兄「催眠術で、生意気な妹を従順で甘えん坊な可愛い妹にする!」 (320)

みたいなの書いてください
よろしくお願いします!

>>1ですがすみません、やっぱり書いてください

まっするまっする

お願いします、紳士のVIPPER様!

たのむよー!!
催眠術で人格改変とか大好物なんだよー!

ちょっと調べてきたぞ

兄「ムカつく妹を催眠術で俺を病むほど溺愛する様にした結果www」
兄「ムカつく妹を催眠術で俺を病むほど溺愛する様にした結果www」 - SSまとめ速報
(ttp://www.logsoku.com/r/news4vip/1381417423/)

こんなんじゃないんだ!!俺が求めてるのは!!
しかも未完じゃないか!


うああああああああああああああ!!!

プリーズ!!ライト!!SS!!

洗脳で検索した

兄「洗脳メールねぇ。妹に送ってみるか」
兄「洗脳メールねぇ。妹に送ってみるか」 - SSまとめ速報
(ttp://www.logsoku.com/r/news4vip/1379080224/)

兄「催眠をかけてやるよ、妹」

妹「は?ざけんな」

ダンッ!!

兄「…お前は実験台だ」

妹「…」ゾクッ

兄「今から一緒に来い」

妹「…目が怖い」ガクガク

バンッ!!

兄「腹パンは好きか?まだまだあるぞ、地獄は楽しいなぁおい」

妹「う…オゲエエエエエエエ」ドバドバ

兄「さぁ!!来い!!!」

弟に見えた

>>10
読んだ事あるけど、安価の所為だったのか、微妙だったんだよねぇ

>>12
ただのリョナじゃねえか
続けたまえ

>>13
ショタも好きですよ

~1年後~

妹「オニイチャン-ダッコシテ-」

兄「はぁ…お前も年なんだからそれぐらい考えろよ」

妹「ダイスキ-オニイチャン-」

兄「さぁ山に登るか、妹の弁当楽しみにしてるぞ」

妹「ウン、オニイチャンノ、タメニ、タクサンツクッタカラ-タクサンタベテネー」

兄「おう、任せとけ!」

2人は生涯幸せに生きましたとさ、めでたしめでたし

適当だな、おい

SS書くのは精神力がいるんだよ、だからニートの俺には最大30個ぐらいしか書けない、というか他力本願過ぎるだろ

兄「(昔は妹も可愛かったなぁ……)」

兄「(むしろ引っ付きすぎて鬱陶しいぐらいだったのに……)」

兄「(それが今じゃ……)」


ガチャッ


妹「ただいまー」

母「おかえり。ご飯出来てるわよー」

妹「んー、先にお風呂入る。汗かいちゃったし」

母「お風呂なら兄が今入るとこだけど」

妹「えー?…おーい兄貴ー!」


ガチャッ

兄「なに?……って、うわ!ノックぐらいしろよ!」

妹「いいじゃん別に。あ、私お風呂先入るから」

兄「え、俺今から入r「じゃあそういうことで」ガチャッ

兄「あっ、おい待てよ!!」

兄「………………」

兄「昔は….可愛かったのになぁ……」

>>20
まぁ、そういうスレですからね

応援してる、頑張れ

兄「中学に上がる前までは結構甘えてきたのになー…」

兄「別に昔みたいにベタベタして欲しいわけじゃないけどさ…」

兄「………暇だし漫画でも買いに行くか」


_____________________

____________

_____


兄「んー、特に欲しいのもないなー…」

兄「まぁ、手ぶらで帰るのもアレだしもうちょっと見てくか…」

兄「えっと……ん?なんだこの本…『サルでもわかる催眠術』?」

兄「催眠術ってテレビとかでたまにやってるアレか?…なんか怪しいなこの本…」

兄「………………」

兄「(怪しいけど、もしこれが本当なら……)」

兄「妹……」

兄「…ま、まぁ安いし一応買って帰るか」

ID変わってた

やっぱ無理だすまない
寝る

仕方ないから俺が書いてやるよ

兄「ただいま」

妹「……」

兄(返事は期待してない。挨拶はただの習慣)

兄「その鞄、出掛けるの?」

妹「……」

兄(日常会話も無視される事の方が多い)

兄「友達が遊びに来るんだよね」

妹「友さん?」

兄(これは予想通りの返答)

兄「いいや、別の友達」

妹「ならキモい奴か」

兄(次の言葉はこう)

妹「あんたの友達だもん、キモい奴にはキモい友達しかいないでしょ」

兄(似たような事は何度も言われてる。だから僕は傷付かない)

妹「キモいのが来る前に出掛けよーっと」

兄「いってらっしゃい」

兄(当然返事はなかった)

友「よっ」

兄「どうぞ」

兄(友はリア充だ)

友「上達したか?」

兄「そこそこね」

兄(家はご近所、学校は小中高と同じクラス)

友「そうそう、新しいスコア買ったぜ」

兄「部屋で見るよ」

友「おう」

兄(僕は地味なだけで取り得もない)

兄(その僕がハイスペックな友と仲が良いのは、なんとなく馬が合うからとしか言えない)

友「軽く合わせようぜ」

兄「アンプ使う?」

友「後でな」

兄(ギターを始めた友に付き合って、僕はベースを買った)

兄(僕らの関係を表わしているみたいで少し面白い)

友「んん~♪」

兄(鼻歌混じりにギターを弾く友、その引き立て役のベースの僕)

兄(これが僕らの関係)

妹「やっぱり友さん来てる!」 ガチャッ

友「やあ、妹ちゃん」

兄「おかえり、妹」

妹「……。ねえねえ友さん、なんか弾いて!」

友「んー、何が聞きたい?」

妹「えとね、ラブソング!」

友「ラブソング、ラブソングね」

兄(友の視線がネックに向くと、妹が僕を睨み付ける)

妹「……、……、……」

兄(その唇の形は「後で殺す」)

兄「……」

兄(僕は何も言わない。表情も変えない)

兄(どうせ僕が何をしても意味がないと知っているから)

妹「今日はすごく楽しかったです! また来てくださいね」

兄(笑顔で見送る妹の後ろで、僕は頭を下げる)

友「ま、その内にね。ばいばい」 ガチャッ

兄(妹のおかげで練習は全然進まなかった)

妹「おい」

兄「……」

兄(妹の雰囲気は友が帰った瞬間、ガラリと変わった)

妹「私聞いたよね? 友さんかどうか、あんたに聞いたよね?」

兄「ごめん」

妹「何がごめんなわけ? ねえ?」

兄(余計な言い訳をすればするほど妹は怒る)

兄(お前がいると練習が進まない。そう説明した所で逆鱗に触れるだけだ)

妹「役立たずの癖に私に嘘まで吐くわけ? ねえ?」

兄「ごめん」

妹「おい」 バシンッ

兄「……」

妹「ねえ。たまには兄貴らしい事してくれない? 私と友さんの仲を取り持つとかさぁ」

兄(僕は考えてみる)

兄(妹は僕に似ず可愛い。少なくとも外見は可愛い)

兄(妹と友が並んで歩く。それは絵になると思う)

兄(でも僕は、二人の並んだ姿を想像するだけで嫌な気分になる)

兄(そこには僕の居場所は何処にもない)

兄(友の引き立て役も、妹の八つ当たり先も、その光景には必要ない)

妹「ほんと、あんたの顔見てると苛々する!」 バシッ 

兄「……っ」

兄(それなら今の方が、まだマシだ)

兄(マシなはずだ)

兄(本当に?)

兄(本当にそうだろうか)

兄(こんな状況がマシだと言えるんだろうか)

兄(でも他にどうしようもない)

兄(だから今が一番マシなはずだ)

妹「はあ。本当に使えない」

兄「……」

兄(その言葉を最後に妹は部屋に戻った)

兄(僕は安心する)

兄(これで明日からも同じような毎日が来る)

兄(そこには僕の居場所がある)

兄(だから僕は安心する)

兄「おはよう、友」

友「ん? おう、おはよう。今日は早いな」

兄「天気が良かったから、ついね」

兄(僕はあまり妹と顔を合わせていたくなかった)

友「あ、そうだ。今度はうちでやろうぜ」

兄「え?」

友「セッション」

兄「ああ」

友「昨日はアレだったけどさ、やっぱ趣味の合う奴ってお前くらいだよ」

兄「僕も友くらいだよ」

兄(合うんじゃなくて、合わせてるんだよ)

妹「おはようございます、友さん!」

友「妹ちゃん?」

妹「えへ。一緒に行きましょ?」

友「でも妹ちゃんの学校って」

妹「途中までは一緒です!」

兄(嫌な感じがした)

兄(その状況は、とても嫌な感じがした)

妹「友さんって軽音楽部とか入らないんですか?」

友「うちはないんだよね」

妹「じゃあ作っちゃいましょうよ!」

友「メンバーがいれば考えるんだけどね」

妹「私入っちゃいますよ?」

友「中学生は無理だって」

兄(僕は二人の後ろを黙って付いて行った)

妹「あーあ、もう着いちゃった」

友「頑張って勉強してきなよ」

妹「はーい。またね、友さん」

兄(そう言って妹は走って行った)

