提督「はーっはっはっは!!」 憲兵「何が可笑しい!!」 (54)

提督「…………」

憲兵「…………」

提督「……久しぶり」

憲兵「……ああ」

提督「学生時代から変わってないな、お前」

憲兵「お前もな」

提督「で、今日は何しにここへ?」

憲兵「なに、各地の鎮守府を対象に抜き打ちの監察をすることになってな。俺はここの監察を任された」

提督「なるほど」

憲兵「お前がここの提督をやっていると知ったときは驚いたぞ」

提督「俺もこういう形でお前と再会するとは思ってなかったよ」


SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1426227238

今まで書いたものです。

提督「野球がしたい」 【安価】
提督「野球がしたい」 【安価】 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1425576469/)

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提督「えっ、デートに連れてけ?」 時雨「うん」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1425964527/)

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ゴヨウ・ガーディアン「DM界の秩序は俺が守る!」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1426174671/)

上二つと今回のSSは別の世界観ということで。
三つ目はただのネタです。

提督「監察って、どんな感じで行うんだ?」

憲兵「自分でいろいろ見て回り、艦娘たちの話を聞き、問題はないか確認させてもらう」

憲兵「上司によるパワハラ、セクハラがないかも厳しくチェックする」

提督「パワハラなど…滅相もございません!」

憲兵「セクハラも否定しろ」

提督「うちの鎮守府はクリーンだぞ!」

憲兵「ブラックな職場の上層部はみんなそう言うのだ」

提督「ぬう……!」

憲兵「まあ安心しろ、俺も堅物ではない。多少のことで厳しく咎めはしないさ」

提督「おお、ありがたい!」

憲兵「別にお前が親友だから、というわけではないぞ」

提督「んもう!このツンデレめ!」

憲兵「殴るぞ?」バキッ

提督「…せめて殴る前に言ってくれないと」

憲兵「それに、さすがに限度はあるからな?」

提督「ああ!心配はいらな――」

ガチャ

青葉「提督~!とっておきの品が」

提督「あっ」

憲兵「んっ?」

青葉「えっ?」

――

憲兵「――で、この写真はどういう状況を撮ったものかな?」

青葉「…………」

憲兵「…教えてはもらえないか?」

青葉「…妙高型四番艦、羽黒さんの寝姿です」

憲兵「そのようだね。彼女の寝巻がはだけているが…君はなぜこのような写真を撮ったんだ?」

青葉「そ、それはー…」

憲兵「さっき君は、提督に対して『とっておきの品』とか言っていたね。もしかして、こういう写真を撮っては彼に買い取ってもらうという慣行が成立していたんじゃないのかい?」

提督「ギクッ」

憲兵「図星かな?」

青葉「すいません!私は提督にそういう写真を撮ってこいって命令されただけなんです!」

憲兵「……ほう?」

提督「青葉ぁ!俺を売って自分だけ助かろうって腹か!?」

青葉「ブタ箱は嫌ですから!」

憲兵「提督、貴様には少しきついお灸をすえねばならんな」バキボキ

提督「くっ…やられてたまるか!」ダッ

憲兵「…逃げ出したところで、どうせ結果は変わらんというに」

憲兵「まあいい。あいつとの追いかけっこも久しぶりだ」

青葉「その口ぶり…提督とお知り合いなんですか?」

憲兵「ああ…学生の頃からの親友さ。会うのは久しぶりだけれども」

青葉「へえ~…ところで、私の処遇って…」

憲兵「ああ、艦娘の責任は上司たるあいつに背負ってもらうさ」

青葉「それは助かります!」

憲兵「だが写真とデータは全て処分させてもらうぞ」

青葉「そんなっ!?」ガーン

憲兵「まったく…今日監察に来たのが私でよかったよ。他の憲兵だったらまず間違いなくブタ箱行きにされていただろう」

憲兵「俺自ら罰を与えることで許してやろうというんだ。感謝しろよ、提督のやつ」

青葉「あ、あははは…」

憲兵「君もあのような写真は撮らないように。わかったな?」

青葉「青葉、了解しました!」

憲兵「ならばよし。私はあいつを追う」ダッ

青葉「すごいダッシュ……」

青葉(データが処分されるのは残念ですが…提督の学生時代の親友…これはおもしろくなりそうですね!)

