アリアハンの魔法使い 2(1000)

これまでのあらすじ

アリアハンから旅立った魔法使い、商人、そして賢者ちの3人は、魔物と戦ったり牢屋にぶち込まれたり人間を食べそうで食べなかったりしながら、見事魔王バラモスを倒してアリアハンに凱旋したのして…

登場人物紹介

魔法使い
いつも落ち着いたパーティーリーダー的かつ長女的存在。すでに魔法使いとしての呪文は全て使える大魔法使い。Bと言われると怒ってドラゴラム唱えます。

商人
いつも落ち着きがないパーティーの次女的存在。きゅーとでせくしーだいなまいつ(自称)。投獄歴2回。僧侶呪文もそこそこ使えます。

賢者
いつも飢えてる元盗賊の賢者。わがまま放題の末っ子的存在。キャタピラーから人間まで好き嫌いなく食べる次期魔王候補筆頭…?

アリアハン王
どケチ。

ルイーダ
冒険者登録から酔っぱらいの相手までこなす偉いひと。賢者が旅に出てからは赤字の解消に成功した模様。

このSSの決まり
・全滅は五回まで、六回したらSS終了(現在全滅一回)
・旅立ちから1年経ったら勇者パーティーin(まだ5ヶ月未満ですが…)
・宿屋、ルーラ、王様に報告して中断で1日経過。アレフガルドはずっと夜なので町に入る、ダンジョンから出る等でも1日経過する、予定。
・誤字脱字は温かい目で見守る(最重要)
・このSSを読んでるとたまに賢者に食べられるので注意されたし

では、本編へ…

――145日目、アリアハン城内

商人「…大変なことになっちゃったね…」

賢者「うー、うたげのごちそう…」

商人「しょうがないよ賢者ちゃん。あんな…大魔王なんてのに出てこられちゃったらさ…お城の兵士さん達も…」

賢者「きえちゃったな。しんじゃったのか?」

商人「それは…魔法使いちゃん?」

魔法使い「………」

賢者「どーしたんだ、まほーつかい?」

魔法使い「え?ああ、ごめんなさい…流石に少し堪えたわ、一応、あの兵士達は顔見知りだったしね…」

商人「あ、そっか…魔法使いちゃん…」

魔法使い「大丈夫、もう大丈夫よ。でも…大魔王、か…」

商人「大変な事になっちゃったね。せっかくバラモスを倒して、平和になったと思ったのに…」

大臣「あー、お前達すまぬな、せっかくの凱旋だったのに…」

魔法使い「いえ、仕方ありません。私達は別に…」

賢者「ごちそうがなくなったぞ!!けんじゃはだいまおーをゆるさないぞ!!」

商人「け、賢者ちゃん…」

魔法使い「許さない、か…ねえ二人とも、私達の次の相手は大魔王、おそらく魔王よりも遥かに手強い相手だと思うわ。それでも…まだこの旅を続ける?それとも…」

賢者「なんでやめるんだ?だいまおーを食べてこんどこそごちそうも食べるぞ!!」

商人「あたしは正直怖いけど…でも、ここまで来たら止められないよ!それに、今までだってすごいモンスター達にも勝ってきたもの、大魔王だって…」

魔法使い「二人とも…うん、良く分かったわ。大臣、そういう事ですから、王様には私達がまた旅立つとお伝え下さい」

大臣「そうか、分かった。すまぬな、またしてもお主達にばかり頼って…しかし、我が王はすっかり意気消沈してしまったよ、お痛わしい…」

魔法使い「仕方ないですね、あんなでも世界平和にかける思いは本物でしたから」

大臣「なんだ、今日は王様に優しいな?」

魔法使い「大臣こそ、今こそ王座を奪い取る好機だ!!位言ってもらわなくては困ります」

大臣「お、おお、そうだな。うむ、王があの様子では私が王座にすわるしかあるまいな、がはははは!!」

魔法使い「ええ、その調子でお願いします…声は大きすぎますが」

商人「でも、大魔王ってどこにいるんだろう?居場所が分からないと…」

魔法使い「大魔王のあの口振りだと、どうやら別世界にいるみたいね。この世界も闇に…なんて言ってたもの」

商人「別世界、かあ。ピンと来ないけど…」

魔法使い「恐らく、だけど…魔王の居場所か、そこに行くための場所は、多分ギアガの大穴じゃないなと思うの。貴方達覚えてる?」

賢者「ギアガのおおあなからすべてのわざわいがでてきたんだぞ!!」

商人「あ、その話どこかで聞いたね。どこだっけ?」

魔法使い「それは、貴方が姿を見て引き返したかわきのつぼのほこらの骸骨よ。どう?念のためもう一度話を聞きにいく?」

商人「え!?いやいやいや、お二人の記憶を信頼してるから、そういうのはいいかなー?」

賢者「ひとのきおくはあいまいなもの。ときにはあさごはんを食べたかどうかもわすれてしまうほどにたよりなく…」スチャ

商人「なんでまたインテリめがねかけてるの!?いいから、賢きものときれものが覚えてれば大丈夫だから!!」

魔法使い「まあ冗談はこのくらいにして…問題はギアガの大穴がどこにあるかね…」

商人「うーん、大穴っていうくらいだからでっかい穴が空いてるんだろうけど…」

賢者「でっかいあな?けんじゃはみたことあるぞ!!」

商人「え!?ど、どこで!?」

賢者「んっと、まおーのしろのちかく!!そらからみたぞ!!」

魔法使い「そんな所に…気づかなかったわね、でも魔王も大魔王と同じ所から来たとなれば、魔王の城の近くにあるのも頷けるわね…」

商人「闇の世界に繋がる大穴、かあ…ちょっと怖いけど、行ってみる?」

魔法使い「行くしかないでしょうね、大魔王と対決するならばね」

賢者「いますぐいってだいまおー食べるぞ!!」

商人「今度は闇の異世界での冒険だね…怖いけど、でもワクワクもするね、新しい世界での冒険!」

魔法使い「ええ、実は私もよ。じゃあ早速行きましょう、ギアガの大穴、そして大魔王の元へ!!」

商人「んー、ラーミアちゃんはやーい!!あ、賢者ちゃん見てみて、あれ、海賊さん達のおうち!!」

賢者「おー!!おかしら、いるかなー?」

魔法使い「あとでまた寄ってみましょうね…さあ、この海を越えれば…」

商人「あ、テドンの岬が見えてきた!!」

賢者「テードンーみーさーきーのー、しーおかーぜにー♪」

商人「きーたえーしーつーばーさー、たーくまーしーくー♪」

魔法使い「二人とも歌好きね…ほら、魔王の城が見えて…あ、ふ、魔王の城の東側!」

商人「あ、あー!!でっかい穴!!」

賢者「へへー、いったとーりだぞ!!」ドヤッ

魔法使い「ええ、お手柄よ、賢者」

商人「うわあ、実際に見てみると深くて怖い…」

魔法使い「そうね、でもとにかく近くに下りてみましょう。二人とも、準備はいい?」

賢者「いますぐだいまおーをやきにくでもいいぞ!!」

商人「さ、流石にすぐ大魔王はちょっと…ソフトな大魔王出てこないかな…?」

魔法使い「ソフトな魔王って何よ…とにかく行くわよ、ラーミア、近くに下りて――」

――ギアガの大穴、入口

商人「うわあ、近くで見るとホントに大きい…」

賢者「これをなべにしてシチューつくったらまいにち食べれるな!!」

魔法使い「何もかも食べ物に例えないでよ…」

商人「とりあえず…よっ!ほっ!…ほら、あなほりでまた出たよ、もろはのつるぎ!!」

賢者「よんほんめだな!!」

魔法使い「呪われた剣を掘り当てたのね。幸先いいわね」ニッコリ

商人「あ…うう、掘らなきゃ良かったかな…」

魔法使い「いいじゃない、お金になるんだから」

賢者「おーいおーい、こっちからもっとしたにいけるぞ!!」

魔法使い「あら、まだ下れるのね。じゃあ行ってみましょうか」

商人「あ、うん…魔法使いちゃん、いつも慎重なのに…やっぱり異世界が待ち遠しいのかな?それともアリアハンの兵士さん達の仇討ちに焦ってる…?」

――ギアガの大穴、地下1階

賢者「おおー、でっかいあな!!」

魔法使い「これは…凄まじいわね…それに、これは最近になってまた拡がった…?」

商人「すごいね…あ、あそこに人がいるよ!!すみませーん!!」

見張り「ひっ…!?な、なんだ人間か…さ、さっき大きな地震がしたと思ったら、何かとてつもなく大きなものがここを通って行ったんだ!!」

賢者「おーきなもの?なんだ?」

見張り「分からない…だが、だがその時に穴が拡がって俺の相棒が穴の中に…ああ…!」

魔法使い「そんな事が…でも大丈夫、今から私達もここを下ります。そしてもし、貴方の相棒を見つけたらきっと知らせに来ますから」

見張り「あ、あんた達が!?しかし、この穴は…」

魔法使い「私達なら大丈夫、その為に来たのだから。さあ二人とも、良いわね?」

商人「良いけど…魔法使いちゃん、ちょっと慌ててるんじゃない?いつもはもっと慎重なのに…」

魔法使い「ああ、それは…貴方には話してなかったけど…貴方の居ない間に、少しね…」

商人「居ない間に?あたしが町づくりしてる時?」

魔法使い「ええ、貴方いつもアイテムの整理してるわよね?貴方が抜ける前と戻って来た後で、減ってたものがあるでしょう?」

商人「減ってたもの…?えーと、薬品類以外は、たねとか…あ、本が一冊、ゆうき100ばいが…あ、あ、魔法使いちゃん、まさか…!」

魔法使い「そう、私はあの本を読んだのよ。今の私はきれものじゃない、いのちしらずの魔法使いよ!さあ二人とも行くわよ!!」

商人「え、ええー!?ちょ、ちょっと落ち着いて…」

賢者「おー!!ホントにほしーものはー?」

魔法使い「エキサイトする心臓よ!!さあ、行くわよ!!」ピューン

賢者「それー!!」ピューン

商人「ふ、二人とも…これからずっとこのノリじゃないよね!?」

賢者「………うー、すっごい落ちたぞ…」

魔法使い「少しやんちゃし過ぎたかしら…?」

商人「少しどころじゃないよ!!お願いだから、このノリ続けないでよ!?」

魔法使い「分かってるわよ。さて、ここは…」

大男「なんだあんた達は?あ、分かった!あんた達も上の世界から来たんだな?」

商人「上の…世界…?」

大男「ここは闇の世界アレフガルドっていうんだ。覚えておくんだな」

魔法使い「闇の世界…じゃあここが…」

商人「や、闇の世界!?え、え?てことは、つまり…?」

大男「あー、聞きたい事はいろいろあるだろうが、それは町の連中から聞いてくれ。ほら、そこに船があるだろ?」

賢者「おー、ふねだ!!」

魔法使い「これは…私達が使っても良いのですか?」

大男「ああ、ま、そういうしきたりだとでも思ってくれればいいよ。ただし、旅の安全は保証しないがね」

魔法使い「それは、魔物が出るという事ですか?それは大丈夫です、私達は今までもそういう旅をしてきたし…」

賢者「ぎゃくに食べてやるぞ!!」

商人「うん、今までも大変な旅だったし…」

大男「ま、上の世界から来たならそうだろうな。じゃあ、旅の無事を祈ってるよ」

魔法使い「ありがとう。ほら、二人とも行くわよ」

商人「ま、魔法使いちゃん、あたし大変な事に気付いちゃった…」

魔法使い「な、なに?」

商人「上から落ちてきたって事は…あたしみたいにきゅーとでせくしーだいなまいつだと、ここの人達天使が降りてきたって間違えちゃうかもよ?」

賢者「なあなあ、てんしってなんだ?」

魔法使い「ああ、鳥みたいなものよ、焼き鳥ね」

賢者「おー、しょーにんのやきとり!!」

商人「鳥じゃないよ!?焼かないでよ!?」

魔法使い「さ、そんなどうでもいいことはさておき、出発するわよ。船に乗りましょう」

商人「どうでもよくはないよ!?焼かれたくないよ!!」

賢者「またふねだなー、食べれるイカいるかな?」

魔法使い「どうかしらね…それにしても、ラーミアを復活させたら船に乗ることもないと思ってたけど、まさか異世界で乗ることになるとはね…」

商人「…それにしてもさ、ここって暗いね。真っ暗って訳でもないけど…」

魔法使い「闇の世界っていう位だからね…きっとずっとこの黄昏時みたいな暗さでしょうね…」

賢者「お?あっちにまちがみえるぞ!!」

魔法使い「町が?私にはまだ見えないけど…いいわ、じゃあここで船から下りましょう」

商人「りょーかい!…足元は、大地はあたし達の世界と変わらないみたいだね…」

魔法使い「そうね…あ、二人とも、魔物よ!!」

スライムベスがあらわれた!!じごくのきしがあらわれた!!

商人「うわあ、骸骨…でも見たことある相手だね」

魔法使い「ええ、あっちは…」

スライムベスはにげだした!!

魔法使い「一緒に襲い掛かって来たというよりは、骸骨から逃げてきたのかしら…まあいいわ、骸骨は倒すわよ!!」

商人「うん!!それっ!!とりゃあー!!」ドカバキッ

賢者「とー!!」ザクッ

――じごくのきしをやっつけた!!

魔法使い「ふう、1体だから楽だったわね。でも、魔王の城に居たような魔物が外を彷徨いているのね…闇の世界、か…」

魔法使い「さあ、町に着いたわよ」

町人「ここはラダトームの町です」

商人「ラダトーム…変わった名前…」

賢者「まちだまち!!おいしいものあるかな?」

魔法使い「どうでしょうね…まずは町を見て回りましょうか」

商人「そうだね、お店も見て見たいし…あ、賢者ちゃん、どこ行くの!?」

賢者「おじゃましますだぞ!!」バタン!!

商人「ああ、また勝手に民家に上がって…」

魔法使い「でも一応お邪魔しますが言えるようになったのね…とはいえ、ほっとく訳にもいかないわ、行きましょう」

商人「そうだね、お邪魔します…あ、ここ民家じゃなくて教会だ、こんにちは、あの、ここにあたし達の連れの女の子が…」

神父「旅の方ですかな?女の子なら、2階に上がりましたぞ」

魔法使い「ありがとうございます。もう、勝手にドカドカ進んで…失礼します」

商人「階段を上って、ここに賢者ちゃんが…あ、賢者ちゃん、勝手に…賢者ちゃん?」

賢者「お…おやぶん………?」

商人「え?親分って…え、え?」

大男?「おや、貴方方は…ん、あ、ああ、お前は…!!」

賢者「おやぶん!!おやぶん!!おやぶん!!」ガバッ

商人「カ、カンダタ…さん…?」

魔法使い「驚いたわね…まさかこんなところに…」

カンダタ「お前は…!あのあとシャンパーニの塔に探しに行っても居なかったから、てっきり魔物にやられたと思ってたが…まさか生きてたとは…」

賢者「このふたりにたすけてもらったんだぞ!!」

カンダタ「そうか、貴方方が…それはお世話になりましたね…」

魔法使い「いえ、あんな所に女の子が一人でいたから、放っとけなかっただけよ。貴方の方こそ…まあ、無事で良かった、のかしらね」

カンダタ「いやいや、その節は…しかし悪いことは出来ないもんで、こんな世界に落ちてしまいましたよ。今は真面目にやらせてもらってますがね」

商人「真面目に…って、格好に突っ込んじゃいけないのかな…」ヒソヒソ

魔法使い「どう見ても囚人服よね…」ヒソヒソ

カンダタ「しかし見違えたな。なんだその格好、賢者か?お前がなあ…」

賢者「へへ、おやぶんはあんまりかわらないな!!あいかわらずおいしそうだぞ!!」

カンダタ「おお、お前もうまそうになったな!!」

魔法使い「うまそう…変なこと想像するけど、多分そのまんまの意味でしょうね…盗賊ってこんなのばっかりなのかしら…?」

商人「ねえねえ魔法使いちゃん、二人は積もる話もありそうだし…」

魔法使い「そうね…じゃあ賢者、私達は町を見て回ってるから。またここで会いましょう」

賢者「おー!!それでなおやぶん、とうからでたあとな…」

商人「ふふ、嬉しそうだね賢者ちゃん!!」

魔法使い「そうね…さて、私達は町に戻りましょう…あ、神父様、お騒がせしました」

神父「いえいえ、久しぶりの再会だったようで…しかしあの方が父親代わりとは…」

商人「あ、あはは、かなりワイルドに育ったみたいです…」

魔法使い「それはそうと神父様、私達この町は初めてなのですが…」

神父「ああ、あの方と同じく上の世界から来たのですな?ならば…ふむ、貴方方はあの方と違って怪しいものでもなさそうだ、ならばお城に行って王様にあいさつするのがよろしいでしょう」

商人「お城に…ここ城下町だったんだ」

魔法使い「そういえば、大きな建物が見えた気がするわね。じゃあ行ってみましょうか。では神父様、失礼します」

商人「失礼します!!…ねえねえ魔法使いちゃん、お城もいいんだけど、あたし…」

魔法使い「はいはい、町のお店を見て回りたいんでしょう?挨拶は私がしてくるから、好きにするといいわ」

商人「やった!!ありがとー魔法使いちゃん!!じゃあまた後で!!」タタタ…

魔法使い「もう、暗いんだから走らないの!全く、いつまで経っても…」

――ラダトーム城内

魔法使い「ここがラダトームのお城…少しアリアハンのお城に構造が似てるような気がするわね…」

大男「あんたどこから来たんだ?アリアハン?へえ、そういえばいつか来たオッサンもそこから来たって言ってたな」

魔法使い「アリアハンから…?私達より先にここに…誰かしら…」

大男「誰だったかな…ああ、謁見の間にいるメイドがそのオッサンの世話をしてたはずだぜ、聞いてみたらどうだ?」

魔法使い「ありがとう。謁見の間は…この上ね…失礼して…」

メイド「こんばんは。本日はどのようなご用ですか?」

魔法使い「貴方がメイドさんね。私はアリアハンから来たのだけど…」

メイド「アリアハン!?そ、それは確かオルテガ様の出身と同じ!?」

魔法使い「オルテガ!?オルテガ殿が、ここに居るの!?」

メイド「いえ、今はもう旅立たれてここにはいません。どこでどうしているのか…」

魔法使い「そう…でも確かに、ここにオルテガ殿が来ていたのね?」

メイド「はい、ただオルテガ様は記憶を無くされていて、結局最後までご自分の名前以外思い出せなかったようですが…」

魔法使い「記憶を…やっぱり生死はともかく、火山の火口に落ちたか、それに近い災難にあったのは事実なのかしらね…」

大臣「ほう、旅の方かな?どちらからいらしたのかな?」

メイド「あ、大臣さま。この方はオルテガ様と同じアリアハンから来たそうです!」

大臣「なんと、オルテガと!?すると貴方はオルテガ殿を探しに?」

魔法使い「いえ、そういう訳ではないのです。私達の国も大魔王の存在が明らかになりまして…」

大臣「大魔王が…そうであったか…」

魔法使い「私達の国は、元々バラモスという魔王の脅威がありまして、それを倒して喜んだ矢先の出来事だったので…」

大臣「ほう、バラモスを!大魔王直属の手下の一角を崩したと申されるのだな?」

魔法使い「手下…そうですね。あの魔王が手下だったという事実に気が遠くなりそうですが…」

大臣「ああ、気持ちは良く分かる。しかし我々とて手下の一人も倒せていないのが現状。貴方の活躍に少しは希望が見えたきたようだ」

魔法使い「そう言っていただけるのは嬉しいですが…」

大臣「おおそうだ、後で我が王にも話を聞かせてもらえんかね?我が王も大魔王の脅威に頭を悩ませているのだ。手下を一人倒したと聞けば、少しは力が沸くかもしれぬ。貴方はお仲間は?」

魔法使い「ええ、今は城下町にいますが…」

大臣「ならば呼んで来るとよろしかろう。この城には宿泊施設もある、今夜はこの城に泊まっていくといい。これ、部屋の準備を」

メイド「はい!久しぶりに勇者様の御逗留ですね!」

魔法使い「勇者、か…期待されてるわね。それだけこの国の絶望が深いということかもしれないけど…」

町娘「バラモスを倒したですって?でもバラモスも大魔王の手下の一人に過ぎませんわ」

商人「手下!?で、でもあたし達は今までだってたくさんの事を乗り越えてきたし、大魔王だって…」

町人「そうは言ってもねえ…分かるだろ?大魔王はこんな風にこのアレフガルドを闇に染めてしまう程の力の持ち主だ。例え上の世界を救ってきたと言ってもねえ…」

商人「そんな…あたし達はきっと…」

町人「ああ、今までもそう言って大魔王討伐に旅立った勇者はたくさんいたよ。誰も帰って来ないがね。ましてや、あんたは勇者でもない、商人じゃないか」

商人「それは…!」

魔法使い「…どうしたの商人、何の騒ぎ?」

商人「あ、魔法使いちゃん!あのね、あたし達が上で魔王を倒したって言ったらね…」

魔法使い「バラモス
手下に過ぎない、って言われたのね?」

商人「え!?何で分かるの?」

魔法使い「私も今、お城で同じような事言われたのよ。この世界は私達の世界より大変なのよ、貴方も悔しいだろうけど…」

商人「でも…」

魔法使い「ええ、私達は命懸けで上の世界を救ってきた。それは誇るべき事よ。さあ、そんな事より私達お城に呼ばれてるの。貴方も来てくれる?」

商人「お城に?なんで?」

魔法使い「お城ではまだ大魔王の脅威を理解してない愚か者が必要みたいよ。今夜はお城に泊めてくれるって。さあ、賢者も呼んで行くわよ、お城のディナーが食べられると聞いたら、きっとあの子も喜ぶわ――お城の人達には災難かもしれないけど」

賢者「このようなせいかつではからだをこわすかもしれない、えいようバランスもかたよるし、ひまんのかのうせいが…」スチャ

カンダタ「あ、ああ…やっぱり賢者ってのはすごいもんだな…」

商人「ええっと…どういう状況か説明してもらっても?」

賢者「おやぶんのしょくせいかつがあまりにもだらしないので、ふしょうわたくしめがいちからしどうをさせていただき…」スチャ

魔法使い「何が不肖私めがよ…」ヒョイ

賢者「おー、ふたりとも戻ったのか?」

魔法使い「ええ、貴方は話は終った?」

賢者「まだおせっきょうがおわってないぞ!!」

カンダタ「いや、そろそろ勘弁してくれ…お願いだから連れていって下さい…」

商人「大変でしたね…あ、賢者ちゃん、これからお城でご飯だって!お腹減ってない?」

賢者「おー!!ごはんごはん!!」キラキラ

魔法使い「じゃあ行きましょうか…貴方は普段はここに居るの?また賢者が会いに来ても大丈夫かしら?」

カンダタ「私ですか?ええ、だいたいここに居ますよ」

賢者「おー!!おやぶん、つぎはごはんおごってもらうぞ!!」

カンダタ「お、お前に飯か…今の生活だと干上がりそうだな…」

ラダトーム王「…では、上の世界でも魔物達の侵攻が進んでいたと…」

魔法使い「ええ、ジパングとサマンオサ、2つの国が魔王バラモスの配下によって支配されていました。あの2つの国の魔物とバラモスの明確な繋がりまでは分かりませんが、恐らく…」

賢者「うん、 このおにくもなかなか…」ガツガツ

王「しかし、それはそなたらが救ったと。大したものだな…」

賢者「ここのおにくもたいしたものだぞ!!」

魔法使い「しっ。確かに私達はいくつかの町や国を救い、バラモスも退ける事が出来ました。しかし…それ故に、更なる脅威があるという現実が…」

王「…やはり、重たいか?」

賢者「そーだな、このおにくかなかのさじゅうりょうかん…」

魔法使い「正直…ただ、私達は諦めるつもりはありません。頼りになる仲間もいますし…」

商人「は、はい、頑張ります!」

賢者「食べたぶんはがんばるぞ!!」

王「そうか…この国にはもう絶望しかないかと思っていたが…そなたらが諦めないのなら、我々も信じて待つとしよう…話が出来て良かった、感謝する」

魔法使い「いいえ、私達こそ…」

賢者「たくさん食べさせてくれてカンシャだぞ!!あ、あとあれとこれとそれと…」

商人「…本当に感謝してます。あと、ごめんなさい…」

王「そうそう、オルテガの事だがな…」

商人「え!?オルテガ様!?」

魔法使い「ああ、まだ話してなかったかしら?この世界にオルテガ殿が来ていたらしいのよ」

商人「え?だ、だってオルテガ様って…」

魔法使い「ええ、私達はオルテガ殿はもうなくなっていたと聞いていました。まさかこの世界にたどり着いていたなんて…」

王「そうか、死んでいたと…あの男はしばらくここに留まった後、大魔王を倒すために旅立ったのだ。その後の行方は知れないが…噂ではリムルダールの町で見たものがいるという」

魔法使い「リムルダール?そこは…」

王「謁見の間でマイラの村の事は聞いたかな?ここから東にある村だが、リムルダールはそこから南に行くとある。マイラに行ったら、リムルダールにも足を伸ばすといい」

魔法使い「分かりました。ありがとうございます…ねえ商人、賢者は?」

商人「え?賢者ちゃんなら、確か…」

賢者「なあなあ、すごいおべんとうつくってもらったぞ!!おーきゅーのあじだ!!」

魔法使い「…重ね重ね御無礼を…」

王「いや、元々この食糧は大魔王打倒を目指す勇者達の為のもの。同じ志を持つ物に食してもらえるならむしろ嬉しいよ…武運を、祈ってるぞ」

魔法使い「…はい、必ず…」

――147日目

商人「んー、良く寝た…流石王宮のベッドだね、ふっかふか!!」

魔法使い「ん…」

賢者「おきろー!!」バンバンバンバンバン

魔法使い「わ、分かったわよ…もう、乱暴なんだから…」

商人「魔法使いちゃんが起きないのが悪いんでしょ?」

魔法使い「朝は苦手なのよ…しかもこっちは朝か夜か分からないし…」

商人「まあ確かに、爽やかな目覚め!!…とはならないね…」

魔法使い「そうね…でも慣れるしかないわ………さて、今日は…」

商人「あー、魔法使いちゃん、せっかく新しい世界に来て、色々な所に行きたいだろうけど…」

魔法使い「…何?」

商人「あたしね、お金下ろしてきたいなーって…だから、1回アリアハンに戻りたいんだけど…」

魔法使い「お金…?ああ、そういえば貴方は昨日町のお店を見て回ったのよね。良いもの売ってたのね?」

商人「うん、こっちの武器と防具はすごいよ!!あっちにはないような強力なものがズラリ!!…そのくらい強力なモンスターがいるって事なんだろうけど…」

魔法使い「そうね…確かに準備は必要ね…じゃあ1回戻りましょうか。一応、あっちの王様にもこちらの世界の事を報告しとかないとね…」

――148日目、アリアハン城内

大臣「…そうか、闇の世界…大魔王とは恐ろしいものだな…」

魔法使い「はい。私達は引き続き、アレフガルドで大魔王打倒の手段を模索します…報告は以上です」

大臣「分かった、ご苦労だったな…王からは、何か?」

王「お前なら…」

魔法使い「はっ?」

王「お前なら、大魔王も…いや、何でもない、気にしなくてもよい…ご苦労、下がってよいぞ…」

魔法使い「………では、失礼します…ふう、重苦しいわね…」

兵士「ああ、大変な事になったみたいだな」

魔法使い「貴方は…ここは謁見の間よ、倉庫番から出世したの?」

兵士「よう、久しぶりだな。まあ、アリアハン近衛隊の名だたる精鋭達が『辞職した』おかげでな…」

魔法使い「辞職…貴方達はそう聞いてるのね」

兵士「大体の事は分かるさ。ただ、口の軽い奴は信頼されないってだけさ」

魔法使い「なるほどね…貴方は意外と耳が早いわね」

兵士「そりゃあ、大臣から色々聞いてるからな」

魔法使い「大臣から?貴方大臣から信頼されてるのね」

兵士「おいおい、それがきれものの言葉か?何の後ろ楯もない倉庫番が勝手に宝を誰かにくれてやったら普通首だろ?それがこうして近衛兵にまでなったんだぜ?どういう事か分かるだろ?」

魔法使い「そういう事だったの?貴方意外と世渡り上手いのね」

兵士「そりゃまあ、誰かさん程下手くそではないがよ…もしお前が帰ってくれば、俺なんかよりずっと出世出来るはずだが…まだやることがあるんだな?」

魔法使い「ええ、一番大事な仕事がね」

兵士「そうだろうな、今この国にはお前しかいないもんな。しかし、こんな緊急事態にも旅立ちは16才から、なんて言ってる余裕あるのかね…?」

魔法使い「勇者殿の事?それなら緊急事態だからこそ、中途半端なまま出陣するわけにはいかないでしょう?」

兵士「そんなもんかね…」

魔法使い「そういうものよ。じゃあ私は行くわね、またそのうちね」

兵士「ああ、またな…ああそうだ、お前地下牢の囚人の話を聞いたことあるか?バコタの隣に収監されてる奴のよ」

魔法使い「囚人…?その人が何か?」

兵士「どこで聞いたか知らないが、この世界のどこかに竜の女王の住むほこらがある、なんて話を前にしててな。その時は戯言だと思ったが、もしかしたらお前の旅の役に立つかもしれないと思ってな」

魔法使い「竜の…女王?」

兵士「お前達、ばかでかい鳥に乗ってどこにでも行けるんだろ?探してみるのもいいかと思ってな」

魔法使い「そう…気になるわね。ありがとう、考えてみるわ」

――ルイーダの酒場

商人「よし、お金は下ろしたし…」

魔法使い「商人、用事は済んだ?」

商人「あ、魔法使いちゃん。今お金下ろしたとこだよ。お金さ、40000ゴールドくらいあればいいかな?」

魔法使い「貴方が良ければいいわ。で、賢者は?」

商人「ああ、賢者ちゃんなら、ほら…」

賢者「うんうん、ルイーダねえさんのごはんはおいしいな!!お、まほーつかい、しごとおわりか?」

魔法使い「ええ、終ったわよ。ねえ賢者、確か貴方ラダトームでお弁当もらってたわよね?」

賢者「あれは食べたぞ!!食べたらまた食べなきゃいけないんだぞ!!」

魔法使い「聞いた私がバカだったわね…」

商人「ねえ魔法使いちゃん、あとはもうアレフガルドに戻るの?」

魔法使い「それなんだけど…お城で気になる話を聞いてね。この世界のどこかに、竜の女王の住むほこらがある、という事らしいんだけど…」

商人「竜の女王が?へー、まだあたし達が行ってない所だね!いいじゃん、そこ行ってみようよ、賢者ちゃんも良いでしょ?」

賢者「おー!!りゅうのじょおう食べにいくぞ!!」

魔法使い「女王は食べるものじゃないわよ…」

――アリアハン郊外

魔法使い「さ、二人ともラーミアに乗って。竜の女王のほこらを探しに行くわよ」

商人「ねえ魔法使いちゃん、その前にさ、まずはギアガの大穴に行かない?」

魔法使い「大穴に?あそこに何かあるの?」

商人「あ、魔法使いちゃんは知らなかったよね、ギアガの大穴でさ、見張りの人が言ってたでしょ?相棒が穴に落ちちゃったって。のあ相棒の人、ラダトームにいたんだよ?」

魔法使い「え、そうなの?」

賢者「となりのへやでねてたんだぞ!!」

商人「まあ起きてすぐあの部屋から出た魔法使いちゃんは知らなかっただろうけど。あたし達は早起きしたからいろいろ見て回ったもんねー」

賢者「ねー」

魔法使い「むっ…不覚だったわね…それで、その人は?生きてたのね?」

商人「生きてたけど、大ケガしてたよ。しばらくは安静にしてないといけないみたい」

賢者「なんじゃくものだな!!けんじゃたちはへーきだったぞ!!」

魔法使い「まああの人は突然落ちたでしょうから、覚悟を決めて飛び下りた私達とは違うでしょうね。でもそういう事ならまずはギアガの大穴に行きましょう。相棒の人を見つけたら報告するって約束してたからね…」

――夜、ギアガの大穴

賢者「アリアハンからひとっとびだな!!」

商人そうだね…うう、夜に来ると一層怖いね。下に吸い込まれそう…」

魔法使い「別に吸い込まれても良いでしょ、1度落ちてるんだから。さて、下りて…」

賢者「お、みはりがいたぞ!!おーい!!」

見張り「あ、あんた達は!?穴から出てこれたのか!?」

商人「はい、魔法を使えば戻れますよ!!あ、下に相棒の人、居ましたよ!!」

見張り「な…それは本当か!?あいつは無事だったのか!?」

賢者「ケガしてるけどいきてるぞ!!」

見張り「そ、そうか…生きてるなら良かった…」

商人「ただ、大ケガなんですぐには戻れません。しばらく休んでから…」

見張り「そうか、いや、生きててくれたらそれでいい。あんた達、ありがとう、本当にありがとうな」

商人「いえいえ、当然の事をしたまでです!!相棒さんに気付いてなかった人もいたけど!!」

賢者「いたけど!!」キャッキャッ

魔法使い「ぐっ…二人揃ってここぞとばかりに…」

魔法使い「さて、報告も終わったし、いよいよ竜の女王のほこら探しだけど…どこに行けばいいかしらね…?」

商人「うーん、あたしのカンだと北かな。あとあたし達が行ったことない所って、ラーミアでしか行けない陸の高台とかだよね?なら、おっきな大陸がある所じゃないかな?」

魔法使い「なるほど、鋭いわね」

商人「へっへー、あたし町作りしてた時地図をたくさん見たからね、交易のために!!」

魔法使い「そうね、私達も貴方に地図を見せてもらいに行ったりしたわね。賢者はどう?」

賢者「けんじゃもきたでいいとおもうぞ!!」

魔法使い「なら決まりね。北に行ってみましょう。二人とも準備はいいわね?」

商人「うん!!じゃあラーミアちゃん、お願いね!!」

賢者「りゅうのじょおうのまるやきだー!!」

魔法使い「だから食べ物じゃないからね…」

賢者「おー、あっというまにさばくをすぎたな!!」

商人「うん、海が見えてきたよ!で、海を越えたら…」

魔法使い「ロマリアね。この調子ならすぐカザーブに…」

賢者「お、たいようがみえてきたぞ!!」

商人「ホントだ、夜が明けたね!!」

――149日目

魔法使い「…カザーブも見えてきたわね。このまま行ったらノアニールがあるだけか…じゃあ東に行ってみる?」

商人「そだね、西は海だし。じゃあラーミアちゃん、東に曲がって…あ、魔法使いちゃん、あそこ!!」

魔法使い「あれは…見たことないお城があるけど…」

賢者「あそこにりゅうのじょおうがいるのか?」

魔法使い「どうでしょうね、私はほこらと聞いてたけど…どちらにせよ、行ってみるしかないわね」

商人「こっちの世界にもまだ来てない所あったんだね!世界は広いなあ…」

魔法使い「流石にここが最後の未踏の地だと思うけど…さあ、もう着くわ、二人とも準備してね。さて、何が出るか…」

――竜の女王の城

商人「うわあ…すっごい立派なお城…」

魔法使い「そう…ね。それに…なんだか言い知れない力を感じるわ…」

賢者「すっごくひろいな!!お、うまだ、うまそうだな!!」

魔法使い「こら、すぐ食べようと…」

馬「ここは、天界に最も近い竜の女王のお城です」

魔法使い「!?」

商人「しゃ、喋った!?」

賢者「おおー、スーにいたうまみたいだな!!」

商人「驚いた…天高く馬肥ゆる城、だね」

魔法使い「なにそれ…」

賢者「おー、こえたうまはおいしそうだな!!」

魔法使い「ああもう、何がなんだか…神秘的な雰囲気台無しね…」

商人「うーん、でもここ、広いわりには人居ないね…」

魔法使い「そうね…がらんとしてて寂しいわね…」

賢者「へやにはいればだれかいるかもしれないぞ!!おーい!!」バタン

魔法使い「もう、あの子がいると騒がしいわね…」

商人「ホントだね…賢者ちゃん、待って…あ、誰かいるよ!」

ホビット「おお、こんな所に、こんな時にお客さんとは…」

魔法使い「貴方は…ホビットね。私達…」

ホビット「ああ、大魔王と戦おうという人間達だね。女王様が待っているよ」

商人「え!?分かるんですか!?」

ホビット「ああ…しかし、女王様はご病気で、余命いくばくもないお身体。本当なら静かにしていたいのだが…」

魔法使い「病気…」

ホビット「ああ、ご病気なのだが、亡くなられる前に卵を産まれるらしい。命と引き替えに、な…」

賢者「おおー、たまごや…むぐぐ」

魔法使い「静かに…そう…そのような時に私達が会っては…」

ホビット「いや、だからこそ会わなければいけないよ。今会わなければ、女王様と話す機会が失われてしまう。さあ、行ってきなさい。女王様はこの奥だよ…」

賢者「このへやだな?おーい、じょおうさまいるかー?」バタン

商人「ああもう…し、失礼しま…あ、ああ、ドラゴン…!」

竜「貴方達が…待ってました」

魔法使い「竜の…女王様ですね?」

竜の女王「はい、私が竜の女王、神の代理…貴方達は、今魔王を倒すために旅をしている、間違いないですね?」

賢者「おー、食べてやるぞ!!」

竜の女王「貴方達の意志が本物なら…このひかりのたまを授けましょう」

魔法使い「ひかりのたま…これは…?」

竜の女王「貴方達が見事魔王を倒せるように祈っています………」

商人「………女王様?」

ホビット「…ま、まさかと思って来てみたが…女王様…!御いたわしや…」

魔法使い「女王様…あ、女王様の後ろに、これは…!」

賢者「おおー、たまごだな!!」

ホビット「こ、これは……この卵は、我々が大切に育てます。必ず、必ず…」

魔法使い「大変な事に立ち会ってしまったわね…」

商人「ホントだね…竜の女王様の最期…」

賢者「なあなあ、なにもらったんだ?」

魔法使い「これよ、女王様はひかりのたまと呼んでいたわね。商人、見てもらえる?」

商人「うん…これは、スゴいものだね…ものすごい力を感じるよ…でも、どうやって使うものなのかは…」

魔法使い「そう…でも、女王様の話から考えれば、これが大魔王との戦いに必要なものだということは分かったわ。それに、私達はまだアレフガルドのほどんどを知らないわ。あの世界を冒険しているうちに、この珠の事が分かるかも…」

商人「そうだね、これからだね…」

魔法使い「いずれにせよ、これは私達にとっては女王様のご遺志よ。大魔王を討ち取って、その思いに応えないとね」

商人「うん!やってやるよ、このひかりのたまと…」

賢者「このおいしそうなりゅうのたまごがあれば!!」

商人「そう、この2つが…って賢者ちゃん!?何持ってきてるの!?」

魔法使い「ダメでしょう、持ち出しちゃ!返して…」

賢者「やだやだ!!ルーラ!!」パラララ!

商人「ちょっ、賢者ちゃ――」

ギュイーンギュイーン…

――150日目、ラダトーム

魔法使い「もう、どうするのよ、ここまで卵持ってきちゃって!」

賢者「あとはドラゴンがいるぞ!!ドラゴンのおやこどんつくるぞ!!」

商人「ド、ドラゴンの親子丼…あのね賢者ちゃん、それは大事な…」

賢者「だいじよりもおいしいだぞ!!」

商人「ああもう…どうしよう魔法使いちゃん?」

魔法使い「仕方ないわね…ねえ賢者、確かに親子丼は美味しそうだけど、それをちゃんと育ててドラゴンにした方がお肉がたくさん食べられるわよ」

賢者「おにくがたくん!?…んー、でもおやこどんも食べたい…」

魔法使い「ほら、竜の女王様、今まで見てきたどのドラゴンよりも大きかったでしょう?だからお肉がたくさん、たくさんよ?」

商人「そ、そうだよ、絶対その方が良いって!!」

賢者「うーん…」

魔法使い「それに、今まで旅をしてきて、いろんな物を見てきたわよね?だからきっと、そのうちドラゴンの卵も見つかるわよ、ね?」

賢者「うーん…じゃあそうするぞ!!おおきくしてから食べるぞ!!」

魔法使い「ええ、それがいいと思うわ…ふう、当面の危機は回避ね…」

商人「でも大きくなったらまた食べるって言い出すんじゃない?その時はどうするの?」

魔法使い「それは…その時までにドラゴンに情がわいてくる事を願うしかないわね…」

商人「ええー…大丈夫なの?情よりも食欲だよ、賢者ちゃんは?」

魔法使い「いえ、私には勝算があるのよ。だって、現に私達は食べられずにいるでしょう?」

商人「あー、なるほど…あたしはよく歯形付けられてるけど…」

魔法使い「という訳だから…ねえ賢者、その卵に名前をつけない?きっとその方が美味しくなるわよ」

商人「なるほど、名前をつければ情が沸きやすくなるね!」

賢者「おいしく!?ならつけるぞ!!えーとえーと…なあなあ、りゅうのじょおうってじょおうだったんだよな?ならこのたまごもえらくなるのか?」

魔法使い「え?うーん、まあそうなんじゃないかしら?」

賢者「じゃあおーさまになるんだな!!なら…りゅーおーにするぞ!!」

商人「竜王…いいんじゃないかな、ね、魔法使いちゃん?」

魔法使い「ええ、強そうだし…」

賢者「よーし、じゃありゅーおーにけってー!!おいしくなるんだぞ!!」

商人「うーん、ホントに食べないでくれるかな…?」

賢者「よーし、じゃありゅーおーをおやぶんにあずけてくるぞ!!」タタタ…

商人「カンダタさんに…大丈夫かなあ…?」

魔法使い「うーん…でも私達が持ち歩く訳にもいかないし、他に置くところもないしね…」

商人「そっか、そだね…さてと!卵騒動も一段落したし、あたしお買い物したい!!」

魔法使い「ええ、そもそもそれが目的で上に戻ったんだしね。じゃあ行きましょう。武器防具屋は…ここね」

武器防具屋「お、いらっしゃい!!」

商人「さーて、何を買おうかな…やっぱりこの兜かなあ?」

魔法使い「ミスリルヘルム…いいんじゃないかしら。お金はあるんでしょう?貴方と賢者の二人分買ったら?」

商人「魔法使いちゃんは?これ、魔法使いちゃんでも装備出来るよ!」

魔法使い「確かに防御力は魅力だけど…私にはこのふしぎなぼうしがあるし…」

商人「あー、魔法使いちゃんはそっちのがいいかあ…じゃあおじさん、その兜2つ下さい!!」

武器防具屋「はいよ、毎度あり!!」

魔法使い「さて、とりあえず装備も調えたし、いよいよこの世界の探索ね。何が待ってるのか…」

商人「じゃあまずはどこ行こっか?お城で言われた通り船でマイラの村を目指してみる?」

魔法使い「それもいいけど、まずはこの町の周りを確認したいわね」

商人「なら、歩いて東に行ってみるのはどう?もしかしたら、船で行くより早くマイラの村に着くかもよ?」

魔法使い「なるほど、いいかもね。賢者はどうしたい?」

賢者「けんじゃはさかなでもけものでもいいぞ!!」

商人「食べ物基準なんだね…じゃあまずは歩いて東に行ってみよー!!」

賢者「おー!!」

魔法使い「この新しい土地を進む感じ、久しぶりね。なんだかわくわくするわね」

商人「魔法使いちゃんも?あたしもだよ、何が待って…あ!!」

賢者「どーしたんだ!?」

商人「…行き止まりだ」

魔法使い「もう!?」

魔法使い「真東は通れないか…なら北の岩山を西から迂回して、それから東に向かいましょう」

商人「そ、そだね。ぐるっと回って…」

賢者「…おー、ひろいとこにでたぞ!!」

魔法使い「これで先に進めるわね。今の所魔物もそこまで強いのは――」

うごくせきぞうがあらわれた!!サラマンダーがあらわれた!!

商人「うわ、ドラゴンだよ!!」

賢者「おー!!おいしそうだぞ!!」キラキラ

魔法使い「美味しいのはまず倒してからよ!まずはねむりのつえで…」

うごくせきぞうをねむらせた!!

商人「よーし、ならあたし達はドラゴンを倒すよ!!それっ!!」ドカッ

賢者「にく!!にく!!おにくー!!」ザクザク

サラマンダーをたおした!!

魔法使い「見た目ほど体力なかったわね。さあ、あとは石像に集中攻撃よ!!それっ」ザクッ

商人「ていっ!!たあー!!」ドカバキッ

――まもののむれをやっつけた!!

賢者「んー、ドラゴンにく、おいしかったぞ!!」

商人「あっという間に捌いたね、賢者ちゃん…平和になったらお肉屋さん出来るかもよ?」

賢者「おにくはうるより食べたほうがいいぞ!!」

商人「ああ、うん…」

魔法使い「さて、ドラゴンには少し驚いたけど、少なくともただ外を歩いている分にはそこまで強い魔物もいないようね」

賢者「けんじゃたちがつよすぎるんだな!!」

商人「そうなのかなあ…?それに、地上はともかく、海とか洞窟はもっと強いかも…」

魔法使い「まあそうでしょうね。そこまで強い魔物も…とは言っても、上の世界の魔王城くらいの魔物はゴロゴロしてるわけだし」

商人「そうだね、そう考えるとちょっと怖いかも…」

賢者「まおーのしろよりいいぞ!!まおーのしろのドラゴンよりこっちのドラゴンのほうがおいしかったぞ!!」

魔法使い「よほどさっきのドラゴンが美味しかったのね。さて、それはともかく、私達はこれから…」

商人「うん、また引き返さないとね…」

賢者「うみですすめないぞ!!」

魔法使い「まあ、わざわざ船で…と話してた以上はこういうこだになるわよね…」

商人「どうしよう?北の海沿いに今度は西に行ってみる?」

魔法使い「そうね、ただ戻るのもつまらないし、まだまだ余力もあるし…」

賢者「まだまだあるけるぞ!!」

商人「じゃあそうしよっか?まずは、来た道を戻って…」

魔法使い「それから海沿いに…あれは…」

マドハンドがあらわれた!!マドハンドはいきなりおそいかかってきた!!マドハンドはなかまをよんだ!!マドハンドがあらわれた!!マドハンドはなかまをよんだ!!
だいまじんがあらわれた!!

商人「っと、魔法使いちゃん賢者ちゃん、モンスターだよ!!」

賢者「あのてのモンスターはおいしくなかったぞ…」

魔法使い「手の魔物は大したことなかったけど…あの大きな魔物は…」

商人「まだ会ったことないやつだよね…じゃあまずはこっちから!!それっ!!」ドカッ

魔法使い「私は他の魔物ごと攻撃するわ、ヒャダイン!!」ゴオオオ…

マドハンドをたおした!!マドハンドをたおした!!マドハンドをたおした!!

魔法使い「大きな奴には効かなかったわ!気を付けて!」

だいまじんのこうげき!!

賢者「ふぎゃあ!?いたい…」

商人「け、賢者ちゃん大丈夫!?あの大きなモンスター、すごい攻撃力だよ…」

魔法使い「危険な魔物ね。でも残りはこの1体だけ、早く片付けましょう!!」

商人「う、うん!!そりゃあー!!」バキヤッ

賢者「やったなー!!この!!この!!このー!!」ザクザクッ

魔法使い「冷気の呪文が効かないなら…メラミ!!」ゴオッ

だいまじんをやっつけた!!

商人「ふうー、強敵だったね…」

賢者「うー、こいつもかたくて食べれないぞ…」

魔法使い「それは食べない方がいいとおもうわ…あ、二人とも、あっちを見てみて」

商人「あっち…?あ、洞窟がある!!そういえばラダトームの町で、北に洞窟があるって聞いたような…」

魔法使い「これがその洞窟かもね。どうする?せっかくだから入ってみる?」

賢者「おいしいものがあるかもしれないぞ!!いくぞ!!」

商人「うーん、ちょっと怖いけど、でもやっぱり行ってみたいな…」

魔法使い「なら入りましょう。危険かも知れないけど…それも行かなければ分からないしね」

商人「そだねー…今までなら引き返すって言いそうなのに…やっぱり魔法使いちゃん、いのちしらずになった影響が…?」

――ラダトーム北の洞窟

賢者「お?あんまりくらくないぞ?」

魔法使い「そんな事はないでしょ。きっと外もいつも暗いから、目が慣れてるだけね」

商人「なるほど…でもこの洞窟、なんか…変じゃない?」

魔法使い「貴方もそう思う?入った瞬間から、少し違和感があるわね。賢者、とりあえずフローミを唱えてくれる?」

賢者「おー!!えーと…ここどーこだ?フローミ!!」パラララ!

しかしじゃもんはかきけされた!!

賢者「あれ?あれ?なんでだ?」

商人「ま、魔法使いちゃん、これって…!」

魔法使い「ええ、ピラミッドの地下と同じ、呪文が使えない洞窟 のようね…」

商人「ど、どうしよう?今回は引き返して…」

魔法使い「ねえ商人、今やくそうはいくつあるの?」

商人「え、やくそう?えっと…26個あるけど…まさか…」

魔法使い「それだけあれば大丈夫でしょう。さあ、行くわよ!」

商人「え、ええー!?魔法使いちゃん、ホントにいのちしらずになっちゃった…大丈夫かなあ…」

魔法使い「…どうやら、そんなに複雑な構造ではないようね…」

商人「そだね、あとはモンスターの強さだけど…あ!!」

トロルキングがあらわれた!!サラマンダーがあらわれた!!

賢者「あ、あのおいしいドラゴン!!そっちのでっかいのもおいしそうだぞ!!」キャッキャッ

商人「…と、賢者ちゃんは喜んでるけど…」

魔法使い「ええ、明らかに厄介そうだわ…まず貴方達はドラゴンを倒して!私は…ねむりのつえで!!」ポワーン

トロルキングをねむらせた!!トロルキングはねむらなかった!!

商人「1体寝なかった!?でもまずはこっち…それっ!!」ドカッ

賢者「たあー!!」ザクッ

サラマンダーをたおした!!

トロルキングはバシルーラをとなえた!!

商人「え!?きゃっ…!」

しかしじゃもんはかきけされた!!

商人「………」

魔法使い「呪文を使うのは驚いたけど、あまり頭は良くなさそうね…さあ、一気に倒すわよ!!」

賢者「それ、とどめだー!!」ザクッ

――まもののむれをやっつけた!!

商人「ふう…呪文が使えない洞窟で、初めて遭うモンスターだからどうなるかと思ったけど…」

魔法使い「何とかなりそうね。それにしても魔王との戦いの時といい、このねむりのつえは良いものね…」

商人「買っておいて良かったね!!さすがあたし!!」ドヤッ

魔法使い「はいはい。それで賢者は…」

賢者「よし、これでドラゴンはかいたいおわりだ!!つぎはこっちを…」

商人「相変わらず手早い…」

魔法使い「ほら賢者、あまり時間を使わないでね。お肉ならこれからも手に入るでしょうし…」

賢者「もうちょっとだけ…よし、かいたいおわり!!」

商人「はやっ!!でもお料理は後でね?」

賢者「むー…すこしおなかへったけど…」

魔法使い「少しなら我慢して。洞窟から出たら…二人とも、また魔物よ!!」

サラマンダーがあらわれた!!

商人「ド、ドラゴンが3体!?」

賢者「おお、またおにく!!」キラキラ

魔法使い「まずは倒してからよ!ねむりのつえで…」ポワーン

サラマンダーをねむらせた!!サラマンダーはねむらなかった!!サラマンダーはねむらなかった!!

魔法使い「効き目が薄いわ、気を付けて!」

商人「おっけー!!まずは1体ずつ、寝てない奴から…とうっ!!」ドカッ

賢者「おにくだ、たあー!!」ザクッ

サラマンダーをたおした!!

商人「よし、まずは1体…」

サラマンダーははげしいほのおをはいた!!

魔法使い「な…いけない…!」

賢者「わー、あつい、あついぞ!!」

商人「こ、これ、まるで魔王が吐いた炎みたいだよ…!二人とも、大丈夫!?」

魔法使い「とりあえず…死んではいないわ…でも長引くと危険だわ、速やかに倒しましょう!」

商人「うん!!それっ!!このっ!!」ドカバキッ

賢者「やきにくになるのはそっちだぞ!!とりゃあー!!」ザクザクッ

――サラマンダーをやっつけた!!

魔法使い「っつう…ドラゴン3体が相手となると、被害が大きくなるわね…いえ、誰も死ななかっただけ上出来と見るべき…?」

商人「ま、魔法使いちゃん、ひどい火傷!!待ってて、やくそうで…」

魔法使い「ありがとう。貴方達もちゃんと回復しといてね。でも、貴方のあなほりのおかげでやくそうに余裕があるわ。助かるわね…」

商人「へっへー、あなほり名人だからね!!まあ、この洞窟じゃ穴も掘れないけどさ…」

賢者「よーし、やきにくだー!!」ジュウウウ…

商人「ええ!?お料理始めちゃうの!?」

魔法使い「いえ、やくそうを使う間、少し休みましょう。賢者、ちょっとでいいから私達にも食べさせてね?」

賢者「おー、いいぞ!!このドラゴン、すごくおいしいんだぞ!!おやこどんにはこのおにくだな!!りゅーおー、はやくおおきくならないかなー?」ワクワク

商人「そ、それは…ホントに情がわいてくるのかなあ?」

魔法使い「ええ、きっと、たぶん、ね…」

――地下2階

商人「ううー、ここのモンスター、強いね…」

魔法使い「そうね、あのドラゴンの他にも、やまたのおろちに似た魔物もいたし…」

賢者「あれもおいしかったぞ!!」

商人「あたしはまだ満腹にならない賢者ちゃんの方が怖くなってきたけどね…やっぱり、魔法が使えないと大変だね。回復もだけど、攻撃魔法も使えないから…」

魔法使い「結果的に長引いて消耗してしまうわね。相手の呪文が飛んでこないのはありがたいけど…」

商人「ああ、さっき出てきた悪魔っぽいモンスターは大変そうだったね。魔法が得意そうなモンスターなのに、なんでこんなとこにいるんだろ?」

賢者「おいしいおにくをさがしにきたんだぞ!!」

魔法使い「そうかしら…?いずれにしろ、私やあの悪魔にとっては、最悪の洞窟だって事には違いないわね…あら」

賢者「おー、下りるかいだんだぞ!!」

商人「次が地下3階だよね?そろそろ何かあるかな?」

魔法使い「どうかしら…まあ、行ってみれば分かるわね。二人とも、気を引き締めてね」

賢者「おー!!どんなおにくでも食べてやるぞー!!」

商人「それ、気を引き締めてるの?」

――地下3階

商人「あ、扉がある…けど…」

魔法使い「扉の両脇が崩れてるからもう扉の意味がないわね…」

賢者「おー、たからばこがあるぞ!!」タタタ…

魔法使い「待って、すぐに開けないで!…って言いたい所だけど…」

商人「インパスも使えないよね…ただ開けるしかないかあ…」

賢者「あけるぞー!!それっ!!それっ!!」

なんと960ゴールドをてにいれた!!1016ゴールドをてにいれた!!

商人「お金かあ…ありがたいけど…」

魔法使い「まだ宝箱はあるわ。賢者、それも開けてみて」

賢者「おー!!」パカッ

なんと たからばこはミミックだった!!

賢者「おお!?はこがけんじゃを食べようとしてるぞ!?」

商人「わわ、こ、これが宝箱のモンスター!?」

ミミックはザラキをとなえた!!

商人「ひっ!?………あ…」

しかしじゃもんはかきけされた!!

商人「またこのパターン…いや、いいんだけどさ…」

魔法使い「ほら、気を抜かないの!早く片付けましょう!」ザクッ

賢者「それーっ!!」ザンッ

ミミックをやっつけた!!

商人「ふー、ドキッとしたよ…」

魔法使い「死の呪文を使うなんてね…恐ろしい魔物だけれど、この洞窟で良かった、という所かしらね…」

賢者「これは食べれないぞ…あ、こっち、ふかいあながあるぞ!!」

商人「うわ、ホントだ…あ、そういえばラダトームの町で、この洞窟には大魔王がこの世界に現れた時に出来た深い穴があるって聞いたけど…」

魔法使い「それがこの穴みたいね。それにしても深いわね…あら、穴の向こうに…」

賢者「おー、まだたからばこがあるぞ!!」

商人「賢者ちゃん、穴に落ちないようにね。その宝箱だけ離して置いてあるって事は、ちょっと期待しちゃうな…」

魔法使い「この苦難の道のりに相応しいものがあるといいけど…賢者、どう?」

賢者「いまあけるぞ!!それっ!!」パカッ

なんと ゆうしゃのたてをてにいれた!!

賢者「おー、たてだぞ!!」

商人「ちょっ、賢者ちゃん見せて見せて!!…こ、これはすごくいい盾だよ…!」

魔法使い「そうね、見るからに普通ではないみたいね」

商人「あたし達に装備できないのは残念だけど…これ、きっとラダトームのお城から大魔王が盗んだっていうお宝の1つだよ!」

賢者「おお、なんだかすごそうだな!!おいしいものじゃなかったけど…」

魔法使い「大魔王と共に生まれた深い穴の脇にあった強力な盾…良いものを見つけたわね。呪文が使えない中進んできた甲斐があったかもね」

商人「ホントだね!!さあ、お宝も手に入ったし、あとは…」

賢者「このあなにとびこむんだな?それー!!」ピューン

商人「え、ちょっ、賢者ちゃん!?」

魔法使い「なんでこんな穴に飛び込もうと思うのよ!仕方ないわね、私達も…え!?」

ガガガガガガガガ…

商人「うわ、ゆ、揺れて…って、賢者ちゃん!?賢者ちゃんが穴から飛び出して!?」

賢者「うわー!!すごいぞー!!」ピューン…ドサッ

魔法使い「だ、大丈夫なの!?」

賢者「すごいすごい!!びゅーんってとんだら、ゴーってなって、またびゅーんって…」

商人「ぶ、無事かあ…良かったけど…不思議な穴…」

魔法使い「本当、何なのかしらね、この穴…まあ、大魔王と関係がある穴なら、あまり関わるのは良くないかもね…」

賢者「でもおもしろいぞ!!」キャッキャッ

商人「面白いのは多分賢者ちゃんだけだよ…」

魔法使い「そうね、それに私達にはまだ帰り道が待ってる訳だし、危険は冒せないわ」

商人「あー、リレミトも使えないんだね…」

賢者「かえりもあるきか?またおにく食べほーだいだな!!」

魔法使い「そうね、私達が魔物のお肉にならなければ、だけどね…」

商人「ここのモンスター強いもんね。帰りがちょっと憂うつ…」

サラマンダーがあらわれた!!トロルキングがあらわれた!!

商人「あ、またあのドラゴン…」

サラマンダーははげしいほのおをはいた!!

賢者「わー、やきにくになっちゃうぞ!!」

魔法使い「やっぱりこのドラゴンはきついわね…早めに決めるわよ!!」ポワーン

トロルキングをねむらせた!!

商人「よーし、ドラゴン、覚悟ー!!」ドカッ

賢者「きょうはおにくたくさんだー!!」ザクッ

サラマンダーをたおした!!

魔法使い「よし、残りも片付けるわよ!!」ザクッ

商人「それそれー!!」ドカバキッ

――まもののむれをやっつけた!!

商人「ふー、ドラゴンのブレスはキツいね…やくそうの残りが10個切ったよ…」

魔法使い「でもなんとか持ちそうね。もう少しで外に出られるはずよ。それに、これ以上呪文が使えない場所にいるのは気が滅入ってしまうわ…」

商人「そだね、あたしも早くあなほりしたいよ。でも、もうちょっと…」

――地下1階

魔法使い「よし、あと少しよ…」

賢者「あとちょっとでやきにく…あ、だれかいるぞ!!」

アークマージがあらわれた!!

魔法使い「な…!あの人、すごい魔力を感じるわ…!」

商人「う、うん…きっとすごい魔法を使うんだろうね………でも」

魔法使い「ええ、この洞窟じゃ呪文は使えないわね…」

賢者「たあー」ザクッ

――アークマージをやっつけた!!

魔法使い「修行か何かで来てたのかしらね…?」

商人「意外と大魔王に左遷されたんだったりして」

魔法使い「うーん、そんな事あるのかしらね…?」

――151日目、洞窟入口

商人「やっと戻れた…んー、まぶしー!!…ってならないのがちょっと残念だけどね…」

魔法使い「外も暗いからね…」

商人「うーん、それにしても大変な洞窟だったね」

魔法使いレベル42「そうね、でもだからこそレベルは上がったけどね」

賢者レベル34「けんじゃもあがったぞ!!」

商人レベル36「あたしなんか2つも上がったもんね!!」ドヤッ

賢者「むー…けんじゃもはやくレベルあげてとーぞくにもどりたいぞ…」

商人「やっぱり盗賊がいいんだ…」

魔法使い「そういえば前にもそんな事言ってたわね。貴方が商人に戻ったのと同じでしょう?」

商人「あー、そうだね…それにしても、あたしもうヘトヘト…早く町に戻りたいよ」

賢者「えー?今すぐやきにくだぞ!!」

商人「ええー!?でもまあいっか、お腹も減ったもんね」

魔法使い「そうね、じゃあドラゴン肉をいただこうかしら?」

賢者「おー!!おいしくやいてやるぞ!!」

――152日目、ラダトーム城下町

賢者「まちについたぞ!!おやぶんとりゅーおーのところにいくぞ!!」タタタ…

商人「うーん、元気だね賢者ちゃんは。やっぱりカンダタさんが恋しいのかなあ?」

魔法使い「歳からすれば当然なんだけどね。まあ、卵がおいしそうだからかもしれないけどね…」

商人「ああ…さ、さあ、あたしはお買い物しよっかなー!またこの前のお店に…こんにちはー!!」

武器防具屋「お、お嬢ちゃん、毎度!!」

商人「どれがいいかなー?あ、この盾、賢者ちゃんにいいかもね」

魔法使い「みかがみのたて、ね。今装備してるふうじんのたてよりいいものなの?」

商人「うん、それにお値段もお手ごろだし!じゃあおじさん、これ下さい!!」

武器防具屋「へい毎度!!」

魔法使い「これで、レベルアップと合わせてまた私達は強くなれたわね。でも、どのくらい強くなれば大魔王を倒せるのかしら…?」

――153日目

商人「魔法使いちゃんおはよー!!朝だよ、早く起…あれ?いない…」

賢者「まほーつかいならもうでかけたぞ」モグモグ

商人「え、もう?珍しいね、寝坊助の魔法使いちゃんが。で、賢者ちゃんはもうご飯食べてるんだね…」

魔法使い「ただいま…あら、商人起きてたの?」

商人「あ、お帰り。どこ行ってたの?」

魔法使い「ああ、この町にね、呪いを解く勉強をしてるって子供がいたから、少しね」

商人「へえ、解呪の魔法を教えてるの?」

魔法使い「教える、と言っても、あれは結構高度な呪文だから…まあ、ちょっとした説明ね」

商人「ふーん…親切だね魔法使いちゃんは」

魔法使い「そんなんじゃないわよ。ただ、私も魔法使いとして何かを残したいからね…いつどうなるかも分からない旅だし…」

商人「どうもこうも、最後まで無事に旅して帰って来るんだよ、3人とも!!」

魔法使い「ええ、もちろんそのつもりよ。さあ、今日は昨日の探索の続きよ。あの洞窟のさらに西に行ってみるわよ、しっかり準備してね」

商人「…やっと昨日の洞窟に着いたね。ここから西側かあ…でもさあ、ここホントに暗いよね。気が滅入っちゃうよ」

魔法使い「本当にね。何日かいる私達でもこうなんだから、ずっと暮らしてる人達は辛いでしょうね…」

賢者「やさいやくだものがそだたないとたいへんだぞ!!」

商人「そうだね、ずっと暗いとそういうのもなかなか育たないんだろうね。子供たちの成長とかにも良くないよね…」

魔法使い「そうね…出来るだけ早く何とかしたいけど…」

商人「うん、相手は大魔王だしね…」

賢者「ぜんぶたべるからだいじょーぶだぞ!!」

魔法使い「私達が食べられなければだけどね…あらあれは…」

商人「おうちがあるね!こんななんにもない所に…何だろう?」

賢者「きっとおいしいものがたくさんだぞ!!」

魔法使い「それはどうかしら…?とにかく行ってみましょう。私達はこの世界の事は分からない事だらけ。少しでもいろんな人から話を聞きたいわ」

商人「そだね、じゃあ行ってみよー!!」

――154日目、ガライの家

賢者「おーい、だれかいるかー?」バタン

魔法使い「ああもう、ノックもしないで…でもここは…」

商人「普通の家、だよね。でもここ、良いなあ…」

魔法使い「いい?何が?」

商人「え?ううん、何でもない。それよりここ、誰か…あ、こんにちは!」

男性「おお、お客さんか?珍しいな」

女性「本当ね、よく来たわね。外は魔物だらけだったでしょう?」

魔法使い「こんにちは。ここにはお二人で暮らしてるんですか?」

男性「ああ、あとは息子が居たんだがね、歌いながら旅をすると言って出ていってしまったよ」

女性「本当、あの子には困ったものです」

商人「この世界を一人で旅してるんですか?心配ですね…」

男性「本当だよ、親の心子知らず、だね」

商人「大変ですね…あ、あの、少し聞きたいんですけど、ここの先の海ってもしかして、良く船が通るんじゃないですか?」

女性「ええ、昔は良くマイラとラダトームを往復する船が通ってましたけど最近は魔物も増えたので…それが何か?」

商人「え?いえ、何でもないです、何でも」

魔法使い「さっきから怪しいわね…」

商人「怪しくはないよ!そ、それより賢者ちゃんは?」

男性「ああ、あの小さな女の子ですか?あの子なら地下に…」

賢者「おーい、こんなの見つけたぞ!!」ジャララン

商人「それは…竪琴?ってダメだよ賢者ちゃん、人のおうちの物取っちゃ!」

男性「ああ、その竪琴は…息子が持っていってたと思ってたが…」

魔法使い「息子さんの物何ですね?ほら、賢者、返してきなさい」

男性「ああ、待って下さい。どうせ私達には必要無いものだ、もしよければ持っていっていいよ」

商人「え、いいんですか?でもこれ、結構良いもの…」

賢者「おーじゃあもらうぞ!!」ジャララン

魔法使い「すみません、無理矢理みたいで…」

男性「いえ、いいんですよ、大事にさえしてもらえれば。それより、もし旅先で息子に会ったら、たまには帰ってこいと伝えておいて下さい」

魔法使い「さて…次は南に行ってみましょう」

商人「てゆうか、あと南しか行くとこないよね…」

魔法使い「まあそうだけどね………特に何もないわね」

賢者「お、はしがあるぞ!!」

商人「あ、ホントだ!!渡ってみよー!!」

魔法使い「渡るのはいいけど……また海ね」

商人「また行き止まりかあ…じゃあ西に行くしかないね…でも西って…」

魔法使い「ええ、そろそろラダトームが見えて来る頃だと思うわ」

賢者「…お?まちがみえたぞ!!」

商人「あ、あれってラダトームだよね?やっぱり戻って来ちゃったかあ…」

魔法使い「そうね。でも無事に戻ってこれた事を喜びましょ…」

マドハンドがあらわれた!!マドハンドはいきなりおそいかかってきた!!マドハンドはなかまをよんだ!!だいまじんがあらわれた!!マドハンドはなかまをよんだ!!だいまじんがあらわれた!!

賢者「あ、モンスターだぞ!!」

商人「え、え?あ、あの大きいのって…!」

魔法使い「やたら攻撃力が高い魔物よね。厄介な相手だけど…町までもうすぐよ、頑張りましょう!!」

魔法使い「まずは数を減らさなくちゃね。私の最大級の呪文で――我が力、世界の力、全ての力よ我が手に集え!!闇も光も引き裂く刃と為りて――旧き世界を引き剥がせ!!イオナズン!!」チュドーン!!

マドハンドをたおした!!マドハンドをたおした!!

賢者「おおー、すごいまほーだな!!」

魔法使い「大きいのはまだまだ余力があるわ、油断しないで!!」

商人「はーい!!それっ!!」ドカッ

賢者「たあー!!」ザクッ

だいまじんをたおした!!

だいまじんのこうげき!!

魔法使い「ぐっ…!強烈ね、でも…それっ!!」ザクッ

商人「それそれー!!」ドカバキッ

――まもののむれをやっつけた!!

商人「よーし!!あたし達、強い!!」ドヤッ

賢者「これは食べれないからうれしくないぞ…」

魔法使い「ご飯なら町に帰ったら食べられるわ、我慢しなさい。さあ、町に戻りましょう。少し休んだらまた出発だからね、お腹いっぱい食べておくのよ――」

――155日目

商人「ああ、もう前にここ出発してから2日経ってたんだ…ずっと暗いから分からなかったよ」

魔法使い「そうね。ここに住んでる人達には分かってるみたいだけど…慣れれば分かるのかしら?」

賢者「けんじゃはこっちのたべものにはもうなれたぞ!!」

魔法使い「貴方に慣れたとか慣れないとかあるの…?」

商人「良いなあ、あたしはこっちのあなほりにまだ慣れないよ。いくら掘っても小銭しか出ないよ…」

魔法使い「あなほりに慣れ…?」

商人「あなほりを甘く見ないでよ!!土の固さ、お宝の気配、その地域のモンスターの種類、あと他にも考えなきゃならない事が…」

魔法使い「はいはい、甘く見て悪かったわよ。それより、今日は南に行ってみるわよ」

商人「うん、他は行ったもんね。でも船でマイラの村を目指すってのもアリじゃない?」

賢者「そろそろさかなも食べたいしな!!」

魔法使い「ええ、そのうち船も使うけど…船で東に行けばマイラがあるのはもう分かってるから、いつでも行けるわ。それより、まだ情報の乏しい所を探索してみたいと思うのよ」

商人「それは、好奇心で?」

魔法使い「まあそうね、貴方達だってそうじゃないの?」

商人「そだねー。あたしもどっちかって言ったら南に行きたいな。じゃあ南に行こうよ!!今度こそ町があるといいね!!」

魔法使い「…南は山や森が多いわね」

商人「少し歩きづらいね…この先にあるのは何だろうね?」

賢者「いけばわかるぞ!!きっとおいしいものがあるぞ!!」

魔法使い「だといいけど…あら?あれは…」

商人「洞窟かな?結構近くにあったね…」

賢者「おお、ここにおいしいものがあるのか?」

魔法使い「分からないけど…まずは入ってみましょう…」

――岩山の洞窟、地下1階

商人「…うーん、外も中も暗いのには違いないけど、やっぱり洞窟はカビ臭いね…」

魔法使い「そうね、洞窟だからね…」

賢者「ここはどんなモンスターいるんだ?このまえのどうくつみたいなやつらか?」

魔法使い「どうかしらね?あのくらい強いと厄介だけど、今度は私の呪文も使えるし…」

商人「あ、そっか!ここならあなほり出来るんだね?よーし…あ、いのちのいしが2個も!!やったね、スランプ脱出!!」

賢者「おおー、やったな!!」

魔法使い「それはめでたいけど…確かあなほりで出るものってその地域の魔物に影響されるのよね?いのちのいしを持ってる魔物…あまりいい魔物じゃなさそうね…」

キチキチ…キチキチ…

商人「うう、あたしも結構冒険者として長くなってきたけど、未だにこのコウモリの声って苦手…」

魔法使い「まあ得意な人もあまりいないと思うけど…」

賢者「コウモリはまるやきにするぞ!!」

商人「ああ、うん…でも、コウモリとかカビ臭さとか、こっちも上も変わらないんだね…」

魔法使い「そうねえ、そういえばラダトームの町で、こっちの世界の人達は上から移り住んで来たって言ってたわね」

商人「ふうん、じゃあコウモリとかカビとかもあっちから来たのかなあ?」

ホロゴーストがあらわれた!!ダースリカントがあらわれた!!

賢者「お、くまにくだな!!」

魔法使い「あれが肉にしか見えないのね…でもこっちの影は…」

商人「うん、魔王の城にいたよね。うう、お化けも熊もイヤだ…」

賢者「なんでだ?きっとおいしいぞ!!たあー!!」ザクッ

商人「食べる前の話だよ!?このっ!!」ドカッ

――まもののむれをやっつけた!!

魔法使い「…ふう、ここの魔物はそこまで強くないようね。まだ入口近いから決めつけられないけど…」

商人「ねえ魔法使いちゃん、あれから何回か魔物にあったけど…」

魔法使い「そうね、そこまで強い魔物はいないようね」

商人「うん…あたし思ったんだけどさ、もしかして北の洞窟よりこっちに先に来るべきだったんじゃ…」

魔法使い「そうかもしれないわね。でも、もう済んだことだし…」

商人「そうだけどさ、これからはあんまりズンズン中に進まないようにしない?もしこっちから攻略してたら、レベルも上がってあっちの洞窟も楽に…」

魔法使い「そうね、次からは気を付けましょう」

商人「…ホントだよ?魔法使いちゃん、いのちしらずになってからブレーキが壊れたみたいで不安になるよ…」

魔法使い「大丈夫よ、それより賢者が向こうで呼んでるわ」

賢者「おーい、たからばこだぞ!!あけていいか?」

魔法使い「待ってね、インパス!!…うん、開けていいわよ!!」

賢者「おー!!」パカッ

1016ゴールドをてにいれた!!

魔法使い「お金、まあああって困る物ではないし…商人、どうしたの?」

商人「あのね魔法使いちゃん、あたしこっちに来てからずっと疑問だったんだけど…やっぱり人やコウモリとかと一緒にお金も上から下に来たのかな?世界が違うのに通貨が一緒ってすごいよね?」

魔法使い「うーん、私に聞かれてもね…」

――まもののむれをやっつけた!!