友「ふぅ」

兄「溜息なんて珍しいね」

友「そうか?」

兄(それだけ答えると、友は笑って先を歩いた)

兄(嫌な予感はまだ消えなかった)

兄(そして予感は的中した)

妹「友さん!」

友「え、妹ちゃん?」

兄「……」

兄(放課後、妹は制服姿のまま僕達の高校の前で待ち伏せていた)

友「どうしたの?」

妹「当ててみてください」

友「兄に用事?」

兄(友が僕を見る。僕は首を振る。妹が僕に用事なんてあるわけがない)

妹「正解は……友さんに会いたくて来たんです!」

友「俺に? それは嬉しいね」

兄「ああ」

兄(僕は誰にも聞こえない小さな溜息を吐いた)

妹「ねえ友さん、これからデートしてくれませんか?」

友「これから? それはちょっと」

妹「お願いします、一生のお願いです」

兄(そこにあるのは、なんて淡くて綺麗な青春なんだろう)

兄(その淡くて綺麗な青に塗り潰されて、僕の居場所は消えようとしていた)


妹「はあ」

兄「……」

兄(結局、友はどうしても外せない用事があるからとデートを断った)

妹「なんで私はこんなのと一緒に帰らなくちゃならないのよ」

兄「なあ、何のつもりなんだ?」

妹「は?」

兄「どうして校門で待ち伏せしたりするんだ?」

妹「言わなくちゃ分からないの?」

兄(妹が蔑みの目で僕を見る)

妹「あんたが役に立たないから自分で動く事にしたの」

兄「やめてくれよ」

兄(考える前に言葉は出ていた)

兄「僕の居場所を奪わないでくれ」

妹「あんたの居場所? 何それ?」

兄(妹は鼻で笑った)

妹「私は友さんが好きなの」

妹「友さんと恋人になりたいの」

妹「あんたなんて偶然友さんと幼馴染なだけでしょ?」

妹「私はずっとずっと友さんが好きだったんだから」

妹「もうあんたに協力してなんて言わない」

妹「でも邪魔だけはしないでくれる?」

妹「ていうかさ、いっそ死んじゃえば?」

妹「母さんも父さんも私の方が大事でしょ?」

妹「あんたが死んでも悲しむ人なんていないって」

妹「友さんは優しいから悲しんでくれるかもしれないけど」

妹「それは私が慰めるから問題なし。あ、死んでくれた方がいいわ。死んでよ」

兄「そっか」

兄(このくらい言われ慣れてる。だから僕は傷付かなかった)

妹「……何泣いてんの? 気持ち悪っ」

兄(妹は何を言ってるんだろう。僕が泣くわけないのに)

妹「キモいキモい、さっさと帰ろうっと」

兄(妹の背中が遠ざかる。僕は足を止めていた)

兄(水滴が落ちる。顔に触れる。頬が濡れている)

兄「傷付かないわけないだろ!」

兄(僕は去った妹にか僕自身にか、叫んでいた)

兄「傷付かない? 馬鹿じゃないのか! 僕は人間だぞ! 傷付かないわけないだろう!」

兄「ふざけるなよ! なんで不公平なんだよ! 僕だって同じ人間なのに!」

兄「僕とお前らの何が違うって言うんだよ!」

兄(溢れるのは憎悪と嫉妬)

兄(こんなにも醜い感情が自分の中にあるなんて僕は知らなかった)

兄(いや、知りたくなかった。だから目を背け続けていた)

兄「ちくしょう、ちくしょう、ちくしょう、ちくしょう!」

兄(一度気付けばもう止まらなかった)

兄「なんでだよ、なんでなんだよ! なんで僕は友じゃないんだよ!」

兄(僕は喉が枯れるまで叫んだ)


兄「はぁ、はぁ……」

兄(気持ちよりも先に体力が尽きて、僕は叫ぶのを止めた)

兄(どうしようもなく惨めだった)

兄「ちくしょう、ちくしょう」

?「おー、いい負け犬っぷりやねぇ」

兄「……」

兄(その声と拍手は、僕の横から聞こえた)

?「いやぁ、なかなかいないわ。ここまでしょうもない負け犬くんは」

兄「……」

?「んー? なあ、お話しようや負け犬くん。まずはこっち見ぃ」

兄(興味が湧かない。ただ友と妹への黒い気持ちが僕の頭を埋めていた)

?「しゃーないな」

兄(男の顔が目の前に現れ、僕はさすがに後ずさる)

男「お、やっと見たな。こんにちは、坊ちゃん」

兄「……こんにちは」

男「ちゃんと挨拶できるやん。いい事や」

兄(僕は男を見た)

兄(服装は和服、でも表情は軽薄なにやけ顔で、なんとなく薄気味悪い)

兄(少なくとも、まともな職業に就いているようには見えなかった)

男「警戒しとるねぇ」

兄「何か用ですか?」

男「用があるのは君の方やろ、負け犬くん」

兄「……」

兄(男はまともに話すだけ無駄な手合いに思えた)

兄(このまま人のいる所まで逃げてしまえばいい、そうしようか)

男「ほれ、ボクの目を見ぃ」

兄(男は僕を見る。僕は男を見る)

男「逃げたらあかんよ」

兄(そう言われて、僕の足は根を張ったように動く気をなくしたように感じられた)

男「君はボクに用事がある。そうやろ?」

兄「用事……」

男「君は今絶望しとるね。そこから抜け出したいと思っとる。そこでボクの出番や」

兄「あなたに何ができる」

兄(何もできるわけがない。救われるわけがない。だからこそ、僕の心はこんなにも重い)

男「いやいや、君が望むんなら今すぐにでも抜け出せるわ。どうする?」

兄(もしそれが本当なら、僕は何を犠牲にしても縋り付くに決まってる)

兄「でも、ありえない」

男「どうして?」

兄「そもそもそんなの不可能だし、あなたに僕を助ける理由がない」

男「ボクには簡単なんよ。それにボクは慈善家やからね」

兄「慈善家?」

男「そうそう。……面白そうな負け犬くんには餌を食らう牙をあげるんよ」

兄(男が何を言ってる意味は分からなかった。だけど)

男「君の答え次第や、どうする? 選びぃや」

兄(そんな事は考えるまでもなかった)

兄「なんでもいい。くれよ、僕が僕じゃなくなれる何かをくれよ!」

兄(僕の決意を聞き流し、男は飄々と笑って)

男「おっけおっけ、始めよか。……次に目覚めた時には君は新しくなっとるよ」

兄(そうして男が手を叩くと、僕の意識は途絶えた)

おかしいなぁ
なんでこんなエロSSの前振りに1時間半も掛けてるんだろ

兄「……」

兄(次に目覚めた時、僕は家の玄関の前に立っていた)

兄「あれ」

兄(空はすっかり暗くなり、あれから随分時間が経ったと分かる)

兄(男の姿はない。そもそもあれは本当にあった事なのか聞かれれば、よく分からない)

兄「全部夢だったのかな」

兄(そう言いながら僕はなぜか笑っていた)

兄(その笑顔は、あの男によく似た軽薄な笑いな気がした)

兄「ただいま」

妹「……」

兄(妹は僕を見る。僕は妹を見る)

妹「へぇ、生きてたんだ」

兄「ただいま」

妹「は?」

兄「ただいま」

妹「何なの?」

兄「何だと思う?」

妹「……」

兄(からかわれたと思ったのか、妹の表情が歪む)

妹「本当に苛々する、この……っ!」 ブンッ

兄「挨拶はきちんとするべきだろ」

妹「……っ」 ピタッ

兄(僕は妹の目を見て、ハッキリと一音一音を区切って喋る)

兄「挨拶は、するべき、だろう」

妹「……お、かえり」

兄「うん、ただいま」

兄(僕は妹を残して部屋へと向かう)

妹「ちょ、ちょっと!」

兄(背後で喚く妹を、僕は振り返らなかった)

兄「ただいま、おかえり」

兄「おかえり、ただいま」

兄「ぷっ、あはははは!」

兄「あー、可笑しい。おかえりだって。ひっ、ぷははは!」

兄「おかえり! おかえり! おかえり! ぷぷぷぷっ!」

兄(何年振りに聞いたろう、妹の挨拶を)

兄(愉快で愉快で仕方がなくて、僕は腹を抱えて笑い続けた)

兄(泣き疲れ、笑い疲れ、一日が終わる)

兄(そして翌朝の目覚めは爽快だった)

兄「おはよう、妹」

妹「……おはよう」

兄(妹は釈然としない顔で、僕の横を通り過ぎ、洗面所へ行く)

兄「挨拶は大事だね、うん」

兄(これは妹を僕に歩み寄らせた証拠)

兄(そして僕が生まれ変わった証拠)

兄「ぷくっ、ぷは……ふふっ」

兄(憂鬱に耐えた昨日は終わり、愉快を堪える今日が来た)

友「おはよう、妹ちゃん」

妹「……おはよう、ございます」

兄(僕は二人の三歩後ろを歩く)

兄(遠慮しているわけじゃない。今の僕の目で二人を見たかった)

妹「……」

友「今日は元気ないね、どうかした?」

妹「え? い、いえ、そんな事ないですよ! 友さんと一緒にいるだけで私元気ですから!」

兄(妹は引っ掛かりを覚えているようで、しきりに僕の方を見ている)

兄「友、課題を写させて欲しいから今日は急ごうよ」

兄(二人の間に割って入り、僕は友に言う)

友「兄が? まあいいけど……それじゃ妹ちゃん、じゃあね」

妹「え? あ」

兄(妹を置き去りにして、僕と友は小走りで学校へ向かった)

友「はいこれ。授業前には返せよ」

兄「ありがとう、友」

兄(友はノートを渡すと、僕の席から離れて他の友達の所へ行った)

兄(学校の外ではよく話す友と僕だが、学校の中ではそれほど関わりはない)

兄(だから僕は一人でいる事が多い)

兄「ぷぷっ」

兄(教室で一人でいる事は、それだけで居心地は悪いけれど)

兄(今となっては、それはとても都合の良い事だった)

女「友くん、おはよー」

友「女さん、おはよう」

女「外、すっごい寒かったよ」

友「知ってる知ってる、俺もさっき来た所」

女「途中ですっごく可愛い猫がいてね、写メ撮っちゃった」

友「嘘、見せて見せて」

兄(今の僕には何ができるんだろう?)

