト「やったなドルべ!」

ミザエル「私は信じていたぞお前が勝つ事を!」

ギラグ「俺もだぜ!」

シャーク「ぼさっとすんじゃねえ!胴上げだ!」

アリト「わっしょい!わっしょい!」

ギラグ「わっしょい!わっしょい!」

ミザエル「わっしょい!わっしょい!」

シャーク「わっしょい!わっしょい!」

ドルべ「ありがとう!ありがとう!」

璃緒「・・・」

ベクター「手加減なんてしやがって」

璃緒「あら?気づいてたの?」

ベクター「奴らの目は誤魔化せても俺の目は誤魔化せねえよ」

璃緒「腕相撲ぐらい勝たせてあげても罰は当たらないわよ」

ベクター「メラグ様はお優しいですねェ~!優しすぎて涙が出ちまうよ!」

璃緒「あのまま何処かに行きそうだけど夕飯がもうすぐ出来るから引き止めてちょうだいね」

ベクター「ったく騒ぎやがって、何がそんなに嬉しいのやら」

数日後

遊馬「子供だな」

小鳥「子供よね」









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