春香「……」ｼﾞｰｯ

Ｐ「……」

春香「……」

Ｐ「……可愛いなあ、春香」

春香「……！」

春香（ま、また可愛いって……）

春香（……）ｼﾞｰｯ

春香（……）ｷｮﾛｷｮﾛ

春香（……ひとり言、だよね？）

春香（あそこにいるの、Ｐさんだけだよね？一人だけだよね？）

春香（じゃあＰさん、ひとり言で私のこと可愛いって言ってくれてるのかな……？）

春香「……」

春香「えへへ……」

Ｐ「……はあ」

春香（……Ｐさん、何やってるんだろ？）

Ｐ「……」

春香（しかも、もう夜遅いのに電気もつけないで……）

Ｐ「……」

　ﾐﾝﾅｷｮｳﾊｱﾘｶﾞﾄｰ

春香（……私の声？）

Ｐ「はは、この時はまだちょっとオドオドしてるな」

春香（……私のライブの映像？）

Ｐ「でも、やっぱりこのころから光るものはあったんだなあ……」

春香（……Ｐさん、昔のライブ映像見返してくれてるんだ）

Ｐ「あ、転んだ」ｸｽｯ

春香「！」

Ｐ「あーあ、会場爆笑じゃないか……」

春香（うう、恥ずかしいなあ……）

春香（いつの映像見てるんだろ……？）

春香（こっちからじゃ、背中に隠れてよく見えないなあ……）

春香（こっち向いてくれないかなあ……）

Ｐ「……そんな春香がなあ」

春香（……）

Ｐ「こんなライブもするようになって……」

春香（……どのライブだろ）

　ﾄﾞｰﾑﾃﾞｽﾖ！ﾄﾞｰﾑ！

春香（あ、あの時の！）

Ｐ「堂々として、立派にみんなの前で」

春香（えへへ、でも、あの時も実はすっごく緊張してたり……）

Ｐ「ダンスも歌も上手くなって」

春香（そう言ってもらえると嬉しいなあ……）

Ｐ「キラキラ輝いて……」

春香（……）

Ｐ「ホント、最高のアイドルだよ」

春香「！！」

春香（やだ、涙が……）ｼﾞﾜｯ

Ｐ「可愛いなあ、春香」

春香（うう、私、涙腺ゆるいなあ……）

Ｐ「はあ、春香……」

春香（でも、それもこれも、ぜーんぶＰさんと一緒に頑張って来たから……）

Ｐ「春香……」

春香（……ん？）

Ｐ「はあ、はあ……」

Ｐ「……春香、可愛いぞ、春香」

春香（……んん！？）

Ｐ「ぐっ、春香……」

春香（あ、あれ？Ｐさん？）

Ｐ「はあ、春香、いいぞ、春香……」

春香（ちょ、ちょっとまって！？）

Ｐ「春香ぁ……」

春香（なにしてるんですか！Ｐさん！？）

Ｐ「本当に、最高だ、はる、か……」ﾊｧﾊｧ

春香（もう！折角ちょっと浸ってたのに……！）

春香（台無しですよ！台無し！）

Ｐ「やっぱりハルニーは最高だ……！」

春香（ハルニー！？）

春香（ハルニーって何ですか！？Ｐさん！？）

Ｐ「はあっ、はあっ……」

春香（……もう）

Ｐ「あ……今パンチラ……」

春香（……もうっ！）

Ｐ「白ぉ……」

春香（……）

春香（……あーあ、今日スカートにすればよかったかな）

春香（……じゃなくって！）

Ｐ「……春香」

春香（一人で何やってるんですか！Ｐさん！）

Ｐ「はぁ……はぁ……」

Ｐ「……くそっ、そのリボン反則だろ」

春香（そんなこと、一人でして……）

春香（……画面の私じゃなくて、本物がここにいますよー）

Ｐ「……春香」

春香（……何ですか）

Ｐ「……大好きだ、春香」

春香（……！）

Ｐ「はる、か……」

春香（……）

Ｐ「はぁ……はぁ……」

春香（……）

Ｐ「はぁ……あっ、ぐう……」

春香（……）

Ｐ「……はぁっ」

春香（……やだ）

Ｐ「……春香ぁ」

春香（私もちょっと、熱くなってきちゃったかも……）

春香（……）

春香（……上着脱いじゃえ）ｼｭﾙｯ

春香「……」

Ｐ「……あ、やべ」

春香「……」ｿｰｯ

Ｐ「で、出……」

春香「……」

　ｷﾞｼｯ

Ｐ「え？」

春香「……」

　ｷﾞｭｯ

Ｐ「は、春香！？」

春香「……そうですよ」

Ｐ「……は、春香」

春香「……」

Ｐ「こ、これはだな、その……」

春香「……」

Ｐ「えーと、だから……」

春香「……」

Ｐ「……」

Ｐ「と、とりあえず……」

Ｐ「……お、お帰り、春香」

春香「……ただいま」

春香「……」ｷﾞｭｩ

Ｐ「……ず、ずいぶん早かったな？」

春香「千早ちゃんが明日朝から仕事あるからって、みんな皆早く解散しちゃいました」

Ｐ「そ、そうか……」

春香「……」

Ｐ「た、楽しかったか？」