――

憲兵「――そこの君たち、ちょっといいかな?」

曙「は?いったい何…というかあなた誰?」

潮「あ、曙ちゃん…もしかしてこの人…」

憲兵「私は憲兵だ。提督がどこへ行ったか知らないかな?」

曙「け、憲兵ですって!?」

潮「やっぱり!」

曙「ついにあのクソ提督、憲兵を呼ばれるようなことをやらかしたの!?」

潮「そんな…提督が…」

憲兵「呼ばれてきたわけではないけどね」


憲兵「ところで…君は今クソ提督と言ったが、あいつは君に嫌な思いをさせているのか?」

曙「え……?」

憲兵「もしそうなら正直に教えてほしい。そのときは――」

曙「ま、待ちなさいよ!」

憲兵「むっ?」

曙「あいつに嫌な思いをさせられたことなんてないわよ!」

憲兵「ならなんでそんな呼び方をするんだい?」

曙「…それは」

潮「て、照れ隠しなんです!」

曙「ちょっと…潮!」

潮「曙ちゃんは本当は提督のことが大好きなんです!ただ素直になれずにそんなことを言っちゃうんです!」

憲兵「そうなのかい?」


曙「うう…あぁ~もう!そんなことは今どうでもいいの!」

曙「とにかく!提督に何かあったら、たとえ憲兵でも許さないわよ!」

憲兵「……はは、良い子だな君は」

憲兵「大丈夫さ、俺とあいつは友人だ。悪いようにはしない。じゃあ俺はもう行くとするよ」ダッ

曙「何なのよもう…」

潮「提督の友人って言ってたし、悪い人じゃなさそうだったけど…」



憲兵「悪いようにはしないと言ったが…殴らないとは言ってない」

憲兵「しかし…やはりあいつは慕われる人間なんだな」

憲兵(♀)

>>18を見て、そういう展開もありかと思ったので、じっくり考えてから再開しようと思います。

今夜は適当なスレ立てて遊んでますので、気づいたらひっそり見守っていてください。

俺のでよければ前スレの世界観とか方式とか自由に使ってもいいから(できればオリジナルがいい)誰か俺の代わりに艦これ野球SS書いてくれませんかねえ?
他の人が書いた艦娘たちの野球を見てみたいです。自分はネタ切れですし。

二度寝します。

おk
かたっぱしから読んでやるぜー

だいたいの構成は考えたけど、独自設定を使うことになってしまいそうです。

>>24
おお、書いていただけるというのか!

独自設定なんてなかった。
書き終えたんで投下していきます。

――

憲兵「まったく…逃げることに関しては相変わらず一流だな」

吹雪「あれっ?あなたは……」

憲兵「ん?」

吹雪「あ、私吹雪と言います」

憲兵「吹雪くんか」

憲兵(真面目そうな子だな)

吹雪「ここで何をなさってるんですか?」

憲兵「私は憲兵だ…そうだ、提督がどこへ行ったか――」

吹雪「司令官を捕まえに来たんですか!?」

憲兵「……あいつは普段何をしているんだ?」

――

憲兵「――というわけでね」

吹雪「なるほど…それはさすがに弁護できませんね」

憲兵「まったくあいつときたら…好き者なところは本当に変わらん」

吹雪「あはは…」

憲兵「お灸をすえてやらんと気がすまん。あんなやつでも大事な旧友だし、手加減はしてやるがな」

吹雪「昔の司令官ってどんな人だったんです?」

憲兵「あいつのことが気になるか」

吹雪「い、いえ!ただの好奇心です!」

憲兵「ふふ、からかってすまない」

憲兵「あいつは人に慕われるやつだった。今もそれは変わらないんだろうが」

吹雪「…ええ」

憲兵「容姿、頭脳、運動神経…あいつはそのどれも秀でているわけではない」

吹雪「そ、そんなことはありませんよ?」

憲兵「疑ってるじゃないか」

吹雪「……否定はしきれません」

憲兵「でもあいつは人を惹きつける。君もその口だろう?」

吹雪「…はい」

憲兵「照れることはないさ。君だけじゃないのだから」

憲兵「あいつは他人のために悩むことのできる男だからな。そういうところが人を惹きつけるのだろう」

吹雪「はい…私の悩みもいつだって自分のことのように親身になって聞いてくれます。素敵な人です」

憲兵「本当にいいやつさ…スケベだけど」

吹雪「ええ…スケベですけど」

――

憲兵「結局行き先はわからずじまいか…あっちの方へ行ってみよう」



憲兵(……むっ?誰かいるな)

神通「……」

憲兵「…ちょっといいかな?」

神通「…はい?」

憲兵(気弱そうな娘だ)

神通「な、なんでしょうか…?」

憲兵「ああ、私は憲兵でね。君たちの提督に用があるんだ」

神通「…憲兵の方が提督に?」

憲兵(むっ?少し雰囲気が変わった…か?)

