フード「何でも屋、開店だ」(11)
「おう、兄ちゃん。薬草、2つくんな」
フード「あいよ。16Gだ」
「お兄さん、聖水もらえるかい?」
フード「まいど。8Gだ」
「いやー、いつも助かってるよ。ありがとね」
フード「商売だからな。どんなものでも売ります買います。どんな依頼も受けますやります。それがこの店のポリシーだ」
「ポリシーって、お兄さん、行商で一人旅でしょ」クスクス
フード「・・・だなっ」ニッ
兵士長「あいからわず、繁盛しているようだな」
フード「ん、兵士長のおっさんか」
兵士長「おっさん言うな」
兵士長「全く、もう少し目上の人に敬意を払ってだなぁ」
フード「40近くなればもうおっさんだろ。それに、お前はもう、俺の上司でもねぇ。もっと言えば、お前んとこの国王も、依頼主と思ってねぇ」
兵士長「・・・“あれ”に関しては本当に済まなかった。だからもう一度・・・!」
フード「くどいんだよ。悪いが、もうこの村は出て行くぜ。みんな!すまねぇ、俺はもう行くが、ある程度おいてくかんなー・・・これでよしっと。んじゃぁな」
兵士長「・・・仕方ないか。あのようなことがあっては・・・彼の気持ちもわからぬではないか・・・」
「あんのー、なにか、あったんですかい?まさか魔物が・・・」
兵士長「それは大丈夫だろう。彼が何とかしてくれているだろうし・・・」
兵士「兵士長殿!ここにおられたのですか!もうお時間が・・・!」
兵士長「わかった。ではいくか」
-王宮-
国王「ぐぬぬ・・・あの無礼者め・・・!」
王女「兵士長、勇者殿は、私と婚約を結んだ身、まだ見つからないのですか?」ギロッ
兵士長「ええ、依然として、“勇者”殿の行方はしれずじまいで・・・」
国王「言い訳は良い!お主を動かしているのは税金であるぞ!貴様の捜索が長引けば、国民の負担が増えるのは明白であるぞ!」
兵士長「(よく言うな。ただでさえ国民の税は所得の半分を奪って自分だけ贅沢に暮らし・・・勇者殿にもあのようなことを・・・)」
王女「あ、そうそう、お父様、私の頼んでおいたあの服、まだですの?」
国王「うむ、今日中に届くはずである。楽しみじゃのぉ」
兵士長「(王が王なら、姫も姫だ。国王が溺愛しすぎたせいで、自分の思い通りにならないと怒り狂うわがまま王女・・・私は何故、この城を選んだのだ・・・間違いなく、あの笑顔に騙されたのだ。いや、騙されているのだ・・・私も、国民も)」
国王「まぁいい。また探しに行かれよ。次合う時は、勇者殿を連れてな・・・」
兵士長「・・・はっ」
フード「ヘックチッ!風邪か?噂か?どっちなんだよ・・・うー、さみぃ」
魔女「ふーん、大丈夫?」
フード「ん、大丈夫だ・・・・それより、いつからいた?」チャキッ
魔女「ちょーっとー、剣を首元に当てながら言わないでよー、切れたらどうする気っ?」
フード「俺はお前みたいな露出狂と一緒にいるのは嫌なんでね」
魔女「露出狂とは失礼ねぇ。一緒に魔王j」
フード「その先を言ってみろ、お前の首が胴体から離れて治療魔法も聞かないほどの傷をおわせてやる」
魔女「わかったわかった、で?家くる?一晩ぐらいなら泊めてあげるよ」
フード「おっけ。んじゃ、今から行くか」
魔女「依頼もしていい?」
フード「却下だ」
-魔女の家-
魔女「はいはいどうぞ~」
フード「邪魔するな」
魔女「まぁまぁ~私たちの仲じゃない」
フード「で、依頼は?まさか、魔物か?」
魔女「!よくわかったね」
フード「長い付き合いだからな」
魔女「そう、で、私、魔術を色々研究してるのは・・・知ってるわね」
フード「ああ」
魔女「それで魔物の襲撃をよく受けるのよ~」
フード「ふーん」
魔女「だからー、護衛に来てよー」
フード「お前、俺が何者が知ってって言ってるよな?」
魔女「だって、あなたなら魔物も近寄ろうとしないじゃない」
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