兄(僕はそれが知りたい。試したい)

兄(誰に? 誰でもいい。でも、どうせなら楽しい方がいい)

兄(例えば明るくて可愛い、友の隣にいても釣り合うような)

兄(そんな女の子で実験できたなら、とても楽しいだろうと思う)

休憩。この後ちょっとだけ安価入れるわ

女(ああ、まずいなぁ……移動教室だったのすっかり忘れてたよ……)

兄「女さん」

女「え? えーと、カニくんだっけ」

兄「兄です」

女「あーそうそう、兄くん。ごめんね、私人の名前覚えるの苦手で」

兄「全然気にしてないですよ、僕みたいな石ころみたいな人間、覚えてる方が凄いですよ」

女(苦手だなぁ、こういう絡みづらい人)

女「本当にたまたま忘れてただけだってば。兄くんも急がないと遅れちゃうよ?」

兄「そんな事より、女さん」

女(話を切るタイミング作ったつもりなんだけど、わざと無視したのかな)

女「ごめん、話あるなら歩きながらでいい?」

兄「こっちを見てください」

女(もう、しつこいなぁ)

女「何?」

兄「昼休み、屋上に来てくれませんか?」

女「屋上?」

兄「そうです。一人で、誰にも言わずに、屋上に来てください」

女「いや……私……」

女(そんな事言われても無理だし、友達とご飯食べるし……)

兄「昼休み、屋上に、一人で、誰にも言わずに、来てください」

女(私を見てる。あの目、なんか……変な感じがする……)

女「……行くだけ、なら、いいけど」

兄「ありがとうございます」

女(今の何? なんか、なんかおかしかった)

兄「それと、僕とここで話した事も誰にも言わないでくださいね」

女「うん」

兄「僕は先に行きますね」

女(すごく、引っ掛かる。おかしいのに、おかしいはずなのに、何がおかしいのか分からない)

女「気にしすぎかな。……私も行かなくちゃ」

兄(手応えはあった。成功していれば、そろそろこの屋上に女さんが来るはずだ)

ガチャッ

女「……何の用?」

兄「ああ、来ないのかと思って心配しましたよ」

女「用があるなら早くしてくれるかな」

兄(すごく不愉快そうな顔をしてる。本当はしたくないのにしてる、そんな感じだ)

兄「女さんに僕からどうこうっていう事はないんですよ」

女「なら私、教室に帰るね」

兄「ああ、待ってください。僕の方を見てください」

女「何なの?」

兄「屋上のフェンスに手を付いて動かないでください」

女「はぁ?」

兄「フェンスを、掴んで、動くな」

女「え? ちょ、何、え? 待って、待ってて!」

兄(女さんは、自分の足がフェンスに向かうのに驚いているように見えた)

兄(僕は屋上の鍵を閉める。これで誰も入って来れない)

兄「さて」

兄(振り返った先には、フェンスにしがみ付いたまま動けずにいる女さん)

兄「さて、さて、さて、さて?」

兄(僕は女さんの近寄り、その顔を覗き込む)

兄(女さんは混乱から立ち直っていて、僕を睨んだ)

女「何したの?」

兄「これから分かるよ。はい、フェンスを放していいよ」

女「……っ」

兄(女さんはその瞬間、扉の方へ駆け出した)

兄(こんな時、昨日の僕ならどうしたろう?)

兄(すぐに諦める? むしろ道を譲る? 謝り倒す?)

兄「僕は、違う!」

兄(離れようとする背中を掴んで、僕は力いっぱい引き摺り倒した)

女「痛っ!」

兄(呻いた女さんの頭を両手で掴んで、僕は怒鳴った)

兄「僕から逃げるな! 大声を出すな! 僕の目を見ろ!」

女「……っ!」

兄(途端、女さんの手足が弛緩する。女さんにはもう、逃げるためにもがく事も許されない)

兄「立て」

兄(僕が離れると、女さんは命令通りに立ち上がって僕を見る)

兄(その表情は嫌悪、恐怖、敵意、屈辱。すべてが僕に向けられていた)

兄(僕の名前さえ覚えていなかった女さんが、今、僕を負の感情の対象として見ていた)

兄(僕は今、笑っている。きっと、あの男の軽薄さで笑っている)

安価は勢い的に無理があるので適当にレスを拾うわ
ちょっとした実験タイムみたいなもんで適当にどうぞ

ああ、女さんに掛ける催眠安価ね。トイレ行ってくる

女(怖い)

女(怖い、怖い、怖い!)

女(何なの、これ。なんで逃げられないの? 嫌だ、こんな人の言いなりになりたくない!)

兄「女さん」

女「……」

女(誰が返事するもんか)

兄「困ったな、あんまり時間を無駄にしたくないんだけど」

女(……そうだ! 昼休みが終わるまで我慢すれば誰かが探しに来てくれる!)

女(それまで適当に誤魔化しておけば、後はみんなが助けてくれる!)

兄「そうだね、まずは基本的な所から始めよう」

女「き、基本って何?」

兄「女さん、3回回ってワンと鳴け」

女「え?」

女(あ、あれ、体が勝手に、回って……っ!)

女「わ、ワン!」

兄「ふぅん」

女(こんな事したくないのに、なんで命令されただけで……うぅぅ)

催眠安価絶賛募集中
目安は4、5個くらい

女(ちょっと待って。命令されただけ?)

女(この人が命令する時って……)

女「目」

兄「……目?」

女「目を見ないとダメなんでしょ?」

兄「……」

女「それ超能力か何か?」

兄「さあね」

女(言う気はないんだね)

女「……私、それ面白いと思うよ。ねえ、この事は秘密にするから他にもっと楽しい事に使おうよ」

兄「例えば?」

女(乗って来た! これで時間が稼げる!)

女「相手の目を見ながら話すと、その通りになっちゃうんだよね?」

兄「かもね」

女(この人が興味持ちそうな話、何かいい感じの……確かこの人、たまに友くんと一緒にいたような)

女「と、友くん! 友くんにさ、打ち明けてみようよ! それで三人で……!」

兄「……」

女(笑った? でもなんか、全然気持ちが落ち着かない、嫌な感じの……)

兄「くだらない時間稼ぎお疲れ様。僕って余程バカに見えるんだね」

女「え、あ」

女(気付かれてた? 嘘、どうしよう!)

兄「ここまでバカにされたら仕方ないよね。女さんにはお仕置きしなくちゃ」

女「お、お仕置きって」

兄「さて、さて……そうだな、うん……ぷ、ぷふっ、ふふふっ」

女「何? 何なの? 何なの?」

兄「焦らない焦らない。女さんはケーキは苺から食べるタイプだね。ぷふふっ」

女(膝が震えてる……あああ、嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ、なんで私こんな、こんな事に……)

兄「そうだねぇ、女さんはこれから少しずつ、舌ったらずになってく」

女「……?」

兄「どんどん子供みたいな喋り方になってくんだ」

女(それだけ? なんだ、怖がって損した)

兄「ただし。それはね、おちんぽでおまんこを突かれる毎に進んでくんだ」

女「へ? お、おま……?」

兄「10回毎に1歳ずつ女さんは幼い喋り方になってく」

女「な、な、なな……っ! い、いや! いや! 私まだした事ないのっ!」

兄「僕もだよ。良かったね、初めて同士だよ」

女「……っ、あんたみたいな冴えない男なんて全然嬉しくないっ!」

兄「ふぅん」

女「あ。ち、ちが、今のは!」

兄「フェンスにしがみつけ」

女「あ、う」 ガシッ

兄「良かったね。こんなに晴れた空の下で処女喪失できるなんて、なかなかないよ」

女「お、おねがい、します……謝るから、なんでもするから……!」

兄「なんでもねぇ」

女「な、なんでもします! だからエッチだけはやめて!」

兄「そう言われても、僕って何でもできちゃいそうなんだよね」

女「あうっ」

兄「ああ、そうだ! 丁度いいや」

女「な、なんですか?」

兄「いやね、最近鬱陶しいのがいてね。女さんに追い払って欲しいんだよ」

女「します! 追い払います!」

兄「それじゃあ、君は今から友の彼女だ」

女「え? と、友くんの彼女ですか?」

女(いきなりなんで?)

