少女「お兄ちゃんください」 店員「かしこまりました」 (131)

店員「はーい、お兄ちゃんイッチョー!!」

「あいよーー、兄ちゃん、イッチョー!!」

店員「トッピングはどうしましょう?」

少女「えーっと……えーっと……、や、優しいお兄ちゃんが良い、です!!」

少女「あ、後ー……、勉強もできて……スポーツも上手で……」

少女「背が高くて……顔も格好良くて……、笑顔が素敵で……」

店員「ではお客様、こちらのイケメンセットはどうでしょうか?」

少女「い、イケメンセット……?」

店員「高学歴、理想のルックス、頼れる性格……、男として持つべき物は全て揃っております」

少女「じゃ、じゃあ、それで!!」

店員「では歳は何歳さぐらいにしましょう?」

少女「に、2歳でお願いします!」

店員「はい、畏まりました。お代金は505円です」

少女「お、お札で!!」

店員「はーい、千円札あずかりまーす。レシートと、お釣りの495円です
    あちらの椅子にかけてお待ちください」

少女「………」ワクワク ワクワク

店員「はーい、イケメンセットのお客様ー!!」

店員「商品が出来上がりましたので、取りにおこしくださーい」

少女「は、はい!!」

店員「では、まだお熱いのでお気をつけて手をお握りください」

少女「は、はい……!!」

店員「お兄ちゃんは初めてですか?」

少女「はい……!!」

店員「理想の生活を築いていければいいですねっ」ニコッ

少女「あ、ありがとうございますっ!!」

女「あのー、すいません。弟を貰いたいんですけど」

店員「はいー、畏まりましたー!!」

店員「弟イッチョ―!!!」

「弟、イッチョ―!!」

兄「女装の似合う可愛い弟を頼む…オプションにアナルセクロス可も追加で」

少女「お兄ちゃん、次はアレしよっ!!」

少年「………」

少女「お兄ちゃん……?」

少年「……うっ、うんっ?」

少女「私と遊ぶの、楽しくない?」

少年「う、ううん。そんな事はないよ」

少女「よかったぁ!じゃあ、いこっ!遊ぼっ!!」

少年「うっ、うん。」

少年(この家に来て、二週間。大体、この家庭の事は分かった)

少年(僕は来月から、この市の小学校に転入するそうだ。この家の両親とも相談した)

少年(だけど、一つだけ分からない事がただ一つ。僕は、一体何の為に生まれたのだろうか)

少女「……お兄ちゃん?」

少女「はやく来て、置いていくよっ!」

少年「うっ、うんっ……。先に行ってて……」

少女「むっ……一緒に行くのっ!!」

母「何の為に生まれた、なんて言われてもねぇ……」

母「あの子もお兄ちゃんが必要な時期かな、と思ってお金をあげただけなんだけど……」

父「今週はお兄ちゃんキャンペーンで半額だったからなぁ」

母「そうねぇ、何時もはちょっと高いもんねぇ」

父「まぁ、君がこの家に合わないというなら出て行って貰っても結構だよ」

父「代わりはいくらでも居るからね」

父「ただ、あの子は君の事を気に入っているみたいだよ」

父「君も、こんな風に必要とされて、それで満足なんじゃないかい?」

母「そうねぇ、こういっちゃ他の子に悪いけど、うちの子みたいに純粋な子はそう居ないからねぇ」

母「なんでもお隣は娘さんの性処理様にお兄ちゃんを買い与えたって言うじゃない」

母「そうなるよりは、まだマシだと思うけどねぇ」

父「そうだな、こんなに純粋な使い方をされるのは、君ぐらいのもんなんだぞ?」

少年「………」

父「まだ何かあるか?」

少年「いえ、結構です……」

>母「なんでもお隣は娘さんの性処理様にお兄ちゃんを買い与えたって言うじゃない」

娘さん(42)

妹「あっ、お兄ちゃん、中学校の制服姿だー!!」

妹「格好良いー、これでお兄ちゃんも立派な中学生だねー!!」

母「A中学校、ここいらじゃ結構偏差値が高い方だったけど、入れて本当に運がよかったね」

兄「うん、本当に運がよかったよ。ここら辺でレベルが高い高校なんてあの辺だもんね」

妹「お兄ちゃんと離れちゃう事が無くてよかったー!」

母「妹は少し、お兄ちゃんにくっつきすぎよ。少しは『兄離れ』しないと…」

兄「ッ……か、母さんッ!!」

母「っ……あら、いけない。私ったらっ……」

妹「……お、お兄ちゃん?」

妹「ど、どうしたの?急に大声上げて……」

兄「い、いやっ……なんでもないっ……」

妹「……?変なの……」

兄(兄離れなんて、絶対に駄目なんだ……)

兄(僕が今ここで今こうして生きているのはこの子の為であって、絶対に離れちゃいけないんだ……)

兄(僕が必要とされなくなった時、僕の存在価値は無くなるんだから……
  そうなったら、僕は……絶対に、兄離れなんて起こしちゃ駄目なんだ……!!)