魔法使い「…あ、危なかったわ…二人が麻痺になるなんて…賢者、大丈夫?今まんげつそうを…ほら、食べて…」

賢者「んぐ…まんげつそう、にがいぞ…」

魔法使い「我慢して…もう動ける?」

賢者「うん、もうだいじょーぶだぞ!!しょーにんもマヒだな、うーんと…キアリク!!」キュラーン

商人「ん…あ、あー、怖かったね、全滅するかと思った…魔法使いちゃん、ありがとう」

魔法使い言ったでしょ、私は運が良いの。それよりほら、宝箱があるわよ。もう調べたから開けていいわよ」

賢者「よーし、それっ!!」パカッ

なんといのりのゆびわをてにいれた!!

商人「わあ、すごい高級品!!…なんだけど、あたし達これたくさん持ってるよね…」

魔法使い「そうね、まとめ買いしたからね…それはそうと、すぐそこに下り階段があるわ。下にはもっと良いものがあるわよ、きっとね」

商人「そ、そうだね。じゃあ地下2階にレッツゴー!!」

賢者「ゴー!!おにくあるかなー?」

魔法使い「…で、あの階段の下は行き止まりだったと」

商人「行き止まりっいうか、個室だったね…」

賢者「なにもなかったぞ!!」

商人「そういえばここに来るまでに下り階段をいくつかスルーしたよね?そこで下りてれば良かったね」

魔法使い「でもその場合、いのりのゆびわを見つけられなかったかもしれないわ。洞窟なんだし、ある程度迷うのは仕方ないわ」

商人「そうかなー?でも、前の洞窟は単純過ぎただけかなあ?普通はこんなもんかもね」

賢者「まようし、ひろいぞ!!」

魔法使い「そうね、思ったよりずっと広いわね…あ、また階段があったわよ」

賢者「よーし、おりるぞ!!」ダダダ…

商人「もー、転んじゃうよ?」

魔法使い「落ち着きがないわね、全く。さて、下りた先には…」

商人「…あー、魔法使いちゃん、下りてこなくていいよ…」

魔法使い「え?という事は…」

賢者「またいきどまりだったぞ!!」

魔法使い「また?なかなか面倒なダンジョンね。敵が強くないから良いものの…」

商人「…あれからしばらくしてちゃんとした階段見つけたけど、そこからは順調だね」

魔法使い「ええ、魔物のバリエーションも変わらないようだし…」

賢者「むー、もっといろんなおにくがあるとおもったのに、くまとカメしかいないぞ…」

商人「でも、ドラゴンがウロウロしてるよりずっといいけど…あ!」

魔法使い「宝箱ね。しかも2つ…インパス!!…うん、安全ね、開けるわよ」パカッ

なんとはかいのつるぎをてにいれた!!

商人「わー、高そう!!でも絶対呪われてるよこれ…で、もうひとつは?」

なんとじごくのよろいをてにいれた!!

賢者「おー、かっくいーよろいだぞ!!」

商人「かっこいいかなあ…?これも呪い感がすごいけど…」

魔法使い「呪い感…?さて、あとはおたからはなさそうかしら?」

賢者「もうおたからのにおいはしないぞ!!」

商人レベル37「それじゃあこの洞窟探検もここまでかな?お宝はまあ、そこそこって所だけど、レベルも上がったし!」

賢者レベル35「けんじゃもあがったぞ!!」

魔法使い「良かったわね、私は上がらなかったけど…さて、じゃあ地上に戻るわよ――リレミト!!」

――156日目

商人「やっと外に出れた…相変わらず中も外も暗いけど、カビ臭さがないのはいいね」

賢者「しょくよくもますしな!!」

魔法使い「貴方、食欲が減ることあるの…?」

商人「で、今日はもう戻るの?」

魔法使い「いえ、このまま南下しましょう。貴方達もまだ余裕あるでしょ?」

賢者「おー!!くまとカメたくさん食べたぞ!!」

商人「私もまだ大丈夫だけど…」

魔法使い「じゃあ行きましょう。南にはまだ何かあるかもしれないし…」

商人「う、うん…前までの慎重な魔法使いちゃんはいずこへ…」

賢者「けっこうみなみにきたのにさむいなー…あ、はしだ!!」

魔法使い「大きな橋ね。こんな橋を架ける必要がある、という事は…向こうに町があるのかもしれないわ」

商人「うん、そうだといいね…あ、砂漠だ」

賢者「ううー…さばくなのにさむいぞ…」

魔法使い「夜の砂漠は冷えるから…あ、二人とも、魔物よ!!」

まおうのかげがあらわれた!!キメラがあらわれた!!

賢者「んー、あっちのきいろいの、おいしいかな?」

商人「あれ、食べれるのかなあ…?」

魔法使い「とにかく戦うわよ!!私は…イオラ!!」ドカーン!!

賢者「けっこうきいたな!!けんじゃはムチでたたくぞ!!」ピシャッ

まおうのかげをたおした!!まおうのかげをたおした!!

まおうのかげはザキをとなえた!!まおうのかげはザキをとなえた!!

賢者「ひゃっ!?び、びっくりしたぞ…」

魔法使い「いのちのいしを持ってても心臓に悪いわね…商人!」

商人「うん!!それっ、ブーメラン!!」ヒュンヒュン

――まもののむれをやっつけた!!

賢者「おおー、いちもうだじんだな!!」

魔法使い「流石の怪力ね。見事なものだわ」

商人「あ、うん…ほめられてるんだろうけど、すごいビミョー…」

賢者「さむ…はやくごはん食べないと…」

魔法使い「確かに、早く暖まりたいわね…あ、見て!」

商人「あ、町!やっと見つけたね、ラダトーム以外の町!」

賢者「おおー、はやくいくぞ!!」タタタ…

商人「あ、賢者ちゃん待って!!」

魔法使い「仕方ないわ、寒そうだったし…それにしても、闇の世界の砂漠の町か…環境は良くなさそうだけど…」

商人「そうだね…でも、あたし達としては助かったよね、もしかしたらすごい武器とか売ってるかもしれないし!!」

魔法使い「そうね…」

賢者「おーい、はやくはやく!!」

商人「うん、今行く!!魔法使いちゃんも早く、ね?」

魔法使い「ええ、行きましょう。さて、どんな町なのか…」

――ドムドーラの町

町人「砂漠の町ドムドーラへようこそ!」

魔法使い「ドムドーラ、か…」

賢者「おおー、食べもののけはいがするぞ!!」ダダダ…

商人「あ、賢者ちゃん!…もう、しょうがないなあ…」

魔法使い「まああって町の中だし危険もないでしょ。それより貴方は買い物するんでしょ?」

商人「もちろんだよ!!えっと、武器屋さんは…ここ!こんにちは!!」

武器屋「いらっしゃい!!ゆっくり見てってくれ」

商人「はーい!…ふんふん、なるほど…」

魔法使い「どう?何か良いものある?」

商人「…えっとね、この盾、ちからのたてっていうんだけど…」

魔法使い「ええ、それがいいの?」

商人「これ、使えば魔法が使えなくても回復魔法が使えるんだよね
これさえ持ってたら、あの洞窟ももっと楽になったのに…」

魔法使い「もう!半ば無理矢理に進んだのは悪かったわよ…それより、他にはないの?」

商人「他?…うーん、そうだね…あ!御嬢さん、このあぶないみずぎなんかオススメでっせ、へっへっへっ」

魔法使い「着ないわよそんなの…貴方が着たら?」

商人「あ、あたしが?あ、あたしはほら、こ、こんなの着なくてもせくしーだいなまいつだし!」カアア…

魔法使い「何本気で照れてるのよ…」

武器屋「いやー、お嬢ちゃん達はもっと成長してからの方が…!?」ビクッ

魔法使い「あら店主、何か?」ゴゴゴ…

武器屋「い、いや、何でもな…何でもありま…せん…」

商人「ま、魔法使いちゃん、落ち着いて…」

魔法使い「で?他には何もないの?なら行きましょう。店主、邪魔したわね。もう来ないわ」

商人「魔法使いちゃん!」

武器屋「あ、ありがとうございました…」ビクビク

魔法使い「さて、賢者はどこ行ったの……何か騒がしいわね…」

商人「う、うん…このパターンって…」

賢者「おー、ばにくだ!!まてまてー!!」ダダダ…

魔法使い「…ふう。牧場の人に迷惑ね…行って止め…あら?何か牧場で光った…?」

商人「うん、こんなに暗いのに、なんだろ…?」

賢者「よーし、さばくぞ!!…わー、あばれる~」ドタバタ

魔法使い「ちょっと、それは他人の物よ、止めなさい!!」

商人「そ、そうだよ賢者ちゃ…ふぎゃっ!?」ドタッ

魔法使い「だ、大丈夫商人!?もう、茂みで走るから…足元には気を付けてよ

商人「ご、ごめん大丈夫…でも何につまづいたんだろ…あ、これって!?」

魔法使い「あら、青い石…金属?美しいわね…」

商人「こ、これはもしかしてオリハルコン!?す、すごい!!でもなんでこんな所に…」

魔法使い「オリハルコン!?オリハルコンって、あの伝説の…!?」

商人「うん、あたしも実物を見るのは初めてだけど、この青い輝き…きっと、ううん、絶対そうだよ!!」

魔法使い「オリハルコン…すごい物が手に入ったわね…あ、いけない、賢者は!?」

賢者「よしよし、まずはくびをきって…」

商人「あー、忘れてた!!ダメだよ賢者ちゃん!!」

賢者「むー…じゃあほかの食べものをさがすぞ!!」ダダダ…

商人「あ、どこ行くの!?」

魔法使い「もう、落ち着きがないんだから!でもとりあえず馬が無事で良かったわ。でも放っとくとまたトラブルを起こすわね…」

商人「うん、このオリハルコンをどうするかも考えないといけないけど…とりあえず賢者ちゃんを追いかけよっか?」

魔法使い「ええ、賢者を捕まえたらご飯にしましょう。きっとお腹が空いてるでしょうから。賢者は…この家に入ったのね」

商人「ごめんくださーい!賢者ちゃん…あ、いた!すみません、勝手に上がって…あれ?お姉さん、少し…?

女性「こんばんは。この子、貴方達の連れね?でも貴方達ってもしかして、上から?」

商人「は、はい!!もしかしてお姉さんも?少しこっちの人達と雰囲気が違うなーって…」

女性「ええ、貴方達もね。私は昔、アッサラームにいたのよ」

魔法使い「ああ、いかにもそんな雰囲気ね…」

商人「色っぽいもんね。こういう人があの水着着たら似合うのかな…ま、魔法使いちゃん、睨まないで…」ビクビク

魔法使い「…で?何故こっちに?」

女性「それが…嫌なお客から逃げてきて…座長にも黙って来たから、きっと心配しているわね…」

賢者「そんなやつ食べれば…ムガッ」フガフガ

魔法使い「しっ。そういう商売も大変ね…なら、私達が座長さんに無事を伝えてきましょうか?」

女性「ええ!?そんな事出来るの!?」

商人「もちろんです!!あたし達、こう見えてもベテラン冒険者ですから!!」

女性「そうなの…じゃあお願いしようかしら。くれぐれもよろしくね」

魔法使い「ええ、必ず…では失礼するわ。お騒がせしたわね」

女性「ううん、久しぶりに上の人達と話せて嬉しかったわ」

賢者「じゃーな!!またくるぞ!!」

商人「失礼しまーす…うーん、いろんな人がいるね…」

魔法使い「そうね、でもカンダタさんもいたし、もしかしたらもっと上から来た人がいるのかもね。オルテガ殿も…」

商人「あ、そういえばオルテガ様もこっち来てるかもしれないんだっけ?この調子ならいそうだよね!」

魔法使い「ええ、正直半信半疑だったけど、本当に…」

賢者「おなかへったー!!ごはん!!ごはん!!」ギャーギャー

魔法使い「ああ、そうだったわ。ごめんなさい、でも静かにしてね?」

商人「あたしもお腹が空いたよ…ねえ、今日はもう宿屋に泊まらない」

魔法使い「そうね、流石に少し疲れたし…」

賢者「おー、ごはんごはん!!」

――159日目、アリアハン

魔法使い「…出来ればすぐにアッサラームに行きたかったけど…」

賢者「ざちょーはよるにならないとあえないんだな?」

魔法使い「ええ、だからまずはアリアハンに行きたいって商人が言ってたんだけど…」

商人「お待たせー!!はいこれ、ドラゴンクロウとドラゴンローブ!!」

賢者「おお、どっちもかっくいーぞ!!」

魔法使い「これって…どっちも貴重なものじゃないの?どうやって…」

商人「それはもう、巨大な商人ちゃんネットワークを駆使して!!」

賢者「しょーにん、すごいな!!おいしそうなだけじゃないんだな!!」

商人「すごいよ!!でもおいしくはないよ!!で、爪は誰も装備出来ないけど、ローブは魔法使いちゃんがどうかな?」

魔法使い「私に?いいの?」

商人「うん、賢者ちゃんはまほうのよろいがあるし…」

魔法使い「そう、ならありがたくいただくわ…ふふ、いいわねこれ。私、こういういかにも魔法使い、って服に憧れてたのよ」

商人「あはは、良かったね!!魔法使いちゃんならきっと似合うよ!!」

――夜、アッサラーム

賢者「ラーミアできたらちょうどよるになったな!!」

商人「危なく夜が明けちゃう所だったけどね。で、座長さんは劇場だよね?」

魔法使い「劇場は…ここね。失礼します、座長は…」

座長「はい、私が座長ですが、貴方方は…いつかお会いしたような…」

魔法使い「ええ、前に。それより今日は、私達以前こちらで働いていたという女性に会いまして…」

座長「え!?まさか彼女が…!?ずっと心配していたんです!」

商人「あの人も言ってました、きっと座長さんが心配してるだろうって」

座長「ええ、で、彼女は今何処に…いえ、彼女はもう自由の身。聞かない方が良いですね…彼女は今、元気でいるんですね?」

魔法使い「…ええ」

座長「そうですか、それが分かれば十分です…ああそうだ、知らせてくれたお礼に、これを差し上げましょう」

なんと まほうのビキニをてにいれた!!

魔法使い「…………………………………………………どうも」

商人「さ、最近水着に縁があるね…」

魔法使い「…別にお礼を求めてた訳じゃないけど、お礼に水着ってどういう事なのかしらね…?」

商人「さ、さあ…まあ、こういう商売の人だし…それにこれ、防具としては結構すごいよ?」

魔法使い「ふーん、じゃあ貴方が着たら?」

商人「わ、私はいいよ…」カアア

魔法使い「何また照れてるのよ…それに、防御力が高いといっても、呪文やブレスには強くないし…」

商人「うん、それに何よりこの格好は…」カアア

賢者「じゃあけんじゃがきるぞ!!うごきやすそうだぞ!!」

商人「え、ええー!?や、止めた方がいいよ!?」

魔法使い「いえ、悪くないわ。賢者がこれを着て、寄ってきたド変態共を賢者の晩ごはんに…」

賢者「おお!?ごはんがよってくるのか!!すごいふくだな!!」

魔法使い「ええ、ホルモン食べ放題よ」ニッコリ

商人「だ、ダメだよそんなの!!大体賢者ちゃんはまほうのよろい着てるし、このビキニは魔法防御力がないって話してたばっかりじゃない!!」

魔法使い「冗談よ、分かってるわ」

賢者「え?けんじゃはこっちきても…」

商人「ダメ!!絶対ダメ!!」

――160日目、ポルトガ

商人「それで、なんでここに来たの?」

賢者「ごはんがおいしいからだぞ!!」

魔法使い「違うわよ…ここには確か、バラモスに呪いをかけられたカップルがいたはず。どうなってるのかと思ってね…」

商人「ああ、そういえば…なるほど、上に来たついでにいろいろ用事を済ませたいって事だね?」

魔法使い「そういう事よ。さて、あの二人は確か、呪われる前は浜辺に…あら、あの二人…」

男性「あ、貴方方はもしや!!魔王を倒して下さったんですよね!?ありがとうございました!!」

商人「ど、どういたしまして…なんで知ってるんだろ…」

女性「貴方方が魔王を倒してくれたおかげで、また彼に会えました!!本当になんとお礼を言ったら…そうだ!私の家に代々伝わるこの剣を差上げます!!」

なんと ゆうわくのけんをてにいれた!!

商人「こ、この剣…!」

女性「これは女にしか使えない不思議な剣だそうです」

魔法使い「こんな貴重な物を…いいの?」

女性「はい、本当にありがとうございました!!………あの、私、もっと彼と話したいんで、これで…」

魔法使い「え?ああ、邪魔して悪かったわね。これで失礼するわ。ありがとうね」

男性「いえ、こちらこそ本当にありがとうございました」

商人「さようなら、お幸せに!!…はあ、ああいうのっていいよね…あたしにも白馬に乗った王子様が玉の輿背負って来ないかなあ?」

魔法使い「来ないわよ…鴨がネギ背負って来たことさえないのに…」

賢者「はくばがネギといっしょいくるのか?すごいな!!」

商人「ごっちゃになってるよ賢者ちゃん…」

魔法使い「私は鴨肉って少し苦手ね。固いし、油が多いし…」

賢者「けんじゃはだいすきだぞ!!」

商人「賢者ちゃんは口に入れば大体オッケーだよね?それはそうと、あとは下に戻るの?」

魔法使い「いえ、さっき言ったように上での用事は済ませてしまうわ。だから、海賊の家に行きましょう」

賢者「おー、おかしらのところか?」

魔法使い「ええ、魔王を倒したら来てほしいって言ってたからね…せっかくだし行ってみましょう」

賢者「おー、おかしら、おいしいもの食べさせてくれるかな?」

商人「そうだね、魔王を倒したって聞いたらきっと食べさせてくれるんじゃないかな?」

賢者「おー、たのしみだぞ!!はやくいくぞ!!」グイグイ

魔法使い「はいはい、慌てないで…」

――夜、海賊のアジト

海賊「おお、よく来たな!!聞いたぞ、魔王をたおしたそうじゃないか!!」

商人「あ、はい、一応…すごい、もう知ってるんだ…」

海賊「俺達は七つの海を股にかける海賊だ。そのくらいすぐ耳に入るよ。さあ、お頭がお待ちかねだぜ!!」

賢者「おー、おかしら、きたぞー!!」バタン

お頭「おお、来たかい!!やるねえ、あんた達!!まさか本当に魔王を倒すとはね!!」

魔法使い「ええ、何とかね…」

お頭「あたしも負けてられないね!!女だからって男にも引けを取らない、それをあんた達が証明してくれたからね!!」

賢者「おとこにもまおーにもまけないぞ!!」

お頭「ああ、その通りだな…そうだ!!なああんた達、せっかく来たんだ、魔王討伐記念に飛びっきりのごちそうを用意しようじゃないか。食べてってくれるだろ!!」

賢者「おー、食べる食べる食べる食べる食べる!!」グイグイ

お頭「ははっ、そう言ってくれると思ったよ。待ってておくれよ、すぐに用意させるからね」

賢者「おー、まってるぞ!!はやくだぞ!!」

魔法使い「どっちなのよ…」

賢者「ん…もう食べれ…んにゃ…」ウトウト

商人「流石海賊さん達、賢者ちゃんが満足するなんて…」

魔法使い「そうね…今日は本当にありがとう」

お頭「いいよ、好きでやったんだからね。しかし、大魔王か…まだあんた達の旅は終わらないんだね…」

魔法使い「ええ、そうね。こちらに影響が出る前に何とかしないと…」

お頭「魔王を倒した割には、浮かない顔してると思ったよ。でもあんた達はまだ諦めてないんだろ?」

商人「もちろんです!!…本音を言えば怖いけど…でも諦めるとかはないです!!」

お頭「それを聞けて良かったよ。大変だろうけど…頑張ってな。そしてまた大魔王を倒したら、こうやって騒ごうな」

賢者「ん…おー…おかしら、すき…ごはんくれる…おやぶんより…」ムニャムニャ

商人「もう、寝言でも食べる事ばっかり!」

お頭「ははっ、やっぱり私の小さい頃そっくりだね…大魔王を倒したらとは言わない、いつでも来てくれよ。歓迎するからさ」

賢者「おー…いつでもくるぞ…」

魔法使い「もう、この子は本当に…でも、また来るわよ、いつかきっと…」

――161日目、ドムドーラ郊外

商人「今日は次の町に行くんだっけ?メルキド…だったよね?」

魔法使い「ええ、この町で聞いた所によると、歩いて行ける所にあるみたいだから…どういう道程か、覚えてる?」

賢者「みなみにいってはしわたってひがしだぞ!!」

魔法使い「そうね。だからまずは南に向かってみましょう

商人「おー!!やっぱり目標があるっていいね!ドムドーラに来るときは、町があるかどうかも分からないで歩いたから不安だったよ…」

賢者「どこでごはんが食べれるかわからないしな!!」

魔法使い「確かに、いつどこで何があるかわからないよりは良いわね…さて、結構歩いたけど…」

商人「これ、そろそろ東にいった方がいいんじゃない?まだ南かなあ?」

魔法使い「いえ、とりあえず行けるまでは南に行って…あら、海が見えてきてしまったけど…」

賢者「お?あっちにはしがあるぞ!!」

商人「あ、ホントだ!あれを渡って東かな?」

魔法使い「きっとそうね。さあ、橋を渡って進みましょう」

商人「はーい!!メルキド、どんな町かな?楽しみだね!!」

賢者「んー、ずっと森だな…あるきづらいぞ…」

魔法使い「我慢して。きっともうすぐ着くはずだから…」

商人「そうそう、きっとおいしいものがあるよ!」

賢者「おいしいもの!?はやくいきたいぞ!!」グイグイ

商人「ま、待って、引っ張らないで…あ、魔法使いちゃん、また橋!」

魔法使い「そうね…でも、これを渡ればいいのか、それとも迂回して北に行くべきか…」

賢者「まちにいくんだよな?ならあっちだぞ!!」

商人「北に?何で分かるの?」

賢者「めじるしがたくさんあるぞ!!」

商人「目印?…って、もしかして…」

魔法使い「人の骨、ね。恐らく、魔物に倒された…この辺りはザキを使う魔物も多いし…」

賢者「これをたどってけばきっとまちにつくぞ!!」

商人「そっか、そだね。そうだけど…」

魔法使い「…まあ、辿り着く事が重要よ。さあ、行きましょう…」

商人「…だんだん骨が多くなってきたね…」

魔法使い「ええ、町に近づいてる…という事ならいいけど…」

賢者「きっとそうだぞ!!おいしいものたくさんだぞ!!」

商人「うーん、そうだといいけど…」

魔法使い「そうね、そしてお店もたくさんあって、お買い物もたくさん出来るでしょうね」

商人「あ、そうだね、新しい町に着いたらお買い物だね!!あー、早く着かないかなあ?」

魔法使い「単純さは賢者といい勝負よね…」

商人「でもホント、そろそろ見えてきてもいいよね?確か、高い壁に囲まれてるからすぐ分かるって…あ!!あれ!!」

賢者「おー、すごくたかいかべだぞ!!」

魔法使い「本当ね…これ、どのくらいの労力で建てたのかしら…?」

商人「えー、町なんてぽぽぽぽーんって感じで出来るし、この壁もパパッと作ったんじゃない?」

魔法使い「貴方が言うと説得力があるのかないのか…」

商人「とにかく、早く行ってみようよ!!あたしお買い物したい!!」

賢者「けんじゃはいろいろ食べたいぞ!!」

魔法使い「はいはい、慌てないのよ。でも、本当に物々しい城壁ね。まるで要塞みたい…人の力はすごいけど、それだけ大魔王が恐ろしい事の証明でもあるわね…」

――162日目、メルキド

商人「わー、おっきな町!!すごいね、お店がたくさんあるよ!」

魔法使い「もう、落ち着いてよ…でも変ね、お店の数は多いのに、あまり活気が…」

賢者「んー、あんまり食べものの気配もないぞ…」

商人「このお店はー…あれ?誰も居ない…こっちは…わ、埃だらけだ…」

魔法使い「どうしたのかしらね…あらこっちには人がいるわよ」

商人「ホントだ!すみません、あのー…」

店主「ぐうぐう…」

賢者「ねてるぞ、食べていいのか?」

魔法使い「なんで寝てたら食べてもいいのよ…でもこれは異常ね。何かあったのかしら…」

商人「うーん…あ、あっちに人がいるよ!!すみませーん!!」

町人「ああ、旅の人か、町がこんなで驚いただろうね…」

魔法使い「ええ、何故こんな事に?」

町人「大魔王を恐れ、絶望のあまり人々は働かなくなってしまったのだ…」

商人「ええ!?こんなに立派な城壁があるじゃないですか!これなら…」

町人「ああ…だが、こんなもの大魔王の前には何の役に立つというのだろうか…?」

賢者「なんだ、なさけないな!!みんな食べて…」

魔法使い「しっ。事情は分かったわ、ありがとう、失礼します…大魔王の脅威とは大変なものね…」

商人「そうだね…ねえ、大魔王はなんでこんなにひどい事するんだろうね?」

賢者「きっとごはんのためだぞ!!」

魔法使い「そうかもね…確か、ラダトームで聞いた話では、大魔王は絶望をすすり憎しみを喰らい悲しみの涙で喉を潤すという事だから…」

賢者「ええー…おいしくなさそうだぞ…」

商人「賢者ちゃんでもおいしくなさそうなんだ…そっか、大魔王も生きる為に悪さしてるんだね………でも!!」

魔法使い「ええ、黙って大魔王のごはんになるわけにもいかないわ。それにあっちが食べに来てるなら…」

賢者「食べかえしてやるぞ!!」

商人「そだね、うん、負けてられないよ!!」

魔法使い「とはいえ、私達はまだ大魔王の城に乗り込むことも出来ないのよね。どうすればいいのか…」

商人「それにお買い物パワーアップも出来なかったね、この町…少し不安になるよ…」

男性「なあ、あんた達…」

魔法使い「え?何かしら?」

男性「いや、さっきから聞いてたんだが…あんた達、大魔王を倒すつもりなのか?本気か?」

商人「もちろんです!!倒せるかは分からないけど…」

賢者「だいまおーなんて食べてやるぞ!!」

男性「そうか…なら、あっちにいる老人に話を聞くといい。なんでも大魔王の城に行く方法を知ってるらしいぜ」

商人「ええ!?ホントに!?」

男性「ああ、だが…いや、いい。頑張ってな…」

魔法使い「ええ、ありがとう。さて、これは重要な情報が聞けるかも知れないわね…」

賢者「あっちにいるじーさんだな!!おーい…わー!!ゆかがビリビリだぞ…」

魔法使い「バリアね、大丈夫?」

賢者「まだふんでなかったからへーきだぞ!!」

魔法使い「そう、良かったわ。待ってて…トラマナ!!さて、これで行けるわ。さあ、話を聞きに行きましょう。こんなに厳重に守られてる人ですもの、きっと重要な情報を持ってるはずだわ…」

老人「なんだ、お前達は?」

魔法使い「失礼、私達は大魔王を倒す為に旅をしています。貴方が大魔王の城に行く方法を知ってると聞いたので…」

老人「なんと、ではお前達が勇者か?」

賢者「ゆーしゃじゃない、けんじゃだ!!」

老人「勇者ではない?それは…いや、どのみちこのままでは我々には破滅の道しかない。お前達を信じよう。確認するが、本当に大魔王を倒すつもりなのだな?」

魔法使い「ええ、その為に旅を続けてきました」

老人「そうか、ならば教えよう。大魔王の居城のある島に行くには、たいようのいし、あまぐものつえ、そしてにじのしずくが必要になる」

商人「あ、たいようのいしは持ってるよね、魔法使いちゃん?」

老人「なんと、もう…ではあと2つ、それらを揃えたら聖なるほこらへ行くといい」

魔法使い「聖なるほこらへ…そこには何が?」

老人「行けば分かる。そもそも、それら3つの道具を集められなければ、知っても意味のない事だ…」

商人「なるほど、まずは集めてみせろ!!って事ですね?」

老人「ああ、集めてみれば全てが分かる」

魔法使い「なるほど…分かりました、ありがとうございます」

商人「ありがとうございました!!」ペコリ

賢者「じーさん、じゃーな!!」ブンブン

魔法使い「さて…やっと大きな目標が見つかったって所かしらね…」

商人「そだね、まずはあと2つの道具を集めて、聖なるほこらへ!!」

賢者「そしたらだいまおーを食べにいけるんだな?」

魔法使い「さあ、それは集めてみないと分からないけど…集めれば、きっと分かるはずよ。きっとね…」

商人「じゃさ、次はどこ行こっか?やっぱりラダトームから船に乗ってマイラの村を目指してみる?」

魔法使い「そうね、おそらくそれが…」

賢者「え?みなみのほうにあるほこらにはいってみないのか?」

商人「え、ほこら?そんなのあった?」

賢者「けんじゃはみえたぞ!!」

魔法使い「私達には見えなかったけど…この町に来る途中にあった分かれ道かしら?」

商人「ああ、あったね、あの橋を渡った先かあ!」

魔法使い「しかもほこらっていう事は、さっきの話に出てた聖なるほこらかもしれないわね。行ってみる価値は有りそうね」

商人「じゃさ、次はそのほこらだね?」

魔法使い「ええ、そうしましょう。ただ、これからまた歩くのなら、まずは…」

賢者「ごはんだな?」

商人「あー、そういえばあたしもお腹減ったなあ…ドムドーラから結構歩いたしね。じゃあ宿屋にレッツゴー!!」

賢者「ゴー!!」

魔法使い「はいはい、分かったから焦らないでね。ただ…宿屋も休業中じゃないといいけどね…」

商人「えー、ま、まさか…」

宿屋「こんばんは、旅人の宿へようこそ」

商人「ほっ…やってたね」

魔法使い「ええ、良かったわ。賢者もご飯が食べられるから良かったわね…賢者?」

賢者「おー、あんちゃん、やわらかそうでおいしそうだな!!」

青年「え!?美味しそう!?」

商人「け、賢者ちゃん!すみません、何でもないです」

青年「変な子だね…君達、女の子だけで旅してるの?」

商人「え?ええまあ、そうですけど」

青年「ふーん、見かけによらずたくましいんだね」

商人「た、たくましいって…」

魔法使い「そういう貴方も、一人旅が出来るほどたくましくは見えないけど」

青年「そうかな?そうかもね。でもこう見えても、僕は旅のベテランだよ。実家を出てからかなり長いこと旅してきたからね」

商人「実家…って?」

青年「僕の実家?うーんと、ラダトームの北西の方角にあるんだけど…」

商人「あー、もしかして、あの二人の放蕩息子!?」

青年「放蕩息子は酷いなあ。でも君達は僕の両親を知ってるの?」

魔法使い「ええ、旅の途中で立ち寄って…」

賢者「これをもらったぞ!!」ジャララン

青年「あ、それ僕のぎんのたてごと!」

商人「そうそう、これ、お父さん達があたし達に渡してくれたんだけど…」

青年「ふーん、まあいっか。僕の旅には必要ないしね。っていうか、むしろ危ないし」

魔法使い「危ない?」

青年「うん、その竪琴の音色は魔物を喜ばせるから、外で弾いちゃダメだよ」

商人「そんな危ないものだったんだ…」

魔法使い「そうそう、貴方のご両親から伝言があるわ。たまには帰ってきなさい、だそうよ」

青年「えー、めんどくさいなあ。でもしばらく帰ってないし、たまには帰ろっかなあ」

魔法使い「ええ、それがいいわ、ご両親も喜ぶはずよ」

――163日目、メルキド郊外

商人「よーし、じゃあ賢者ちゃんが言ってたほこらに向けて出発だね!!」

賢者「おー!!」

魔法使い「さて、何があるかしらね?ただでさえ辺境のこの町よりも奥地となると…」

商人「フツーじゃないよね。でも、昨日の放蕩息子の実家みたいなのがまたあったりして」

魔法使い「さすがにそれはないと思うけど…でも確かにあの家も辺鄙な所にあったわね」

商人「うーん、でもあの家は結構立地条件良いと思うんだよね。少なくとも、上であたしが作った町よりは…」

魔法使い「そうかしら…ああ、貴方あの家の人たちに色々聞いてたのって…」

商人「うん、船が通るなら、あの辺に中継地点の町があってもいいかなーってさ」

魔法使い「…また町を作る気なの?」

商人「あはは、やだなあ、今度は失敗しないよ!!前回は急ぎすぎたからさ、今度はもっとゆっくりやれば…」

賢者「だいじょーぶか?とーごくれき3かいにならないか?」

商人「ならないよ!!…まあ、町を作るとしても、大魔王を倒してからだけどね」

魔法使い「そうしてもらえると助かるわね。貴方に今抜けられたら…っと、あの分かれ道に着いたわね。渡ってみるわよ」

商人「うん!!さあ、何が待ってるかなー?」

――まもののむれをやっつけた!!

商人「ひー、結構ダメージ受けちゃったね…」

賢者「やきにくとれーとーにくになるとこだったぞ…」

魔法使い「キメラって言ったかしら?あの魔物の炎と、骨の…スカルゴンの吹雪には注意しないとね」

商人「あれ?なんでモンスターの名前知ってるの?」

魔法使い「あの放蕩息子から聞いたのよ。流石に長い間旅をしてるだけあって物知りだったわ」

商人「ふーん、ならあたし達が今から行くほこらの事は分からないのかな?」

魔法使い「町から必要以上に遠くへ行かないことが、無事に旅をする秘訣、だそうよ」

賢者「わからないんだな!!」

魔法使い「そうみたいね。でもいいわ、どうせもうすぐ着くはずだし…」

商人「そだね、今までもあったもんね、ろくに情報がないまま進むこと!」

魔法使い「本当は避けたい事だけどね…」

賢者「お、みえてきたぞ!!」

魔法使い「ええ、あの沼地の中ね。さっきトラマナはかけたし、入っても平気よ」

商人「流石魔法使いちゃん!!…わー、結構古そうな建物だけど…だからこそ何かあるのかな?お邪魔しまーす…」

――164日目、精霊のほこら

魔法使い「…外から見たのとは印象が違うわね…」

商人「ホントだね…花がたくさん咲いてて、すごくキレイ…」

魔法使い「こっちは闇の世界だから、なかなか花も見られないものね…」

賢者「ここならやさいもそだつな!!」

商人「なるほど、ここで育てた野菜をメルキドで売れば…」

魔法使い「二人とも、神秘の欠片もないわね…あら、あれは…エルフ?」

エルフ「まあ、人間だわ。人間がここに何の用?人間なんかキライよ」

賢者「けんじゃはおいしそうだからエルフすきだぞ!!」

商人「賢者ちゃん!」

エルフ「でも、オルテガは好きよ。きっと大魔王も倒してくれるんだから」

魔法使い「オルテガ殿!?オルテガ殿がここへ?」

エルフ「え?貴方達オルテガを知ってるの?」

魔法使い「私達はオルテガ殿の故郷から旅を続けて来たのよ」

エルフ「え?じゃあ貴方達が勇者なの?なら上へ上がって、貴方達を待ってる人がいるわ!」

精霊「ようこそ。私は以前、精霊ルビス様にお仕えしていた者です。よくここまでたどり着きましたね」

魔法使い「精霊ルビス…確かこのアレフガルドを作った方だったかしら…」

精霊「以前、私はルビス様に代わって貴方がどんな人か尋ねた事がありました。その時はずいぶんと失礼な事を言ったかもしれませんね」

魔法使い「…?貴方、そんな事あった?」

商人「あたし?ううん、ないよ。賢者ちゃんじゃないの?」

賢者「けんじゃはしらないぞ」

精霊「え…?失礼ですが、貴方達のいずれかが勇者なのでは…?」

魔法使い「いいえ、私は魔法使いよ。こっちは賢者、こっちは…


商人「えっと…しょ、商人ですけど…」

精霊「商人…!?す、少しお待ちください…ちょっと、勇者が来るはずじゃなかったの?なんで…」ヒソヒソ

エルフ「え、オルテガと同じ故郷から来たって言うからてっきり…」ヒソヒソ

精霊「ではどうしましょう?勇者じゃないとなれば…でも……ええ………そうね……失礼しました。では、貴方達にあまぐものつえを授けましょう」

商人「ええ!?すごく唐突に貴重品くれたよ!?」

精霊「貴方達がルビス様を助けてくれると願っています」ニッコリ

魔法使い「…清々しい程の作り笑いね。まあ、貴重な物が貰えたからいいけど…」

――165日目、ラダトーム

魔法使い「さて、今日はいよいよ船でマイラに向かうわよ」

商人「やっとだね。あたし今度こそはお買い物したいよ!」

魔法使い「そうね、もうメルキドみたいな事はない…といいわね」

賢者「ふねにのっていくんだな?さかなとイカだな!!」

魔法使い「そうねえ、こっちを食べるような魚やイカじゃなければいいけど…」

商人「まあ、上でもそういうのを倒して食べてたし…」

賢者「うえでもしたでもいっしょだぞ!!」

魔法使い「そうね、どちらにしろ黙って食べられるわけにもいかないし…じゃあ行きましょう」

商人「おー!!マイラまでどのくらいかなあ?前に歩いて東の海まで行ったときは、結構距離があったけど…」

魔法使い「近くはないでしょうね。気を引き締めて行きましょうね」

――

商人「ここで1つ訂正があります」

魔法使い「メルキドのご老人が、大魔王の城に行くにはたいようのいし、あまぐものつえ、にじのしずくが必要だと言っていましたが、正しくはにじのしずくではなくせいなるまもりでした。お詫びして訂正致します」

商人「そもそもあたし達、まだにじのしずくの存在を知らないはずだよね…」

魔法使い「ちゃんと話を聞いたはずなのに、きちんとメモしないで記憶に頼るから…」

賢者「ものわすれがひどいのにな!!」

商人「今後はこういう事がないようにしたいなあ、出来ると良いなあ、出来たらすごいなあ、と思ってますので、何卒ご容赦の程を…」

魔法使い「またやらかしそうね…」

商人「ほらほら見てみて、あそこ、放蕩息子の実家!」

魔法使い「すっかり放蕩息子で定着してしまったわね…」

商人「ここら辺でひと休み出来ればいいと思わない?やっぱり町を作るならここだと思うんだけど、どうかな?」

魔法使い「そうねえ、確かにこの辺にあれば便利かもね」

商人「でしょ?ね、ね、賢者ちゃんはどう思う?…って賢者ちゃん、何食べてるの?」

賢者「これはくちどけギズモだぞ!!つめたくてシュワっととけるんだぞ!!」

商人「口溶け…?さっき倒したモンスター?あれ、たべれるんだ…」

魔法使い「…うーん、食べられるかどうか、にはい、ともいいえ、とも答えづらい私の気持ちは分かってもらえるかしら?」

商人「ああ、うん、何となく…」

賢者「これにあじつけしたらおいしそうだぞ!!ジャムとか、ジュースとかで…」

魔法使い「たぶん貴方以外はお腹壊すけどね…」

商人「あ、ほら、あの魔法の使えない洞窟だよ!」

魔法使い「ああ…忌まわしい場所ね」

商人「やっとここまで見えてきたね!ここまで来たら…あ!!」

クラーゴンがあらわれた!!

賢者「おおー、イカが食べれるぞ!!」

商人「、た確かにイカだけど…この大きさは…!」

魔法使い「ちょっとまともに相手したくないわね…賢者、ザラキをお願い」

賢者「えー!?ザキしたら食べれなくなるぞ!?」

魔法使い「3体全部は死なないでしょ、多分。生き残った奴を焼きましょう」

賢者「はーい…ザラキ!!」ヂュモモモモ…

クラーゴンのいきのねをとめた!!クラーゴンのいきのねをとめた!!

魔法使い「よし、計画通りね!さあ、残った1体を倒すわよ!」ザクッ

商人「それそれー!!」ドカバキッ

魔法使い「とどめよ、メラミ!!」ゴオオッ

――クラーゴンをやっつけた!!

賢者「おおー、なっとくのおおきさ!!」キャッキャッ

魔法使い「都合よく1体だけ残ってくれて助かったわね」

商人「うん、あれが3体となると船に載せきれたかどうか…」

魔法使い「でも、あれを食べる賢者が乗っててもこの船沈まないわよね。一体どういう…」

商人「そ、そこは突っ込んじゃ…あ、ほら見て魔法使いちゃん、島がたくさん見えてきたよ!」

魔法使い「本当ね。こちらに来たばかりの頃、ラダトームから東に歩いたときに見た景色に似てるわね…」

商人「て事はきっとそろそろ…ほら、村が見えた!!」

魔法使い「ええ、きっとあれがマイラの村ね。二人とも、船を下りる準備をしてね」

賢者「ん…まって、もうちょっとでやける…」

商人「もう捌いたんだ…でも、やっと噂のマイラに来たね。今度こそはお買い物出来ると良いなあ…」

魔法使い「きっと出来るわよ。さあ、行ってみましょう」

――166日目、マイラ

商人「ここがマイラかあ…想像してたより活気があるね!」

魔法使い「そうね、メルキドみたいだったらどうしようかと思ったけど…」

商人「これならお店もやってるよね!!さあさあ、今日こそはお買い物だよー!!」

魔法使い「はいはい、じゃあまずは武器防具屋に…ここね」

武器防具屋「いらっしゃい!!」

商人「こんにちは!!…うん、うん…うーん、ここすごいよ!!まずこのみずのはごろもを賢者ちゃんに買って、あとこのけんじゃのつえを魔法使いちゃんに…」

魔法使い「その杖、そんなに良いものなの?」

商人「これはね、使うと回復魔法の効果があるの!ベホイミくらいかな?だから魔法使いちゃんが持ってるといいと思うの!!」

魔法使い「なるほど…でも、2つは予算的に無理よね?」

賢者「ごはんを食べるおかねもいるしな!!」

商人「まだ食べるの!?でも、確かにお金は足りないなあ…何か売ろうかなあ…?」

魔法使い「まあ、今すぐ買わなくても良いでしょ?この村にいる間に買えば…まずはこの村を見て回らない?」

商人「そっか、それもそうだね」

賢者「きっとおいしいものもあるしな!!」

魔法使い「…さて、こっちは道具屋さんだけど…」

道具屋「いらっしゃいませ…おお、お客さん、それは…!」

商人「え?それって…オリハルコンの事?」

道具屋「それを是非とも譲っていただきたいのですが、いかがでしょうか?」

商人「オリハルコンかあ…うーん、結構貴重だし、ここで手放して良いのかなあ…?」

道具屋「ちなみにこの位で買い取りたいかと…」ススッ

商人「!?に、22500ゴールド!?う、売ります、今すぐ売ります!!良いでしょ、二人とも?」

魔法使い「ええ、私達が持ってても仕方ないし…でも少し落ち着きなさいよ」

商人「あ、ごめん…オホン、ではこちらとしては不満もないので、商談成立という事で…」

道具屋「ありがとうございます」

商人「いえいえ、こちらこそ…こ、これでさっき買いたかった装備がどっちも買えるよ!!余ったお金でごちそうも食べれるよ、賢者ちゃん!!」

賢者「ごちそう!?」キラキラ

魔法使い「思わぬ臨時収入ね。そういえば、ここの道具屋の主人は昔刀鍛冶だったって聞いたけど、あれも剣にするのかしら?」

商人「あー、ジパングから来たって言ってたね!!オリハルコン製のジパングの剣かあ…面白そうだね、ちょっとしたらまた覗きに来てもいいかもね!」

武器防具屋「みずのはごろもとけんじゃのつえだね?毎度あり!」

商人「ありがとうございます!!やった、これでまたパワーアップ!」

魔法使い「そうね、防御面で強化出来たのは良かったわ。こっちの魔物は攻撃が苛烈だから…」

商人「この前もモンスターのブレスに悩まされたもんね。でもこれで…あれ?賢者ちゃんは?」

賢者「おーい、こんなのひろったぞ!!」

魔法使い「拾った…?それって、笛?どこからそんな…いえ、確かこの村には…」

賢者「これもやまびこのふえみたいになにかさがすのか?」ピュロロー♪

商人「あ………ぐう」zzz…

魔法使い「商人!?ちょっと、しっかりして!」ユサユサ

商人「んー、商売繁盛…はっ!?あれ、あたし…あ、それってようせいのふえ!!」

魔法使い「これがようせいのふえ?その名前の笛は、確か…」

商人「うん、さっき聞いたけど、精霊ルビス様の封印を解けるとかなんとか…ルビス様って、あのあまぐものつえをくれたほこらで言ってたヒトだよね?」

魔法使い「ええ、それが本当ならすごいことよ。賢者、よく探してきたわね」

商人「この笛があれば、ルビス様を助けられる…ルビス様は西の島にある塔に封印されてるんだよね?じゃあ助けに行こうよ!!」

魔法使い「そうね、ルビス様を助ければ、何かが変わるかもしれないわね…」

――マイラ郊外

商人「じゃあこれからルビス様を助けに行くんだね?」

魔法使い「ええ、ようせいのふえも手に入れたし、装備も調えたし…」

賢者「ルビスさまはえらいんだろ?えらいひとたすけたらごほーびにごちそうだな!!」

商人「うーん、精霊ってそういう俗世的なものなのかなあ?」

魔法使い「あまり期待しない方がいいけど…もしかしたら、この暗い世界に光をとりもどせるのかもしれないわ。それなら、この世界の食料事情も変わるし、結果的にごちそうが食べやすくなるかも…」

賢者「おおー!!ぜったいたすけるぞ!!」

商人「賢者ちゃんがやる気に…!でも、マイラで話を聞いた限りでは、ルビス様を助ければ…って感じだったし、他にも良いこと起こるかもね」

魔法使い「そうだと良いわね。話といえば、あの村では他にも良い情報が聞けたわね。大魔王にはひかりのたまが有効だとか…」

商人「あー、言ってたね。ひかりのたまを使えば、大魔王の力を弱められるって…」

魔法使い「これでもしかしたら、私達も大魔王に対抗出来るかもしれないわ。竜の女王様に感謝しないとね…」

商人「そだね…あとは卵を無事に孵すだけだけど…」

賢者「ごちそうかあ…たのしみだなー」ワクワク

魔法使い「…食べられずに孵すのも、孵した後食べられないようにするのも大変そうね…」

商人「…ルビス様が封印された塔は村の西にあるって聞いたけど…あ、あれかな?」

魔法使い「そうね、二人とも塔に入る準備をしてね」

商人「うーん、海を挟んでるとはいえ、こんなに近くにあるのに誰もルビス様を助けようとしなかったんだ…」

魔法使い「仕方ないわ、あの様子だとようせいのふえも行方不明だったようだし…でも、どちらにせよ村人達では難しかったでしょうね」

商人「え、なんで?」

魔法使い「ルビス様はこの世界を作った方だと聞いたわ。そんな方を封印しておく場所だもの、魔物も生半可な実力のものはいないと思うわ」

商人「ああ、確かにそうかあ…」

賢者「でもたすけないとごちそうが食べられないぞ!!」

魔法使い「そうね、ごちそうはともかく助けないとね。それが出来るのは、恐らく私達だけだし…」

商人「いつもながら責任重大だね…」

魔法使い「まあ、今までだっていくつもの国を助けてきたし、今回だって似たようなものよ」

商人「人助けの為だもんね…よし、頑張ろうね!!」

賢者「なさけはひとのためならずだぞ!!たすけたらごちそうが食べられるんだぞ!!」

魔法使い「そのことわざ、そんな意味だったかしら…?まあいいわ、塔に乗り込むわよ」

――ルビスの塔、1階

商人「闇の世界のダンジョンなのに、中結構明るいよね…なんでだろ?」

魔法使い「ルビス様の力…なのかしらね?封印されててもそんな影響力があるのかは分からないけど…」

商人「どうなんだろうね…とりあえず、迷宮に来たからにはまずあなほりを…」

魔法使い「マメねえ…」

賢者「さいきんちょうしわるいけどな!!」

商人「うん、結局あのラダトームとドムドーラの間にあった洞窟でいのちのいしを2つ見つけてからは、何も見つけられてないんだよね…」

魔法使い「やっぱり暗いから探しづらいの?」

商人「そういうわけじゃないと思うんだけど…うーん、またハズレ…」

魔法使い「まあそういうこともあるわよ。それよりほら、宝箱があるわよ」

商人「あ、ホントだ!!開けてみるよ!!」パカッ

1016ゴールドをてにいれた!!

商人「1016ゴールド…アレフガルドに来てから開けた宝箱でこの金額だったの3回目くらいだよ。何か意味あるのかな…?」

魔法使い「うーん、どうなのかしらね…」

――ラゴンヌがあらわれた!!サタンパピーがあらわれた!!

商人「わ、なんか強そうだよ!」

魔法使い「まずは私が呪文で弱らせるわ、ヒャダイン!!」ゴオオオ…

サタンパピーはメラゾーマをとなえた!!ラゴンヌはマヒャドをとなえた!!

商人「わー!!あつっ!!つめたっ!!」

賢者「れいとうはやだぞ、それっ!!」ザクッ

ラゴンヌをたおした!!

商人「あたしも…とうっ!!」ガンッ

――まもののむれをやっつけた!!

魔法使い「ふう…やっぱりこの世界の魔物は強いわね。それぞれが最上位の攻撃呪文をつかうなんて…」

商人「うう、さすがにメラゾーマは痛かったよ…でも体力はあんまりないみたいだね」

賢者「たいりょくはなくても食べるところはたくさんあるぞ!!まずはこっちのライオンから…」

魔法使い「ええ、そっちはいいけど、悪魔は止めときなさいよ…」

商人「…この塔、結構広いね」

魔法使い「塔だからね、下は広くなってるはずよ…あら」

賢者「だれかいるな!!おーい!!」

老人「む、この様なところに、何物かな?」

商人「お、おじいさんこそこんなとこで何を…?」

老人「わしか、わしはな、ルビス様をここから見守っておるのだ。まあ、魔物が強くて近寄れず、見守る以外できぬだけだがな…」

賢者「そいつならこれでたすけるぞ!!」

老人「それは…おお、ようせいのふえか!それがあるならば、5階へ行くと良い」

魔法使い「5階へ…そこにルビス様が封印されているの?」

老人「行けば分かる。それより、この塔の魔物は強力だ、油断するでないぞ。それと、途中にある滑る床に気を付けてな」

商人「滑る床…?」

賢者「おもしろそうだな!!」

老人「滑る床の上をまともに歩こうとしてはいかん、頭を使わねばな…ただ無謀に突き進むだけが勇者ではない、そうであろう?」

魔法使い「なるほど…肝に命じておきます」

商人「…わりとあっさり階段は見つかって2階に来たけど…わ、ここもいきなり宝箱!!」

賢者「おー、このゆかなんだ?へんだぞ?」

魔法使い「これがさっきご老人が言ってた滑る床かしらね。なるほど、宝箱への道が滑る床になってて、うっかり足を滑らせると脇のバリア地帯に足を踏み入れてしまう、というわけね」

商人「な、なるほど、きをつけないとね…でも、頭を使えって言ってたけど、どうすれば…」

魔法使い「うーん…とにかくまずは歩いてみないとね…」

商人「ええー、それ、もちろんあたしが先頭だよね?うう、怖いなあ…」

賢者「はやくいけー!!」ドンッ

商人「わ、ちょっ、賢者ちゃん!?いきなりは、すべ…ぎゃーっ!!バリアー!!………あー、あれ?」

魔法使い「ああ、バリアならトラマナかけたから平気よ」

商人「先に言ってよ!!あと賢者ちゃんも急に押さないで!!」

賢者「ぼうけんのだいいっぽにきけんはつきものである。とらが食べたければとらのすあなにはいらねばならず…」スチャ

商人「インテリめがねでごまかさないでよ!!」

魔法使い「でも、おかげでこれが滑る床だという確認は出来たわ。ありがとうね、やっぱり頼りになるわね、貴方は」

商人「え、そ、そうかな…えへへ…」

賢者「…たんじゅんだなー」

魔法使い「さて、じゃあインパスで調べるから…」

商人「ねえ魔法使いちゃん、あたし達そろそろ宝箱のモンスターにも勝てそうじゃない?調べなくても…」

賢者「おいしいものがはいってるかもしれないしな!!」

魔法使い「おいしいものは入ってないでしょうけど…そうね、インパスの魔力も勿体ないし…じゃあ開けてみて」

ミミックがあらわれた!!

商人「わっ、ホントに出なくても良いのに!とりゃー!!」ガンッ

ミミックはザキをとなえた!!

商人「ぎゃーっ!!…だ、大丈夫かあ…やっぱり心臓に悪い…」

賢者「だいじょーぶか!?ザキでしんだら食べれないんだからな!!」

商人「心配する所違うよね!?」

魔法使い「ほら、油断しないのよ!」ザクッ

商人&賢者「はーい!!」ドカザクッ

――ミミックをやっつけた!!

賢者「これはおいしくなかったからなー…」

商人「ああ、あの魔法の使えない洞窟でも倒したよね。あそこでのザキは怖くなかったけど…」

魔法使い「そうね、やっぱり即死呪文は怖いわね。さあ、それより他の宝箱も開けてみましょう。まだ7つも残ってるわよ」

商人「あ、そうだね!賢者ちゃん、開けてみよ!」パカッ

魔法使い「…いろいろ手に入ったわね。お金にいのちのきのみに…」

商人「はい賢者ちゃん、高いたかーい!!」ヒョイッ

賢者「わー!!どうしたんだしょーにん!?」ジタバタ

商人「魔法使いちゃんも、それー!!」ヒョイッ

魔法使い「ちょっ!?ちょっと、何やってるの!?」

商人「あはは、二人とも軽い軽い!!片手で持ち上がる…ってああ!?ちからのゆびわを外したら…!」ドテッ

賢者「ふぎゃっ!?きゅーにころぶなー!!」ブーブー

商人「ま、魔法使いちゃんがあたしのちからのゆびわを外すから!…いたた…」

魔法使い「っつう…悪かったわよ…それにしても、また装備品で調子に乗って…」

商人「えへへ、つい…」

魔法使い「装飾品も良いけど、他には良いものあったの?」

商人「他?ねえ魔法使いちゃん、あたしはね、大好きな二人がこうやって無事だった事が何よりだよ?他には何もいらない…」

賢者「しょーにん、またへんなのみつけたな…」

魔法使い「はいはい、はくあいリングは前も見つけたでしょ。他には?」

商人「魔法使いちゃん、冷たい…他はね…そうそう、このらいじんのけんがあったよ!!」

賢者「おお、なんかかっちょいいな!!」

魔法使い「これは…ものすごい魔力を感じるわ。とても良いものじゃない?」

商人「うん!!武器としてもそうだけど、何よりすごく高値で売れそうだよ!!これを売れば、あれもこれも買える…」ワクワク

賢者「またごちそうだな!!」

魔法使い「強力なだけに私達が装備出来ないのは残念ね…でも宝箱って剣とか鎧ばかりね。杖とかローブももっとあれば良いのに…」

商人「そういえばそういうのあんまりないね。あればあんなに長いことぬいぐるみで冒険しなくても良かったのにね」

魔法使い「まったくよ。前衛職は良いわよね…」

――3階

魔法使い「…さて、3階まで上ってきたわね」

商人「確かルビス様は5階にいるんだよね?」

魔法使い「ご老人の話によればね。まあ、嘘はついてないでしょうけど…」

賢者「みはりのモンスターがいるかもな!!」

商人「ああ、そういう可能性もあるんだね…強いモンスターじゃないと良いね」

魔法使い「分からないわよ、上の魔王くらいのがいるかも…」

商人「ええー!?それはちょっとやだな…」

賢者「こんどこそ食べるてやるぞ!!」

魔法使い「あれ、おいしいのかしらね…?でも獣の1種にも見えたし、案外…」

商人「ええー…あたしは遠慮しとくよ…」

魔法使い「私も食べないわよ…あら、行き止まりね。下にダイブは出来るけど…」

賢者「おちてみるのか?しょーにん、ほらほら!!」グイグイ

商人「ちょっ、押さないでよ賢者ちゃん!!さっき上りの階段があったから、まずはそっちに…」

魔法使い「そうね、まずは上に行ってみましょう。落ちるのはいろいろとリスクがあるからね…」

商人「4階かあ…もう少しだね」

魔法使い「だといいけど…ここからが長い可能性もあるわね」

商人「そんな…でも、ルビス様の封印ってモンスター達にとっても大事そうただから、そうなのかもしれないね…」

賢者「おーい、あっちにたからばこがあるぞ!!」

商人「あ、賢者ちゃんが呼んでるよ!行ってみようよ!」タタタ…

魔法使い「ほら、廊下とダンジョンでは走っちゃダメよ…あれが宝箱ね。でも…」

商人「あー、すごく怖い所にあるね…足を踏み外さないように…あ、あれは!?」

賢者「どーした、しょーにん?」

商人「あ、あの宝箱…きっとものすごく貴重な物が入ってるよ!!商人の勘ってやつ?で間違いないよ!!」

魔法使い「どちらかというと盗賊の勘みたいだけど…少し落ち着いて…」

商人「ほらほら二人とも、早く来て、あれ今すぐ開けて…あっ!?」ツルッ

賢者「あ」

商人「あああ落ちるううウウ…」ピューン…

賢者「こんどはおしてないぞ…」

魔法使い「ここ、滑る床じゃないの…全く、落ち着いてって言ったのに…」

商人「ひゃー…死ぬかと思ったよ…」

賢者「したにおちてもしんだことないからだいじょーぶだぞ!!」

魔法使い「その考え方もどうかと思うけど…さて、また4階のあの場所に来たわ。今度は慎重にね」

商人「分かってるよ、もう落ちるのはこりごり…ゆっくり、ゆっくりと…」

賢者「しょーにん、おそ…ムガッ!?」モゴモゴ…

魔法使い「ちょっと大人しくね、賢者。あと押さないように」

商人「あ、ありがと魔法使いちゃん。よし、最大の敵は押さえたし…よし、渡りきったよ!!」

魔法使い「早速開けてみたら?私が賢者を押さえてる間に…」

商人「うん、すぐ開けるね…それっ」パカッ

なんと ひかりのよろいをてにいれた!!

魔法使い「これは…眩しい鎧ね…」

商人「こ、これもきっとあのゆうしゃのたてと同じでラダトームから奪われたっていう武具の1つだよ、きっと!!すごい、こんな鎧が手に入るなんて…」

魔法使い「やったわね。でも…私達はこれを装備出来ないのね…」

賢者「じゃあうってごちそうを食べるぞ!!」

商人「だ、ダメだよこれは!!」

魔法使い「さて、素晴らしい鎧が手に入ったのは良いけど、これ以上上には行かないのね…」

商人「うん、この4階のどこにも階段がないもんね。となると…」

賢者「さっきのところからとびおりるぞ!!」

魔法使い「それしかないみたいね…まあ、1度飛び下りてからまた上るっていうダンジョンは今までも多かったけど…じゃあ戻りましょう」

商人「はーい…あーあ、また飛び下りてなきゃいけないのかあ…さっきの1回は余計だったなあ…」

魔法使い「あんまり興奮して慌てるからじゃない。もっと落ち着いて…」

商人「うん、分かってるんだけどさ、つい…」

賢者「…お、さっきのとびおりばしょだぞ!!」

商人「飛び下りて場所…まあそうだけど…また飛び下りるのかあ…」

魔法使い「ほら、迷ってても仕方ないでしょ」

賢者「そーだぞ、けんじゃがさきにおちるぞ!!それっ!!」ピューン…

商人「うう、羨ましいくらい思いきりが良いなあ………ええい、それっ!!」ピューン…

魔法使い「今まで何回も飛び下りてるのに、まだあんなに怖いのかしら…まあ良い気分ではないけど…それっ!」ピューン…

商人「いたた…ってあれ、ここは?」

魔法使い「今まで来られなかった場所みたいね…どうやら飛び下りて正解かしら?」

賢者「じめんまでおちたんだな!!」

魔法使い「ええ、1階まで落ちて来たみたい…ここからまた上りか…」

商人「階段ばっかりだね…ダンジョンもバリアフリーにすれば良いのに」

魔法使い「それ、ダンジョンっていうのかしら…?」

賢者「よーし、かいだんのぼるぞ!!」ダダダ…

商人「元気だね…でもこれ、5階まで行けるのかな?」

魔法使い「さあ…ね。いつも通り、行けば分かるわ。さあ、行きましょう」

商人「よいしょ、よいしょ…ふうー、キツい上りだね…」

魔法使い「そうね…でも、これだけ上れば…きっと…」

賢者「お?おおー、ひろいところにでたぞ!!」

商人「あ、ホントだ…魔法使いちゃん、あたし達下に落ちてから何回階段上ったっけ?」

魔法使い「確か…4回上がったかしら?という事は…」

商人「ここが5階かな?そう言えば、今までの階とは雰囲気がちょっと違うかな?やっと着いたね…」

賢者「ひろいなー…あ、だれかいるぞ!!」タタタ…

魔法使い「誰か…?それは像よ…あ、それは、もしかして…」

商人「ああ、これがルビス様なの!?封印って、像にされてたんだ…じゃあこの像の前で笛を吹けば…」

賢者「ふえってこれだよな?」ジャララン

魔法使い「ちょっと、それはぎんのたてごと…!」

ダースリカントがあらわれた!!はぐれメタルがあらわれた!!

商人「!?!?!?ま、魔法使いちゃん、あいつ…!」

はぐれメタルはにげだした!!

魔法使い「逃げられた…残念ね。でもここにはあいつがいるのね…」

商人「あの銀色を逃がしたのは痛いけど…でも、ここにはルビス様の封印を解きに来たんだもんね!賢者ちゃん、笛はこっち!」

賢者「こっちかー。じゃあふくぞ!!」ピュララー

魔法使い「…像が…光ってる!?」

賢者「お?ぞうがうごいたぞ!!」

???「ああ…このような日が来るなんて、まるで夢の様ですわ!」

魔法使い「貴方が…ルビス様?」

ルビス「はい、私がルビス。このアレフガルドを創った者です」

魔法使い「貴方が…良かったわ、アレフガルドの人達も喜ぶわね」

ルビス「私の封印を解いてくれたお礼に、このせいなるまもりを差し上げましょう。そしてもし、貴方達が大魔王を倒したら…いつか必ずお礼を致しましょう」

賢者「せいなるまもり?おいしそうじゃ…モゴモゴ」

魔法使い「しっ。分かりました。きっと大魔王は倒してみせます」

ルビス「ええ、私もそれを願っています。私は精霊ルビス。この大地を創った者…」パアアア…

魔法使い「消え、た…これでルビス様は復活、せいなるまもりも手にいれたし、後は…商人?ずいぶん大人しいけど…」

商人「むにゃ…あれ?像は?ルビス様はどうなったの!?」

魔法使い「まさか、またようせいのふえで寝てたの…?」

商人「ええー!?じゃあもうルビス様復活しちゃったの!?あああ、ルビス様見逃した…魔法使いちゃん、起こしてくれても良かったじゃない!」

魔法使い「寝てるとは思わなかったわよ…まさかこの世界の創造者の目の前で眠る人間がいるなんて思いもしなかったもの…」

商人「う、そ、それは…と、とにかく、ルビス様は復活して、せいなるまもりも手に入ったんだよね?ねえ、あたしにもせいなるまもり見せてよ!」

魔法使い「はいこれ。どう?商人の目から見て」

商人「うーん、これを身に付けてると、ザキから身を守れるみたいだよ。でも…あたし達には装備出来ないみたい…」

魔法使い「そう、残念ね……でも装備として以外にも、これには意味があるわよね」

商人「そっか、これで聖なるほこらに持っていくアイテム3つ全部揃ったんだ!!」

賢者「これでだいまおーを食べにいけるな!!」

魔法使い「私は食べないけど…でもいよいよね。私達の旅にも、終わりが見えてきたわね…」

商人「そうだね……でさ。あたし思ったんだけど…」

魔法使い「何?」

商人「大魔王の島に渡るためのアイテムをわあたし達に寄越したって事は…あたし達に大魔王退治は任せた!って事だよね?ルビス様は大魔王に封印された訳だし、大魔王に敵わないのは分かるけど、竜の女王様みたいに対大魔王用の物をくれる訳でもないし、こんな事言いたくないけど……」

賢者「ケチなうえにひとまかせだな!!」

ルビス(……聞こえてるんですけど…)

魔法使い「あまり酷い事言わないのよ、言いたい気持ちも分かるけど…それに、もしかしたらこの場所にルビス様の贈り物があるかもしれないわ」

商人「この場所に?」

魔法使い「ほら、さっき賢者が竪琴弾いた時、メタルが出たでしょう?ここはもしかしたらあいつの出やすい場所なのかも…」

商人「あ、なるほど!じゃあ賢者ちゃん、もう1回竪琴弾いてみて!!」

賢者「おー!!」ポロロン

はぐれメタルがあらわれた!!

商人「わ、ホントに出た!!しかも6匹!?」

魔法使い「これは…大チャンスね!行くわよ、ドラゴラム!!」ゴゴゴ…

賢者「おー、かっちょいいまほー!!」

はぐれメタルはにげだした!!はぐれメタルはにげだした!!はぐれメタルはにげだした!!はぐれメタルはにげだした!!はぐれメタルはにげだした!!はぐれメタルはにげだした!!

魔法使い「……………」シュウウウ…

賢者「やっぱりルビスさまはケチだな…」

ルビス(そんな、ひどい…)

魔法使い「…あれからかなり魔物と戦ったけど、なかなかメタルは倒せないわね…」

商人「数は結構出るんだけどね…すぐ逃げるから、なかなか複数倒せない…」

賢者「でもさっきあなほりでなにかでてなかったか?」

商人「あ、そうそう、かなりのレアモノだよ、このなげきのたて!!きっとルビス様からの贈り物だね!!」モヨヨーン

魔法使い「そのもよよーんっていう明らかに呪われてそうなオーラを放ってるそれがルビス様からの贈り物なの…?」

ルビス(ち、違います!!)フルフル

賢者「ルビスさまはケチだからなー」

商人「やっぱりそうなのかなあ?もしかしてあたし達が勇者じゃないから…」

魔法使い「まあいいわ、もう1回竪琴弾いてみて。これでダメなら帰りましょう」

賢者「おー!!かえってごはんだ!!」ポロロン

はぐれメタルがあらわれた!!

魔法使い「出たわね、しかもまた6匹!!今度こそ逃がさない…賢者、貴方ドラゴラム使えるわよね?私が失敗したら唱えて!」

賢者「おー!!まほーつかいはどーするんだ?」

魔法使い「私は…今までとは違う方法を試してみるわ――混沌に投げ出されし力よ、星に宿りて光を示せ!!我が魔力、夜空に手を伸ばし――星の海より奇跡を掬え!!パルプンテ!!」ペカー

商人「わ、新魔法!?」ドキドキ

商人のきずがかいふくした!!賢者のきずがかいふくした!!魔法使いのきずがかいふくした!!

魔法使い「………」

ルビス(ああ、しっかり…)

商人「け、賢者ちゃん、ドラゴラムを!!」

賢者「おー!!けんじゃもかっちょよくなるぞ!!ドラゴラム!!」ゴゴゴ…

魔法使い「後は逃げない事を祈るのみだけど…」

はぐれメタルはにげだした!!はぐれメタルはにげだした!!

商人「ああ、また逃げた!!また…もう2匹しか残ってないよ、賢者ちゃん、早く!!」

賢者はもえさかるかえんをはいた!!はぐれメタルをたおした!!はぐれメタルをたおした!!

商人「やった、すごいよ賢者ちゃん!!やったね魔法使いちゃん!!」

魔法使い「ええ、よくやったわ賢者。帰ったらごちそうね」

賢者「おー!!ごちそう!!」シュウウウ…

ルビス(良かった、本当に良かった…)

――167日目、ルビスの塔入口

魔法使い「ふう、いろいろあったけど、ルビス様を復活させられて良かったわね」

商人「そだね、アイテムもたくさん手に入ったし!」

賢者レベル38「レベルもあがったな!!」

商人レベル41「うん、あの銀色を倒したからね!」

魔法使いレベル44「賢者のおかげね。私のパルプンテは不発だったけど…」

商人「あの魔法って結局何だったの?」

魔法使い「あれは何が起こるか分からない呪文なのよ。良い効果が出れば良いけど、今回みたいに不発になることも多いみたいね…」

商人「そうなんだ。お堅い魔法使いちゃんはあんまり好きそうじゃない魔法だけど…」

魔法使い「まあね。でも今なら私が失敗しても賢者がフォローしてくれると思ったし、実際そうなったしね。ありがとうね、賢者」

賢者「まかせろ!!おれーはごちそうでいいぞ!!」

商人「あはは、じゃあ今日はフンパツしちゃうよ!!さあマイラに戻ろう!!」

賢者「おー!!」

ルビス(…短い間ですけど、賑やかで楽しかったです。またいつか…)

賢者「ついたぞ!!ごちそうだ!!」

商人「うん、賢者ちゃんは先に宿屋に行ってて。あたしはちょっと用事があるから…」

魔法使い「あら、何かあるの?」

商人「ほら、おとといここの道具屋さんにオリハルコン売ったでしょ?もしかしたらあれで何か作ってるんじゃないかなーってさ」

魔法使い「ああ、そういえば…道具屋はジパングの刀鍛冶だという話だったわね」

商人「そうそう、今頃すごい剣が出来上がってたりして…こんにちはー」

道具屋いらっしゃいませ。おや、あなた方は…今、ちょうどこれが出来上がった所なんですよ、いかがですか?」

商人「こ、これすごい…これすごいですよ!!買います、買わせて下さい!!」

道具屋「ありがとうございます」

商人「いいえ、こちらこそ!!やった、魔法使いちゃん、やったよ!!」

魔法使い「ど、どうしたのよ!?落ち着いて…」

商人「落ち着いてられないよ!!これ、おうじゃのけんだよ!!すごいすごい!!」

魔法使い「おうじゃのけん…ってあの、大魔王が砕くのに三年掛かったっていう、あの?」

商人「そうそう、すごい、本当にすごいよ!!」

魔法使い「驚いたわね、そんな剣が、しかも2日で…ジパング恐るべし、ね…」

――169日目

賢者「きょうはどこいくんだ?」

魔法使い「そうね…今日はここの南にあるっていうリムルダールを目指しましょう。リムルダール以外にも、南に行けば何かあるかもしれないし…」

商人「そだね、この村の周りもいろいろ調べたいもんね」

魔法使い「じゃあ行きましょう。魔物が強いから気を付けて…」

商人「…この辺ってさ、死体のモンスター多いよね」

賢者「腐ってて食べれないぞ…」

魔法使い「そうね、人のも、魔物の死体も多いわね。やっぱり過酷な世界だからかしらね…あら」

賢者「おー、洞窟があるな」

商人「ホントだ!でも毒の沼地に囲まれて、いかにも危険そうな感じ…」

魔法使い「そうね、でも危険そうだからこそ何かあるかもしれないわ。行ってみましょう」

賢者「おー、せまいどうくつだな!!」

商人「ホントだね。ていうか、外から見たのとイメージ違う…」

魔法使い「もっとおどろおどろしい洞窟を想像してたけど…これは人工的なものね…」

商人「そうみたいだね…あ、誰かいるよ、こんにちは!」

大男「掘って、掘って…と。ん?なんだいお嬢ちゃん達は?」

賢者「ここでなにしてるんだ?」

大男「何って、見りゃ分かるだろ、トンネル掘ってるんだよ」

魔法使い「トンネルを?」

大男「ああ、海の魔物は強いからな、歩いてリムルダールへ行けるようにな。あーあ、早くリムルダールへ行きたいもんだぜ」

魔法使い「というと、今現在陸路ではリムルダールへは行けないのね?」

大男「ああ、このトンネルが完成するまではな。まあ気長に待っててくれよ、あ掘って、掘って…」

商人「歩いては行けないんだね、残念…」

魔法使い「仕方ないわね、別の方法で行きましょう」

賢者「なあなあ、なんでただのトンネルをどくのぬまちのなかでほるんだ?」

商人「えっ?それは…何でだろ?」

――170日目

魔法使い「さて、歩いて行けないなら、船しかないわね」

賢者「またイカが食べれるな!!」

商人「うーん、でもあのイカ強いからなあ…」

賢者「だいじょーぶだ、けんじゃがやいて食べてやるぞ!!」

魔法使い「ふふ、頼もしいわね」

商人「ホントだね。まあ、海からしか行けないなら行くしかないしね…」

魔法使い「じゃあ船のある所まで戻りましょう…結構遠いわね…」

賢者「おなかへっちゃうな。はやくイカ食べたいぞ!!」

商人「うーん、そんなにあのイカおいしかったっけ?」

魔法使い「まあ、量があるから良いんじゃないかしら?それに海にはイカ以外にもいろいろいるし…」

賢者「そうだ、イカのほかにもおいしいのがたくさんいたな!!マーマンつかまえたらしんメニューのマーマンのいけづくりをつくるぞ!!ふたりにも食べさせてやるからな!!」

商人「ええ!?活け作り!?あたしはちょっと…」

魔法使い「私も遠慮したいわね。しかしよくそんなメニュー思い付くわね…」

――まもののむれをやっつけた!!