兄「ああ、本当に彼女になれって事じゃないよ。彼女の演技をしろって事ね」

女「あの、具体的には」

兄「携帯借りるよ」

女「え、ちょっと!」

兄「これから僕が電話する女の子に、君は友の彼女として会話するんだ」

女「突然そんな事言われても無理だよ!」

兄「できなきゃ犯すよ?」

女「うぐっ」

兄「「設定は、友に近付かないように釘を刺す彼女、って感じかな」 

女(そう言ってこの人は、私の目を覗き込んで)

兄「お前は友の彼女の演技をする。いいな?」

女「……はい」

妹(はぁ)

妹(なんだか今日は調子出ないなぁ)

妹(なんか、ずっと何か引っかかってる感じがしてダメ)

妹「はぁ」

妹「……ん、電話? 誰だろ」

妹「知らない番号。……もしもし?」

『これ以上友に近付かないで』

妹「誰、あんた?」

『私は友の彼女、ぉぐ……っ!?』

妹「友さんの彼女!? ちょっと、どういう事!?」

女「いぎ……っ!?」

兄「処女喪失おめでとう」

女(耳元で囁かれた声を気に掛ける余裕は、私にはなかった)

女「な、んで……っ!」

女(処女を失った痛み以上に、こんな形で初体験をした事で頭がいっぱいになる)

兄「しなかったら犯すと言っただけで、したら犯さないとは言ってないだろ?」

『ちょっと! 答えなさいよ!』

女「だ、だから私は、友の彼女……だって言って、る、でしょぉ!」

女(本当は私を後ろから犯してる彼に怒りと憎悪をぶつけたいのに)

女(なのに私の口は、勝手に演技を続けてしまう)

妹「どういう事なのか説明しろって言ってるの!」

妹友「妹、どうしたの?」

妹「ちょっと黙ってて。……ていうか、友さんの彼女がいるなんて聞いた事ないし」

『そ、れは……ひ、秘密に、してぇ……る、からぁぁっ!』

妹「さっきからその喋り方、ふざけてるの?」

『ち、違う、私は、ふざけてっ、なんてぇ……うぐ……ぅ……っ』

妹「猫が盛ったみたいな声で何? キモいんだけど? 友さんがあんたみたいの好きになるわけないじゃん」

『でも、本当に……ぃ、わ、わたし……っ』

女「も、もうやめ……っ」

兄「続けろ」

女(初めて入れられたのに。なのに欠片の気遣いもなく突き入れられる物はただただ痛いだけで)

女(普通に恋愛して、良い雰囲気になって、愛してる人に愛されて、そしてエッチする)

女(私の思い描いてた素敵な初体験が、滅茶苦茶にされてく)

女「もうやだ、もうやらぁ!」

『はぁ?』

女「だ、だって、いたいんだもん! ひどいよぉ!」

『あんたふざけてんの!?』

兄「今は11才くらいかな?」

女「え?」

女(言われて私は、自分の喋り方が少し幼くなっている事に気付いた)

兄「ほらほら、どんどん子供になってくよ」

女「いっ、やぁっ、やらぁっ! うっ、あっ、あっ、んぅ!」

『ま、まさか! まさか友さんとエッチしてるの!?』

女「やぁっ、きいちゃらめ、らめっ!」

『ち、違う、そんなわけない! わかった、一人でしてるんでしょ!』

女「ちあうのぉ! そうやらいのぉ!」

女(頭の中で考えた言葉が、口に出そうとした途端に別の形になってしまう)

女「うぅぅっ! やぁ! やぁなのぉ! やぁっ!」

兄「6歳くらいかな?」

『友さんの事が好きだからってこんな風に私を挑発するなんて! 絶対に許さないから!』

女「あーっ、あうっ、らぁっ、らぁえっ、あうあーっ!」

女(もう私は自分が何を言おうとしてるのかも分からなくなり、ただ幼い声で喘いでいた)

兄「そろそろ、中に出すよ」

女「あぃ、あーっ、あー!」

女(出し入れはどんどん速くなって、私はお父さんに叱られた子供の頃の事を思い出していた)

女「えぅ、あっ、うっ、あぁ、うぅぅ!」

女(涙が止まらなくなって、もう何も考えられなくなって、ただ悲しくて、痛くて)

『こ、こんな悪戯で諦めたりしないんだから!』

女(電話の切れる音を聞いた時、私は声が出なくなって)

兄「うぅっ!」

女「……っ!」

女(吐きそうなくらいの絶望感を声にも出せないまま、熱い物が私の中に出されてるのを感じてた)

もうちょい頑張るが、さすがに眠いわ

兄(これが僕のした事の結果か)

女「……、……っ」

兄(声に出せない辛さに悶えて、女さんは泣いている)

兄(おそらく喋る事のできない胎児の頃まで戻ってしまったんだろう)

兄(だが僕には何の関係もない。僕は女さんの膣内から性器を抜く)

女「……っ」

兄(痛みからか、女さんは背中を震わせた)

兄「フェンスから手を放していいよ」

女「……」

兄(くたりと、地面に精液を垂れ流しながら、女さんは膝を折った)

兄(あれほど気丈に振る舞っていた人間が、こうも折れるものかと僕は思う)

まさか続けてもらえてるとはな

兄「女さん、これ綺麗にしてくれる?」

女「……」

兄(女さんは俯けていた視線を僕に向け、おずおずと性器へ近づく)

兄「わかるよね? しゃぶって綺麗にしてね」

女「……」

兄(女さんは、血と精液に塗れた性器を、ぱくりと、躊躇なく口に含む)

兄(吐き気を抑えて、表面を拭うように舌を這わせていく)

兄(時々しゃくりあげ、また涙を止められないまま、それでも僕の命令に従っている)

兄「よく頑張ったね」

女「……」

兄(なんとなく頭を撫でてやると、その緊張した身体から少し力が抜けた気がした)

兄(女さんにしゃぶらせつつ僕は考える)

兄(これまでの流れで判明した事柄は)

兄(喋り方の退行が掛かった事から、催眠は一度掛ければ持続する)

兄(痛みなどのショックを与えても解ける事はない)

兄(更に「目を見ろ」という催眠が途中から機能していなかった事から考えるに)

兄(「フェンスにしがみつけ」などの後から掛けられた催眠が優先されて上書きされたんだろう)

兄(つまり優先順位がある。おそらくは新しい方が優先される)

兄(結論。催眠は持続する、滅多な事じゃ解けない、新しい方が優先される)

兄(それに、相手の行動はほぼ完全に制御できる)

兄(他の部分はまだ調査が必要だな)

女さんの後始末についてのアンケート

1.記憶を消す
2.他言できないようにする
3.意思のあるまま奴隷にする
3.洗脳して従順な奴隷にする
4.殺す
5.特に何もしない
6.その他

あ、ごめん。3が2つになってたわ

1.記憶を消す
2.他言できないようにする
3-a.意思のあるまま奴隷にする
3-b.洗脳して従順な奴隷にする
4.殺す
5.特に何もしない
6.その他

んじゃ3-aで

兄「もういいよ」

女「……ぅ」

兄(女さんは精液の残りカスを口の端に付けたまま、不安そうに僕を見上げる)

兄「普通に喋りなよ」

女「……ぁ、あ、ああ……ああ! あぁ!」

兄(女さんは、喜ぶように悲しむように、声の戻った事を確認する)

兄「お疲れ様、気分はどう?」

女「ひっ! ごめんなさい、ごめんなさい!」

兄「困ったね。そんな風に謝られても、僕は別に女さんを恨んでるわけじゃないよ」

女「ゆ、許してくれる? もう酷い事しない?」

兄「それはこれからの君次第かな」

兄(ああ、まただ。また僕は笑ってる。笑うたびに僕はあの男に近付いている気がする)

兄「女さんは僕の奴隷になって欲しいんだ」

兄「僕の命令に従い、僕の不利益になる事はしない」

兄「どんな時でも僕の命令を最優先に動く」

兄「これだけだよ。どうかな?」

女「……どうかなも何も、ないでしょ」

兄「言いたい事があるなら聞くよ」

女「どうせ断われないのに、何を聞けばいいの?」

兄「どうしても女さんが嫌なら別の方法を取るよ」

女「別の……」

兄「知りたい?」

兄(女さんはすぐに首を振って拒んだ。察しが良くて助かる)

女「奴隷になった方が、酷い事されないんだよね」

兄(女さんの目は怯えに混じり、抵抗と屈服が半々の色で、僕はなんだか楽しくなる)

兄「君次第だよ。どうする?」

兄(無言でうなずいた女さんに、僕はあらためて奴隷の制約を与えた)

兄(僕と女さんは時間差で教室に戻った)

女友「女、遅かったじゃん。どうしたの?」

女「と、図書館で本探してたら遅くなっちゃって」

女友「あんたが? へえ、本なんて読んでる所見ないけど」

女「たまたま読みたくなったの!」

兄(どうでもいい、くだらないやり取りを僕は離れた机から眺める)