男子生徒「なぁ、この子。お前の知り合いか?」

兄「えっ……?あ、あぁ……うん……」

妹「お兄ちゃん、一緒に帰ろっ!!」

男子生徒「けっ……いいよなぁ、お前には可愛い妹が居て」

男子生徒「俺には家帰っても、全然色っぽくない姉ちゃんが一人だもんなぁ」

兄「出会いなんて、そこら辺にあるじゃないか。クラスの女の子とか」

男子生徒「あー、ダメダメ。俺、ガキは無理なんだよ。やっぱり女は色っぽい大人の女性じゃないと!!」

兄「そういう君だってガキじゃないか」

男子生徒「はははっ、まぁ、細かい事は気にすんなって!!」

男子生徒「じゃあなっ、妹さんと仲良く帰れよー!!」

妹「だって、お兄ちゃん。行こっ?」

兄「うっ、うんっ」

妹「ねぇ、お兄ちゃん」

兄「うん?」

妹「お兄ちゃんって、その……タイプの女性とか……居るの?」

兄「えっ?」

妹「さっ、さっきの人……大人の女性が良いって言ってたでしょ?」

妹「お兄ちゃんにはそういう好みとか……あるのかなぁって……」

兄「え、えぇぇっ……!?」

兄(今まで、考えた事もなかった……)

兄(僕はあくまで要求される側で、自分自身で選ぶ事なんか許されてないから……)

兄(こういう事を考えたって無駄な様な気がしていた……、自然とそう考えてた……)

兄(でも、あえて……あえて考えるなら……)

兄「僕の、生きる意味を考えさせてくれる人、かなぁ……」

妹「生きる意味……?」

兄「うん、生きる意味。ははっ、妹にはまだ早かったかな?」

妹「そ、そんな事ないよっ!!わ、私だってそんな事くらいっ……!!」

妹「お兄ちゃん、お兄ちゃん、お兄ちゃんっ!」

兄「う、うわっ!!ど、どうしたんだよっ、妹!!」

妹「ねぇ、見てみて!!お兄ちゃんっ!!」

母「ふふっ、本当に妹はお兄ちゃんの事が大好きなのね」

母「妹、前、兄くんと同じ中学校に通ったって言ってたでしょ?」

兄「うん」

母「その制服を今日、持ち帰ったらこの子気に入っちゃってね」

兄「……そう言えば確かに、うちの中学の制服だ」

妹「ねえ、お兄ちゃんっ!!私、可愛くなったかな?ねぇ、ねぇ!」

兄「……うん、とっても可愛い。よく似あってるよ」

妹「そ、そうかな……えへへっ……」

母「そう言えば聞いた?この子が中学校をここに決めたのってねぇ…」

妹「あぁっ!!お母さんっ、言っちゃ駄目っ!!」

兄(よかった……。まだ僕は、この子に必要とされているんだ……)

兄(こんな日が、ずっと続けばいいなぁ……)

兄(でも何時かは、この子も兄離れして……僕は必要とされなくなるんだ……)

兄(兄妹の繋がりなんて、所詮生きている内の数分の1しかないんだ……その日が来れば、きっと僕は……)

妹「……ねぇ、お兄ちゃん」

妹「学校で、お兄ちゃんが女の子と付き合ってるって噂を聞いたんだけど……」

兄「えっ?」

妹「付き合って、ないよね……?」

兄「うん、付き合ってないよ。どうして?」

妹「あ、ある子がね……?お兄ちゃんと女の子が、相合傘で帰ってるの見たって……」

妹「それで、その人はお兄ちゃんの彼女なんじゃないのかって話になって……」

兄「はははっ、それは、あの子が傘を忘れたって言ってたから家も近いし
   雨に濡せて帰らせる訳には行かないから相合傘をやってただけだよ」

妹「ほ、本当に……?」

兄「うん、約束する」

妹「よ、よかったぁ……」

兄(このリアクション、まるで恋する女の子じゃないか……。恋する女の子……。
  もし、もし……僕と妹が結婚すれば、僕はずっと恋人として必要とされる……。そうならば、僕は……。
  そう考えれば、案外結婚しちゃうのも、悪くないかもしれないな……)