神通「いったいどのようなご用向きでしょう?」

憲兵(気のせいじゃないな…さっきの気弱そうな娘とは思えないプレッシャーを感じる。よくよく見れば隙もない。かなりできる)

憲兵(…いかんな。少し遊びたくなってきた。俺の悪い癖だな)

憲兵「今日は君たちの提督を牢獄に連れていくために来たんだ」

神通「!!」

憲兵(もちろん嘘だが…乗ってくるかな?)

神通「いったいなぜ…」

憲兵「それを君が知る必要はない」

神通「…!」

憲兵「今彼を探しているんだが…場所を教えてくれないか?」

神通「できません!」

憲兵「ほう、私に逆らおうというのかい?」

神通「提督は私たちにとって何よりも大事な存在!連れて行かせはしません!」

憲兵(あいつのために熱くなって……本当にこの鎮守府には良い子ばかりだ)

憲兵「なら私をここで倒すことができたなら、今日のところは彼を見逃してもいい」

神通「…それは本当ですか?」

憲兵「二言はないさ」

神通「なら…参ります!」ダッ!

憲兵「!?」

憲兵(数メートルの距離を一瞬で…!)

神通「はっ!」

憲兵(躊躇なく顔を…!)

憲兵「くっ!」グルッ

神通(手ごたえがない…いなされた!)

憲兵「はあっ!」

神通「ふっ!」バッ

憲兵(腹部への一撃を後ろに飛んで受け流した。なんて反応だ…)

憲兵「大したものだ」

神通「そちらこそ」

憲兵「今度はこちらから――」

鳳翔「やめなさい二人とも」

憲兵「…お久しぶりです鳳翔さん」

鳳翔「ええ、久しぶりね。どうしてこんなことになってるのか説明してはもらえないかしら?」

神通「鳳翔さんはこの方とお知り合いなのですか?」

鳳翔「ええ、昔ちょっとね」

神通「この方は提督を…」

憲兵「あ~落ち着いてくれ、神通くん。ほんの遊び心だったんだ」

神通「えっ…?」

――

憲兵「――というわけなんだ。申し訳ない」

神通「……提督を捕らえに来たわけではなかったのですね」

鳳翔「あなたって人は…人の神経を逆なでさせて、手合せしようとするなんて…」

憲兵「あはは…どうしても好奇心が抑えきれなかったんですよ。反省してますって」

憲兵「神通くん…お詫びに私にできることなら何でもするから言ってくれ」

神通「…いえ、納得しがたいものはありますが、提督が連れていかれないなら…私は大丈夫です」

憲兵「本当に申し訳なかった」

鳳翔「しかし本当に久しぶりですね」

憲兵「はい、昔鳳翔さんに手ほどきしていただいたことは何一つ忘れておりませんよ」

鳳翔「憲兵になっているとは思いませんでした」

憲兵「ええ。俺自身、この道に入ると、あの頃には想像もしてませんでした」

鳳翔「お元気そうで何よりです」

憲兵「はは、ありがとうございます」

憲兵「積もる話もあるのですが、ひとまずあいつを追いかけなきゃいけないので失礼します」

鳳翔「ええ、またね」

憲兵「はい、それでは」ダッ

神通「鳳翔さんの手ほどきを受けていたとは…道理であの強さ」

鳳翔「なかなか見込みのある方でしたからね」

――

憲兵「見つけたぞ!提督!」ダッ

提督「くそっ…捕まるかよ!」ダッ

羽黒「あれ…司令官?」



憲兵(さっさと捕まえてやる)

羽黒「なんであんなにあわててたんだろ…?」

憲兵(曲がり角から人が…まずい!)

羽黒「えっ?……きゃあああ!」

憲兵「うおおっ!?」ドンッ!

憲兵「す、すまない!」

憲兵(押し倒した形になってしまった。これはまずいぞ)

羽黒「えっ…えっ?」

羽黒(何?どうなってるの?私、押し倒されてる?)