友「へぇ」

兄「何?」

友「いや、意外だと思って」

兄「だから何が?」

友「ああいう子が好きなんだな」

兄「僕が? 変な事言わないでよ」

兄(普段空気に徹している僕が女さんを見ていたせいで、妙に勘ぐられたようだった)

兄(女さんは僕の奴隷だよ。そう告げる理由もなく、僕はいつも通りの曖昧な表情で誤魔化した)

やっぱペース落ちてんなぁ
30分くらい仮眠取るわ

兄(放課後になり、僕は友と一緒に校門をくぐった)

妹「友さんっ! 彼女なんていませんよね!?」

友「妹ちゃん?」

兄(友の表情は混乱だった。妹の切羽詰まった調子のせいだろう)

兄「妹、友が困ってるだろ」

兄(横槍を入れた僕に、妹は)

妹「ちょっと黙っててよっ!!」

兄(抑制を欠いた怒声をあげて、校門前で中学の制服姿なのもあって注目を浴びていた)

女「……」

兄(女さんは僕と妹を横目に、無言で通り過ぎて行った)

友「とにかくさ、落ち着いてよ」

妹「でも!」

友「妹ちゃんの話はちゃんと聞くから。ね?」

兄(友は妹の両肩に手を沿えて、優しく諭すように言った)

妹「……ごめんなさい。私、あの!」

友「大丈夫。ほら、行こ?」

兄(二人の間に僕はいない。僕がいなくても二人は二人でいられる)

兄(本当、今までの僕は妹の言う通り、妹の兄貴で友の幼馴染なだけだったんだろう)

兄(じゃあ今の僕は? その答えはすぐに分かる)

妹「え? じゃあ友さん、付き合ってる人いないんですか?」

友「今はね」

妹「じゃあじゃあ、私立候補してもいいですか!」

友「あー……」

兄(友は困ったように僕へ視線を向けるが、妹は僕の存在を気に掛けてさえない)

妹「お試しでいいんです! 私、絶対に友さんの理想の彼女になってみせます!」

友「ごめん、その話はまた今度ね」

兄(それ以上深い話に踏み込まず、友は逃げて行く)

妹「友さん! 私待ってますから!」

兄(僕は舞台の芝居を見ている気分で、友と妹のやり取りを眺めていた)

妹「もう! なんで友さんは私を見てくれないのよ!」

兄(家に着いた途端に妹のヒステリーが始まる)

妹「なんで、なんで、なんで!」

兄(飛び交う物は壁に当たり、破壊的な音を立てる)

兄「友が見たら幻滅するだろうな」

妹「はぁ?」

兄(妹は鬼の形相で僕を見た)

兄「事実だろ。今のお前のどこが理想の彼女なんだ?」

妹「あんたに何が分かんの? 友さんの前なら理想の彼女にだってなれるの!」

兄「それは凄い」

兄(僕の小馬鹿にした感想に、妹の怒りの矛先が僕に向いた)

妹「あんたみたいな役立たずにどうこう言われたくないんだっての!」

兄「あのさ、僕はお前より友と長く付き合ってるんだぞ?」

妹「それが何? ……あんた、まさか友さんが好きなの?」

兄(ゲイの知識はあるらしい)

兄「まさか。単純に、お前より友の事は知ってるってだけだよ。例えば、女の好みとかね」

妹「本当に!?」

兄(妹は、今まであれだけ罵倒してきた僕に、目の色を変えて迫ってくる)

妹「教えてよ! 友さんってどんな女の子が好きなの!?」

兄(妹は友の事が本気で好きなんだろう)

兄(僕はそれがあんまりにも愉快すぎて、笑いを堪えながら答えた)

兄「ああ、もちろん。これから友の好みをお前に教えて、兄として妹の恋路を応援するつもりだよ」

妹「やったっ!」

妹(友さんの好みの女の子! それが分かれば私も……)

兄「まずはさ、妹が友を好きになったキッカケを教えてくれよ」

妹「はぁ?」

妹(友さんの好みのタイプだけ教えてくれればいいのに、何言ってんの?)

妹「なんであんたに話さなくちゃならないの?」

兄「妹、僕の目を見てくれ」

妹「……見たけど?」

妹(それが何?)

兄「僕は真剣に妹の恋路を助けてようと思ってる。これは信じてくれ」

妹(それくらい別に信じるけど)

妹「うん。それで?」

兄「僕のアドバイスには全部理由がある。詳しくは話せない事もあるけど、僕のアドバイスを信じてくれ」

妹(言われなくてもそのくらい普通に信じるし)

妹「そこまで真剣に言うなら信じあげてもいいけど?」

兄「なら二人が付き合うために必要だから、友を好きになったキッカケを教えてくれ」

妹「昔、私がちょっといじめられてた時に助けてくれた事かな」

兄「それはいつ頃?」

妹「小学校3年生くらい。ちなみに原因はあんたね」

兄「僕?」

妹「あんたがブサイクだから私までブサイク扱いされたの」

兄「それはまた、災難な話だね。で、それだけ?」

妹「まさか。それからも、うちに遊びに来るたびに話相手になってくれたり、誕生日プレゼントをくれたり、髪型を誉めてくれたり……」

兄「なるほどね。友のどんな所が好きなわけ?」

妹「優しくて、頼りになって、格好良くて」

兄「他には?」

妹「運動もできて、楽器もできて、歌も上手くて」

兄「他には?」

妹(他に? そんなに突然聞かれても)

妹「……頼りになる所」

兄「それはさっきも言ったろ。他には?」

妹「だからもう十分言ってるじゃん!」

兄「ふぅん」

兄「じゃあさ、その好きな所はなんで好きなんだ?」

妹「好きに理由なんてない、好きだから好きなの」

兄「本当にそうかな」

妹(今の言い方、凄く頭に来る)

妹「そうだって言ってるでしょ?」

兄「これはアドバイスなんだけど、もっと深く考えなよ」

妹「深く?」

兄「なんで、妹は、友が、好きなの?」

妹「なんで……」

妹(なんでだろう)

妹(なんで私は友さんが好きなんだろう?)

妹(兄と違って)

妹「優しくて」

妹(兄と違って)

妹「頼りになって」

妹(兄と違って)

妹「格好良くて」

妹「こんな人がお兄ちゃんだったら良いのにって……」

兄「……………………へえ」

妹(あれ?)

妹「私、今何か言ってた?」

兄「いいや、何も言ってないよ。そうかそうか、なるほどね」

兄「うん、面白い話が聞けたよ」

妹「それで、友さんの好みって」

兄「ああ、それね。トイレの芳香剤の匂いのする女の子が好きなんだってさ」

妹「はぁ?」

兄「これは真剣なアドバイスだぞ? 信じないのか?」

妹「それはもちろん、真剣なアドバイスなら信じる、けど」

妹(でもトイレの芳香剤? あんな匂いがいいの?)

兄「真剣なアドバイスだぞ」

妹「……うん、わかった。明日はトイレの芳香剤付けて行ってみる」

兄「キツめの匂いの方が好きだって言ってたよ」

妹(意外だけど、真剣なアドバイスなら間違いないよね)

妹「まあ、あんたにしては役に立ったわね」

兄「お役に立てましたなら光栄でございます」

兄(好きにも色々な種類がある)

兄(性欲も好きだし、憧憬も好きだし、執着も好きだ)

兄(妹の友への好きが何なのか、僕は知りたかった)

兄(芳香剤? あんなのは犬の糞でもなんでも変わらない)

友「お、今日も早いな」

兄「友はトイレの芳香剤の匂いのする女の子が好きだ」

友「ん?」

兄「好きだろ?」

友「……まあな。でもなんで突然?」

兄「別に」

兄(これで僕の仕事は終了)

妹「友さん、おはようございます!」

兄「うぇ」

兄(吐き気がするほど便所臭い妹と、その妹に熱い視線を送る友)

兄(僕は二人から二十歩以上離れて学校へ歩いた)

兄(便所臭い妹が自分の学校へ行き、僕と友は自分の教室へ)

兄(友は溜息なんて吐いて、僕の机へやって来る)

友「あのさ」

兄「何か用?」

友「……いや、なんでもない」

兄(結局友は何も言わずに席に戻り、また溜息を吐き始めた)

兄(僕は構うのもバカらしくて、担任が来るまで廊下でもふらつく事にした)

兄「昼休み、屋上」

女「……っ」

兄(通りすがりに囁いた声は聞こえたらしく、女さんは小さく肯いた)

兄(僕はそれに満足して教室を後にした)

女(屋上に着いた時、兄くんは既に笑顔だった)

女(私は思わず帰りたくなり、すぐに思い直した。そんな事をしたら後が怖い)

兄「こんにちは、女さん」

女「こ、こんにちは、兄くん」

兄「挨拶はいいね。心が洗われるよ」

女「そ、そうだね」

女(多分本当はそんな事を全然思っていない)

女(兄くんはただ、自分の本心を隠すためだけに言ったんだと思う)

兄「さて、今日はどうしようか?」

兄「うちの妹は友にお兄ちゃんになって欲しいそうでね」 ピタッ

女「熱ぅっ!?」

兄「ね、どう思う? お兄ちゃんになって欲しい友を彼氏にしたいんだってさ」 グリグリッ

女「熱ぅぅぃぃっ! あ゛あ゛ぅっ!!」

女(熱い熱い熱い熱い、それ以外考えられなくなる)