あっ、やっぱミスったか
高校はただのミス、本来は中学

>>31のは中学に置き換えてくれ、すまん

母「よかったね、兄くん。あんな高レベルな高校に受かって母さんとっても鼻が高いわ」

兄「あの高校に通ったのは、たまたま運がよかっただけだよ。本当にそれだけ」

母「そうかしら? 兄くんはちょっと自分に自信が足りないのよ。」

母「もっと自信を持っていいのよ? これは本当にすごい事なんだから!」

兄「はいはい、分かったよ。母さん」

兄「ところで、妹は?」

母「あの子だったら、友達と遊ぶって行ったきり帰って来てないわねぇ」

母「まったく、こんな時間まで何処ほっつき歩いてるんだか……」

母「兄くんの爪の垢を煎じて飲ませたいわぁ」

兄「ははっ、それは言い過ぎだよ。母さん」

母「いいえ、勉強もできるし、運動もできるしおまけにこんなに素直なんだから」

母「本当に、ちょっとくらいあの子は兄くんを見習ってもいいのにねぇ……」

兄(最近、妹が夜遅くまで遊んで夜中に帰ってくる事が多くなった)

兄(父さんだって何度も注意しているのに、何度も何度も夜遊びを繰り返している)

兄(反抗期、というのだろうか。流石に、僕からも妹に言い聞かせる必要がありそうだ)

