兄「なんだなんだ」
妹「きっこーえーなーいーのぉー!」
兄「なにが?」
妹「あそこ!あそこにいる奴!」
兄「はぁ?」
兄「なんもいないじゃん」
妹「なにかいるよ!怖いよ!」
兄「はぁ?」
兄「どうした? 大丈夫か?」
妹「怖い……怖いよ!」
兄「お、おい……」
妹「手を招いてる…!」
兄「ち、ちょっと病院行くぞ」
妹「なにかいるよ!怖いよ!」
兄「ほらはやく!」
道中
ブーン
妹「おっにぃーちゃん!おっにぃーちゃん!」
兄「今度はどうした!?」
妹「誘われてる……!助けて!」
兄「あぁもう!なんなんだよ!」
ブーン
綺麗な服がたくさんあるよ
妹「ひぃっ!」
兄「……」
妹「おっにぃーちゃん!おっにぃーちゃん!」
兄「……」
キキーッ
兄「妹、いったいどうしたんだ?」
兄「何が見えるんだ?」
妹「わからない……わからないよ!」
妹「怖いの……怖いのがすぐそこに……!」
兄「……そいつは何かいってたのか?」
綺麗な服がたくさんあるよ さぁおいで?
妹「ひぃいっ!」
兄「おい!しっかりしろ!」
妹「ふ、ふくが……たくさん……」
兄「……? どっかで…」
私の息子と踊ってくれないかい?
妹「ひっ!」
兄「今度はどうした」
妹「聞こえないの!?」
妹「怖いよ!助けてよ!」
兄「……助けたいのは山々だが……」
妹「いや!やめて!」バタバタ
兄「…とりあえず病院だ」
ブーン
残り二キロ
妹「おっにぃーちゃん!おっにぃーちゃん!」
妹「あそこに男の子が!二人になったよ!」
兄「よく見ろ!あれは木だ!」
かわいいな 遊ぶところはある
昼寝も許そう さぁおいで?
妹「いやぁぁぁ!」
妹「たすけ……てよ!」
兄「あと少しだ」
妹「近づいてくる……」
兄「……」グッ
ブゥゥーン
兄「どうだ?」
妹「来る……きてるよ……!」
兄「……これに似た状況……何かで見たような…」
ブゥゥーン
かわいい子だ だがいくら暴れても
さ ら っ て い く ぞ
妹「イヤァァァァァ!」
兄「……」
妹「助けて!連れてかれる!」
妹「おっにぃーちゃん!」
兄「連れてかれる…?」
兄「………!!」
兄「まさかとは思うが……ヤバイ!」ググ
ゴォォォ
残り五百メートル
兄「しっかり捕まってろ!」
妹「やめて!引っ張らないで!」
兄「ヤバイヤバイ!」
ブゥゥーン
病院
兄「ついたぞ!こい!」
妹「あっ…あっ…ひぐっ……こわいよぉ……」
兄「しっかりしろ!」ユサユサ
妹「たすけ……て…」
兄「死ぬな!気をしっかり持て!」
ダキッ
ダダダダ
兄「建物入れば…!」
妹「ひぐっ……うぇ……」
妹「魔王がいるよ……怖いよ……」カクン
―――妹は死んだ
なぜかはわかってる
ただ証明ができない
結局死因は心臓麻痺になった
犯人はあいつだ まさか音楽の歌詞だとばかり思っていたが……
そいつに狙われたら生き残れない
そいつの名は――『魔王』――
おわり
子供「お父さん!魔王が!」
父「はいはい枯れ木枯れ木」
子供「お父さん!あそこに美女が!」
父「何?どこだ!」
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