商人「ふー、マーマン2体とイカ、何とか倒したね!!」

魔法使い「ええ、強敵だけど、私達も慣れてきたからそこまで苦戦もしなかったわ」

賢者「よーし、出来たぞ焼きイカ!!」ホカホカ

商人「わー、焼くとやっぱり美味しそうに見えるね」

魔法使い「そうね…で、あっちは…」

賢者「よーし、マーマンのいけづくりもできたー!!」

キングマーマン「」ピク…ピク…

商人「わ、わー、新鮮そー…」

魔法使い「………いかづちのつえ」ゴオオオ…

賢者「おお!?やきざかなになったぞ!?まほーつかいはやいたほうがすきなのか?」

魔法使い「そうね、あまりに哀れ過ぎてね…」

商人「そ、そうだね、焼いた方が美味しいね!!」

賢者「そっかー。でもやいてもおいしいな!!」

商人「そ、そうそう!…ふう、危なくR指定に…」

魔法使い「…さて、イカやマーマンを食べてる間にだいぶ南下したわね」

商人「うん、あっちに陸も見えてきたよ!あそこにリムルダールもあるのかな?」

魔法使い「さて、どうかしらね?まあ、降りてみれば分かるわ。二人とも支度してね」

賢者「おー!!おりるまでに食べおわるぞ!!」モグモグ

商人「うん、食べるだけじゃなくて、準備もしてね?」

魔法使い「まあ、途中でお腹空いたって騒がれても困るから、しっかり食べてもらった方が良いわね」

賢者「おー!!しっかり食べるぞ!!」ガツガツ

商人「しっかり食べてない賢者ちゃんって見たことないけどね…」

魔法使い「まあね…それはそうと、リムルダールの他にも聖なるほこらを探さなければいけないけど、今の所手掛かりがないのよね…」

商人「そういえばそうだね、アイテムは揃ったのに肝心の行く場所がまだ…」

魔法使い「まあ、次の町で何か情報があるかもしれないし、もしなければここからまた南下すればそのうち見つかると思うけどね」

商人「そだね、まずは次の町!何売ってるかなー?あ、もう陸に着くよ!」

魔法使い「ええ、下りましょう。賢者も準備出来た?」

賢者「おー、おなかいっぱいだ!!いくぞー!!」

魔法使い「…マイラ程ではないけど、森が多くて歩きづらいわね…」

商人「うん、岩山も多いし…」

賢者「なかなかまちがみえないぞ…」

魔法使いレベル45「ただ、魔物は他と比べて特別に強い訳でもないみたいね」

賢者レベル39「ぎんいろのやつもいるしな!!」

商人レベル42「またみんなでレベルアップ出来たね!!」

魔法使い「ええ、強くなるに越したことはないし…あら、見て二人とも、あの湖の真ん中に…」

商人「あ、町が見える!!」

賢者「おおー!!でもどうやっていくんだ?およぐのか?」

魔法使い「まさか…ほら、向こうは陸続きになってるわ。あっちからなら歩いて行けるわね」

賢者「おー、そうだな!!まちについたらごはんだな!!」

商人「またごはん!?さっきイカとか食べたのに…でも新しい町はワクワクするね!早くお買い物したいな!」

魔法使い「私は休みたいわね、マイラからここまでに結構魔力も使ったし…良い宿だと良いけど…」

賢者「ごはんがおいしいやどがいいな!!」

商人「あたしは安い宿がいいな!!さあ、早く行こうよ!!」

商人「さあ、無事に着いたね!おっ買いっもの!!おっ買いっもの!!」

賢者「ご は ん!!ご は ん!!」

魔法使い「息合わせなさいよ…まあ、最初は買い物かしらね」

商人「やった!!武器屋さんは…ここ!!こんにちは!!」

武器屋「はい、いらっしゃい」

賢者「おー、かっちょいいぶきがたくさん!!」

商人「うん、格好いいだけじゃなくて、この武器屋さんすごいよ。こっちの世界はどこもスゴい武器防具ばっかりだったけど、その中でもここはピカイチだね」

魔法使い「へえ、すごいわね。でも…私達が装備出来るものはあるの?」

商人「それなんだけど…このはやぶさのけんなら、あたしと賢者ちゃんが装備出来るんだけど…」

魔法使い「…けど?」

商人「このはやぶさのけんってね、軽いから2回連続で攻撃出来るんだけど、その文攻撃力は控え目なの。今のあたし達が装備しても…」

魔法使い「大したダメージは与えられない?」

商人「うん、残念だけどね…」

魔法使い「そう…なら仕方ないわね。それにどちらにしろ、お金足りないんじゃないの?」

商人「うん、実はね…だから今回は買うものはないかなあ…でも、いつかこれを装備出来るくらいになりたいね!」

魔法使い「さて、じゃあ後は宿屋に行きましょうか」

賢者「おー、ごはん!!」

商人「あたしも少しお腹空いたなあ…あれ?あの子、さっきからずっとこっち見てる…どうしたの、坊や?」

子供「ねえ、お姉ちゃん達って、今噂の大魔王を倒そうとしてる人達?」

魔法使い「噂の…?私達、噂になってたのね…」

賢者「おー、だいまおーも食べてやるぞ!!」

子供「そっかー、でもおそかったね。きっとオルテガのおじちゃんが先に大魔王を倒してくれるよ!」

商人「え!?オルテガ様!?オルテガ様が、ここに来たの!?」

子供「うん、この前ね。大魔王を倒しに行くんだって!」

魔法使い「オルテガ殿が、大魔王を…」

子供「そうだよ!お姉ちゃん達、もう遅いだろうけど、がんばってね!!」タタタ…

商人「あ、行っちゃった…ねえ魔法使いちゃん、オルテガ様が…」

魔法使い「ええ、そういえばラダトームや精霊のほこらでもオルテガ殿の名を聞いたわね。私達より先に大魔王を倒そうと…」

賢者「まずいぞ、さきに食べられちゃうぞ!!」

魔法使い「食べはしないと思うけど…」

老人「ああ、慌てる必要はなかろうて」

商人「わっ、今度はおじいさん!?どういう意味ですか?」

老人「哀れなり、オルテガ。魔の島へ渡る術を知らず、海の藻屑と消えたとか」

商人「ええ!?それって…」

魔法使い「にわかには信じがたいけど…」

老人「ああ、ワシも信じとうはない。じゃが…」

魔法使い「そうですか、ありがとうございます…」

商人「ま、魔法使いちゃん、オルテガ様は…」

賢者「なんだ、オルテガってしんじゃったのか?いっしょにだいまおー食べてもよかったんだぞ」

魔法使い「…大丈夫よ、今までだって亡くなってたと思ってたのに生きてらしたオルテガ殿ですもの、きっと…」

賢者「そっか、じゃあいっしょにだいまおーのいけづくりだな!!」

商人「大魔王の活け作り!?それはちょっと…でも、そうだよね、オルテガ様がそんなに簡単に死んじゃうわけないよね。うん、そうだよね、うん…」

――172日目

魔法使い「さて、この町でやる事はもうないわね。二人とも、支度は出来た?」

商人「うん、バッチリ!!」

賢者「たくさん食べたぞ!!」

魔法使い「よし、じゃあ…あら?何か騒がしいわね…」

町人「お待ちください!大魔王打倒を目指すご一行ですよね?」

商人「え?はい、そうですけど…何ですか?町の皆さん総出で…」

町人「ああ、良かった…これを、皆さんの旅のお役に立てていただきたくて…」

なんと さとりのしょをてにいれた!!

商人「こ、これってさとりのしょ!?スゴい!!」

魔法使い「これは…何故これを私達に?」

町人「大魔王打倒は我々の悲願でもあります。どうかお受け取り下さい」

剣士「それから…これを預かっていてくれないか?オルテガ様に届けて欲しいんだ」

なんと いのちのゆびわをてにいれた!!

商人「こ、これもスゴい…でも、オルテガ様は…」

剣士「海の藻屑になったなんて噂もあるが、この町の皆が信じてないよ。同じ目的を持つあんた達なら、いつかオルテガ殿に会うんじゃないかと思ってね」

魔法使い「なるほど…ではお預かりするわ」

子供「頑張ってね!!オルテガのおじちゃんによろしく!!」

商人「うん、絶対会って伝えるから!!」

賢者「いっしょにだいまおー食べてくるぞ!!」

町人「このアレフガルドをよろしくお願いします!!」

女性「あなた達の言う光が溢れる世界…ここもいつかそうなる、そう信じていますわ」

魔法使い「ええ、大魔王を倒せばきっと朝が来るはず。待ってて、きっと…」

商人「きっと、ううん、必ず大魔王を倒してきます!!じゃあ行ってきます!!」

賢者「じゃーな!!またごはん食べに来るぞ!!」

魔法使い「期待されると大変な所もあるけど…でも気持ちが入るわね。さあ、行きましょう!」

商人「…と、勇んで町を出たのは良いけど…」

賢者「どっちにいけばいいかわからないな!!」

魔法使い「そうね、まさかあの雰囲気の中聖なるほこらはどこですかと尋ねに戻る訳にもいかないし…」

商人「ちょっと、ううん、スゴくカッコ悪いよね…とりあえず南に向かってみる?」

魔法使い「そうね…まあ、聖なるほこらを探せばいいのは分かってるし、探し続ければ…」

ゴールドマンがあらわれた!!ダースリカントがあらわれた!!

商人「お、みたことないモンスターがいるぞ!!」

魔法使い「ええ、警戒して…商人?」

商人「見つけた…やっと見つけた、商人達の伝説ゴールドマン!!腕をもいで目玉をくり貫いて全部売り飛ばしてやるんだから!!」ゴゴゴ…

魔法使い「ちょっと、落ちつい…」

商人「たー!!とりゃー!!このっ!!このっ!!このおっ!!こ れ で も かー
!!」ドカバキグシャッ

――まもののむれをやっつけた!!

商人「さあさあさあ、血も肉も!!魂も!!全部全部売り飛ばしてあげる、アハハハハ!!」

賢者「しょ、しょーにん、こわいぞ…」カタカタ

魔法使い「金塊を前にするとこうも人が変わるのね。商人だから仕方ないのかもしれないけと…」

商人「はあ…少し興奮し過ぎたよ…」

魔法使い「やっと落ち着いたようね。もう、欲望丸出しにして…」

賢者「あいつ、食べてみたかったなー…」

魔法使い「食べられないでしょうあれは…ともかく、初見の敵だったんだし、あんな風に突っ込まれては困るわ。そもそも私達、そこまでお金に困ってる訳じゃ…」

商人「突っ込んだのは悪かったけど、お金はいくらあっても困らないよ!!まだまだ…」

魔法使い「はいはい。それより、結構歩いたけど、何も見えて来ないわね…」

商人「うーん、もうちょっと進んでみない?もしかしたら、またゴールドマンが…じゃなくてえっと、そろそろ聖なるほこらが見えてくるかもしれないし…」

魔法使い「欲望が隠しきれてないわよ…」

賢者「…お?なあなあ、あっちにほこらが見えるぞ!!」

商人「え、ホント?ほ、ほら、あたしの行った通り!!」

魔法使い「また調子の良い…でも、私にはまだ見えないわね」

賢者「あのいわやまのむこうだぞ!!でもふねでないといけなそうだぞ!!」

魔法使い「と、いうと…あの島のどこかにあるのね。じゃあ船に戻らないといけないわね。賢者、お手柄だったわね」

賢者「おー!!ごはんやまもりな!!」

魔法使い「山盛りじゃなかった時あったかしら…まあいいわ、聖なるほこらが見つかったのなら安いものね。さて、あそこには何が待ってるのか…」

――クラーゴンのこうげき!!つうこんのいちげき!!

商人「痛ぁい!?し、死にそうだよ…」

賢者「しょーにん、へーきか!?ちをぬくまえにしんじゃだめだぞ!!」

商人「何で食べること前提なの!?あたしよりイカを食べてよ!!」

魔法使い「商人、痛いでしょうけど、まずは敵を片付けるわ!!――炎天の主よその身を分けよ!!汝、堕ちたる太陽の双子よ、地上で再び神の名を纏え!!――メラゾーマ!!」ゴオオオ…!!

――クラーゴンをやっつけた!!

魔法使い「大丈夫、商人?」

商人「うん、ギリギリ…ヒットポイント30ちょい位かな…」

魔法使い「何よそれ…」

賢者「おー、いいひかげんのイカ!!」

魔法使い「ほら賢者、商人のケガを治してあげて。貴方の方が魔力に余裕があるんだから」

賢者「はーい…お、あれみてみて、あれがさっきみたほこらだぞ!!」

魔法使い「ほこら…?あ、あれね!やっと見つけたわ、聖なるほこらを!」

賢者「やったな、またけんじゃがさいしょにみつけたぞ、またごちそうだな!!」

商人「………回復魔法は?」

――173日目、聖なるほこら

ルビス(……)ソワソワ

賢者「おー、ここがせいなるほこらか!!」

ルビス(あ、来ました!!)

商人「あ、中に誰かいるよ!こんにちは!!」

神官「こんにちは。ここは聖なるほこら」

魔法使い「ここで良かったのね。やっと見つけたわ」

神官「うむ、よくぞ来た。今こそ雨と太陽が交わるとき!!」カッピシャアッ!!

ルビス(私の力も…それっ!)

なんと にじのしずくをてにいれた!!

賢者「お?なんだこれ?」

魔法使い「にじのしずく…確か、雨と太陽が交わるとき、虹の橋が架かる、という言い伝えをどこかで聞いたような…」

商人「そっか、これで大魔王の城のある島に橋を架けるんだね?」

賢者「ふーん、でもそれならルビスさまがくれればよかったのに。やっぱりルビスさまはケチだな!!」

ルビス(そんな、ひどい…)

神官「さて、もうここには用はないであろう。行くがよい」

賢者「おっちゃんのうしろのたからばこはなんだ?それもほしいぞ!!」

神官「ああ、これはもう空っぽだから気にしないように」

賢者「え?へんだぞ、だってにじのしずくはたいようのいしとあまぐものつえがあわさってできたんじゃないのか?」

商人「あ…そっか、最初から宝箱の中に入ってたなら その2つ持ってこなくても良かったんだもんね」

賢者「やっぱりそのなかにはなにか入ってるんだな?なんだ?おいしいものか?みせてみせて!!」ギャーギャー

神官「ううむ…実はこれはな、ワシの食料が入っておるのじゃ…」パカッ

賢者「あー!!やっぱり食べものかくしてた!!ちょーだい!!ちょーだい!!」ギャーギャー

魔法使い「もう!!神官殿だってごはんを食べなきゃいけないの!貴方だってごはんが食べられなかったら悲しいでしょ?」

賢者「ごはんが!?…………………うー、じゃああきらめるぞ……」グウウウ…

商人「ほ、ほら賢者ちゃん、町に戻ったらおいしいものいっぱい食べよ?ね?」

賢者「おー、じゃあはやくかえるぞ!!」グイグイ

魔法使い「はいはい、慌てないの…では、失礼します」

神官「うむ、気を付けてな」

ルビス(本当に賑やかな人達…どうかご無事で…)

――174日目、ラダトーム

賢者「おやぶーん、げんきかー?」

カンダタ「おお、お前か!お前こそ無事か?」

賢者「おー、いろんなモンスター食べたぞ!!」

カンダタ「そうか、そりゃ何よりだ!!」

カンダタ「おおそうだ、お前が持ってきた卵だが、まだ孵らないぞ」

賢者「そっかー…でもぜったいかえっておっきくなっておにくたくさんだからな!!おやぶん、食べちゃダメだぞ!!」

カンダタ「ああ、分かってるお前に黙ってそんな事しないよ…もうお前に勝てそうにないしな…」

商人「あー、そうだよね…」

賢者「おやぶん、けんじゃたちこれからだいまおー食べにいくんだぞ!!」

カンダタ「大魔王を!?…本当ですか?」

魔法使い「ええ、少し挨拶回りしてからだけど」

カンダタ「そうですか…いや、貴方達ならきっと出来ます、頑張って下さい!…おい、大魔王の肉、ちょっとくらい食わせろよな」

賢者「おー、もってきてやるぞ!!」

商人「絶対美味しくないと思うけどなあ…」

――ラダトーム城内

王様「…そうか、オルテガはまだ大魔王打倒を諦めておらなんだか。流石勇者と呼ばれる男…」

魔法使い「ええ、ただ安否は不明ですが…」

王様「いや、今までも安否は不明だったのだ。わしらは信じて待つだけじゃ。そなた達の事もな…」

魔法使い「ええ、必ず、とお約束はできませんが、きっと…」

商人「もうオルテガ様が倒しちゃってるかもしれませんし!」

賢者「さきにたおされたら…モグモグ…おにくもってかえれないぞ… 」モグモグ

魔法使い「もう、食べながら喋らないの!…王様、申し訳ございません」

王様「いや、今まで何度もこうやって勇者達と食事をしてきたが、同じ相手と再び食事をするのは初めてなのだ。みな、二度とは帰ってこなんだからな…」

魔法使い「そうですか…」

王様「だから、再びそなた達とこうやって食事を楽しめるのは嬉しいのだ。願わくば、また…」

魔法使い「ええ、きっと…」

商人「また来ます!!ね、賢者ちゃん?」

賢者「おー…モグモグ…また食べに…おかわり!!」

魔法使い「もう、この子は本当に…」

魔法使い「さてと…ここにも挨拶しないとね…私はお城に行くわ」

商人「あたしはまたちょっと取引に…」

賢者「けんじゃはルイーダねえさんのところでごはん食べるぞ!!」

魔法使い「あんまり食べ過ぎないのよ。言っても無駄だと思うけど…さあ、私はお城に…久しぶりね、ここも…あら」

兵士「おう、しばらくじゃないか。どうだ、調子は?」

魔法使い「ああ、久しぶりね。これから大魔王の本拠地に乗り込むから、その前に挨拶をね…」

兵士「大魔王に?お前は本当にスゴい奴だよ。これで王様も元気を出してくれればいいが…」

魔法使い「どうかしらね…?まあ、もし倒せたら元気も出るんじゃないかしら?」

兵士「もし、か。お前にしては弱気だな」

魔法使い「大魔王を向こうに回すんだからね…まあ、負けるために行くわけじゃないし、きっと帰って来るわよ」

兵士「そうか…じゃあ期待して待ってるかな。俺には何も出来ないが…そうだ、もし無事に戻ってきたら、食事でもどうだ?たまにはおごってやるぜ」

魔法使い「あら、嬉しいわね。出世してお給料上がったのかしら?そうね…じゃあ仲間と一緒にごちそうになるわ」

兵士「仲間と?お前…誘いがいがねえなあ…」

魔法使い「あら、そんな事ないわよ。私の仲間、すごい食べるから、覚悟しててね。じゃあ…」

兵士「ああ、達者でな………おいおい脈なしかよ、ったく、行き遅れても知らねえぞ…」

大臣「そうか、ついに大魔王に…本当にお主には頼ってばかりだな」

魔法使い「いえ、これが王様からの命ですから…で、その王様は?」

大臣「ああ、最近は部屋に閉じ籠ってしまってな…まあ、私が王位に着くには都合が良いがな、がはははは!!」

魔法使い「ふふ、そうですね。大臣はお変わりないようで…」

大臣「そんな事はない。王様がああだからな、私が王様の仕事までしなきゃいかん。王位に着くための予行練習とはいえ、大変だよ…」

魔法使い「でも、これくらいでへこたれていては、王様にはとてもなれないのでは?」

大臣「へこたれてなどおらんよ、なにせ私以外に王位を任せられる者もおらぬしな!!」

魔法使い「声が大きいですよ、姫様に聞かれたら大事です…そうだ、1つ報告が…」

大臣「ん?なんだ改まって」

魔法使い「以前報告に来たときには言い忘れていたのですが…下の世界にオルテガ殿がいたという情報が…」

大臣「なんと!?してオルテガは今何を?」

魔法使い「そこまでは…ただ、下の世界でも平和の為に戦っておられるそうです」

大臣「そうか…それは朗報だな!!」

魔法使い「あら、そうでしょうか?オルテガ殿が生還したら、大臣にとっては王位を争う最大のライバルに…」

大臣「おお、なんという事だ…!いや、一国民としてはやはりオルテガの無事は嬉しいが、いやしかし、ううむ…」

魔法使い「さて、お城での用事も済んだし…他の二人は…」

商人「あ、魔法使いちゃん、お城はもういいの?」

魔法使い「ええ、貴方の用事は?」

商人「うん、バッチリ!!ほら、これ見て、ふっかつのつえ!!これはね、使うとザオラルの効果があるんだよ!!すごいでしょ!!」

魔法使い「ザオラルの…?すごいわね。それで、もう1つのそれは?」

商人「え、これは…しんぴのビキニっていうんだけど、これは…」

魔法使い「なるほど、貴方が着るのね。似合うと思うわ」ニッコリ

商人「き、着ないよこんなの!!見かけによらず良いものだったから、つい…」

魔法使い「…まあ、いいわ。それより賢者はどうしてるかしら?」

商人「あ、そ、そうだね!賢者ちゃんは酒場に行ったんだよね?まだ食べてるかな…こんにちはー!」

賢者「おー、ふたりとも!!」モグモグ

魔法使い「…まだ食べてたわね」

ルイーダ「ああ、二人とも。聞いたよ、なんだかすごい魔物を相手にするんだって?」

商人「ええ、まあ…」

ルイーダ「そうかい、頑張っておくれよ。あんた達が魔王を倒したってのに、一向に魔物が減らないから、みんななんとなく不安みたいでね…」

魔法使い「…そう。無理もないわね…」

ルイーダ「でも、今度こそ魔物達の親玉をやっつけるんだろ?みんな期待してるからね!!」

賢者「おー!!みんな食べてやるぞ!!」

商人「うん、きっと平和になるよ。きっと…」

魔法使い「ええ、きっとね。じゃあルイーダさん、私達はこれで…賢者、行くわよ」

賢者「もうちょっと…ごくん。おー、ルイーダねえさん、またな!!」

ルイーダああ、待ってるよ!」

商人「さようなら、みんな元気で!!」

魔法使い「…さて、アリアハンでの用事もあらかた済んだわね。あとは、いよいよ…」

賢者「だいまおー食べにいくんだな?」

商人「まだ食べる話なの!?…でも、いよいよ…」

魔法使い「ええ、いよいよね。いよいよ大魔王との対決、そして私達の旅の終わりも…」

――177日目、リムルダール

商人「ほら二人とも、見てみて、あなほりしたらしあわせのくつが出てきたよ!!幸先いいね!!」

賢者「おー、レベルのあがるくつ!!」

魔法使い「確かに、幸先は良さそうね。それはそうと、確かリムルダールの西にこのにじのしずくを使う岬があるはずだけど…」

商人「もうそろそろだよね…あ、ここじゃない?」

賢者「おー、むこうがわがみえるぞ!!およいでいけないのか?」

魔法使い「これは無理じゃないかしら…海、物凄く荒れてるもの…」ザッパーン

商人「うん、これはちょっと…でも!!だからこそこのにじのしずくの出番だよ!!それっ!!」ピカーッ!!

ルビス(…いよいよですね…皆さん、護武運を…それっ!!)パアアア…

賢者「おー、にじがでたぞ!!」

魔法使い「ええ、虹が…いえ、これは…橋!?橋が…海峡に…架かる…!」

商人「わあ、すごい…まるで奇跡だね…」

ルビス(ふふふ、私の力ですから!)ドヤッ

賢者「うーん、でもこれっぽっちのながさのはしをかけるだけなんだな、だいまおーのしろまでとばしてくれればいいのに…やっぱりルビスさまはケチだな!!」

ルビス(そんな、ひどい…)

商人「…わあ、この橋、ちゃんと渡れるのか不安だったけど…」

魔法使い「ええ、しっかりした橋ね。これなら…」

賢者「はしってもへーきだな!!それー!!」ダダダ…

魔法使い「ほら、走らないの!落ちたら大変よ、もう…」

商人「本当、これから大魔王と戦うのに、よくあんなに元気で…」

賢者「なあなあ、だいまおーってどんなあじかな?あまいかな?すっぱいかな?」

魔法使い「…この子には不安なんて無縁みたいね…」

商人「そだね…でも賢者ちゃん、その質問には世界中の誰一人答えられないよ…」

賢者「お?ほら、あそこ、おしろがみえるぞ!!」

商人「あ、ホントだ!あれが…あれ?お城、2つ見えるよ?ほら、海の向こうにも…」

魔法使い「あれはラダトーム城じゃないかしら?ほら、あの門の形…」

商人「ああ、そっか。じゃあ…今辿り着こうとしてるこのお城が…」

魔法使い「ええ、こっちが大魔王の城ね。さあ、行くわよ、覚悟は出来た?」

賢者「おー、いつでも食べれるぞ!!」

商人「ホント言えばやっぱりちょっと怖いけど…うん、行こう!!」

――大魔王の城

賢者「おー、ここがだいまおーのしろか!!」キョロキョロ

商人「立派なお城だね…ダンジョンにありがちなクモの巣とかカビ臭さとかもないし…」

魔法使い「大魔王の城だからね。そんなしみったれた感じにはならないでしょ」

商人「これってやっぱり手下のモンスター達がマメに掃除してるのかな?」

魔法使い「どうなのかしらね…大魔王ですもの、魔力でなんとかするんじゃない?」

商人「うーん、でも魔力でとはいえ自分でお掃除してる大魔王もちょっとイメージ違うなあ…」

賢者「ぶかのモンスターたちがしごとでそうじしてるんだぞ!!しごとがないとごはん食べれないんだぞ!!」

商人「大魔王 配下も給料制なのかなあ?福利厚生とかどうなってるんだろ?」

魔法使い魔法使い「私に聞かれてもね…さあ、無駄話はここまでよ。例えお城が綺麗でも、漂う魔物の気配までは消しきれてない…いえ、消す気もないんでしょうね」

商人「うん、感じるよ…でも、あたし達なら大丈夫、きっと…」

トロルキングがあらわれた!!バルログがあらわれた!!

魔法使い「出たわね、見たことない魔物もいるけど…まずはあの大きな方から倒すわよ!!ベギラゴン!!」ゴオオオ…!

商人「バシルーラされるといけないもんね、それっ!!」ドカバキ

賢者「でっかいおにくでステーキだぞ!!」ビシバシ

――トロルキングをたおした!!トロルキングをたおした!!

バルログはザラキをとなえた!!

賢者「しょ、しょーにん!?だいじょーぶか!?」

商人「う、うん、平気…それっ!!」ドカッ

――まもののむれをやっつけた!!

魔法使い「ふう、大きな被害もなく…商人?」

商人「あ…これ、いのちのいしが…」バラバラ…

魔法使い「…身代わりに砕けたのね。良かったわね、持ってて」

商人「そだね…ねえ、魔法使いちゃん…」

魔法使い「ほら、予備のいのちのいしを持って…不安になるのは分かるわ。でも大丈夫よ、私達が付いてるわ」

商人「…うん、そうだね。よし、行こう行こう!!」

魔法使い「…さすがに魔物達の本拠地ね、強敵ばかりだわ…」

賢者「トロルとライオンはおいしかったぞ!!」

魔法使い「捌くのも食べるのも早いわね…でも、思ったよりずっと消耗が激しいわね…出来れば今日中に決着をつけたい所だけど、撤退も選択肢に入れておかないとね…」

商人「そだね、無理だけは…あ、賢者ちゃん、一人で先に行っちゃダメだよ!!」

賢者「おー、ほら、見てみて、でっかいぞう!!」

魔法使い「像…?厳めしい像ね、それに今にも動き出しそうな…」

ゴーーーン!!

商人「へ!?な、なんの音!?」

魔法使い「後ろの…扉が閉まった?閉じ込められたわね…」

――我等は大魔王の部屋を護るもの!!

賢者「なんだ?どこでしゃべってるんだ?」キョロキョロ

――我等を倒さね限り、先には進めぬぞ!!

ゴゴゴゴゴゴ…

商人「ぞ、像が動き出した…!」

魔法使い「本当に動いたわね…でも大魔王の城だもの、これ位は…さあ、やるわよ!!」

――だいまじんがあらわれた!!

商人「これって、あのやたら力の強いモンスターだよね…そんなのが2体も…」

魔法使い「大丈夫、今までだって戦って来たもの…ベギラゴン!!」ゴオオオ…

商人「そ、そだね、えいっ!!」ドカッ

賢者「こいつらはたべれないなー…それっ!!」ビシャッ

魔法使い「あとはいかづちのつえを使って、二人が攻撃すれば倒せるはず…!?」

だいまじんのこうげき!!だいまじんのこうげき!!

商人「痛っ!!た、倒せないの!?こいつら、こんなに丈夫だったっけ!?」

賢者「くそー、食べれないくせにー!!そりゃー!!」ドカッ

だいまじんたちをやっつけた!!

魔法使い「ふう、倒せたけど…先は長そうなのに、こんなに消耗していては…」

――だいまじんがあらわれた!!

商人「またこいつらと戦うの!?」

魔法使い「厳しいけど…一斉に掛かって来なかっただけましかもね。ベギラゴン!!」ゴオオオ…!

賢者「食べれないからおなかがへるだけだぞ…」ビシャッ

商人「頑張って賢者ちゃん!それっ!!」ドカッ

だいまじんのこうげき!!つうこんのいちげき!!

商人「ひっ!?いったあ…」フラフラ

魔法使い「大丈夫!?」

商人「うん、まだまだ平気、あたし頑丈だから!!それっ!!」バキャッ

魔法使い「出し惜しみはなしね、もう一発…ベギラゴン!!」ゴオオオ…!

――だいまじんたちをやっつけた!!

商人「倒した、倒したけど、まだ…」

賢者「あと2たいぞうがあるぞ…」

魔法使い「ええ…でも戦うと分かってるから、準備は出来るわ。二人とも、回復を忘れないでね」

――だいまじんがあらわれた!!

魔法使い「今までは節約しようとしてかえって消耗してしまったわ。今度は最初から全開で行くわよ!イオナズン!!」キャボーン!!

商人「それっ!!このぉっ!!」ドカバキ

賢者「このー!!なんでにくじゃないんだー!!」ビシバシ

――だいまじんたちをやっつけた!!

魔法使い「よし、結果的に一番消耗が少なくて済んだわね」

商人「でも、ここまででかなり体力も魔力も使っちゃったよ…どうしよう?引き返す?」

賢者「ええー!?もうか!?」

魔法使い「……いえ、まだ行きましょう。まだ空っぽになった訳ではないし、それに…いざとなればいのりのゆびわも、まだたくさんあるわよね?」

商人「うん、まだっていうか、今まで1つも壊れてないよ!」

賢者「おー、うんがいいな!!」

魔法使い「なら進みましょう。ここで引き返してたら、いつ大魔王まで辿り着けるか分からないわ。もっと敵陣深くまで行きましょう…」

商人「あ、でも後ろの扉が閉まって閉じ込められたから、どっちにしろ戻れないのか…」

ゴーーーン!!

賢者「お?なんのおとだ?」

魔法使い「扉が開いたみたいね。これで進めるし戻れるわ」

商人「ああ、良かった…戻らないにしても、退路は確保したいもんね…で、進んでみたは良いものの…玉座はあるけど誰も居ないね…」

賢者「ここじゃないのか?ほかにかいだんでもあるのか?」

魔法使い「いえ、それならあの門番みたいな魔物がここに居た意味がないわ。あの魔物達、この先には進ませない、ってはっきり言ってたからね…」

商人「ああ、言ってたね。てゆうか、それじゃあのモンスター達、あたし達にヒントくれたようなもんだね…」

魔法使い「ええ、でもここには何もない、これはどういう…待って、確かリムルダールかどこかの囚人が、玉座の後ろに秘密の階段があるって…賢者!」

賢者「おー、調べてみるぞ…あ、かいだんだぞ!!」

商人「ホントだ!!やったね魔法使いちゃん!!」

魔法使い「ええ、これで先に進めるわね。さあ、行くわよ――」

商人「…階段を下ってみたけど、ここは狭い部屋だね…」

賢者「またかいだんがあるぞ!!」

魔法使い「そうね、また下りね。さあ、もたもたしないで…」

商人「あ、待って、あなほりしたい!」

魔法使い「…普段通りね。感心するわ」

商人「普段通りじゃないよ、びびってるよ!!でも商人としての本能が体を動かすの!!」

魔法使い「あなほりするのが本能なの…?」

賢者「けんじゃは食べるのがホンノーだぞ!!」

魔法使い「知ってるわよ…」

商人「うん、知ってるね…あーあ、2ゴールドが4回だけかあ…大魔王の城だから、豪華な物が出てくるかと思ったんだけど…」

魔法使い「魔物達の本拠地ってそういう事を期待する所かしら…?」

賢者「おかねがあるってことはやっぱりモンスターもきゅうりょうもらってるんだな!!食べないといきていけないもんな!!」ウンウン

商人「うーん、このお金ってそういう事なのかな…?」

賢者「お、やっとひろいところにでたな!!」

商人「うん、でも床が穴だらけだよ。それに…」

魔法使い「ええ、これは滑る床のようね。不用意に進んでも下に落ちるだけだわ」

賢者「じゃあどうするんだ?しょーにんをさきにおとすのか?」

商人「なんで落ちなきゃいけないの!?落ちたくないよ!!」

魔法使い「そうね、落ちたくないわね…待ってて、今落ちないように歩けないか考えてるから…」

商人「え?どうすればいいか分かるの?」

魔法使い「ルビス様のいた塔で散々滑ったり落ちたりしたからね…うん、分かったわ。行きましょう」

商人「え?ほ、ホントに?」

賢者「ムリしなくていいんだぞまほーつかい、しょーにんをおとせば…」

商人「だから落ちたくないよ!!…って魔法使いちゃん、こんなにスイスイ進んで良いの!?」

魔法使い「ええ、大丈夫よ…ここはこうで…ここは…ほら、上手く進めたわよ」

賢者「おお、すごいぞまほーつかい!!」

商人「うーん、さすがいのちしらずに変わってもきれものだね!!」

魔法使い「これくらいはね…それに、この程度で足止め出来ると思われてもね…」

商人「…結構消耗はしてるけど、順調といえば順調だね」ゴソゴソ

魔法使い「まあそうね…って何してるの?」

商人「あ、これね、さっきあなほりで見つけたどくけしそうだよ。多分使わないからしまっておこうと思って…」

賢者「それにがいからな、しまっていいとおもうぞ」ウンウン

魔法使い「ああ、袋を出したついでに、ひかりのたまも出しておいてもらえる?大魔王と対峙したのにひかりのたまは袋にしまいっぱなしじゃ笑い話にもならないわ」

商人「あ そだね…っと。はいこれ、誰が持つ?」

魔法使い「私が持つわ。ほしふるうでわを着けてる私が一番素早く使えそうだからね」

商人「じゃあはい、魔法使いちゃん!賢者ちゃんもいいよね?」

賢者「それはおいしくないからいいぞ!!」

魔法使い「かじったのね…」

商人「あはは…でも、こういう準備をしてるとホントにいよいよって気がするよ。大魔王、かあ…」

マントゴーアがあらわれた!!

賢者「お、あいつはおいしいやつだぞ!!」

魔法使い「本当、良くおなか壊さないわね…さあ、やるわよ!イオラ!!」ドカーン!

賢者「ムチでたたいて柔らかくするぞ!!」ピシャッ

マントゴーアをやっつけた!!

マントゴーアはメラゾーマをとなえた!!マントゴーアはバギクロスをとなえた!!

賢者「わー、きられてやかれてステーキになっちやうぞ!!」

魔法使い「ステーキになるのはイヤね…商人!」

商人「うん!!とー!!」ドカカッ

――マントゴーアをやっつけた!!

商人「ごめん、あたしの攻撃が遅れて…」

魔法使い「平気よ、それに貴方達はまだ魔力に余裕あるでしょ?回復出来るから大丈夫」

商人「あ、そうだね、ベホマラー!!」ピカー!

賢者「おー、げんきいっぱいだ!!」

魔法使い「このペースなら魔力持つと思うけど…先が見えないから不安にもなるわね…」

商人「―てい、たぁ、とー!!」ドカバキ

マントゴーアをたおした!!

アークマージはザオリクをとなえた!!マントゴーアはいきかえった!!

魔法使い「完全蘇生呪文!?厄介ね…ヒャダイン!!」カキーン

マントゴーアをたおした!!エビルマージをたおした!!

賢者「こんどはいきかえらせるまえにたおすぞ!!そりゃー!!」ザクッ

――まもののむれをやっつけた!!

商人「うーん、ホントに厄介なモンスターばっかりだね…」

魔法使い「本当ね。だんだん魔力も少なくなってきたわ…」

賢者「…お?おー、あそこにたからばこがあるぞ!!」

魔法使い「大魔王の城のお宝…魔物じゃないの?」

商人「ううん、きっと物凄いお宝だよ!!…それっ!!」パカッ

なんと もろはのつるぎをてにいれた!!

魔法使い「あら、凄いお宝ね。で、これいくつ目かしら?」

商人「ろ、6…あーあ、初物じゃない上に呪いの剣かあ…いかにも大魔王
のお城のお宝だけど…現実は厳しいね…」

――まもののむれをやっつけた!!

魔法使い「よし、良い調子で…」

賢者はレベルがあがった!!

賢者レベル40「おー!!おーだいとっぱ!!」

商人レベル43「やったね!!これでこのお城に来てからみんなレベルが上がったね!!」

魔法使いレベル46「そうね、レベルは高いほど良いから…」

賢者「これでパルプンテがつかえるようになったぞ!!」ドヤッ

商人「おお、すごいね賢者ちゃん!!」パチパチ

魔法使い「やったわね…これで私が使えて賢者が使えない呪文は無くなったわね。嬉しいような、淋しいような…」

商人「そうなんだ…でも魔力は魔法使いちゃんが2倍くらいあるよね?」

魔法使い「流石に2倍まではないけど…」

賢者「あととしのこーだな!!」

魔法使い「年寄りみたいに言わないでよ…でも、仲間が強いのは心強い事だわ」

商人「そだね!!よーし、首を洗って待っててよ大魔王ー!!」

賢者「もうすぐ食べにいくからな!!」

商人「…このお城も、かなり奥まで来たよね…」

魔法使い「そうね、そろそろ何かあっても良さそうだけど…」

賢者「なにかってなんだ?ごはんのじかんか?」

魔法使い「違うわよ…そろそろ、大魔王の住処にたどり着いても良い頃…」

商人「それか大魔王のお宝の在処とか!」

魔法使い「まだ諦めてないのね…」

賢者「でもここ、おたからのにおいするぞ!!しかもたくさん!!」

商人「おー!!ね、魔法使いちゃん、聞いた聞いた?お宝、たくさんあるって!!」

魔法使い「それは良いけど、また呪いの剣とかじゃないの?」

商人「そ、そんな事ないよね賢者ちゃん…賢者ちゃん?」

賢者「なあなあ、あそこにひとがいるぞ」

魔法使い「人が?私にはまだ見えないけど…」

商人「あたしにも…こんな所にいるなんて、やっぱりモンスターかな?…ううん、違う、あれ、モンスターと戦ってる!!」

魔法使い「どういう事かしら…行ってみましょう!」

商人「あれ、すごい大きなモンスターじゃない?」

賢者「おろちみたいなやつだな!!」

魔法使い「ええ、それに立ち向かってるのはたった一人みたいね、早く行って助太刀に…」

ゴロピカドーン!!

商人「きゃっ!?な、なに!?」

魔法使い「あれは…ライデイン!?稲妻の呪文は勇者だけが使える呪文のはず…まさか!?」

商人「え、ど、どういう事!?」

賢者「あー!!ニンゲンがやられてるぞ!!」

魔法使い「いけない!!二人とも、戦闘準備を!まだ遠いわ、お願い、間に合って…」

商人「あ、あたしが回復に回るね!!賢者ちゃんは…」

賢者「あー、もう…」

――キングヒドラはほのおをはいた!!

男「ぐわあああ…!!」

魔法使い「まずいわ、間に合わない…!もう少し、もう少し堪えて…」

賢者「あ、モンスターがにげてくぞ!!」

商人「良かった、間に合いそう…待ってておじさん!!」

男「だ、誰かそこにいるのか…?私にはもう何も見えぬ、何も聞こえぬ…」

魔法使い「しっかり!!今回復呪文を…」

男「私の名はオルテガ…今、全てを思い出した…」

商人「お、オルテガ様!?」

魔法使い「商人、早く回復を!!」

男「もしそなたがアリアハンに行く事があったら、そこにいる勇者に伝えてくれ…」

商人「それは自分で…!」

賢者「しょーにん、あぶない!!」ガバッ

商人「え!?も、モンスター!?逃げたんじゃ…!」ドッ

キングヒドラはほのおをはいた!!

男「平和な世に出来なかった父を…許し…ぐふっ!!」

魔法使い「オル…!!」

商人「そ、そんな…」

賢者「もえてはいになっちゃったぞ…これ、いきかえらせれないのか?」

魔法使い「………姿形がなくなるまで燃えてしまっては、もう…」フルフル

商人「そんな、オルテガ様…あ、も、モンスターは!?」

魔法使い「…いなくなったみたいね。今度こそ逃げたみたい…」

賢者「あいつ、だいまおーのてしたか?」

魔法使い「おそらくね…オルテガ殿を倒す程の魔物…」

商人「オルテガ様…せっかく会えたのに…こんな事って…」

魔法使い「…私達はずっとオルテガ殿の後を追って旅をしてきたようなもの…ノアニールでもアッサラームでも、そしてムオルでも私達はオルテガ殿の噂を聞いたわね。もしかしたら、人知れず魔物を倒して、私達の旅が楽になっていたのかもしれない。この偉大な勇者のお陰で…」

商人「…うん」

魔法使い「この城でだって、もしかしたら大魔王の手下を倒していてくれてたのかも…でも、これからは私達が自ら道を開かなければいけない。大魔王を目前にして…」

賢者「だいじょーぶだぞ!!おっちゃんがいなくてもけんじゃたちさんにんなら!!」

商人「そ、そうだね。うん、きっとそう、ううん、絶対!!絶対そうだよ!!」

魔法使い「ええ、ここで引くわけにはいかないわ。オルテガ殿の為にも、アリアハンの勇者殿の為にも。そう…」

(もし私達が倒れても、若き勇者殿の戦いが少しでも楽になるように…)

賢者「うーん、オルテガのおっちゃんといっしょにだいまおー食べれなかったな…」

魔法使い「まあオルテガ殿は大魔王を食べはしなかったと思うけど…」

商人「ねえ、魔法使いちゃん。魔法使いちゃんもそうかもしれないけど、オルテガ様ってあたしが物心つく頃にはもうアリアハンに居なかったけど、みんな…両親もきょうだいも、町の人達もみんながオルテガ様を尊敬してて…」

魔法使い「ええ…」

商人「そんなオルテガ様を追っかけてるみたいで…オルテガ様みたいになったような気がして、あたし、旅が楽しくて、それで…」

魔法使い「うん、私もよ…」

商人「でももう、オルテガ様はいなくて…なんか…悲しいね…」

魔法使い「ええ…でも、だからこそ、私達は目的を果たして帰らなくちゃ。帰って、やっぱりオルテガ殿は大魔王に一人挑んだ偉大な勇者様だったって、アリアハンの人達に、オルテガ殿の家族に伝えなければいけないわ…」

商人「うん、分かってる…ここでくよくよしてられないよね…よーし!!ねえ賢者ちゃん、お宝、たくさんあるんでしょ?どこにあるかなあ?」

賢者「んーと、もうそろそろだぞ!!」

商人「そっか、じゃ早く行こうよ!!ね、ね?」

魔法使い「ええ、行きましょう…あの子も強くなったわね…」

賢者「ほら、たからがあったぞ!!」

商人「おー!!いちにいさん…宝箱が6つも!!やったね!!さ、賢者ちゃん、開けよ!!」

賢者「おー、あけるぞ!!」パカッ

なんと ひかりのドレスをてにいれた!!

商人「わー、こ、これは…これはすごいよ!!直接攻撃も、炎も吹雪も、それに魔法まで防いでくれる超優れものだよ!!」

魔法使い「そんなにすごいの?確かに、普通ではないのは分かるけど…」

商人「うん、すっごい!!あたし達が今まで見つけた防具の中でもピカイチじゃないかな?」

賢者「すっごいな!!食べれないけどな!!」

商人「あたしもこんなにすごい物があるなんて、こうやって目の前にしても信じられないくらいだよ…で、どうしよう?これ、誰が装備する?」

魔法使い「それはやっぱり貴方じゃないかしら?私達の中で一番装備が不安だったし…」

商人「え…良いの?確かにあたし、こっちの世界に来てからも兜以外は新調出来なかったけど…」

魔法使い「ええ、私達は鎧は新調したし…」

商人「そ、そっかあ、じゃあお言葉に甘えて…えへへ、あたしがこれ着たら、今までより更にきゅーとでせくしーだいなまいつに…」

魔法使い「はいはい、それでもいいから、防具を新しくした分しっかり働くのよ」

商人「うーん、やっぱりドレスを着るとテンション上がっちゃうね!!」

魔法使い「もう、魔物の総本山なんだからあんまりはしゃがないのよ。さて、他の宝箱は…」

賢者「ほらほら、ゆびわだぞ!!」

商人「あ、いのりのゆびわだね。これ、確か20個位あったはず…」

魔法使い「まあ、あって困るものじゃないし…他は?」

賢者「んーと、なんかあおいいしがあったぞ。なんだこれ?」

商人「こ、これって…まさか、けんじゃのいし!?」

魔法使い「けんじゃのいし!?私も名前だけは聞いたことがあるけど、まさか…」

商人「うん、これはすごいよ。戦ってる時に使うとみんなの傷を治せるの!!しかも何回使ってもなくならないよ!!」

賢者「おー、おなかもへらないのか?」

商人「そ、それはどうだろう…?でもこれは回復魔法が使えない魔法使いちゃん用だね!はい!!」

魔法使い「ええ、ありがとう。じゃあこのけんじゃのつえは賢者に渡しておくわね」

商人「これでかなりの戦力アップだね!!これなら大魔王もイチコロだよ!!あ、戦力よりもあたしのせくしーだいなまいつさにメロメロになるかもしれないけど…」

賢者「それはないぞ!!」

商人「そ、そんなに断定しないでよ!!」

魔法使い「それで、残りの宝箱は?」

商人「えっとね、せかいじゅのはとか、いのちのいしとか…」

魔法使い「せかいじゅのははいいわね。いのりのゆびわと一緒で、たくさんあって損はないし…」

賢者「なあなあ、そのはっぱ、いちまいだけ食べちゃダメか?」

商人「賢者ちゃん、これは貴重なモノだから…」

魔法使い「そうよ、それにまんげつそうよりも更に苦いわよ、きっと」

賢者「うー…じゃあやめとくぞ…」

魔法使い「そうね、それにもし死んだらイヤでも食べさせてあげる」ニッコリ

商人「こ、怖いよ魔法使いちゃん…」

魔法使い「さて、これでこの宝物庫にはもう何もないわね。じゃあ先に進みましょう」

商人「そだね、行こう!!」

賢者「そろそろだいまおーがでてくるかな?はやく食べたいぞ!!」

魔法使い「そうね、きっとそろそろよ。二人とも、油断しないでね…」

商人「でも実際、大魔王が出てくるまでどのくらいなんだろうね?」

魔法使い「私は本当にもうそろそろだと思うわ。さっきの…オルテガ殿と戦ってた魔物、あれはきっと大魔王を守る為に配置されてる魔物だと思うの」

商人「ああそっか、あれだけ強いんだもん、そこら辺のザコじゃないよね」

魔法使い「そこら辺の雑魚にも私達結構苦戦してるけどね…」

賢者「さっきのおっちゃんとたたかってたモンスター、もうそろそろあえるのか?あれはおいしそうだったな!!」

商人「あー、やまたのおろちそっくりだったよね。やまたのおろちも美味しかったから、あのモンスターも…」

だいまじんがあらわれた!!アークマージがあらわれた!!まもののむれはいきなりおそいかかってきた!!だいまじんのこうげき!!アークマージはイオナズンをとなえた!!アークマージはイオナズンをとなえた!!

賢者「わー、モンスターだぞ!!」

魔法使い「いけない、完全に不意を突かれたわ!!呪文攻撃が…!」

商人「痛い痛い痛い!!ふ、二人とも大丈夫!?」

魔法使い「大丈夫、とは言い難いけど…貴方達はまずあの魔術師達を倒して!蘇生が出来るあいつらを先に倒さないと…」

賢者「分かったぞ!!とりゃー!!」ビシャッ

商人「で、でも魔法使いちゃん、傷が…!」

魔法使い「大丈夫よ、さっき手に入れたけんじゃのいしがあるから…それっ!」パアア…

商人のきずがかいふくした!!賢者のきずがかいふくした!!魔法使いのきずがかいふくした!!

商人「す、すごい…!よーし、これなら…それっ!!」ザクザクッ

アークマージはイオナズンをとなえた!!アークマージはイオナズンをとなえた!!

魔法使い「っつう…本当に厄介な魔法使いね…でも、もう1度けんじゃのいしで…!」パアア

商人のきずがかいふくした!!賢者のきずがかいふくした!!魔法使いのきずがかいふくした!!

賢者「すごいすごい、ケガがパーってなってピカーッてなおったぞ!!」

魔法使い「でも相手の攻撃も強烈よ、早く倒さないと持たないわ!」

商人「だいじょーぶ!!それっ!!」ザクザクッ

アークマージをたおした!!

賢者「けんじゃもこうげきだぞ!!」ビシバシッ

アークマージをたおした!!アークマージをたおした!!

魔法使い「よし、残りはあの大きいのだけよ!!」

商人「うん、いっくよー!!」ドカバキッ

賢者「それー!!」ザクッ

――まもののむれをやっつけた!!

魔法使い「ふう、完全に油断してたわね。ここは敵の本拠地、それを忘れていたわ…」

商人「油断大敵だね。でもその石すごいよ!!これなら大魔王だって…!」

魔法使い「ええ、確かにすごいけど、戦うのは私達。あまり道具に頼りすぎては駄目よ」

賢者「そうだな、食べるのもけんじゃたちだもんな!!」

商人「言ってる事分かってるかなあ?…あ、二人とも見てみて、階段だよ!!」

魔法使い「…この階段は…二人とも、警戒してね」

賢者「そろそろだいまおーか?」

魔法使い「ええ、きっとね…だから慎重に…」

商人「あ、待って、あたしあなほりしたい!!よっせ、よっせ…よしっ、なげきのたてゲット!!…って、呪いの盾かあ…」

賢者「さきゆきがあやしいな!!」

魔法使い「本当にね。まあ、大魔王が待ってる以上、先行きなんて分からないけどね…」

商人「…階段を下りてみたけど…ここ、真っ暗だね…それに…」

魔法使い「ええ、ものすごい圧力を感じるわ。しかもこれは…やっぱり大魔王だけがいるわけではないわね」

賢者「けはいがたくさんするぞ…ぜんぶ食べてやるぞ!!」

商人「ほ、ホントに食べるの…あ、明かりが!?」

ボッ…ボッ…ボッ…ボッ…ボッ…ボッ…

賢者「おー、あかるくなったな!!…お?だれかあるいてくるぞ!!」

魔法使い「あれは…あれは…!」

???「商人よ!!生け贄の祭壇へよくぞ来た!!」

商人「こ、この声…!アリアハンで聞いた大魔王の…!大魔王が、大魔王があたしの名前を…!」

大魔王「我は全てを滅ぼすもの!!」

賢者「うー、すべてを食べるのはけんじゃだぞ…!!」

大魔王「生きとし生けるものを生け贄とし、世界を絶望で覆い尽くしてやろう!!」

魔法使い「勝手な事を…!そんな事はさせないわ…!」

大魔王「商人よ、我が生け贄となれい!!出でよ我が僕達、こやつらを八つ裂きにして――その苦しみをワシに捧げよ!!」ゴオオオ…!!

キングヒドラがあらわれた!!

賢者「おー、おいしそうなモンスターだな!!」モグモグ

魔法使い「何を食べてるの?こんな時に…」

商人「ホント、やまたのおろちそっくりだよね」モグモグ

魔法使い「商人、貴方まで…」

商人「ち、違うよ、最終決戦の前に種を食べてたの!ちからのたねとすばやさのたねと…」

賢者「かしこさのたねも食べたぞ!!」

魔法使い「緊張感ないわね…相手はオルテガ殿を倒した程の魔物よ?油断しないで…」

商人「油断してないよ!!むしろ警戒してるからぱわーあっぷしてるんだよ!!ね、賢者ちゃん?」

賢者「おー!!おなかへったからな!!」ボリボリ

魔法使い「ただのおやつの時間じゃない…まあいいわ、腹が減っては、と言うし…でもたくさん食べたからには、ちゃんと戦ってもらうわよ!」

賢者「おー!!あいつも食べるぞ!!」

商人「賢者ちゃんは種だけじゃ絶対足りないもんね…じゃあやろっか!まずはどうしよう?」

魔法使い「まず私は貴方にバイキルトを使うわ…バイキルト!!」ミュミーン

賢者「けんじゃはフバーハとなえるぞ!!」ポワーン

魔法使い「ええ、良くできました。さあ商人、殴ってきなさい!!」

商人「うう、完全に怪力女ポジション…でもしょうがないかあ、いっくよー!!」ドカッ

キングヒドラはもえさかるかえんをはいた!!

商人「わ、熱い熱い!!」

賢者「でもこのくらいならやきにくにらならないぞ!!」

魔法使い「そうね、思ったよりは…」

キングヒドラのこうげき!!

商人「きゃっ!?す、すっごく痛いよ…」

魔法使い「だ、大丈夫!?かなり強烈だったわよ?」

商人「へ、へーきへーき…3桁近く持ってかれたけど…」

魔法使い「何よその数字は…でもあの攻撃を放ってはおけないわね…賢者!」

賢者「おー、スクルトだな!!」ミュウーン

魔法使い「そうよ、今日は冴えてるわね!」

キングヒドラはもえさかるかえんをはいた!!キングヒドラのこうげき!!

魔法使い「また商人に…!」

商人「だ、だいじょーぶ!!さっきよりはぜんぜん痛くないよ!!」

魔法使い「良かったわ…あとは攻撃するだけよ、賢者も殴ってきなさい!!バイキルト!!」ミュミーン

賢者「おー!!ぶんなぐるぞ!!」ドカッ

キングヒドラはもえさかるかえんをはいた!!

魔法使い「さすがに連発されると辛いけど…いまならけんじゃのいしがあるわ!」パアア…

商人「ありがとー!!すごく楽になったよ!!それー!!」ドカバキッ

賢者「てやー!!」ザクッ

――キングヒドラをやっつけた!!

魔法使い「よし、オルテガ殿の仇は討てたわね」

商人「うん、やっぱり3人で戦えばどんな敵にだって負けないよ!!ね、賢者ちゃん?」

賢者「…これ、ひがとおらないのか…?かわをはげば…おー、こーすればやけるぞ!!」

魔法使い「相変わらず手早いわね…妙に冴えてたのは焼肉を食べるため…?」

商人「ああ、大魔王のお城に焼肉の臭いが…」

???「ククク…キングヒドラが食われたようだな…だが奴は我々大魔王様の僕の中でも一番の…食われた?」

骸骨?「……」

???「まさか…いやしかしこの食欲を誘う臭いは…あいつ、こんなにおいしそうだったのか…」

骸骨?「……」

???「尻尾くらい食わせてもらえば良かったな…お前もそう思うだろ?兄弟」

骸骨?「……」

???「あいつらのせいでお前はそんな姿に…見てろ、必ずあいつらを血祭りにあげてやる」

骸骨?「……」

???「…俺の出番だな。行ってくる。大魔王様の為にも、あいつらは皆殺しだ。ククク…」

骸骨?「……ぞ…」

骸骨?「……わしは…わしは…あ き ら め ん ぞ…わしは…」

賢者「うん、うん、おいしい…」ガツガツ

商人「ホントだね、思ったよりずっと柔らかい!!」モグモグ

魔法使い「確かに美味しいけど…貴方達、ここが大魔王の城だって忘れないでよ」

商人「あ、いけない!!」

魔法使い「いけない、じゃないわよ…賢者もね」

賢者「けんじゃはわすれてないぞ!!だいまおーも食べるからな!!」

魔法使い「ああ、そうね…」

???「ええい、いつまで待たせる気だ!?」

商人「わっ!?な、何このモンスター、上の魔王そっくりだよ!?」

賢者「おおー、食べそこねたまおーだ!!」

???「それは俺の兄弟だ!!キングヒドラは貴様らにとって仇だったようだが、俺にとっては貴様らが仇だ、覚悟はいいな!?」

魔法使い「上の魔王の兄弟…!」

???「俺は兄弟のように眠りの呪文に負けたりはせん!!行くぞ!!」

賢者「こい!!食べてやるぞ!!」

バラモスブロスがあらわれた!!

魔法使い「大魔王と戦う前の正念場ね…でも、攻略のヒントもくれたわね」

商人「うん、眠りの魔法は効かない、だよね?」

魔法使い「ええ、だからこの魔物は正面突破よ。大丈夫、上の魔王にも勝って、その上更にレベルも上がった私達なら…!」

賢者「おー!!こんどこそあい食べてやるぞ!!」

商人「正攻法で行くって事は…まずは守備固めからだよね?」

魔法使い「ええ、私と賢者はスクルト、貴方はフバーハをお願い。さあやるわよ、スクルト!!」ミュウーン

賢者「けんじゃもスクルトだぞ!!」ミュウーン

商人「よし、あたしはフバーハ!!」ミュミーン

バラモスブロスはイオナズンをとなえた!!

魔法使い「っ…!やっぱり最大級の攻撃呪文を使ってきたわね!!」

商人「うん、でもこの魔法だって散々使われてきたもん、平気だよ!!」

賢者「そーだそーだ、このくらいじゃやきにくはつくれないぞ!!」

魔法使い「守備を固めたら、後は攻撃あるのみ…商人、行きなさい!バイキルト!!」ミュウーン

商人「おっけー!!いっくよー!!」

魔法使い「次は賢者にも…バイキルト!!」ミュウーン

賢者「おー!!たたくぞ!!」ザクザク

バラモスブロスはイオナズンをとなえた!!バラモスブロスははげしいほのおをはいた!!

魔法使い「くっ…攻撃が凄まじいわ…けんじゃのいしで…」パアア…

バラモスブロスはイオナズンをとなえた!!バラモスブロスははげしいほのおをはいた!!バラモスブロスはイオナズンをとなえた!!

魔法使い「っ…!」

商人「た、畳み掛けてきたよ…魔法使いちゃん、魔法使いちゃん!?」

魔法使い「まだ…平気よ…でも…賢者、貴方も回復に回って…」

賢者「おー!!みんななおれー!!ベホマラーだ!!」ペカー

魔法使い「更に、けんじゃのいしを使えば…」パアア…

商人「持ち直したね!!よーし、反撃開始だよ!!」

バラモスブロスはイオナズンをとなえた!!バラモスブロスははげしいほのおをはいた!!バラモスブロスのこうげき!!

魔法使い「くっ、!攻撃力だけなら上の魔王より強烈かもね…」

商人「コソクな事しない上の魔王って感じだね…でも、今のあたし達にはけんじゃのいしがあるよ!!」

魔法使い「ええ、それに…」パアア…

賢者「けんじゃのベホマラーもあるぞ!!」ペカー!

魔法使い「回復のタイミングさえ間違わなければ大丈夫よ!さあ、早めに決めるわよ!」

商人「うん!てやー!!」ドカバキッ

バラモスブロスははげしいほのおをはいた!!

魔法使い「今回は攻撃1回だけ…チャンスよ、賢者!」

賢者「やっとけんじゃもなぐれるな!!」ザクザク

商人「一気に行くよ!!これで――どうだぁっ!!」ドガンッ

――バラモスブロスをやっつけた!!

魔法使い「ふう、なんとか勝てたわね…強敵だったわ…」

商人「うん、ある意味上の魔王よりも強かったかも…」

賢者「やっとまおー食べれるな!!」

商人「ほ、ホントのホントに食べるの…?」

賢者「いきとしいけるものはどくがないかぎり食べるんだぞ!!」

商人「うん、毒があるかどうかの話をしてるんだけど…」

魔法使い「!待って、魔物が…!」

商人「あ!!ま、まだ生きて…!」

バラモスブロス「よ、よくぞお

賢者「よーし、かいたいするぞ!!まずはここをきって…」

商人「あ、賢者ちゃん、まだ捨て台詞の最中…」

ブロス「ま、待っ…ぎょえー!!!!」バタッ

賢者「よしよし、うまくちがぬけたぞ、あとは…」テキパキ

魔法使い「…末期の言葉くらい聞いてあげなさいよ…」

賢者「よーし、にくは食べおわったな!!」

魔法使い「そうね…で、おいしかったの?」

賢者「まあまあだな!!さっきのドラゴンのほうがおいしかったぞ!!」

商人「あー、まああんまりおいしそうじゃなかったもんね…」

魔法使い「さあ、満足したなら進みま…」

賢者「あ、まって、ムチでほねをくだいて…」バシッ

商人「え!?な、何してるの!?」

賢者「ほねのなかにはずいがあるんだぞ!!のむとしおけがあっておいしいんだぞ!!」

商人「え、ええー!?魔法使いちゃんは知ってた?」

魔法使い「知らないわよ…そもそも知っててどうするのよ…」

商人「だ、だよね…」

賢者「うん…うん…まずまずおいしいな!!」

商人「ああ…そう…ってさっきドラゴン食べたばっかりなのに、まだ…」

魔法使い「賢者相手にそれを言ってもね…あ!二人とも、魔物よ!」

商人「え?あ、が、骸骨!?で、でっかい骸骨が…って骨!?賢者ちゃん、まさか…」

賢者「うーん…このほねはふるそうだな、ちょっとしょくようにはできないぞ…」

商人「ああ良かった…でもこのモンスター、どこかで見たような…?」

骸骨「……しょ う に ん……は…んぞ…」

商人「え!?が、骸骨まであたしの名前を…?」

魔法使い「待って…今の、今の声は…!」

骸骨「商人…わしは…あきらめんぞ…わしはあきらめんぞ…わしは…」

商人「こ、この骨ってもしかして、上の魔王!?」

賢者「うわあ…もう食べれないぞ…」

魔法使い「あの魔王でさえこんな姿にしてしまうなんて…!大魔王はどれだけ…」

――

大魔王「…お前も見ただろう?あやつらが我が僕を貪り喰う様を…あの様はわしとは相容れぬ…あやつらは消さねばならぬ…お前なら出来るだろう…?」

大魔王「…今度こそは、な」

――バラモスゾンビがあらわれた!!

魔法使い「まさか、またあの魔王と戦うなんて…!」

賢者「うー、こいつは食べれないのか…」

商人「出てくるモンスター全部食べるつもりだったの!?」

魔法使い「ほら賢者、こいつを倒さなければ大魔王と戦えないわよ?」

賢者「そーだな、こいつたおさないとだいまおー食べれないんだな!!やるぞー!!」

商人「おお、やる気が復活した!さすが魔法使いちゃん!」

魔法使い「さあ、賢者のやる気が戻った所で戦闘開始よ!まずは守備固めを…スクルト!!」ミュイーン

賢者「けんじゃもスクルトだぞ!!」ミミューン

商人「よーし、守りも固めた所で…」

バラモスゾンビのこうげき!!

賢者「ふぎゃっ!?」ゴロゴロ…

商人「け、賢者ちゃんが吹っ飛んだ!?賢者ちゃん、大丈夫!?」

賢者「うー…あぶなくまおーとドラゴンをもどしちゃうところだったぞ…」

商人「そ、それは危ない!!」

魔法使い「二人とも微妙に余裕あるわね…この攻撃力だとまだ守備固めが必要だわ…スクルト!!」ミュイーン

商人「よーし、賢者ちゃん、あたしにバイキルトちょうだい!!」

賢者「いくぞー!!バイキルト!!」ギュニーン

商人「ありがとー!!じゃあ行くよー!!骸骨め、砕けちゃえ!!」ドカッ

バラモスゾンビのこうげき!!

魔法使い「っこの…!でもスクルトを重ねた甲斐があったわ!まずはけんじゃのいしでリカバリーね!」パアア…

賢者「けんじゃはけんじゃにバイキルトだぞ!!」モミューン

商人「それー!!このこのこの!!」ドカバキッ

バラモスゾンビのこうげき!!

商人「いったあ!?スクルトあんなに使ってもこれなんだ…」

賢者「しょーにんはたいりょくバカだからへーきだな!!」

商人「だ、誰がバカ!?」

魔法使い「ほら、戦闘中にケンカしない!攻撃が貴方に行ったなら大丈夫ね、私も攻撃に回るわよ、メラゾーマ!!」ドゴオオッ!!

商人「ま、魔法使いちゃんまであたしを体力バカ扱い…」

魔法使い「もう、頼りにしてるって事よ!攻撃の手を緩めないで!!」

商人「まだ納得いかないけど…そりゃー!!」ドカバキッ

賢者「とー!!たー!!」ザクザク

バラモスゾンビのこうげき!!

商人「ひいー、2回連続はキツいよー!」

魔法使い「待って、けんじゃのいしで…それにしても、あの魔王の骨にしては、やる事が単純ね。これなら、回復にさえ気を付ければ…」

商人「う、うん。その単純な攻撃が痛いんだけど、メダパニとかバシルーラは忘れちゃったのかな?」

賢者「あのあたまのほねのなかにのーみそのこってないんじゃないのか?」

魔法使い「そうかもしれないわね…でも攻撃が厳しいのは確かよ、早めに倒さないと…メラゾーマ!!」ドゴオオッ!!

商人「よーし、これで…!」ドカッ

賢者「どーだあっ!!」ザシュ!!

――バラモスゾンビをやっつけた!!

骸骨「あ…き…ら…め………」ガラガラ…

魔法使い「…崩れ落ちた…倒したわね…」

商人「ふー、強敵だったね…」

魔法使い「ええ、さっきから強敵続きね。さすが大魔王直属の魔物達だわ…」

賢者「食べれないなんてヒキョーだぞ…」

商人「別に卑怯ではないと思うけど…」

魔法使い「…でも、恐らく残りは大魔王だけよ」

商人「え、そうなの?まだまだ手下がいたり…」

魔法使い「いえ、あの上の魔王は大魔王にとっても切り札のはず。それを倒した以上は…」

商人「そっか、あとは大魔王だけ、か…」

賢者「うー、あとはだいまおーしか食べれないのか…」

魔法使い「賢者、確かにそうだけど、逆にそろそろ大魔王を食べられると考える事も出来るわよ」

賢者「おー、そうだな!!メインディッシュだな!!」

商人「メインディッシュ、か…確かにある意味そうだね…」

魔法使い「ええ、あと少し、あと少しで私達の旅の終点よ。さあ、この旅の果てにあるのは平和か、それとも…」

商人「じゃ、じゃあいよいよ大魔王との決戦かあ…ふ、二人はもう準備した?」

賢者「はらごしらえがまだだぞ!!なにかないかな…」ゴソゴソ

魔法使い「まだ食べるの!?貴方さっきの魔物ほぼ1人で文字どおり骨の髄までしゃぶり尽くしたじゃない…」

賢者「あれは食べたからなくなったんだぞ!!だからつぎの食べるものをさがすんだぞ!!」

商人「底無しにも程があるよ…」

魔法使い「最早理屈にもなってないしね…まあいいわ、袋を開けたついでに、準備も済ませましょう。ひかりのたまは出したから…商人、貴方はこれを装備して。少しでも攻撃力を上げた方がいいわ」

商人「ごうけつのうでわだね、分かった…がはははは!!大魔王はどげんかせんといかんぜよ!!」

魔法使い「…貴方達、頼むから緊張感持ってよ…」

商人「えへへ、つい…」

賢者「たたかいのまえにやるべきことをしてるだけだぞ!!」モグモグ

魔法使い「…まあ、戦いの最中にお腹減ったって騒がれるよりはいいか…それにしても…はあー…」

賢者「よーし、またせたなだいまおー!!いま食べてやるからな!!」

大魔王「商人よ!何故藻掻き生きるのか?」

商人「またあたしを名指しに…!なんで生きてるかって…」

賢者「おいしいものを食べるために決まってるぞ!!」

大魔王「…わしはお前達の姿をずっと見ていた。お前達がわしの僕を貪り喰う様をな…」

商人「む、むさぼるって…うん、むさぼってました…」

大魔王「それはわしとは相容れぬ姿だ。決してな…」

魔法使い「相容れぬ…?」

大魔王「食事に興ずるお前達には笑顔があった。それこそ、わしの求める悲しみや絶望と相反するもの。それを見逃す訳にはいかぬ。我が喜びは滅び…そう、滅びこれが我が喜び。死に逝く者こそ美しい…」

賢者「たしかにおにくはしんでるからな。うつくしいかもな」ウンウン

商人「賢者ちゃん…でもそれはあたし達じゃないよ、そっちの方だよ!!」

賢者「そーだな、おにくはだいまおー、おまえだ!!」

魔法使い「ええ、お互いが相容れないのなら、貴方には滅んで貰うしかないわ――私はアリアハンの魔法使い!アリアハン王の命により、仲間と共に、貴方を討ちます!覚悟!!」

大魔王「そうか――さあ、我が腕の中で息絶えるがよい!!」

――精霊のほこら

ルビス「…はあー、久しぶりにここに戻ってきました。やっぱり落ち着きます…」フウ…

精霊「ルビス様、お茶はいかがですか?」

ルビス「あ、いただきます…うーん、このお茶美味しいですね、落ち着きます…」ホノボノ

精霊「これ、ジパングの人間達が上から持ってきたお茶なんですよ。あ、今お茶菓子も出しますから…ほら、お茶菓子を用意して」

エルフ「……」

ルビス「…またオルテガの事を考えていたんですか?オルテガの事は本当に残念でした。でも、彼という偉大な先達がいたからこそ、彼女達が…」

エルフ「…それもだけど、ルビス様、そろそろあの人間達が大魔王と戦う頃じゃないの?」

ルビス「あ、いけない!あ、貴方達、戦いの様子を見れたりしませんか?」

精霊「そういう術はルビス様の方が…」

ルビス「あ、ああ、そうでした…それっ!」ミュイーン

精霊「ああ!?今まさに、大魔王と対峙していますよ!…あれ、あの小さな子、何か叫んで…?」

賢者「よーし、こいつをたおせばけちなルビスさまでもきっとごちそう食べさせてくれるな!!けちなルビスさま、みてろよー!!」

エルフ「…ケチだケチだ言ってるけど」

ルビス「そんな、ひどい…」

――ゾーマがあらわれた!!

賢者「よーし、さっさと倒してだいまおーのやきにくだ!!」

魔法使い「焼き肉の話は後!私はひかりのたまを用意するから…」

賢者「まずはしょーにんにバイキルトかけるぞ!!」

商人「ありがとー!!よーし、これで…」

ゾーマのゆびさきから いてつくはどうがほとばしる!!

商人「わ!わ!あ、あれ?力が抜けてく…」

魔法使い「呪文の無効化!?そんな事が…」

ゾーマはこごえるふぶきをはいた!!

賢者「わー!!れーとーになっちゃうぞ!!」

商人「こ、こんなすごい吹雪を吐けるなんて…魔法使いちゃん、まだ!?」

魔法使い「待たせたわね、使うわ、ひかりのたまを!」ピカー!!

賢者「わー!?眩しいぞ!!」

商人「す、すごい光…あ、ああ、大魔王の衣が!?」

魔法使い「光が…大魔王の衣を剥ぎ取って…!衣と一緒に、闇の力も弱まった…?これなら、これならいけるかも…いえ、いけるわ、絶対に!」

大魔王「ほほう…我がバリアを外す術を知っていたとはな」

商人「なーにが我がバリアよ、強がっちゃってさ!!」

賢者「そーだぞ、おとなしくやきにくになれー!!」

大魔王「だか無駄なこと。さぁ我が腕の中で藻掻き苦しむがよい」

商人「苦しむのはそっちだよ!!あたし達は絶望なんてしてあげないんだからね!!」

賢者「あ…でも、やっぱりぜつぼーてきだぞ…」

商人「え!?ど、どういう事…?」

賢者「さっきしょーにんがだいまおーをせくしーさでメロメロにするって言ってたのに、だいまおーはなんのはんのーもないぞ…」

商人「そ、その話はもう良いでしょ!?」

魔法使い「まあ、確かに絶望的ね…」

商人「魔法使いちゃんまで!?何よ、自分だって…!」

魔法使い「ほら、大魔王の前よ、集中して!」

賢者「にくしみをかてとするだいまおーをあいてにふのかんじょうはぎゃくこうか。こころをおちつけてたたかわなければ…」スチャ

商人「むー!ならばこの怒りは…大魔王、覚悟ー!!」ダダッ

魔法使い「…なんでこんなに緊張感ないのかしら?」

精霊「――あ、ほら、ひかりのたまで大魔王が弱体化しましたよ!!」

ルビス「すごいですね!ああ、あの玉があれば私だって大魔王に…」

エルフ「勝てたの?」

ルビス「…いい勝負は出来たかなーって」

エルフ「………」

精霊「そ、それよりこの後どう戦うんでしょうね?呪文は使いづらいし…」

ルビス「うーん、そうですね…荒ぶっては大魔王の思うつぼ。心を落ち着かせて、冷静に戦えば、きっと勝機が…」

エルフ「あ、商人が何か言ってる」

商人「――私の!!中の!!憎しみを!!全部全部!!大魔王に叩きつける!!このっ!!このっ!!大魔王め!!ルビス様め!!人任せにして!!えい!!えい!!」ドカバキッ

精霊「…憎しみの権化ですね」

エルフ「またケチだって言われてるよ」

ルビス「そんな、ひどい…」

商人「それで、これからどうやって戦おう?魔法は効果を消されちゃうし…」

魔法使い「そうは言ってもあのブレス攻撃をそのまま受け続ける訳にはいかないわ。消されてもその度に唱え直しましょう。賢者!」

賢者「おー!!フバーハだ!!」ミュイーン

ゾーマのゆびさきからいてつくはどうがほとばしる!!

商人「あー、また消され…」

ゾーマはこごえるふぶきをはいた!!

魔法使い「くっ…!無効化されてからのブレス…!」

商人「ど、どうしよう魔法使いちゃん!?」

魔法使い「大丈夫!回復が間に合わない訳ではないわ。賢者、同じように!商人、貴方は攻撃の手を緩めないで!」

賢者「もいっちょフバーハだー!!」モニューン

商人「う、うん!よーし、早く倒れちゃえ!それっ!」ドカッ

魔法使い「私はけんじゃのいしで…」パアア…

ゾーマはこごえるふぶきをはいた!!ゾーマのこうげき!!