コンコン

兄「……なぁ、妹。ちょっといいか?」

「うるさい、入ってこないで!!」

兄「みんな心配しているんだよ。何も、妹が嫌いで怒ってる訳じゃないんだ」

「お兄ちゃんなんかに、私の何が分かるのよ!偉そうな口叩かないで!!」

兄「でも、夜遊びは実際危険なんだよ。夜は一番車の見渡しが効かない時間なんだ」

兄「だから、車にはねられる可能性だって昼間より高くなる」

兄「何より、この世にはあまり柄の良くない人だって居る。そんな人達に妹が目を付けられたら……」

「私みたいな……出来損ないの人を言ってるんでしょ……」

「どうせ、お兄ちゃんも見下してるんでしょ?勉強ができないからって私を……」

兄「そ、そんなっ。僕は妹の事を出来損ないだなんて思ってない」

「嘘だよっ!!本当は私の事なんか、そこら辺に居る虫と同じ様にしか思ってないんだ!!」

兄「そ、そんな事ないよ……!!」

「もういいっ!! もう二度と私の部屋に来ようとしないで!!」

「お兄ちゃんなんかっ、居なくなっちゃえばいいんだ!! どっか行って。お兄ちゃんなんか、大嫌いっ!!」

兄「………」

女生徒「ねえ、何してるの?」

兄「………」

女生徒「ねえったら!」

兄「運動場を見ているんだよ……、見りゃ分かるだろ……」

女生徒「まぁ、そりゃ……うん……」

兄「………」

女生徒「ねえ、それ。楽しい? 運動場なんて、部活やってるだけでしょ?」

兄「……君と話すよりは」

女生徒「何それ、それって酷くない?」

兄「………」

女生徒「と言うかさぁ、君も物好きだよねぇ。最近、ずっと屋上来てるよね?」

女生徒「君、やる事ないの? 優等生やるの疲れた? ねぇ」

兄「うるっさいな!! 静かにしてくれよっ!!」

女生徒「っ……、ご、ごめんっ……」

兄「………」

女生徒「………」

兄「というか、物好きなのは君もだろ……」

女生徒「えっ?私っ?」

兄「最近、僕が此処に居る時はずっと此処に居るだろ……」

兄「君こそ、何のつもりだよ……」

女生徒「何のつもりって……、危なっかしいなぁっと思って」

兄「は……?」

女生徒「私は好きだから此処に居るんだけど、君はそうじゃないよね?」

女生徒「毎日、ふらふら~っと此処に来てはぼっ~っと下見てるだけじゃん」

女生徒「それってまるで、……死に場所探してるみたいじゃない?」

兄「……っ」

女生徒「ほら、図星みたいだし」

女生徒「私は優しいから、こうして見といてあげてるの。君が死なない様に」

女生徒「ほら、下見るの好きなんでしょ? どうぞ、続けて」

兄「……っ、なんだよ……それ……」

女生徒「あれ? もういいの? 何時もだったらもうちょい居るんじゃないの?」

兄「うるさいっ!! 黙ってろよっ!! 何をしようと、僕の勝手だろ!!」

女生徒「どうせ、そうやってまた、死に場所探すんでしょ? 何時もみたいにふらふら~っと」

兄「っ……お前に、僕の何が分かるんだよっ!!」

兄「僕はなぁ、君とは違うんだよっ!! 代わりなんて、いくらでも居るんだよっ!!」

兄「僕が死のうが、どうなろうが、誰も悲しまないんだよっっ!! 君に何が分かるんだよっ!!」

女生徒「……居ないの?」

兄「は……?」

女生徒「悲しんでくれる人……」

兄「居ないよ……、おかしいだろ……? 僕、ピエロみたいだろ……? 笑えよ……」

女生徒「私じゃ、駄目かな……?」

兄「は……?」

女生徒「だ・か・ら、その悲しんでくれる人、私じゃ、駄目なのかなっ、て!!」

兄「な、何言ってんだよ……ば、馬鹿じゃねえの……?」

女生徒「それ」

兄「……は?」

女生徒「それが君の本当の喋り方でしょ?」

兄「ち、ちがっ……こ、これはついカッとなって……」

女生徒「違わないよ、それが君の本性でしょ?」

女生徒「なんかさ、普段の君見てると思うんだよね」

女生徒「まるで、嫌われない為に、好かれたい為に、捨てられない為に」

女生徒「必死でバレない様に、嫌われない様に、ビクビクしながら、理想の優等生演じてるみたいだ、ってさ」

兄「………」

女生徒「自覚、あるでしょ。まぁ、すぐに直せとは言わないよ。私も鬼じゃないし」

女生徒「でも、私の前に居る時だけは、本当の自分で居ていいんだよ?」

女生徒「私が、その……悲しんでくれる人になってあげる、から……」

女生徒「駄目?」

兄「………」

女生徒「沈黙は肯定とみなすっ!! 決まりっ!! じゃあ、今日からよろしくねっ!!」

コンコン
「私。開けても……いい?」

兄「うん、いいよ」
ガチャッ

妹「……お、お兄ちゃん。ちょ、ちょっと話したい事があるんだけど……駄目かな?」