女(兄くんの指の触れた場所は煙草の火を押し当てられたように猛烈に熱くて、拷問でもされてるみたいで)

兄「近親相姦願望でもあるのかな? まあ僕も一応兄だからね、妹の願いくらい叶えてやるよ」 スッ

女「はぁ、はぁ……っ」

兄「女さんも協力してくれるよね?」

女(私には、話の半分も理解できなかったけれど、答えは最初から決まっていた)

兄「そっか、ありがとう。それじゃご褒美をあげないとね」

女「ご、褒美?」

兄「僕が身体に触れると、女さんはそこ気持ち良くて仕方がなくなるよ。気が狂うくらいにね」

女(ただの指が煙草の火に思えるような力で、気が狂うほどの気持ち良さを与えるという事は)

女「だ、ダメ! 本当に頭おかしくなっちゃうから! だから、あ、やだ、やだ、あ、ぃぎぃいぃぃぃ……っ!?」

妹「おかえり!」

兄(いつもは挨拶も返さずに黙ってる奴が、今日は自分からおかえりか)

兄「ただいま。何か良い事でもあった?」

妹「今朝の友さん、見てたでしょ? ふふふ、もう完全に私の事以外見えてなかったでしょ?」

兄(今頃は芳香剤中毒で頭がおかしくなってるかもな)

妹「学校じゃみんなにドン引きされたけど、アドバイス的中だよ! やるじゃん!」

兄「喜んでもらえて何よりだよ。そういや今日は校門まで迎えに来なかったんだな」

妹「……その、ちょっと……恥ずかしいっていうか……」

兄「ほう」

妹「だって、あんな急に友さん変わっちゃうから、その」

兄(ビビって逃げちゃった、と)

妹「うぅ……」

兄「……これじゃあ友の理想には遠いな」

妹「え?」

兄「トイレの芳香剤で表面だけを理想にした所で、お前は内面が伴ってないよ」

妹「な、内面って、そんな事あんたに言われたくないし!」

兄「これはアドバイスだよ? 表面だけ良くなっても、付き合ってすぐに振られるよ」

妹「で、でも! 内面なんて言われても……」

兄「僕は友の一番側にいる人間だよ? 僕なら友の理想がわかる」

妹「そ、そんな簡単に理想通りになんて」

兄「なれるよ、妹が望むならね。どうする?」

妹「……友さんの理想になれるなら、なりたい」

兄「そうか、なりたいか。なら、なるといいよ」

妹(そんな風に言われてなれるなら苦労しない)

妹「あのさ、私真面目に言ってるんだよ? そんな簡単に言われてもさぁ」

兄「実際簡単なんだよ。妹は自己暗示って分かるかな」

妹「私はできる!ってやつ?」

兄「あれの応用でね、なりたいと思ったものになる方法があるんだよ」

妹「……本当に?」

兄「僕はそういうのに詳しくてね」

妹(嘘だ、とは言えない。私は兄の事なんて全然知らないから)

妹「本当にできるの?」

兄「うん。友の理想はね、従順で甘えん坊な女の子なんだよ」

妹「……従順で甘えん坊」

兄「なかなか難しいよね」

妹(友さんのためならなれると思う。でも、ちょっと窮屈そうな気がする)

兄「妹さえいいって言うなら、僕が従順で甘えん坊な女の子にしてあげるよ」

妹(友さんの理想になれる。それは嬉しいけど、でも、それって)

妹「それって本当に私なの?」

兄「どういう事かな」

妹「おかしくない? 人間ってそんな風に変われないでしょ。無理やり違う性格にされたら、それって私じゃないでしょ」

兄「僕は自分にそんな事した経験もないけど、そういう可能性もあるね」

妹「なら嫌」

兄「理想になりたいけどなりたくない、か」

妹「結局、地道に努力するしかないのかな」

妹(友さんを狙ってる変な女もいるし、そんな風にゆっくりしてられないのに)

兄「……いや、良い方法があるよ」

妹「あるの!?」

兄「仮の人格を作るんだよ」

妹(仮の人格?)

兄「完璧に友の理想通りの人格をね、妹の中に作るんだよ」

妹「だからそれって私じゃないって事でしょ?」

兄「まあね。だからこれは仮なんだよ」

妹「よく分からないんだけど、それって何が違うわけ?」

兄「仮だからすぐに消えるんだ」

妹「……意味ないでしょ、それ」

兄「意味はあるよ」

兄「まず人は最初に持った印象を大事にする」

兄「妹と友はそれなりに付き合いは長いけど、男女の仲に踏み込んだ時に理想の女の子だったら」

妹(男女の仲……っ)

兄「まあ、きっとその印象はそれなりには持続するだろう」

妹「……っ」

兄「次に重要なのは、妹自身の感覚で理想を体験できる事だ」

妹「私自身の感覚」

兄「友の理想がどういう女の子か、身を持って知るわけだからね」

妹「そっか、そうだよね! そうすれば私も理想になれるよね!」

兄「その先は努力次第だけどな。普通に頑張るよりは早く済むだろうね」

妹「うん、うんうん!」

兄「だけど、一番の問題はどのタイミングで仮人格を消すかだ」

妹「タイミングって、その、初エッチ、とか?」

兄「ああ。仮人格に代わるタイミングはもちろん友の前にいる時だけど、消すタイミングばっかりは僕が決める事じゃない」

妹「私に決めろって事?」

兄「ああ」

妹(友さんの前で理想の私になれる。でも、そうじゃなくなった時は嫌われちゃうかもしれない)

兄「好きに決めていいぞ」

妹「……やっぱり、初エッチの時がいい」

兄「本当にそれでいいんだな?」

妹(した後なら、きっと友さん責任取ってくれるし)

妹「うん、お願い!」

兄「なら今から始めよう」

妹「できるの?」

兄「友との新婚生活でも想像していればすぐに終わるよ」

妹「ねえ、信用していいんだよね?」

妹(アドバイスしてくれてるって言っても、やっぱり不安だし……)

兄「ああ、約束するよ。僕は必ずお前を友の理想にしてやる」

妹「……うん、信じる」

兄「それじゃ妹、僕の目を見てくれ――」

妹「……あれ?」

妹(ここ、ベッドの上?)

妹「私確か、兄と話してたはずなのに」

妹(記憶がない。変な事されてないよね?)

妹「うん、大丈夫。……あれ、そういえば」

妹(友さんの理想になれるっていう話、どうなったんだろ?)

妹「……」

妹(特に何かが変わった気もしないけど)

妹「ふん。やっぱり兄は兄だったって事ね」

妹(後で思いっきりひっぱたいてやる)

妹(今日もトイレの芳香剤を付けたし)

妹「友さん、また私の事を見てくれるかな」

妹(この時間なら、友さんいるはずなんだけど……あ、いた!)

妹(友さん!)

妹「友お兄ちゃん!」

妹(え?)

友「え、お、お兄ちゃん!?」

妹「お兄ちゃんっ!」 ダキッ スリスリッ

友「ちょ、ちょっと妹ちゃん! ま、まずいって!」

妹「えー、どうして? なんで友お兄ちゃんい抱きついちゃダメなの?」

妹(何これ?)

友「だ、だからさ、そんな良い香りで甘えられたら、恥ずかしいだろ!」

妹「お兄ちゃん、嫌だったの? ……ごめんなさい」 ペコリッ

妹(これが仮人格っていうやつなの? なんだかちょっと、気持ち悪いかも)

友「あ、いや、そんなに嫌だったわけじゃなくてさ!」

妹「お兄ちゃん優しい」 ピトッ

妹(友さんの顔がどんどん赤くなってる……)

友「うぅ……」

妹(すごい。完全に友さんを落としてる!)

妹「ねえお兄ちゃん、妹のこと好き?」

兄「おはよう」

友「あああ、兄!? うわ、うわああああっ!」

妹(待って友さん!)

妹「待ってお兄ちゃん!」

妹「……行っちゃった」

妹「ちょっと! あんたのせいで……あれ、戻ってる」

兄「そういう事。使い心地はどうだ?」

妹「使い心地って……便利だけど、なんか変な感じ」

兄「でも実際、友の理想だろ?」

妹「そうみたいだけど……ていうか、なんで邪魔したのよ!」

兄「だって、こんな所で告白なんて勿体ないだろ」

妹「う。……そう言われると」

兄「今日、友の家に行けるようにセッティングしておくからさ。……頑張れよ」

妹「へー、役に立つじゃん」

妹(ちょっと見直したかも。友さんには全然敵わないけど)

兄「実の妹の門出だからね、僕もちょっと頑張るよ」

妹「……ありがと。私必ず、友さんと幸せになるから!」

兄「僕も妹と友が必ず幸せになるように祈ってるよ」

妹「うん」

兄「最後にもう一度言っておくけど……友と初めてした時に仮人格はなくなるからな」

妹「……ちょ、ちょっとキツいけど、ああいう感じでいけばいいんでしょ?」

兄「そういう事。健闘を祈るよ」

妹(妹キャラなんて柄じゃないんだけど、友さんがああいうの好きなんだもん、仕方ないよね……)

妹「そうだよ、少しずつ友さんを私に染めて行けばいいんだ。何よりも、まずは付き合う事だよね!」

妹「そうと決まれば放課後まで妹キャラを練習しなくちゃ!」

妹(そうこうしてる内に放課後になっちゃって)

妹「友さんの家の前まで来てるのにチャイムが鳴らせない……」

妹(よし、覚悟を決めて押そう!)