賢者「!?ひぎゃあっ!!」ズザザ…!

商人「け、賢者ちゃん!?」

賢者「うー、もどしたらもったいないぞ…」

魔法使い「…平気そうね」

商人「と、とりあえず良かった…でももしかして、さっきのゾンビより力も強いの?」

魔法使い「どちらが上かは分からないけど…防御呪文が使えない分ダメージは多いでしょうね…」

賢者「さっきよりいたかったぞ…」

商人「そっか…やっぱりあの波動が厄介だね…」

魔法使い「そうね。さあ、まずは回復よ、今回は賢者も回復に回って!」

賢者「おー!!ベホマ!!」ペカー

魔法使い「そしてけんじゃのいしで…れで…」

ゾーマのゆびさきからいてつくはどうがほとばしる!!ゾーマのこうげき!!」

商人「きゃあっ!?た、確かにさっきより痛い…くらくらするよ…」

魔法使い「でも体力に余裕のある商人に攻撃が行った分余裕が出来たわ!賢者はフバーハを唱え直して!私は…メラゾーマ!!」ゴバアア…!

賢者「おー!!やきにくまほー!!」キャッキャッ

商人「効いてる…!大魔王に炎の魔法効くんだね!!」

魔法使い「ええ、これだけ氷に偏った攻撃をしてくるんですもの、効いてもらわないと…」

ゾーマはマヒャドをとなえた!!ゾーマのこうげき!!

魔法使い「っあ…!効いたわ…」

商人「ま、魔法使いちゃん!!」

賢者「だいじょーぶか!?しぬな!!」

魔法使い「へ、平気よ…商人は攻撃、賢者はまた回復に回って…戦いはまだまだこれからよ、怯まないで!!」

商人「もっちろん!!怯んでなんかいられないよ!!」

賢者「そーだぞ、やきにく食べるまではたたかうぞ!!」

魔法使い「ふふ、頼もしいわね。私も負けてはいられないわ!」

ルビス「ああ、魔法使いさん、危ない!!」

精霊「あ、回復が間に合いましたよ!」

ルビス「よ、良かった…でも、回復にはけんじゃのいしとけんじゃのつえを使いましたね。結構ダメージ受けてましたし、ベホマでも良かったのではないかしら?」

エルフ「戦いが長引きそうだから節約したんでしょ。それに魔法使いは体力少なそうだからベホマ使わなくても間に合いそうだし…」

ルビス「な、なるほど。貴方、詳しいですね。もしかして戦えたりするんですか?」

エルフ「こんな闇の世界にいれば、戦えるようにもなるわよ。ルビス様だってそうでしょ?」

ルビス「え?ももももちろんです!」

精霊「あ、ルビス様!人間達が反撃してます!」

ルビス「凄いですね!よーし、行けー!!」

エルフ「…モンスター格闘場にいる品のない人間みたい…」

――ゾーマのゆびさきからいてつくはどうがほとばしる!!

魔法使い「くっ…!しつこいわね」

商人「今度はあたしがフバーハするね!賢者ちゃんは…」

賢者「こーげきだな!!いくぞー!!やきにくまほー、メラゾーマ!!」ゴオオオ…!

商人「え、ちょ、魔力の節約…」

魔法使い「いえ、早く倒すのが一番の節約と考えれば悪くないわ。でも魔力が無くなりそうになったら早めに言うのよ?」

賢者「おー!!まだおなかへってないぞ!!」

商人「魔力の話してるんだけど…でも、ここに来てホントになったね!」

魔法使い「何が?」

商人「ほら、賢者ちゃんが盗賊から転職するとき、魔法使いちゃんがこれからはこの子が主力になる、って言ってたでしょ?あれ…」

魔法使い「ああ、そうね。まあ、もう少し早くても良かったけどね」

商人「はは、魔法使いちゃんは厳しいね!」

賢者「おーいしょーにん、フバーハまだか?」

商人「あ、ごめんごめん!!それ、フバーハ!!」シュリーン

魔法使い「…全てがいい感じに回ってる。手応えを感じる、これなら…!」

商人「とりゃー!!このー!!うーん、なかなか倒れないね…」

魔法使い「大魔王ですもの…賢者!魔力に余裕ある?」

賢者「んー、はらにぶんめとさんぶんめのあいだくらいだぞ…」

商人「ちょっと心許なくなってきたね。みんな戦いの前にいのりのゆびわで回復してたんだけど…」

魔法使い「そうね、もうそろそろだと思いたいけど…」

ゾーマのゆびさきからいてつくはどうがほとばしる!!

商人「わ、また…」

ゾーマのゆびさきからいてつくはどうがほとばしる!!

魔法使い「二回連続!?どういうつもりか知らないけど…チャンスね!賢者!」

賢者「おー!!いくぞーまほーつかい、せーの!!」

魔法使い&賢者「「メラゾーマ!!」」ゴオオオオオオオ…!!

商人「あ、効いてる効いてる!!あたしは…フバーハ!!」モミューン

ゾーマのゆびさきからいてつくはどうがほとばしる!!ゾーマのこうげき!!

商人「いったあ…でもだいじょーぶ、体力バカのあたしが受けたから!!魔法使いちゃんも攻撃して!!」

魔法使い「分かったわ!――炎天の主よ闇を貪れ!!汝、原始より輝きし者よ――魔天の王よりその名を奪え!!――メラゾーマ!!」

商人「いっけー!!」

賢者「やきにくだー!!」

魔法使い「お願い、これで――!」

ルビス(この大地の、全ての生きとし生けるもの思いを乗せて……!)

魔法使い「燃え尽きなさい、大魔王!!」ゴオオオ…!

商人「――どう?どうなの!?」

賢者「あー、まだたって…」

ルビス(いえ、もう――)

魔法使い「倒れる、大魔王が…!」

――ゾーマをやっつけた!!

大魔王「商人よ…よくぞわしを倒した」ボッ…

商人「な、なんで魔王とかそういうヒト達ってあたしを名指しなの!?」

大魔王「だが光ある限り闇もまたある…」ゴオオオ…

賢者「だ、だめだぞ、それいじょうもえたら…」

大魔王「わしには見えるのだ。再び何者かが闇から現れよう…」ゴオオオ…

魔法使い「………」

大魔王「だがそのときは、お前は年老いて生きてはいまい…」メラメラメラ…

商人「そんな事ないよ!!あたしアンチエイジングしっかりするし!!」

魔法使い「そういう問題…?」

大魔王「わはははは…!ぐふっ!」

賢者「あ、待って…」

商人「け、賢者ちゃん?何を…ってえ!?だ、大魔王が光って…!」

パアアアアアアアアア…!

賢者「あー、きえちゃったぞ…なんでだ!!なんでまおーって食べれないんだ!?」ギャーギャー

魔法使い「知らないわよ…」

精霊「やった!!ついに大魔王を亡き者にしましたよルビス様!」

ルビス「やりましたね!いえーい♪」

精霊「いえーい♪」パチン

エルフ「…ハイタッチしてる。なんでこここんなに俗っぽくなったの…?」

ルビス「はい、貴方も♪いえーい♪」サッ

エルフ「………」

ルビス「いえーい♪」ワクワク

エルフ「い、いえーい…」パチン

ルビス「いえーい♪じゃあ、人間達の勝利を祝って…頑張れ!頑張れ!しょ お にんっ♪」



精霊「はーくぎーんのーゆめかーらー♪さーめーるーはーなー♪」

エルフ「応援歌歌い出した…もうやだ…」

賢者「うー、だいまおー食べたかったぞ…」

商人「まあまあ賢者ちゃん、町に戻ったらごちそうを…きゃあっ!?」ゴゴゴゴゴ…!

魔法使い「じ、地震!?いけない、城が崩れ始めたわ!!二人とも、上に気を付けて…!」

賢者「それよりしょーにん、ごちそうってホントか!?」グイグイ

商人「ええ!?ほほホントだから、今は逃げることを考えて!!」

魔法使い「そうよ、まず無事に帰らないとごちそうも食べられないわよ!」

賢者「そーだな!!よーし、はやくにげるぞ!!」ダダダ…

商人「どこまでも食欲に忠実だね…」

魔法使い「そうね。それより、私達も早く逃げるわよ!」

商人「そうだね、早く…あ!!賢者ちゃん、足下!!」

賢者「わ、くずれ…わー!!」ピューン

魔法使い「け…!あ、いけない、私達の足下も…!」

商人「あ、あ、あー!!」ピューン…

ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ…

賢者「おー、おちるおち…お!?あがってるぞ!?わー!!」ピューン

ドサッ ドサッ ドサッ

商人「あいたあ…だ、大丈夫二人とも?」

魔法使い「ええ…何だったのかしら、落ちたと思ったのにいつの間にか上に…ここは…?」

賢者「いつかきたまほーのつかえないどーくつだな!!」

商人「ええ!?な、なにが…どうなって…?」

魔法使い「…そういえばここの底無しの穴、確か魔王の爪跡なんて呼ばれてたわね。もしかしたら、大魔王と何らかの関係があるのかも」

賢者「そんなことよりはやくもどってごちそうだぞ!!」グイグイ

商人「わ、わかったよ…でもここ、魔法使えないから歩いて戻らなきゃいけないんだね…あーあ、さんざん大魔王のお城を歩き回った上に連戦でへとへとだよ…」

魔法使い「そうね、でも仕方ないわ…それにしても、さっきから魔物の気配がしないわね…」

商人「モンスターの?そういえば…」

賢者「おーい、はやくいくぞ!!」

商人「あ、はいはい今行くよ、待って!」

魔法使い「…ふう、もう少しで外に出られるわね…」

賢者「はやく!!はやく!!」

商人「そ、そんなに急かさないで…でもホントにモンスター出ないね…」

魔法使い「ええ、もしかして大魔王を倒した事と関係あるのかしら?」

商人「そうなのかな…あ、出口だよ魔法使いちゃん!んーまぶしー!!…ってえ!?ま、眩しい!?なんで!?」

賢者「おー、あさがきたぞ!!これでやさいもとれるな!!」

魔法使い「…これも大魔王を倒したから、かしら?でも、本当に眩しい…私達、やり遂げたのね」

商人「そうだよ、あたし達、ついにやったんだよ!!ほら見て、太陽もあんなに眩しく…え!?ま、魔法使いちゃん、空見て、何か落ちてくる!!」

魔法使い「え…?本当だわ、あれは…人!?女の子が落ちてくる…!」

女の子?「わー!!わー!!あ、危ないです、ど、どいて…!!」

商人「え、ちょ、ぎゃー!!」ドゴスッ!!

賢者「しょーにんのうえにヒトがおちてきたぞ!?しょーにん、だいじょーぶか!?」

商人「痛い…な、何が起こったの…?」

女の子?「あ、ご、ごめんなさい!!下敷きにしてしまって…だ、大丈夫ですか?」オロオロ

魔法使い「大丈夫よ、その子丈夫だから。それより貴方は?」

商人「丈夫だから、じゃないよ!!もっと心配してよ!!」

魔法使い「ほら、大丈夫そうでしょう?」

商人「………」

女の子「あ、あの、えっと、わたし、アリアハンから来たんですけど、もうすぐ魔王退治をするって聞いて、わたし居てもたってもいられなくて、それで…」

魔法使い「…もしかして貴方、勇者殿?」

勇者「あ、はい!!わたし、勇者です!!」

商人「えー!?この子が!?あたしとそんなに歳変わらなそう…っいうかもしかして年下!?」

魔法使い「当たり前でしょう、まだ旅立ちが許されてない歳なんだから…それより、よく…」

賢者「もうだいまおーはいないのにいまさらだな!!」

勇者「え!?居ないって、どういう…?」

魔法使い「ああ、申し遅れたわね。私はアリアハン王から旅立つよう言われていた魔法使いよ、王様から聞いていたでしょう?」

勇者「え!?あ、貴方があの魔法使いさん!?」

魔法使い「そう、そしてこの二人が私の仲間の商人と賢者よ」

商人「よろしくね、勇者様!」

賢者「ごくろーだなしたっぱ!!」

勇者「し、下っ端!?あ、貴方はわたしより年下じゃない!!」

賢者「なまいきだなしたっぱ、レベルはいくつだ?」

勇者「い…1…です…」

商人レベル43「…だよね」

賢者レベル40「ならにもつもてしたっぱ、あとごはんがかりと、ひじょうしょくと…」

勇者「ひ、非常食!?」

魔法使いレベル46「ほら、あまり勇者殿をいじめないのよ賢者」

賢者「こういうのはさいしょがかんじんなんだぞ!!けんじゃもおやぶんのとーぞくだんにはいったころはしたばたらきだったぞ!!」

勇者「と、盗賊って…!」

魔法使い「もう、分かったわよ。とにかく、町に行くわよ。言い争いはご飯食べてからにしましょう?」

賢者「おー、ごはんだごはん!!あ、にもつもってこいよしたっぱ!!」

勇者「な…!何よ、これくらい…お、重い!?な、何がどれだけ入ってこの袋こんなに重いの…?」

勇者「ええ!?じゃあもう魔王倒しちゃったんですか!?」

賢者「そーだぞ、むだあしだったなしたっぱ!!」

商人「け、賢者ちゃん…」

勇者「そうなんですか…わたし、何しに来たんだろ…元居た世界にも帰れなくなっちゃったみたいだし…」

商人「え!?そうなの!?」

魔法使い「ああ、そういえばさっき空で大きな音がしてたわね。もしかしたら、とは思ったけど…」

勇者「ああ、わたし…」

魔法使い「…ねえ、勇者殿。何も戦うだけが勇者の仕事じゃないわ。平和な世の中を守るのも立派な、大切な勇者の仕事だと思うわ。むしろ、大変なのはこれからかもしれない…」

商人「そだね、共通の敵が居なくなったら人間同士で争っちゃうかもしれないし」

勇者「でも…でもわたし、何もしてないし…」

賢者「ごちゃごちゃゆーなしたっぱ!!だまってせんぱいのゆーことをきけ!!」

魔法使い「もう、賢者!…でも、この子の言うことも一理ない訳じゃないわ。大変な事はあるでしょうけど、貴方よりいくらか物を知ってる私達が助けてあげるから、ね?」

商人「そうそう、大船に乗ったつもりでいてよ!!」

勇者「はい…ありがとうございます…!」

――178日目、ラダトーム城下町

町娘「ねえ、大魔王を倒したって本当?すごい!だから急に明るくなったのね!!」

町人「本当に大魔王
倒してしまうなんて…あなた方はいったいどういうお方なのですか…?」

商人「わ、わー、もう噂になってる…」

魔法使い「朝が来たからね、みんな気づくわよ」

賢者「なあなあ、けんじゃはおやぶんのところにいってるぞ!!」ダダダ…

商人「あ、賢者ちゃん!ふふ、賢者ちゃんも嬉しそうだね!」

魔法使い「そうねここれだけの事をやったんだし…」

勇者「…なんか、良いですね。わたしは何もしてないけど…こうやってみんなが喜ぶのを見るのは良いですね…」

魔法使い「…ええ、そうね。いろいろあったけど…全てが報われた気がするわ」

商人「ホント、いろいろあったね。牢屋に入ったり…」

勇者「ろ、牢屋に…?」

商人「え?えええーっと…ほら、あたし達もカンダタさんの所に行ってみよ、ね?」

カンダタ「どひゃー!!ホントにあの大魔王を倒しちまったんですかい!?どうりで何回戦っても勝てなかったわけだ…」

賢者「そーだな、いまはけんじゃのほーがつよいな!!」

魔法使い「そうね…カンダタさんもかなりのものだけど」

商人「苦戦したね、2回とも…2回目はあたし殺されちゃったし…」

カンダタ「あ、ああ、その節は…」

商人「あ、ごめんなさい、そんなつもりで言った訳じゃ…」

カンダタ「いやいや、でもこれからは真面目に働く事にしますよ、ははは…」

魔法使い「まあ、それが良いでしょうね」

賢者「え?もうとーぞくだんやらないのか?おやぶんならけんじゃがつくるとーぞくだんのなんばーつーにしてやるぞ!!」

勇者「と、盗賊団!?」

魔法使い「そんな物が出来たら全力で取り締まるけどね。ねえ、商人?」

商人「え?あ、うん、そうだね…カンダタさんと賢者ちゃんのコンビ…ある意味大魔王より手強そう…」

賢者「うー、ふたりがあいてか…ふたりとはケンカするよりごはんをおごってもらうほうがよさそうだぞ…」

魔法使い「そういう計算は良く出来るのね…あら、誰か来た?」

兵士「あ、ここでしたか!皆さん、王様がお待ちかねです!すぐに来ていただければ…」

商人「あ、王様も大魔王を倒したって知ってるんだ…って当たり前か。分かりました、今行きます!」

賢者「お?おーさま、ごちそうしてくれるのか?」

魔法使い「ごちそうもしてくれるでしょうけど、その前に長々と式典なんかがあるでしょうね…面倒ね」

商人「え?魔法使いちゃん、そういうの苦手だっけ?」

魔法使い「ここ半年の気ままな旅暮らしで、ああいう肩がこるのはすっかり苦手になったわ。さて、どうしたものか…ああ」ニヤリ

勇者「え!?わ、わたしが何か…?」

魔法使い「いえ、とりあえずお城に行ってみましょう。ふふふ…」

商人「うわ、魔法使いちゃん何か企んでる…」

魔法使い「そんな事ないわよ…やっぱりお城の前はすごい人ね」

「おお、あれが勇者様達か!!」「ありがとうございます!ありがとうございます!」「おかげで朝が来ました。本当に…」

魔法使い「さて…皆さん!!ここにいる少女が、かの地アリアハンより来た勇者様です!!」

勇者「え?え!?ま、魔法使いさん!?」

魔法使い「この勇者様によって大魔王は倒され、この世界にも朝が来ました!!皆さん、この偉大な勇者様をどうか讃えて下さい!!」

「おお、あの子が勇者様!」「ありがとうございます!朝をありがとうございます!」「勇者様万歳!!万歳!!」

勇者「あ、あの、魔法使いさん…?」

魔法使い「さあ、勇者のお仕事の第一歩よ。豪華な式典で立派に英雄を努めて見せて。私達はお邪魔だから外すわ、ふふふ…」

勇者「え、ええ!?さっき大船に乗ったつもりでって…!」

賢者「がんばれよしたっぱ!!ごちそうがでてきたらよぶんだぞ!!」

商人「じゃ、じゃあそういうことで…」

勇者「しょ、商人さんまで…!」

「さあ勇者様、王様がお待ちかねですぞ!!」「お急ぎ下さい勇者!!」「勇者様!!勇者様!!」

勇者「え、ええー!?」

商人「うーん、やっぱりちょっとかわいそうじゃない?」

賢者「ただでえーゆーになれるんだからあれくらいはするべきだぞ!!」

魔法使い「そうよ、私何もしてないし…っていつまでも負い目を持っているよりはずっといいわ、ふふふ…」

商人「そ、そうかなあ…」

魔法使い「あら、なら別に貴方は戻っても良いのよ?」

商人「い、良いよあたしは!…でも大魔王を倒したらやる事無くなったね。どうしよう?」

賢者「けんじゃはまたとーぞくにもどりたいぞ!!」

魔法使い「やっぱり盗賊が良いのね…私はどうしようかしら…」

商人「魔法使いちゃん、この町に弟子居なかったっけ?後身の指導とかすればいいんじゃないの?」

魔法使い「別に弟子じゃないわよ、ただ呪いの解き方のさわりを教えただけで…でもそうね。後身の指導、か…」

商人「そうそう、魔法使いちゃん、魔法使いの魔法全部使えるんでしょ?お師匠さんになるのが絶対良いって!!入門希望者続々で指導料タンマリだよ!!」

魔法使い「結局お金なのね…そういう貴方はどうするの?」

商人「あたし?あたしはやっぱり町作りしたいな!ほら、例の放蕩息子さんの実家辺りに…」

魔法使い「ああ、そんな事言ってたわね」

賢者「またろーやにはいるのか?こりないな!!」

商人「入らないよ!!」今度はもっとゆっくりじっくりやるの!」

魔法使い「そうね、それがいいと思うわ。でも、それらは少し先の話…今はゆっくりしたいわね…」

商人「そだね、ちょっと時間を置いてからだね。でさ、ゆっくりって、具体的に何するの?」

魔法使い「そうね、それはやっぱり…」

商人&賢者「みんなでぼーけん!!」

魔法使い「今までと変わらないじゃない…でもまあ、他に思いつかないし…」

商人「だよね!じゃあ早速行かない?まんまりのんきにしてると、お城の人達が…」

賢者「あー、でもごちそう食べてから…」

魔法使い「ごちそうは後で食べさせてあげるわ。じゃあ行きましょうか、とりあえず船に乗って――」

――アリアハンの魔法使い 完

ルビス「…え?私達の所に寄って行ってくれなかったんですか!?ひどい…」

――おしまい

魔法使い「と、いうわけでこれにてこのSSはおしまいです。読んでくれた人達、どうもありがとう」

商人「ありがとうございました!!ちゃんと商人使ってる?」

賢者「けんじゃはみんなをしょくざいにつかったぞ!!また食べさせろな!!」

商人「…よく読んでくれた人達いなくならなかったね」

魔法使い「全員食べられたと思ったけどね…」

商人「そうそう、大魔王との戦いさ、上手いこと魔法使いちゃんがトドメ刺せたね!」

魔法使い「ああ、あれは…ちょうど賢者の魔力が50まで減って、節約と勝負を急ぐために私が攻撃役になった矢先だったのよね。正直、もっと長引くと思ってたんだけど…」

賢者「いがいとあっけなかったな!!」

魔法使い「そうねえ、誰も死ななかったし…まあ書き手は相変わらず臆病者だから、ブロスあたりで全滅するんじゃないかとヒヤヒヤしてたみたいだけど…」

商人「でも大魔王を倒せた事より、大魔王を倒すまでこのSSが続いた事が驚きだったね…」

魔法使い「そうね、やっぱり読んでくれてた人がいたから…何より、書き手は書いてて嫌な思いした事が1度もなかったしね」

商人「そうそう、みんな温かくて…なんでみんなこんなに好い人なんだ?って思いながら書いてたみたいです!」

賢者「食べてもだれもおこらなかったしな!!」

魔法使い「貴方は誰がどう反応しても食べるでしょう…?おかげでストレスなく、悩む事もほとんどなく書き終える事が出来ました」

商人「悩んだのはラストバトルくらいだよね?いかにして大魔王の格を落とさずに緊張感のないバトルにするか…」

魔法使い「そもそもこのSSは、第1部の途中辺りでシリアスは極力排除して珍道中路線で行こうと決めたんだけど…」

賢者「しょーにんのまちあたりだけはダメだったけどな!!」

魔法使い「あれは避けて通れないからね…もしかしたら、もう少しやりようがあったのかもしれないけど…とにかく、あのイベントが終わってからはできる限り軽いノリで、と決めていたの」

商人「だから大魔王を含めた連戦はどうしようかと思ってたんですけど…賢者ちゃんの食欲とルビス様がどうにかしてくれました!」

商人「それにしても、このSSって他のSSとなんかノリが違うよね?それが良いのか分からないけど、書き手はこれで良いのかずっと不安だったみたい…」

魔法使い「それでも読んでくれた人がいたって事は…とても勝手な想像なのだけど、読んでる人と書き手は結構歳が近いんじゃないかって思っていたの」

商人「歳が近いとノリも近そうだし…」

賢者「このアラサーどもめ!!」

商人「こらっ!…あと、最後になりますが、あたしと魔法使いちゃんには特に元ネタはありません」

魔法使い「強いて言えば、公式のイラストからのイメージね。ほら、この子調子良さそうでしょう?」クスクス

商人「そ、そんな事ないよね!?で、賢者ちゃんは…皆さんご存知ではないと思いますが、満月ポトフー、という歌がありまして、その歌に出てくる山賊の女の子が一応のモデルになってます。満月ポトフーは…」

賢者「セコいヤツもニブいヤツもまとめてなべにぶちこむぞ!!」

魔法使い「…という感じの、書き手の言葉を借りれば、宇宙一キュートなカニバリズムの歌、だそうなんだけど…これ、キュートの意味間違ってないわよね…?」

商人「だ、大丈夫だよ、たぶん…あと、満月ポトフーで画像検索すると、人間の手足を遠慮容赦なく鍋に放り込んで満面の笑みのきゅーとな女の子の画像がいくつか出てきますが、賢者ちゃんのイメージはだいたいあんな感じです…」

賢者「おいしそうななべだな!!」

魔法使い「そう思うのは貴方だけよ…そうそう、本当の最後になるけど、続きや隠しダンジョンでの冒険の話を望む声もあるようだけど…」

商人「たぶん書くことになると思うし、今回はそんなに間も開けずに書きたいな、と思っています!」

賢者「かいてるヤツがかくしダンジョンやりたくて仕方ないみたいだしな!!」

魔法使い「ただ…お話としては、ここまでで完結にしたいの。だから、ここから先は、あくまでもおまけ、蛇足…そう思って見ていただければ、と思ってるわ。ではこの辺で、また…また無駄話に来るかもしれないけど…」

商人「ほら、休憩時間ずっとあなほりしてるって人がいるよ魔法使いちゃん!!」

魔法使い「そうねえ、やっぱり商人なのかしら?」

商人「やっぱりこれって商人界のきゅーとなカリスマ商人ちゃんのお陰だよね?」

魔法使い「そうかもね…さあ賢者、準備出来た?」

賢者「おー!!いつでも食べにいけるぞ!!」

商人「軽く流さないでよ!!…って二人ともどこ行くの?」

魔法使い「どこって…隠しダンジョンに決まってるじゃない」

賢者「みちのモンスターを食べにいくんだぞ!!」

商人「え!?もう行くの!?てっきりだらだらと無駄話を…」

魔法使い「書き手がもうプレイし始めてるからね、あまり時間が空くと忘れちゃうし…」

賢者「ただでさえものわすれがおおいのにな!!」

魔法使い「という訳だから、貴方も早く準備するのよ。さ、行きましょうか、賢者」

賢者「おー!!」

商人「ま、待ってよ!あたしも今行くから…」

>>364
でも商人の町でブチギレた魔法使いは凄くカッコ良かったぞ。かなり好きなシーンだ

そういや賢者がああいうキャラなのには理由があると言っていたが、結局なんだったんだろう
竜王の卵をアレフガルドに持ち込む理由付けかな?

魔法使い「さて、始める前にもう少しだけ無駄話を…」

商人「>>374さんの仰るシーンは、書き手としても複雑というか…」

魔法使い「上手く書けたかなーと思いつつ、受け入れられるか心配だったようね」

商人「ほら、これってプレイ日記でしょう?でもあんなシーンはゲーム内に出てこない訳で…」

魔法使い「実際のプレイに従って書くというのは、制約もあるけど道標でもあるの。つまり…」

賢者「ほじょりんつきでかいてるんだぞ!!」

魔法使い「その補助輪を外した状態で書いたから、とても不安があったのだけど…そう言ってもらえると本当に嬉しいわね」

商人「補助輪と言えば、何よりドラクエ3という作品が原作である、という点が何よりの補助輪な訳だけど…原作を知らないけど楽しめた、という感想はとても嬉しかったです!!ありがとうございました!!」

魔法使い「あと、最後になるけど…賢者がこんなな理由は?という質問だけれど、元ネタがある、というだけで理由は特にないの…」

賢者「ごかいをまねいたな!!やっぱりかいてるヤツを食べて…」

商人「た、食べるのは蛇足が終ってからにして!!さて、無駄話は以上です!さあレッツ蛇足!!ゴーゴー!!」

――181日目、謎の洞窟

商人「…ひえー、ここのモンスター、強いよ…」ヘロヘロ…

賢者「カニとトロルはおいしいけど、けんじゃたちが食べられそうだぞ…」

魔法使い「それらも強いけど、何よりあの上の魔王みたいな魔物が厄介ね。恐ろしい程の攻撃力の上に、2体で襲いかかって来るから…私、もう2回も死んだわよ…」

賢者「けんじゃはトロルにやられたぞ!!」

商人「あたしはまだ何とか死なずにいるけど…そもそもさ、なんであたし達こんな所にいるんだっけ?大魔王は倒したよね?」

魔法使い「ええ、大魔王は倒して、上の世界に帰れなくなったはずなのに、気がついたら上に戻ってて…」

賢者「こまかいことはいいんだぞ!!やまがあるからのぼるんだぞ!!」

商人「ええー!?それでいいの!?」

魔法使い「良くはないけど…でも賢者の言う通りかもね。未踏の地がまだあるのは、冒険者としては喜ばしいわ」

商人「まあそうだけど…」

賢者「そーだぞ!!これからみちのモンスターたくさん食べるんだぞ!!」

商人「賢者ちゃんはそれが目的なんだね…まああたしも冒険自体を嫌だっていってる訳じゃないけどさ…」

魔法使い「でも、こっちに戻って来られたおかげで、貴方もまたどこからか良いものを取引出来たんでしょう?」

商人「そうそう、このグリンガムのムチ、すごい攻撃力だよ!!あたしはブーメラン、賢者ちゃんがこのムチで、魔法使いちゃんが魔法を使えば、どんなモンスターもバッタバッタ…だったはずなのに…」

賢者「バタバタたおされたぞ…」

魔法使い「全ての戦闘で余裕がないから、魔力もすぐに無くなってしまうわね…今日はもう戻るしかないかしら?」

商人「そだね、あたしヘトヘト…」

賢者「おなかすいたぞ…」

魔法使い「じゃあ戻りましょう。それにしても前途が思いやられるわね…」

商人「うーん、でもここもそのうち慣れるんじゃない?今までもそうだったし!」

魔法使い「だといいけど…」

魔法使い「ふう…ようやく村に戻って来たわね。どうやらこの村が一番あそこから近いかしらね?またしばらくはラーミアのお世話になるようね…」

賢者「うー、まだやきとりにできないぞ…」

魔法使い「不死鳥を焼かないのよ…それにしても、この村は変わってないわね…」

商人「うーん、でも前に来たときは余裕がなかったからあんまり印象に残ってないなあ。こうして見ると、結構活気があるね」

賢者「ガキんちょがあそんでるな!!」

魔法使い「貴方と変わらない位の子じゃない…それに遊んでるんじゃなくて、あれはきっと武術の修行よ」

商人「ああ、そういえばここ、偉大なる武闘家がいたんだよね?」

少女「てい!!たあー!!」

商人「…ねえ魔法使いちゃん、今冒険してる洞窟さ、ホントにあたし達だけでいけるかな?」

魔法使い「…仲間を増やしたいって事?」

商人「絶対に、って訳じゃないけどさ、今後行き詰まったときはさ…

賢者「うしろにかんおけもひきずらなくてよくなったしな!!」

魔法使い「何の話…?まあ、もし本当に無理なら考えましょう。今はこのまま、行ける所まで行ってみましょ」

商人「そだね、あたしも絶対にって訳じゃないし。でも、とりあえずは先に…」

賢者「むねにくおおめのせんしとそうりょきぼーのやつらをさきに食べておくぞ!!」ガブッ

――183日目、カザーブ上空

魔法使い「…やっぱりラーミアに乗ると気持ちいいわね」

商人「やっと、やっと谷山さんファンだって気付いてもらえたね!!」

賢者「ながかったな!!」

商人「あとやっぱり新しい仲間は要らないかあ…ちょっと探りを入れたかったんだよね!」

賢者「ひじょーしょくにしてもいいけどな!!」

魔法使い「…何の話をしてるの?」

商人「それはそうと魔法使いちゃん、勇者サマは今何してるんだっけけ?」

魔法使い「勇者殿ならまだ英雄としての仕事を下でしてるはずよ…ってなんでこんな説明させるの?」

商人「そっかー!やっぱり魔法使いちゃんもアリアハンの王様に仕えてる以上はアリアハンの決まりを破れないもんね!!あと半年は連れてけないよね!!」

賢者「ひじょーしょくけんにもつもちがいないのはざんねんだぞ!!」

魔法使い「説明の羅列ね。蛇足を免罪符に言いたい放題ね…さあ、そろそろ竜の女王の城に着くわよ。竜の女王の城の中からあの洞窟に行くのよ、準備出来てる?」

商人「…魔法使いちゃんも結構説明口調だね…」

――ダークトロルがあらわれた!!

商人「出たなー、筋肉オバケ!!でも前に来たときに散々戦ったから…もう大丈夫だよね!!」

魔法使い「ええ、まず私達は…スクルト!!」ピュイーン

賢者「スクルトー!!」ミュミーン

商人「そしてあたしは…信じる者に加護を!!仇名す者に迷いを!!マヌーサ!!」モヨモヨーン…

ダークトロルはまぼろしにつつまれた!!ダークトロルはまぼろしにつつまれた!!ダークトロルはまぼろしにつつまれた!!

商人「よーし、あとはザラキ地獄だよ、賢者ちゃん!!」ズズズ…

賢者「おー!!ザラキ!!」ズズズ…

ダークトロルのいきのねをとめた!!ダークトロルのいきのねをとめた!!

魔法使い「いい感じね!あと1体…」

ダークトロルのこうげき!!つうこんのいちげき!!

賢者「ふぎゃあっ!?」ドゴオッ

賢者はしんでしまった!!

商人「け、賢者ちゃん!?」

魔法使い「いけないわね…私がふっかつのつえで生き返らせてみるわ!!」パアー…

しかし賢者はいきかえらなかった!!

商人「ま、まずいよ…えっとえっと…ザ、ザキ!!ザキ!!ザキ!!」ズズズズズズ…

ダークトロルはしななかった!!ダークトロルはしななかった!!ダークトロルはしななかった!!

商人「な、なんで!?さっきはあんなに効いたのに…!」

魔法使い「お願い、賢者、早く…!」

しかし賢者はいきかえらなかった!!しかし賢者はいきかえらなかった!!

ダークトロルはバイキルトをとなえた!!ダークトロルのこうげき!!

魔法使い「がっ…!」ドサッ

魔法使いはしんでしまった!!

商人「ま…!!こ、こうなったら逃げるしか…!」ダカダカダカ!!

しかしまわりこまれてしまった!!ダークトロルのこうげき!!

商人「痛い!?ど、どうしよう、もうだめ…ううん、最後にもう1度…汝、我が神と我に仇名す者よ!!汝の魂、魔天凍てつく星となれ!!ザキ!!」ズズズ…

――ダークトロルをやっつけた!!

賢者「うー、クラクラするぞ…」

商人「よ、良かった生き返って…ごめん賢者ちゃん、魔法使いちゃんも生き返らせないと…」

賢者「そーだな、よーし、ピッカピカにいきかえれ!!ザオリク!!」パアー!!

魔法使い「………っつう…」ムクッ

商人「よ、良かった…」

魔法使い「ここは…あの洞窟?という事は、貴方勝ったのね。大した者だわ…」

商人「最後にたまたまザキが効いて…もうダメかと思ったよ…」

魔法使い「ふふ、そういえば貴方、ザキは得意呪文だったわね。さて…今日はこの洞窟の3階層目まで来られたわ。そろそろ引き返す?」

商人「あ、待って!あたし、あなほりしないと…」

魔法使い「ああ…本当、熱心ね…」

賢者「おいしいものみつかるといいな!!」

商人「そうだね…よっと!あ、ほら見て、ドラゴンメイルだよ!!」キラーン

魔法使い「あら、結構高級品じゃない。さすが名人ね」

賢者「さっきはゆびわもみつけてたな!!」

商人「いのりのゆびわもみつけたね!これはさっき変な魔法使いさんも持ってたから、2つ手に入ったよ!でも…」

魔法使い「何?これでも不満なの?」

商人「うん…ここはモンスターの種類からすると、結構色んな種類の種が手に入ると思うんだけど…」

賢者「おー、こんどこそたねスープだな!!」キャッキャッ

商人「うーん、でも今日はたねはなかったかなあ…」

魔法使い「まあまだこの洞窟も二日目よ。これからきっと見つける事が出来るわよ」

商人「そうだね…でもあたし達さ、このままのメンツで行くとしたらパワーアップは必須でしょ?でも、レベルもこれからはなかなか上がらないだろうし、そうなると種か…あとは転職位しか…」

賢者「そうだな、けんじゃはまたとーぞくにもどりたいぞ!!しょーにんもまたてんしょくするのか?」

商人「ううん、あたしじゃなくてさ…魔法使いちゃん、どうかな?」

魔法使い「…転職?私が?」

商人「あ、ほら、完全に別の職業になるんじゃなくてさ、あたし達みたいに一旦別の職業に就いてから、また…」

魔法使い「…転職、か。そうね、行き詰まるようなら、それも…」

商人「まあ、今すぐじゃなくてもいいんじゃない?それよりほら、もう戻ろうよ!!」

魔法使い「そうね…じゃあ戻りましょう、リレミト!!」パラララ!!

――185日目、謎の洞窟

魔法使い「さて、今日もこの洞窟に来たけど…」

商人「やっせ!こらせ!…はい、見つけたよまほうのビキニ!!」

賢者「おー、うごきやすいふく!!」

魔法使い「…良かったわね、着てみたら?」ニッコリ

商人「え、いいよあたしは…ほ、ほら、こーゆーの着ると、あたしのわがままばでぃが…」

賢者「わがままばでぃー?なんだそれ?」

魔法使い「ほら、あの商人の鍛え抜かれた肉体で、ワガママを言う子供をゴツン!って…」

賢者「おー、ワガママいわせないばでぃーか!!」

商人「ち、違うよ!!違う…よね?」

魔法使い「なんで私に聞くのよ…全く、覚えたての言葉を適当に使って…それより今日は…」

商人「あなほりの日だよね!!」

賢者「そーなのか?」

商人「そーなの!!今あたしが決めたけど!!」

魔法使い「ああそう…ここ、そんなに良いあなほりスポットなの?」

商人「そだよ、まずはあのドラゴンの骸骨とピンクの飛竜がちからのたね持ってて、それから飛ばない方のドラゴンがスタミナのたねでしょ?あとあの野良魔王がふしぎなきのみ!!それから…」

賢者「おー、こんどこそたねスープだな!!」キャッキャッ

魔法使い「野良魔王…?しかし本当、熱心ね…良く調べてるわ」

商人「へっへーあたしの商人ちゃんネットワークを使えばちょちょいのちょいだよ!!さあさあ、あなほりポイントに行くよ!!」

魔法使いレベル47「あなほりポイント?…まあ、こうやって移動してる間も魔物を倒してレベルがあがるのは良いわね」

商人レベル45「ここ、モンスターが強いから自然とレベルアップ出来るよね!」

賢者レベル41「はらごしらえもできるしな!!」

魔法使い「食べられそうにもなるけどね…ああ、階段の近くがあなほりポイントなのね」

商人「そう、あなほりしては階段を上がり、あなほりしては階段を下がり…でたくさんあなほり出来るよ!!さて、じゃあ早速…」

――バラモスエビルがあらわれた!!

商人「あ、うわさをすれば野良魔王だよ!!」

魔法使い「そうね、強敵だけど、確かバシルーラが効いたわよね。どうする?1体だけでも飛ばしておく?」

賢者「えー、けんじゃはふたりとも食べたいぞ!!」

商人「2体とも!?ここに来るまでにカニとか食べてたのに、まだ食べるの!?」

魔法使い「本当、胃袋どうなってるのかしらね…?でもそうね、今後この洞窟を突破するためにも、真正面から戦って勝てる実力は欲しいかもね」

賢者「よーし、じゃあふたりとも食べるぞ!!いくぞー!!」

バラモスエビルはイオナズンをとなえた!!バラモスエビルはこごえるふぶきをはいた!!バラモスエビルはこごえるふぶきをはいた!!バラモスエビルはイオナズンをとなえた!!

商人「え?え!?ちょっ、攻撃が激しすぎ…」

魔法使い「いけないわ、立て直さないと…」

バラモスエビルはこごえるふぶきをはいた!!バラモスエビルはイオナズンをとなえた!!バラモスエビルはイオナズンをとなえた!!バラモスエビルは――

商人「あ、ダメ、耐えきれな――」

――186日目、アリアハン城内

商人「…え?あれ?こ、ここって…?」

大臣「おお商人よ、死んでしまうとは不甲斐ない!!」

商人「あ、アリアハンの大臣さん…?ここ、アリアハンのお城?じゃああたし達…」

大臣「そなたに再び機会を与えよう!!では、行け!!商人よ!!」

商人「あ、は、はい!ありがとうございます!……えっと、じゃあ謁見の間で失礼しますけど…ザオラル!!…よし、賢者ちゃん生き返った!!」

賢者「うー、おなかすいた…」グウウウ…

商人「賢者ちゃん、ちょっとだけ我慢してね?先に魔法使いちゃんを…」

賢者「お?まほーつかいもしんだのか?しょーがないな、ザオリク!!」ペカー!!

大臣「おお、ザオリクか、素晴らしいな」

魔法使い「……ここ、アリアハンのお城?じゃあ、私達全滅したのね…」

大臣「そうだな、お主ともあろう者が油断したか?それとも流石に疲れたか?」

魔法使い「…油断といえばそうかもしれませんが、単純に力負けしたのが…」

商人「ちょっとショックだったね…」

大臣「うむ、次は油断するでないぞ。そなたらは私が王座に就いた時の大事な大事な手駒だからな、はっはっは!!」

魔法使い「…声が大きいですよ、大臣」

商人「本音もダダ漏れだしね…」

大臣「おお、気を付けねばな。いや、気を付けるのはお前達だな。しっかりやるんだぞ?」

魔法使い「ええ、ご迷惑をお掛けしました。では…」

賢者「じゃーな、こんどはごちそう食べさせて欲しいぞ!!」

大臣「おお、私の手下になるなら考えておこう――さて、そろそろ出てきたらどうだ?ふられたから顔を出しにくいのは分かるがな、はっはっは!!」

兵士「…人の傷口に容赦なく塩を刷り込みますね」

大臣「なんだ、女々しいのう。全滅して傷心の今こそが好機だろうに。いっその事パーティーに着いて行ったらどうだ?一人空きがあるようだしな」

兵士「俺が付いて行っても邪魔にしかなりませんよ。足引っ張ってさらに心情悪くするなんてまっぴらですぜ」

大臣「そうだな、パーティーメンバーを増やすのは好ましくないとの意見だったしな」

兵士「…なんの話ですか?」

大臣「いやしかし、お前もたまには酒場に顔を出すといい。パーティーに入らなくても、あやつらの為に出来る事はあるからな!」

兵士「…あいつらの為?パーティーに入らないのにルイーダの酒場に?また変な事を考えてるな、この人は…」

魔法使い「――さて、晴れて2度目の全滅ね…」

商人「晴れて!?でも久しぶりだね、全滅…あと3回しか全滅出来ないんだよね?大丈夫かなあ…」

魔法使い「まあ、勇者殿がいれば回数は関係なくなるんだけど、まだ彼女は旅立てないからね…」

商人「えー?連れてってもいいんじゃない?」

魔法使い「駄目よ、まだ16になってないんだもの、規則は破れないわ」

賢者「ゆーずーがきかないな!!」

魔法使い「なんと言われても駄目よ。でも、回数は別にしても、全滅はいい気分はしないわ。次は本当に気を付けないと…」

商人「そうだね。やっぱりここはパワーアップの為にもあなほりを…」

魔法使い「それもいいけど、何度か戦ったからあっちの戦い方も分かってきたわ。次は確実に、もっと安全に勝てるわ。大丈夫よ」

賢者「おー、つぎこそ食べるぞ!!でもいまもおなかへってるぞ!!」

商人「あ、そういえばごはん待たせちゃったね。じゃあ食べに行こっか?」

魔法使い「そうね、食べて、それからまたあの洞窟にチャレンジしましょう」

賢者「おー、食べてから食べにいくぞ!!」

商人「うん、ほどほどにね?」

商人「ふふふ、この辺りはゴールドマンもいるからいいね、すごくいい!!」

賢者「えー、あいつ食べれないぞ…」

商人「でもほら、あいつを倒したお金でごちそうが食べれるよ!」

賢者「おー、いいモンスターだな!!」

魔法使い「もう、いつまで経ってもダンジョンではしゃぐの止められないのね、貴方達…あ、二人とも、出たわよ!!」

バラモスエビルがあらわれた!!

商人「あ、あいつ!!もう全滅したくないよ…でも魔法使いちゃん、何か作戦があるんだよね?」

魔法使い「ええ、でも今回は試しにやってみるわけだから、貴方は1体バシルーラで飛ばしてくれる?」

商人「おっけー、バシルーラ!!…はい、1体だけになったよ!!」

魔法使い「ありがとう。じゃあ賢者、あれよ!」

賢者「おー、せーの!!」

魔法使い&賢者「マホカンタ!!」

商人「え!?その魔法って、確か…」

バラモスエビルはイオナズンをとなえた!!

商人「え、ちょっ、あたしだけ…ぎゃ、ぎゃー!!」チュドーン

――バラモスエビルをやっつけた!!

魔法使い「ふう、上手くいったわね」

賢者「ラクショーだったな!!」

魔法使い「まあ、相手が1体だったからね…でも複数いても、これなら…」

賢者「すみやかにやきにくだな!!」

商人「焼き肉だな、じゃないよ!!あたしが焼き肉になる所だったよ!!」

賢者「おー、さんたい食べれるな!!」

商人「だから食べないでよ!!」

魔法使い「まあまあ。これは貴方の体力を信頼してるから出来る作戦なのよ。貴方がいつも一番最後まで倒れないでくれてるから…」

商人「そうだね、どーせあたしは反射魔法も使えない体力バカだからね!」ツーン

魔法使い「もう、へそ曲げないでよ。ほら、階段よ。貴方今日こそはあなほりするんでしょ?」

商人「あ、そうだった!よーし、あなほりあなほり…」ザッ…ザッ…

賢者「たんじゅんだなー…」

商人「よいしょ、よいしょ…ふうー、これで今日はおしまい!!」

賢者「おー、たくさんほったな!!」

商人「この謎の洞窟の一階層目で100回、二階層めで100回掘ってみたよ!」

魔法使い「いつもご苦労様ね…」

商人「商人だからね!!まずは一階層目だけど…ここはいのりのゆびわとちからのたねが1個ずつ、あとは小銭でした…」

賢者「ガッカリだな!!」

魔法使い「そうかしら?そこまで悪くはないと思うけど…それで、二階層目は?」

商人「二階層目はね、まずちからのたねとおおばさみが2つずつ、あとあたまがさえるほんが1つ!!あと13852ゴールドが1回でした!!」

賢者「おー、たいきん!!ごちそうたくさん食べれるな!!」キャッキャッ

魔法使い「両方合わせてめぼしい所はちからのたねが3つといのりのゆびわって感じかしら?まずまずじゃないの?」

商人「うーん、いまいちかなあ…一番欲しかったスタミナのたねも出なかったし…やっぱり回数が…」

魔法使い「真面目ねえ…この熱意はどこから来るのかしら…」

――187日目、カザーブ

商人「んー、今日は無事に戻ってこれたね!」

魔法使い「そうね…あの洞窟から出ると不思議といつも朝になってるから、攻略は2日に1回ペースか…」

賢者「あとはやどやでごはんだな!!」

商人「そだね、あたしもおなか減ったな…あ、この前の女の子、また稽古してるね、こんにちはー!!」

女の子「あ、旅のおねーさん達、こんにちはなのです!!」ペコリ

魔法使い「こんにちは。いつも熱心ね」

女の子「日々の鍛練は欠かさぬようにと、師匠から言われているのです。それに、自分も早く強くなって皆さんみたいに武者修行の旅に出たいのです!!」

魔法使い「私達は武者修行とは少し違うけど…そうね、旅に出たくなったら、アリアハンのルイーダの酒場に行ってみて。確か今、人を集めてたから…」

女の子「あ、そこは聞いた事があるのです!!行って見たいのです!!」

商人「あそこはいいとこだよ、じゃあ頑張ってね!!…でもさ魔法使いちゃん、今あそこって人集めてたの?」

魔法使い「ええ、なんでも大臣が何か考えてるっていう話だけど…」

賢者「おー、てしたをあつめてかくめーとかはんらんだな!!」

商人「うう、革命かあ…イヤな記憶がよみがえる…」

魔法使い「…ああ、いろいろあったわね…」

――188日目、謎の洞窟

魔法使い「さて…今日はもう少し先まで進んでみたいわね」

商人「あたし、あなほりもしたいなあ…」

賢者「けんじゃはレベルをあげたいぞ!!はやくとーぞくにもどりたいぞ!!」

魔法使い「賢者は今レベル41ね、そろそろ最後の僧侶呪文を覚えるはずだけど…」

商人「最後の僧侶魔法ってメガンテだよね?無理して覚えなくても…」

賢者「えー、けんじゃはぜんぶおぼえたいぞ!!」

商人「へー、結構真面目だね賢者ちゃん…」

賢者「けんじゃはぜんぶ食べたいしぜんぶほしいしぜんぶおぼえたいぞ!!」

魔法使い「欲張りね…根が盗賊だから仕方ないのかもしれないけど…」

商人「うーん、でも1度覚えたら忘れないんだから、覚えておいて損はないもんね」

魔法使い「それはもちろんね。やる気があるのは良いことだわ」

賢者「おー、やるきも食べるきもマンマンだぞ!!」

商人「うん、そっちは知ってる…」

魔法使い「…そういえばこの洞窟、今までに歩いたことのある洞窟とそっくりよね」

商人「そう?あたしは一階層目と二階層目は見たことないけど」

賢者「しょーにんがいないときにとおったからな!!」

商人「そうなんだ…ちょっと寂しい気もするかなあ…よっと、あなほり終了!今日は二階層目と三階層目で50回ずつだよ!!」

魔法使い「良くやるわね…」

商人「前回より少ないけどね。で、結果は二階層目はいのりのゆびわと39079ゴールド、三階層目はあたまがさえるほんが出ただけ…」

賢者「しょぼいな!!」

商人「う…ま、まあ回数が少なかったからね!今日はもっと奥まで進むんでしょ?」

魔法使い「ええ、出来れば四階層目までは行きたいわね」

商人「よーし、じゃあ行こう行こう!!下にはまだお宝があるかもしれないし!」

賢者「おいしいモンスターがいるかもしれないしな!!」

商人「…で、今三階層目だけど、ここはあのジパングの洞窟にそっくりだね」

賢者「あそこのおろちはおいしかったな!!」

魔法使い「おろちのいた洞窟に似てるからは分からないけど、ここにはおろちとそっくりのあの大魔王の手下のドラゴンがいるわね」

商人「オルテガ様と戦ってた奴だよね…あんなヤツがウロウロしてるんだもんね、ここ…」

賢者「あいつもおいしいな!!」

魔法使い「思えば、私達大魔王の城で焼き肉焼いてたのよね…今考えるとすごいわね…」

商人「そだね…あたし達、賢者ちゃんの影響で色々マヒしてるよね…」

賢者「マヒしてるのか?キアリクかけるぞ!!」

商人「あ、ありがと…でもそういう意味じゃなくて…」

魔法使い「…さて、この三階層目もあらかた探索したわね。得たものといえばこのガイアのつるぎくらいね…」

商人「うーん、貴重品だけど、今更使い道ないね…」

魔法使い「まあ、この洞窟はまだ終わりじゃないみたいだし…その内素晴らしいお宝が有るかもしれないわ」

賢者「食べてもへらないおにくとかな!!」

商人「そ、それはどうかな…?」

――マントゴーアがあらわれた!!メタルキメラがあらわれた!!

魔法使い「四階層目に下りたら、早速見たことない魔物が出たわね!」

賢者「あっちのライオンはしってるぞ!!だいまおーのしろで食べておいしかったぞ!!」

商人「うん、今はそんなに怖いモンスターじゃないよね!じゃああたしが…それっ!!」ドカッ

マントゴーアをたおした!!

メタルキメラはこごえるふぶきをはいた!!

魔法使い「な…!強烈なブレスね…」

賢者「だいまおーみたいだな!!そりゃー!!」ビシッ

魔法使い「駄目ね、固いわ…商人、貴方に任せるわ、バイキルト!!」ミュイーン

商人「おっけー、そーれっ!!」ドカッ

――まもののむれをやっつけた!!

魔法使い「ふう…固さと強烈なブレスが相まって厄介な敵だったわね」

商人レベル47「でも、だからこそいい経験積めた気がするよ!!あたし、ここに来るまでの戦いも合わせて2つもレベル上がったし!!賢者ちゃんは?」

賢者レベル42「あがったけど…まほーおぼえなかったぞ…」

魔法使い「あら、残念ね。でも、次こそは覚えるわよ」

賢者「うー、はやくとーぞくにもどりたいぞ…」

魔法使い「焦っちゃ駄目よ。この洞窟を歩いていれば、自然とレベルは上がるから…」

商人「そうそう、またすぐレベル上がるよ、だいじょーぶ!!…あ、ほら見て、階段があるよ!!」

魔法使い「本当ね。ほら賢者、もしかしたらごちそうがあるかも知れないわよ?」

賢者「おー、ホントか?はやくはやく、はやくかいだんおりるぞ!!」グイグイ

商人「わ、分かったから引っ張らないで…もー、ごちそうと聞くとすぐこれなんだから!!」

魔法使い「――ここは…今までとはずいぶん雰囲気が違うわね…」

商人「うん、誰か住んでるのかな…?」

賢者「お、だれかいるぞ!!おーい、ごちそうあるか?」

商人「け、賢者ちゃん、いきなり…あ、こ、こんにちは…」

神父「おお、こんにちは。このような所に人とは珍しい…」

魔法使い「そういう貴方は何故こんな所に?」

神父「…私は神に仕える身でありながら、間違いを犯しました。故に、この場所で身を清めているのです…」

商人「ここで身を…大変ですね…」

神父「いえ、これは当然の…」

賢者「みをきよめるにはたにんにいいことをすればいいんだぞ!!けんじゃたちにごちそうを食べさせればいいんだぞ!!」

魔法使い「こらっ!何言い出すの、もう…すみません…」

神父「いえ、この子の言うことも最もです。それに、私もたまには賑やかな食卓を囲みたいですし…ごちそうとはいきませんが、ささやかな食事を…」

賢者「おー、いいやつだな!!」キャッキャッ

商人「もー、いいやつだな、じゃないでしょ!」

魔法使い「…では、この先どこまでこの洞窟が続いているかは…」

神父「ええ、申し訳ないですが、そこまでは存じません…」

商人「ホント、この洞窟って何なんだろうね?天界に行けるって聞いたけど…」

魔法使い「天界どころか、地獄の底みたいな魔物の手強さね…」

神父「いえ、天界に近いのは確かかもしれません。現にここは、清らかな空気に満ちています」

商人「そっか、身を清める為にここに居るんですもんね」

賢者「んぐ、んぐ…おかわり食べたいぞ!!」

魔法使い「こらっ!少しは遠慮しなさい!」

賢者「えー、えんりょすると食べれないぞ?」

商人「もう、賢者ちゃんは…すみません、もう行きますから…」

神父「そうですか。少しの間ですが、楽しかったですぞ。ああ、私はこれでも神父の端くれ困ったら来るといいでしょう」

魔法使い「分かったわ、ありがとうございます。神父様のお世話になるような事態には、あまりなりたくないけど…」

神父「確かにそうですな。では、旅のご無事を祈っていますぞ」

賢者「じゃーな、また食べにくるからな!!」

魔法使いレベル49「さようなら…さあ、行きましょうか。私もレベルが上がったしね…リレミト!!」パラララ!

――190日目、謎の洞窟

商人「…ここのモンスターと戦うのも、少し慣れてきたよね」

魔法使い「そうね…まだ油断は出来ないけど」

賢者レベル43「みんなおいしいぞ!!でもレベルあがってもまたまほーおぼえなかったぞ…」

商人「ま、まあまあ、すぐだよ、すぐ!」

魔法使い「そうよ、次こそは覚えるわよ、きっと」

賢者「…ふたりとも、まえもおんなじこといってたぞ…」ブスッ

商人「そ、それは…えっと…ま、魔法使いちゃん?」

魔法使い「大丈夫よ、本当に今度こそはね。のと時はとびっきりのごちそうを食べましょ…」

賢者「とびっきりのごちそう!?ホントだな!?よーし、すぐにレベルあげるぞ!!」

商人「うん、頑張ろうね!!…だ、大丈夫だよね、あなほりでお金はたくさん手に入ったし、とびきり豪華な食事にしても…」

魔法使い「今100000ゴールド以上あるんでしょ?なら大丈夫よ………きっと」

商人「大丈夫!って言い切れない所が怖いよね…」

魔法使い「…さて、このピラミッドみたいな所は確か四階層目よね」

商人「ホントそっくりだよね。なんかさ、流れてくる音楽まで一緒な気がする!」

魔法使い「流れてくる音楽…?でもここはキメラ型のメタル、この上はあのはぐれてる奴が出てきて、レベルが上がりやすいのは良いわね」

賢者「レベルはいいけど、あいつら食べれないぞ…」

商人「まあまあ、レベルがあがったらごちそうだからさね?」

賢者「もちろんおぼえてるぞ!!はやくレベルあげるんだぞ!!」

魔法使い「そうね、出来れば今日中にもう1つレベルを上げたいわね。さっき上がったばかりだから難しいかもしれないけど…」

商人「うーん、どこか橡生で休憩地点みたいなのがあればいいんだけど…」

賢者「あのしんぷさまのとこじゃだめなのか?」

魔法使い「毎回貴方が行ったら神父様飢え死にしちゃうわよ…それに宿屋というわけでもないし…」

商人「やっぱり体力と魔力が回復出来ないとね…でもこんなキツい洞窟に休憩場所なんてないかなあ…?」

賢者「お、かいだんだな」

魔法使い「ええ、あの神父様のいた場所に行くのとは違う階段ね。下りてみましょう…」

商人「…わあ、さっきまでは暑い位だったのに、下りたら寒いね…」ブルルッ

魔法使い「そうね、ひんやりして…あら?ここは…」

賢者「どーしたんだ?またみたことあるところか?けんじゃはしらないぞ」

魔法使い「ここは…賢者と旅する前に来た…あのノアニールの近くの…」

商人「ああ、あのゆめみるルビーのあった洞窟だね!…あれ?確かあの洞窟って…」

魔法使い「ええ、確か回復の泉があったはず。しめたわね、ここで回復が出来るなら…」

賢者「ずっとここで食べてられるな!!」

商人「ずっとはいたくないけど…でも、賢者ちゃんのレベルが上がるまでここにいるのもいいね!」

賢者「おー、そしたらごちそうだな!!」

魔法使い「二人とも、はしゃぐのはいいけどまずは回復の泉にたどり着いてからにしてね。といっても、階段からそんなに離れてなかったはずだけど…」

魔法使い「ふう、生き返ったわね…本当にありがたい泉だわ」

賢者「みずをかくほしたらあとはたべものだな!!」

魔法使い「まあそれはぼちぼちね…魔物なら嫌でも出てくるし…」

商人「そういえばここ、例のメタルが出るよね。ここを拠点にレベルを上げるのも悪くないかも…」

魔法使い「そうね、ここで賢者のレベルが上がるまで…」

ダークトロルがあらわれた!!はぐれメタルがあらわれた!!

賢者「お、うわさをすればぎんいろだぞ!!」

魔法使い「ええ、あれは何としても倒したいわね…貴方達、トロルを混乱させてくれる?私は私でやってみるから。さあ、やるわよ!」

賢者「おー!!メダパニだー!!」ミイーン

商人「あたしはゆうわくのけんで…」ポワワーン…

ダークトロルはこんらんした。

ダークトロルのこうげき!!はぐれメタルをたおした!!

商人「やった!!1匹逃げられたけど…魔法使いちゃん?」

魔法使い「…パルプンテ!!」

ダークトロルはますますこんらんした!!ダークトロルはこんらんした。商人はこんらんした。賢者はこんらんした。魔法使いはこんらんした。

商人「むー、なによなによ!!あなほりしか能がなくて悪かったね!!バギ!!」ビュー

賢者「いたい!?なにするんだ!?みんなやきにくにするぞ!!ベキラマ!!」ゴオオ…

魔法使い「っつう…!本当に貴方達はお行儀が悪いわね…ヒャダルコ!!」ピキキーン!!

ハギ!!イオ!!メラ!!イオラ!!ヒャダイン!!

商人「…な、なによ…二人ともだいっきらい…!」バタッ

商人はしんでしまった!!

魔法使い「…っ!!聞き分けの…ない…!」ドサッ

魔法使いはしんでしまった!!

賢者「…お?なんだ?なんでふたりともたおれてるんだ?…あ!!モンスターがいるぞ…おお!?フラフラするぞ!?なんでだ!?」

ダークトロルのこうげき!!ダークトロルのこうげき!!

賢者「???なんでモンスターがなぐりあってるんだ?いいや、いまのうちに…ベホマ!!」キュラリーン

ダークトロルのこうげき!!ダークトロルをたおした!!

賢者「お、のこりはひとりだな!!よーし、やきにくだぞ!!メラゾーマ!!」ゴオオオオ…!!

――まもののむれをやっつけた!!

賢者レベル44「おお!?レベルがあがったぞ!!まほーもおぼえた!!これでごちそうだな!!…あ、ふたりは…んー、おなかへったけど、トロルを食べればいいから、ふたりはやきにくにしないでやるぞ!!」キャッキャッ

魔法使い「…ああ、最悪の気分ね…」

商人「うん…良く覚えてはいないけど…確か魔法使いちゃんがパルプンテ使って…」

魔法使い「…悪かったわね、二人とも。こんな事になるなんて…やっぱりパルプンテは危険ね…」

賢者「でもけんじゃはレベルあがったぞ!!まほーもおぼえた!!」

商人「え、ついに?そっかあ…じゃあ結果オーライ、かな?」

魔法使い「まあ、そうなるかしらね?ある意味最高の結果とも言えるわね…これもパルプンテの効果かしら?」

商人「でもさ魔法使いちゃん、あたし達さ、混乱してても逃げる事は出来たよね?なんで逃げなかったの?」

魔法使い「まあ…メタルを倒してしまったからね…でも、明らかな判断ミスだったわ。下手すると、また全滅…」

商人「うーん、でもさっきも言ったけど、結果オーライだったし、良かったんじゃない?それより、賢者ちゃんはいよいよ盗賊に戻れるね!!」

賢者「おー!!でもそのまえにとびっきりのごちそうだぞ!!」

商人レベル49「あ、そんな約束だったね…じゃあ戻ろっか?あたし達もここに来るまででレベル上がったし…」

魔法使いレベル50「そうね…まあ、悪い事ばかりじゃないか…うん、じゃあ戻りましょう。リレミト!!」パラララ!!

――191日目、ダーマ神殿

盗賊「おー、ひさしぶりのとーぞくだぞ!!」

商人「ホントだね、賢者がずいぶん長かったけど、やっぱり盗賊の方が似合うかもね!!」

盗賊「おー!!これからぬすみまくりだぞ!!」キャッキャッ

商人「ぬ、盗むのはモンスターからだけにしてね?それにしても…」チラッ

僧侶「なによ、似合わない?」

商人「そ、そうじゃなくて…ずいぶん思いきったなあ、って…」

僧侶「これがパーティーの為だからね。それに、魔法使いとしての呪文は全部覚えてしまったから、少し退屈してたのよね」

商人「ああ、また新しい魔法が覚えられるから…」

僧侶「そうそう、私、新しい呪文を覚えるのが今から楽しみで仕方ないの。さあ、早くレベルを上げに行きましょう」

盗賊「まほーつかいがそーりょだとややこしーからな!!はやくまほーつかいにもどったほうがいいもんな!!」

僧侶「誰に気を使ってるのかしら…」

商人「でも、いきなりあの洞窟は厳しいよね…そうだ、久しぶりにアレフガルドに行かない?転職した二人の装備も見直したいし…」

僧侶「アレフガルドか…そうね、あそこくらいの魔物なら、最初のレベル上げにはちょうどいいかもね」

商人「じゃあ決まりだね!!あー、ホント久々にあの洞窟以外の所を歩けるよ…」

転職したらスタイル良くなるかな?

――194日目、ラダトーム

盗賊「おやぶーん!!ひさしぶりだな!!」

カンダタ「おお、無事帰ったか!」

僧侶「1度全滅したけどね…」

カンダタ「全滅?それは…ん?お前、なんか雰囲気変わったな?そういえば貴方も…」

盗賊「てんしょくしてまたとーぞくになったんだぞ!!」

僧侶「私も転職したの。私はまた魔法使いに戻るつもりだけど…」

カンダタ「はあ、そうなんですか…しかしもったいないな、賢者なんてなかなかなれないだろ?転職しない方が良かったんじゃないか?」

盗賊「とーぞくにもどらないとぬすめないんだぞ!!」

カンダタ「そりゃそうだが…盗賊なんてろくな稼業じゃないぞ?まあ、俺が言っても説得力ないが…」

僧侶「そうね…まあ、カンダタさんも違う仕事をしたいならアリアハンのルイーダの酒場に行くと良いわよ。今、人集めてるみたいだし…」

カンダタ「ほう、そうですか。なら考えておきますよ…そろそろカタギも良いかもなあ…」

商人「あ、こんにちはカンダタさん!ねえ盗賊ちゃん、盗賊ちゃん用に盾買ってきたよ!」

盗賊「たて…?おー、かっちょいいたて!!」

僧侶「確かにスタイリッシュな盾ね。これは?」

商人「これはね、ドラゴンシールドっていうの!!守備力と耐性を考えると、盗賊ちゃんはこれがベストかなーってさ!」

カンダタ「へえ、立派な盾ですなあ…おや、誰か…」

勇者「お、お久しぶりです皆さん!!来てたんですね!!」

盗賊「おー、ごくろーだなしたっぱ!!」

勇者「なによ、前も言ったけど、あんたの方が年下…あれ?あんたそのカッコなに?あと、魔法使いさん…あれ?魔法使いさん…?」

僧侶「ああ、私もこの子も転職したのよ。だから今は貴方と同じレベル1ね」

勇者「そ、そうだったんですか…あ、なら…」

盗賊「でもとーぞくたちはすぐレベルあがるから、おまえはまたすぐしたっぱだぞ!!だからここでサボってないではやくしろにもどれしたっぱ!!」

勇者「し、下っ端下っ端って…!第一いまは休憩時間なの!!あんたにとやかくいわれる筋合いはないんだから!!」

僧侶「はいはい、二人ともその辺でね。全く、子供同士仲良く出来ないのかしら…?」

僧侶「…さて、準備は出来た?」

商人「うん、いつでも出発出来るよ!!」

勇者「も、もう行ってしまうんですか…?」

僧侶「ええ、本当は買い物しに来ただけだから…」

盗賊「じゃーなおやぶん、りゅーおーをよろしくな!!したっぱ、つぎきたときはごはんよういしとくんだぞ!!」

カンダタ「おう、任せとけ!!…ホントにドラゴンが産まれてきたら喰われたりしないよな…?」

勇者「ふーんだ!!他の二人の分はともかく、あんたの分なんか用意してあげないんだから!!」

僧侶「まだケンカしてるの?困ったものね…」

商人「ま、まあケンカするぼど、って言うし!」

勇者「ち、違います!!こんなやつと…!」

僧侶「はいはい。じゃあもう行くからね。勇者殿、しっかりやるのよ」

商人「頑張ってね!!」

盗賊「サボるなよしたっぱ!!」

勇者「サボらないわよ!!あんたこそ…!」

カンダタ「さよなら、道中気を付けて!!」

商人「…んー、久しぶりの船旅、気持ちいいね!!」

僧侶「そうね、最近は洞窟ばかりだったし…」

盗賊「たまにはうみのさちも食べたいしな!!」

魔法使い「まあ、あの洞窟にもカニならいたわよね。あと何故かマーマンが…」

商人「いたよね、なんでだろ…?それにしてもお天気悪いね、せっかくのアウトドアなのに!」

盗賊「よるみたいにまっくらだな!!」

僧侶レベル15「確かに、せっかく大魔王を倒したのにこれではね…でも、本来の目的はレベルアップだし…」

盗賊レベル15「レベルはたくさんあがったな!!やっぱりしたっぱはしたっぱだったな!!」

商人「まだ言ってる…あ、マイラの村が見えてきたよ!!寄ってみる?」

僧侶「そうね、あそこで1泊しましょうか。急ぐ旅でもないし…」

盗賊「おー!!ひさしぶりにマイラごはんだぞ!!」

盗賊→賢者はちびっ子のままだし
商人→僧侶でもセクシー(笑)のままだったし
変化無しだろうね

ありのまま今起こった事を話すぜ、
俺は>>424へレスしたのに、なぜか続きが被ってたんだ

中略)

催眠術とか超スピー(ry

――196日目、マイラ

盗賊「んー、マイラごはん、おいしかったな!!」

僧侶「そうね、日差しが戻ったからか、野菜や森の幸も豊富にあったわね」

商人「…うーん、ここでは買うものなしかあ…」

僧侶「あら、もうお店見てきたの?早いわね」

商人「うん、でも何もなかったけどさまあ、前来た時にもチェックしてたから大体分かってたけどさ」

僧侶「それは残念ね。でもまだリムルダールも行ってみるんでしょう?」

商人「うん、あそこでははやぶさのけんを買いたいし!あ、あと寄ってないのはドムドー…」

僧侶「あら、あそこの武器屋にはもう2度と行かないと言ったはずだけど?」ジロッ

商人「え?あ、う、うん、そうだね…まだあぶないみずぎの件を気にしてたんだ…」

僧侶「さて、じゃあリムルダールに向かいましょう。準備は良いかしら?」

盗賊「おー!!つぎはリムルダールごはんだな!!」

商人「あたしもいいよ!!あの町は大魔王のお城に向かったあの日以来かあ…ずっと昔のような、つい最近のような…」

盗賊「――よーし、ドラゴラムだぞ!!」メキメキメキ…!

商人「じゃああたしはピオリム!!」キュイーン

僧侶「私も…ピオリム!!」キュイーン

商人「よーし、じゃあ盗賊ちゃん、よろしく!!」

盗賊はもえさかるかえんをはいた!!

――はぐれメタルをやっつけた!!

僧侶レベル20「やったわね、盗賊。おかげでレベルが上がったわ」

盗賊レベル21「へへー、とーぞくのおかげだな!!」シュウウウ…

商人「そういえばリムルダールの近くってあのメタルが出るんだよね?ここで少しレベル上げてくのもいいかもね」

僧侶「そうね、町で用事を済ませたら、またこの辺で…」

盗賊「お、まちがみえてきたぞ!!」

商人「あ、ホントだ!!じゃあ町で休んだら明日は修行パートにする?」

僧侶「ある程度までレベル上げはしたいわね。でもとりあえずは町で休みましょう」

盗賊「おー、まちでごはんだな!!」

――199日目、リムルダール郊外

商人レベル51「そしてあたし達は、リムルダール周辺でモンスター退治に勤しんだのでした!!」

僧侶レベル30「誰に説明してるやら…でも、一応きりのいい所までレベルは上がったわね」

盗賊レベル30「とーぞくもあがったぞ!!」

商人「更にあたしはあなほりでしあわせのくつを2つも手に入れました!!更に更に…」

盗賊「とーぞくはモンスターからすばやさのたねを2つぬすんだぞ!!」

僧侶「二人ともやるわね。これからはあなほりに加えて盗みも期待出来るようになったわね」

商人「そだね、この2つを上手く活用すれば、アイテムがガッポガッポ…ふふふ…」

盗賊「こんどこそたねスープだな!!」

僧侶「そうね、レベル上げの他にもたねで強化していければ、この先何が待っていても乗り越えられるはずよ」

商人「そういえばさ、盗賊ちゃんの盗みって盗賊の人数が多いほど成功しやすいんだよね?あの洞窟の攻略はともかく、どこかで盗みメインで冒険するときだけ誰かに手伝ってもらうのもいいかもね」

僧侶「一時的な協力者か…まあそれもいいかもね。それはそうと、私も盗賊もそれなりにレベルが上がったし、またあの洞窟に戻る?」

盗賊「とーぞくはだいじょーぶだぞ!!」

商人「あたしもいいよ!!今度こそあの洞窟の奥の奥まで行きたいよね!!よーし、頑張ろー!!」

――200日目、謎の洞窟

商人「やった、ついに200日目になったよ!!」

僧侶「そうねえ、貴方との付き合いも200日なのね。長いような、あっという間のような…」

盗賊「いろいろあったな!!ろーやにはいったり、ろーやにはいったり!!」

商人「そ、それだけじゃないよ!!あなほりしたり、その…あなほりしたりしたよ!!」

僧侶「なんであなほりしか出てこないのよ…大魔王を討伐したりしたでしょう?」

商人「そ、そうそれ!!強敵だったよね大魔王!!」

盗賊「食べれなかったけどな!!」

僧侶「それでどうするの?また記念のあなほりするの?」

商人「うん、でもそれは後でね!まずはこの洞窟をもっと進んでみたいな!!」

盗賊「もっとおいしいモンスターがいるかもしれないからな!!」

僧侶「おいしい魔物かはともかく、まだまだ私達の知らない何かが待っているかもね。楽しみだけど不安でもあるわね。それが冒険の醍醐味といえばそうだけど…」

商人「…この回復の泉までは問題なく来れたね」

僧侶「ええ、転職してレベルも下がったからどうかと思ったけど、私の場合はむしろ体力が上がって楽になったわ。魔力はかなり落ちたけど、それもここに回復の泉があると分かっていればどうとでもなるし…」

盗賊「とーぞくもたいりょくはおなじくらいになったぞ!!」

商人「おかげで思ったよりずっと楽にここまで来れたね。しかも盗賊ちゃんはモンスターからいろいろ盗んだし…」

盗賊「もろはのつるぎにまほうのビキニにしあわせのくつだぞ!!」

僧侶「すごいわね。こんなにも盗めるものなんて…」

商人「あたしはあなほりいまいちだったけどね…まあ今回はあんまり出来なかったけど…」

僧侶「それはまたいつか腰を据えてやりましょう。この洞窟の上の方はいいあなほりポイントなんでしょう?」

商人「うん、そのうち何百回とあなほりしたいよ!!あ、見てみて、階段があるよ!!行ってみようよ!!」

盗賊「おー!!あたらしいおにくをみつけるんだぞ!!」

僧侶「ここは…いえ、ここもと言うべきかしら?どこかで見たことがある場所ね。確か…」

商人「えーと…あ、あー!!サマンオサの地下牢!!」

盗賊「はじめてのとーごくばしょだな!!」

商人「初めてのって…まるで2回目があったかのような言い方しないでよ!!…あったけどさ」

僧侶「それより、牢獄なら誰かが投獄されてるはず。こんな牢屋には、どんな人が…」

盗賊「あ、いたぞ!!あれ、スライムか?」

スライム「君達もこれから出場するの?」

商人「え?出場?なんの話だろう…?」

スライム「なーんだ、違うのか…」

僧侶「…行ってしまったわね。気になる事を言ってたみたいだけど…出場、ねえ…

商人「あ、また階段だよ!上がってみるんでしょ?」

僧侶「もちろんよ。さあ、行きましょう…ここは…?」

盗賊「おお!?ひとがみてるぞ!?」

商人「ええ!?こ、ここってモンスター格闘場!?もしかしてあたし達が…」

僧侶「ええ、どうやら賭けの対象になってるみたいね。あまりいい気分はしないけど…相手は誰かしら?」

盗賊「あいてならたぶんあいつだぞ!!おいしそうだぞ!!」

商人「あれは…洞窟によくいたトロルかあ。強敵だけど、1体なら…」

僧侶「ええ、怖れる程ではないはずよ。さあ、やりましょう!」

盗賊「おー!!かいたいじゅんびするぞ!!」

「――よーし、倒れろー!!」ドガン

―ダークトロルをやっつけた!!