兄「話したい事?」

妹「うっ、うんっ……。前、私……酷い事言ったでしょ?」

妹「お兄ちゃんなんか大嫌い、とか、居なくなっちゃえばいいっ、とか……」

妹「あれから、ね? その、私と一緒に遊んでいた子がね。帰り際、事故にあっちゃってね……」

妹「幸い、命は食い止めたんだけど、体にひどい傷を負っちゃって……後遺症とかも、今後ずっと残る可能性があるって……」

妹「お兄ちゃんが、言った通りになっちゃってね……、それで私、思ったんだ……」

妹「お兄ちゃんは私の事、本当に心配してくれてたんだって……」

妹「だ、だからね……。私から、謝らせて……。ごめんなさいっ……」

兄「うん、大丈夫。許すよ」

妹「ほ、ほんとっ……!? あ、ありがとっ!!」

妹「お兄ちゃん大好きっ!!」ギュッ

兄「あのさ」

女生徒「うん?」

兄「前言ってた、妹の話」

女生徒「うん」

兄「何とかなった、ありがとう」

女生徒「いやっ、なんで私にお礼を言うの?」

女生徒「頑張ったのは兄君でしょ? よかったじゃん」

兄「でも、君が居なかったら、たぶん俺、今ごろ……」

女生徒「あぁ、そういう事……。だったら、素直に受け取ってあげるっ」

女生徒「どういたしましてっ!!」

女生徒「あとさ、その、君ってのやめない? くすぐったい」

兄「じゃあ、何て呼べばいい?」

女生徒「女、でいいよ。あっ、ちなみにさん付けはなしね」

兄「女……?」

女生徒「うん、そうそう。よくできましたー!」

飯食ってる
すまん

食ってくる、だ

あ、二人は名前は似ているけど、別人という事で

じゃあ、飯も食ったし再開します

兄「妹、残るは後6ヶ月、勉強はどうだ?」

妹「うん、大分分かる様になってきたよ! お兄ちゃんのお陰だよ!!」

兄「だったら良かった。このペースなら、もしかしたら間に合うかもしれないな」

妹「うん! 絶対、お兄ちゃんと同じ高校に行くって約束したんだもん」

妹「毎日、ちょっとくらい夜更かししてでも絶対に通うよ!」

兄「お、言ったな? じゃあ、何が何でも通って貰わないとな」

妹「うん、任せてよ! 絶対受かって見せるから!!」

兄「よし、じゃあ俺は邪魔にならない様にこのくらいで部屋に戻るかな」

妹「あっ……、お兄ちゃん」

兄「うん?」

妹「なんかお兄ちゃん、前より生き生きとしてるよね?」

兄「……嫌いか?」

妹「ううん、大好き!!」

兄「そっか、ありがとう。じゃあ、勉強頑張れよー!」

妹「うんっ! もちろんっ!」

母「あっ、兄くん。聞いた? この前の試験の結果」

兄「試験って、妹の入試?」

母「うん、今日、結果発表があったんだけど…」

兄「あったんだけど?」

妹「あ、待って! お母さん! 私の口で言わせて!」

母「はいはい、分かったよ。教えてあげて」

妹「あのね、お兄ちゃん」

兄「おう」

妹「あったよ! 私の受験番号!」

兄「ほ、本当か!?」

妹「うんっ! やったよ、私! ちゃんと約束守ったよ!」

兄「そうだな、じゃあ4月から俺の後輩って事になるのか……」

妹「うん、よろしくおねがいしますっ。先輩っ!」

兄「はははっ。おう、こちらこそ。よろしく、後輩っ」

女生徒「ねえ、あの女の子って兄の知り合い?」

兄「えっ?」

女生徒「さっき話してた子」

兄「妹」

女生徒「嘘、全然似てないじゃん」

兄「まぁ……、直接的には血は繋がってないから……」

女生徒「あー、そういう事かぁ。それで……、なるほどなぁ……」

兄「察してくれた様で助かる」

女生徒「まぁ、大分前流行ってたもんね。ファストブラザー店って奴
      お客さんの兄弟を買えるって言うんだから、便利だよねー」

女生徒「今は、人権問題がどうのこうのでほとんど続けれてるお店はないんだけどねぇ」

兄「まぁ、それでも。俺は生まれてきて良かったと思ってる」

女生徒「あんな可愛い妹さんに恵まれたから?」

兄「いや、そのっ……作り物が、唯一オリジナルの物に恵まれた、から……」

女生徒「そ、それって私の事を言ってるの……?」

兄「ま、まぁ……うん……」

女生徒「なんかそれって、照れるなぁ……、ははっ……」

兄「そ、それで……さ、もしもで良ければなんだけど……」

兄「俺と、……つ、付き合ってくれると……う、嬉しい……」

女生徒「……それって、告白のつもり?」

兄「まぁ……うん……」

女生徒「もうちょい、ムードとか考えてくれるともっと嬉しかったかなぁ……」

兄「……で、どうなんだよ……」

女生徒「うん? 喜んで」

女生徒「不束か者だけど、こんな女でいいなら」

兄「まぁ、想像はついてたけど、案外呆気無いんだな……」