友「……妹ちゃん?」

妹(友さん!)

妹「友お兄ちゃん!」 ダキッ

妹(ああ、そうだった……こういうのにならないといけないんだった……)

友「妹ちゃん……」

妹(友さ……友お兄ちゃんが私を抱き締めてる……すっごい幸せだ……)

妹「あのね、今日は友お兄ちゃんにお話があるの」

友「じ、実は俺もなんだ」

妹(これってもしかして、そういう事? 友さんの方から?)

妹「それじゃおじゃまするね」

友「ああ、どうぞ入って」

妹「友お兄ちゃんのお部屋、久しぶりー!」

友「そう言えば、最後に妹ちゃんが来たのって小学生の頃かな」

妹「うん! えへへ、友お兄ちゃんの匂いがするね」

友「……あのさ、妹ちゃん。俺の話聞いてくれる?」

妹「なぁに?」

妹(……)

友「俺、妹ちゃんの事が好きなんだ!」

妹(私もです! 私も友さんの事が大好きです!)

妹「私も! 私も友お兄ちゃんが大好き!」

友「本当に?」

妹(はい!)

妹「うん!」

やっぱ何時間か寝た方がいいんじゃないのか?
相当キツイと思うんだが

友「妹ちゃんは俺の事、理解してくれてるって事でいいのかな」

妹(もちろんです!)

妹「もちろんだよ!」

友「そっか、良かった。それじゃ兄、入って来てくれ」

兄「どうも」 ガチャッ

妹(え、なんで兄?)

妹「どうしたの、お兄ちゃん?」

兄「さっき友に呼び出されたんだ」

友「やっぱり兄に頼むのが一番だと思ってさ」

妹(どういう事?)

妹「どういうこと?」

友「俺、好きな人が他人とセックスしてるシチュエーションじゃないと勃起しないんだ」

妹(は?)

妹「そうなの? 友お兄ちゃん可哀相」

妹(ちょ、何言ってんの?)

友「わかってくれるかい? 妹ちゃんは優しいね」

妹「えへへ」

妹(何笑ってんの?)

友「ていう事でさ、兄には妹ちゃんとセックスして欲しいんだけど、構わないかな?」

兄「友が頼むなら引き受けたいけど、妹はどうなのかな?」

妹(嫌に決まってるでしょ!?)

妹「えへへ、お兄ちゃんならいいよ!」

兄「そうだよね。妹は従順で甘えん坊だもんね、このくらい平気だよね」

妹(ちょっと、あんたは知ってるでしょ!? どうにかしてよっ!!)

兄「俺も妹の願いは叶えてあげたいしね」

妹(なんで今この状況で笑えるのよ、あんたどうかしてんじゃないのっ!?)

兄「ああ、そうだ。俺が妹とセックスしてる間、友も一人でするのは侘しいだろ?」

友「それは仕方ないさ」

兄「俺の彼女を連れて来たから使ってやってくれよ。入りなよ、女さん」

女「……ん」

友「女さん? 兄と付き合ってたの?」

兄「秘密にしてるんだから、あまり広めないでくれよ」

友「色々悪いな、兄」

兄「いいよ、友と妹のためだからね」

妹「ありがとう、お兄ちゃん!」

妹(いやあああ! いやあああ! いやあああああああっ!)

>>240>>244の兄の一人称、俺じゃなくて僕だわ

>>245
まぁ、気が高ぶって途中から性格変わってる感じだし、言うほどの間違いじゃない

兄「妹はさ、子供の頃からずっと友の事が好きだったんだよな」

妹「えへへ、友お兄ちゃんは私がいじめられてる時に助けてくれたんだよ!」

妹(違う! それは私の過去であんたの過去じゃない!)

妹「どっちでも同じだよね? 私は妹なんだもん」

妹(え?)

妹「あなたがいなくなっても私がいれば誰も困らないんだよ? だって妹はいるんだもん」

兄「妹、余計なお話してないで俺とセックスるぞ」

妹「はーい、お兄ちゃん」

妹(ちょっと待って、待ってってば! どういう事なの!? ねえ!)

なんかもうグダグダやな俺

>>248
× 兄「妹、余計なお話してないで俺とセックスるぞ」
○ 兄「妹、余計なお話してないで僕とセックスするぞ」

女(変な話だけど、私、兄くんの奴隷になれて良かったって心の底から思ってる)

妹「お兄ちゃん、脱がせてぇ」

兄「妹は甘えん坊だなぁ」

妹「えへへ、だってお兄ちゃんも友お兄ちゃんもみーんな優しいんだもん」

女(だって私、今あそこにいるのが自分じゃない事に安心してるから)

女(誰にも何も伝えられなくて、自分の中に閉じ込められて、したくないのに体が勝手にしちゃう)

女(周りはみんな、それを自分が喜んでやってる事だと思ってる)

妹「んっ、お兄ちゃん……おっぱい、もっとさわってぇ……」

兄「こうかい?」

友「兄、もっと激しくやってくれ」

兄「わかったよ」

女(こうして見てるだけで頭がおかしくなりそうだけど)

女(だけど、兄くんの奴隷の自分が、使い潰されるだけの奴隷である事がすごく安らげる……)

兄(妹の慎ましやかな胸は、柔らかさは足りないものの形は良く、乳首が可愛らしく膨らんでいた)

兄「指に挟んですり潰してあげようか?」

妹「うん! 痛いくらい乱暴にして!」

兄「いいのかい?」

妹「うん! 私はお兄ちゃん達にいじめられるのが幸せなんだもん!」

兄(妹がそう言うならいいだろうと、僕は妹の乳首を乱暴に潰し、薄く毛の生えた股間に手を伸ばす)

妹「はぁんんっ! いいよぉ、お兄ちゃん……もっとして、乱暴にしてぇ!」

兄(僕は妹の言う通り、クリトリスを掻き毟るように弄り回した)

妹「あぅぅぅっ、いいよぉ! 痛くて気持ち良いぃぃ!」

兄(言葉通り、妹は濡れていた。この身体の主導権を誰が握っているかは既に明らかだった)

なんか、マジでエロゲみたいだな
選択し制な所も文体も

妹(嘘、嘘、嘘、嘘! 私の身体なのに、なんで!)

妹「ねえ、お兄ちゃん。あの人、頭の中でうるさいから消しちゃってよ」

兄「いいのかい? 元々はお前なんだよ?」

妹「いいよ。だってこの人、すぐにお兄ちゃんの悪口ばっかり言うんだもん」

妹(ふざけないでよ! こんなの人殺しじゃない! 私が何したって言うの!?)

兄「友、妹に入れるからそっちも準備しろよ」

友「おっけ。女さん、いい?」

女「うん」

妹(誰か止めてよ! 私の初めてなのに、こんなの、こんなのって!)

兄「ああ悪い、友以外の人間が初めてだった時にどうなるか説明してなかったよね」

妹「お兄ちゃん、そんなの言わなくてもみんな分かるよ」

兄「そう? ならいいか」

妹(え。何、どうなるの? ねえ? ねえ? 誰か教えてよ!)

兄「ん……」

妹(やだ、入ってくる! ダメ、ダメ、それ以上入れないで! あう、ああっ、ああああっ!?)

妹「……っ……ぷぷっ」

兄(妹の表情は処女喪失の痛みに歪んで、すぐに重荷を捨てたような爽快さを湛えた)

兄「消えたのか?」

妹「ううん、今消えてる所。とっても可愛いー、泣いてるよ?」

友「兄、もっと動いて妹ちゃんをめちゃくちゃにしてくれ!」

兄「ごめんごめん、今やるよ」

兄(正常位で実の妹の身体を犯す。妹はまだ中学生だけあって、僕の性器には狭い)

妹「あはっ、あんっ、んぅっ! 消えてく、ふふっ、消えっ、てくよっ!」

兄「なんて、言ってる?」

兄(女さんに比べれば肉付きの薄いおまんこは、みっちりと僕の性器を締め付けている)

妹「あやっ、まっ、てるぅっ! ごめんなさい、ごめんなさいってぇ! んっ、あっ、あぁっ!」

女「はぁ、んん……っ」

友「妹ちゃん、いい、いいよ!」

兄(喘ぎ声が重なって、部屋の中はなんとも言えない臭気に満たされていく)

妹「もっとぉ! もっと激しくしてぇ! 壊して、壊して、壊してぇ!」

妹(やだ、消える、消えちゃう)

兄「妹ぉっ!」

妹(何も思い出せなくなってく。わたしは誰、なに? 断ぺんになってく)

妹(気もち良い。だれ? おにいちゃん。だいすきだった)

妹(あれ。わたし、おにいちゃんがすきだったのに)

妹(いつから)

妹(いじめられたとき?)