ヒラッ

羽黒(胸ポケットから何か…これは)

憲兵(いかん!これは…)

羽黒(私の寝ている写真…服がはだけてる)

羽黒(何なのこの人…こんな写真を持ってって、私を押し倒して…)

羽黒「…うう」ジワッ

憲兵「!?」

那智「何をしている貴様!」ドカッ

憲兵「ぐうっ!?」

那智「ここを通りがかってみれば…不審者が私の妹を泣かせている」

那智「ただで済むとは思うなよ」

憲兵(参った…弁解するにしてもあまりに状況が悪い。俺の言うことなど聞いてもらえんだろうな。なら…)

憲兵「本当に申し訳ない!」バッ

羽黒「…えっ?」

那智「何の真似だ。土下座すれば許してもらえるとでも?」

憲兵「私の誠意を見せるにはこれしかない」

憲兵「腹を切れと言われればここで切る。海に飛び込めと言われたらすぐにでも海に行ってそうしよう」

憲兵「だが…その前に話を聞いてはもらえないか?」

羽黒「…はい」

――

憲兵「――というわけなんだ」

那智「…全てあの司令官が原因か」

羽黒「あ、あの、早とちりしてしまいすいませんでした…」

憲兵「押し倒してしまったのは事実だ。私が謝ることはあっても、君が謝ることはないさ」

那智「あ~その、蹴り飛ばして悪かったな」

憲兵「あの状況じゃ仕方ないさ」

那智「しかしあの司令官は…ただで済ますわけにはいかんな」

憲兵「それは任せておいてくれ。それじゃ、私はあいつを追う。本当に申し訳なかったな羽黒くん」ダッ

那智「…行ったか」

羽黒「……」

羽黒(押し倒されたときはびっくりしたけど…かっこいい人だったなあ)

那智「何だ顔が赤いぞ?まさか惚れたのか?」

羽黒「そ、そんなことないです!」

那智「はっはっは、いいじゃないか。いきなり始まる恋があってもよかろう」

羽黒「も、もう姉さんたら!自分だって司令官が大好きなくせに!」

那智「い、今それは関係ないだろう!!」

――

憲兵「こっちには来てない、か」

――

憲兵「こちらにもいない…本当に逃げ足の速い…」

――

憲兵(見つけた!)

提督「げっ!お前もしつこいな!」

憲兵「今度こそ逃がさんぞ!」ダッ

提督「させねーよ!」ダッ

長門「廊下を走るな!!」バキッ

提督「ひでぶっ!?」

憲兵(うわあ~…あれは痛い)

憲兵「とにかく年貢の納め時だな」

提督「ぐっ…!」

――

長門「何をしてるんだお前は」

提督「返す言葉もありません…」

長門「まったく…私は用があるから、後はよろしく頼む憲兵殿」

憲兵「了解した」

憲兵「お前が逃げるせいで、いらんトラブルを引き起こしてしまったぞ」

提督「それは知らん」

憲兵「とにかくだ…一度ぼこぼこにさせてもらおうか」

提督「ま、待て…まだ長門から受けたダメージが」

憲兵「問答無用!」バキッ

提督「あべし!」

――

憲兵「ふう、もういいだろう」

提督「」ボロッ

憲兵「…少しやりすぎたか?」

提督「くっそ~いって~な」ムクッ

憲兵「頑丈さは昔っから大したものだな」

提督「こういう事態には事欠かなかったからな」

――

憲兵「お前を追っているうちにたくさんの艦娘に会ってな。図らずして監察を行うことができた」

憲兵「中には聞き捨てならないことを言っている娘もいたがな」

提督「そ、それはどんな?」

憲兵「スクール水着にセーラー服という奇妙な恰好をしている子たちがいてな。なぜそんな恰好をしてるか聞いたら、提督にそうしろと言われたらしい」

提督「あっ」

憲兵「…まあ本人たちは気に入ってるようだから見逃してやる」

憲兵「しかし今日は来てよかったよ」

提督「なんでだ?」

憲兵「お前の下にいる艦娘たちは本当に良い子ばかりだと知ることができたからな。みんなお前を信頼していた」

提督「…ああ、あいつらは俺の誇りだ」

憲兵「あの子らを沈めるなよ?」

提督「お前に言われるまでもないさ」

提督「走り回って疲れたな。間宮さんのところに行って食事にしよう」

憲兵「いいな。俺も腹が減った」

――

提督「間宮さんの作るメシは最高だぞ」

憲兵「それは楽しみだ」

羽黒「あっ!あなたはさっきの…」

憲兵「!?」

足柄「あら~この人がうちの羽黒ちゃんを押し倒したっていう?」

提督「お前も何してんだ」

憲兵「も、元はと言えばお前のせいだ!」

提督「なんか顔が赤いぞ」

憲兵「う、うるさい!」

提督「お前のそういう反応はなかなか見れないからな。これはいい」

憲兵「うるさいうるさい!」

提督「はーっはっはっは!!」

憲兵「何が可笑しい!!」

終わりです。
設定の矛盾がどうしても解消できず、最初の構想を捨てることになったのでよくわからない展開になってしまいました。
お付き合いいただきありがとうございました。

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