妹「寛容な人が不寛容に対して寛容でないのは矛盾している!」 (32)


これは言葉遊びだ

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兄「えっ、もっかい言って?」


妹「コレ、最近ツイイッターとかで流行ってるんだけど」

妹「『寛容な人が不寛容に対して寛容でないのは矛盾している!』」


兄「……ラブレー?」

妹「そーゆー元ネタがあるのか知らないけど、ほらこーゆーニュースとかで」


【警官に抑え込まれた反大統領派、200人以上逮捕】


兄「……荒れてるねぇ」

妹「でしょ。で、アンチは大統領を不寛容って言ってるけど」

妹「結局、自分達も大統領に対して不寛容なのはおかしくない?」

妹「しかも民主主義を守れって言ってる方が、民主主義のルールを守らず騒いでる!」




兄「……いやぁ、微妙」

妹「ビミョーなの?」


兄「そもそも、民主主義の国だと大統領やルールに逆らっちゃダメなのか?」

妹「それは、そーなんじゃない?」

兄「でもさ、例えばタイやトルコも民主主義の国だけど、クーデターとか起きてるぜ」

妹「……う~ん?」


兄「……視点を変えるが」


兄「社会主義の国やら宗教国家、独裁国家なら、大統領やルールに逆らうのは、アリ?」


妹「あー」

兄「抗議活動や武装蜂起ってのは、古今東西どこでも有るんだ」


兄「別に国家体制がどうだろうと、リーダーやルール自体は、皆が尊重しなきゃダメなんだ」

妹「うんうん。そーそー」

兄「逆にリーダーやルールも、皆を守んなきゃダメとも言える」

妹「う~ん、深い」



兄「……リーダーやルールを守らない、守れない集団はgdgdになって、存続が難しくなるもんさ」

妹「……見てきた様に言うねぇ」

兄「俺の勤め先が、イマまさにそうだからな」

妹「ええっ、現在進行形で!?」


兄「……じり貧な売上を改善するため、社運を掛けた新商品があるんだが、その仕様が決まらない」

妹「どんなふーに?」


兄「デザイン出身の新社長が立ち上げた企画なんだが、」

兄「いまいちデザインがパッとしない」

妹「あらら」


兄「しかも製造が難しくて、現場や品質保証部が猛反対してる」

妹「ふーん」


兄「でも営業部には社則をねじ曲げて、売るごとにボーナス大幅アップの約束されてるから妙にヤル気で」

兄「ただ、その分を研究予算から削るらしく、開発部はカンカンで」


妹「あわわわ」


兄「……内部対立がエグくてついてけねーって。みんな喫煙所で休憩時間でもないのに、サボってる」


妹「……」


兄「……このままだと会社は潰れるな。転職考えなきゃならん」


妹「……がんばれ!」


兄「えーと」

兄「とかく一致団結できん集団は、国だろうが会社だろうがボロボロになるから、結局は集団全体が無駄に苦労する」



兄「けど、やっぱり不満が溜まると、どうやっても反発する人間は出てくるもんさ」


妹「お兄もサボってんもんね」

兄「……話を元に戻すけど、」


兄「全体主義国家でも、民主主義国家でも、決まりは守らなくちゃいけなくて」


兄「その中で、不満で反発した人間が出てきた時に」


兄「反発することや、反発した人間を許さないのが全体主義で」


兄「不満なことに焦点を当てさせ、皆で妥当な解決策を話し合うのが、民主主義だな」


妹「……おお、民主主義ってイイ感じだね」

兄「頭を使うしメンドクセーけど、前向きで生産的ではあるだろな」


妹「前向きで生産的ってのがいいよね!」


妹「それに引き換え、デモや抗議みたいな、暴力しかしない奴らって」ヤレヤレ

兄「いやぁ、それも微妙だぞ」

妹「えっ、コレも?」



兄「不満があれば人間は爆発する。ほんでデモやら何やらしてる訳だけど」

兄「元々は大統領側が散々に、言葉の暴力でデモ側をなじってるんだ」

妹「あー、それもニュースでみたわ」



兄「物を傷付けるって行為は、分かりやすくて咎めやすいが」

兄「言葉で誰かをキズつけたのを、知らんりするのは正しいか?」

妹「……難しいよね」


兄「それに公民権運動やらマイノリティ地位向上、政治家や大企業などを非難するとかで」

兄「歴代の活動家やジャーナリストは、脅迫や嫌がらせ、暗殺などの暴力に晒されてきたんだ」

兄「今も、この国でも」

妹「これもニュースでやるよね」


兄「今は移民とか少数派が優遇されすぎとされて、揺り戻しが起きてるけど、」

兄「少数派の優遇は、暴力に耐えて耐えて血にまみれて得られたものだから」

兄「今からは揺り戻そうとする側が、かつて少数派側が受けてきたのと同じ様に、」

兄「暴力に耐え続けることになると思うな」


妹「それって、ねぇ……」

兄「人間や属性を吊るすんじゃなく、不満に対して解決策を出した方が、いいに決まってるけどな」

深夜からこっちへ引っ越してきたんか政治野郎


兄「……あと、最初のなんだっけ?」

妹「えっ?」

兄「寛容がーっての」

妹「寛容な人が不寛容に対して寛容でないのは矛盾している?」


兄「……そんなんもよ、上手いこといいたいだけのネット俳人のたわごとだろ。真に受けんなよ」

妹「……そんな言い方せんくても」


兄「いーじゃん。表現の自由だよw」

妹「表現の自由って、そーゆーことなの?」


兄「だいたい、」



兄「寛容な人が不寛容に対して寛容でないのが矛盾なら」


兄「不寛容な人が不寛容に対して寛容であるって矛盾も言えるのさ」


妹「えっ、どういうこと?」


兄「具体的に言うと」


兄「『寛容派はマイノリティ差別も受け入れろ。寛容なら!』って言えるなら」

妹「そう。寛容っていうんなら、何でも受け入れなきゃね!」


兄「『不寛容派はマイノリティ差別を受け入れるな。不寛容なら!』とかも言えちゃうんだよ」

妹「……そっか。不寛容なら、何でも受け入れちゃいけないもんね!」


妹「……んん?」

妹「おかしい。どうしてこーなった」


兄「そもそも指摘に意味がないのさ」


寛容な人が不寛容に対して寛容でないのは矛盾している



兄「これも具体的に考えればいい」


兄「『寛容側は、黒人差別を許さないって不寛容を、許してる』」

兄「『寛容側は、反大統領デモや反対行動を、許してる』とか」

妹「あぁ、何か普通のできごとっぽいけど、矛盾してない様な気がする」


兄「だろ」


兄「けっきょく矛盾でもなんでもなく」

兄「単なる適当な言葉が、一人歩きしてるだけ」



兄「最初から存在してるのは」

兄「言葉遊びだけなんさ」


作者「そしてコノSSも、最初から最後まで言葉遊びだ!」

>>10
レス感謝

でも深夜には殆ど投下してないので別人だと思われ

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