春香「……はい」

Ｐ「それは、えーっと……良かったな？」

春香「……」

春香「……Ｐさん、今、何やってたんですか？」

Ｐ「！！」

Ｐ「こ、これはだな！だからその……」

春香「……この時の私、若いですね？」

Ｐ「！！」

Ｐ「そ、そうだなー……」

春香「ドームライブの時のですよね？」

Ｐ「あ、ああ」

春香「私がトップアイドルになって、一番輝いてた時期ですもんね？」

Ｐ「いや、これは、その……」

春香「……やっぱり、似合ってますよね？リボン」

春香「……若いんですから」

Ｐ「ぐっ……」

春香「……」

Ｐ「……」

春香「……」

Ｐ「……」

Ｐ「……は、春香？」

春香「……何ですか」

Ｐ「……もしかして、その」

Ｐ「酔ってるのか？」

春香「……ちょっとだけ飲んできました」

Ｐ「そうか……」

Ｐ「……あの、春香さん？」

春香「何ですか？」

Ｐ「春香、春香は……」

Ｐ「もちろん、今も可愛いに決まってる」

春香「……ふーん？」

春香「でも、オカズは昔の私なんですよね？」

Ｐ「これは、たまたま」

Ｐ「今日春香が帰ってくるのが遅いっていうから……」

春香「……待ってくれればよかったじゃないですか」

Ｐ「千早の家に泊まってくるかも言ってたじゃないか」

春香「……言いましたけど」

Ｐ「……だから、まあ、ちょっと溜まっててさ」

春香「……」

Ｐ「……ごめん」

春香「……別に、良いですけど」

Ｐ「……春香」

春香「何ですか」

Ｐ「春香は今でも可愛いよ」

春香「……」

Ｐ「それに、綺麗になった」

春香「……！」

Ｐ「最初さ、俺は春香の笑顔に惹かれて付き合って」

Ｐ「それから、どんどん、綺麗になってく春香をずっと見てたけどさ」

春香「……」

Ｐ「春香は、今が一番綺麗だよ」

春香「……」

春香「……もうひと押し」

Ｐ「……俺は、今の春香が大好きだよ」

春香「……えへへ」

春香「……」ｷﾞｭ

春香「……Ｐさん」

Ｐ「なんだ？」

春香「……拗ねちゃって、すみませんでした」

Ｐ「いいよ、俺も悪かった」

春香「……」

春香「……あの、Ｐさん」

Ｐ「なんだ？」

春香「私、今からちょっと、クイズを出しますね」

Ｐ「……クイズ？」

春香「はい」

Ｐ「分かった」

春香「……私今日、千早ちゃんたちと飲んできたんですけど」

Ｐ「うん」

春香「その前、ちょっと遊んできたんです」

Ｐ「うん」

春香「さて、私たちは今日どこに行って来たでしょうか？」

Ｐ「うん？」

春香「はい、答えてください！」

Ｐ「そんなの分かるわけないじゃないか……」

春香「えー、考えてみてくださいよー」

Ｐ「って、言われてもなあ……」

春香「んー、じゃあヒントです！」

春香「そのさらに前には、カラオケですっごく盛り上がって来たんです」

Ｐ「へえ、楽しそうだな」

春香「そうなんです、すっごく楽しくて、みんなで昔のダンスまで踊っちゃったりして」

春香「みんな、汗ビッショリだったんですよー」

Ｐ「へえー……」

Ｐ「んー、という事は……」

Ｐ「……お風呂にでも行ってきたのか？」

春香「わあ！凄い！正解ですよ！」

Ｐ「はは、そうか」

Ｐ「……でも、なんで急にそんなクイズを……」

春香「……びっくりしちゃいました？」

Ｐ「びっくりというか、よく意味が……」

春香「……だって、という事はですよ？」

春香「Ｐさん」


春香「私、今日はもうカラダ、綺麗に全部洗って来ちゃったんです」ﾎﾞｿ

Ｐ「！！」

Ｐ「……春香、やっぱりだいぶ酔ってるな？」

春香「そんなことないですよぅ、ほろ酔いですってば」

Ｐ「……いや、だってなあ」

春香「……」

春香「えいっ」ｷﾞｭｩ

Ｐ「おわっ」

Ｐ「こ、こら、春香……」

春香「Ｐさーん」ｷﾞｭｰ

Ｐ「や、やめろ、当たる……」

春香「当たる？」

Ｐ「あ、いや……」

春香「ふふっ……」

春香「……やっぱり、さっき上着脱いでおいて良かったな」ﾎﾞｿｯ

Ｐ「！」

Ｐ「……は、春香」

春香「えへへ……」

Ｐ「お、俺もう……！」

春香「……あの子たち、もう寝ましたか？」

Ｐ「あ、ああ、二人ともぐっすりだよ」

春香「……えへへ、それじゃ」

Ｐ「春香ぁ！」ｶﾞﾊﾞｯ

春香「きゃあ！」ﾄﾞｻｯ


……


　　　　　　おわり