僧侶「やっぱり1体が相手なら大したことなかったわね」

盗賊「よーし、かいたいして…」テキパキ


商人「相変わらず手早いなあ…それにしても変な場所だね…」

ピーピー!!ナイスファイト!!ヌゲー!!

僧侶「…品のないヤジが聞こえるわね」ゴゴゴ…

商人「お、お願いだから魔力を集中させないで…」

僧侶「冗談よ。それより、あのトロルの後ろにも階段があったわ。また先に進めるわね」

商人「そだね…なんだか怖いくらい順調だけど大丈夫かなあ?」

僧侶「順調っていっても今日だけで、今までにこの洞窟の中で全滅したりしたからね…」

商人「ああ、そっか…この洞窟に来てからだけでも結構時間経ったんだね…」

僧侶「そうね、でも今は時間に追われてる訳でもないし…」

盗賊「ゆっくりかいたいできるな!!」

商人「ああ、うん、そうだね…でも出来れば早めにこの先が見てみたいなー、なんて…」

僧侶「…ここは、塔?いえ、お城…?」

商人「うん、お城っぽい気がするよ…洞窟からお城って、ナジミの塔からアリアハンのお城に行ったときみたいだね…」

盗賊「おしろならおーさまがいるんだな?ごちそうがでてくるな!!」

僧侶「それはどうかしら…?」

商人「とにかく、ここにある階段も下りて…わっ!ホントにお城だ…」

僧侶「ここは…イシスのお城に似てるかしら?こんな場所に、お城…」

盗賊「お、おーさまがいるぞ!!おーい!!」

王様「おお、よくぞ来た!!わしがこの城の王じゃ。お主達も神龍に願いを叶えてもらいに来たのか?」

僧侶「神龍…?」

王様「神龍に会えればどんな願いでも叶えてもらえるそうじゃ。ここまで来たならあと一息、頑張るんじゃぞ!」

盗賊「どんなねがいも!?食べきれないほどのごちそうだな!!」

商人「ま、待って!!あたしをとびっきりのせくしーだいなまいつに…!」

僧侶「欲望丸出しね二人とも…ここは天界なのでしょう?神龍ともなればこの天界の主でしょうし、そんな願い事で良いのかしら?」

王様「うむ。何でも、とはいえある程度の品格は求められるであろうな」

商人「じゃ、じゃあ品のあるせくしーだいなまいつな美女に…」

盗賊「ひんのあるごちそうをたくさんだな!!」

僧侶「貴方達が品というものを理解してないのは分かったわ…」

王様「まあ、願い事はゆっくりと考えるがよい。あと一息とはいえ、厳しい道のりである事には違いないからな」

僧侶「そうでしょうね…分かりました。さあ二人とも、まずはこの先をどう乗りきるかを考えてね?」

商人「それはもう!!行くよ、せくしーだいなまいつにむかって!!」

盗賊「食べきれないごちそうにむかって!!」キャッキャッ

僧侶「本当に分かってるのかしら…?」

商人「…それにしても、ここ、お店も何もないんだね。つまんないなあ…」

僧侶「お城ですもの、お城の中にお店は変でしょう?」

商人「でもさ、こういうヘンピな所にこそすごい物が売ってるべきじゃない?それこそほら、ドラゴンのさとり的な…ここは天界なんだし、勇者のさとりみたいなのが売ってても良いと思わない?」

盗賊「おー、だれでもゆーしゃか!!もうあのしたっぱにでかいかおをさせなくていいな!!」

僧侶「貴方がいつ勇者殿に大きな顔をさせたのよ…ない物ねだりしてもしょうがないでしょう?」

商人「それは分かってるんだけど、せっかくここまで来たんだし…」

詩人「おや、珍しい物をご所望ですか?勇者のさとりとはいきませんが、負けない程の珍品なら知っていますよ」

盗賊「お?だれだ?」

商人「え、そ、それはどんな!?どこにあるんですか!?」

僧侶「ちょっと、落ち着いて…」

詩人「ふふ、興味がおありですね。では謎かけをしましょう」

商人「謎かけ?」

詩人「貴方達はここまで来たのですから、腕は確かなのでしょう。でも頭の方はどうですか?」

僧侶「むっ…言ってくれるわね」

詩人「『ほろびの町、十字架の下でキラリと光るものは……』さあ、何だか分かりますか?」

商人「滅びの町…」

盗賊「ほろびのまち?モンスターにぜんぶこわされたまちってことか?」

僧侶「おそらくそういう事でしょうね…」

詩人「ふふ、難しいでしょう?何せ…」

商人「…うん、うん。よし!行こうよ、二人とも!!」

僧侶「あら、分かったの?」

商人「分かるよ!!てゆうか、こんなの謎かけって言わないでしょ?サービスだよ!!」

詩人「ほう、そこまで言いますか…」

僧侶「サービスのわりには悩んでたように見えたけど…」

商人「謎解きで悩んでた訳じゃないよ!!場所はすぐ分かったけど、行こうかどうか悩んでたの!!」

僧侶「という事は…やっぱりあそこね?」

商人「うん、あそこしかないと思う。気は進まないけど…」

盗賊「そこにごちそうがあるんだな?はやくいくぞ!!」グイグイ

商人「ま、待って盗賊ちゃん…そもそも誰もごちそうだとは言ってないからね!?」

――202日目

盗賊「おー、やっぱりラーミアははやいな!!」

僧侶「そうね…それにしても不思議な所だったわね。飛び下りたらこの世界に戻って来れるなんて…」

商人「うん、確かに不思議だけど…なんかあそこってわりと何でもありな気がしてきたよ…」

僧侶「確かにね…」

盗賊「なあなあ、それでどこにいくんだ?」

商人「それはもちろん、滅びの町だよ!!さあラーミアちゃん、南だよ、南!!」

僧侶「…このペースだと着くのは夜かしら?朝に着くよりは良いわよね、商人?」

商人「ま、まあね…出来れば行かないのが一番良かったけど…」

盗賊「こーきしんにはかてないな!!」

商人「そういう事だね…あ、見えた来たよ!」

盗賊「おー、あのまちか?」

僧侶「そうね、でも町というよりは村よね、あそこは…さあ、着いたわ。じゃあ行きましょう、テドンの村に!」

――夜、テドン

商人「…久しぶりに来たね、ここ」

僧侶「そうね…本当、賑やかな村よね…夜は」

盗賊「でもにぎやかだとダメなんじゃないのか?ほろんでないぞ?」

老人「なに?この村が滅んだじゃと?馬鹿なことを言うでない!!」

盗賊「おお!?おこられたぞ!!」

商人「あ、ご、ごめんなさい…盗賊ちゃん、あんまり滅んだ滅んだ言わないで…」ヒソヒソ

僧侶「さて…謎かけは滅びの町の十字架の下、と言ってたわよね。十字架といえば…」

商人「教会だよね。盗賊ちゃん、レミラーマ唱えてみて」

盗賊「おー!!ピッカピカーの、レミラーマ!!」キラーン

僧侶「…!やっぱり教会で光ったわね」

商人「うん、じゃあ行ってみよー!!…神父様、すみません…そこ、どいて…」

神父「おお、このような夜更けに、何かお困りごとですかな?」

商人「あの…だから…その…」

僧侶「…朝に出直すようね…」

――203日目

盗賊「おー、ほろんでるな!!」

商人「ああ、そういえば盗賊ちゃんはここに夜以外来たことなかったっけ?」

僧侶「そうね、オーブを取りに来たときも夜だったし…」

商人「夜じゃないとオーブ渡してもらえなかっただろうからね…それにしても…やっぱり大魔王を倒しても元に戻ったりはしないんだね…」

僧侶「そうね…オルテガ殿だって生き返ってはいないし、何よりここは時間が経ちすぎてるし…」

盗賊「あ!!じゅーじかのしたになにかあるぞ!!」

商人「えっ!?どれどれ…あ、ホントだ!!」

僧侶「それは…爪、かしら?」

商人「そだね、これはまじゅうのツメかな?良いものだとは思うけど…」

盗賊「とーぞくはこのムチのほうがつよいとおもうぞ!!」

商人「うん、たぶんグリンガムのムチ程じゃないね。武闘家でもいれば別なんだろうけど…」

僧侶「そう…でもあの詩人の謎かけはクリアね。お城に戻って報告しましょう」

商人「うん、これ見せて、ラクショーだったって言ってやらないとね!!」

――204日目、ゼニスの城

商人「へー、ここまでルーラで来れるんだ…便利だね」

僧侶「ええ、これであの洞窟の長い道程を考えなくて済むわね」

盗賊「よーし、じゃあさっきのあんちゃんに…」

商人「あー!!そうだ、忘れてた!!」

僧侶「え?何よ、大きな声出して」

商人「そういえばあたし達、神龍に願い事叶えてもらうはずだったでしょ?あたしがきゅーとでせくしーだいなまいつになるように!!」

僧侶「そういえばそうだったわね。でも願い事はまだ決まって…」

盗賊「そーだぞ、食べきれないごちそうだぞ!!」

僧侶「だから願い事はまだ…」

商人「こうしちゃいられないよ、早く先に進まないと!!さ、行こ、ね、ね?」

僧侶「ちょっと、落ち着いて…」

盗賊「おー!!いくぞー!!」

僧侶「盗賊も…行ってしまったわ。もう、二人ともそんなに願い事を叶えたいのかしら…待って、今行くから…」タタタ…

詩人「…おや?あれはこの前の…謎解きは出来たのでしょうか…?」

――謎の塔

商人「…勢いで先に進んだけど、ここのモンスターも強すぎ…しかもさっき飲んだ変な飲み物は熱すぎるし…」

僧侶「あれ、なんだったのかしらね?特に回復するわけでもないし…」

盗賊「あ、またモンスターだぞ!!」

てんのもんばんがあらわれた!!ほうおうがあらわれた!!

僧侶「あの大きな魔物の攻撃力は恐ろしいわ、気を付けないと…」

商人「うん、でもあっちの鳥も魔法が…」

ほうおうはバシルーラをとなえた!!商人はとおくへはねとばされた!!

僧侶「ええ!?いきなりこれは…」

盗賊「しょ、しょーにん!?どこいったんだ!?」

僧侶「商人は飛ばされてしまったわ。貴方も気を付け…」

ほうおうはバシルーラをとなえた!!僧侶はとおくへはねとばされた!!

盗賊「おお!?ふたりともどこかいっちゃったぞ…うー、おなかへったけどひとりじゃモンスターたおせないぞ…にげるぞ!!」ダダダ…

盗賊「にげれたけど…ふたりはどこいったんだ…うーーーん………よし!!おなかへったから、ルイーダねえさんのところでごはん食べるぞ!!リレミト!!」パラララ!!

――206日目、アリアハン

商人「うう、なんでこんな事に…ルイーダさん、お酒!!」

僧侶「貴方お酒飲める年じゃないでしょ…私はトマトジュースを」

商人「あれ?飲めない年だっけ?」

僧侶「私今僧侶よ。飲まないわよ…それより盗賊はちゃんとここに来てくれるかしら?」

商人「うーん、どうだろうね…でもきっとお腹減ったら…」

盗賊「おーい、ルイーダねえさん、ごはん!!…あれ?ふたりとも、なんでここにいるんだ?あ、おなかへったんだな!!」

商人「あ、やっぱり来たね盗賊ちゃん!」

僧侶「別にお腹空いた訳じゃないわよ。呪文に飛ばされたから…」

盗賊「ふーん…まあいいや、ルイーダねえさん、ごはん!!」バンバン

ルイーダ「はいはい、少し待ってて」

僧侶「もう、少しはお行儀良くしなさい!でも合流出来て良かったわ」

商人「そだね、今日ばっかりは盗賊ちゃんの食い意地に感謝だね…」

商人「おじさん、お久しぶりー!!」

宿屋「ん…?おお、お嬢さん方は!!久しぶりだねえ、また来てくれたのか」

商人「へへー、アリアハンに寄ったから、ついでにね!」

盗賊「おー、こんなところにやどやがあるのか!!」

僧侶「ああ、貴方は初めてね。ここは昔お世話になった…」

盗賊「ここのモンスターならうさぎとカラスが食べれるな!!それからありくいにカエルに…ちょうちょもはねをむしれば…」

宿屋「うーむ、元気なお嬢ちゃんだね…」

商人「え、ええまあ…」

宿屋「それよりあんた達、なんか凄いことやったんだってな。こんな所まで噂は聞こえてるよ」

商人「え、そうなんですか?えっと、あたし達魔王を…」

盗賊「なあなあ、ごはんはー?」バンバン

僧侶「ほら、テーブルを叩かないの!」

商人「あー、ごめんなさい、騒がしくて…」

宿屋「いやいや、悪かったね、お腹が減ってるのに。じゃあ今準備するから、少し待ってておくれ」

盗賊「おー!!ごはんだごはん!!」

商人「んー、久しぶりのナジミの塔で気分転換かんりょー!!さあ後はせくしーだいなまいつに向かって…」

僧侶「貴方ねえ…そう意気込んで前回見事に飛ばされたの覚えてないの?」

盗賊「ふたりともピューンってとんでったな!!」

商人「そ、それは…あれ?そういえば、あたし達ここで何かしなきゃいけなかったような…」

僧侶「謎解きの報告よ。全く、前もその為に来たはずなのに、セクシーダイナマイツがどうとか…」

商人「そ、そうだっけ?えへへ…じゃあ報告に行こうよ!!詩人さーん!」

詩人「ほう、1つ目の謎は解けましたか」

商人「ええもう簡単でした!!…1つ目?」

詩人「では、次はどうですか?『暗き世の囲まれたる町。花の中にそれはねむる…』」

商人「暗き世の…夜の事かな?ま、まさかまたテドン!?」

盗賊「夜の?なあなあ、したのせかいはずっとよるだったぞ」

商人「あ、そっか、盗賊ちゃん賢い!!となると…囲まれた町、リムルダール?」

僧侶「ああ、あそこも水堀に囲まれてるわね。私はメルキドかと思ったけど…」

商人「あー、メルキドかあ!!そっちかなあ?」

僧侶「分からないわ、でもとにかく行ってみましょう。まずはメルキドからね。すぐに見つかればいいけど…」

――209日目、メルキド

商人「…うーん、いつ見てもすごい城壁だね…やっぱり囲まれた町はこっちかなあ?」

僧侶「さあ、分からないわ。とにかく探してみましょう」

盗賊「えーと、たしかはながあるところだよな!!」

僧侶「ええ、でもこの無機質な町に花なんてあったかしら…?」

商人「えっと…あ、確か町の真ん中のおっきな建物の中に花壇があったはず!」

盗賊「おっきなたてもの…ここだな!!よーし、レミラーマ!!」キラーン

僧侶「…今、光ったわね。レミラーマがあるとあっさり見つかるわね…」

商人「いいじゃん、早く見つかるならさ。さあ、何があるかなー…あ、これ服だよ、やみのころも!!」

盗賊「おお!?とーぞくようのふくか?」

商人「うん、これを着てるとみかわしのふくみたいに攻撃をヒラリヒラリって避けられるよ!!しかも防御力もかなり高いの!!」

僧侶「へえ、なかなか良いものね。今回は当たりかしら?」

商人「そだね、とっても良いものだよ!!あの詩人さんにお礼言わないとね!!」

――精霊のほこら

精霊「ルビス様!あの人間達がメルキドに来てるそうですよ!」

ルビス「メルキド!?すぐそこですね!もしかしてここに寄ってくれたり…」ワクワク

エルフ「あの人間達ならもういなくなったよ。そもそもここに用ないでしょ?」

ルビス「ええ?そんな、ひどい…」シュン

精霊「ル、ルビス様…そ、そういえばあの人間達、今天界に行ってるそうですよ!」

ルビス「え!?天界に!?すごいですね!」

エルフ「ルビス様、天界知ってるの?」

ルビス「もちろんです!天界はこう、パーってなってフワーってなって、でも魔物はぐおーって…」

精霊「まあ、すごい所ですね!」

ルビス「あの人達、まだ頑張っているんですね…私はいつでも見守って…いえ、応援しています!行けー!強肩強打で敵を討てー!!」

精霊「わー!!」パチパチパチパチ…

エルフ「キョーケンキョーダ…?また変な呪文ばっかり…もうやだ、私も転職したい…」

――210日目、謎の洞窟

商人「祝・200日突破記念!ドッキドキ★あなほり大会・in謎の洞窟ー!!」

盗賊「おー!!たいかいめいながいぞー!!」

僧侶「本当に長いわね…で、今回はここであなほりをしたわけね」

商人「そう!たねやきのみがいろんな種類狙える!!…とあたしが睨んだこの謎の洞窟一階層目と二階層目でそれぞれ250回ずつあなほりをしたよ!!では早速一階層目から、成果はこちら!!」

おおばさみ4、ちからのたね2、あたまがさえるほん、まほうのビキニ、スタミナのたね、5440ゴールド、他小銭多数

僧侶「スタミナのたねは狙ってた物の1つよね」

商人「でもこれじゃ満足出来ないよ、二階層目の結果はこちら!!」

ちからのたね2、おおばさみ2、いのりのゆびわ2、おうごんのつめ、3608ゴールド、他小銭多数

盗賊「おー、おうごんのつめか!!」

商人「うーん、それは確かに凄いんだけど、狙ってたたねがいまいち…ふしぎなきのみも出なかったし…」

僧侶「まああなほりは運も絡むからね…それに、またいつかリベンジするんでしょ?」

商人「そうだね、出来れば早めにやりたいよ!あたし今、すごく種種しい気分なんだ!!」

盗賊「たねたねしい…?」

僧侶「つまりたねがたくさん欲しいって事…?熱心なのは良いけど、程々にね…」

盗賊「おーい、あんちゃんいるかー?」ドタバタ

詩人「おや、その様子は…二つ目の謎も解いたようですね。少し簡単過ぎましたか」

商人「へへー、あたし達にかかればラクショーです!」

僧侶「まあ、楽勝っていう程ではなかったけどね」

盗賊「なぞなぞまだあるのか?つぎこそごちそうだな!!」

詩人「ふふ、では次の謎かけです『星を見る者。足元に気がつかず…』さあ、分かりますか?」

商人「え?星を見る?え?え?ふ、二人は分かる?」

盗賊「とーぞくはさっぱりだぞ!!」

僧侶「星を見る…そうね、何か、何か分かりそうな…でも…」

詩人「ええ、今度は難しいと思いますよ。良く考えて下さいね」

商人「わ、分かりました…ど、どうしよう?あ、あたしさっぱり…」

僧侶「落ち着いて。まずは下界に降りましょう。ここにないのは確かだし…」

商人「あ、そうだね。じゃあ下に行って、それから考えてみよっか!」

盗賊「そーだな、したでおいしいもの食べればわかるかもしれないな!!」

僧侶「それで分かれば良いけど…これは難問ね…」

――211日目

商人「…で、とりあえずラーミアちゃんに乗ったは良いけど…」

盗賊「さっぱりわからないな!!」

僧侶「そうねえ、でもこうやっていろんな町を上から眺めてるうちに、もしかしたら…」

商人「…うーん、でももう夜になっちゃったよね…こうなると…」

僧侶「暗くて何も分からないわね…あら、東の空が明るくなって――」

商人「あ、夜が明けるね!」

――212日目

盗賊「おー、おひさまがのぼってくるぞ!!」

僧侶「日が昇って…?今何か…いえ、そうじゃないわ、日が登って来るのではなくて、地上が回って…そう!そうよ!!」

商人「え?な、何か分かったの!?」

僧侶「ええ、恐らく…いえ、間違いないわ。さあ行きましょう、この謎を解きに!!」

――夜、ルザミ

商人「ここって…あのさんざん迷った忘れられた島だよね?ここがそうなの?」

僧侶「ええ、間違いないわ。さあ、こっちよ」

盗賊「おー、このいえか?」

商人「この家は…あ、あ!!確かこの家、地球が回ってるって言ってた、星を見てる人がいる…!」

僧侶「そう、きっとここが…失礼します」ガチャ

学者「はい、どなたですか?…おや、貴方方は確か以前…」

商人「は、はい、何ヵ月か前にここに来て…あ、ああ!!そ、その足元のそれは!!」

盗賊「おー、かいふくするいし!!」

僧侶「けんじゃのいし…!これが今回の…?あの…」

学者「これは…いやはや、すぐ足元にこんな物があるのに気がつかないとは…皆さん、これを求めてお越しになったのですか?」

商人「え?えーと、まあ、そういう事になります…」

学者「そうですか。ではお持ちください。このような所にいる私には無用な物。そもそも、貴方方が来なければ私は気づかなかったでしょうし…」

僧侶「…良いのですか?では、ありがたく…」

商人「ありがとうございます!!わー、3回目はすごいお宝だったね!!この石がまだあったなんて…!」

――213日目、夜、アリアハン

商人「…実はルザミとアリアハンって結構近いんだよね」

僧侶「本当ね…それで、今日はここに何の用で来たの?」

盗賊「おなかへったからごはんだな!!ルイーダねえさん、ごはん!!」

商人「ご、ごはんじゃなくて…ほら、前にアイテム集める時だけ誰かに手伝ってもらおうって話してたじゃない?せっかくこっちに来たから、ついでに…」

僧侶「ああ、貴方今種種しい気分だったわね…」

盗賊「おー、あたらしいなかまか?」

商人「ちょっとの間だけだけどね…ルイーダさん、名簿見せて…あれ?」

僧侶「どうしたの?」

商人「なんか登録してる人増えてる…しかもこの人…あの、ルイーダさん…」

ルイーダ「この人を呼ぶんだね?カソダタさーん、商人がお呼びよ!!」

カソダタ「え?誰が…ああ!?貴方方は!?」

盗賊「おー!!おやぶん!!」

僧侶「ホントに真面目に働くつもりだったのね…いえ、盗賊のままだからそうでもないのかしら…?」

――214日目、イシス上空

カソダタ「おお!これが噂に聞くラーミア!!」

盗賊「ラーミアはすごいんだぞ!!やきとりにしちゃダメだぞ!!」

僧侶「貴方以外そんな事考えないわよ…ところでカンダタさん、名前少し変わってないかしら?」

カソダタ「え?ええ、昔やんちゃしてましたから、あまり本名だと…へへへ」

僧侶「…大して本名と変わってない気がするけど、大丈夫なのかしら…」

商人「そういえばカソダタ…さん?あの卵、竜王ちゃんはどうしたんですか?」

カソダタ「ああ、あの卵なら家の下に住んでる神父が見ててくれてますよ。といっても、私もちょくちょく帰ってますが」

商人「そうなんですか…あ、見えて来たよ、ピラミッド!!カソダタさん、今日はあそこで種集めです!」

盗賊「キリキリはたらくんだぞおやぶん!!」

カソダタ「お、おう…俺、お前にそんなに厳しくしてたか…?」

――ピラミッド

カソダタ「ほう、ここは王家の墓なんですか。きっとお宝がたんまりあるんでしょうなあ」

僧侶「ええ。昔からそう考える人が多かったみたいで、今はもうほとんど残ってないみたいよ」

商人「空の宝箱多かったね…残ってたお宝もあたし達がもらったし…」

カソダタ「ほほう、貴方方が?いやはや、なかなかスミに置けないですなあ、へっへっへ…」

商人「そ、その言われ方はちょっと…」

盗賊「ほら、なにしてるんだおやぶん!!まじめにやらないとダメだぞ!!」

僧侶「なんで貴方はそんなに厳しいのよ…」

カソダタ「育て方間違えたかな…?えっと、ここではスタミナのたねとかしこさのたねを狙うんですね」

商人「そうです、あのわらいぶくろと火を吐くムカデから…」

盗賊「お、ムカデだぞ!!おやぶん、やるぞ!!」

カソダタ「分かった、分かったよ…ったく、何でこんなに人使いが荒くなったんだ…?」

商人「うーん、結構長い間いたけど、収穫はスタミナのたね3つだけかあ…」

僧侶「そのうち1つは宝箱を落としたやつね」

盗賊「いっこもぬすめないなんてだらしないぞおやぶん!!カエルからムチをぬすんでるばあいじゃないぞ!!」

カソダタ「か、勘弁してくれよ、俺は盗賊として修行し直し始めたばっかりなんだよ…」

商人「へー、そうなんですか?」

カソダタレベル11「ええ、我流でやって来たんですが、限界を感じて…でも、今日だけでかなりレベルが上がりましたよ」

僧侶「それは良かったわ。またいつかお願いするかもしれないし…」

盗賊「つぎはあしをひっぱるなよおやぶん!!」

僧侶「だからなんでそんなに厳しいのよ…」

盗賊「よーし、じゃあかえってごはんだぞ!!ルイーダねえさんにやまもりごはんをつくってもらうぞ!!」

カソダタ「…すみません、食費、嵩んだでしょう?」

商人「ええ、まあ、ちょっと、結構、かなり…」

――216日目、ルイーダの酒場

盗賊「ルイーダねえさん、あしひっぱりをあずけにきたぞ!!ごはん!!」バンバン

カソダタ「そんな、ひどい…」

僧侶「ちょっと、育ての親にあんまりでしょ!もう、これじゃ私達の躾が悪かったみたいじゃない…」

商人「ま、まあまあ、きっと久しぶりに親分と一緒になってはしゃいじゃったんだよ」

盗賊「ごーはーんー!!」バンバン

僧侶「…私達もだけど、少し甘やかしすぎたんじゃないの?」

カソダタ「それはまあ、女の子ですからね…」

僧侶「それにしてもいくらなんでも…まあ、男親だとそんなものかもしれないわね…」

盗賊「お、ごはんだごはん!!ほらほら、さんにんともごはんだぞ!!」

カソダタ「おう、分かった分かった!」

僧侶「…良く考えれば、まだ甘えたい年頃でしょうに、過酷な旅をさせてしまってるわ。多少は多目に見ても…」

盗賊「おかわり!!おーかーわーりー!!」バンバンバンバン

僧侶「…やっぱり流石にちょっとね…」

――217日目、謎の塔

商人「――じゃあ今日はまたこの塔を上ってみるんだね?」

僧侶「ええ、頂上まで、とは行かなくても、この前よりは進みたいわね」

盗賊「このまえはふたりともとんでったからな!!」

僧侶「あれは不覚だったわ…僧侶になってからうんのよさが下がったのよね」

商人「珍しいよね、ああいう魔法にかかるの。あたしはしょっちゅうだけどさ…」

盗賊「うんのよさボロボロだからな!!」

商人「ボロボロって…まあ、そうとも言うかな…」

僧侶「まあ、運の悪さもレベルが上がればなんとかなるかもしれないわ。この過酷な塔を上るうちに、きっとレベルアップ出来るはずよ。私もそろそろ魔法使いに戻りたいし、レベルは上げたい所ね…」

ていうか、強気でつり目で貧乳な女の子がバニーさんになって、コンプレックスを刺激されつつも目的のためにと自分に言い聞かせたり強がったり落ち込んだり辱められたりする妄想が俺の頭の中を今駆け巡っていて宇宙がやばい

>>475-476
そこまで品乳言ってやるなよ………第一、過去に悟りの書(盗賊に使ったものとは別に)手に入れてるから遊び人にはならなくてすむし………

賢者だけの呪文あったっけ?

むしろここは商人にして穴掘り要員二人にすべきでは?

あと、三人とも個人的にドストライクゾーンなので仲間になりたい………

マジレスするのもなぁと思ってずっと言わんでいたが、Bあるんだから貧乳ではないし十分だろ

商人レベル54「…うう、相変わらずここのモンスター強い…おかげでレベルは上がるけど…」

盗賊レベル37「ほらほら、いのりのゆびわを2つもぬすんだぞ!!」

僧侶レベル37「やるわね、盗みは絶好調ね…あら、宝箱があるわよ」

僧侶「あ、ホントだ!開けてみよっか…よっと」カチリ

なんと しあわせのくつをてにいれた!!

盗賊「おー、レベルのあがるくつ!!」

商人「わあ、すごいお宝!!…と言いたい所だけど…」

僧侶「貴方のあなほりのおかげで、この靴たくさんあるわよね。何足目?」

商人「は、8…」

僧侶「…パーティー2つ分あるじゃない」

盗賊「じゃあこれはおやぶんにあげるぞ!!はやくレベルをあげてキリキリはたらいてもらうぞ!!」

商人「ああ、それはいいかも!でも盗賊ちゃん、親分さんにはもう少しだけ優しくしてあげて…」

僧侶「…ふう、やっぱり塔は上るのが大変ね…」

商人「うん。急な上に上りっぱなしだもんね。今までの塔は上ったり下りたりだったのに…」

盗賊「でもさっきしたにおりたぞ!!」

僧侶「下りたんじゃなくて落ちた、ね。全く、ロープを渡るとなると商人を押すんだから…」

商人「ホント、いつもヒドい目に遭うよ…」

僧侶「まあ、ロープの上で穴を掘ってる貴方も貴方だけどね…本当、どうやってるのかしら…?」

商人「それはもう、商人の秘技ってヤツ?」

盗賊「おー、すごいな!!」

商人「そ、そうでしょ?へ、へへー!!」

僧侶「嘘なら嘘って早めに言うのよ…で、そのあなほりの成果は?」

商人「えっとね、今回はあたまがさえるほんといかりのタトゥーかな?最近盗賊ちゃんの盗みに押されぎみ…」

盗賊「へへー、きょうはとーぞくのかちだからごちそうだな!!」

僧侶「いつからそんなルールになったの…?そもそも勝ち負けじゃないでしょうに…」

商人「ふー、そろそろ疲れてきたね。モンスターが強いから毎回のように全開で戦闘してるし…」

僧侶「そうねえ、私も魔力が空に近いし…もう少し進んだら戻りましょう」

盗賊「えー?おなかへっ…あれ?おたからのにおいがする…」

商人「ホント?どっちどっち?」

盗賊「んーとな、たぶんあっちだぞ!!」

僧侶「じゃあそのお宝を見つけたら…れね」

盗賊「あけてみるぞ!!それっ!!」パカッ

なんと はかいのてっきゅうをてにいれた!!

商人「おおー!?こ、これははかいのてっきゅう!!」

僧侶「武骨な名前の武骨な武器ね。それ、良いものなの?」

商人「良いも何も、物凄い攻撃力と攻撃範囲の凄い武器だよ!!もしかしたら最強の武器なんじゃないかな?」

盗賊「さいきょー!?すごいな!!」キラキラ

商人「うん、しかもこれなら盗賊ちゃんが装備出来るよ!!はい、あげるね!!」

盗賊「おー!!ぜんぶぶちこわすぞ!!」キャッキャッ

僧侶「………とても不安になるけど、大丈夫かしらね…?」

――219日目、謎の洞窟

商人「…で、今日は洞窟の方に来たんだね」

僧侶「ええ、あと少しで…あら?」

キラークラブがあらわれた!!

盗賊「おー!!カニだ!!3びきぜんぶたべるぞ!!」ドカバキッ

僧侶「ちゃんと火を通しなさいよ…ベキラゴン!!」ゴオオオ!!

――キラークラブをやっつけた!!

盗賊「おー、カニだカニ!!食べるぞー!!」キャッキャッ

――僧侶はレベルがあがった!!

僧侶レベル38「よし、これで私もザオリクを覚えたわ。これで魔法使いに戻れるわね」

商人「やったね!一ヶ月足らずだったけど、長く感じたね…」

僧侶「そうね…さあ、ダーマに行きましょう。盗賊、準備はいい?」

盗賊「まって…食べてから…」モグモグ

商人「あー、もうお食事モードだね…」

僧侶「仕方ないわね、途中で騒がれても困るし…でもやっぱり私は魔法使いがいいわ。早く元に戻りたいわね…」

――220日目、ダーマ

魔法使い「…うん、やっぱりこっちの方が良いわね」

盗賊「おー、もとどおりだな!!」

魔法使い「元通りとは少し違うわね、色んな呪文を覚えてパワーアップしてるし。でも、まあ、そうね…」

商人「うん、これで全員が元通りだよ!!盗賊ちゃんは賢者だった期間が長かったから、皆さんまだ馴染まないかもしれないけど!!」

魔法使いレベル1「皆さんって誰…?それより、転職でレベルが下がってしまったわ。手っ取り早くレベル上げしたい所ね」

商人「じゃああのメタルを倒しに行く?」

魔法使い「そうね、前に盗賊と二人で転職した時も、リムルダールでメタルを倒したし、今回もそれがいいかもね。盗賊もそれでいい?」

盗賊「おー!!いいぞ!!」

商人「じゃあそうしよっか!…盗賊ちゃん、魔法使いがレベル下がっても下っぱとか足引っ張りとか言わないんだね。これが教育のタマモノ…?」

――精霊のほこら

精霊「はい、ではここでお話を中断して、各所からのお葉書を紹介させていただきます」

ルビス「わー!」パチパチ

エルフ「お葉書…?」

精霊「まずは>>476さんに『その妄想を創作にしてはいかがかしら?』というお葉書が届いています」

ルビス「あら?このお葉書、所々焦げてますね」

エルフ「怒りが滲み出てる…」

精霊「次に>>477さんの亡霊さんへ『巻き添えにして大変申し訳ない。お詫びに機会があれば特別出演していただく』とのお葉書です!」

ルビス「わー、すごいですね!」

エルフ「特別出演って、骨で…」

精霊「なお、これに関しては『ほねはのこしておいたぞ!!』というありがたいお言葉もいただきましたよ」

エルフ「………」

精霊「最後に>>478さんに『ドラゴラム!!』とだけ来ています。どういう事でしょう…?」

ルビス「きっと素晴らしい呪文を見せてあげるという事ですね!」

エルフ「……Bって言うなってあれほど…」

――223日目、リムルダール周辺

商人レベル60「よーし、大台突破!!やっぱりここでメタルを倒すとレベルたくさん上がるね!!」

魔法使いレベル39「そうね、たったの数日で私も僧侶の時よりレベルが上がったし…」

盗賊レベル44「もうだれにもまけないな!!」

魔法使い「それはどうかしら…でも、ここまで強くなったんですもの、そのくらいでもおかしくないわね」

商人「うーん、でもあたし、最近あんまり強くなってる気がしないよ、ここまでレベルが上がると成長しづらいのかなあ…?」

盗賊「びーでとまるな!!」

商人「だ、だからそっちの成長じゃないよ!!」

魔法使い「…B?」ゴゴゴ…

盗賊「な、なんでもないぞ…」カタカタ

商人「ま、まずい…あ、えっと、せ、成長の止まったあたしの為に、これから種集めに行かない?ほら、この近くの沼地に出てくるドラゴンがスタミナのたね持ってるって!!」

盗賊「お、おー!!ぬすみにいくぞ!!」

魔法使い「…まあいいわ。じゃあ行きましょうか、体力は必要だしね…」

盗賊「そーれ、鉄球だー!!」ドガガン!

――ドラゴンたちをやっつけた!!

商人「わあ、ドラゴンがスライムみたいに蹴散らされていく…」

魔法使い「恐ろしい武器ね。それで盗賊、種は集まったの?」

盗賊「スタミナのたねは4つ!!あとさっきメタルたおしてるついでにすばやさのたね2つとちからのたね1つだぞ!!」

商人「すごいね!!すばやさのたねはリムルダールの周りの熊が落とすんだよね?」

魔法使い「ええ、宝箱も2つ持ってたから合計4つね。あとちからのたねはスカルゴンが持ってたのよね」

盗賊「おー!!ぜんぶで9こだぞ!!」

商人「すごいすごい!!これで念願の種スープが出来るよ!!」

盗賊「おー!!ながねんのゆめ!!」キャッキャッ

魔法使い「…長年っていうほど生きてないでしょう?」

――トロルキングがあらわれた!!

盗賊「あ、こいつはたねもってないぞ」

商人「力自慢のモンスターだよね!!でも今のあたし達なら大して…」


カソダタ「…それで、なんでいきなりピラミッドで、しかも私がまたパーティーに入ってるんですか?」

盗賊「またしょーにんがとんでったんだぞ!!」

魔法使い「あの後商人がトロルにバシルーラで飛ばされて、この子を迎えに行ったついでにまたピラミッドで種を集めようという話になって…」

商人「そ、そういう事なんです…えへへ」

カソダタ「はあ…しかし呪文で飛ばされるとは大変でしたな」

盗賊「いっつもとばされてるんだぞ!!」

商人「そ、そんなにしょっちゅう飛ばされてないよ!!でも最近ちょっと多いかな…」

魔法使い「貴方は本当に運が悪いわね…それより、種は順調に手に入ってるの?」

盗賊「スタミナのたねが5つとかしこさのたねが1つだぞ!!またとーぞくしかむすんでないんだぞ!!おやぶんはやくそうとかしかぬすんでないぞ!!」

カソダタ「おかしいなあ?昔はこんなじゃ…」

盗賊「きっとレベルがたりないのがいけないんだぞ!!したでドラゴンをたおしたほうがいいぞ!!」

魔法使い「レベルというより、ここではスタミナのたねを持ってるわらいぶくろと思ったほど遭遇しないのよね。下の世界のドラゴンの方がたくさん遭遇出来るのは確かだけど…まだカソダタさんにはレベル的に大変だと思うわよ」

盗賊「そのレベルもあげにいくんだぞ!!ルーラ!!」パラララ!!

魔法使い「ちょっと、待ちなさ…」

ギュイーンギュイーン…

――227日目、毒の沼地

カソダタレベル24「いやー、やはりこっちの魔物は強いですな!!あっという間にレベルが上がりましたよ!」

魔法使いレベル40「ええ、それにここまで来る途中でメタルを倒せたのはラッキーだったわ」

商人レベル61「あたし達もレベルあがったもんね!!」

盗賊レベル45「でもまだたねはとれてないぞ!!おやぶんもキリキリはたらくんだぞ!!」

おやぶん「分かってるよ、レベルも上がったし、これから…」

トロルキングがあらわれた!!

商人「あ、あいつ!!カソダタさん
あいつがバシルーラ使うんです、気を付けて!!」

カソダタ「あれがですか。でかい図体に似合わず器用なことを…」

トロルキングはバシルーラをとなえた!!盗賊はとおくへはねとばされた!!

商人「え!?と、盗賊ちゃん!?」

魔法使い「飛ばされてしまったわね。二人も気を付けて…」

カソダタ「お、おい!!ど、どどどこ行ったんだ!?お、親分はここだぞ!!おーい!!な、何か嫌なことあったのか!?今日は俺のご飯半分やるから、出ておいで!!おーい!!は、半分じゃダメなら全部…!!」

商人「…わー、親バカだ…」

魔法使い「こうやって甘やかされて育ったのね…これじゃあああもなるわよ…」

――228日目、ルイーダの酒場

盗賊「むかえにくるのおそいぞー!!」バンバン

カソダタ「お、おお!!無事だったか!!悪かったなあ、ごめんなあ、親分の分もご飯あげるからな!!」

盗賊「おー、ごはんごはん!!」キャッキャッ

魔法使い「カソダタさん、あまり甘やかさないで…」

カソダタ「まあまあ、今回は大変な目に遭いましたし…」

商人「うーん、冒険してるともっとヒドい目にたくさんあうけど…」

盗賊「よーし、ごはん食べたらまたたねあつめにいくぞ!!」

魔法使い「待って。種集めもいいけど、私達も結構レベルが上がったしまたあの塔に行ってみない?」

商人「あー、それもいいね!…リアル時間でかなり長い間ピラミッドに籠ってたし…」ボソッ

魔法使い「…何の話?それに、この前は商人がバシルーラで飛ばされたついでにカソダタさんを呼んだから、今度は…」

盗賊「ついでにおやぶんをあずけるんだな?」

カソダタ「ここでお別れですか…道中気を付けて下さいね。おい、風邪引くなよ。食べ物にはちゃんと火を通すんだぞ。生水は飲まないようにするんだぞ。それから…」

商人「カソダタさんがこんな人だったなんて…」

――230日目、ゼニスの城

盗賊「おーいあんちゃん、なぞときしてきたぞ!!」

魔法使い「ああ、そういえば報告まだだったわね」

詩人「これもクリアしましたか…」

商人「へへー、あたし達にかかればこのくらいラクショーですよ!!さあ、次はどんな謎?」

詩人「いえ…これはもう私の負けですね」

商人「…え?終わり?」

詩人「ええ、もう私からは何もありません。貴方方は力も頭脳も素晴らしい」

盗賊「よく食べてよくねてるからな!!」

魔法使い「それ関係あるのかしら…?まあいいわ、それより私達こそいろいろ貴重な物が手に入って助かったわ。ありがとう」

商人「あ、そうだ!ありがとうございました!!」

詩人「いえ、ご存じの通り、ここから先は厳しい道のりですから…どうかお気を付けて…」

魔法使い「ええ、ありがとう」

――謎の塔

商人「さてと、またこの塔に来たね。今日こそはてっぺんまで行きたいね!!」

魔法使い「そうね。厳しい道のりだけど、もう迷うことも少ないでしょうし…」

盗賊「てっぺんにはドラゴンがいるんだよな?はやく食べたいぞ!!」

魔法使い「神の竜を食べないでよ…食べきれないごちそうのお願いを叶えてくれなくなるわよ」

盗賊「え?かなえてもらったあとに食べればいいんじゃないのか?」

魔法使い「貴方ねえ…」

商人「ちょ、ちょっと待って!!なんでねがいごとがごちそうに決まったみたいな感じなの!?あたしのせくしーだいなまいつケーカクは!?」

魔法使い「別に決定したわけじゃないわよ。でもごちそうは私も食べられるけど、貴方がセクシーになってもね…」

盗賊「べつにせくしーになったしょーにんを食べてもいいけどな!!」

商人「や、やだよ食べられるのは!!うう…絶対せくしーだいなまいつは諦めないからね…!」

――デーモンソードがあらわれた!!

盗賊「おー、でたながいこつ!!」

魔法使い「この塔に出てくる魔物の中では楽な方ね。でも…」

デーモンソードはやけつくいきをはいた!!

商人「わっ!!これが厄介だよね!」

魔法使い「ええ、気を付けてね!この魔物は短期決戦に限るわ…ベキラゴン!!」ゴオオオ…!!

商人「言い忘れてたけど…絶対ストライクゾーンおかしいよ!!どこ投げたらいいか分からないよ!!」ドカッ

盗賊「いっしょくぶんになんてならないぞ!!いっしょくぶんのおかずのひとつにすぎないんだぞ!!」ドガガガン!!

――デーモンソードをやっつけた!!

盗賊「よし、おーおかさばきだな!!」キャッキャッ

魔法使い「…もうどこから突っ込んで良いやら…」

魔法使い「…かなり上まで上ってきたと思うんだけど…」

商人「えっほ、えっほ…やった、せかいじゅのはゲット!!」

魔法使い「マメねえ…それより、この階は少し雰囲気が変わったと思わない?」

商人「え?あ、確かにそうかも。階段の周りの芝生とか立派だね」

盗賊「バーベキューができるな!!」

商人「ええー、ここで?」

魔法使い「まあ、大魔王の城の中で焼き肉焼いてた私達には今更だけどね…」

商人「あー、そういえば…」

盗賊「じゃあしんりゅーたおしたらここでやきにくだな!!」

魔法使い「だからなんで神様をたべたがるのよ…そもそも戦うかどうかも分からないのに…」

商人「そだね…でも、この雰囲気は、戦うかどうかは別として…」

魔法使い「ええ、もうかなり神竜の近くまで来てると思うわ。二人とも、何があってもいいように…」

盗賊「やきにくのたれをよういしないとな!!」

商人「だからたべないからね!?」

魔法使い「…ついにここまで来たわ」

商人「あ、あの大きな竜…!あれが…!」

魔法使い「ええ、あれがきっと神竜…」

盗賊「おー、食べきれないくらいおおきいな!!」

商人「と、盗賊ちゃんでさえ食べきれない程の大きさ!?途方もないよ…」

魔法使い「何か驚き方が間違ってる気がするけど…でも、気後れしてても始まらないわ。私達は神竜に会いにきたんだし…」

盗賊「あ、まって!!おたからのにおいだぞ!!」

商人「え!?どこどこ!?」

盗賊「ほら、こっちこっち!!」

商人「おおー!!これはふしぎなボレロ!!」

盗賊「あ、あっちにもあるぞ!!」

商人「こ、これってめがみのゆびわ!?ホントにあったんだ…」

魔法使い「…神竜の前でアイテムを物色とは二人とも良い度胸ね…」

商人「さて、アイテムも拾ったし、今度こそ…」

ドラゴン?「…私の前でアイテムを漁るとはな…」

商人「あ、ここここんにちは!?」

魔法使い「貴方は…」

神竜「…私は神竜。この天界を治める者だ」

盗賊「おー、おまえがしんりゅーか!!ごちそう食べさせろ!!」

神竜「…それがお前達の願いか?その願いを叶える為には、私と戦って勝たねばならぬ」

商人「ええー、やっぱり戦うの!?」

神竜「そうだ。覚悟はいいか?」

商人「か、覚悟って…」

魔法使い「待って。私達はここに来るまでに疲弊しているわ。今すぐという訳には…」

神竜「ならば立ち去るがいい。久しぶりに楽しい思いが出来ると思ったのだが、気のせいだったようだな…」

盗賊「なんだ?あいつ食べないのか?」

魔法使い「ええ、元々食べるつもりはないけど…でも、戦わないという訳ではないわ」

商人「て事は…回復してから戦うの?」

魔法使い「そうなるわね。さあ二人とも、いのりのゆびわで魔力を回復して」

盗賊「おー!!…あ、こわれたぞ」

商人「あ、あたしも1つ壊しちゃった…」

魔法使い「私も1つ壊してしまったわ。でもまだたくさんあるし、気にする程ではないわ。それより、今からあの巨大な竜と戦う訳だけど…」

商人「なんか神様のわりには殺気が凄いよね…」

盗賊「きっとおなかへってるんだな!!」

魔法使い「そうかしら…?確かに神竜は強そうよ。でも、私達だって大魔王にも勝って、そこから更に強くなってるわ。きっと勝てるはず…」

商人「そだね…ではここで皆さんにも分かるように、大魔王と戦った時と今のあたし達の強さの違いを数字化して見てみます!!」

魔法使い「皆さんって誰…?」

商人「まずこれが大魔王と戦う前です!!」

商人 レベル43
ちから 165
すばやさ 155
たいりょく 182
かしこさ 101
うんのよさ 93
最大HP 368
最大MP 200

盗賊(当時賢者)レベル40
ちから 121
すばやさ 174
たいりょく 151
かしこさ 122
うんのよさ 105
最大HP 301
最大MP 239

魔法使いレベル46
ちから 41
すばやさ 200
たいりょく 111
かしこさ 188
うんのよさ 158
最大HP 222
最大MP 384

魔法使い「次が今現在の私達ね」

商人レベル62
ちから 188
すばやさ 193
たいりょく 198
かしこさ 132
うんのよさ 136
最大HP 404
最大MP 270

盗賊レベル46
ちから 179
すばやさ 255
たいりょく 222
かしこさ 125
うんのよさ 195
最大HP 416
最大MP 252

魔法使いレベル41
ちから 67
すばやさ 194
たいりょく 161
かしこさ 178
うんのよさ 210
最大HP 319
最大MP 360

盗賊「しょーにん、さいきんたるんでるぞ!!」

商人「そ、そんなことないよ!!でも、盗賊ちゃんは凄く成長してるね…」

魔法使い「そうね、やっぱり子供の方が伸びるのかしら?」

商人「魔法使いちゃんは体力不足をかなり克服出来たんじゃない?」

魔法使い「転職のおかげね。元々呪文を覚える為の転職だったけど、他にも良い影響があったわね。盗賊もよね?」

盗賊「いろいろあがったきがするぞ!!」

商人「うーん、やっぱりあたしたるんでるのかな…?でも、それならこれから取り返すよ!!ねえ魔法使いちゃん、これから神竜さんと戦うんでしょ?あたし、カッコいいとこ見せるから!!」

魔法使い「ええ、頼むわよ」

神竜「なんだ、やはり気が変わったのか?」

魔法使い「ええ、回復も済ませたし、挑ませてもらうわ!」

盗賊「食べてやるぞー!!」

神竜「いいだろう。さあ、かかってくるがよい!!」

商人「よーし、行くよー!!」

――しんりゅうがあらわれた!!

商人「うーん、ドラゴンだしどう考えてもブレスはあるよね?」

魔法使い「そうね、貴方はまずフバーハを…」

しんりゅうのゆびさきからいてつくはどうがほとばしる!!

盗賊「おお!?まほーをけすやつだぞ!!」

魔法使い「ええ、厄介な事をしてくるわ。でも…」

商人「うん、まだ魔法を使う前だから何も起こらなかったね。なんであれ撃ったんだろ?」

魔法使い「私はこれを使えるぞ!!っていう警告かしら?正々堂々戦いたいという事なのかもしれないわね」

商人「へー、男らしいね!!」

盗賊「おとこか!!ホルモンだな!!」キャッキャッ

魔法使い「だから食べないわよ…」

商人「でもあっちが何考えてるのかはともかく、チャンスだね!!」

魔法使い「ええ、先手必勝よ、メラゾーマ!!」ゴオオオ!!

盗賊「とーぞくもメラゾーマだぞ!!」ゴオオオ!!

商人「あたしはフバーハを…」パアア…

しんりゅうはしゃくねつのほのおをはいた!!

魔法使い「…っく!強烈だわ…」

商人「ま、魔法使いちゃん、体力に気を付けてね!!あたしがけんじゃのいしで…」

魔法使い「…私もけんじゃのいしね…」パアア…

盗賊「とーぞくはまたメラゾーマだぞ!!やきにくだぞ!!」ドゴオオ…!

しんりゅうはこごえるふぶきをはいた!!しんりゅうはするどいキバで商人をかみくだいた!!

商人「ひー、痛い痛い痛い!!」

魔法使い「だ、大丈夫!?私がベホマで…」パアア…

商人「あ、ありがとー!!あたしもけんじゃのいしで…」パアア…

盗賊「とーぞくはまたメラゾーマだぞ!!」ゴオオオ!!

魔法使い「たまには回復に回りなさいよ…」

盗賊「メラゾーマ!!メラゾーマ!!」ゴオオオドドドド…!

魔法使い「ちょっと!残り魔力をちゃんと考えてるんでしょうね!?」

しんりゅうはイオナズンをとなえた!!しんりゅうはいっきにのしかかってきた!!

商人「わああ!?さ、さすが盗賊ちゃんでも食べきれないっていうほどの巨体…あれでのし掛かられたらたまらないよ…」

魔法使い「そう…ね」

商人「ま、魔法使いちゃん、しっかり…」

しんりゅうはこごえるふぶきをはいた!!しんりゅうのこうげき!!魔法使いはしんでしまった!!

盗賊「ま、まほーつかい!?」

商人「魔法使いちゃん…!盗賊ちゃん、ザオリクで魔法使いちゃんを生き返らせて!!」

盗賊「いーのか?とーぞくはもうまりょくのこりすくないぞ」

商人「え、ええー!?」

盗賊「どーする?しょーにんがいきかえらせるか?」

商人「あ、あたしのザオラルじや生き返るかわからないし、それに体力も少なく生き返るから、またすぐ死んじゃうかも…そうだ!盗賊ちゃん、せかいじゅのはを使って!」

盗賊「おー、このはっぱか!?すりつぶして…」スリスリ

商人「そう、あとは魔法使いちゃんに食べさせて!!」

盗賊「分かったぞ!!…これ、にがそうだな…」

魔法使いはいきかえった!!

「魔法使いちゃん!良かった、初めて使うから不安だったよ…」

魔法使い「っつう…物凄い攻撃力ね…」

盗賊「よーし、いきかえったらはんげきだぞ!!」

魔法使い「ええ、早く倒すのが一番の安全策よ!一気に行きましょう!」

盗賊「それー!!メラゾー…まは
つかえないから…なぐるぞー!!」ドゴン!

魔法使い「もう、魔力は節約しなさいってあれほど…メラゾーマ!!」ゴオオオ

商人「あたしはけんじゃのいしを…」パアア…

しんりゅうはしゃくねつのほのおをはいた!!しんりゅうはするどいキバで魔法使いをかみくだいた!!魔法使いはしんでしまった!!

商人「また…!盗賊ちゃん、せかいじゅのはを!」

盗賊「おー、いきかえれー!!」

魔法使いはいきかえった!!

魔法使い「…全く、貴重なせかいじゅのはを2つも使ってしまったわ」

商人「だいじょーぶ!!またあなほりで見つけるから!!それにアイテムは使うべき時に使うモノだよ!!」

盗賊「いままでずっとケチってきたからな!!」

魔法使い「…まあ、そうね。でも、これだけのアイテムを注ぎ込んだのだから、絶対に勝つわよ!!」

商人「もっちろん!!」

盗賊「やきにくだぞー!!」

魔法使い「…ふう、神を名乗るだけあってしぶといわね…メラゾーマ!!」ゴオオオ!!

商人「魔法使いちゃん、まだ魔力あるんだ、すごい…」

魔法使い「…いえ、そろそろ余裕はなくなってきたわね…」

盗賊「もうか?なさけないな!!」

魔法使い「どの口が言うのよ…」

商人「けんじゃのいしが2つなかったらとっくに全滅してたね…すごい石だね!!」パアア…

魔法使い「ええ、本当に助かってるわね…私も…」パアア…

盗賊「そろそろおにくになれー!!」ドガン!!

しんりゅうのゆびさきからいてつくはどうがほとばしる!!

魔法使い「これは…ダメージがない分ラッキーね。ここで決めるわよ!!」

盗賊「おー!!」ドガン

魔法使い「行くわよ、メラゾーマ!!」ゴオオオ!!

商人「お願い、そろそろ…!」

――しんりゅうをやっつけた!!

神竜「ほう…私を倒すとは。人間にしてはなかなかやる、といった所か…」

魔法使い「倒した…本当に…!」

商人「やった、これでせくしーだいなまいつに…!」

盗賊「食べきれないごちそうとやきにくだぞ!!」

神竜「だが、私をたおすのに45ターンも掛かっていては、とても私を倒したとは言えんな」

商人「え!?た、たーん!?」

魔法使い「どういう事…?」

神竜「あまりにゆっくりだったのであくびが出そうだったわい。強くなるのだな、商人。では、さらばだ」

商人「ちょ、ちょっと待って、約束が違…あー!!」ピカー…

――231日目、竜の女王の城

魔法使い「…ここは、竜の女王の城…?神竜の力で飛ばされたのかしら…?」

盗賊「あれ?おにくとごちそうは?」

魔法使い「だから神竜は食べないって何度も…」

商人「悔しい…戦って勝ったら願いを叶えてくれるっていったのに…ウソつき!!あたしのせくしーだいなまいつをかえせー!!」

魔法使い「貴方達は…まあいいわ。それより、どうやらただ勝っただけでは願いを叶えてくれないようね」

商人「たーんがどうとか言ってたね。たーんって何さ!!」

盗賊「たーんを食べればいいのか!?」

魔法使い「食べられないと思うわよ…ターンが何かは分からないけど、あの言い方だともっと早く倒さなければいけなかったようね…」

商人「もっと早く!?倒すのでいっぱいいっぱいだったよ!?」

盗賊「あれいじょうはおなかへってうごけないぞ…あ、おなかへった!!おなかへった!!」ギャーギャー

魔法使い「はいはい、分かってるわよ。とにかく近くの宿まで行きましょう。そこでご飯食べながら反省会ね。でも、もっと早くか…」

――夜、カザーブの宿屋

盗賊「おかわり!!それからえっと…おかわり!!」モグモグ

魔法使い「ほら、ちゃんと噛んで食べるのよ」

商人「いつにも増してすごい勢いで食べてるね…でも、確かに大変な戦いだったね」

魔法使い「そうね…さて、昨日の神竜との戦いの反省をしなければいけないわ。盗賊、何が足りなかったと思う?」

盗賊「とーぞくはまりょくがたりなかったぞ!!あとまほーつかいのたいりょくもたりないぞ!!」

魔法使い「そうね、この2つが課題だと思うわ」

商人「あたしは…もうちょっと力が欲しいなあ。力があれば、魔力がなくなっても攻撃出来るし…」

魔法使い「それもそうだけど、貴方は倒れないでいてくれる事が第一だから、よくやってくれたと思うわよ」

盗賊「そーだな!!ほめてつかわす!!」キャッキャッ

商人「あ、ありがと…でも今回は、あたしにもザオリクとメラゾーマがあればなあって思ったよ。あたし、また転職するようかな…」

魔法使い「それは本当にどうしようもなくなった時ね。転職にはリスクもあるし…ただ、今よりももっと強くなる必要はあるわ」

商人「となると…明日からレベル上げだね」

魔法使い「そうなるわね。明日からまたリムルダールにでも行きましょう。盗賊も良いわね?」

盗賊「おー!!あそこのくまはおいしいぞ!!」

――234日目、リムルダール郊外

商人レベル76「…あれから数日…あたし達、強くなったよね…」

盗賊レベル60「うぬらではあいてにならぬ。われはさらなるつわものとのたたかいだけを…」

魔法使い「変な装飾品は外しなさい。まあ、確かに強くなったけどね。それから、種もいくつか手に入ったわね」

盗賊「すばやさのたねがたくさんあつまったぞ!!」

商人「あとはちからのたねもちょっと見つけたし、毒の沼地まで足を伸ばしてスタミナのたねも手に入ったね!」

魔法使い「ええ、レベルアップと種集め、成果は上々だと思うわ。ただ、レベルアップには少し限界も感じるわね。特に最近、盗賊が伸び悩んでる気がするわ…」

盗賊「きっと食べものがたりないんだぞ!!もっと食べればきっと強くなるんだぞ!!」

商人「ええー!?まだ食べるの!?」

魔法使い「そうねえ、確かに種を食べれば強くなれるわね。じゃあ明日からは種集めに重点を置いてみましょう」

盗賊「たねあつめ…おやぶんだな!!」

魔法使い「ええ、またカソダタさんに手伝ってもらいましょう。あとは場所も考えたいわね。どこが良いかしら…?」

――235日目、夜、ガルナの塔

カソダタ「いやいや、また呼んで頂けて嬉しいですよ。で、ここはガルナの塔と言うんですか。塔、となるとやっぱりシャンパーニを思い出しますなあ…」

盗賊「なつかしーな!!」

商人「そっか、二人はシャンパーニの塔に住んでたんだもんね…よっと、よし、やったよ、あなほりでかしこさのたね!!」

魔法使い「流石ね。カソダタさん、今日ここではかしこさのたね、ちからのたね、あとはいのちのきのみを集めてもらいます」

カソダタ「へえ、ここはそんなに種が集まるんですか?」

商人「はい!!あとてっぺんの方だとすばやさのたねも手に入るんですよ!種商人の間では、ここは有名なあなほりスポットなんです!!」

魔法使い「種商人…?まあ、確かに以前ここに来たときも結構種を見つけてたわね」

商人「ここは上ったり下りたりが多かったから、あなほりする機会も多かったからね!!」

盗賊「でもきょうはとーぞくたちのでばんなんだぞ!!おやぶんもしっかりはたらくんだぞ!!」

カソダタ「ああ、その為に来たんだからな」

魔法使い「ええ、お願いします。じゃあ早速始めましょう」

商人「おー!!」

カソダタ「…ふーむ、しかしここはあまり魔物が出てきませんな」

商人「そうですね…ピラミッドだとたくさん出てくるんですけど…」

魔法使い「私達はまだピラミッドに呪われてるからね…そもそも前にカソダタさんとピラミッドに行ったのは、呪いを逆利用して魔物とたくさん遭遇出来るからだったのよね…」

盗賊「じゃあここでものろわれればいいぞ!!」

魔法使い「どうやって呪われればいいのよ…」

盗賊「しかし困りましたなあ。くちぶえでも吹ければ、魔物も集められるんでしょうけど、皆さん真面目そうだから遊び人の経験もないでしょうし…」

魔法使い「そうね、遊び人経験者がいれば…あ」

盗賊「あ」

カソダタ「え?ま、まさか…」

魔法使い「…良かったわ、ここが近くて」

盗賊「おー!!おやぶん、にあってるぞあそびにん!!」キャッキャッ

カソダタレベル1「そんな、ひどい…」

商人「ほ、ホントにひどい…カソダタさんがかわいそうだよ!?」

盗賊「なにいってるんだしょーにん、おやぶんはたねあつめのためにいるんだぞ!!」

魔法使い「そうね、申し訳ないとは思うけど、これでより種集めしやすくなるし…」

カソダタ「…ええ、ええ、これが皆さんの為ならば、私は本望ですよ。ただ、またいつかは…」

魔法使い「ええ、盗賊に戻ってもらいます。私達もその方が助かるし…」

盗賊「なにごともケーケンだぞおやぶん!!」

カソダタ「ああ、そうだな、親分は頑張るよ!」

商人「…親バカだー」

魔法使い「さて、カソダタさんには速やかにくちぶえを覚えてもらわなければならないわ。少し場所を変えましょう。変えると言っても、あの塔の中で、だけれど…」

商人「あ、上の方に行くんだね?メタルがいるもんね!!」

魔法使い「ええ、上なら種を集めながらレベルを上げられるわ。さあ行きましょう」

盗賊「おー!!たねスープつくるぞ!!」

――ガルナの塔

カソダタ「ほう、今日はまた高い所まで上って来ましたな」

魔法使い「ええ、ここならレベルを上げながら種を…あら、早速…」

メタルスライムがあらわれた!!

商人「あ、出たよメタルが!さあ、倒すよー、そりゃー!!」ドカバキ

盗賊「とー!!」ブスッ

――メタルスライムをやっつけた!!

カソダタレベル12「おおー、かなりレベルアップ出来ましたよ!!」

魔法使い「これならすぐにくちぶえを覚えられるわね。あ、次も出たわよ!」

メタルスライムがあらわれた!!

商人「やっぱりここはたくさん出るね!!さあ、カソダタさんも…」

カソダタ「おお、見てくださいよこの華麗なステップ!!これなら魔物の攻撃もかわしまくりですよ!!」スタタタン!

盗賊「おー、おやぶんかっちょいーぞ!!」キャッキャッ

商人「………」

魔法使い「…遊び人だからね」

カソダタレベル15「どうです、もうくちぶえが出来ますよ!!」

盗賊「おー、さすがだなおやぶん!!」

魔法使い「ええ、それは嬉しいんだけど、戦闘はもう少し真面目に…」

カソダタ「まあまあ。では早速くちぶえで魔物を呼んでみますよ」ピューイ!

スカイドラゴンがあらわれた!!メタルスライムがあらわれた!!

盗賊「おー!!おいしいドラゴンもいるぞ!!」

商人「メ、メタルが7体!これはチャンスだね魔法使いちゃん!!」

魔法使い「ええ、盗賊、ドラゴラムを!!」

盗賊「おー!!ドラゴラム!!」

魔法使い「さて、私達は…」

カソダタ「いやいや、あんなやつは石でも投げとけば倒せますよ」ポーイ

メタルスライムをやっつけた!!

商人「え、ええー!?な、なんで!?何がどうなったの魔法使いちゃん!?」

魔法使い「私に聞かれても…きっと、遊びも極めると凄い力を…」

商人「あたしはそんなんじゃ納得しないよ!!だいたいまだレベル15とかでしょ?極めてもいないのに…!えう、納得出来ない…!」

カソダタレベル20「いやいや、あっという間にレベルが上がりましたな。しかし遊び人も悪くないですなあ」

盗賊「あそびにんもかっちょいーなおやぶん!!」

カソダタ「そうだろうそうだろう」ニコニコ

商人「…すっかり父親の顔だね」

魔法使い「そうね…でもどうします?遊び人がいいならそのまま…」

カソダタ「いやいや冗談ですよ!私は盗賊に戻ります」

魔法使い「じゃあダーマに戻りましょう。盗賊もお腹空いたんじゃない?」

盗賊「おー、おなかへったぞ!!」

商人「確かドラゴンたくさん食べてた気がしたけど…」

盗賊「モンスターはべつばらだぞ!!」

商人「ああ、うん…カソダタさん、盗賊ちゃんはいつからこうだったんですか?」

カソダタ「いつからって…初めて会ったときからこうでしたが…」

商人「じゃあ生まれつきなんですね…」

魔法使い「ある意味勇者の血筋よりも強烈ね。さあ、それはそうと戻りましょう」

盗賊「ごはんだぞー!!」キャッキャッ

――238日目、ダーマ

盗賊「おやぶん、とーぞくにもどったのか?あそびにんもかっちょよかったのに…」

魔法使い「何言ってるの、遊び人のままじゃダメに決まってるでしょ。真っ当に働くためにルイーダの酒場に登録したんだから…」

カソダタ「まあ、結局盗賊やってますがね…」

商人「でもあたし達の為に頑張ってくれてますし、堅気みたいなものですよ!!」

魔法使い「そうねえ、盗むといっても魔物からだし…」

カソダタ「ああ、そう言っていただけると気が楽になりますね」

盗賊「なにいってるんだ、これからが大事なんだぞおやぶん!!キリキリはたらいて、たねいっぱいあつめるんだぞ!!」

カソダタ「分かってる、分かってるよ!」

魔法使い「もう、協力してもらってるんだから、もう少し感謝しなさいよ…」

カソダタレベル20「いやあ、種集めはハードですね。あっという間にまたレベルアップしてしまいましたよ」

商人レベル77「結構長いこといましたからね。もちろん、くちぶえのおかげでもありますけど。あたしもレベル上がったし…」

盗賊レベル61「とーぞくもあがったぞ!!」

魔法使いレベル52「いいわね、私は上がらなかったわ…ところで、種はどのくらい手に入ったの?」

盗賊「ちからのたねが3つ、かしこさのたねが7つ、いのちのきのみが4つとれたぞ!!」

商人「全部で14個!?すごいね!!」

盗賊「おやぶんのレベルがたかければもっとみつけられたんだぞ!!もっともっとがんばって…」

魔法使い「はいはい。カソダタさん、ありがとうございました。おかげでたくさんの収穫があったわ。今日の所はここまでです」

カソダタ「そうですか。いや、少しでもお役にたてて何よりですよ」

盗賊「ホントにすこしだけだけどな!!」

商人「盗賊ちゃん、もうちょっと優しく…」

魔法使い「本当にもう…まあ、甘えてるのもあるんでしょうけど…じゃあアリアハンに戻りましょうか」

商人「そうだね!…ねえ魔法使いちゃん、カソダタさんと酒場で別れたらさ…」

魔法使い「ええ、また神竜に挑みに行きましょう。あれからかなり強くなったし、今度こそは…」

カソダタ「ではしばしお別れですね。頑張って下さいよ」

魔法使い「ええ、ありがとう。ほら、貴方からも礼を言って」

盗賊「もぐもぐ…またな…もぐもぐおやぶん…んぐ…おかわりー!!」

魔法使い「ちゃんと挨拶しなさいよ…」

商人「魔法使いちゃん、お金預けてきたよ!!今回は20万ゴールドも預けちゃったよ!!」

魔法使い「貴方も…そんな大きな声出さないのよ」

商人「あ…ご、ごめん…」

ルイーダ「大丈夫だよ、あんた達から強盗できる奴なんてこの国にいるもんかね。いたらとっくの昔に世界は平和になってたよ」

カソダタ「それは違いありませんな、ははは」

魔法使い「それはそうだけど…」

商人「そ、それはそうとさ、いよいよ神竜との再戦でしょ?今度こそはギャフンと言わせないとね!!」

盗賊「あたまからしっぽまで食べてやるぞ!!」

魔法使い「もちろん、前回よりはずっと上手くやってみせるわ。ただ、神竜はどのくらい早く倒せば納得してくれるのかしらね?」

商人「それはいつも通りだよ。行けば分かる、やってみれば分かるよ!!」

魔法使い「そうね、それしかないわね…よし、じゃあ行きましょう!」

――240日目、謎の塔

――てんのもんばんのこうげき!!つうこんのいちげき!!魔法使いはしんでしまった!!

商人「いけない!!盗賊ちゃん、ザオリクを!!」

盗賊「おー!!いきかえれー!!ザオリク!!」ペカー

魔法使い「…つう、バカ力ね…」フルフル

商人「よーし、あとは倒すだけ…とりゃー!!」ドカッ

――てんのもんばんたちをやっつけた!!

魔法使い「ふう…この塔、来る度に誰かしら死んでるわね。これから神竜に挑むというのに、自信無くすわ…」

商人「大丈夫だいじょーぶ!!今のモンスターは3体、神竜は1体だよ!!」

盗賊「そーだぞ、今のモンスターは食べれないけどしんりゅーはきっとおいしいぞ!!」

魔法使い「それと自信の何が関係あるのよ…まあ、もうすぐ神竜の所に着くし、ここまで来たらやるしかないけどね」

商人「そうそう、それに1回勝ってるしね、あたし達!!」

盗賊「こんどこそ食べてやるぞ!!」

魔法使い「――さて、また神竜のいるフロアまで来たけど…」

盗賊「よーし、できたぞしょーにん!!しょーにんようのたねスープ!!」

商人「やった!!じゃあいただきます!!」

魔法使い「…またこういう所で食事なのね…まあちからのたねとすばやさのたねはすぐ効果があるから良いけど…」

盗賊「すてきーな す スープ♪たっぷーり き きのみ♪」

商人「あついーおーな なべで♪まままってるよー♪」

魔法使い「…いいから早く食べなさいよ…」

盗賊「そーだな!!さめないうちに食べないとな!!」

魔法使い「そういう意味じゃなくて…」

商人「んぐ…んぐ…おいしー!!さすが盗賊ちゃん特製スープ!!」

盗賊「へへー!!あ、とーぞくとまほーつかいのりょーりもつくったぞ!!さめないうちに食べるんだぞ!!」

魔法使い「ああ、うん、ありがとう…どうしてこう緊張感ないのかしらね…」

商人「ではまたここであたし達のステータスを公開します!!」

魔法使い「唐突ね…」

商人レベル 77
ちから 201
すばやさ 205
たいりょく227
かしこさ 153
うんのよさ150
最大HP 463
最大MP 306

盗賊レベル 61
ちから 196
すばやさ 255
たいりょく 225
かしこさ 157
うんのよさ 201

魔法使いレベル 53
ちから 76
すばやさ 255
たいりょく 191
かしこさ 215
うんのよさ 243

商人「あ、盗賊ちゃんのHPは454、MPは321になります。魔法使いちゃんのは…」

盗賊「かいてるやつがメモしわすれてたんだぞ!!あとでかじって…」

商人「ま、待って!!このタイミングでかじられると…」

魔法使い「二人とも何の話してるのかしら…?ただ、おそらくだけど、私のHPは380前後、MPは430程だったはずよ」

商人「魔法使いちゃん、ここに来て成長期だね…」

盗賊「はやさおなじくらいになったな!!」

魔法使い「そうねえ、たいりょくは種を食べたからだけど…商人もまずまず伸びたんじゃない?盗賊は…」

盗賊「もっとごはんがひつようだぞ!!」

商人「そうかなあ…?でもみんな合わせればかなり強くなったよね!!これなら…」

魔法使い「ええ、今度は神竜をギャフンと言わせてやりましょう」

盗賊「よーし、食べるぞー!!」

神竜「前回は物漁り、今回は目の前で食事とはな…」

商人「あ、いや、ははは…」

魔法使い「笑ってごまかせる相手かしら…?」

盗賊「まだごはんはおわってないぞ!!おまえがめいんでぃっしゅだぞ!!」

魔法使い「貴方も…いえ、もういいわ…」

神竜「しかしまたここに来るとは、余程叶えたい願いがあると見える」

商人「もっちろん!!あたしは今よりもっと、イシスの女王様よりせくしーだいなまいつになって、イシスを商人の町に…」

魔法使い「そんな野望があったの…?」

盗賊「とーぞくもまいにち食べきれないごはんってやぼーがあるぞ!!」

魔法使い「そっちは知ってるけど…」

神竜「良いだろう、私を35ターン以内に倒したらどんな願いでも叶えてやろう」

商人「35たーん!?35たーんってどのくらい!?」

魔法使い「分からないけど、前回より余程早くないといけないようね…でも、やるしかないわ!」

神竜「よし、ではかかってくるがよい!!」ガオーン

――しんりゅうがあらわれた!!