女生徒「OKするって事?」

兄「いや、……何ていうかムードが」

女生徒「まぁ、告白が告白だから。仕方ないよ」

兄「……まぁ、それは……そうだな。とりあえず、改めてよろしく」

女生徒「こちらこそ、よろしく」

兄「誕生日、おめでとう。妹」

妹「ありがとう、お兄ちゃん! これで私ももう16歳だよ!」

兄「そうだな、俺の気付かない内にどんどん大人の階段を上ってたんだな。お前は」

妹「そういうお兄ちゃんだって、もう18歳じゃん」

妹「私達、あっという間に成長しちゃったよね。お兄ちゃんが此処に来てから」

妹「もう10年ぴったしくらいになるんじゃないかな……?」

兄「そう言われれば、それぐらいになるかなぁ……。特に意識はしてなかったけど……」

兄「ってか、今日は母さん達遅くないか?」

妹「あぁ……お母さん達なら、今、旅行に行ってるよ!」

兄「えっ!?」

妹「一週間は家を空けるんだって」

兄「俺、そういうの、何も聞いてなかったんだけどなぁ……」

妹「まぁ、うんっ……。それで、もう一つ言いたい事があるんだけど……いいかな?」

兄「言いたい事……?」

妹「うん、お母さん達と話あって決めた、大事な事なんだ」

canか、can'tで聞かれれば、canです

妹「お兄ちゃんは18歳で、私はもう16歳でしょ?」

妹「だから、もう……その、結婚しても……良い歳なんだよね……」

兄「え……?」

妹「わっ、私達は、……今は学生だけど、いつか職業に就いて……2人とも安定したら……」

妹「お父さんもお母さんも、結婚に……賛成、してくるんだって……」

妹「二人は、お兄ちゃんなら……私を任せられるって喜んで祝福してくれて……」

妹「だから、その……お兄ちゃんっ……わ、私……と……」

妹「その、結婚……して、ください……」

兄「………」

妹「あ、あははっ……なんか、変な空気になっちゃったね……。け、ケーキ食べよっか」

兄「悪い、妹……」

兄「俺、ずっと考えてたんだよな。俺の生きている意味、というか……なんというか……」

兄「途中まで、確かに途中まではお前の為に生きてたんだよ」

兄「でも、何ていうか、俺、気付いたんだよ」

兄「例えこの命が作られた命だからって、平等に生きる権利はあるって」

兄「ほら、本当の兄妹だって。結局は兄は妹以外の人間と結婚して、妹も兄以外の人間と結婚するだろ?」

兄「これが真理なんだよ。現に、俺には今、大切な人が居る。お前の為に生きていたら」

兄「たぶんずっと気づけないで、今も奴隷の様に、捨てられるのを待つだけの人生だったと思う」

兄「彼女と一緒に居たら、なんだか思うんだよ。俺は、この子と一緒に居る事が、俺の生きる意味だって」

兄「だから、俺は…」

妹「……お兄ちゃん、昔言ったよね?」

妹「生きる意味を考えさせてくれる人が好きだって?」

妹「お兄ちゃんが生まれた意味? そんなの決まってるじゃない、私の為。でしょ?」

妹「お兄ちゃんが忘れちゃったんなら、ちゃんと思い出させてあげるよ……」

妹「誰のお陰でお兄ちゃんはここまで大きくなれたと思っているの?」

妹「私がっ、私がっ!! 私が、あの時、あの店員さんに頼んだからだよ?」

妹「私が居なければ、お兄ちゃんは生まれなかったの。意味、分かる?」

妹「ねえ、こっち見てよ。どれだけ嫌でも、現実は変わらないんだよ? 分かる?」

妹「さっき、お兄ちゃん、自分の事を奴隷の様だって言ったでしょ?」

妹「そうだよ、お兄ちゃんは奴隷だよ? 誰のかって? 私だよ?」

妹「お兄ちゃんは奴隷なの……私以外の人間の言う事なんか聞かなくてもいい……」

妹「必要ないんだから……どうしてって、お兄ちゃんは私の為に生まれたんだから……」

妹「私の、私の言うことだけを聞いてればそれでいいのっ!! 分かった? ねえっ!!」

兄「……お前、どうしたんだよ……」

妹「どうしたって? どうもしてないよ、昔っからそうだったんだから……今更違うだなんて言わせないよ……」

妹「もう二度と、お兄ちゃんが道を踏み外さない様に、私がしっかり躾けあげる……」

妹「子供さえ作れば、もうお兄ちゃんが逃げる事は二度とできなくなるんだから……」

妹「ほら、出しなさいよっ!! 私の為に、その腰にぶら下げている物を出しなさいよっ……!!」

兄「お前、疲れているんだよ……今日はもう……」

妹「うるさいっ!! お兄ちゃんは私の言う事だけにしたがっていればいいのっ……!!」

妹「私の、私の……理想のお兄ちゃんなんだから……一生、私からは逃れられない様にするんだから……!!」

い、いや……ほら、各所で、頼れる兄貴っぷりが……垣間見えた……よね?