妹(わたし)

妹(ほんとうにきらいだったの?)

妹(あれ)

兄(射精感が)

友「妹ちゃん、妹ちゃんんっ」

女「うっ、んっ、んっ」

兄「友、まだか!?」

友「もう少し、もう少しでっ」

妹「おに、ぃ、ひゃ……っ」

兄(妹の中が刺激を受けたようにきゅっと締まり、僕もまたラストスパートを駆ける)

兄「妹、妹、妹、妹っ!」

兄(産まれた時から見続けてきた妹が、今消えてゆく。その恍惚と背徳が堪らなく突き抜けてゆく)

妹「にいひゃ、らいしゅきっ、しゅきぃっ!」

兄「うっ、うぁ、あっ!」

妹「あぅ、んぁ、ああぁ……っ!?」

兄(妹は最後にキスをして、僕が射精すると同時に達して、それから意識を失った)

友「うあ、うあああ……っ!」

女(あ、中出しされちゃった。でも死ぬわけじゃないし別にいいよね)

兄「はぁ、はぁ……」

女「消えちゃったの?」

兄「多分ね。でも頭の中の事だから僕には分からないよ」

女「そっか」

兄「おい友」

友「う……ああ、兄か。なんだ?」

兄「これからは適当に妹の相手を探してくれ、僕はもう御免だ」

友「そうか……まあ、クラスの奴でもそこら辺のおっさんでも、相手なんて探せばいくらでもいるよな」

兄「勝手にしてくれ、じゃあな」

女(ここに残っても今の友くんに襲われたりはしないだろうけど……)

女「私も帰るね、ばいばい」

友「ああ、またな……」

女(友くんの家を出てから、兄くんは一言も喋らずに町を歩いてる)

兄「……」

女「後悔してるの?」

兄「僕が? 何を? どうして?」

女「……」

兄「奴隷があまり調子に乗るなよ。僕が何を後悔するんだよ」

女「だって妹ちゃん、死んじゃったんだよね?」

兄「生きてるよ。殺したら殺人罪で犯罪者だ」

女「……」

兄「僕はね、今どうしようもないくらいに幸福な気持ちなんだよ」

兄「あの淡くて綺麗な色をね、僕はぶち壊してやりたかったんだ」

兄「もうあの二人の間には、あんな色はない」

兄「妹は男に従うだけのお人形、友は女を犯らせるだけの変態。僕が変えてやった」

兄「だから僕は今ね、最高の気分なんだよ」

女(兄くんは笑っていた。でもそれは半分だけで、もう半分の顔は泣いてるように見えた)

兄「女さん、自由にしてあげるよ」

女「え?」

兄「奴隷をやめさせてあげるよ」

女「どういう心境の変化なの?」

兄「別に。元々君を奴隷にしたのなんて気紛れだったんだよ」

女(兄くんの言う事は確かにその通りなのかもしれない)

女(私は兄くんとは何の関係もない人間で、場違いで、巻き込まれただけなのかもしれない)

女「だからって今更、自由になってどうすればいいの? そんなの怖いよ」

兄「女さんに何かしようなんて考えてないよ。君は、もう奴隷じゃない。これで制約も解除だ」

女「……」

兄「何? それともまた犯されたいの?」

女「ち、違う! そんなのじゃない!」

兄「なら失せろよ」

女(そう言って歩き出したのは兄くんの方で、私は前にも後ろにも行けずに立ち尽くしていただけでした)

兄(僕はある所を目指して歩いていた)

兄(そこに行けば必ず会える。そんな確信があったから)

兄「おい、いるんだろ? 出て来いよ」

兄(予想通り、男は飄々と、出会った時と同じ姿で闇の中から現れた)

男「偶然やねぇ」

兄「何が偶然だよ。僕を待ってたんだろ」

男「いやいや、それは自惚れやわ。根無し草のボクの仮の寝床に、君がやってきただけ言う話や」

兄「僕に言う事があるだろ」

男「何かあるかな?」

兄「とぼけるのもいい加減にしろよ」

男「そんな睨んでも眼を持ってる人間同士じゃ効かんよ」

兄「お前、僕に何をした?」

男「君が欲しい言うから絶望から抜け出すための力をあげたんやろ」

兄「それだけじゃないだろ」

男「いや、それだけや」

兄「なら僕の中にいる僕じゃない何か、こいつは何なんだよ!」

兄「僕は元々こんなに残酷な人間じゃなかったはずだろ!」

兄「なんでこんな風に、平気で、楽しんで酷い事のできる人間になったんだよ!」

男「そら坊ちゃん、自分を買い被りすぎや。人間なんて一皮剥けば畜生ばかりって十分見て来たやろ?」

兄「だからって、実の妹を殺したのに、こんな風に笑う人間がどこにいる?」

兄(僕の顔半分はまだ笑っていた)

男「はあ。ボクもう言ったやろ」

兄「僕はまだ何も聞いてない」

男「聞いてるんよ。ボクは君に力をあげただけ。つまりな、それこそが力の正体なんよ」

兄「……?」

男「分からん言う顔やね。ほんならボクが君にどうやって力をあげたか、考えてみぃ」

兄「……」

男「また分からんか? ヒントはなぁ、力は心から生まれるって事や」

兄(力は心から生まれる? 心から力は生まれる。心?)

男「ほら、答え合わせや」

兄「僕に、偽物の人格を植え付けた?」

男「正解、おめでとさん」

男「力を使ってるなら君も似たような事したんとちゃう?」

兄「……」

男「まあこの場合、ボクが君に植え付けた人格が力の根源っちゅうわけ」

兄「なんで? どうして?」

男「ボクに聞くなや、分かるわけないやろ」

兄「そんな無責任な話ないだろう!」

男「想像せいや。ボクも同じように植え付けられた口よ」

兄「酷すぎる」

男「おい、被害者面すんなや」

兄(男は今までの軽薄な口調を崩して、低い声で僕を恫喝する)

男「お前、その力で好き勝手したやろ? 欲しい言うたんはお前自身やろ。今更被害者面すんなや」

兄「……」

男「ふぁ~あ」

兄(男は大きな欠伸で雰囲気を元に戻し、伸びをする)

男「ボクもそろそろ別の町に行こうかな。飽きてしもうたわ」

兄(せめてもの皮肉をぶつけようと、僕は口を開いた)

兄「……また別の町に、慈善事業に行くわけですか」

男「ぷふっ、ははっ、あはははははははっ!」

兄(男は面白い冗談を聞いたとでも言うように、大笑いした)

男「なあ、いい加減気付こうや。こん人格が何を望んでるか、分かるやろ」

男「人の不幸! 破滅! それを見るためやったらなんでもせぇ言うんが、この人格や!」

男「どんどん呑まれてくんよ。ボクはもうダメや。あとちょっとで完全に呑まれてまう」

男「君もそうなるわ、すぐにね。どうしようもないね。でも楽しいんよ、とても楽しいんよ」

男「ああ、ボクはまた君みたいな面白い子を見つけたら、きっとやってしまう。やってしまうんよ」

兄(男は軽薄な笑いを、顔一面に浮かべていて、左目だけが泣いてるようだった)

兄(そうして最初から影も形もなかったように、男は静かに去って行った)

兄(一人残された僕の顔半分には男と同じ笑い、もう半分には、かつての僕だった悲しみと怯えの表情)

女「兄くん」

兄(振り返った先には、女が立っている)

兄「消えろよ、犯すぞ」

女「犯されてもいいよ。だってもう私、奴隷以外の生き方わかんないもの」

兄「手遅れって事か」

女「うん」

兄(妹を壊して、友を壊して、女を壊して)

兄(次は誰を壊す?)

兄(母さん? 父さん? 学校の誰か?)

兄「だから根無し草か」

女「え?」

兄「大切な物を遠ざけるために、壊しすぎないために逃げ続けるわけだ」

女「……?」

兄「ああ、いいよ。お前は奴隷なんだ、何も考えてなくていいよ」

女「兄くんも逃げるの?」

兄「ああ、逃げて逃げて逃げ続けるよ。僕は……ボクはね、どこまでも逃げるよ」

女「私も付いて行っていい?」

兄「好きにしなよ。でもね、これから先はたくさんの破滅とたくさんの不幸が待ってるだけだよ」

女「それとっても大変だね」

兄(そう言いながら微笑む女。これから多くの人を破滅させて、多くの人を不幸にして、そうして生きて行くというのに)

兄「なんでこんなに楽しいんだろう?」

なんかすげえ壮大な話になってるでござるの巻き

兄(あの時、妹が味わった死を、ぼくはゆっくりと味わっていく)

兄(ぼくはまだ僕なのかボクなのか、僕はどこから僕じゃなくなるのか)

兄(妹が最後に見た答えを、きっと僕も見る事になるんだろう)

兄「ああ、楽しみだなぁ、楽しみだなぁ!」

女「楽しみだね、うん、楽しみだね!」

兄(主人と奴隷は噛み合わず、虚しく陽気に歌って歩く)

兄(行き先は地獄、終点が来る日まで淡々と、ただ淡々と)


おわり

まあ、こんな話にする気はクソもなかったんだけどね
九割ノリで。結果土曜日丸潰れ

なんか、すいませんでした

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