盗賊「よーし、こんどこそ食べるぞしんりゅー!!」

魔法使い「…まあ、やる気になるのは良いことね」

商人「あたしだってせくしーだいなまいつに向かって…あ、魔法使いちゃん!!ど、どうしよう!?あたし気づいちゃった!!」

魔法使い「何!?神竜の弱点でも分かったの!?」

商人「あたし、世界一せくしーだいなまいつになったら、もしかして商売しなくてもいいようになっちゃうのかな!?でもあたし商人としても頑張りたいし…でも…」

魔法使い「うん、その話は後でしましょうね?」

盗賊「なんでだ?食べてもまた食べないといけないから、ごちそうをおねがいしてもおにくも食べるぞ?」

魔法使い「それは全く関係ないわね…」

商人「うーん………まあいっか!とりあえず神竜を倒さないとね!!」

魔法使い「ええ、そうね。どっちにしろ今更戦うの止めますって言っても聞いてくれるとは思えないけどね…」

商人「よーし、じゃあ改めてせくしーだいなまいつに向かってゴーゴー!!」

盗賊「ごちそうめざしてゴーゴー!!」

魔法使い「息が合ってるんだか合ってないんだか…」

商人「じゃあ、まずはこれ、フバーハ!!」ミュイーン

魔法使い「うん、これで…」

しんりゅうのゆびさきからいてつくはどうがほとばしる!!

盗賊「わー!!ちべたいぞ!!」

魔法使い「くっ、フバーハを無効化されたわ!気を付け…」

しんりゅうはしゃくねつのほのおをはいた!!

商人「ひゃー!!フバーハを消してからの炎!!熱い熱い!!」

魔法使い「いきなりやってくれるわね…でも、私達も前回よりは体力に余裕があるわ。最初は攻めるわよ、メラゾーマ!!」ゴオオオ…

盗賊「とーぞくもメラゾーマだぞ!!」ゴオオオ…

しんりゅうはイオナズンをとなえた!!

商人「ひえー!!け、けんじゃのいし!!」パアア

魔法使い「今回は前にも増して厳しい攻めね…私もけんじゃのいしを…」パアア…

盗賊「とーぞくは…バイキルトだぞ!!しょーにんがなぐるんだぞ!!」ミニョーン

商人「ありがとー!!さあ行くよ神竜、さっさとせくしーだいなまいつを出せー!!」ドガン

魔法使い「…叩けばセクシーが出るの?いえ、この場合間違ってはいないんでしょうけど…」

盗賊「よーし、メラゾーマ!!メラゾーマ!!」ゴオオオオオオ…

しんりゅうのゆびさきからいてつくはどうがほとばしる!!

商人「きーみのこゆびのさきーかーらー♪」

盗賊「いーてつくはどうがでーてーるー♪」

魔法使い「真面目にやりなさいよ…ほら商人、フバーハを!!」

商人「うん、フバーハ!!」ミニョーン

盗賊「とーぞくはまたバイキルトだぞ!!」ミュイーン

魔法使い「ええ、メラゾーマも良いけど、節約出来るときにしないとね…でも私はメラゾーマよ!」ゴオオオ…

商人「さっすが、魔力オバケだね!!」

魔法使い「それ、ほめてるのかしら…?」

しんりゅうはこごえるふぶきをはいた!!しんりゅうはいっきにのしかかってきた!!

商人「うひゃー!!やっぱりあののし掛かって来るのが一番痛いね…」

魔法使い「ええ、回復をしないと…けんじゃのいしで…」パアア…

商人「あたしもだね…」パアア…

盗賊「とーぞくはメラゾーマだぞ!!はやくやきにくにするんだぞ!!」ゴオオオ…

魔法使い「攻めるのは良いけど、自分の体力にも気を使うのよ!」

しんりゅうのこうげき!!しんりゅうはいっきにのしかかってきた!!

商人「ま、またのしかかってきた…二人とも大丈夫!?」

盗賊「いた…いぞ…」フラフラ

魔法使い「…!盗賊、貴方は自分にベホマをかけなさい!!出来るわね!?私は…」

しんりゅうはしゃくねつのほのおをはいた!!盗賊はしんでしまった!!

商人「と…!!ま、魔法使いちゃん、盗賊ちゃんが!!」

魔法使い「慌てないで!私が生き返らせるから!!ザオリク!!」ペカー

盗賊「んあ…いたかったぞ…おなかもすいた…」

商人「ほっ…良かった…」

魔法使い「油断しないのよ!きっとあともう少し、気を引き締めて行くわよ!!」

盗賊「しかえししてやるぞ!!メラゾーマ!!」ゴオオオ…

商人「盗賊ちゃん、魔力は?」

盗賊「まだだいじょーぶだぞ!!」

商人「おお、やっぱり前回より魔力が上がってるね!」

魔法使い「前回よりも節約してるしね…メラゾーマ!!」

しんりゅうのこうげき!!しんりゅうはこごえるふぶきをはいた!!

商人「うー、しぶといなあ…」

魔法使い「でもきっともうすぐよ、私が回復するから、貴方達は攻撃して!!」パアア…

盗賊「おー!!メラゾーマ!!」ゴオオオ…

商人「いっつも良いとこは魔法使いちゃんに持ってかれてるけど、たまにはあたしがフィニッシュを…!それー!!」ドガン!!

魔法使い「どう!?勝ったの?それとも…」

――しんりゅうをやっつけた!!

商人「よーし、やったよ!!今度こそせくしーだいなまいつに…」

神竜「ほほう…人間にしてはなかなかといった所か…」

盗賊「そーだぞ、とーぞくたちのほうがつよいんだからおとなしく食べられろ!!」

魔法使い「そう言われて食べられる生き物はいないわよ…」

神竜「だが私を倒すのに39ターン掛かってしまった」

商人「へ?ま、待って、確か願いを叶えてくれるのって…」

魔法使い「35ターン以内だったはずよ。つまり、また…」

神竜「残念だが願いを叶える訳にはいかぬ」

商人「えー!?ちょ、ちょっと待ってよ、今度こそは…」

神竜「商人よ、しばし鍛える事だな。ではさらばだ」ピカー

盗賊「まてー!!食べさせろー!!…」ピカー…

――241日目、ノアニールの宿屋

商人「もー!!何が39ターン掛かってしまった、よ!!ケチな事言わないで願いの1つや2つや3つや4つくらい叶えてくれても良いじゃない!!」

盗賊「そーだそーだ!!…おかわり!!」モグモグ

魔法使い「さりげなく欲張るんじゃないの。もっと早く倒せというのなら、そうするしかないわね…」

商人「そうするって…もっと強くならなきゃいけないって事?あたし、これ以上強くなれるのかな…?」

盗賊「とーぞくはもっと食べればもっとつよくなれるきがするぞ!!」モグモグ

魔法使い「だ、そうよ。貴方も盗賊くらい食べてみたら?」

商人「む、無理だよー!だいいちそんなに食べたらせくしーだいなまいつには程遠くなっちゃうよ…」

魔法使い「あら、でも願いさえ叶えれば万事解決じゃない?」

商人「あ、そっか。うーん、でもなあ…うーんうーん…」

盗賊「でもつよくならなきゃいけないんだろ?なら食べるしかないぞ!!」

商人「それしかないとは思わないけど…」

魔法使い「とにかく、私達はもっと強くならないとね。レベルアップだけでは足りないなら、また種集めね。またカソダタさんにお願いするようね…」

――243日目、毒の沼地

カソダタ「…しかし、なんですね。まさか大魔王の城のすぐ南で種集めをすることになるとは、少し前までは思ってもみませんでしたよ」

商人「すみません…でもここが結局一番スタミナのたね集めには効率がいいみたいで…」

盗賊「レベルもあがるしな!!」

魔法使い「そうね、レベルも上げたい、種も集めたい、となるとここが一番良いわね。リムルダール周辺でも一応種は集まるけど…」

商人「あそこはちからのたねはあんまり集まらないし、すばやさのたねはあたし達もうあんまり必要ないんだよね…」

盗賊「とーぞくたちはすばやいからな!!」

魔法使い「それにすばやさのたねは集めやすいし…というわけで、魔物は手強いけどカソダタさんにもここで頑張ってもらうことになるわ」

カソダタ「ええ、構いませんよ。ただ、私が先頭というのは何故なのでしょう?」

盗賊「そのほうがくちぶえふきやすいんだぞ!!じかんのせつやくだぞ!!」

魔法使い「見も蓋もないわね…一応、カソダタさんの体力にも気は配りますけど、辛くなったら…」

カソダタ「いやいや大丈夫ですよ。昔から体力には自信があるんです」

商人「ああ、そういえばなかなか倒れてくれなかったっけなあ…」

魔法使い「懐かしいわね…でもそういう事なら安心して頼めるわね。よろしくお願いします」

商人「…あれから結構モンスター倒したけど、種はいくつ集まったっけ?」

カソダタ「ええと…8つになりますね」

魔法使い「8つか…もう少し集まるかと思ったけど、仕方ないわね…」

盗賊レベル65「でもレベルはあがったぞ!!あとかっちょいいけんもぬすんだぞ!!」

商人レベル81「らいじんのけんだよね。前に宝箱から見つけたのとあたしがあなほりで見つけたのを合わせると3本もあるね」

魔法使いレベル56「そんなにあっても仕方ないけどね…戦士でもいれば違うんでしょうけど…」

カソダタ「ええと、それでここでの種集めはもう…?」

魔法使い「そうね、一旦打ち切って、次はガルナの塔に行きましょう」

盗賊「おー、とうか!!とーぞくはたかいところすきだぞ!!」

商人「あたしはあんまり…せくしーだいなまいつは高い所が苦手っていうし…」

魔法使い「聞いたことないわよそんなの…」

――244日目、ガルナの塔

商人「…ふう、こっちの塔の方が数は集まるみたいだね」

魔法使い「3種類の種が集められるからね。盗賊、いくつ集まったの?」

盗賊「いのちのきのみが7つ、かしこさのたねが3つ、ちからのたねが1つだぞ!!」

魔法使い「かなり集まったわね。魔物退治をしてた時間は昨日の三分の二くらいだったけど…」

商人レベル82「たくさん見つかって良かったね!!あたしはレベルもあがったし!」

盗賊「むー、しょーにんばっかりズルいぞ…」

魔法使い「貴方だってそのうちまた上がるわよ。商人が上がりやすいのは確かだけどね」

商人「へへー、そーゆーこと!!さ、じゃあ次はどこへ行こっか?あたしさ、今まで旅してきてさ、気になった所がいくつかあるから、そこ行ってみたいんだけど…」

魔法使い「種集めするのに良さそうな場所って事?良いけど…カソダタさんは良いかしら?」

カソダタ「ええ、私も行った事がない土地に行けるのなら大歓迎ですよ。いや、楽しみですなあ」

――夜、ジパング周辺

商人「という訳で、最初はここ!!」

カソダタ「はあー、ここがジパング…」

盗賊「おいしそうなイケニエのねーさんがいるんだぞ!!」

魔法使い「だから食べちゃ駄目よ。それで、ここでの種集めはどんな感じなのかしら?」

商人「うん、ここで種を持ってるのはごうけつぐまだけ、っていうかここ、ごうけつぐまとだいおうガマしか出てこないんだ。だから、ちからのたねだけを集めたいなら悪くないとは思うけど…」

魔法使い「もっといい場所がありそう?」

商人「そだね、あくまでもあたしが思うには、だけどさ。じゃあ次の場所に行って見よー!!」

盗賊「おー!!」

――245日目、旅人の教会周辺

商人「で、次はここだよ!!」

カソダタ「ええと、ここはどの辺で…?」

魔法使い「ここはサマンオサの東にあるほこらね。サマンオサに行くには、必ずここを通らないといけないの」

盗賊「たびのとびらがあるんだぞ!!」

商人「で、ここはね、いのちのきのみを持ってるコングと、ラックのたねを持ってるシャーマンの皆さんがいます!!あたし、ラックのたねすごく欲しい!!」

魔法使い「はいはい。この2つを集めるにはいい場所、という事ね?」

商人「うん、しかもここね、ちょっと西の森に行くとね、今度はコングにグリズリー、更にはメタルのあいつもいるの!!」

盗賊「おー、きのみとちからとすばやさだな!!」

商人「うん!ただ、ここはそれらとの遭遇率はあんまり良くないみたい。だから種集めにはそこまで向いてないかなー…」

魔法使い「でも、遭遇率が低くても種類がたくさんあるって事は…」

商人「そう!まさにあなほり向けの土地だと思うの!!いつかここで思いっきりあなほりしたいね!!じゃあ次、行って見よー!!」

――246日目、ルザミ周辺

魔法使い「今度はルザミか…ちょっと前に謎解きに来たわね」

カソダタ「はあー、こんな所に島が…」

盗賊「ここはわすれられたしまだからな!!」

商人「そうなんです!で、ここにはコングとメタルが出るから、種集めにどうかなーって思ったんだけど…」

魔法使い「あんまり遭遇率が良くないわね。そもそもメタル見ないわよ。本当にいるの?」

商人「い…たはずだよ、多分…」

魔法使い「頼りないわね…」

盗賊「でもここはぎょかいるいがおいしいんだぞ!!」

魔法使い「まあ、コングとマリンスライムが一緒に襲って来るのは他では見られないかもね。さて、ここはもう良いでしょう?」

商人「うん…あーあ、期待外れだったなあ…」

カソダタ「まあまあ、こういう事もありますよ…」

――247日目、旅人のほこら周辺

魔法使い「ここは本当に久しぶりね…」

商人「船を手に入れてすぐの時に1回寄ったきりだもんね」

盗賊「とーぞくははじめてきたぞ!!」

カソダタ「いやあ、世界は広い。あのシャンパーニから南に来た所にこんな場所が…」

魔法使い「まあ、船でもないとここへは来られないし…それで、ここはどうなの?」

商人「うん、ここはね、デッドペッカーにメタル、更にゴートドンにホイミスライムのなんと四種類が種を落とすんだよ!!」

盗賊「おー、すごいな!!」

魔法使い「確かにすごいけど…種の種類は2種類よね?」

商人「うん…しかも種を落とすモンスターとの遭遇率はこれまたあんまり…」

盗賊「なんだ、たねスープはむりなのか?」

魔法使い「そうねえ、でもここもどちらかといえばあなほりポイントよね?」

商人「そだね、デッドペッカーが出て、更にちからのたねを落とすモンスターもいるって事は、少なくともすばやさのたねを中心に集めたい時はムオルよりここがいいと思うよ!!」

魔法使い「まあムオルは極稀にいのりのゆびわが見つかったりするけど…種集めならここかしらね?」

商人「そだね、それじゃあ次、行くよー!」

――テドン周辺

盗賊「おー、ここもなぞときにきたな!!」

商人「う、うん…あんまり来たくなかったけど…」

カソダタ「これはまた、滅んだ村ですか…痛ましいですな」

魔法使い「でも本当、よく怖がりの貴方がここに来ようと思ったわね。ここ、そんなに良いの?」

商人「それはもう!!だってここ、ラックのたねが集まるんだよ!!ちからのたねも集まるし!!」

盗賊「しょーにんはうんがわるいからな!!」

商人「そう、ここでラックのたねをガッポリと…そして運のよさも兼ね備えたぱーふぇくとせくしーだいなまいつに…」

魔法使い「運が良いとパーフェクトになるの…?まあいいわ、それでここはどう?」

商人「うん、ここも悪くはないけど…って感じかな?意外と種を持ってないモンスターが出てくる感じで…」

魔法使い「そうねえ、まじょやじごくのよろいも結構出るわね。じゃあラックのたねを集めたいなら旅人の教会周辺の方が良いかしら?」

商人「んーとね、実はあと1ヵ所だけ気になってる所があって…」

盗賊「まだか?おなかへったぞ!!」

商人「あと1ヵ所、あと1ヵ所だから!お願い、もう少しだけ我慢して、ね、ね?」

――夜、ランシール周辺

魔法使い「ここはランシール大陸ね。ここがそうなの?」

商人「そう、でも町の周りじゃなくて、大陸の端の方が良いかな」

カソダタ「ほう、ここは大陸の真ん中と周りで出る魔物が違うんですな」

盗賊「どっちのモンスターもおいしいんだぞ!!」

魔法使い「周辺部の魔物は…ここもテドンに近い感じかしら?」

商人「ゴートドンとシャーマンの皆さんだね。でも、ここの方がずっとずっと遭遇率が良いよ!!」

魔法使い「そうね、そもそもここ、他にはあやしいかげと、たまにしびれあげはが出るだけだし…」

盗賊「ここならたねスープもすぐだな!!」

商人「うん、きっとすぐだよ!!ほら、あっという間にラックのたねが7つ!!」

カソダタ「ちからのたねも1つ見つかりましたな」

魔法使い「確かにここは良いわね。ただ、今は夜だから、昼になったらまた違うかもしれないけど…」

商人「そだね、あやしいかげとかは昼は少なそうだし。さて、種集めの旅はそろそろ良いかな?じゃあ一旦アリアハンに戻ろっか!」

盗賊「おー!!ルイーダねえさんごはんだぞ!!」

――249日目、ルイーダの酒場

カソダタ「ではまたしばしのお別れですね…ご武運を!」

魔法使い「ありがとう。今度こそは上手く出来る気がするわ。ね?」

商人「うん、きっとね!!」

盗賊「とーぞくたちはしんりゅーたおしてくるから、おやぶんもサボってないできたえるんだぞ!!」

カソダタ「分かってるよ…とはいえ、皆さんと別れたらまずはラダトームに戻るんですが…」

商人「ああ、卵のお世話があるんですね」

魔法使い「そういえば最近勇者殿の様子はどうかしら?」

カソダタ「ああ、それなんですが…なんでもお父上の話を聞いたとかで、少し落ち込んでましたね…」

商人「あー、オルテガさんの…」

魔法使い「私達、結局勇者殿にオルテガ殿の事を話そびれてしまったのよね。悪いことしたわね…」

カソダタ「本人はもうとっくに死んだものだと思ってたから平気だと言ってはいましたが…やはり辛そうでしたな…」

商人「そうだよね、改めてそういう話を聞くと…」

魔法使い「勇者殿もまだ15才だからね…辛いでしょうけど…」

盗賊「なあなあ、ならしんりゅーにたのんでいきかえらせたらいいんじゃないのか?」

商人「おー、なるほど!!盗賊ちゃん賢い!!…でも大丈夫なのかな?魔法でと生き返らせられなかったけど…」

魔法使い「どうかしらね…まあ頼むだけ頼んでみれば良いんじゃないかしら?無理ならセクシーダイナマイツなりごちそうなり頼めば良いんだし…」

商人「あー、やっぱり願いって1つしか叶えてくれないのかなあ…?せくしーだいなまいつが…」

魔法使い「それは自分の努力で何とかしなさいよ…それより盗賊は良いの?食べきれないごちそうを頼まなくて」

盗賊さしんりゅーをぜんぶ食べればおなかはふくれるぞ!!したっぱのためにひとはだぬぐのはうえにたつもののつとめなんだぞ!!」

魔法使い「上に立つもの、ねえ…」

カソダタ「お前…成長したな…親分は嬉しいぞ…」グスッ

盗賊「せいしんじょーたいがいいほうがひじょーしょくにしたときおいしいんだぞ!!」

商人「あ、うん、そうだね…」

――250日目、リムルダール

商人「…で、なんで今日はここに来たの?てっきりあたし、すぐに神竜の所に行くと思ってたのに…」

魔法使い「種の中にはすぐに効果を発揮しない物もあるから、少しレベルアップをしないといけないわ。いわば総仕上げね」

盗賊「かしこさのたねスープはおいしかったぞ!!」

商人「そっか、かしこさとスタミナのたねはレベルが上がらないと駄目なんだもんね。でもおかげで盗賊ちゃんの魔力もかなり上がったよね」

魔法使い「ええ、もう魔力切れみたいな事はないと思うけど…念のため、私の持ってるけんじゃのいしを盗賊に渡しておくわね」

盗賊「おー、ケガがなおるいし!!」

魔法使い「これで盗賊がベホマラーに魔力を使わなくて良くなるわ。私は魔力は心配いらないから…」

商人「流石魔力オバケだね!!」

魔法使い「あまり嬉しくないわよ、その呼ばれ方…」

商人レベル86「まあまあ。でもここでレベルも上げたし、そろそろ…」

魔法使いレベル59「そうね、ここは切り上げて、神竜の所に向かいましょう」

盗賊レベル70「おー!!こんどのこんどこそ食べてやるぞ!!」

――251日目、謎の塔

神竜「ほう、また来たか。よほど叶えたい願いがあるとみえる」

魔法使い「ええ、今回は今までの馬鹿げた理由ではないわ」

商人「馬鹿げてないよ!!真面目にせくしーだいなまいつだよ!!」

盗賊「食べものをバカにしちゃいけないんだぞ!!」

魔法使い「はいはい、悪かったわよ…確か、早く倒せば願いを叶えてくれるのよね?」

神竜「ああ、35ターン以内に私を倒す事が出来ればな」

商人「よーし、今度こそはやってやるよ!!きっと、ううん、絶対!!」

盗賊「のーみそからしっぽのさきまで食べてやるぞ!!」

魔法使い「…そういう訳だから、また挑ませてもらうわよ」

神竜「よかろう、願いは自分達の力で勝ち取ってみせるがいい。では行くぞ、覚悟はいいな」

盗賊「おー!!おなかすかしてきたぞ!!」

商人「勇者サマのため、オルテガ様の為にも絶対倒してみせるんだから!!いっくよー!!」

――しんりゅうがあらわれた!!

商人「さあて、まずはいつも通り…」

しんりゅうはしゃくねつのほのおをはいた!!

盗賊「わー、あついぞ!!」

魔法使い「くっ、フバーハを唱える前に動かれたわね…でも、私達だって今までよりずっと体力も上げてきたもの、このくらい…メラゾーマ!!」ゴオオオ…

盗賊「とーぞくもメラゾーマだぞ!!」ゴオオオ…

商人「じゃああたしはフバーハを…」パアア…

しんりゅうのこうげき!!しんりゅうはイオナズンをとなえた!!

魔法使い「攻撃が厳しいわね…二人とも、体力に余裕は!?」

盗賊「ちょっとだけいたいぞ!!」

商人「あたしもちょっとだけ…でも平気だよ!!魔法使いちゃんは!?」

魔法使い「私も大した事はないわ。なら…商人だけ回復に回って!盗賊、攻撃の手を緩めずにいくわよ!!」

盗賊「おー!!はやくたおしてねがいをかなえるんだぞ!!」

魔法使い「…それっ!メラゾーマ!!」ゴオオオ…

商人「あたしはけんじゃのいし!!…これ、かなりいいペースじゃない?」

魔法使い「ええ、この調子なら…」

しんりゅうは魔法使いをにらみつけた!!魔法使いはねむってしまった!!

商人「ま、魔法使いちゃん!?」

盗賊「ねぼすけ!!おきろー!!ザメハ!!」ペカー…

魔法使い「…!?い、いけない…私ったら…」

商人「もう、いいペースで来てるんだから…」

しんりゅうは商人をにらみつけた!!商人はねむってしまった!!

魔法使い「商人!?」

盗賊「ねぼすけばっかりだな!!おきろー!!ザメハ!!」ペカー…

商人「ん…せくしー道場に入門します…はっ!?あ、た、戦いの最中だったよ!!」

魔法使い「何の夢を見てたのよ…でも、ここに来て時間稼ぎに来たみたいね…」

盗賊「食べられたくないのか?ケチだな!!」

魔法使い「誰だって食べられたくはないでしょ…少しペースは落ちたけど、まだまだ今までよりはずっと早いわ、諦めずに行きましょう!!」

盗賊「メラゾーマ!!メラゾーマ!!」ゴオオオオオオオ…

魔法使い「メラゾーマ!!…かなりいいペースだわ、これなら…」

商人「あたしが涙を飲んでせくしーだいなまいつを諦めたんだもん、絶対願いを叶えてみせるよ!!とりゃー!!」ドカン

盗賊「ぜったいやきにくだぞ!!メラゾーマ!!」ゴオオオ…

魔法使い「二人とも、ちゃんと願い事覚えてるんでしょうね…」

しんりゅうのゆびさきからいてつくはどうがほとばしる!!

商人「あ、フバーハ消された!!じゃあまた…」

魔法使い「いいえ、そろそろ倒せるはずよ!フバーハより攻撃して!!」

商人「分かった!!せやー!!」ドカン

盗賊「メラゾーマだー!!」ゴオオオ…

魔法使い「お願い、もう倒れて…メラゾーマ!!」ゴオオオ…

――しんりゅうをやっつけた!!

神竜「見事だ!!この私がわずか29ターンで倒されてしまうとは…!」

魔法使い「29…?間に合った…?」

神竜「私も久しぶりに楽しませてもらったぞ!!…では願いを叶えてやろう。どうするのだ?」

魔法使い「では…オルテガ殿を…アリアハンの英雄オルテガを…」

盗賊「いきかえしてほしいんだぞ!!」

神竜「それがお前達の望みか?」

商人「はい、で、出来ますか?」

神竜「よかろう、ではその願いを叶えよう!!アリアハンに戻ってみるがいい、嬉しい知らせが届いているはずだ」

盗賊「おー、やったな!!」

魔法使い「ええ、ついに…神竜、ついでと言ってはなんだけど、この知らせを勇者殿に…オルテガ殿の娘に届けてもらえないかしら?」

神竜「知らせをか?その位ならいいだろう。では、さらばだ」

商人「はい、ありがとうございました!!」

神竜「ああ、商人よ、お前が以前セクシーダイナマイツになりたいと言っていたのでそうなれる本を用意していたのだが…これはお預けだな。ではな…」ピカー…

商人「え、ちょっ!?さ、最後に大事な情報が…ま、待っ…」ピカー…

――252日目、夜、ノアニールの宿屋

魔法使い「ふう…何とか願いを叶えてもらえたわね」

盗賊「めでたしめでたしだな!!」

魔法使い「ええ、252日間、長いような短いような旅だったけど、それも…」

商人「二人でシメに入らないでよ!!まだやること残ってるよ!!」

魔法使い「あら、何かあったかしら?」

盗賊「しんりゅーを食べたいならしっぽちぎってもってきたぞ!!みんなで食べるんだぞ!!」

商人「ちぎってきたの!?じゃなくて、あたしのすーぱーせくしーだいなまいつ化ぷろじぇくとがまだ終わってないの!!」

魔法使い「そんなプロジェクト知らないわよ…」

商人「知らないの!?この旅で一番大事な事だよ!?」

魔法使い「大魔王を倒すより大事だったのね…」

商人「とにかく!!あの大トカゲをもう一回叩きのめしてまた願いを叶えてもらうの!!さあさあ、早く行こう!!すぐ行こう!!」

盗賊「もういっかいしっぽちぎりにいくんだな?いいぞ!!」キャッキャッ

魔法使い「大トカゲ…?手早く勝てたらずいぶん気が大きくなったわね。でも、そんなに何回も願いを叶えてくれるのかしら…?」

――253日間、アリアハン

商人「で、なんでアリアハンに戻ってきたの!?すぐに行くって決めたじゃん!!」

魔法使い「決めてないわよ…神竜を疑う訳じゃないけど、一応本当にオルテガ殿が生き返ったのか確認しないと…」

商人「あ、確かに願いが叶ってなければあたしのすーぱーせくしーだいなまいつ計画も根本から見直しを迫られちゃうね。うーん、確認も大事かあ…」

魔法使い「納得してくれて何よりね…で、どう?オルテガ殿はいた?」

盗賊「あのだいまおーのしろであったおっちゃんだよな?いたぞ!!」

魔法使い「そう。本当に願いが叶ったのね…じゃあ行きましょうか」

商人「あれ?会ってかなくていいの?」

盗賊「おれいにごちそう食べさせてくれるかもしれないぞ!!」

魔法使い「オルテガ殿にたからないのよ…私達は面識がないようなものだし、偉そうに私達が生き返られました、って言うのもね…」

商人「うーん、ヒーローは影で、って所だね?分かったよ、じゃあ…」

カソダタ「あ、皆さん帰って来てたんですね?ほら、あの方たちですよ!!オルテガさんを生き返らせたのは!!」

勇者「皆さん、話は聞きました!!ありがとうございます!!ありがとうございます!!」

商人「…あー、カソダタさんはあたし達が願いを叶えに行くって聞いてたもんね。あーあ、なんか格好よく決まらないね…」

魔法使い「そうね…まあ私達らしいかもしれないけどね…」

――精霊のほこら

ルビス「あっ…!ねえほら、見てご覧なさい!」

エルフ「何?ルビス様…あ、あれは、オルテガ!?」

精霊「ええ、貴方が>>149で好きだと言ってたオルテガですよ」ウフフフフ…

エルフ「す、好きってそういう好きじゃ…!でもどうして…?オルテガは確か大魔王の城で…」

ルビス「あの大魔王を倒した人間達が天界で願いを叶えてもらったそうですよ。それはそうと…そういう好きってどういう好きかしら?」ウフフフフ…

エルフ「だ、だから…!でも、そっか…オルテガ、生き返ったんだ…」

ルビス「そうだ!せっかくだから、オルテガに会ってくると良いですよ。会いたいでしょう?」

エルフ「え…?でもどうやって…?」

ルビス「私はこの大地を創ったもの。この大地の子の願いを叶えるくらい、私にだって出来ます――この世界より外れしものよ、不可視の翼で異界へ跳ねよ――」

エルフ「え!?その詠唱、願いを叶えるってまさかバシ…」

ルビス「幾千幾万の世界を越えて、かの地へこの者を吹き飛ばせ!!バシルーラ!!…ふう、良いことすると気持ちいいですね。あ、貴方の出番はまだ当分先です、たくさんおしゃれするんですよ」ウフフフフ…

精霊「お疲れ様ですルビス様。さあ、お茶にでもしましょう――」ウフフフフ…

――254日目、ゼニスの城

商人「アリアハンのみんな、オルテガ様が生き返って嬉しそうだったね!!」

盗賊「たくさんごちそう食べれたな!!」

魔法使い「オルテガ殿は国の英雄だからね…勇者殿も嬉しそうで良かったわ。でもまさかエルフまで来るなんて…これもオルテガ殿の人徳の為せるワザかしらね?」

商人「うーん、あたしのカンだと、あのエルフは怪しいね。視線に熱が籠ってたよ」

盗賊「あやしいか?とーぞくもあついしせんでみてたぞ!!」

魔法使い「貴方は柔らかそうとかおいしそうとかよね、その熱い視線の理由は…」

商人「怪しいっていえばさあ…あのお城の兵士さんだけど…」

魔法使い「ああ、あの人は昔馴染みでね、倉庫番の頃いろいろアイテムくれたりしたのよ。そういえばオルテガ殿に世話になったって言ってたわね…」

商人「そうじゃなくて、あの人の魔法使いちゃんを見る視線も…」

魔法使い「私を…?ああ、お城に勤め始めた頃に借りた100ゴールド、まだ返してなかったわね。悪いことしてたわ…何?その顔は」

商人「…ううん、いい。報われない人って結構いるんだね…でも!!あたしはこれからせくしーだいなまいつになって報われるよ!!さあ行こう!!」

神竜「なんだ、またお前たちか!!」

盗賊「しんりゅー、しっぽおいしかったぞ!!またちぎっていくからな!!」

神竜「確か願いは叶えたはずだが…まだ叶えて欲しい願いがあるのか?」

魔法使い「…あの口振りだとまた願いを叶えてくれそうね」

商人「やった!いよいよ念願のせくしーだいなまいつに…!」

神竜「よかろう。ただし今回は25ターン以内で私に勝ったらにしよう」

商人「あれ!?厳しくなった!?」

魔法使い「まあそうポンポンと願いを叶えてもいられないでしょうからね…」

盗賊「ケチだな!!やっぱりしっぽちぎっていくぞ!!」

魔法使い「貴方願いを叶えてもらってもちぎっていったじゃない…」

神竜「どうだ?覚悟はいいな?」

商人「うう、条件が厳しくなるなんて…でも、ここを乗り越えないとせくしーだいなまいつには届かない…いっくよー!!」

盗賊「食べるぞー!!」

魔法使い「そんなにセクシーが大事なのかしら…まあいいわ、やりましょう!」

――しんりゅうがあらわれた!!

――しんりゅうをやっつけた!!

商人「えっ!?もう終わり!?」

盗賊「せんとうびょうしゃはとくいじゃないうえにおなじてきとのたたかいではどうしてもマンネリはさけられない。これはくにくのさくで…」スチャ

魔法使い「…誰に説明してるのよ」

神竜「見事だ!!この私がわずか25ターンで倒されてしまうとは!!」

商人「えっ!?しかもクリア!?やった!!」

魔法使い「自分達で成し遂げたとは言え、そんなに早く倒せたとは驚きね…」

神竜「では、望み通りの物をやろう。しかしエッチなほんが欲しいとは、お前もスミにおけんのう」

商人「はえ?今なんて!?」

魔法使い「何か卑猥な言葉が聞こえたけど…」

神竜「では、エッチなほんほくれてやろう。そしてさらばた」ピカー

商人「え、ちょっ、こ、この本って、ま、待ってよ…」ピカー

――255日目、竜の女王の城

盗賊「またここにとばされたな!!」

魔法使い「そうね、いつも結構乱暴に飛ばされるわね…で、神竜は何をくれたのかしら?」

商人「え?あーうん、本だよ、本。うん、本」

魔法使い「…どんな?」

商人「え?えーとね、呪われてはないみたいだよ、うん」

魔法使い「そうじゃなくて、効果は…」

商人「あーそうそう、売っても150ゴールドにしかならないみたい。神竜って意外とケチだね!じゃあこれは袋のなかにしまって…」

魔法使い「…いいから見せなさい!」グイッ

商人「あ、ダだダだダメだよ魔法使いちゃん、見ないで…!」

魔法使い「………ふーん、あんなに必死に私達を焚き付けて、こんなのが欲しかったのね貴方は…」

商人「そ、そうじゃ、そうじゃなくて…」

魔法使い「あら、別に悪いなんて言ってないのよ?ただ貴方も大人になったのねーってね。お姉さん少し寂しいわ…」フウ…

商人「そんなんじゃないの!!こんなのが欲しかったんじゃないの!!イジワル言わないでよ魔法使いちゃ~…、!」グスッ

魔法使い「もう、泣かないでよ、悪かったわよ…でもまあ、貴方もまだまだ子供って事ね。セクシーダイナマイツはもう少し後にしときなさい。ね?」

商人「あーあ、こんなはずじゃなかったのになあ…」

魔法使い「まあ、女を磨くのに近道はないって事じゃないかしら?じゃあこの本は…あら」

盗賊「ふーん、しんりゅーはこんなほんくれたのかー」パラパラ…

商人「ちょっ、盗賊ちゃん!?子供にはまだ早いから!!」

魔法使い「そうね、これを読めなかった貴方もまだ子供って事ね」ニヤニヤ

商人「そ、その話は今はいいじゃない!!とにかく盗賊ちゃん、それをこっちに…」

盗賊「やだやだ、ずるいぞしょーにん、ひとりでじんにくカタログをみるなんて!!」

魔法使い「人肉カタログ!?盗賊、それはそういう本じゃなくて、その、なんて説明したら良いかしら…」

盗賊「なんでだ?ほらここ、むねにくもふともももやわらかそうだぞ!!こしまわりはもうすこしあったほうがいいけど…」

商人「い、いいよ見せなくて!!」

盗賊「どいつもこいつもやわらかそうだぞ!!とーぞくはおなかがへってきたぞ!!」

盗賊は今までよりだいたんになれそうな自分を感じた!

盗賊「とーぞくはにくしょくけーになったぞー!!」ガオー

魔法使い「一体何が変わったのよ…」

商人「あああ、なんで、なんでこんな事に…」

商人レベル94「ふっふっふ、あれからまた強くなって、神竜を倒しに来たよ!!今度こそまともな手段でせくしーだいなまいつに…」

魔法使いレベル65「まだ諦めてなかったのね…」

盗賊レベル78「またしっぽちぎっていくぞ!!」

神竜「なんだ!?またお前たちか!!」

商人「来たよ!!前回はあんな本渡して…」

神竜「ほう、あんな本とはどんな本だ?」

商人「え?だ、たからそれはその…あんな本だよ!!」

魔法使い「答えになってないじゃない…」

盗賊「じんにくカタログだったぞ!!おいしそうだったぞ!!」ガオー

商人「だからそうじゃなくて…と、とにかく、今度こそはちゃんとせくしーだいなまいつにしてもらうんだからね!!」

神竜「今度こそも何も、私の願いはもうこのエッチなほんしかないが…」

商人「へ?ど、どういう…」

神竜「人間なぞ死者を生き返らせるかエッチな事にしか興味がないと思っていたのだが…違うのか?」

商人「ち、違うよ!!なんでそうなるの!?」

盗賊「そーだそーだ、いちばんは食べるものだぞ!!」

魔法使い「それが一番…?でも、ずいぶん偏った願いしか叶えてくれないのね…」

商人「何よー!!何でも叶えるって言ったのに、全然何でもじゃないじゃん!!」

神竜「ふむ、では何か別の事も考えておこう。ただし――今回からは私を15ターン以内で倒せたら、だ」

商人「ええ!?また厳しくなるの!?」

魔法使い「まあ、前回までの流れからすればそうなんでしょうけど…」

神竜「どうだ?覚悟はいいな?」

商人「そ、そんな事言っても、前回でさえギリギリだったのに…」

盗賊「かんけーないぞ!!食べるだけだぞ!!」

魔法使い「ええ、やるしかないでしょうね。商人、貴方も覚悟を決めなさい」

商人「うう…えーい、もうどうにでもなれ!!いっくよー!!」

神竜「よし、かかってこい!!」

――しんりゅうがあらわれた!!

――しんりゅうをやっつけた!!

商人「ふー、倒したよ!倒したけど…」

魔法使い「とてもじゃないけど、前回より劇的に早くなったとは思えないわね…」

神竜「ああ、私を倒すのに28ターンもかかってしまってはな…」

盗賊「あれ?まえよりおそくなったぞ?」

魔法使い「まあ、前回は本当に上手くいったから、更新するのはなかなか難しいわね…」

神竜「あんまり遅いからあくびが出そうだったわい」

商人「何よー、前回よりちょっと遅くなっただけなのに!!」

神竜「商人よ、しばし鍛える事だな。ではさらばだ――」ピカー

商人「ああもう、次こそは絶対にけちょんけちょんにしてやるんだから!!」ピカー…

――262日目、ノアニールの宿屋

商人「むー、あの大トカゲめー!前回よりもっと早く倒してみせろなんて…」

魔法使い「厳しいわね…それはそうと、最近ここの宿屋に泊まるのはなんでなの?カザーブの方が近いと思ったけど…」

商人「決まってるよ!こっちであなほりした方が良いものが出るからだよ!!」

魔法使い「ああ、そう…」

盗賊「なあなあ、あしたはどーするんだ?またしゅきょうパートか?」

魔法使い「そうね、このままじゃ…」

商人「ううん、またすぐ神竜を倒しに行こうよ!!どこかでレベル上げするより、神竜と戦いながらレベルアップした方が良いよ!!」

魔法使い「そうかしら…?まあ、そういう考えもありかもね…」

商人「よーし、じゃあ明日は早速また神竜を倒しに行こう!!」

盗賊「おー、またしっぽちぎってくるぞ!!」

――264日目、謎の塔頂上

商人「さあ神竜、また倒しに来たよ!!」

神竜「またお前たちか!!どうやらよほど叶えたい願いがあるらしいな。それとももっとエッチなほんが欲しいのか?」

商人「そ、そんなわけないでしょ!!」

盗賊「あ、でもべつのじんにくがのってるカタログならほしいぞ!!」

魔法使い「カタログじゃないし要らないわよ…」

神竜「しかし、こんなにすぐに来るとはな。余程自信があるのか?」

商人「そんなものないよ!!ないけど、あんたを倒しながらレベル上げるって決めたの!!」

神竜「ほう、私もなめられたものだな。良いだろう、返り討ちにしてくれる!!」ガオー

盗賊「またしっぽちぎってくぞ!!」ガオー

魔法使い「やっぱり失礼よね…でも、やると決めたからには行くわよ!!」

――265日目、ノアニールの宿屋

魔法使い「…今回は25ターンだったわね。ここが限界なのかしら…?」

商人レベル95「まだ分からないよ!!目論見通りレベルも上がったし」

魔法使い「貴方だけね…果たしてこれが効率の良いやり方なのか…」

盗賊「こーりつよくしっぽちぎってこれるぞ!!」

魔法使い「それは盗賊だけが嬉しいわよね…」

盗賊「なんでだ?おいしくないのか?」

魔法使い「美味しかったわ。でもそういう話じゃなくて…」

商人「まあまあ魔法使いちゃん、あんまり難しく考えないでさ、とかげの頭を引っぱたいてお肉を食べながらレベル上げてると考えればさ!!」

魔法使い「何が考えればさ、なのよ…まあ、特に急いでる訳でもないから良いけど…」

盗賊「まだスレはよんひゃくいじょうのこっている、いまおわらせてもうめるのがたいへんなだけ、もうすこしねばらないと…」スチャ

魔法使い「誰に何を言ってるのよ…」

――267日目、謎の塔

商人レベル96「うーん、相変わらずここのモンスター強い…」

盗賊レベル79「とりはおいしいな!!」

魔法使いレベル66「でも、以前みたいに来るたびに誰か死ぬことは無くなったわね。一応まだ強くなってるのかしらね、私達」

商人「そりゃそうだよ!!あたしなんか限界近くまで鍛えてるよ!!」

盗賊「そろそろレベルうちどめだな!!」

魔法使い「商人はそうね。それに私達も肉体的な成長の限界を感じるわ…」

商人「やっぱり種とか木の実を集めるようなのかなあ?」

魔法使い「それもだけど…ああ、着いたわね」

神竜「なんだ、またお前たちか!!」

盗賊「しんりゅー、またしっぽちぎってくぞ!!」

神竜「またか!!いくら生えてくるとは言え、何度も千切られるわけにはゆかぬぞ!!」

商人「あ、やっぱりイヤなんだ…」

神竜「さあ、かかってこい!!今度はしっぽを千切られてはやらんぞ!!」

盗賊「じゃああたまもいでくぞ!!いくぞー!!」

――268日目、ガルナの塔

商人「今回は29ターンだってさ、遅くなっちゃったね…」

魔法使い「そうねえ…なかなか厳しいわ。でも、それでも何とかするためにここで種集めしてるのだけれど…」

盗賊「うー、またしっぽしかちぎってこれなかったぞ…」

商人「さすがに頭をもがせてはくれなかったね…」

魔法使い「頭をもいだら流石に生きてはいられないでしょうしね…でも、しっぽもおいしいんでしょう?」

盗賊「おー!!でもこのとうのドラゴンもなかなかだぞ!!」

商人「あー、スカイドラゴンだっけ?木の実も落とすし、良いよね」

魔法使い「でもカソダタさんがいないとやっぱり効率悪いわね。どうする?アリアハンに行ってカソダタさん連れてくる?」

盗賊「とーぞくはまたしんりゅーが食べたいぞ!!」

商人「まだ食べたいんだ…じゃあまた神竜を倒しに行く?」

魔法使い「まあ、それでもいいけど、これ以上早く倒せる気はしないわね…」

盗賊「よーし、こんどこそあたまおぐぞ!!めだまものーみそも…」

魔法使い「はいはい、それ以上は表現の限界だから、その辺でね?」

――270日目、謎の塔頂上

盗賊「しんりゅー、あたまもぎにきたぞ!!」

神竜「おお、また来たか。今回は少し間が空いたからどうしたのかと思ったぞ」

商人「あー、ちょっと早く倒すためによそで種集めを…」

神竜「なんだ、ご苦労だったな。その努力は見上げたものだな」

魔法使い「誰のために努力してると思ってるのよ…」

盗賊「はやくたたかうぞ!!しっぽちぎっててあしひっこぬいてあたまもぎとるんだぞ!!」

神竜「お前、私をリンゴの木か何かだと勘違いしてないか?」

商人「盗賊ちゃんはいつもこんなです…あたしも何度かじられたか…」

神竜「お前達も大変だな…よし、じゃあそろそろやるか?」

盗賊「はやくやるぞ!!おなかへったぞ!!」

神竜「よし、ではかかってこい!!」ガオー

魔法使い「…なんでこんなにユルくなったのかしら?」

――271日目、ノアニールの宿屋

魔法使い「今回は25ターン…やっぱりここが限界なのかしら…?」

盗賊「げんかいだとおもいこんだらそこがげんかいになっちゃうんだぞ!!やればできる、きっとできるぞ!!」

魔法使いレベル67「良いこと言ってるけど…実際限界は近いわよね…」

商人レベル97「そだね、あたしはもうそろそろ…」

盗賊レベル80「そんなことないぞ!!たくさんごはん食べればレベル500くらいまであがるはずだぞ!!」

魔法使い「上がらないわよ…でも、現状でより早く倒す、となると…レベル上げや種集めだけでは限界…」

商人「でも、他にどんな手があるの?」

魔法使い「ひとつは、あと3ヶ月近く待ってみて勇者殿をパーティーに入れる」

盗賊「さんかげつ?ひまだれだな!!」

商人「盗賊ちゃん、変な方言使わないで…でも確かにそんなには待ってられないよ、他には?」

魔法使い「他?それはもちろん――」

――276日目、ダーマ

魔法使い「悪いわね、貴方一番転職が多いわよね」

盗賊「おー、まごにもいしょーだな!!」

賢者「それ、ほめてないよね?でもこの格好、もしかして念願のせくしーだいなまいつに近付いたんじゃ…」

魔法使い「そうね、喜んでくれるなら良かったわ」ニッコリ

賢者「あれ?突っ込みなし?」

魔法使い「それより早速レベル上げに行きましょう。できる限り速やかに商人に戻りたいでしょう?」

賢者「うーん、この格好でせくしーだいなまいつを目指すのも良いけど…そうだね、やっぱりあたし出来ればすぐに商人に戻りたいかなあ…」

盗賊「よし、じゃあはやくいくぞ!!あしひっぱるなよしたっぱ!!」

商人「うう、またしたっぱ扱い…でもこの前ノアニールの宿屋で転職するの決めてから今日まで時間がかかったのは盗賊ちゃんがバシルーラで飛ばされたからだよ?」

魔法使い「唐突に説明口調ね…まあいいわ、じゃあ行きましょう。カソダタさんにも来てもらったし、まずはガルナね。じゃあカソダタさん、よろしくね」

カソダタ「ええ、任せてくださいよ」

盗賊「よーし、おやぶんもしたっぱもあしひっぱるなよ!!」

賢者「うう、転職した途端にこの扱い…レベルが上がるまで我慢我慢…」

――ガルナの塔

賢者「なんでここなのかな、と思ったけど、レベル上げつつ種集めしたいって事なんだね」

魔法使い「そうよ。大体貴方転職したばかりで能力下がってるんだから、いきなり強い敵と戦えないでしょう?」

賢者レベル16「うん、それはそうだけど…賢者ってレベル上がりづらいんだね。なんかもどかしいよ…」

盗賊「そのうちあがるぞ!!にんたいがかんじんだぞ!!」

賢者「おー、さすが賢者の先輩だね!」

カソダタ「しかしこいつといい貴方といい、賢者とは意外と簡単になれるものなのですかな?」

魔法使い「そういうわけじゃないのよ。さとりのしょというアイテムがあるのだけれど…」

賢者「それを使うと誰でも賢者になれるんですよ!でも貴重品なんです。そんなものを使ったからには頑張らないと…」

カソダタ「ほう、そんなものが…」

盗賊「じつはあそびにんからけんじゃにてんしょくすることもできたんだぞ!!もったいなかったなおやぶん!!」

カソダタ「な!?そいだったのか…そうか、賢者に…惜しいことをしたかな?」

魔法使い「そうね。まあ………似合わないとは思うけど…」

賢者「…で、ある程度レベルが上がったら塔の上の方に行ってメタル退治かあ…」

魔法使い「そうよ、レベル上がったでしょう?」

賢者レベル21「そこそこは…やっぱり上がりづらいなあ…」

盗賊レベル81「とーぞくもレベルあがったぞ!!」

カソダタレベル44「お前がレベル80台とは…頑張ったんだなあ…」グスッ

賢者「また泣いて…でもカソダタさんも結構上がりましたね…」

魔法使い「私達がつれ回したからね…いつもすみません」

カソダタ「いえいえ、おかげでこんなにレベルが上がった訳ですし、こっちがお礼を言いたい位ですよ」

魔法使い「おかげで今回も種がたくさん集まったし…」

盗賊「かしこさのたねむっつ、いのちのきのみよっつ、ちからのたねふたつだぞ!!またたねスープだな!!」

賢者「今度は神竜の前で食べたりとかはやめようね、スープ…」

魔法使い「そうね…さて、じゃあ次はレベル上げの仕上げにリムルダールに行くわよ。カソダタさん、引き続きよろしくね」

カソダタ「ええ、こちらこそ」

賢者「よーし、バリバリレベル上げて早く商人に戻るぞー!!」

――277日目、毒の沼地周辺

賢者「…で、今日も種集めながらレベル上げなんだね」

魔法使い「もちろんよ、せっかくカソダタさんにも来てもらってるし…」

盗賊「スタミナのたねが10こも集まったぞ!!」

カソダタ「いやあ、ここはやはり捗りますなあ」

魔法使い「ええ、それにたまにだけどメタルも出るし…」

賢者「そうそう、ゴールドマンと一緒にね!!」

カソダタ「どちらも冒険者としては嬉しいですな」

魔法使い「ええ、やっぱり冒険者としてはメタルが…」

賢者「えー!?ゴールドマンの方が嬉しいよ!」

盗賊「どっちも食べれないからどうでもいいぞ!!」

カソダタ「…見事にバラバラですな」

魔法使い「そうね、でもだからこそ上手くやってこられたのかもね」

盗賊「みんなちがってみんないーんだぞ!!」

賢者「どこかで聞いたことあるような…」

――リムルダール周辺

魔法使い「さて、後はここで仕上げね」

賢者「そういえばさ、あたしはレベルどのくらいまで上げれば良いのかな?」

魔法使い「とりあえず38が目標ね。一番の目的はメラゾーマを覚える事だけど、せっかくだからザオリクも覚えましょう」

賢者レベル36「そっかあ。メラゾーマはさっき覚えたけど…」

盗賊レベル86「メラゾーマおぼえたならそろそろしんりゅーをやきにくしにいきたいぞ!!」

賢者「え、まだ早くない?」

魔法使い「まあ試しに一回行ってみるのもいいかもね。一応攻撃力は上がった訳だし…」

賢者「そっか、何事もケーケンだもんね!」

盗賊「そーだぞ!!とりあえず食べてみてからだぞ!!」

魔法使い「もう食べることが前提なのね…神竜が気の毒だわ」

カソダタ「うーむ、やはり食べさせ過ぎてたのか…」

盗賊「とーぞくのじしょに食べすぎのもじはないぞ!!いくらでも食べれるんだぞ!!」

賢者「うん、知ってるよ…」

――282日目、謎の塔頂上

盗賊「しんりゅー!!ひさしぶりだな、あたまもぐぞ!!」

神竜「おお、しばらく見ないからどうしたかと思ったぞ。頭はやらないがな」

賢者「うん、この塔を上ってる途中で足を滑らせて下界に落ちたりしたからね…」

神竜「そうか、それは災難だったな…なんだ?お前、転職したのか?」

賢者「うん、今のままじゃこれ以上早く倒せそうもないからね…」

神竜「なるほど、考えたな。しかし、よくやるものだ…」

魔法使い「本当、誰のおかげでこんなことしてるやらね…」

盗賊「しんりゅー!!おなかへったぞ!!食べるぞ!!」

神竜「なんの、そう簡単に食べられる訳にはいかぬぞ!さあ来い!」

賢者「今回はあたしの体力が落ちたのが不安だけど、攻撃力は上がったはず…いっくよー!!」

――しんりゅうをやっつけた!!

賢者「うう、あたし死にまくったよ…」

魔法使い「仕方ないわね、まだ体力が戻ってないんだもの…さて」

神竜「うーむ、今回は30ターンも掛かってしまったぞ」

盗賊「またおそくなったぞ!!あしひっぱりがいたからだな!!」

賢者「返す言葉もありません…」

神竜「いや、確かに攻撃力は上がっていたぞ。後は体力を付けるだけだ。課題が明確なだけに克服も出来よう」

賢者「そうかな…うん、そうかも」

神竜「ああ、お前達なら必ず出来る。諦めずにやるんだぞ!」

賢者「うん!!あたし頑張るよ!!」

魔法使い「…なんで敵に励まされてるのよ…」

――284日目、謎の洞窟

賢者「…で、今日はこの洞窟でレベル上げなんだ…」

魔法使い「ええ、あと少しレベルを上げればザオリクも覚えるでしょうし…」

盗賊「さっさとしょーにんにもどってたいりょくつけるんだぞ!!」

賢者レベル38「そだね…うん!ザオリク覚えたよ!!」

魔法使いレベル73「やったわね。イオナズンも覚えたし、これで目標達成ね」

盗賊レベル88「とーぞくたちもレベルあがったな!!」

賢者「これでやっと商人に戻れるよ…あー、でもこのままの方がせくしーだいなまいつに近づけるかなあ…」

魔法使い「あら、賢者がいいならそのままでも良いのよ?」

賢者「うーん…やっぱりあたし商人がいいな。うん、商人に戻る!」

盗賊「そーだな!!どっちにしろせくしーなんとかはほどとおいからな!!」

賢者「そ、そんなことないよ!?」

魔法使い「はいはい、じゃあダーマに行きましょうか。商人に戻って…またレベル上げね…」

――285日目、ダーマ

商人「うーん、やっぱりこっちの方がしっくりくるよね!!」

魔法使い「そうねえ、本職って感じはするわね」

盗賊「どっちにしろいろけはないな!!」

商人「と、盗賊ちゃんに色気なんて分かるの!?」

魔法使い「この子セクシーギャルだからね…」

盗賊「いろけでもくいけでもとーぞくがうえだな!!」

商人「食い気は争う気もないけど…」

魔法使い「食い気は世界チャンピオンだからね…」

商人「で、とりあえずこれからレベル上げでしょ?まずはまた種集めながらガルナで?」

魔法使い「そうね、カソダタさんにも来てもらいましょう」

盗賊「またドラゴンが食べれるな!!」

魔法使い「目的は種集めだけどね…本当、食い気が尽きることって無いのかしら…?」

――287日目、ガルナの塔

カソダタ「うーむ、ここもすっかり馴染みの場所になりましたな」

商人「え?ここはナジミの塔じゃないですよ?」

魔法使い「下らない事言ってるんじゃないのよ。それより、せっかくまた一からレベル上げをするのだから、効率良く能力を伸ばしたいわね…」

盗賊「せーかくをかえたりするんだな?」

商人「あ、じゃあ早速ガーターベルトを付けてせくしーだいなまいつに…」イソイソ…

魔法使い「違うわよ。ます貴方はいっぴきおおかみね。これを付けて」

商人「ええー!?ヘビメタリング!?」

魔法使い「商人は体力が伸びる職業だから、タフガイが最適なのだけど…それは転職無しの場合ね」

盗賊「まほーもつかえなきゃならないからかしこさもひつようだな!!」

魔法使い「そうそう、だから最初はいっぴきおおかみで体力をのばしつつ賢さもカバーする感じね」

商人「はーい…あーあ、ガーターベルトはお預けかあ…まあタフガイよりはいいか、タフガイじゃあたしのきゅーとさが台無しだもんね」

魔法使い「まあ最終的にはタフガイにもなるんだけど…しばらくそのままでレベル上げをして、50位になったらこれに変えるのよ」

盗賊「まあ、ティアラだなんて、しょーにんにはもったいないですわ」

商人「どーゆー意味!?でもおじょうさまかあ、おじょうさま…いい響きだね、エヘヘ…」

魔法使い「レベル50を過ぎると商人に限らず成長が鈍るのだけれど…商人はうんのよさだけは多少伸びるようだから、ここで少しでもカバーしましょう」

盗賊「すくいようのないほどうんがわるいからな!!」

商人「そ、そんなじゃ…ない、よ…?」

魔法使い「すごい自信無さそうね…で、60を過ぎたら念願のセクシーギャルよ」

商人「やった!!ついにせくしーだいなまいつだね!!」キャッキャッ

魔法使い「60以降は殆ど成長しないから、少しでも成長率の良い性格にしないとね…でも、商人は70になったらまた体力が延び始めるのよ。だから…」

盗賊「ここでタフガイだな!!」

商人「ええー!?最後はせくしーだいなまいつじゃないの!?」

魔法使い「残念ながら…でも、体力が限界まで伸びたら、また別の性格にするわ。もしかしたらセクシーギャルになるかもね」

盗賊「タフガイのほうがにあうけどな!!」

商人「そんな事ないよ!!ないよ!!」

カソダタレベル50「なるほど、こうやって色々と考えるものなのですな。私は特に考えずにここまで来たから、体力も力も足りなくて…」

盗賊「かいてるやつはきほんおーざっぱだからな!!」

魔法使い「誰に対して言ってるのやら…まあ、これは1つのやり方だから、正解とも限らないけどね…」

商人「貴方好みの商人にしてあげてください!!出来ればせくしーだいなまいつに!!」

魔法使い「ふう…かなり長い事この塔にいるけど…」

商人「リアル時間でもかなりいたよね…」

盗賊「たねあつめにひっしだな!!」

魔法使い「いつもながら誰に話してるやら…でも商人もそれなりにレベル上がったでしょう?」

商人レベル27「うん、上がったよ!!」

盗賊レベル89「ついでにとーぞくもあがったぞ!!」

魔法使い「ここに来て盗賊はレベルが上がりやすくなったわよね…」

盗賊「いくつもカンストしてるぞ!!」

カソダタ「うん、うん、立派になったなあ…」グスッ

魔法使い「カンスト…?まあいいわ、商人も体力がいくらか戻った事だし、また1度神竜の所に行ってみる?」

盗賊「そーだな!!こんどはしんぞー食べるぞ!!」

商人「心臓はさすがにまずいんじゃ…首もまずいけど…」

盗賊「そーか?きっとおいしいぞ!!」

魔法使い「そのまずいじゃないわよ…食べるのは尻尾位にしておきなさいよ?」

――289日目、謎の塔

商人「ふう、ふう…んー、この塔のモンスター、やっぱり強い…」

盗賊「なんかいもしんだな!!なさけないぞ!!」

商人「うう、あたしまた足引っ張ってる…」

魔法使い「仕方ないわ、転職してそう時間も経ってないし…ここに来るのも少し早かったかもね」

盗賊「もうおなかへったぞ!!はやくしんりゅーのしっぽちぎるぞ!!」

魔法使い「…いえ、今日はここでレベル上げをして戻りましょう。今から神竜と戦うには私達も消耗し過ぎたもの…」

盗賊「えー!?しっぽステーキは!?」

魔法使い「我慢なさい、ノアニールでデスフラッターの唐揚げたくさん食べさせてあげるから。ね?」

盗賊「からあげ…うー、じゃあがまんするぞ…」

商人「ごめんね、あたしのせいで…」

魔法使い「だから気にしないの。私も今の私達がどこまで出来るのかは楽しみだったけど…お楽しみは後に取っておきましょう」

盗賊「そーだな!!しんりゅーステーキはあとにして、デスフラッターぜつめつするまで食べるぞ!!」

魔法使い「ほどほどにしなさいよ…」

商人「ああ、ごめんねデスフラッター…」

――291日目、謎の塔

商人「さて、じゃあ久しぶりにあたし達のすてーたすです!!」

商人レベル 38
ちから 138
すばやさ 125
たいりょく 178
かしこさ 120
うんのよさ 89
最大HP 365
最大MP 242

盗賊レベル 92
ちから 238
すばやさ 255
たいりょく255
かしこさ 254
うんのよさ223
最大HP 521
最大MP 515

魔法使いレベル 76
ちから 93
すばやさ 255
たいりょく 255
かしこさ 255
うんのよさ 255
最大HP 517
最大MP 521

魔法使い「商人はやっぱりまだ転職の影響があるわね…」

盗賊「きたえかたがたりないな!!」

商人「むー…逆に魔法使いちゃんは人間辞めてるレベルだよね」

魔法使い「その言い方はちょっと…盗賊も大概だけどね」

盗賊「とーぞくはにんげんを食べるぞ、ジョジョー!!」ガオー

商人「ジョジョって誰!?」

魔法使い「突っ込む所そこ…?」

盗賊「もちろんドラゴンも食べるぞ!!しんりゅーまたせたな、食べるぞ!!」

神竜「うむ、ステータスまとめご苦労だったな」

商人「あ…ごめんなさい、待っててもらって…」

盗賊「またせたおわびにちのいってきまでのこさず食べるぞ!!」

魔法使い「それ、どの辺が詫びてるの…?」

神竜「なんの、今日こそはしっぽさえもやらんぞ、さあ来るがよい!!」ガオー

商人「あたしが転職してから初めての神竜との戦い…よーし、やるよー!!」

――しんりゅうがあらわれた!!

――299日目、アリアハン

商人「前回神竜と戦った後、また神竜に挑みに行く途中で盗賊ちゃんがバシルーラで飛ばされ、アリアハンに連れ戻しに来たあたし達なのでした!」

盗賊「めんぼくないんだぞ!!」

魔法使い「誰に説明してるの…?」

商人「で、せっかくアリアハンまで来たので…カソダタさんお願いします!!1回だけで良いんで!!」

カソダタ「わ、分かりましたよ。分かりましたから…その頼み方は誤解されますよ!」

魔法使い「しかも大声で…」

商人「とにかく!1回だけ、1回だけ一緒に神竜と戦って欲しいんです!1回だけ…」

カソダタ「だ、たから分かりましたから!!」

盗賊「ついてきてくれるのか?おれーにしんりゅーのしっぽのきれはしをあげるぞ!!」

カソダタ「お、お前が他人に食べ物を…!!成長したなあ…」グスッ

魔法使い「もう、親ばかなんだから…まあ、人数が増えたら本当に早くなるのかは試して見たかったし…」

商人「でも本当に1回だけですから!!そこのところはゴリョーショー下さい!!」

魔法使い「誰に断ってるのやら…」

――300日目、謎の塔頂上

神竜「おお、また来たか…なんだ?今日は人数が多いな」

カソダタ「あ、どうも…こ、これが神竜…どひゃー、大きいですな…」

神竜「しかし男一人とは両手に花だな。どういう関係なのだ?」

魔法使い「意外と俗なこと聞くのね…」

盗賊「おやぶんはとーぞくのおやぶんなんだぞ!!」

神竜「お前の…?まさか男よ、お前も私のしっぽを千切りに…!」

カソダタ「え!?いやいやいや、そうではなく…」

盗賊「当たり前だぞ!!おやぶんはとーぞくのしょくよくのししょーだからな!!」

商人「食欲の師匠!?」

神竜「ぬうう、やはりそうか…!しかしそう何度も食べられる訳にはいかぬぞ、さあ来い!!」ガオー

カソダタ「な、なんか怒ってませんか!?」

魔法使い「貴方の娘のせいだけどね…」

盗賊「よーし、食べるぞー!!」

しんりゅうがあらわれた!!

――しんりゅうをやっつけた!!

カソダタ「ひゃー、恐ろしい強さでしたな…」

盗賊「おやぶんしにまくったな!!なさけないぞ!!」

魔法使い「そう言わないのよ…せっかく手伝ってくれたのに…」

カソダタ「いやあ、私役にたちましたかね?」

商人「それはもう!…って結果を聞かないと分からないけど…」

神竜「今回は21ターン掛かってしまったな」

魔法使い「…!という事は…」

商人「新記録だよ!!やったね!!」

カソダタ「おお、お役にたてたようで…」ホッ

盗賊「でかしたぞおやぶん!!ほーびにしっぽをちょっとあげるぞ!!」

神竜「ぬうう、やはりしっぽが目的だったのか…!」

カソダタ「え!?ち、違いますよ、そんな…」

神竜「ええい、お前らなぞ何処かへ行ってしまえ!!」ピカー

カソダタ「わ、光っ…あー…」ピカー

――301日目、竜の女王の城

カソダタ「ここは…?立派なしろですなあ」

魔法使い「ああ、カソダタさんはここに来るの初めてね。でもありがとう、大変だったでしょう?」

カソダタ「ええ、すごい体験をさせてもらいましたよ。何せ天界ですからね!」

商人「そっかあ、天界に行ったって考えるとすごいよね…」

盗賊「なかなかだったぞおやぶん!!しにまくったけどな!!」

カソダタ「ああ、もうちょっと鍛えておけば良かったよ…」

商人「まあまあ。でもやっぱり人数がいると違うねー」

魔法使い「そうねえ。ずっとけんじゃのいし使ってもらってるだけでも大分違ったわね…」

カソダタ「いやまあ、そのくらいしか出来ませんでしたが…」

盗賊「でもしんりゅーからたねもぬすめたぞ!!」

魔法使い「抜け目ないわね…でも、これ以上強くなるためにはやっぱり種集めよね。カソダタさん、お疲れでしょうけど、引き続き種集めに付き合って欲しいのだけど…」

カソダタ「ええ、私で良ければ…いやしかし、考えれば考える程にすごい体験をしたものです…」

――ガルナの塔

魔法使い「…カソダタさん、神竜との戦いから休んでないけど大丈夫?」

カソダタ「ええ、私は平気ですが…」

盗賊「ここのドラゴンはおいしいな!!ねこそぎおにくにするぞ!!」

商人「いのちのきのみ…これたくさん食べればせくしーだいなまいつに近づける…?」

カソダタ「…皆さん元気ですな」

魔法使い「ええ、慣れてるから…」

盗賊「でもかちくにしたほうがたくさんおにくを食べれる…ドラゴンぼくじょうつくるぞ!!おやぶん、えさやりがかりな!!」

カソダタ「ドラゴン牧場!?そんなものが出来るのか…?」

魔法使い「出来るわけないでしょう…大体ここのドラゴンは飛んで逃げるわよ」

カソダタ「ああ、そうですね…」

商人「ううん、一見不可能に見えるからこそビジネスチャンスだよ!!もし成功すれば、あたし達のブランド竜肉が食肉業界を席巻して…」

盗賊「おにくはうらないぞ!!ぜんぶ食べるんだぞ!!」

魔法使い「…まあ、貴方はそうでしょうね。そもそも大きくなるまで待っていられるのかしら…?」

商人「それはそうとさ魔法使いちゃん、いつもここばっかりだからちょっと飽きるね…」

盗賊「ほかのおにくも食べたいしな!!」

魔法使い「とはいえ、ここより効率の良い場所があるのかしら…?」

商人「うーん…あ、じゃああそこ行かない?この前種集めツアーに行ったときさ、サマンオサの北東辺りが結構良さそうだったじゃん、あそこで…」

盗賊「さるのおにくだな!!」

魔法使い「あそこか…まあたまには良いかもね、じゃあ行ってみる?」

商人「うん、行ってみよー!!カソダタさんも良いですか?」

カソダタ「ええ、私はどこでも構いませんよ」

魔法使い「本当に申し訳ないわね…」

盗賊「おやぶんもいっしょにさるにく食べるんだぞ!!あ、あとあそこはとりにくもあるぞ!!」

カソダタ「お前、どこにどんな肉があるのか覚えてるのか?すごいな…」

魔法使い「空腹を満たす為なら何でも覚えるわよね、この子は…」

商人「モンスターの知識って考えればすごいよね…」

盗賊「よーし、もう少しここでおにく食べたらそっちに食べに行くぞ!!」

魔法使い「食べてしかいないじゃない…」

――302日目、旅人の教会周辺

商人「うん、やっぱりここも結構種が手に入るね!」

魔法使い「そうね、今の所いのちのきのみが14個にラックのたねが18個、なかなかじゃないかしら?」

盗賊「おー、たねスープだな!!」

魔法使い「ラックのたねは貴方達二人で食べて良いわよ、私はもう必要ないし…」

商人レベル52「むー、意外とラッキーガールだよね魔法使いちゃん…あたしもレベルは上がったんだけど、なかなか…」

魔法使いレベル85「まあ、レベル上げだけでは運は上がりにくいわよね…」

盗賊レベル99「まだレベルあげしなきゃいけないのか?めんどうだな!!」

魔法使い「貴方はもう限界まで上がったわよね…あとは種でだけでしか成長しないのよね…」

カソダタ「より種集めが大切になってくるわけですな、大変だ…」

魔法使い「そうね…とりあえず、もう少しここで粘ってみようかしら?夜になったらまた違った魔物構成になるかもしれないし…」

――夜

商人「夜になったら、種集まるペース上がったね!ただ…」

魔法使い「ええ、ラックのたねは12個集まったのに、いのちのきのみは1つだけ…」

盗賊「なんでだ?あんなにたくさんいるんだから、すこしくらいシャーマンにく食べても…」

商人「だ、ダメだよ人は!」

魔法使い「そうよ、猿と鳥で我慢しなさい。それにしても、シャーマンって夜が好きなのかしらね…?」

商人「うーん、どうだろ…でも昼間の3分の1より少ない位しか戦ってないのに、集まったラックのたねは3分の2だもんね。すごいハイペース…」

魔法使い「種を落とさない敵が夜はあまり出なくなったわよね。代わりにシャーマンの大群…」

商人「うーん…実はさ魔法使いちゃん、あたし聞いたんだけどさ、ここに出てくる鳥、アカイライだっけ?あの鳥がさとりのしょを落とすらしいって聞いたから、それも確認出来たら良いなって思ってたんだけど…」

魔法使い「出なかったわね…まあ、あれほどの貴重品がそう簡単に出るはずもないけど…」

商人「やっぱりそうだよね…あ、実はあたし達、戦ったモンスターの数、盗みや宝箱、あなほりででたアイテム…それらを旅立ってから全部メモしてあります。だから、こんなデータが欲しい、っていうのがあったら言ってもらえれば、可能な限りお答え出来ます!!」

魔法使い「誰に話してるの…?」

盗賊「こんなデータがほしいっていわれてもわかりにくいんだぞ!!」

商人「うーん…じゃあ例えばさ、277日目、つまり>>635では毒の沼地の近くで種集めしたんだけど…そこでスタミナのたねを10個集める為に123回戦ったんだよ、とかそういう感じ」

カソダタ「ちなみに、当時私のレベルは44から49で…」

盗賊「とーぞくは81から86だったぞ!!」

商人「と、こんな感じに出せます。手間はかかるけど…」

魔法使い「カソダタさんまで誰かに向かって説明し始めたわね…」

商人「ちなみに戦った回数は遭遇したモンスター全てです。ドラゴンが出てきた回数にするともっと少ないですが…」

盗賊「めんどーだからまとめなかったぞ!!」

魔法使い「…のつもりだったけど、それではあんまりなので、数えてみたら…71回。56%程度の確率で遭遇してたわ。体感ではもっと少ない気がしたけど…」

商人「思ってたより多かったね。となると、種入手確率は14%位?うーん…」

カソダタ「と、このような感じで数字が出せます。ちなみに今日の夜のシャーマン遭遇率は約60%、そして遭遇したうちの3分の1はラックのたねを手に入れています」

商人「でもホント、こういうの調べるの好きだよね…」

盗賊「べつにやくにたたないのにな!!」

魔法使い「しっ!まあ、せっかくメモしてたから何かに役立てたかったんでしょ。無駄にするっていうのが嫌いなのよ、1種の貧乏性ね」

商人「と、そんな感じなので、聞きたくなったらいつでもどうぞ!!」

魔法使い「デーモンソードを倒した総数ね…少し待ってて…」

盗賊「メモしてたじがきたないからたいへんだな!!」

魔法使い「本当、後で使うつもりならもっと丁寧に書いておけば良いのに…」

商人「…うん、出ました!デーモンソードはのべ107匹倒しています!!」

カソダタ「あの強い魔物をですか…さすがですなあ」

魔法使い「で、どうなのかしらね?不届き者の総数も、のべで言えばこんなものかしらね?」

商人「うーん、どうだろ…」

盗賊「そのくらいは食べた気がするぞ!!」

魔法使い「ああ、そう…まあ不届き者だけがあの魔物になったわけではないとは思うけど…」

盗賊「あと、いっかいだけもろはのつるぎをぬすめたぞ!!たいしたことないものをいっかいしかおとさないなんておまえらけちだな!!」

商人「ちょ、盗賊ちゃん…」

魔法使い「まあ、天界の魔物達は強さの割りには持ってるものがいまいちのもいるわよね。その辺、野良魔王はなかなかだけれども…」

商人「まあ、ふしぎなきのみはめったに落とさないけど…と、こんな感じでデータは出せます!!メモしてた字が読みづらいので、ちょっとした誤差はあるかもしれませんけど…」

――303日目、リムルダール

魔法使い「さて、じゃあ今日はレベル上げね…」

商人「カソダタさん、レベル上げにまで付き合ってもらってすみません…」

カソダタ「なんの、くちぶえは私の役目ですからな」

盗賊レベル99「レベルあげごくろーだな!!」

魔法使いレベル87「レベル99になったからって余裕ね…まあ私ももうだけど…」

カソダタレベル55「私も付き合っているうちに結構上がりましたなあ」

商人レベル55「うーん、あたしもカソダタさんと同じレベルだけど…レベル99を目指すとなるとまだまだ…」

魔法使い「まあ、貴方にはたくさん転職してもらったからね…でも、1度レベル97まで上げられたんですもの、今回もすぐよ」

商人「だと良いけど…」

魔法使い「それより、神竜と戦ってからまだ休んでないわ。そろそろ休みましょう。盗賊もお腹すいたでしょう?」

盗賊「おー!!ひさしぶりのやどやごはんだな!!」

商人「そだね、ドラゴンやサルや熊も良いけど、やっぱり普通のご飯も食べたいね…」

――304日目、リムルダール

商人「久しぶりにお風呂に入った!!1週間振りに!!うら若き乙女なのに!!」

魔法使い「そういえばそうね。旅を始めた頃はほとんど毎日宿に泊まってたのに、慣れって怖いわね…」

商人「そうだよ!!毎日とは言わないけど、やっぱりもうちょっと宿を使おうよ!!お金もあるし!!」

盗賊「ごはんがまいにち食べれれば宿はたまにでいいぞ!!」

商人「ダメだよ盗賊ちゃん、曲がりなりにも女の子なんだから!!」

魔法使い「曲がりなりにもって酷いわね…でもお金があるのは確かだし…」

カソダタ「おお、私に新しい盾を買ってくれるのですか?ありがとうございます!」

商人「カソダタさんにはお世話になってるし、ドラゴンシールドのひとつやふたつ!さ、それより今日もレベル上げだよね、張り切って行こー!!」

盗賊「おー!!くまとか食べるぞ!!」

――毒の沼地周辺

魔法使い「…ねえ、今日はレベル上げなんだから、ここに来なくても…」

商人「ちっちっちっ。あなほり名人たるもの、より良いものが出てくる所で穴を掘るものだよ?」

魔法使い「名人ね…まあここはスタミナのたねの他にもせかいじゅのはが出たりするし…」

盗賊「ドラゴンにくもおいしいな!!ヒドラにくも!!」

商人「そうそう、そういうわけだから…」

――トロルキングがあらわれた!!