兄「……好い加減にッ、しろよッ!!」

 ぐっと肩に力を入れ、妹の手を振りほどく。急に力が加わり、妹は思わず後ろへ倒れる。

兄「俺はお前の奴隷じゃない、誰の奴隷でもないんだよ……」

兄「お前は、ちゃんと分かってて俺と一緒に暮らしてくれてるんだと思っていた……」

兄「もう二度と、お前の事は兄妹だとは思わない。お前は、ただの他人だったんだよ。最初っから」

妹「……お兄ちゃん、何処に行くの?」

兄「お前が言うんなら、絶対に逃げ切ってやるよ。俺の人生なんだ。めちゃくちゃにされて溜まるか」

妹「……本当に、お兄ちゃんは物に戻る気はないの?」

兄「ある訳ないだろ、俺は人間なんだ。玩具じゃないんだよ、馬鹿にするな」

妹「……じゃあ私は……」

兄「もう二度と、此処に戻る事もない。一時期とは言え、兄妹だったんだ。」

兄「末永く、幸せに……くら……せ……よ……?」

兄「お前……何やってんだよ……」

妹「お兄ちゃんは、もう二度と私から逃れられないの、ずっとずっと苦しむの
   私を殺したのは、他でもない、お兄ちゃんだよ……?忘れないので……」

 見ると、妹の腹にはさっきまでケーキを切り分けていた包丁が突き刺さっていた。

(気付いた頃にはもう遅かった、暫くして駆け付けた救急車も虚しく、妹は出血多量で死んでいた)

(それだけ、相当深く、深くへと包丁の刃を腹に突き刺していたのだろう)

(妹の腹を刺していた包丁には、妹の指紋しか残されておらず)

(妹の死は、彼女自身の自殺という所でカタがついた)

(その前の出来事など、両親に言える事もなく、俺はその後、あの出来事を隠し通し続けた)

(そして、高校卒業、大学卒業、と順調に幸せの階段を上り詰めいていく最中の出来事だった)

少年「ねえ、お父さん!お父さん!」

夫「うん? どうした? 何か聞きたい事でもあるのか?」

少年「ううん。あのね、お父さん! 僕、妹が欲しいんだ!」

妻「妹が? 確か、最近その辺でファストシスター店が開いたんじゃなかったかしら?」

夫「ファストシスター店? 人権問題がどうのこうの潰れたんじゃないのか?」

妻「最初は、そんな感じだったんだけど……店側が言うには」

妻「我々が売るのは人にとても似た生命体であって人間ではありませんって……」

夫「それで、まだあるのか?」

妻「みたいよ? この子もお兄さんらしくなってきたし、買わせに行かせてあげたら?」

夫(結局、昔も今もあの店の仕組みはあの店の関係者以外誰も知らない)

夫(一体何処からあんな数の人間を用意できるのだろうか、クローンではあるまいし……)

夫(第一、クローンなら、世界中がパニックになっているはずだ……。それこそ、人権問題で……)

夫(いや、死人から細胞を取るか、あるいか、なら……。……嫌な事を考えた。妹、という響きが懐かしいだからだろうか……)

少年「お父さん、ただいま!」

夫「おう、お帰り」

少年「君はね、今日から僕の妹なんだよ! よろしくね!」

 この家まで手を引かれて着いて来たであろう、少女は照れ屋なのか、少年の陰に隠れている。

夫「どうしたんだい? 今日から、君はこの家族の一員だよ? 大丈夫、出ておいで」

少年「僕のお父さんだよ、悪い人じゃないから大丈夫だよ!」

「ほ、ほんと……?」

少年「うん、大丈夫。出ておいで」

 次第に、少女は少年の陰から少しずつ姿を出していく。
そんな光景を見ていれば居るほど、何処かで見た、そんな既視感を覚える。

「みーつけた。お兄ちゃん」

終わり

いやお前が勝手に死んだのにみーつけたもクソもねえだろ
衝撃的なオチのつもりかもしれないけどもうちょっとちゃんと考えて

俺はな、逆レイプが書ければそれでよかったんだよ
奴隷同然に扱われたりするのいいなぁ、と、そう考えただけなんだよ

>>114
最後まで読んだ癖に、バーカ!!
ツンデレバーカ!!

ドM向けではないですね、俺の欲望が溢れただけですね
もうあのシーンさえいれれればそれだけでよかった

けど、もっと鬼畜にするつもりだったんだけど思った様には行かなかった

何てSSを投げ出しやがった
どうせだから吐きやがれ

てか、いつもは俺も書き逃げするんだけど、なんか今回は最後まで賭けた

弟しかいねえよ、バーロー
妹居る奴は妹物で抜けないってアレ、嘘な

俺、弟居るけど、普通にショタ弟物で抜けるわ

なんだろう、ショタ物って、女々しいんだよなぁ
可愛いんだよなぁ だから別腹

形式はホモだけど、中身はノンケだから

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