男「あの日おまえは…」(11)

たった?

ゴーンゴーン
パチパチ         

あの日はとってもとっても幸せな日だったよな…
俺とお前の日…
これから先の、なにも見えない未来もおまえとならきっとやっていける…そう思わせてくれる日だった…

神父「貴方は、この者を妻とし、良き時も悪き時も、富める時も貧しき時も、病める時も健やかなる時も、共に歩み、他の者に依らず、死が二人を分かつまで、愛を誓い、妻を想い、妻のみに添うことを、神聖なる婚姻の契約のもとに、誓いますか?」

男「はい、誓います。」

神父「貴女は、この者を夫とし、良き時も悪き時も、富める時も貧しき時も、病める時も健やかなる時も、共に歩み、他の者に依らず、死が二人を分かつまで、愛を誓い、夫を想い、夫のみに添うことを、神聖なる婚姻の契約のもとに、誓いますか?」

女「はい、誓います。」

神父「では、誓いのキスを…」

チュ…

ワー‼        オシアワセニー!

男「またせてすまなかったな…」

女「一生幸せにしたら許してあげる。フフフ」

彼女は小悪魔的な笑みをうかべ、それでもやっぱり、幸せをかみしめているようだった。
長い…とっても長い間彼女をまたせてしまった…
2人で必死でお金をためて、やっとの思いで開いた結婚式。
しかし、その分だけ幸せがあふれている。

男「誓うよ、必ず幸せにする。」

女「そっ…そんな見つめながら…///」

男「ハハハッ!」

女「くっ…笑うなぁ‼///」

男「おっとっと…おいおい、お腹に響くぜ?」

女「そっ…それはだめぇ‼」 

彼女のお腹には俺たちの子供がいる。四ヶ月目だ。
ここでも、彼女の力は偉大だ。
俺は、元々子供が嫌いだ。
しかし、そんな不安も彼女が取り除いてくれる。きっと大丈夫だと思わせてくれる。

女「男の子かな?女の子かな?」

男「うーん…まぁ女の子だったらおまえに似て可愛いかな。」

女「うっ…うん///」

男「ほら、みんな呼んでるぞ。今日は呑んで食ってあっぱれだ!!」

女「そうだね、楽しまなきゃね‼」

今日という日を心に刻もう。決して移ろい消えぬようにと。

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男「立派な妊婦さんって感じだなぁ。」

女「まあね、だいぶ大きくなったもんね。フフフ」

男「やっぱり、子供ができるとお前も母親らしくなるもんだな。」

女「ちょっと‼私が子どもっぽいって言いたいの⁉」

男「違うさ、母性が溢れてきたなって。ほんのちょっとした微笑みでも、慈愛に満ちている。」

女「なによぅ…///」

男「まぁ、なんでも俺に行ってくれよ。腹に響いちゃダメだからな。」

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