カソダタ「お、あのうすらでかいやつですな…あれも確かうまかったような…」

盗賊「なかなかのおにくだぞ!!」

魔法使い「あれが食用肉に見えるなんて、やっぱり育ての親なだけあるわね…あ、気を付けて!!」

トロルキングはバシルーラをとなえた!!商人はとおくへはねとばされた!!

盗賊「あーとんでっちゃったぞ…」

魔法使い「もう、あなほりを欲張らなきゃこんな事にはならなかったのに…困ったものね…」

商人「うう、あたしってやっぱり運が悪いのかなあ…?ルイーダさん、トマトジュース!!」

ルイーダ「はいはい、しかしホントに良く飛んでくるね。あれ、心臓に悪いから、ほどほどにして欲しいんだけどね…」

商人「あたしだって好きで飛ばされてるんじゃないよ…あっ!」

魔法使い「こんにちはルイーダさん。商人を…」

盗賊「ルイーダねえさん、ごはんー!!ごはんとスープとステーキとたまごやきとやきにくとサラダとパンとシチューとホットケーキとやきざかなとやきとりといっかくうさぎのまるやきと…あ、このトロルもさばいて!!」ズイッ

ルイーダ「ええー!?これをかい!?」

カソダタ「す、すみません…おい、自分でやればいいだろ?」

盗賊「とーぞくはこれからごはんでいそがしいんだぞ!!ルイーダねえさんおなかへった!!はやくはやくー!!」バンバンバン

魔法使い「………という訳で、迎えに来たわよ…」

商人「…一応、あたしを迎えに来るのがメインなんだよね?」

魔法使い「もちろんよ、少なくとも…」

ルイーダ「はいはい、とりあえずごはんとスープと焼き肉からね、あとは…」

盗賊「おー、さすがルイーダねえさん!!」キャッキャッ

魔法使い「…少なくとも、私はね…」

商人「…はあ」

――夜、ガルナの塔

盗賊「おー、ごはんのあとはおにくだな!!」

魔法使い「そういう訳じゃないわよ…こっちに戻ってきちゃったから、ついでにね…」

商人「うう、あたしが飛ばされたから…」

魔法使い「謝らなくてもいいわ。レベル上げも種集めも、どちらもやらなきゃいけない事には違いないもの…」

カソダタ「あの神竜をもっと早く倒すとなれば、考えうる全てのことをやるしかないでしょうな」

商人「うん、そうですね…ねえ、ホントにあの神竜をもっともっと早く倒すことなんて出来るのかなあ?」

魔法使い「さあね…でも、やるしかないわ」

盗賊「べつにたおせなくてもまいかいしっぽちぎってくればいいだけだぞ!!」

魔法使い「貴方はそれで良いでしょうけどね…」

――306日目、リムルダール周辺

商人「そして今日はレベル上げだね!」

魔法使い「ええ、ここである程度レベル上げしたら、また神竜の所に行きましょう」

盗賊「またしっぽちぎれるな!!でもあたまももぎたいぞ!!」

商人「うーん、段々親しくなってきたから頭はちょっと…」

カソダタ「いやしかし、しっぽの先でさえあのうまさですからな。頬肉など食べたら頬が落ちるかも…」

盗賊「おー、おやぶんはわかってるな!!」

魔法使い「まさか盗賊に同意する人がいるとはね…」

盗賊「ところでふたりとも、ちゃんとレベルあがったのか?こんどはあしひっぱるなよ!!」

魔法使いレベル92「むっ…言ってくれるわね、心配しなくてもちゃんとレベルは上げてるわよ」

商人レベル61「そうそう、あたしも今怒濤の追い上げ中だから!」

カソダタレベル60「ちなみに私もレベルが上がって…」

盗賊「おやぶんにはきいてないぞ!!」

カソダタ「そんな、ひどい…」

――309日目、謎の塔頂上

神竜「おお、お前達か、久しぶりだな。どうだ?たまには茶でも」

商人「お茶!?…いただきます」

魔法使い「天界のお茶って美味しそうね」

盗賊「とーぞくはおちゃよりしんりゅーのしっぽちぎって食べたいぞ!!はやくたたかうぞ!!」

神竜「まあそう急くな。お前にはフロストギズモにいちごシロップをかけたのを用意したぞ」

盗賊「くちどけギズモか!?食べる食べる!!」キャッキヤッ

商人「…んー、天界のお茶、やっぱり美味しいね!」

盗賊「おー、あらたなあじわい!!」

神竜「ところでお前達、あの大魔王を倒したそうだな?その後上の世界と下とを結ぶ穴が閉じられたはずだが…」

魔法使い「ええ、確かに閉じたみたいだけど…何故かまた行き来出来るようになったのよね」

神竜「そうか…何故また穴が開いたのかは私にも分からぬが、恐らくそう長い間は開いておらぬと思うぞ!!」

商人「え?そうなの?じゃああたし達もうここにも来れなくなるの?」

神竜「まあそんな急な話ではないと思うがな…」

魔法使い「そう…ここに来られなくなるのもだけど、何より上と下を行き来出来なくなるのは辛いわね。私はともかく、貴方達は…」

商人「あたし?あたしも別に構わないよ、盗賊ちゃんは?」

盗賊「んー、とーぞくたちはどっちにとじこめられるんだ?」

神竜「それは下だろうな、当初はそうだったはずだろう?」

盗賊「そっかあ…うーん、でもまほーつかいとしょーにんとおやぶんがいればどっちでもだいじょうぶだぞ!!」

商人「それ、カソダタさんが聞いたら泣いて喜びそうだね」

魔法使い「そうねえ、下の世界に巻き添えで残されるけど…でも神竜、貴方に願えば行き来位出来るようにならないの?」

神竜「難しいな。一般人ならともかく、大魔王を倒してしまう程の力の持ち主にあまり行ったり来たりされるのは好ましくないからな」

商人「あー、そういうものなんだ…」

魔法使い「私達は、か…じゃあ神竜、こういう願いはどうかしら?例えば…」

――310日目、竜の女王の城

商人「…あんな意味深な事言ってたのに、願いは叶えて貰えなかったね…」

魔法使い「流石に29ターンも掛かってはね…」

盗賊「ねむらされまくったな!!」

魔法使い「ええ、早さを求めると、結構運が絡むわよね」

商人レベル62「でもあたしがもっとレベル上げれば、もしかしたら…」

魔法使い「そうね、貴方が体力を付けて、回復の手間を減らせれば…それでも難しいでしょうけど…」

商人「そだね…それより、さっき神竜に言ってた願い事の話、ホントにあれにするの?」

魔法使い「ええ、貴方達が良ければだけど…」

商人「まあ、あたしはいいけど…せくしーだいなまいつにもなれないみたいだし…盗賊ちゃんは?」

盗賊「べつにいいぞ!!かわりにおいしいごはんな!!」

魔法使い「はいはい、それで良ければね…でもどっちにしろ、もっと強くなって願いを叶えて貰えるようにならないとね…じゃあこれからまたリムルダールへ行くわよ、レベルを上げて、また神竜に挑まないと…」

――311日目、ルビスの塔

商人「という訳で、今日ひちょっと遠出してルビスの塔でレベル上げだよ!!」

盗賊「たまにはちがうところもいいな!!」

ルビス(わ、また来てくれたんですね!)

魔法使い「メタルが6匹も一斉に出てくるのはここだけよね。まあ、たくさん出てきてもみんな倒せるという訳でもないけど…」

盗賊「でもさっきとーぞくのパルプンテでみんなたおせたぞ!!」

商人「すごかったよね、みんな砕け散ったもんね!」

魔法使い「一気にたくさん倒すとなると、やっぱりパルプンテが一番なのかしらね。それに、何回か試してみて比較的安全なパルプンテの使い方も分かってきたし…」

商人「え?どんな?」

魔法使い「パルプンテで一番怖いのは皆が混乱することよね?でも混乱は残り一人になると正気を取り戻すでしょう?我に返った魔物が逃げ出す事のある魔物なら、私達がボロボロになる前に戦闘が終わる可能性が高くなるのよ。だから…」

商人「あ、分かった!つまり、逃げる事のあるモンスターだけで出てきたときはパルプンテの狙い目って事だね?」

魔法使い「そう。メタルだけで出てきた時もそうだけど、他にもダースリカントやメイジキメラと一緒の時もパルプンテを比較的安全に使えるわね」

商人「なるほど、これで安心してパルプンテが使えるね!!…でもこれ、もっと早く気づいてれば…」

魔法使い「もっと楽にレベルが上げられたかも知れないわね…」

商人「で、せっかくここに来たし…祝・300日突破記念!ドキドキ☆あなほり大会ー!!」

盗賊「おー!!」パチパチ

ルビス(わー!!)パチパチ

商人「という訳でここであなほりしてみました!!4階と5階をそれぞれ150回ずつ!!」

魔法使い「よくやるわね…」

商人「で、さっそく結果だよ!!まずは4階から!!」

ふしぎなぼうし1 なげきのたて2 いのちのいし2 他小銭多数

商人「次は5階!!」

しあわせのくつ2 ふしぎなぼうし2 すばやさのたね2 どくけしそう3 他小銭多数

盗賊「いまいちだな!!」

商人「うーん、ここに来てすぐなら結構良いものもあるけど…今だとね…」

魔法使い「そうね…あと商人、あなほりってその場所に出てくる魔物が落とす物を見つけられるのよね?でもここにはどくけしそうを持ってる魔物はいないはず…」

商人「うーん、これはちょっと分からないなあ…たまに変なとこに変なものが出るんだよね、大魔王の城の中でもどくけしそうが出てきたり、上の魔王の城の周りでやくそうが出てきたり…どういう事なんだろ?」

盗賊「ここのどくけしそうはルビスさまからのおくりものだな!!ルビスさまはケチだからな!!」

ルビス(そんな、ひどい…)

商人レベル75「でも、レベルはたくさん上がったよ!メタルたくさん倒したもんね!!」

魔法使いレベル99「ここはメタル以外の魔物も結構たくさん経験値が貰えるし…おかげで私もレベル99になったわ」

ルビス(す、すごい!)

盗賊「あとはしょーにんだけだな!!」

商人「うん、頑張るよ!!」

魔法使い「商人はレベルが上がりやすいし、すぐ追いつくわよ。さて、じゃあここは切り上げようかしら?」

商人「そだね、ここはレベル以外にもすばやさのたね、スタミナのたね、ちからのたねが集められる良いところだったね!!」

盗賊「またたねスープ食べるぞ!!」

商人「あ、あと魔法使いちゃん、あたしちょっと行きたいところあるんだけど…良いかな?」

魔法使い「ええ、構わないけど…どこ?」

商人「まあまあ、とりあえず行こうよ!!じゃあルビス様、お邪魔しましたー!!」

盗賊「またなー!!」

ルビス(はい、またいつか…あれ?私の塔の中、あなほりで穴だらけに…ひどい…)

――313日目、謎の洞窟

商人「祝・300日突破記念!ドキドキ☆あなほり大会in謎の洞窟ー!!」

盗賊「わー!!」パチパチ

魔法使い「行きたいところがあるって言うから来てみたら…あなほりしたかっただけなのね…まだあなほりし足りないの?」

商人「最近アイテム入手は盗賊ちゃんとカソダタさんに遅れがちだけど、あたしだって…!で、今回も一階層目と二階層目で150回ずつあなほりしたよ!!まずは一階層目の結果、こちら!!」

あたまがさえるほん3、まほうのビキニ1、ふしぎなきのみ1、384500ゴールド、他小銭多数

商人「次は二階層目、こちら!!」

あたまがさえるほん、いのりのゆびわ、まほうのビキニ、おおばさみ各1、他小銭多数

盗賊「おー、ふしぎなきのみ!!」

商人「うん、狙ってたのが見つかったからすごく良かったよ!!」

魔法使い「お金もたくさん手に入ったわね」

商人「そうなの!!これで手持ちのお金が999999ゴールド、かんすとしたよ!!ね、早くお金預けに行こうよ、ね、ね?」

魔法使い「ダメよ、せっかくここまで来たのだし、洞窟を抜けて神竜の所まで行きましょう」

盗賊「おー、しっぽちぎるぞ!!」

商人「ええー…早くお金預けたいよ…」

――314日目、夜、アリアハン

商人「いやー、謎の塔で足滑らせて落ちちゃったよ、残念残念!!」ニコニコ

盗賊「おっちょこちょいだな!!」

商人「ごめんね。で、落ちちゃったものは仕方ないから、銀行にお金を預けて…」

魔法使い「貴方…まさかお金預けたくてわざと落ちたんじゃ…」

商人「え?いやいやいやいやいや、そんなことないよ!!」

魔法使い「…まあ、いいわ。気もそぞろで神竜と戦ってもいい結果は出ないでしょうしね…」

商人「でね!銀行に預けたお金、200万ゴールドを突破しました!!なんと2151000ゴールド!!」

盗賊「おー、まいにちごちそうが食べれるな!!」

魔法使い「貴方が毎日ごちそう食べたらわりとすぐになくなりそうだけどね…」

商人「うーん、盗賊ちゃんの食欲を考えると…あれ?もしかしてあたし達って盗賊ちゃんの食費稼ぐためにずっと冒険者続けなきゃいけないんじゃ…」

魔法使い「何言ってるの、貴方の得意な商売で稼げば良いじゃないの」

盗賊「そーだぞ、がんばれよ!!」

商人「え、あ、うん…いくら稼いだら黒字になるんだろ…?」

――315日目、謎の塔頂上

商人レベル78「よーし、レベルも上げたし…神竜、覚悟ー!!」

盗賊「きょうはひげも食べてみるぞ!!」

魔法使い「グルメね…でも、準備はしてきたし、今までよりは早く倒したいわね…」

神竜「また来たか…やはりあの願いを叶えたいのか?」

魔法使い「そうね、二人も了承してくれたし…」

盗賊「でもしっぽはちゃんとちぎってくぞ!!ひげもな!!」

神竜「今度はひげまで狙う気か…!そうはいかんぞ!」

商人「ひげはともかく、ぱぱっと倒して願いを叶えてもらうよ!!さあ、行こうよ!!」

魔法使い「ええ、やりましょう!」

神竜「ふん、今までよりは楽しませてくれるのだろうな?さあ、来るがよい!!」ガオー

しんりゅうがあらわれた!!

――316日目、謎の洞窟

商人「今回は23ターンかあ…カソダタさんと一緒に来たときよりは遅いけど…」

魔法使いえええ、3人で挑んだうちでは新記録ね」

盗賊「しっぽとひげをちぎったぞ!!しんきろくだな!!」

商人「そ、それは…と、とにかく、まだまだ早く倒すことは出来そうだね!!」

魔法使い「ええ、その為には貴方のレベルアップが必須だけどね」

商人「うん!そのために休まずここに来たんだし!!」

盗賊「ここはカニも食べれるしな!!」

魔法使い「まあ、お風呂に入れないのは我慢してもらうようだけどね…」

商人「うーん…でも、今は早くまた神竜に挑みたいな!!次はもっと早く倒せる気がするよ!!」

魔法使い「そうね、確かに…盗賊は?って貴方、それは…!」

盗賊「これか?これはキングマーマンのひらきだぞ!!」

魔法使い「ひらき…?またそんな新メニューを…もうちょっと私達も食べられるような…」

盗賊「さかなマン♪ひらかれーてー♪しーおにまーみれー♪」

商人「ああもう、絶好調だよ…マーマンさん、ごめんなさい…」

――謎の塔頂上

商人「で、ここまで歩いてきた所で、久しぶりにあたし達のすてーたす公開です!!」

商人 レベル 80
ちから 193
すばやさ 184
たいりょく237
かしこさ 201
うんのよさ185
最大HP 474
最大MP 374

盗賊 レベル 99
ちから 255
すばやさ 255
たいりょく255
かしこさ 255
うんのよさ250
最大HP 606
最大MP 522

魔法使いレベル 99
ちから 117
すばやさ 255
たいりょく255
かしこさ 255
うんのよさ255
最大HP 613
最大MP 521

魔法使い「たいりょくやかしこさが255になったらHPやMPは522になると聞いてたけど…」

盗賊「とーぞくはヒットポイントが、まほーつかいはマジックパワーが521でとまったな!!」

商人「必ず最高まで上がるわけじゃないみたいだね…でも、魔法使いちゃんが体力で盗賊ちゃんが魔力多くなったんだ?」

魔法使い「そうね。魔力で負けたのは悔しいわ…」

盗賊「しゅぎょーがたりなかったな!!あと食べるりょうも!!」

魔法使い「そのわりに貴方は体力が足りなかったじゃない…」

商人「あ、ちなみに二人はいのちのきのみで体力を上げてます。あたしも体力がまっくすになったらたくさん食べる予定です!!と、いうわけで…」

神竜「説明は終わったか?」

盗賊「おー、またせたな!!しっぽちぎるぞ!!」

神竜「今度は、今度こそはそうはいかんぞ!さあ、来るがよい!!」ガオー

魔法使い「…律儀に待っててくれるのね」

―――しんりゅうをやっつけた!!

神竜「うむ、今回は21ターンだったな」

商人「21ターン!?てことは…」

魔法使い「今までのタイ記録、3人だと新記録ね。やったわ」

商人「やった!!今回はかなり上手くいったね!!」

魔法使い「ええ、でもここから先が大変そうだわ…」

商人「そだね…あれ?盗賊ちゃんは?」

盗賊「んしょ…んしょ…よし、しっぽきったぞ!!」

神竜「ぬうう、またか!!お前は本当に…!」

商人「ご、ごめんなさいいつもいつも…」

盗賊「まだだぞ!!ひげが…」

神竜「させるか!!とっとと立ち去るがよい!!」ピカー

盗賊「あー、まだひげが…まてー!!…」ピカー

――317日目、ガルナの塔

女性「ガルナの塔へようこそ…ああ、貴方達ですか、熱心ですね」

商人「あ、ど、どうも…すっかり顔馴染みに…」

女性「皆さん、よく見掛けますが、やはり瞑想をしに?」

盗賊「めーそー?とーぞくのしらないドラゴンりょうりか?」

魔法使い「そんなわけないでしょう…瞑想ではないのだけれど、そうね、修行の一環かしらね」

女性「そうですか。貴方達のような熱心な方達なら、きっと悟りも開けますわ」

盗賊「さとりならもう…モゴモゴ…」

カソダタ「す、すみませんうるさくて。さ、行きましょう」

魔法使い「そうね、では…」

女性「ええ、お気をつけて…」

商人「うーん、もう悟りは開いたって言っても多分信じてくれないよね…」

魔法使い「そうね…しかもこんな小さな子までだからね…」

盗賊「よーし、またドラゴンにく食べてさとりひらくぞー!!」キャッキャッ

魔法使い「…悟りってこんなでも開けるものなのね…」

カソダタ「しかし次から次へと…皆さんが大魔王を倒したというのに魔物は一向に減りませんな」

商人「ホント、どこから出てくるんだろうね?」

盗賊「きっとおにくせいさんこーじょーがあるんだぞ!!」

魔法使い「ないわよ…そもそも魔物を食肉として見るのは貴方くらいのものよ…」

商人「でも次々と出てくれるから種集めにも困らないよね」

魔法使い「まあそうね。貴方はともかく、私達はもうこれでしか強くなれないから、助かるといえば助かるわね…」

盗賊「またたねスープだな!!でもたまにはピーナツみたいにいって食べてもおいしそうだな!!」

魔法使い「煎って、ねえ…効果が落ちなければいいけどね…」

盗賊「なんでだ?なんでおやぶんがたね食べるんだ?」ユサユサ

カソダタ「いや、どんな味がするのかなーと…」

盗賊「おやぶんのばか!!くいしんぼう!!キーファ!!」

カソダタ「わ、悪かったよ…でもお前だけには食いしん坊と言われたくないぞ…」

商人「そうだよ盗賊ちゃん、あとキーファとかひどいよ!!そんな悪口言っちゃダメ!!」

魔法使い「それがそんなにひどい悪口なの…?まあ、いつも手伝ってもらってるし、種の1つ位は…」

盗賊「ひとつぶをわらうものはひとつぶになくんだぞ!!さあおやぶん、はきだすんだぞ!!キーファ!!」

カソダタ「む、無茶言うなよ…」

商人「だからキーファはダメだって!!」

魔法使い「言い争ってる間に魔物倒した方が種取り戻せるわよ…」

――318日目、リムルダール周辺

商人「で、今日はレベル上げなんだね!」

魔法使い「ええ、種集めもしなければいけないけど、貴方はレベルも上げなければね。カソダタさん、付き合わせてごめんなさい」

カソダタ「いえいえ、くちぶえをふけるのは私だけ…」スヒー…

盗賊「おやぶん、おとでてないぞ!!」

商人「くちぶえ吹きすぎて疲れたんだね…」

カソダタ「だ、大丈夫ですよ!…しかし今日も物凄い数の魔物を倒しましたな…」

盗賊「とーぞくたちはほしょくしゃのちょーてんなんだぞ!!いきとしいけるものはたおして食べるためにいるんだぞ!!」

魔法使い「世界中の生命が食べ尽くされないといいけどね…でもカソダタさんのおかげで商人もレベルは上がったわ」

商人レベル88「うん、レベル88、きゅーとでせくしーだいなまいつな末広がりガールだよ!!」

魔法使い「末広がり…?まあいいわ、レベル上げもあと一息ね、これならまたすぐに神竜に挑めるわね」

盗賊「おー!!こんどこそくびもぐぞ!!」キャッキャッ

――319日目、ガルナの塔

カソダタ「今日はまたガルナですか…」

盗賊「おなじとこばっかりにいるとあきるからな!!」

商人「そうそう、たまには気分変えなきゃ!!」

魔法使い「…それは私達の事?それとも…」

商人「それよりさ魔法使いちゃん、あたし達ってまだかしこさのたねいる?もう必要ないくらいみんな魔力あると思うけど…」

魔法使い「何言ってるの、成長しきる前にかしこさを限界まで上げないと魔力も最大にならないでしょ」

商人「え、だからそんなに魔力無くても…」

魔法使い「魔力は後から伸ばすのが本当に難しいわ。後悔しないように、伸ばせるものは伸ばすのよ」

商人「うーん、魔法使いちゃん、厳しい…」

盗賊「まほーつかいはスパルタだからな!!」

魔法使い「そうかしら…?そんなことないわよ。それに種は余ったら余ったで…」

盗賊「シェフとーぞくのよくばりたねスープつくるぞ!!」

魔法使い「作らないわよそんなの…」

――321日目、謎の塔

魔法使い「さて…今日は謎の塔ね」

商人レベル90「ついにあたしのレベルも90台になったよ!!」

魔法使い「そうね、もうすぐ貴方もレベル99になるわ。そうなれば3人揃ってレベル99ね」

商人「うん、レベルが上がりきったらあたしもいのちのきのみ食べまくって体力上げまくるよ!!」

魔法使い「ええ、みんなHPが700とかになればきっと回復の手間も減るし…」

商人「もしかしたら15ターン以内も出来るかも!!」

魔法使い「ええ、それはそれとして、今日はまた神竜に挑みたかったんだけど…」

商人「盗賊ちゃん、飛ばされちゃったね。またルイーダさんにすごい勢いで注文してるんだろうなあ…」

――322日目、ルイーダの酒場

盗賊「ルイーダねえさん、おかわりのおかわりのおかわりのおかわりのおかわりー!!」モグムシャ

ルイーダ「相変わらず食べるねえ…商人なんかは、飛ばされる度に落ち込んでるのに、あんたは元気だね…」

カソダタ「元気と食い気だけが取り柄ですからね…」

盗賊「むー、たたかっても…おかわりー!!とーぞくは…おかわりー!!つよい…おかわりー!!」モグムシャ

ルイーダ「はいはい、わかったから食べるか話すかしなさい」

盗賊「…………………」パクパクムシャムシャ

ルイーダ「…話すより食べるを選んだんだね」

商人「ルイーダさん、こんにちは!!盗賊ちゃんは…」

盗賊「おー、さいふがきたぞ!!しょーにん、たべものだいはらって!!あ、おかわりー!!」

ルイーダ「…はい、これが請求書」バサバサ

商人「………」

魔法使い「まあ、予想通り…よね?」

盗賊「おかわり!!おーかーわーりー!!」バンバンバン

――323日目、謎の塔頂上

神竜「…しかしお前達も諦めが悪いな、そんなに願いが叶えたいのか?」

魔法使い「まあ、ね…」

盗賊「あたまからしっぽまで食べたいぞ!!」

商人「それが願いじゃないけどね…」

神竜「しかし3人ではもう限界だろう?これ以上は…」

魔法使い「それはやってみなければ分からないでしょう?やって出来なければ、その時考えるわ」

商人「そだね、そういうわけで…」

盗賊「なんどでもしっぽちぎりにくるぞ!!」

神竜「なんの、もうこれ以上千切られる訳にはいかぬぞ、さあ来るがよい!!」ガオー

盗賊「じゃあひげひっこぬくぞ!!」ガオー

魔法使い「少しずつだけど、私達は強くなってるはず…今度こそは…いくわよ!!」

――325日目、謎の洞窟

商人「うーん、今回は22ターンかあ…なかなか縮まないね…」

魔法使い「そうね、でも縮めるための努力はしないと。その為にここに来たのだしね」

盗賊「ピラミッドみたいなところだな!!」

魔法使い「ええ、ここは結構レベル上げに良いんじゃないかと思ってね。リムルダールと違って、メタルが出る度に武器を装備し直す手間もないし…」

盗賊「そこそこかせげる、すぐたおせるやつらがおおいな!!食べれるのはライオンしかいないけど…」

商人「あと、メタルなキメラが出るのも良いよね!あれ?キメラなメタルかな?」

魔法使い「どっちでも良いわよ…でも、ここをもう少し早く使ってれば、もっと楽にレベル上げが出来たかも知れないけど…」

商人レベル98「あたしももうそろそろ限界だもんね…」

盗賊「きづいたときにはておくれだな!!」

魔法使い「手遅れ、が正しいかは分からないけど…まあ、いろいろ試しながらだから仕方ないわね…さて、じゃあこのまま神竜の所まで行きましょう。そうすれば、そのうち商人のレベルも上がりきるでしょうから」

商人「そだね、じゃあ行ってみよー!!」

――謎の塔頂上

商人「洞窟から直接ここまで来たら疲れるかなーって思ったけど…」

魔法使い「ええ、そういえば途中に回復の泉があったのよね」

盗賊「おなかはへったけどな!!しんりゅーではらごしらえだな!!」

神竜「また私のしっぽを食べる気か!!他にも食べられるモノはあるだろう?」

盗賊「おいしいうえにきってもはえてくるからだぞ!!へらないごはんはりそうのごはんだぞ!!」

魔法使い「そうねえ、貴方の食欲を考えれば減らないご飯は魅力的よね。連れて帰って檻にでも閉じ込めておこうかしら?」

商人「ま、魔法使いちゃんまで…」

神竜「ええい、私はこの天界を治めるものであってランチの一品ではないぞ!!成敗してくれる!!」ガオー

盗賊「おひるだけじゃなくてあさもよるも食べるんだぞ!!」ガオー

魔法使い「さて、今日も戦いましょう、食費の節約のために!」

商人「それが目的じゃないよね!?」

――326日目、竜の女王の城

商人「今回は24ターン掛かっちゃった…遅くなったね」

魔法使い「そうね、運も絡むから仕方ないけど…」

盗賊「うんよくひげとしっぽをちぎれたぞ!!」

魔法使い「ああうん、良かったわね…」

商人レベル99「でもあたしはいよいよレベル99になったよ!!」

魔法使い「ええ、これからはムダな戦いも避けられるし…」

盗賊「きのみたべほーだいだな!!」

魔法使い「食べ放題は良いけど、食べる為の木の実を集めないとね…」

商人「じゃあまたカソダタさんと一緒だね?」

魔法使い「もう私達は種や木の実を食べないと強くなれないからね…前途は厳しいけど…」

盗賊「やればきっとできるんだぞ!!いつかしんりゅーのあたまももぎとるんだぞ!!」

魔法使い「頭は美味しいのかしらね?意外と脳や目玉が美味だったりするのかしら?」

商人「あたしはおいしくても食べないよ…」

――327日目、旅人の教会周辺

商人「えーと、ここどの辺だっけ?」

魔法使い「サマンオサの北東よ。というか、ここにはラーミアで来たから大体どの辺か分かるでしょう?」

商人「え?あーうん、そうなんだけどさ、一応説明をね?」

盗賊「しんせつだな!!」

魔法使い「誰に説明してるのよ…」

カソダタ「確かここはいのちのきのみとラックのたねでしたな?集められるのは」

魔法使い「ええそうよ、ガルナとはまた違ったものが集められるから…」

盗賊「キーファするなよおやぶん!!」

商人「キーファする!?だ、ダメだよ盗賊ちゃん、そんな悪口は!!」

魔法使い「それほどの悪人なのかしら、キーファっていう人は…?」

カソダタ「ふむ…もしかしたらいのちのきのみに関してはガルナよりここの方が集まりやすいかもしれません」

魔法使い「そうね…盗賊、きのみとたねはいくつ集まったかしら」

盗賊「いのちのきのみは51こ、ラックのたねは31こだぞ!!」

商人「す、すごいね!!リアル時間で長々と集めたかいがあったね!!」

盗賊「ものすごくひまだれだな!!」

魔法使い「また変な方言使って…でもこれほど集まったのは貴方とカソダタさんのおかげね」

カソダタ「いやいや、それほどでも…」

商人「あ、あたしもあなほりでちょっと集めたよ!!」

魔法使い「そうね、いのちのきのみは8個、ラックのたねも3個は貴方が見つけたのよね」

商人「あのね、あたし凄いこと発見したの!!あなほりで2ゴールドを堀り当てた後にいのちのきのみが出てくる事が凄く多かったんだ!!」

魔法使い「へえ、凄いわね。それで、まず2ゴールドを堀当てるにはどうしたらいいの?」

商人「え?そ、それは…えへへ…」

魔法使い「分からないのね、全く…まあ、そんなにポンポン出たら価値が無くなってしまうものね…」

――328日目、謎の塔

商人「…というわけで、また謎の塔に来たんだけど…」

カソダタ「いやー、着いてきてしまいましたな…」

盗賊「なんでついてきたんだ?そんなにしっぽ食べたいのか?」

魔法使い「間違えてルーラで連れて来てしまったのね…ルイーダの酒場に行くのを忘れて…」

商人「えーと、じゃあどうするの?カソダタさん連れて神竜の所に行く?」

魔法使い「いえ、戻りましょう。そういう約束だし…」

商人「そっかあ…でもカソダタさんが来てくれたおかげで2つも盗めたね、ふしぎなきのみ!!」

カソダタ「いやあ、少しでもお役に立てて良かったですよ」

盗賊「えらいぞおやぶん!!」ポンポン

魔法使い「貴方も偉そうね…」

――329日目、ルイーダの酒場

盗賊「じゃーなおやぶん!!おとなしくしてるんだぞ!!」

魔法使い「貴方じゃあるまいし、騒がないわよ…」

カソダタ「ははは、しかしここも人が増えてきて、なかなか賑やかになってきましたよ」

商人「あー、そうですね。でもなんで今になって…?」

魔法使い「もう魔王も倒したし、冒険者の仕事もそんなに危険はないと思ってるんでしょ。全く、揃いも揃っていくじなしばっかり…」

カソダタ「まあまあ、魔王は確かに怖いですから…」

盗賊「こいつらひとりくらいひじょーしょくにつれてっちゃダメなのか?」

魔法使い「駄目よ、一人連れていっても貴方じゃ1食分にもならないでしょ」

商人「そだねー…そもそも非常食って言ってもあたし達は食べれないし…」

盗賊「じゃあおやぶん、しょうらいのひじょーしょくのりゅーおーのせわをちゃんとしてくるんだぞ!!」

商人「ああ、そういえばそんなのいたね…あーあ、ドラゴンとか連れていけたら神竜もどかーんって倒せるのかなあ?」

魔法使い「どうでしょうね、相手も竜だし、そもそも竜王は生まれてもいないし…私達は自力で倒さないと。さあ、行きましょう」

――330日目、謎の塔頂上

魔法使い「さあ、また神竜に挑む訳だけど…」

商人「その前にすてーたすだよ!!どーぞ!!」

商人レベル 99
ちから 245
すばやさ 251
たいりょく255
かしこさ 255
うんのよさ252
最大HP 723
最大MP 521

盗賊レベル 99
オール 255
最大HP 715
最大MP522

魔法使いレベル 99
ちから 117
他オール255
最大HP 706
最大MP 521

商人「うわあ…盗賊ちゃん凄いね…」

盗賊「いまならなんでも食べれるぞ!!」ガオー

魔法使い「今までだってそうだったでしょ…」

商人「そういう魔法使いちゃんも凄いけど…ちからはそのままでいいの?」

魔法使い「あればあった方が良いのでしょうけど…私はなくても問題ないわ、強力な武器が装備出来るわけでもないし…」

商人「そっかあ…あたしはいろいろともう少しだなあ…」

魔法使い「種は足りてるし、すぐにでも限界まで上げられるけどね。さあ…待たせたわね、神竜」

神竜「毎度ステータス公開ご苦労だな。しかし3人共、かなりHPを上げてきたな」

魔法使い「全員700以上を目的に上げてきたのよ。さあ、今度こそは…!」

神竜「ふん、努力は認めるが、結果を出さねばな。さあ、来るがよい!!」ガオー

――しんりゅうをやっつけた!!

神竜「なかなかやるな。さすがここまで来ただけはあるか…」

商人「そんな取って付けたような台詞は良いから!!何ターンだったの?」

神竜「うむ、今回は19ターンだ」

商人「19!?っていう事は…」

魔法使い「初めて20ターンを切ったわね」

神竜「ああ、大したものだな」

盗賊「じゃああたまもいでいいんだな?」

神竜「そんな約束はしておらぬぞ!!第一15ターンを切らねば願いは叶えてやらん!!」

盗賊「えー!?けちだな!!」ブーブー

商人「だよねー、ケチだよねー」ブーブー

神竜「…もしかしてお前達、私を敬っておらぬな?」

魔法使い「今気づいたの…?」

神竜「くっ…!とにかく、願いを叶えてやる事は出来ぬ!!さあ、行くがよい!!」ピカー

――333日目、ガルナの塔

商人「ふう…じゃあまたきのみ集めなんだ…」

魔法使い「そうね、そういう事だから、カソダタさん、またよろしくね」

カソダタ「はい、お任せ下さい」

盗賊「つまみぐいするなよキーファ!!」

魔法使い「私は貴方の方を警戒してるけどね…」

商人「でも魔法使いちゃん、いのちのきのみを集めるならここよりサマンオサの北東辺りの方が良いんじゃなかったっけ?」

魔法使い「ええ、でもちゃんと調べた訳じゃないし、種だってもしかしたら何かに使うかもしれないし…」

盗賊「いつでもとーぞくが食べてやるぞ!!」

魔法使い「それは無駄遣いだけどね…」

盗賊「なんでだ?おなかはふくれるぞ?」

魔法使い「貴方は何万個食べればふくれるって言うのよ…とにかく、今日はここで集めてみるわ」

商人「分かった、じゃあ頑張ろー!!」

魔法使い「…で、だけど…ちゃんと調べた訳じゃないし…なんて言ってないで、ちゃんと調べてみる事にしたの」

盗賊「ひまだれだな!!」

商人「まあまあ、そう言わずに…ガルナの塔と旅人の教会周辺、どっちがいのちのきのみを集めやすいか、だよね?」

魔法使い「ええ、ガルナはスカイドラゴン、旅人の教会周辺はコングの出現確率を調べてみたの。せっかくメモ取ってるし、使わないと勿体ないわ」

盗賊「びんぼーしょーめ!!」

商人「さすがに今まで戦ったの全部まとめると気が遠くなるから、200回戦闘した分だけだよ!!で、結果だけど…ガルナのスカイドラゴンは200回中88回、44%でした!!」

魔法使い「そして旅人の教会周辺は…200回中146回、73%にもなったわ。結構差がついたわね」

カソダタ「体感でもそうでしたからなあ…」

商人「そーゆーわけで、いのちのきのみを集めるなら旅人の教会周辺、あ、海賊の家周辺でも良いけど、その辺がおすすめになります!!では皆さんも楽しいきのみ集めライフを!!」

――334日目、旅人の教会周辺

商人「…とゆーわけで、こっちに移動してきました!!」

魔法使い「やっぱりこっちの方が集まりやすいわね。波はあるけど…」

商人「そう!なんなんだろうね?集まる時はすごい勢いで集まるのに、ダメな時は全然落としてくれないもんね」

盗賊「おやぶんがしっかりしないからだぞ!!」

魔法使い「そんな事ないでしょう…まあ、ある程度は集められたし…また神竜の所に行ってみましょう」

カソダタ「またですか…頑張って下さいね」

商人「もちろん!!あ、↑のモンスターの遭遇率、旅人の教会周辺は昼の確率になります。夜だとまた違ってくるのでゴリョーショー下さい!!」

盗賊「よるだとシャーマンのまるやきがたくさん食べれるぞ!!」

魔法使い「食べないわよ…そして誰に説明してるの…?」

――335日目、謎の塔頂上

商人「さあ、また神竜と戦うよ!!ここですてーたす公開!!といきたい所だけど…」

盗賊「しょーにんもとーぞくもぜんぶ255になったぞ!!」

魔法使い「私は前回と変わらないわ。3人とも、変わったのはHPだけね」

商人「あたしが844、盗賊ちゃんが835、魔法使いちゃんは826まで上げました!!」

盗賊「きのみ食べまくりだぞ!!」

魔法使い「前回からまた100上げるのが目標だったからね…ここまで上げれば…」

神竜「15ターン以内に勝てるとでも?ならばやってみるがいい!!」ガオー

盗賊「おー!!こんどこそあたまもぐぞ!!」ガオー

――しんりゅうがあらわれた!!

魔法使い「じゃあ今回は…バイキルト!!」ミュイーン

盗賊「おお!?なぐればいーのか?」

魔法使い「ええ、これでメラゾーマよりダメージが出れば…」

盗賊「いっくぞー!!」ドガン!!

商人「わっ、強烈!」

魔法使い「…そうね、メラゾーマよりややダメージが大きいようね」

商人「え!?じゃあ…」

魔法使い「でも、バイキルトを撃つために私が1ターン使ったから…おそらく3、4ターン殴らないと元は取れないわね…」

商人「うわー、シビア…でもその間に…」

しんりゅうのゆびさきからいてつくはどうがほとばしる!!

商人「…こうなっちゃうよね」

魔法使い「ええ、でも運が良ければこっちの方が効率が良いわ、バイキルト!!」ミュイーン

しんりゅうは盗賊をにらみつけた!!盗賊はねむってしまった!!

魔法使い「ああもうっ!上手くいかないわね…」

――しんりゅうをやっつけた!!

商人「うーん、結構早く倒せた気はするけど…」

神竜「今回は20ターンだったな」

魔法使い「遅くなったわね…」

盗賊「ねむらされまくったな!!」

商人「そだね、あと…」

魔法使い「いてつくはどうも多かったわね。あれが少なければ、今回の新しい戦い方でも…というより、新しい戦い方でしか15ターンは突破出来ないかもしれないわ…」

盗賊「メラゾーマよりなぐるんだな?」

魔法使い「ええ、今までより更に運が絡みそうだけど…」

神竜「ああ、頭を捻り、知恵を絞り、また挑むがよい。ではさらばだ」ピカー

盗賊「むー、つぎこそまるやきだからな!!」ピカー…

商人「というわけで、間髪入れずにまた神竜と戦いに来ました!!」

魔法使い「新しい戦い方が見えてきたからね。でも…」

神竜「今回は21ターンだったな」

魔法使い「また遅くなったわね…運が絡むとはいえ、上手くいかないものね…」

商人「じゃあやっぱり回復の手間を減らすために体力上げるしかないのかなあ?」

魔法使い「そうねえ、またきのみ集めか…気が遠くなるわね」

盗賊「そうか?きのみ食べまくりでうれしいぞ!!」

魔法使い「貴方はそうでしょうけど…」

商人「またカソダタさんを呼ぶようかあ…」

盗賊「しんりゅーのまるやきのためにはしかたないぞ!!」

魔法使い「それが願い事じゃないからね?」

神竜「そもそもそんな願いは叶えんがな」

盗賊「え?ひどいぞ…ならむりやりやつざきにして…」

神竜「酷いのはお前の方だろう!!ええい、どこかへ行ってしまえ!!」ピカー

盗賊「まてー、まるやきに…」ピカー

――339日目、海賊の家周辺

盗賊「おー、おかしらにあいにいくのか?」

魔法使い「残念だけど、おかしら達は昼間は出掛けていないわね」

商人「またいつか会いに来ようとは言ったけど、あんまりしょっちゅう来ると海賊さん達も食費が大変そうだもんね…」ヒソヒソ

カソダタ「ではまたきのみ集めですな?」

盗賊「きのみ食べまくりだな!!」

商人「きのみ集めかあ…さすがにちょっと飽きてきたかなあ…」

魔法使い「我慢しなさい、神竜を倒すまでの辛抱よ」

商人「うん、分かってはいるけど…」

盗賊「なんであきるんだ?食べものをあつめるんだぞ!!」

商人「盗賊ちゃんはお腹ふくれるからいいだろうけど…」

魔法使い「仕方ないわね、じゃあこの辺で引き上げましょうか。また神竜の所に行くだけだけどね」

商人「だよね…でも、また体力も上がったし…今度こそは…」

盗賊「しんりゅーのまるやきだな!!」

――341日目、ノアニールの宿屋

商人「うーん、今回は19ターンだったかあ…タイ記録だけど…」

魔法使い「そうねえ、ここから先が厳しいのよね…」

盗賊「あたまもぐのはきびしいな!!」

魔法使い「それはそうでしょうね…」

商人「じゃあまたきのみ集め?いよいよ体力999を目指して…」

盗賊「とーぞくはまたすぐしっぽちぎりにいきたいぞ!!」

魔法使い「そうしたいのはやまやまだけど…1度アリアハンに戻らなければいけないわ。大臣から帰還命令が来てるのよ」

商人「大臣さんから?今までそんな事あったっけ?」

魔法使い「いいえ。何か起こったのかしらね…?ろくでもないこと企んでそうだけど…」

――342日目、ルイーダの宿屋

大臣「もはや必要ないかとも思っていたが…いよいよ出番が近いようですぞ。心の準備は出来ていますかな?」

???「はい、楽しみです!」

大臣「ふむ、では後はあの者を呼んで…」

――343日目、ルイーダの酒場

兵士「なんですか大臣、こんな所に呼び出して」

大臣「おお来たな、どうだ?近衛兵の仕事には慣れたか?」

兵士「まあ、倉庫番よりは退屈しないですかね」

大臣「そうか…慣れてきた所を悪いが、お主にはまた別の仕事をしてもらうようでな」

兵士「別の…?なんですか?」

大臣「お主も聞いているかもしれんが、あの3人は今強大な存在と戦っておる。しかし思うような結果が出ていないらしい。そこでだ…」

兵士「…というと、まさか俺に…」

大臣「―ノレビス様と行く!!ロマリア2週間の旅ー!!」クワッ

酔客「わーわー!!」「ピーピー!!」「脱げー!!」

兵士「………は?」

大臣「というわけで、お主にはこちらの国賓、ノレビス様をロマリアまで連れていってもらう事になった。くれぐれも粗相のないように」

ノレビス「よろしくお願いします~」ニコニコ

兵士「いや、何がなんだかさっぱりなんですが…」

大臣「なんだ、ここまで言っても分からんのか?仕方ないのう」

兵士「いや、ほぼ何も説明してもらってないですが…えっと、まずこちらの女性は?」

ノレビス「ノレビスです。よろしくお願いします~」

大臣「こちらはアレフガルドからお越しになった精霊ノレビス様だ。なんとアレフガルドそのものをお創りになった偉大なお方だそうだ」

ノレビス「はい、こう見えても凄いんです!!」

兵士「国賓ってレベルじゃないじゃないですか!?…そんな方がなんでロマリアに?」

ノレビス「それはですね…」

エルフ「ルビス様!?なんでこんな所に!?」

ノレビス「あら、貴方は…こんな所にいたんですね」

エルフ「ルビス様がバシルーラで飛ばしたんでしょう?それよりなんで…」

ノレビス「ダメですよ、今はルビスじゃなくてノレビスです」

エルフ「ノレビス!?じゃなくて、なんでここに…」

ノレビス「えーと、勇者が合流する日まで間が持たないし、マンネリ化で読んでる方も飽きてくるって…」

大臣「ノレビス様、その話は今は…」

ノレビス「あ、これ話しちゃいけないんでしたっけ?じゃあ、えーと、上の世界の様子を見にきたんです。モンスター格闘場という所で遊びたいし…」

エルフ「格闘場ならメルキドにもあったけど…」

ノレビス「やだ、大地の創造主が賭け事なんてしてたらドン引きですよ~」

兵士「俺は既にかなり引きぎみですが…」

エルフ「…あきれた。それでこの人間と一緒に旅に出るの?ダメよ、人間なんか!」

ノレビス「じゃあ貴方も一緒に来てください、良いでしょう?」

エルフ「一緒に!?…いいわ、一緒に行く。人間なんかに任せてられないし…」

大臣「おお、では3人での旅ですな?というわけだ、しっかり働くんだぞ」

兵士「俺には未だに何がなんだか…とりあえず、ロマリアに行けばいいんすね?」

大臣「そうだ。ああ、さっきも言った通り2週間以内でな」

兵士「なんで2週間なんですか?」

大臣「それはお前、魔法使いが商人と二人でロマリアにたどりついたのが旅立ちから2週間だったからだ」

兵士「あいつらが2週間か…」

大臣「お前達は3人だ。出来るだろう?」

兵士「出来るだろうって…俺に拒否権は?」

大臣「もちろんあるぞ。城勤めの仕事ごとになるがな」

兵士「首ですか!?…分かりましたよ、やりますよ…

魔法使い「なんだか面白い話になってるわね」

大臣「おお、来たか。話は聞いたな?」

商人「はい!…えっと、で、あたし達は?」

大臣「うむ、しばらくここで休んでてくれ」

ノレビス「あ、皆さんお久しぶりです!この前は…」

盗賊「あ、ルビスさまだ!!ごはんおごって!!」

ノレビス「ごはん!?すみません、今持ち合わせが…」

盗賊「おごってくれないのか!?やっぱりケチだな!!」

ノレビス「そんな、ひどい…」

魔法使い「もう、ルビス様にたからないの!冒険者登録しているんだもの、待機中は食事はタダよ。貴方も私達と旅する前はそうだったでしょう?」

盗賊「おー、そうだな!!ルイーダねえさん、ごはんとスープとステーキと…」

魔法使い「…全く。で、貴方大丈夫なの?ロマリアまでって結構大変よ?」

兵士「お前と一緒だよ。これが命令ならやるしかねえ」

魔法使い「まあそうね。ふふ、宮仕えは大変ね」

兵士「ああ、お前が戻ってこない理由、少しは分かった気がするよ…」

大臣「さて、では早速出発してもらう。これは路銀だ、少ないがな」ジャラ

兵士「…191ゴールドっすか…」

大臣「うむ、それで装備など調えるがいい…なんだ?まさか少ないなどと言う気では…」

魔法使い「どう考えても少ないでしょう…大臣、どうのつるぎがいくらするか知ってます?」

大臣「おお、これでは1つしか買えんな、いや、これは大変だ、はっはっはっ」

ノレビス「うふふ、大変ですね~」

魔法使い「…本当に大変ね」

兵士「ああ…」

魔法使い「仕方ないわね…じゃあこれ、3人分あげるわ」

兵士「これ…?なんだ、靴か?」

エルフ「あ、これってしあわせのくつ!!」

ノレビス「あら、懐かしいですねえ」

魔法使い「これを装備してけばいくらか旅も楽になるはずよ。頑張ってね」

兵士「ああ…でもいいのか?これは貴重な物じゃ…」

商人「だいじょーぶです!!あたし達は40足位持ってますよ!!」

エルフ「しあわせのくつを40!?やっぱりこの人間達はただ者じゃない…」

兵士「そうか…じゃあありがたくいただいていこう。すまないな」

魔法使い「いいえ、幸運を祈っているわ」

大臣「靴で思い出したが、魔法使いよ、王から渡されたあの靴も…」

魔法使い「ああ、もうじゃのくつね」

ノレビス「あ、読んでる方も誰も覚えてなさそうなオリジナルアイテムですね!」

大臣「ルビス様、その話は今は…」

ノレ「あ、これも話しちゃいけないんでしたっけ?えーと、これがあれば全滅しても王様の所に戻れるんですよね?」

商人「そうです!あたし達は2回全滅したから、あと3回しか使えないけど…」

ノレビス「大丈夫です、私は大地を創造するほどの精霊ですよ?この靴をもう1つ作るくらい…」ペカー

兵士「…おお、同じ靴が…!」

エルフ「さすがノレビス様ね」

ノレビス「…うーん、ちょっと失敗ですね。これだと1回しか戻ってこれなそうです…まあ大丈夫ですよね!」

盗賊「なんだ…モグモグ…やっぱり…モグモグ…たいしたこと…モグモグ…」

魔法使い「食べるかしゃべるかどっちかにしなさいよ…」

ノレビス「た、大したことなくはないですよ!?ほら、私の力を使って、私は遊び人レベル1になりました!!」

魔法使い「レベル1に?しかも遊び人…?」

ノレビス「そうです!せっかく遊びに来たんですもの!!あ、せっかくだから貴方も魔法使いのレベル1にしておきましたよ」

エルフ「ちょっ!?ノレビス様!?」

ノレビス「貴方も一からいろいろ経験しないと!さあ、レッツゴー!!」

エルフ「ちょっと、ノレビス様!」

兵士「………」ハァ…

魔法使い「心中察するわ…」

商人「え、えーと…前置きが長くなりましたが、明日からいよいよ番外編の旅がスタートです!よろしくお願いします!!」

魔法使い「そして貴方は誰に話してるの…?」

兵士「さて…まずは買い物だな…どうのつるぎとたびびとのふくを買って…」

エルフ「もう残りがほとんどないじゃない」

兵士「やっぱり足りないな…とはいえ、後は魔物を倒して稼ぐしかないか…」

ノレビス「じゃあ早速出発ですね!」ワクワク

兵士「いや、さすがにやくそうくらいは買って…そうだな、じゃああんたが持っててくれ」

エルフ「私が?なんでよ!」

兵士「俺は攻撃する機会が多いし…」

ノレビス「私、遊んでて使わないかもしれませんよ?良いんですか?」

エルフ「良いんですかって…分かった、私が持つ」

兵士「ああ、すまないな…さて、じゃあ出発だな」

ノレビス「いよいよですね、ワクワクします!!」

エルフ「あんまり羽目外さないでよノレビス様…」

――アリアハン郊外

ノレビス「あ!兵士さん、あの塔はなんですか?」

兵士「あれですか?あれはナジミの塔と言って…」

ノレビス「小島に塔が建っているんですね!是非行ってみたいです!」

兵士「そうですね、大臣にも出来るだけ国賓の望みを聞くように言われてますし…」

ノレビス「じゃああの船で行きましょう!」

兵士「船?いや、それは…」

エルフ「ノレビス様、船なんかに乗って魔物に会ったら私達あっという間に海の藻屑よ」

ノレビス「えー!?だってすぐそこですよ?魔物が出る前に着くんじゃ…」

兵士「いや、確かに近いですが、万が一という事もあります。ここは歩いて行くべきでしょう。魔法使いも、ロマリアに行くにはまずナジミの塔へ行って腕を磨いた方がいいと言っていたし…」

ノレビス「そうですか…分かりました、じゃあ歩いて行きましょう!」

兵士「ええ、そうしましょう。じゃあまずはレーベに行って、それからどのルートで塔へ行くか考えましょう」

ノレビス「はーい!!」

エルフ「…別の村、か…」

――ルイーダの酒場

盗賊「んぐ…んぐ…ルイーダねえさん、おかわりー!!」モグムシャ

商人「もう、盗賊ちゃんったら…冒険もしないのにそんなに食べたら太っちゃうよ?」

盗賊「食べないといがなまるんだぞ!!食べつづけるには食べつづけないといけないんだぞ!!」

魔法使い「何よそれは…」

ルイーダ「でもどうだい?久しぶりだろう、こんなにゆっくり休んだのは?」

魔法使い「そうねえ…退屈だわ」

商人「そだねー。2週間もこんなだとちょっとね…」

魔法使い「まあ、あの人たちが早くロマリアに着けば、私達の出番も早くなるんでしょうけど…」

商人「早く、かあ…どうだろうね?しあわせのくつ履いてるから、あたし達よりレベル上がるのは早いよねえ?」

盗賊「でもたびなれてないとたいへんだぞ!!モンスターかいたいするのにじかんがかかっちゃうぞ!!」

魔法使い「貴方じゃないんだから、いちいち魔物を解体したりしないでしょう…それに…どっちかといえば、あの人たちが食べられてないかが心配ね…」

――レーベ郊外

おおがらすのこうげき!!

ノレビス「痛い痛い、このからすのクチバシ痛い!!」

エルフ「ほら、何やってるの人間、早く魔物倒しなさいよ!!」

兵士「分かってる…そりゃっ!!」ザクッ

――まもののむれをやっつけた!!

エルフ「大丈夫、ノレビス様?」

ノレビス「だ、大丈夫です…」ヨロヨロ

兵士「ふう、死なずに済んで良かった…しかし、たった2回の戦闘でボロボロだな…」

ノレ「はあー、疲れました…」

兵士「もう少しでレーベです、頑張って下さい…しかし、つくづくあいつらは凄いな、こんな旅を一年近く続けてるのか…」

――レーベの村

ノレ「へえー、ここがレーベですか…のどかな所ですねー」キョロキョロ

兵士「あんまりあっちこっち行かないで下さいよノレビス様…っと、あのエルフは…おい、何やってんだ?」

エルフ「…どうしてもこの村に入らないと駄目なの?」

兵士「なんだ、エルフは田舎が苦手なのか?」

エルフ「そうじゃないわよ。っていうかあんた達人間はよく他人の土地にズカズカ入っていけるわね」

兵士「他人の土地…?ああ、そう言われればそうか。エルフは他の村に行ったりはあまりしないのか?」

エルフ「しないわよ、よそはよそだもの」

兵士「そういうもんか…まあ、人間はエルフとはちがうんだよ。他の村に入っても咎められたりしないさ。それに目的のロマリアは他の国だぜ、そんな事言ってたら…」

エルフ「分かった、分かったわよ!入れば良いんでしょ…ノレビス様ー!!」タタタ…

兵士「ふう、やれやれだな…しかし今日はもう休むようだろうな…あっという間に1日が終わっちまったが、こんなペースで2週間以内にロマリアに着けるのか…?」

――344日目(2日目)、レーベの宿屋

ノレビス「おはようございます!今日はいよいよあの塔まで行くんですよね!」

兵士「いや、まずはアリアハンに戻ります。金も少し貯まったし、あっちで買い物を…」

エルフ「なんでわざわざアリアハンまで戻るの?こっちで買い物すれば良いじゃない」

兵士「こっちの武器や防具は高いんだよ。モノはいいがな…」

エルフ「面倒くさいわね」

ノレビス「まあ、仕方ないですよ。それに、すぐに旅が終わっても勿体ないもの。ゆっくり楽しみましょう!」

エルフ「…私は早くノレビス様にはアレフガルドに戻って欲しいんだけど」

兵士「俺も出来れば早目に任務完了といきたいが…国賓の意に沿わなければな。ふう…」

――アリアハン郊外

ノレビス「うう~、からすに突っつかれてフラフラです…」フラフラ

エルフ「大丈夫ノレビス様!?ほら、やくそうを使って…」

ノレ「だ、大丈夫です…ほら、すぐそこに町が見えてきましたし、やくそう代は節約しないと…」

兵士「なんでそんな庶民感覚なんですか…金は気にしないで、やくそうを…」

――スライムがあらわれた!!おおがらすがあらわれた!!

兵士「くっ、こんな時に大量に…!ノレビス様、身を守って…」

ノレビス「ほら、どうですか?私の華麗なダンス!」フラフラ…

エルフ「ちょっ…!?ノレビス様、命懸けで遊ばないで!!」

おおがらすのこうげき!!ノレビスはしんでしまった!!

エルフ「ノレ、ノレビス様!?人間、あんたがしっかりしないから…!」

兵士「全く、なんて失態だ!…しかしこんな時に遊ばなくても良いのに…何考えてるんだこの方は…?とにかく、ここを切り抜けてアリアハンに帰る!踏ん張ってくれよ!」

エルフ「あんたに言われなくても分かってるわよ人間!」

ノレビス「すみません、遊んでたら死にました…」

兵士「ええ、出来れば戦闘中に遊ぶのは控えてもらえれば…」

ノレビス「それは出来ません!遊び人てますから!」キリッ

兵士「…そっすか。なあ、あんたからも何か言ってくれよ」

エルフ「私の言うこと聞くならそもそもこんな所に居ないわよ」

兵士「ああ、そうだな…」

魔法使い「旅立ち早々大変みたいね」

兵士「ああ…全くだ。お前達は凄いよ、こんな旅を一年近くも…」

魔法使い「何言ってるの、私達だって最初の頃はてんやわんやだったわよ」

商人「そうそう、魔法使いちゃんったら貧弱だったから、何回も死んだよね!」

兵士「へえ、お前がねえ…そういやよく棺桶になって教会に担ぎ込まれてたな」

魔法使い「むっ…覚えていて欲しくない所を覚えてるのね」

兵士「そいつは悪かったな…さて、じゃあ俺は行くよ。本当は買い物に来たんだが、蘇生代で消えちまった。まずは金を稼がないとな…」

商人「…と、このような序盤の金欠状態も商人がいれば万事解決!!皆さん、パーティーに商人を!」

魔法使い「…誰に売り込んでるのよ」

――レーベ郊外

エルフ「…さっきからスライムやからすを倒してばっかり。人間、ちゃんと目的覚えてるの?」

兵士「覚えてるよ。覚えてるが…どこへ行くにも先立つものがないとな」

ノレビス「そうそう、私達にはお金がありません!」

エルフ「お金がないのノレビス様を蘇生したせいなんだけど…」

兵士レベル4「だが、金を稼ぐついでにレベルが上がった。これでこれからの旅もかなり楽になったはずだ」

ノレビスレベル4「そうですね!でももっともっとお金を稼がないと…」

エルフレベル4「でもノレビス様、私もう魔力ないよ。今日は…」

兵士「そうか、魔法使いは魔力ってものを消費するんだな…なああんた、あんたの魔力はパーティーの大事な生命線だ、だから…」

エルフ「何よ、魔力が足りないって言うの!?」

兵士「そうじゃない、魔力は減るものだ、無くなるのは仕方ないが、出来るだけ節約してくれ。あんたの魔力分しか俺らは行動出来ないようなもんだからな」

エルフ「何よ、結局足りないって言いたいんじゃない!」

ノレビス「そうは言ってないでしょう?そうツンツンしないの」

兵士「まあ、魔力が足りなくなるのは呪文以外の攻撃力が足りないせいでもあるからな、出来ればノレビス様にこんぼうくらいは買わなければいけないが、防具も買いたいしな…くそ、金が足りない…大臣も王様をケチだケチだといってるくせに、自分も変わらないじゃないか…」

――345日目(3日目)、アリアハン

エルフ「何よ、またこの町に戻って来て」

兵士「いや、多少金も貯まったし、ノレビス様に装備をな…ノレビス様、まずはこれを」

ノレビス「ヘー、変わった盾ですね」

エルフ「ってこれ、ただのなべのふたじゃない!こんなモノをノレビス様に持たせる気!?」

兵士「まあ、悪いとは思うが、先立つものがな…あとこれも…」

ノレビス「おー、こんぼう!」ブンブン

エルフ「ちょっ…!おなべのふたにこんぼうって、ノレビス様になんて格好をさせるのよ!!」

兵士「ああ、申し訳ないが、金が…」

エルフ「お金お金って、人間ってなんでお金がないと何も出来ないのよ!!」

ノレビス「まあまあ、郷に入れば、って言うじゃないですか。私は構いませんよ、楽しげな格好じゃないですか!」

兵士「お気に召してもらえたなら良いですけど…」

エルフ「…まあ、ノレビス様がそう言うなら…」

ノレビス「それで、今日はいよいよあの塔に行くんですか?」

兵士「いや、今日まで準備をします。もう少し装備を調えたいので…ふう、旅ってのは金欠との戦いでもあるんだな…」

――夜、レーベ郊外

エルフ「夜まで魔物と戦い続けるなんて…もう身体中に魔物の地の臭いが染み着いちゃったよ…まだお金が必要なの!?」

兵士「そうだな、満足いくまで、とは行かないがまあ、ある程度はな」

ノレビス「じゃあこれから買い物ですね!行きましょう!」

兵士「それが、もう夜なんで、買い物はまた明日になります…」

エルフ「散々戦った上に買い物出来ないの!?」

兵士レベル6「仕方ないだろ、夜になるまで金が貯まらなかったんだからな。だがおかげでレベルは上がった。明日にはナジミの塔へ行けますよ」

ノレビスレベル6「おお、ついにですね!頑張りましょうね!」

エルフレベル6「…本当に大丈夫なの?」

兵士「ああ、明日また装備を調えればな。塔の中には宿屋もあるって言うし…」

エルフ「塔の中に宿屋があるの?」

兵士「ああ、魔法使い達が言ってたよ」

ノレビス「へえー、湖の塔の宿屋ですか。なんだかオシャレですね!是非泊まってみたいです!」

兵士「ええ、おそらくは1泊していく事になると思いますよ。一筋縄では行かない場所のようですし…それにやくそうを買う金もあまりですからね、もしかしたら2泊以上する可能性も…ったく、ここまで金に悩まされるとは思わなかったよ…」

――ルイーダの酒場

商人「ねえねえ魔法使いちゃん!あたし大変な事に気づいたんだけど!」

魔法使い「何よ、大声出して」

盗賊「どーせたいしたことないぞ!!ルイーダねえさん、ごはんー!!」バンバン

商人「大したことなくないよ!!ねえ魔法使いちゃん、今あの人達が旅してるでしょ?」

魔法使い「ええ、それが何か?」

商人「このお話の主人公兼めいんひろいんのあたしがいないって大変だよ!!危機的状況だよ!!」

魔法使い「ああ、そうね…」

盗賊「ヒロインポイントは…モグモグ…せっしゅカロリーりょうできまる…モグモグ…だから…モグモグ…メインヒロインはとーぞく…」

商人「カロリーでヒロイン力が上がるの!?てゆーか盗賊ちゃんがめいんひろいんだったの!?」

魔法使い「なんでカロリーとヒロイン力が繋がってるのよ…それに貴方、タイトル見たことないの?主役は…」

商人「タ、タイトル位ならすぐ変えられるし!!少なくともこのレス分は…ほら見てみて、いつもみたいに名前欄が…ああっ!?」

盗賊「おー、たしかにしょーにんがメインなタイトルだな!!」

商人「そんな事ない!!そんな事ないもん!!」

魔法使い「全く、騒がしいんだから…誰が主役だとかヒロインだとか、どうでも良いじゃない…」

――346日目(4日目)、アリアハン

エルフ「もう、行ったり来たり面倒くさいわね!!」

兵士「まあそう言うなよ。今日はあんたの防具を買いに来たんだからな…ほら、たびびとのふく」

エルフ「…これ、私に?」

ノレビス「あら、良いじゃないですか!」

兵士「本当は武器も買ってやりたいんだが、金がな…もうしばらく素手で戦ってもらわなければならないが…」

エルフ「…いいわよ、私は呪文で戦うし………服、ありがと」

兵士「あんたに倒れられると困るからな。さあ、あとはやくそうを買って、それからナジミの塔へ行きましょう」

ノレビス「やっとですね、楽しみです!…あ、ちなみに私達は袋無しで旅しています。道具が混ざるといけないので…」

エルフ「袋必要なほどアイテム買うお金もないけどね」

兵士「二人とも誰に説明してるんだ…?」

――岬の洞窟

ノレビス「おおー、洞窟ですね!」キョロキョロ

エルフ「薄暗くってじめっとして魔物もいて…はあ…」

兵士「反応が対称的だな…しかし、魔物が大して強くないのは良かった」

ノレビス「ええ、外の魔物と大差ないですねー…あ、宝箱!」

エルフ「ノレビス様、あれもう空っぽだよ」

ノレビス「ええー!?そんな…」

兵士「宝箱なんかは全部魔法使い達が開けたはずだって言ってましたよ…なるほど、あいつらが俺ら程金欠じゃない様だったのはこういう事でもあるんだな…」

エルフ「行く先々で宝を漁ってたって訳ね」

兵士「その言い方はあれだが…まあそういう事なんだろうな」

ノレビス「じゃあ私達の金欠は約束されてたようなものですね!」

エルフ「そんな約束嫌よ…」

兵士「全くだな。そういう点も踏まえて大臣には金を出してもらいたかったもんだな…」

――ナジミの塔

エルフ「なんだ、あっさり塔まで来れたじゃない」

兵士「ああ、幸運なのか、それとも運が良いのか…いや、魔法使い達に道筋を大体聞いてたからかな…」

――いっかくうさぎがあらわれた!!じんめんちょうがあらわれた!!

ノレビス「あ、魔物ですよ!」

エルフ「あの蝶って確か…」

じんめんちょうはマヌーサを唱えた!!兵士はまぼろしにつつまれた!!ノレビスはまぼろしにつつまれた!!

ノレビス「ああ、お花畑が見えます~」

エルフ「ノレ、ノレビス様、しっかりして!」

兵士「幻影呪文を唱える蝶か…!旅立つ時に商人から対処法を聞いたような…確か…」

商人(あのですね、マヌーサかけられると魔法使いちゃんでさえすっごいないすばでぃーに見えて…って痛い痛い!!何するの魔法使いちゃん!?)

兵士「………すまん、呪文で対処頼む!!」

エルフ「もう、仕方ないわね!!…メラ!!」ゴゥッ

じんめんちょうをたおした!!

兵士「よし、いい調子だ!!………あいつがナイスバディにか…いやいやいや、今は戦闘中だぞ!?集中して…うおおっ!」ザクッ…

兵士「――よし、おかげで片付いたよ。ありがとう」

エルフ「…あんたさ、戦闘中に何か考え事してなかった?」

兵士「え?いやいや、そんな事はないぞ?」

エルフ「ふーん…」ジー

兵士「な、なんだよその目は…あ、ほらノレビス様、宿屋が見えましたよ!」

ノレビス「あ、本当ですねー!」

兵士「今日はもうあそこで休みましょう…あんたも、今の戦いで魔力を相当使っただろ?」

エルフ「…まあね」

兵士「よし、決まりだ…すまない、誰かいるか?」

宿屋「おお、久しぶりのお客さんだ!!嬉しいなあ!…以前来たのはお嬢さん方だったが、あんた方もまた…」

兵士「…お嬢さん方?ああ、あいつらか…」

宿屋「おや、あのお嬢さん方をご存じかね?」

兵士「ええまあ…つっても、あの3人を知らないアリアハン人なんていないと思うが…一晩良いかい?」

宿屋「ええ、ええ、喜んで!」

ノレビス「やった、湖の塔のオシャレな宿屋に宿泊ですね!」

――347日目(5日目)、ナジミの塔

ノレビス「今日はこの塔のてっぺんまで上るんですね!私高い所大好きなんです!!」

エルフ「うん、よく分かるよ」

兵士「…ノーコメントで」

ノレビス「…?それより、道はこっちで良いんですか?」

兵士「ええ、あいつらが言うにはですが…ああ、階段ですね」

エルフ「ここって何階まであるの?」

兵士「確か4階だったはずだ。今は2階だな」

エルフ「結構高いね。ノレビス様の塔は5階だっけ?」

ノレビス「そうですよ、私、高い所好きですから!!」

エルフ「うん、知ってる」

兵士「……」

エルフ「…この階段上れば4階だよね?なんだ、割りとあっさり上れたじゃない」

兵士「ああ、確かに魔物も強くなったが、あんまり遭遇しなかったからな…これも道に迷わず来れたおかげかな」

ノレビス「ほら、早く上に行きましょうよ!」タタタ…

エルフ「全く、なんとかは高い所が好きよね」

兵士「おいおい…」

ノレビス「4階、到着ー!!…あら?まるでお部屋みたいです…あ、おじいさん?」

兵士「っと、あんたは…」

老人「兵士よ、来たか。どうじゃ?とうぞくのかぎは役に立ったか?」

兵士「え?ええ、まあ、そうですね…」

老人「そうか。やはりわしの夢はよく当たる」

エルフ「何?知り合いなの?」

兵士「いや、初めて会ったが…」

エルフ「じゃあ寝惚けてるの?それともぼけてる?」

兵士「うーん…」

ノレビス「おー、やっぱり良い眺めですね!」

エルフ「まあ、悪くないわね」

兵士「満足してもらえたなら何よりです。さあ、では下りますよ」

ノレビス「もうですか?うーん…でも仕方ないですね、早くロマリアで博打三昧したいですから!」

エルフ「こんなヒトが私達の世界の創造主…」

兵士「あー、それで、これからだが…この塔の地下からアリアハンの城かレーベの近くに行けるらしい」

ノレビス「お城ですか!良いですね!」

ノレビス「お城かあ…ちょっとやだな、落ち着かなそう…」

兵士「で、この塔を上る間に金も貯まったし、ここはレーベに行って買い物をしようかと…」

ノレビス「えー、お城は後回しですか…」

エルフ「ノレビス様、こっちに来たときお城に行ったんじゃないの?」

ノレビス「いいえ、直接酒場に行きましたよ。お酒の匂い、じゃなくて冒険者の気配を感じたので…」

エルフ「………」

兵士「えっと、じゃあレーベに行きますから…このヒト、もしかして最初から遊び人みたいなヒトだったんじゃないのか…?」

――348日目(6日目)、レーベ

兵士「さてと…まずは買い物だな。じゃあ…ノレビス様、このけいこぎを…」

ノレビス「えー、こんな地味なの着るんですか?」

エルフ「いつまでもそんなはしたない格好してられないでしょ」

ノレビス「はしたないかもしれませんけど、それも遊び人ならではです!!」

エルフ「はあ…頭痛い…どんどん本物の遊び人みたいになってるじゃない…」

兵士「えーと…で、あんたはこのブロンズナイフ」

エルフ「私に武器?だから私は呪文で…」

兵士「ああ、分かっているがロマリアへ続く洞窟は長丁場らしい。魔力の節約のためにも、これは持っておいた方がいい。今更スライムなんかに呪文使ってられないだろ?」

エルフ「…分かった。じゃあ持っとく」

兵士「ああ、そうしてくれ。じゃあ買い物はこれくらいにして…」

エルフ「待ってよ。あんたは何も買わないの?」

兵士「俺か?俺は…俺の物はアリアハンに戻ってから買うことにするよ。ここの物は高くていかん」

エルフ「ふーん…」

兵士「さて、じゃあアリアハンに行きましょう。無事ナジミの塔の上れた事も報告しないとな…」

――アリアハン

商人「へー、もうナジミの塔クリアしたんですか!?早いですね!魔法使いちゃん、あたし達って何日目位でクリアしたっけ?」

魔法使い「私達は8日目だから、かなり早いわね」

兵士「まあ、俺らは3人だし、道もお前達に教えてもらったし…」

エルフ「しあわせのくつももらったからね」

盗賊「そーだな、カンシャのしるしにごはんおごって!!」

魔法使い「すぐごはんたからないのよ…」

ノレビス「この調子で、明日にでも賭け事三昧です!」

商人「賭け事三昧!?でも…」

魔法使い「ええ、いざないの洞窟は結構大変よ。しかも貴方、そんな装備で行くつもり?」

兵士「え?いや、ここで何か買ってくつもりだが…」

魔法使い「悪いことは言わないから、1日位お金稼いでから行った方がいいわよ。そうね、レーベの西側なら、腕試しも出来るし丁度良いと思うわ。あと…ロマリア行く前に大臣に1回くらいは報告するのよ」

兵士「報告?お前いつも面倒臭がってたじゃないか」

魔法使い「面倒でもするの。宮仕えのつとめよ」

兵士「そうか、そうだな…じゃあ行くか。しかし本当に面倒だな…」

――アリアハン城内

大臣「ほう、ではもうロマリアへ向かうつもりか」

兵士「ええ、魔法使いからはもう少し装備を調えてからの方が良いと言われましたが」

大臣「ふむふむ、今の自分の立場を上手く使って会話の機会を増やしてるようだな。感心感心」ニヤニヤ

兵士「そ、そういうわけでは…それより、あのノレビス様ですが…本当の所はどういうヒトなんですか?」

大臣「どういうも何も、前話した通り、下の世界の創造主ということだそうだ」

兵士「ことだそうだって…とてもそうは見えませんが…」

大臣「あの魔法使いもそう言っていたのだから間違いないだろう。なんだ、任務に不満でもあるのか?」

兵士「そりゃあありますよ。資金の少なさとか…」

大臣「何を言っとる、魔法使い達はもっと少ない金額しかもらえなかったのだぞ」

兵士「しかしあいつらは…」

大臣「それに、あまり難易度を下げては面白くないからな…」ボソッ

兵士「…?今何と…?」

大臣「いや、そなたの旅が充実したものであるよう祈っているという事だ。まあ頑張れ、はっはっはっ!!」

兵士「他人事だと思って…」

魔法使い「…じゃあ、彼が報告してる間にお城の中でも案内するわね」

エルフ「広い城。やっぱり落ち着かない…」

ノレビス「うーん、おっきくて良いですね!是非私の物にしたいです!」

魔法使い「ええ、それは無理です」ニッコリ

ノレビス「無理なんですか!?何か方法があるのでは…」

エルフ「無茶ばっかり言って…」

魔法使い「一応私もこのお城に仕えてる人間だから、このお城を落とすなら私を倒せる位にならないといけないけど…出来ますか?」

ノレビス「うーん…何とか裏口から…」

エルフ「裏口って何?」

魔法使い「…ふう。彼も苦労してそうね。全くくろうにんなんだから…」

エルフ「そういえばさ、あんたあの兵士とどういう関係なの?」

魔法使い「関係?私と彼はこのお城の同僚だけど…」

ノレビス「それだけですか?他に何か、こう…」

魔法使い「それ、商人にも聞かれたわね…何?私達兄妹にでも見えるのかしら?」

エルフ「…あー、なるほどくろうにんね」

――349日目(7日目)、アリアハン西部

兵士「さて…この大陸は西側の方が魔物が強いと言われているが…」

エルフ「東側と比べて人が住んでないからなの?」

兵士「まあそうだろうな。東側には城下町もあるし、一応俺らみたいな武装した兵もいるからな」

ノレビス「おー、さすがですね!」

兵士「でも西側はそうはいかない。多分、ナジミの塔より強力な魔物も出てくると思いますから、油断しないで…」

ノレビス「大丈夫ですよ!私が遊んでるうちにこの子が呪文でぱぱっとやっつけてくれますから!ね?」

エルフレベル8「遊んでないで魔物倒してよ…まあ、確かにギラ覚えたから、戦闘は楽になるけど…」

兵士「へえ、ギラって確か複数の魔物を攻撃出来るんだろ?すごいな」

エルフ「別に、これくらいの呪文…それに、魔力には限りがあるんだから、あんたが頑張らない理由にはならないよな人間!」

兵士「ああ、分かってるよ。だが、二人の事も頼りにしてるからな…さて、じゃあ行くか」

兵士「…さて、何度か戦闘したが、今のところは順調だな…」

――フロッガーがあらわれた!!バブルスライムがあらわれた!!

エルフ「また魔物が出たわよ!」

兵士「ああ、じゃあ二人はあの小さい方をやってくれ。俺はカエルを…」

バブルスライムのこうげき!!エルフはどくにおかされた!!

エルフ「うっ…気分悪い…」ヨロッ…

ノレビス「し、しっかりして下さい!今どくけしそうを…あれ?ど、どくけしそうは!?」

兵士「…しまった、買ってない…まずいな…」

エルフ「だ、大丈夫よ…それより、魔物を…」フラッ…

兵士「だ、だが…!いや、確かにまず魔物を倒さなければ…だらぁっ!!」ザクッ

ノレビス「えーい!」ポコッ

――まもののむれをやったけた!!

兵士「よし、倒したぞ!!さあ、急ごう…少しの間我慢してくれよ?」

エルフ「別に…あんたに心配されたくなんか…」

兵士「ああ、それだけ言えりゃあ大丈夫だ。さあ、急ぎましょう!」

――レーベの村、教会

神父「おお神よ!!この者の毒の穢れを清めたまえ!!」ペーペーペーペーペーペーペー

エルフ「ふう…」

ノレビス「助かりましたね!良かったです!」

兵士「ああ、一時はどうなるかと思ったが…さて、今日はもう休みましょうか?」

エルフ「大丈夫よ、まだいけるわ」

兵士「いや、無理はしない方がいい。今日はゆっくり休んで…」

エルフ「大丈夫って言ってるでしょ!!私、足手まといにはならないからね!!」

ノレビス「もー、まけずぎらいなんだから…」

兵士「…分かったよ、じゃあアリアハンまで行こう。またあっちで買い物しなければいけないからな」

エルフ「分かったわ、さあ行きましょう」スタスタ

ノレビス「もう、意地張って…」

兵士「…まあ、アリアハン方面は魔物も弱いし、安全でしょう。それに、あっちに着けば夜になりますし、そうなれば彼女も休むと言うでしょう。しかし、これから先はもっと厳しくなる。あまり無理はしないで欲しいが…」

――350日目(8日目)、アリアハン

兵士「…じゃあ、まずは俺の装備を買いますが、良いですか?」

ノレビス「はい、どかんと買っちゃって下さい!」

エルフ「戦士って体力はあるのに守備力はないよね」

兵士「それを装備で補わなきゃならないからな、金が掛かってしょうがない。さて…次はあんたにこれだ」

エルフ「はあ!?おなべのふた!?なんで私がこんなの…」

ノレビス「わー、お揃いですね!」

エルフ「こんなお揃い嫌よ!!」

兵士「そうは言っても、少しでも守備力を上げとかないとな。あんたはこのパーティーの要なんだし…」

エルフ「…はあー。まあいいわ、さっさと目的地に行ってこんなの捨ててやるわ」

ノレビス「ダメですよ、捨てるなら売って掛けに使いますからね!」

エルフ「………」フウ-…

兵士「…ま、なんにせよ目的に向かってモチベーションが高いのは良いこと…だよな…?」

――レーベ東部

――さそりばちがあらわれた!!

エルフ「それっ!ギラ!!」ゴオッ

――さそりばちたちをやっつけた!!

――フロッガーがあらわれた!!

エルフ「ギラ!!」ゴオッ

――フロッガーたちをやっつけた!!

――バブルスライムがあらわれた!!

エルフ「ギラ!!」ゴオッ

――バブルスライムたちをやっつけた!!

兵士「呪文ってのはすごいもんだな…」

エルフ「何よ、私が要だって言ってたのに、これくらい出来ると思わなかったの?」

兵士「いや、やってくれるとは思っていたが、想像以上だったよ」

ノレビス「おかげで私も遊びがはかどりました!!」ドヤッ

エルフ「その為に魔物を倒した訳じゃないんだけど」

ノレビスレベル10「しかもついでにレベルも上がりました!!」

エルフレベル9「レベルアップがついでなの?」

ノレビス「もちろん!!遊ぶのと賭けの資金を作るのがメインですよ!」

エルフ「そんな事の為に私は戦いを…」

兵士「まあ、心中察するがな…国賓の目的が賭けである以上は軍資金を稼がなきゃいけないのも確かだな」

エルフ「何よ、これから行く洞窟で稼げるんじゃないの?」

兵士「まあな。もしもの時はロマリアの周りで稼いでも良いが…あちらは稼げる代わりに魔物も強いらしいしな…」

ノレビス「大丈夫です、貴方達は強いですから!私は遊びますけど!」

エルフ「ノレビス様も手伝ってよ…ノレビス様が遊ぶ為のお金なのに…」

――351日目(9日目)、レーベ

兵士「よし、やっとかわのよろいが買えた。これで少しは戦士らしくなったかな」

エルフ「ふーん、けどそれでもう大丈夫なわけ?」

兵士「いや、あとはかわのぼうしだ。これはあんたにも買った、ほら」

エルフ「………ありがと」

ノレビス「あとはやくそうですね!いくつ買います?」

兵士「買えるだけ買いましょう。なると…や4つですね」

エルフ「4つ…足りるの?」

兵士「分からん。分からんが、これしか買えない以上は仕方ない」

ノレビス「大丈夫です!貴方の呪文でやられる前にやれば!!」

エルフ「まあ、そのつもりだけど…」

兵士「さて、これでできる限りの準備は出来た。じゃあいよいよロマリアに向かって出発しましょう」

ノレビス「いよいよ賭け三昧ですね!楽しみです!!」

エルフ「賭け三昧の前に洞窟を抜けなきゃいけないんだけど…本当しあわせものだよね」

――アリアハン、ルイーダの酒場

商人「ねえねえ魔法使いちゃん、あの人達今日ロマリアに行くんだっけ?」

魔法使い「そうねえ、無事なら、だけどね」

盗賊「たいへんな…モグモグ…どーくつ…モグモグ…なのか…?」モグモグ

魔法使い「そうねえ、個人的には…あまり思い出したくないわね」

商人「魔法使いちゃん何回も死んでたもんね」

魔法使い「そうね…でも彼らは9日目で行くのよね。人数が多いとはいえすごいわね」

商人「うーん、ちょっと悔しいよね。あ、そうそう、良く書き手が東西を間違えますが、いつもの事だと思って暖かく見守ってやって下さい!」

盗賊「それで…モグモグ…ルザミにも…モグモグ…いくのに…モグモグ…まよった…」モグモグ

魔法使い「それも思い出したくないわね…」

――いざないの洞窟

エルフ「ねえ、ここ確かに魔物は強いけどさ…」

ノレビス「あんまり数は多くない見たいですよね」

兵士「そうですね、順調過ぎる位ですが…」

ノレビス「あーあ、これで洞窟の奥に隠された財宝でもあれば言うことないのに…」

エルフ「そういうのはもしあってもあの人間達が持ってってると思うけど」

兵士「だな。そもそもノレビス様は金銀財宝なんて俗っぽいものに興味あるんですか?」

ノレビス「ありますよ!売れば賭けに使えるじゃないですか!!」

兵士「そっすか…ん?なんだ、あれは…」

エルフ「あ、ノレビス様!あれって…!」

ノレビス「え?あ、あれは旅の扉!!」

兵士「旅の扉…?確かそれは洞窟の最後にあるって…もうこの洞窟終わりなのか?まだ魔物と4回しか戦ってないが…」

エルフ「良いじゃない、楽な分には。良かった、やっと旅が終わる…」フウ…

ノレビス「さあ、早く行きましょう!!まだ見ぬ賭けの国へ!!」

兵士「別に賭けの国って訳じゃないですからね…?」

――ロマリア城下町

兵士「ここがロマリア…」

エルフ「ここも騒がしい町ね…」フウ…

ノレビス「うーん、活気があって良いですね!さあ、賭場はどこでしょう?」キョロキョロ

エルフ「そんなに博打がしたいの?」

ノレビス「もちろん!!人は生まれながらにして博徒ですから!!私精霊ですけど!!」

エルフ「こんな俗っぽい精霊やだ…」

兵士「あー、盛り上がってる所申し訳ないですが…今日はもう宿屋で休みますよ」

ノレビス「えー!?なんでですか!?

エルフ「レーベからずっと歩きっぱなしだもの、ヘトヘトよ…」

兵士「ああ、俺も今日は休ませてもらいたい因みに明日はここの王様に挨拶に行きますから、賭け事は明後日ということに…」

ノレビス「ええー!?…まあ良いです。お楽しみは後って事ですね!!」

兵士「ええ、そんな所です…ふう、納得してくれたか」

エルフ「本当、賭けの何がそこまで良いんだろう?分かんないなあ…」

――353日目(11日目)、ロマリア

ノレビス「やっと賭けデーですね!!さあ行きましょう!!すぐ行きましょう!!さあさあさあ!!」

エルフ「ちょっと、落ち着いてよ!」

ノレビス「これが落ち着いていられますか!!さあさあさあ!!」

兵士「はいはい…でも俺は賭けはあまり好きじゃないんで、ロマリア観光でもしてますよ。ノレビス様はたのしんできて下さい…あんたはどうするんだ?」

エルフ「私はノレビス様についてく。一人にしたら不安だもの…」

兵士「ああ、そうだな…じゃあすまんが頼む」

ノレビス「よし、じゃあ行きますよ!!」グイグイ

エルフ「ちょっと、引っ張らないでよ!!」

兵士「…やれやれ、これで満足してくれれば良いがな…」

「――さて、この町も粗方歩いたかな。じゃあノレビス様達の様子を見に行くか…ん?なんだなんた、ノレビス様と一緒じゃなかったのか?」

エルフ「だって…格闘場は音楽と人間達や魔物の叫び声でうるさいんだもの。とても居られないわよ…」

兵士「なるほどな、まあ俺も得意ではないが…さて、ノレビス様はどうなってたかな?」

エルフ「…やっぱりうるさい。あ、ノレビス様、どう?」

ノレビス「あ、二人とも。それが…一時は460ゴールドくらいまで貯まったんですけど、今は300ゴールドを切ってしまいました…」

兵士「最初の手持ちは344ゴールドでしたっけ?今の時間まで使いきらずにいるならまずまずじゃないですか?」

ノレビス「ええ、だって40回以上ずっと一番儲かるのに賭け続けていましたから!!」

エルフ「ノレビス様ずっと数字の一番大きいのに賭け続けてたよね」

兵士「一番儲かる…?数字の大きい…ま、まさかずっと大穴にだけ賭け続けていたんじゃ…」

ノレビス「ええ、だってほら、今ならまほうつかいに賭ければ20倍にもなるんですよ!!」

兵士「………本当に良く一文無しになりませんでしたね」

エルフ「何よ、変な賭け方なの?」

兵士「いやまあ、全く有り得なくはないとは思うが…とにかく、今日はもう40回以上も賭けたんでしょう?そろそろ…」

ノレビス「あ、待って下さい、あと1回勝ったら…」

兵士「そうやってズルズル賭け続けてたら本当に一文無しになりますよ。さあ…」

エルフ「ああ、うるさかった。本当、あんな所の何が良いのよ?」

ノレビス「だって賭け事ですよ?血沸き肉踊るじゃないですか!!」

エルフ「それが分からないって言ってるのに…」

ノレビス「なんで分からないんですか?…あーあ、もうちょっとやりたかったですねー。きっと次は20倍の奴が…」

兵士「その20倍の奴は1度でも当たりました?」

ノレビス「いえ、だから次当たるんですよ!!」

エルフ「…ほんと、あきれるわ」

ノレビス「でも良いです。そろそろあそこの格闘場の組合せにも飽きてきた所ですし。そうそう、やっぱり別の格闘場へ行けばもっと違う組合せもあるんでしょうか?」

兵士「さあ…あの3人も、あまり賭け事には熱心でなかったようなんで、その辺の話は聞いてませんが…」

ノレビス「そうですか、じゃあ行ってみましょう!ここからイシスって近いですよね?」

兵士「イシス!?いや、決して近くはないかと…」

ノレビス「じゃあ行ってみましょう!まだ見ぬ賭場を目指して!!」

エルフ「え?本気なの!?ってノレビス様、話を聞いてよ!!」

兵士「…本気で言ってるのかあの方は?イシスって…確か強烈な魔物がいたという話じゃなかったか…?」

――アッサラーム北部

エルフ「…じゃあまずはアッサラームって町を目指すのね?」

兵士「ああ、そこで休むなり装備を調えるなりしてからイシスに向かうのが良いらしいが…」

ノレビス「何か問題があるんですか?」

兵士「この辺の魔物はとても凶暴だと聞きます。慎重に進まないと…」

――バンパイアがあらわれた!!バリイドドッグがあらわれた!!キャットフライがあらわれた!!

エルフ「早速出たわね!昼間っから吸血鬼?」

ノレビス「強そうですね!!頑張って下さい!!」

兵士「いや、ノレビス様も頑張って下さいよ?さて、まずは吸血鬼から…うらあっ!!」ドッ

エルフ「あの吸血鬼は確かヒャドを唱えたはず…ならこっちのヒャドは効かそうね。なら…」

キャットフライはマホトーンをとなえた!!エルフはじゅもんをふうじこまれた!!

エルフ「…!!」

ノレビス「わ、ピンチですね!私、逃げますね!!」ダカダカダカ…

兵士「ちょ、勝手に動かないで…!」

キャットフライのこうげき!!エルフはしんでしまった!!

兵士「くっ…!なんてこった…」

ノレビス「どどどどうしましょう!?と、とりあえず笑顔の練習でも…」ニコッ

兵士「なんでそうなるんですか!?逃げますよ!!」

ノレビス「えー、さっきは逃げるなって…」

兵士「いいから!!」ダカダカダカ…

しかし まわりこまれてしまった!!

キャットフライのこうげき!!バンパイアはヒャドをとなえた!!

ノレビス「きゃー!!痛い痛い!!」

兵士「っ…!呪文が強烈だ、しかし…逃げますよ、さあ!!」

ノレビス「は、はい!!」ダカダカダカ…

――へいしたちはにげだした!!

――ロマリア、教会

エルフ「…っつう、フラフラするわ…」

兵士「すまなかったな、配慮が足りなかった」

エルフ「いいわよ、悪いのはノレビス様だし」

ノレビス「私が悪いんですか!?」

エルフ「当たり前でしょ、そもそもあっちに行きたいって言い出したのノレビス様じゃない。でも、よく全滅しなかったわね」

兵士「運が良かっただけさ。あのあとも生きてるガスの集団に呪文を浴びまくったりしたが、なんとか逃げ切れたよ」

ノレビス「ギズモも怖かったですねー。それで、次はいつイシス行きに挑戦しますか?」

エルフ「はあ!?まだ行く気なの!?」

ノレビス「え、だって、格闘場…」オドオド

兵士「ふうー…国賓の意志はなるたけ尊重したいですが、あそこまで危険だとそうも言ってられません。それに、宿に泊まれば12日目、アリアハンに戻れば13日目です。そろそろ…」

エルフ「時間切れよね。残念だったわね」

ノレビス「ええー!?まだもうちょっと…」

兵士「とにかく、今日はもう宿屋に泊まって、明日はアリアハンに戻ります。さあ、宿屋に戻りますよ…ふう、もうじきこの仕事も終わりだな…終わる、よな…?」

――13日目、アリアハン

ノレビス「ううう…帰ってきてしまいました…」シュン

エルフ「やあああっと落ち着けるわ」

兵士「相変わらず正反対の反応だな…」

魔法使い「あら、もう帰ってきたの?」

兵士「あ?ああ、目的は果たしたしな」

ノレビス「でもイシスには行けませんでした!!」

魔法使い「イシス?なんでそんな話に?」

兵士「いや、かくかくしかじかで…」

魔法使い「…あきれた」

エルフ「もっと言ってやってよ」

ノレビス「ええー、でも格闘場…」

勇者「こんにちは!!皆さんお久しぶりです!!」

盗賊「なんだ?したっぱに食べさせるごはんはないぞ、かえれ!!」シッシッ

商人「こら!盗賊ちゃん!」

勇者「くっ…いつもいつも…それより皆さん、なんか変な人達とロマリアまで行ってきたそうですね?なんでわたしを連れてってくれなかったんですか!?」

盗賊「いくらこいつらがへっぽこだからって、したっぱがついていっていいりゆうにはならないんだぞ!!」

エルフ「へっぽこって私達の事?」キッ

ノレビス「私は精霊だから変な人達の中には含まれてませんよね!」

兵士「…てえと、変な人ってのは俺か」

勇者「あ、いや、そんなつもりじゃ…」

商人「皆さん、勇者サマをからかわないであげて…」

兵士「ああ、勇者殿の顔を見て思い出したんだが、ロマリアで王様に挨拶に行ったとき、勇者を連れてきて欲しいと言われたのだが…」

勇者「!!」

魔法使い「ああ、そういえば私達も言われてたわね。すっかり忘れてたわね」

勇者「だ、大事な事じゃないですか!!なんで言ってくれなかったんですか!?」

商人「うん、だから忘れてたの」

盗賊「したっぱのことなんてどーでもいーからな!!ルイーダねえさん、ごはんー!!」バンバン

勇者「しょ、商人さんまで…こうなったら…兵士さん!!」

兵士「な、なんだ?」

勇者「私をロマリアまで連れてって下さい!!私、自分でロマリア王に挨拶に行きますから!!」

兵士「それは…おい、お前からも何か言ってやってくれよ」

魔法使い「さーて、私は久しぶりにお城にでも行こうかしら。じゃ、後よろしくね」スタスタ

兵士「お、おい!?俺に押し付けるのかよ!?」

商人「押し付けたんじゃなくて、魔法使いちゃんは見ないふりをしてるんだと思いますよ。魔法使いちゃんの立場だと賛成出来ないし…」

ノレビス「きんじょーのひとーはーみないふりー♪」

兵士「なんですかその歌は…いや、でもそれは結局俺にやれって言う事では…?」

商人「それはそうだと思いますよ。あたし達が一緒に行っても勇者サマの経験にはならないし…」

盗賊「まものはごびょーでおにくだぞ!!したっぱのでばんはないぞ!!」

ノレビス「なるほど…これはまだ私達に仕事が残っていたようですね」

勇者「え!?なら…」

兵士「~~~っ、まあ、オルテガ殿には昔世話になったしな…その娘さんの願いは無下には出来んし…」

勇者「本当ですか!?やったあ、ありがとうございます!!ありがとうございます!!」

エルフ「あーあ、もう休めると思ったのに…ノレビス様が行くなら私も行かなくちゃね…」

兵士「すまないな…しかし勇者殿、我々は今日を入れてあと2日しか旅が出来ません。そこを変える事は出来ないので…」

勇者「はい!!ロマリアまで行ければすぐ帰ってきても構いません!!」

兵士「そうですか、なら強硬日程になりますが…二人も良いですね?」

エルフ「良いわよ、早く済んだ方が良いし」

ノレビス「うーん、仕方ないですね…でも一人増えたということは、イシスを目指す上で肉壁が増えたと言うことですよね、これはもしかしたら…」ボソボソ

兵士「…何か?」

ノレビス「え?いえいえいえ何でもありませんよ、私達は勇者さんのご希望を全力でサポートします!!」

エルフ「絶対何か企んでる…」

商人「頑張って下さいね!!でも楽しそうだなあ、あたし達もまた冒険に戻りたいね盗賊ちゃん?」

盗賊「へっぽこどもの…モグモグ…ぼーけんなんて…モグモグ…どーでもいー…」モグモグ…

エルフ「だから誰がへっぽこですって!?」キッ

兵士「まあ落ち着いてくれよ…しかし、やっぱりまだ終わりじゃなかったか…やれやれ」

兵士「では、まずは勇者殿の装備を調えましょう。勇者殿、現在の装備は?」

勇者「え、と…な、何も…」

エルフ「何も持ってないの!?勇者なのに!?」

勇者「す、すみません…」

ノレビス「本当はどうのつるぎとたびびとのふくを装備してたのに、あの二人が旅だった時に棺桶の勇者さんから装備を剥ぎ取ったんですよね…」ボソッ

兵士「…今何か?」

ノレビス「いえいえいえ何でもありませんよ!」

兵士「…まあ良いです、では勇者殿にはどうのつるぎとかわのよろいを。これでいくらか格好がつくはずです」

勇者「あ、ありがとうございます!!すみません、わがまま言った上に装備まで…」

エルフ「パーティーに入った以上は、足引っ張られたら困るからね」

兵士「おいおい…だがまあ、パーティーの一員になるからには相応の仕事をしてもらわなければいけないのは確かですが」

勇者「分かってます、頑張ります!」

ノレビス「うんうん、これで私もより遊びやすくなりますね!」ニコニコ

エルフ「真面目にやってよノレビス様…」

――おおがらすがあらわれた!!

兵士「そらっ!!」ゴズッ

エルフ「えいっ!」サクッ

ノレビス「お手玉お手玉…痛っ!?失敗しました…」

勇者「やああっ!!」ザンッ

――おおがらすをやっつけた!!

エルフ「へえ、レベル1でも一撃で魔物を倒せるなんて、さすが勇者ね」

勇者「そ、そんな、わたしなんてまだまだ…」

兵士「いや、なかなかのもんだよ。これなら予定通りすぐにロマリアへ向かっても良さそうだ」

ノレビス「ええ、3人が力を合わせればあの洞窟も楽勝ですよ!」

エルフ「なんで自分を数に入れないのよ…」

ノレビス「だって私は遊ばないといけないし、それにほら!さっきのお手玉失敗でおっきなたんこぶが…」

勇者「わ、た、大変ですね!」

エルフ「まともに相手しなくていいからね…」

勇者「わ、わたし洞窟って初めてで…」

兵士「へえ、でも俺もこの旅で初めて洞窟に来ましたよ」

エルフ「普通に生活してればこんな所来ないもんね」

勇者「で、でもわたし勇者ですから!普通じゃダメなんです!!」

ノレビス「まあまあ、そんなに気負わない方が良いですよ。楽に、楽~に」

エルフ「ノレビス様にはもうちょっと緊張感持って欲しいんだけど」

兵士「さてと、そろそろ…ああ、見えてきたな、旅の扉だ」

勇者「こ、これが旅の扉…話には聞いてたけど、不思議なものですね…」

エルフ「でも本当ここ魔物少ないよね。今回は3回しか戦ってないじゃない」

兵士「ああ、魔物が少ないのは結構だが…少し物足りなかったですか?」

勇者「うーん、物足りないっていうか、こんなにあっさりしてるものなんだなって…」

ノレビス「物足りないですよ、たくさん戦ってみんながレベルアップすればイシスにも行けるかと思ったのに、あんまり経験も積めなかったし…」ボソボソ

兵士「…何か?」

ノレビス「いえいえいえ、無事に着いて良かったですね」

エルフ「まだ何か企んでるの…?」

――356日目(14日目)、ロマリア、宿屋

勇者「…おはよ…ござ…」ムニャムニャ

兵士「おはようございます…眠れませんでしたか?」

エルフ「家以外で寝るのは初めてみたいよ」

兵士「ああ、それは…」

勇者「お恥ずかしいです…ふあぁ…」ムニャムニャ…

ノレビス「しかも今日は王様とのご対面ですからね!」

兵士「そうですね。なるほど、確かにそれでは眠れないのも無理はない」

エルフ「大丈夫なの?王様相手にそんなで」

勇者「だ、大丈夫です…もう少ししたら…大丈夫です…」

エルフ「…ホントに?」

兵士「まあ、王様への挨拶はいつでもいいようですし…目が覚めてから行きましょう」

勇者「すんません…」

兵士「構いませんよ。失礼があってはいけませんし…さて、後はロマリア王だが…」

――ロマリア城、謁見の間

王様「おお勇者よ、やっと来てくれたな!よくぞ我が城のきんのかんむりを取り戻してくれた!!礼を言うぞ!!」

勇者「いえ、それはわたしじゃなくて…」

王様「そなたのような英雄にこそこの玉座はふさわしい!どうだ?わしに代わってこの国の王にならんか?」

勇者「へ!?お、王様に!?そんな、無理です!!」

エルフ「話が変になってきたわね」

王様「いやいやそう言わずに、な?」

勇者「な?って言われても、無理なものは無理です!!」

王様「ううむ、頑固だな…しかし!その頑固さこそ国王に相応しいもの!さあ、この玉座に座るがよい!!」

勇者「いやです!!」

王様「ううむ、しかし頑固さではわしも負けぬぞ、な、な?」

勇者「いやです!!」

王様「そこまで嫌がられたら、もうわしにも言うことがなくなってくるではないか。この辺で折れてくれ、な?」

勇者「………いやです

王様「そうか………では仕方ない、そなたを王にするのは諦めよう…」

勇者「ああ、びっくりしました…いきなり王様になれ、だなんて…」

兵士「俺もびっくりしましたよ。しかしよく断り切りましたね」

勇者「もうお飾りの英雄とか王座とかイヤなんです…」

ノレビス「ああ、アレフガルドでも英雄やってますもんね!!」

勇者「でも、これで挨拶も出来ました。ありがとうございました!!」ペコリ

兵士「いや、どういたしまして。あいつらが出来なかった事が1つでも出来たのは俺も嬉しいです。さて、じゃあ後は…」

ノレビス「イシスに再挑戦ですね!!」

エルフ「はあ!?何言ってるの!?」

ノレビス「え、だって肉壁、じゃなくてメンバーが一人増えましたから、今度こそは…」

エルフ「思いっきり肉壁って聞こえたけど」

勇者「分かりました、行きましょう!!」

エルフ「はあ!?あんた本気!?」

勇者「ええ、私の願いは皆さんが叶えてくれました。今度は私が皆さんの力になる番です!!」

ノレビス「さすが勇者さん!!ザ・正義の味方ですね!!」

兵士「はあ…分かりましたよ、ノレビス様と勇者殿がそう言うなら…ただ、絶対無理はしないですからね?…ったく、冒険の旅ってのは難儀だな…」

ノレビス「じゃあ早速イシス行きの装備を調えましょう!賭けに使うお金を消費してまで調えるからには、熟慮に熟慮を重ねて…」

エルフ「もう、うるさいなあ!!で、なに買うの?」

兵士「まずは今までの戦力に+αが必要だな。ならば、俺の武器を替える。せいなるナイフを買おう。そして俺が使ってたどうのつるぎをノレビス様に…」

ノレビス「お、パワーアップですね!どうせ私遊ぶからあんまり意味無いですけど!!」

エルフ「それ、偉そうに言うことじゃないからね?」

兵士「そして勇者殿にはきのぼうしを買いました。どうぞ」

勇者「あ、ありがとうございます!!わたし頑張ります!」

兵士「で、残りの金はやくそうにする。まあ、今の所持金で出来るのはこんな所だな」

エルフレベル10「大丈夫なの?確かに前回よりレベルも上がってるけど、あの辺の魔物とんでもない強さだったじゃない」

ノレビスレベル11「大丈夫!!あなた達が頑張れば、私が遊ぶ隙くらいは出来ます!!」

兵士レベル11「いや、ノレビス様にも頑張ってもらいますからね?…勇者殿も、準備は良いですね?」

勇者レベル5「はい、わたし頑張ります!!さあ行きましょう!!」

――アッサラーム北部

ノレビス「さばくのなかのー かけのくにー♪」

エルフ「なんでもう着いた事になってるのよ。大変なのここからだからね?」

――あばれざるがあらわれた!!バンパイアがあらわれた!!

兵士「早速お出ましか!!まずいな…猿の魔物は特別狂暴だと聞いている…まずはあの猿から倒して…!?」

あばれざるはなかまをよんだ!!

エルフ「ちょっと!!増えたわよ!!」

兵士「ああ、これは本格的にまずい…!それでも、更に仲間を呼ばれない為にも猿から…」

あばれざるのこうげき!!あばれざるのこうげき!!バンパイアはヒャドをとなえた!!エルフはしんでしまった!!ノレビスはしんでしまった!!

勇者「ふ、二人も!?へ、兵士さん…!」

兵士「落ち着いて!まずは1体ずつ…そらっ!!」ザクッ

勇者「は、はい!えい、とうっ、このー!!」ザクザクッ

――あばれざるをたおした!!あばれざるをたおした!!

兵士「よし、残りは1体…おらあっ!!」ザンッ

――まもののむれをやっつけた!!

――ロマリア、教会

ノレビス「ん…ここは?まさかイシスの教会!?」

兵士「そんなわけないでしょう。ロマリアですよ。さて次は…」

神父「このエルフを生き返らせるのですな?おお神よ!!」ペーペーペーペーペーペーペー

エルフ「…っ、私、また死んだんだ…」

勇者「ごめんなさい、わたしが…」

エルフ「だからいいって。全部全部ノレビス様のせいなんだから」

ノレビス「まあまあ、死んだのもいい経験ですよ!」

エルフ「こんな経験ないほうがずっといいんだけど」

ノレビス「さあ、そんな事より次のイシス行き挑戦に向けて準備しましょう!まずは装備を…」

兵士「装備をって…お二人の蘇生代でもう武器を買う金なんてないですよ」

ノレビス「ええー!?」

勇者「しかもわたし達の旅って今日で終わりなんですよね…す、すみません…わたしがもっと強ければ…」

エルフ「何言ってんの、あんたが謝る必要なんかこれっぽっちもないんだからね」

兵士「ああ、イシス行きはあくまでついでです。目的はもう果たしたんですからね。さて、やっと俺達の旅も終わりだ。早く帰ってあいつらにバトンタッチしたいもんだ…」

――358日目、アリアハン

ノレビス「あーあ、イシス…」

兵士「まあ、ロマリアには行けたんですし…あ、大臣」

大臣「おお、ご苦労であったな。どうだった、ロマリアへの旅は?」

兵士「そうですね…いろいろありましたよ、いろいろ…」

大臣「そうか、まあ無事で何より…おや?なぜここに勇者がいるのかな?」

勇者「え?あ、あ、あの、えっと…あ、あの3人とちょっと話が…あ、あの3人は?」

大臣「ん?あの3人ならもう旅に出たぞ、もう待ちきれないといった感じでな」

エルフ「あの人間達、私達よりずっと大変な旅してるんでしょ?それなのに…本当、変な奴ら」

ノレビス「そうですか?私はまだまだ冒険し足りなかったてますけどね!ね、勇者さん?」

勇者「え?ええええっと…」

大臣「ほう、何故勇者に同意を?まさか勇者よ、お主黙って旅に…」

ノレビス「さ、さーて、じゃあ今日はこれで解散!!さよーならー!!」

大臣「ええ、ノレビス様はご苦労様でした…さて、お主にはゆっくりと旅の話でも聞かせてもらおうか、なあ?」

エルフ「くろうにんねー…」

――海賊の家周辺

商人「んー、久しぶりの冒険!!…でも魔法使いちゃん、久しぶりなんだから神竜の所にでも行こうよ、ね?」

盗賊「そーだそーだ、またしっぽちぎりたいぞ!!」

魔法使い「まあ待ってよ、また挑戦するからには少しでも強くなってからにしたいわ」

商人「んー…まあそれも分かるけどさ…でももう結構きのみ集めたでしょ?」

魔法使い「ええ、またカソダタさんに手伝ってもらったし…」

カソダタ「いやあ、私も暇で暇で仕方なかったですよ」

盗賊「ホントはおやぶんもへっぽこどものたびについてくつもりだったのに、レベルがあがりすぎてやめたんだぞ!!」

魔法使い「誰に説明してるのよ…さあ、じゃあルイーダに戻るわよ。カソダタさんを酒場に送ったら、いよいよまた神竜の所へ行きましょう」

商人「やった!!あ、あと酒場に戻ったらあの人達の旅の話も聞きたいかな」

盗賊「へっぽこどものたびよりしんりゅーのおにくだぞ!!」

魔法使い「はいはい、なら私達が話を聞いてる間に貴方はご飯食べててね。じゃあ行きましょう――」

――夜、ルイーダの酒場

盗賊「ルイーダねえさん、ごはんー!!」バタン!

エルフ「あ、帰って来た」

勇者「あ、お帰りなさい皆さん!!」

商人「あ、勇者サマ。旅はどうでした?」

勇者「はい、大変でしたけど…でも楽しかったです!!」

ノレビス「勇者さんは立派でしたよー」

魔法使い「そう、それは良かったわね…貴方は浮かない顔ね」

兵士「ああ、勇者殿を連れ出したのがばれてな…減給3ヶ月だ…」フウ…

魔法使い「それは残念だったわね…旅は楽しくなかった?」

兵士「いや、それとこれとは別だ。楽しかったし…俺も少し変われた気がするよ」

魔法使い「ふーん…そう言われれば、なかなかいい顔になったわね」ジー

兵士「あ、ああ…な、なあ。お前に…言いたい事があるんだ…」

魔法使い「何?昔借りっぱなしの100ゴールドの事?」

兵士「いや、そうじゃない…その、なんだ、俺は、旅に出て気づいたんだ…やっぱり、好きだって…だから、その、俺と、ずっと一緒に…!」

ノレビス&商人(おお、いったー!!)

魔法使い「そう…本当に変わったのね…そんなに旅が、冒険が好きになったなんて…」

兵士「ああ…あ?い、いや、そうじゃない、そうじゃなくて…」

魔法使い「私達はもうそろそろ勇者殿と旅に出るから、ずっと一緒には旅できないけど…そうね、今から行くところに私達と一緒に行きましょう。さあ、そうと決まったら早速準備を…」

兵士「いや、違う、違うんだ…なあ、誰か分かるなら教えてくれ…何がいけなかったんだ…?」

商人「えーと…好きになったヒト?」

エルフ「くろうにんっていうよりふこうにんね…」

兵士「ここは…ここがアレフガルド…あのノレビス様が創った大地か…底抜けたりしないよな?」

商人「大丈夫ですよ!…たぶん」

兵士「あのヒトが創った物ってだけで不安になるが…なぜこの町に?」

魔法使い「何故って、貴方ねえ…そのせいなるナイフとかわのよろいで私達の旅に着いてくるつもり?」

商人「というわけで、ここで武器防具を揃えます!!」

兵士「なるほど…だが俺は金が…」

盗賊「ひじょーしょくがビンボーなのはしってるぞ!!かねはしょーにんがだすからきにしなくていいぞ!!」

商人「そういうわけです。あたし達、昨日1日で70000ゴールドくらい稼いでますから!!」

兵士「すげえな…」

魔法使い「じゃあまずはドラゴンシールドね。後は…ミスリルヘルムでも買っておきましょう」

商人「あれ?兜2つ買うの?」

魔法使い「ええ、私もミスリルヘルムにするわ。もうふしぎなぼうしが無くても魔力に困らないもの」

商人「あ、そっか、そうだね…良かったですね、お揃いですよ!」ヒソヒソ

兵士「あ、ああ…」

魔法使い「何こそこそ話してるのかしら…まあいいわ、買い物も終わったし、後は…」

――アレフガルド海上

盗賊「おー、うみのさち!!」

商人「今日はおっきなイカが捕れたね!!」

魔法使い「どう?こっちの海は」

兵士「どうって…凄まじい強さの魔物ばかりだな…なあ、本当に俺が付いていって役に立つのか?」

盗賊「いつでもひじょーしょくにするから…むがっ!?」モゴモゴ

魔法使い「ちょっと静かにしててね…貴方に望むのは回復係よ、はいこれ、けんじゃのいし」

兵士「これは…?」

商人「これを使えば魔法が使えなくてもみんなの傷を治せるんです!!あとこれ、せかいじゅのはも持ってて下さい!」

魔法使い「それは死者を生き返らせる事が出来る葉っぱよ。まあ、こう言っちゃ悪いけど、多分私達の中では貴方が最初に死ぬでしょうから、使う機会はないかもしれないけど…」

兵士レベル22「念のため、だな?で、今は少しでも生き延びるためのレベルアップって事か」

魔法使い「そういうことね。でもそろそろいいわ。後は目的地に行きながら仕上げにしましょう」

商人「4人なら結構いい線行くかもね!!」

兵士「本当に俺なんかが役に立つのかね…」

――360日目、謎の塔

商人「ここのモンスター、相変わらず強いね」

魔法使い「ええ、最近は戦闘を避けてきたけど…で、どう?ここの魔物は」

兵士「どうもこうも…お前達は本当に凄いよ…まさかこんな恐ろしい連中と戦ってるなんてな…」

商人「でも兵士さんもちゃんとついてこれてるじゃないですか!」

兵士「いや、2回死んだが…」

魔法使い「2回で済んだなら上出来じゃない。私達なんて何度も死んでるわよ」

兵士「そりゃあ一番後ろで守ってもらってりゃあな…」

盗賊「たまよけにもならないもんな!!」

魔法使い「もう、そういうこと言わないの。さあ、いよいよ目的地が近いけど…覚悟は出来た?」

兵士レベル28「覚悟、ねえ…俺の覚悟なんざ何の意味も無さそうだが…」

商人「大丈夫ですよ、きっと。たぶん」

盗賊「しんでもおにくになるんだからきにするなよ!!」バンバン

魔法使い「気にするでしょそれじゃ…じゃあ行くわよ…大丈夫、きっと忘れられない経験になるわ」

――謎の塔頂上

神竜「おお、お前達久しぶりだな」

商人「お久しぶり!!あたし達が来なくて寂しくなかった?」

神竜「なんの、しばらく来ないから死んだかと思っていたが」

盗賊「しんりゅーをまるやきにするまではしなないぞ!!」

神竜「お前は相変わらずだな…ん?なんだ、新しい男か?」

盗賊「こいつはひじょーしょくだぞ!!ふとももはステーキに、ゆびはきりおとしてくしやきに…」

商人「と、盗賊ちゃん、具体的な話は止めて…」

兵士「お、おい…本当にこんなでかい竜と戦うのか!?」

魔法使い「そうよ。大丈夫よ、見た目ほど大したことないから」

神竜「ほう…言ってくれるな。人数が増えれば早く倒せるとでも思ったか。だがそうはいかん、さあ来るがよい!!」ガオー

盗賊「ひさしぶりのしんりゅーにくだな!!ちぎるぞー!!」ガオー

――しんりゅうがあらわれた!!

魔法使い「さあやるわよ!…貴方はさっき話した通り回復に徹してくれる?」

兵士「ああ、了解だ」

商人「さーて…あたし、1つ試したいことがあったんだよね…モシャス!!」ドロン!

盗賊「おお!?しょーにんがとーぞくになったぞ!?」

盗賊?「はかいのてっきゅうをもってるとーぞくにモシャスでばけてはやぶさのけんでこーげきするとてっきゅうのこーげきりょくでにかいこーげきができるんだぞ!!てばやくおにくかいたいだぞ!!」

魔法使い「考えたわね。私は…メラゾーマ!!」ゴオオオ

しんりゅうはこごえるふぶきをはいた!!

兵士「くっ…しかし、けんじゃのいしで…」パアアア…

魔法使い「ええ、そのちょうしよ、頑張って!!」

盗賊?「よーし、にかいこーげきだぞ!!」ザクザク

魔法使い「どう?たくさんダメージ入る?」

盗賊?「んー、メラゾーマとあんまりかわらないぞ…」

盗賊「ならバイキルトもつかえば…」

しんりゅうのゆびさきからいてつくはどうがほとばしる!!

魔法使い「複数呪文をかけるのはリスクが大きいわね…」

しんりゅうはしゃくねつのほのおをはいた!!

兵士「ぐおお!?けんじゃのいしでも回復しきれな…」

しんりゅうはいっきにのしかかってきた!!兵士はしんでしまった!!

盗賊「あー!!ひじょーしょくがしんだぞ!!はやくかいたいして…」

商人「か、解体は神竜から先にしよ?ね?」

盗賊「そーだな、メラゾーマ!!」ゴオオオ

魔法使い「やっぱり倒れてしまったけど…回復で稼いだ時間は無駄ではなかったわ。メラゾーマ!!」ゴオオオ

――しんりゅうをやっつけた!!

神竜「――今回はなかなかだな、16ターンだ」

商人「16!?あと1ターン…」

魔法使い「惜しかったわね」

神竜「うむ、思ったよりもあの男が粘ったようだな」

魔法使い「ええ、ありがたかったわ。だからこそ15ターン以内を達成したかったけど…」

商人「うーん、でもこれで良かったのかもね。ここで達成しちゃうと…」

盗賊「したっぱのでばんがなくなってものがたりがハタンするな!!」

神竜「そうとも言えるな。見も蓋もないがな」

魔法使い「何の話をしてるのよ…でも、次回以降に希望が持てる戦いだったわ」

商人「そだね、回復だけしててもらっても十分助かるって分かったもんね」

盗賊「したっぱでもつかいみちがあったな!!」

神竜「ふん、しかしそう簡単に倒されてやらんがな。ではさらばだ」 ピカー…

――361日目、竜の女王の城

盗賊「よーし、じゃああとはひじょーしょくのかいたいだな!!」

商人「ま、待って!!魔法使いちゃん…!」

魔法使い「分かってるわ、ザオリク」ビカー

兵士「…ここは?」キョロキョロ

盗賊「なんだ、食べないのか…」

魔法使い「食べないわよ…ここは竜の女王の城よ。悪かったわね、死んだあとほったらかしにしてて」

兵士「いや、それはいいが…俺は役に立ったのか?」

商人「はい、すっごく助かりました!!」

魔法使い「おかげで回復呪文を1度も使わなくて済んだから、今までで一番早く倒せたわ。それに勇者殿がパーティーに入ってからの目処も立ったし…」

盗賊「あとはおにくになるだけだぞ!!」

魔法使い「お腹減ってるの?ご飯ならこれから宿屋に行くからそこでね?さあ行きましょう。でないと食べられちゃうわよ」

兵士「ああ、そうだな…あの竜との戦いが終わっても安全じゃないんだな…」

――362日目、ルイーダの酒場

兵士「ふう、帰って来たな…これでお役御免、でいいんだよな?」

魔法使い「ええ、助かったわ…どう?天界の冒険は」

兵士「いやあ、想像を絶する所だったよ。しかしまあ、役に立てたなら良かったよ」

盗賊「なんだ?もうひじょーしょくとはおわかれか?」

魔法使い「ええそうよ。またちょっとの間だけ3人で冒険ね」

商人「あれ?そろそろ勇者サマと一緒じゃないの?」

魔法使い「まだあと何日かあるから…最後にまた3人で神竜に挑んでみたいのよ」

盗賊「いままでのしゅーたいせーだな!!」

魔法使い「大袈裟に言えばそうね。という訳だから、早速行きましょう…もたもたして勇者殿に見つかったら連れてけって騒ぐでしょうから」

兵士「人には連れていかせて…」

魔法使い「ふふ、それもいい経験だったでしょう?さて、もうちょっとだけきのみをあつめてから行くわよ。少しでも強くなって行かないとね」

商人「分かった、じゃあ行こう!!…3人での旅もあと少しかあ…」

――363日目、海賊の家周辺

カソダタ「そろそろ勇者さんがパーティーに入るなら、私がお手伝い出来るのもあと少しなんですね…」

魔法使い「ええ、今までありがとうございます」

盗賊「べつにあんなしたっぱどーでもいーけどな!!」

商人「盗賊ちゃん、そう言わないの…」

魔法使い「まあ、最初のうちは鍛えてあげないといけないでしょうけど…」

盗賊「めんどーだな!!」

カソダタ「こらっ!今集めてる木の実も勇者さんのためなんですか?」

魔法使い「まあ、半々ね。私達も使いたいし…」

商人「今までより少しでも強くなって行かないとね!!」

魔法使い「ええそうよ。今回は特に集大成、だからね」

盗賊「しゅーたいせーにしんりゅーをたくさん食べてやるぞ!!」

商人「うーん、いつもとあんまり変わらない…?」

――ルイーダの酒場

ノレビス「皆さーん、大変ですよー」ヒック

兵士「ノレビス様、飲み過ぎですよ…何が大変なんですか?」

エルフ「どうせ酔っぱらった勢いでどうでもいいこと言うだけでしょ」

ノレビス「どーでもよくないてますよー?ほら、またあの人達が旅に出たじゃないですか」

兵士「ええ、それが何か?」

ノレビス「この物語の主人公兼メインヒロインの私が旅してないなんて、一大事じゃないですか!?そうでしょう!?」ヒック

エルフ「ほら、やっぱりどうでもいいじゃない」

兵士「ノレビス様、この話の主人公とメインヒロインは…」

ノレビス「私でーす!!ほら、今すぐ名前欄を変えて…あ、あれ!?」

エルフ「ああ、ぴったりじゃない」

ノレビス「そ、そんな事ありませんよ!!」

エルフ「はいはい、ノレビス様はメインじゃないんだから、迷惑にならないようにここで大人しくお酒飲んでてね」

ノレビス「そんな、ひどい…」

――364日目、謎の塔頂上

神竜「なんだ?今日は3人なのか?」

魔法使い「ええ、そしておそらく3人で来る最後の日になると思うわ」

商人「集大成だよ、集大成!!」

盗賊「さいごだからしっぽねっこまでちぎってくぞ!!」

神竜「そうか、3人は最後か。ご苦労だったな。まあしっぽはやらんがな」

盗賊「そういってちぎれなかったひはないぞ!!きょうもちぎるぞ!!」

神竜「ふん、今日こそ千切らせんわ!!さあ来るがよい!!」ガオー

商人「よーし、絶対記録こーしんだよ!!」

魔法使い「ええ、やりましょう!!」

――しんりゅうがあらわれた!!

――しんりゅうをやっつけた!!

神竜「今回はまあまあだな。19ターンだ」

商人「えー!?意気込みと裏腹に大したことない…」

盗賊「そーさミスでにげた1ターンがもったいなかったぞ!!」

商人「しーっ!でもそれを抜かしても18ターンだね…」

魔法使い「まあ、最初の35ターンを切れなかった時からすればずいぶん早くはなったのだけど…」

神竜「ああ、人間とは素晴らしいものだな。私も感服したぞ」

商人「あれ?なんかいい話の流れ…もしかして願い叶えてくれたり…?」

神竜「ははは、そんなに甘くはないぞ。人数を増やすと言うなら、増やしてからまた挑むといい」

盗賊「むー、ケチだな!!」

神竜「なんと言われようとも駄目だな。さあ、帰るがよい…」ピカー…

――366日目、ルイーダの酒場

勇者「あ、帰ってきた!!皆さんお疲れ様です!!あの…」

盗賊「なんだ?したっぱのはなしなんかどーでもいーぞ!!ルイーダねえさん、ごはんー!!」バンバン

勇者「だ、誰もあんたなんかに話してないんだから!!あ、あの、あたし今日、誕生日で、それで…」

魔法使い「ええ、知ってるわよ。おめでとう」

商人「おめでとーございます!!ルイーダさん、ケーキ、おっきいの!!」

盗賊「ケーキ!?とーぞくが食べるぞ!!」

魔法使い「これは勇者殿のよ。貴方のは別に頼んであげるから…」

盗賊「したっぱのものはとーぞくのものだぞ!!ルイーダねえさん、ケーキ2つ!!」バンバンバンバン

勇者「ちょっ、今日はそういう話じゃなくて…!わたし、やっと正式に旅が出来るようになったんです!!だから…」

魔法使い「分かってるわ。今日から連れてってあげる」

勇者「ほ、本当ですか!?あ、ありがとうございます!!」

魔法使い「でも、大変な旅よ。分かってるとは思うけど…」

商人「そうそう、それに魔法使いちゃんスパルタだし!!」

魔法使い「そんな事はないけど…」

盗賊「したっぱには…モグモグ…きびしくするのが…モグモグ…とーぜん…」モグモグ…

商人「あ!?盗賊ちゃん、それ勇者サマのケーキ!!」

盗賊「ん?はなししてて食べないみたいだからかわりに食べてやったぞ!!」

魔法使い「貴方ねえ…全く、まあこんなものよ。スパルタならこの子はこんなじゃないはずだもの、大したことないわ」

商人「これでもだいぶしつけられたけどね…」

盗賊「あしひっぱったらすぐひじょーしょくだからなしたっぱ!!」

勇者「非常食!?何よ、あんたなんかすぐ追い越してやるんだから!!」

魔法使い「それはなかなか難しいと思うけど…とにかく、今日から一緒よ勇者殿。歓迎するわ」

商人「よろしくお願いします、勇者サマ!!」

勇者「はい!!こちらこそ!!わたし頑張ります!!」

盗賊「がんばったらおにくかたくなるからほどほどでいーぞしたっぱ!!」

勇者「お肉!?ふ、ふんだ、絶対食べられてなんかあげないんだから!!」

――367日目、ガルナの塔

商人「で、今日はガルナの塔で種集めながらレベル上げだね?」

魔法使い「そのつもりだったけど…」

盗賊「おやぶんがいないとくちぶえがかりがいないな!!」

魔法使い「そうなのよね…って前も同じことしたわよね…」

勇者レベル13「で、でもレベル結構上がりましたし…」

魔法使い「本当ならもっと手早く上がってたのよね…場所を変えようかしらね?」

商人「じゃあもっと上のほう行く?確かメタルが出たはずだよね」

魔法使い「いえ…確かにメタルは魅力的だけど、メタルを倒すためにいちいち武器を持ち替えるのが手間なのよね」

盗賊「あいつら食べれないしな!!」

魔法使い「メタルを倒すにしても、もっとまとめて出るような所に…そうね、じゃあ場所を変えましょう。勇者殿も良いかしら?」

勇者「はい!!わたし、強くなれるならどこでもいいです!!」

魔法使い「じゃあ行きましょう。あまり行かない場所だけど…悪くないはずよ」

――368日目、サマンオサ北東部

商人「えーと…ここっていつかの種集めツアーの時に来たよね?」

魔法使い「ええ、ここはグリズリー、コング、そしてメタルが出るの。重要なのはメタルが必ず8匹で出るって事ね」

盗賊「ついでにたねもあつめれるしな!!」

魔法使い「そう、だからここでしばらくレベル上げをしてみましょう」

勇者「な、なんだかここの魔物、強そうです…」

盗賊「このてーどでびびるなんてやっぱりしたっぱはへっぽこだな!!」

勇者「へっぽこ!?誰が…」

商人「もー、ケンカしないの!!」

魔法使い「そうよ。ただ、盗賊の言い方はあんまりだけど、言ってることは間違ってはないわ。ここに出る魔物よりずっと強い魔物と、これから戦っていかなければいけないわ」

勇者「ずっと強い…だ、大丈夫です!わたし、もっともっと頑張りますから!!」

盗賊「ダメになったらすぐおにくだぞしたっぱ!!」

商人「もう、盗賊ちゃん!!」

魔法使い「まあ、そんな魔物とも戦えるようになるために今こうして経験を積んでるのだから、音を上げなければ必ず強くなれるわ。音を上げなければね…」フフフ…

商人「こ、怖いよ魔法使いちゃん…」

――ルイーダの酒場

エルフ「ねえ、あの人間達だけどさ…レベル上げのついでに種集めもするならレベル99の誰かをここに置いて盗賊をもう一人連れてった方が良いんじゃないの?」

ノレビス「うーん、貴方の言うことは間違ってはいないけど、あの人達はそんなに効率とか考えてなさそうですよね」

兵士「まあ、商人なんか商人→僧侶→商人→賢者→商人なんて転職してますからね。しかも商人→賢者の時はもうレベル97まで上がってたらしいですし…」

エルフ「はあ!?バカみたい」

ノレビス「そうですね、私と違っておバカさんだらけです!!」

エルフ「…違って?」

兵士「あー、そ、そうだ、何故366日目なのかという所ですが…」

ノレビス「ああ、あれは364日目に神竜と戦って下界に飛ばされて365日目、宿屋に泊まって366日目です」

エルフ「そういう意味で聞いたのかな?勇者を仲間にするのは365日目なんじゃないの?って事を聞きたかったんじゃない?」

ノレビス「あー、それならですね、魔法使いさん達が旅だったのが勇者さんの15歳の誕生日だったんですよ。で、その日が1日目なんで…」

エルフ「次の誕生日は366日目って事ね」

ノレビス「そう、そういう事なんです!!…そういえば勇者さんの誕生日に旅立ったとは書いてませんでしたね…」

エルフ「まあ、書き忘れとかはいつもの事だし」

ノレビス「と、そういう事です。納得していただけましたでしょうか?」

――369日目

魔法使い「さて…勇者殿、レベルはどのくらいになったかしら?」

勇者レベル19「えっと、19です」

盗賊「しょせんしたっぱだな!!」

勇者「ぐっ…待ってなさいよ、すぐに…」

商人「うーん、80差はすぐにって訳には…」

魔法使い「そうね、今は焦らずレベル上げをすべき。とはいえ、ここもそろそろ終わりかしらね」

盗賊「つぎはどこいくんだ?」

魔法使い「次はもちろん神竜よ」

商人「ええー!?早すぎない?」

魔法使い「ええ、だから竜の女王の城から洞窟に行って、そこから歩いて神竜の所まで行ってみましょう。そうすればそのうちレベルも上がるはずよ」

商人「だ、大丈夫かなあ…」

魔法使い「大丈夫よ。それに、強くなるためには多少の無茶もしないとね」フフフ…

――370日目、謎の洞窟

盗賊「ここは食べるのたくさんだな!!かにはにて、ドラゴンはやきにく、マーマンはさしみ…」ジュルリ

魔法使い「楽しそうね…勇者殿は楽しんでる?」

勇者「と、とてもじゃないですけど、死なないだけで精一杯です…」

商人「だよね…」

盗賊「やっぱりしたっぱはへっぽこだな!!」

勇者「ぐっ…悔しい、言い返せない…」

魔法使い「だから焦ってはいけないわ。ここに来てレベルも上がったでしょう?」

勇者レベル26「はい、そうですけど…」

魔法使い「力はちゃんと付いてるわよ。道は遠く感じるかもしれないけど、大丈夫。私達も付いているしね」

商人「そうそう、大船に乗ったつもりでいてね!!」

勇者「…商人さん、前もそんな事言っておきながらラダトームの祝賀会抜け出したじゃないですか…」

商人「え?そうだっけ…えへへ」

魔法使い「全く…発言には気を付けなさいよ。本当、おちょうしものなんだから…」

――謎の塔頂上

神竜「ほう、また別の仲間を連れてきたのか」

勇者「こ、これが神竜!?こ、こんな…」

商人「…なんか、似たような反応を少し前にも見たような…」

神竜「ふむ、お前が勇者か?なるほど…ならばこの者がお前達の…」

魔法使い「ええ、まあそういう事ね」

勇者「…?魔法使いさん?」

魔法使い「何でもないわよ。何よりまずは神竜を倒さないといけないわ。勇者殿、準備は出来てる?」

勇者「は、はい!!わたし、いつでも大丈夫です!!」

盗賊「あしひっぱるなよしたっぱ!!」

商人「よーし、じゃあ行くよー!!」

――しんりゅうがあらわれた!!

勇者「えっと、じゃあこのけんじゃのいしっていうのを使ってればいいんですね?」

魔法使い「ええ、とにかくずっとそれを使っていればいいから…」

しんりゅうはしゃくねつのほのおをはいた!!

勇者「わ、す、すごい…!け、けんじゃのいし!!」パァァァ…

商人「そうそう、その調子!!」

盗賊「しんだらおにくだからなしたっぱ!!」

勇者「なによ、死んだりなんか…死んだりなんかしないからね!!」

魔法使い「ふふ、頼もしいわね。さあ、ここからよ!!」

――しんりゅうをやっつけた!!

盗賊「なんだ、けっきょくしんだなしたっぱ!!」

商人「棺桶に文句言わないで盗賊ちゃん…」

神竜「ふむ、今回は17ターンだな」

魔法使い「17ターンか…やっぱり3人で挑むよりは早くなるわね」

盗賊「でもこのまえのほうがはやかったぞ!!したっぱはひじょーしょくいかだな!!おにくにするぞ!!」

商人「ま、待って盗賊ちゃん、勇者サマはこれからだから…ね?」

魔法使い「そうよ、次はきっともっと早いわ」

神竜「ふん、だといいがな。ではさらばだ…」ピカー

盗賊「またすぐしっぽちぎりにくるからな!!」ピカー…

――372日目、ノアニールの宿屋

勇者「はあ…すみません、お役に立てなくて…」

盗賊「ホントだな!!おにくだおにく!!」

商人「もう、盗賊ちゃん!!大丈夫、あたし達だって何回も挑戦して、上手くいってないんだから」

魔法使い「そうよ、いきなり上手くいきすぎたら私達は何をやってたの?っていう事になるし…」

勇者「次は…次は頑張りますから!!」

魔法使い「ええ、また頑張ってもらうわ。頑張っていれば、いつか必ず結果は付いてくるはずよ」

盗賊「おにくになりたいならがんばらなくてもいーんだぞ!!むしろおにくになれ!!」

勇者「だ、誰が!!次にはあのドラゴンを倒して、あんたにでかい顔出来なくしてやるんだから!!」

商人「あはは、頑張ってね勇者サマ!!…でも、神竜を倒して目的を果たしたら、この旅も本当に終わっちゃうんだよね…」

魔法使い「そうね、きっとあと少しで…」

――372日目、謎の塔

商人「…で、またすぐに神竜と戦うんだ…」

魔法使い「すぐじゃないでしょう?今回も洞窟を歩いてここまで来たわ」

盗賊「したっぱ、ちょっとはつよくなったのか?」

勇者レベル38「当たり前よ!!ベホマズンだって覚えたんだから!!」

盗賊「そーか、いたみのすくないおにくになれるな!!」

勇者「なんでそうなるのよ!?」

商人「うーん、どうやったら盗賊ちゃんが勇者サマをお肉として見なくなるんだろう…?」

魔法使い「それは…厳しいようだけど、結果を出さないとね。でも、きっとすぐに出せると思うわよ」

勇者「はい!!今度は前よりもずっとやれそうな気がするんです!!」

盗賊「きがするだけじゃダメだぞしたっぱ!!ちゃんとけっかをだせよ!!」

勇者「わ、分かってるよ!!」

魔法使い「なんで貴方は勇者殿にそこまで厳しいのよ…」

――しんりゅうをやっつけた!!

商人「うわ、もう終わったの!?」

神竜「今回も17ターンだな」

魔法使い「変わり無し、か…盗賊?駄目よ、勇者殿の棺桶に落書きなんかしちゃ。何を書いてるの?」

盗賊「…かいたいぎょうしゃあて、このおにくをかいたいしおわったらルイーダのさかばまで…」

商人「ダメー!!それはだめ!!」

盗賊「なんでだ!?じかんはちぢまらないし、とさつじょうってかいたらみんなどんびきだとおもってオブラートにつつんだんだぞ!!」

商人「今更オブラートに包んでもどうしようもないよ!!」

魔法使い「突っ込む所そこじゃないでしょ…ねえ盗賊、勇者殿は次また強くなるわ。だから…」

盗賊「うー、まえもそういったぞ…」

商人「今度こそ、ね?」

盗賊「んー…わかったぞ、おにくはもうすこしまってやるぞ!!いのちびろいしたなしたっぱ!!」

魔法使い「今すでに死んでるけどね…」

――374日目、謎の塔

勇者「うう…わたし、足引っ張ってばっかりですよね…」

盗賊「はんせいのことばなんていらないぞ!!けっかをだすんだぞ!!」

魔法使い「だからなんで貴方はそんなに厳しいのよ…ねえ勇者殿、私達3人だけで神竜に挑んだ時は18ターンが限界だったのよ」

商人「それが今では17ターンだからね!!足引っ張ってなんかいないよ!!」

盗賊「ひじょーしょくのほうがやくにたったけどな!!」

魔法使い「もう、そんな事言わないの!それに今回は、今回こそはレベルも万全よね?」

勇者レベル42「は、はい。今度はギガデインも覚えました。でも…」

商人「だーいじょーぶ!!今度こそ上手くいくって!!ね、魔法使いちゃん?」

魔法使い「そうよ、今度こそ神竜をぎゃふんと言わせてやりましょう」

盗賊「しっぱいしたらこんどこそとさつじょうだぞしたっぱ!!」

勇者「そ、そんな所に行かないんだから!!絶対あんたをぎゃふんと言わせてやる!!」

商人「うん、相手を間違えないでね?」

――謎の塔頂上

神竜「またお前達か、性懲りもなく…ん?」

勇者「え?えっと、わたしが何か…?」

神竜「お前が…そうか、少し読み違えたのかもな」

勇者「???えっと…?」

魔法使い「大丈夫よ、勇者殿…神竜、約束は果たしてもらうわよ」

盗賊「そーだぞ!!おにくだぞ!!」

商人「そんな約束じゃなかったよ!?」

神竜「ふん、あの願いの話だな?良いだろう、ただし…そちらも15ターン以内の約束は果たしてもらうがな!!」ガオー

魔法使い「もちろんよ。今度こそきっと…さあみんな、やるわよ!!」

――しんりゅうがあらわれた!!

勇者「えっと、とりあえず今までと同じような感じで良いんですか?」

魔法使い「そうね、でも一番最初に1発大きいのを撃って驚かせてやりましょう」

商人「あ、勇者サマ専用呪文だね!」

盗賊「しっかりやれよしたっぱ!!」

勇者「分かってるよ!!――それは光、それは輝き、それは力、それは勇気――雷光一閃、敵を討て!!ギガデイン!!」ビガー

商人「おおおー!?さ、さすが勇者サマ呪文!!」

盗賊「おー、なかなかだなしたっぱ!!」

魔法使い「素晴らしいわ!さあみんな、私達も続くわよ!!」

商人「おー!!今度こそやるよー!!」

盗賊「よーし、やきにくだ!!メラゾーマ!!」ゴオオオ…

商人「あたしもメラゾー…」

しんりゅうはしょうにんをにらみつけた!!商人はねむってしまった!!

商人「ふにゃ…せくしー…こまんどー…?」

盗賊「ま、まほーつかい!!しょーにんがあさってのほーに!!」

魔法使い「明後日…?でも眠らされるのは良くないわね、これで火力が足りなくなると…勇者殿、体力に余力は?」

勇者「は、はい!!わたし、今は余裕があります!!」

魔法使い「それなら攻撃に回って!攻撃の手を緩める訳にはいかないわ!」

勇者「分かりました…!それっ、ギガデイン!!」ビガー!!

盗賊「よーし、とーぞくはメラゾーマ!!」ゴオオオ…

魔法使い「いいペースよ!…貴方もそろそろ起きなさい」

商人「オクレにいさ…あれ?えっと…わ、神竜!?」

盗賊「おー、あさってからかえってきたな!!」

魔法使い「いったいどこに行くつもりだったのよ…」

勇者「で、でも攻撃に回った分体力が…」

盗賊「なんだ、だらしないな!!」

魔法使い「仕方ないでしょ。それに、勇者殿にはそんな時のための呪文もあるわよね?」

商人「あ、ベホマズン?この前は結局使わなかったよね?」

魔法使い「あの呪文は自分自身の体力もある程度ないと真価を発揮しないから…でも、今なら大丈夫よ!」

勇者「は、はい!!癒しの力よ、群れし天使の如く輝け!!傷つきし我等の頭上で煌めき、力と勇気を今一度――ベホマズン!!」キンキラキンキラ

商人「わ、すっごい!!全員ベホマだ!!」

盗賊「またおいしそーになったなしたっぱ!!」

勇者「だからその為の呪文じゃないからね!!」

魔法使い「ほら、ケンカしない!!それよりあと一息よ、メラゾーマ!!」ゴオオオ…

商人「うん、メラゾーマ、メラゾーマ!!」ゴオオオ…

勇者「もうちょっとなら…ギガデイン!!」ビガー

盗賊「おお!?しんりゅーが…」

――しんりゅうをやっつけた!!

神竜「なんと!!私がたったの14ターンで倒されてしまうとは…!」

商人「14!?や、やった、やったよみんな!!」

魔法使い「ええ、勇者殿のおかげよ。ありがとう」

勇者「そ、そんな、わたしなんて…」

盗賊「きょうくらいはむねをはっていーぞしたっぱ!!」ポンポン

勇者「な、何よいきなり…そんな…いきなり優しくなったって…」ウルッ

商人「あはは、盗賊ちゃんもたまには良いこというじゃん!!あー、でもついにやったね…」

魔法使い「もう何ヵ月ここに通い続けたかしら…でも、ついに…」

盗賊「ねがいごとをかなえてくれるんだよなしんりゅー!!」

神竜「ああ、約束だからな。その者が、勇者がそこまで力を付けたのは計算外だったが…約束を破る訳にもいかんからな」

勇者「約束…?そういえば、願い事って何なんですか?わたしと何か関係が…?」

神竜「なんだお前達、本人にはまだ話してないのか?」

商人「え?えーと、まあ、なんとなく話すタイミングを逃しちゃって…」

魔法使い「私達の願いはね勇者殿、上の世界と下の世界が行き来出来なくなっても、勇者殿だけは行き来出来るようにして欲しい、よ」

勇者「え…?ど、どういう事ですか…?」

――遡って309日目、謎の塔頂上

魔法使い「――じゃあこういうのはどうかしら?この3人以外の誰かを両方の世界行き来自由にしてもらう、というのは…」

商人「あたし達以外の…あ、もしかして勇者サマ?」

盗賊「えー、したっぱのためにねがいごとするのか?」

魔法使い「そんな事言わないの。もしこの願い事で良いなら貴方にはごちそうをたくさん食べさせてあげるわ」

盗賊「おー!!じゃあしたっぱのためにひとはだぬぐぞ!!」キャッキャッ

商人「ゲンキンだねー…でもなんでその願いなの?」

魔法使い「だって可哀想じゃない。せっかくお父さんを生き返らせたのに、また離ればなれなんて…」

商人「あー、確かにそうだね…」

神竜「勇者か…確かに今は無力に等しい存在のようだが、勇者である以上はいずれ…」

魔法使い「あら?私達以外の人間も脅威なの?神竜っていっても大したことないのね」

盗賊「へっぽこだな!!」

神竜「ぬうう…良いだろう、その挑発にのってやろう。どうせ15ターンを切らねば願いを叶えてやらんのだからな」

盗賊「よーし、やくそくだな!!ゆーびきーりげーんまーん、うーそつーいたーらはーりせーんぼーんのーましてしっぽきってひげきってあたまきってゆーびきーった!!」

商人「そんな指切り聞いたことないよ!?」

魔法使い「と、いうわけだから…」

盗賊「さあねがいをかなえるんだぞしんりゅー!!かなえなかったら食べるけどな!!…あれ?かなえないほーがいーのか?じゃあかなえなくていいぞ、食べるぞ!!」

商人「盗賊ちゃん、ごちそう、ごちそう!」

盗賊「あー…じゃあかなえてもらってから食べるぞ!!」

魔法使い「滅茶苦茶じゃない…」

勇者「な、なんでここまでしてくれるんですか?わたしなんて、なんにも…」

魔法使い「だって、その方が良いでしょう?」

商人「そうそう、そっちの方が絶対良いって!!」

勇者「そんな…」

盗賊「とーぞくはどっちでも…ムガッ!?」モゴモゴ…

魔法使い「ほら、盗賊も賛成してるわ」ニッコリ

勇者「あ…ありがとうございます…何から何まで…本当に、本当にありがとうございます!!」

商人「いーって、好きでやってる事だし!!」

神竜「ふん、こんなに他人のためだけに願いを使う人間は初めてだ。人間というのもなかなか面白いな…では願いを叶えてやろう…ああ、ついでに商人よ、お前は何故かまだセクシーギャルになってないようだからな、オマケでこのエッチなほんをやろう。遠慮なく受け取るがいい。ではさらばだ…」ピカー…

商人「え!?い、いらないよ、もうそんなの――」ピカー…

――375日目、アレフガルド

商人「あれ?ここってアレフガルド?今回はこっちに飛ばされたんだ。って事は…」

魔法使い「ええ、いよいよ上の世界に行けなくなったみたいね。ルーラでも無理なようだし…」

勇者「そんな事ないですよ!!わたし、行けそうな気がします!!それ、ルーラ!!」パラララ!!

ギュイーンギュイーン…

盗賊「あー、したっぱだけとんでったな…」

魔法使い「まあこうなるでしょうね。あの子しか行き来出来ないはずだもの…」

商人「やっぱり無理かあ…あたし達の旅もここまでだね。長かったような短かったような…」

魔法使い「私はあっという間だったわね、終わってみればだけど…ねえ、これからどうしようか?」

商人「これから?あたしはとりあえず…」

盗賊「なあなあ、しんりゅーからもらったじんにくカタログつかわないのか?」

商人「つ、使わないよあんなの!!」

魔法使い「あら、またセクシーギャルになれるチャンスじゃない」ニヤニヤ

商人「使わないよ!!そもそもせくしーだいなまいつなあたしがせくしーぎゃるになっても、カフェオレにクリープ入れるようなものだし!!」

盗賊「あー、ただのみずにクリープいれてもおいしくなさそうだな!!」

商人「ど、どういう意味よ!?」

魔法使い「まあ、貴方はまだセクシーギャルじゃないって神竜も明言してたしね」

商人「あ、あれは神竜に見る目がないだけだし!!しょせんトカゲにはあたしのミリョクは分からないよ!!」

魔法使い「はいはい。で、これからどうするの?そういえば貴方、こっちでも町が作りたいって言ってたわね」

商人「そうそう、あたしはまた町作りしたいな!魔法使いちゃんは?」

魔法使い「そうねえ…弟子でも取りながら、呪文の研究も悪くないわね」

商人「うわー、魔法オタク…あれでしょ魔法使いちゃん、何十年後かに新しい勇者サマがまた旅だった時、どこかのほこらで重要アイテム渡すヨボヨボのお爺さん役やるんでしょ?」

魔法使い「なによそれ…そもそもお爺さんにはなれないわよ。盗賊は?」

盗賊「んー、とりあえずおなかへったぞ!!」

商人「あはは、前も聞いたねその台詞!!」

魔法使い「最後まで食べることばっかりね貴方は…そうそう、竜の卵の世話も忘れないのよ」

盗賊「おー!!ドラゴンのおやこどんつくるぞ!!」

商人「まだ親子丼諦めてなかったんだ…でも親子丼はまだまだ先だろうし、とりあえずはどこでなに食べよっか?あたしは…」

とうとう終わっちゃうのか、もうビーネタでいじれなくなると思うと寂しくなるな(もうみんなの活躍が見れなくなると思うとさみしくなるな)

――少し前、精霊のほこら

ルビス「ただいま帰りました~」

精霊「あ、お帰りなさい!」

エルフ「あー、やっと帰って来れた…」

精霊「貴方もお疲れ様。それで、あっちはどうでした?」

ルビス「ええ、お酒がとっても美味しかったです!」

エルフ「え、冒険の事とか聞かれたんじゃないの?」

精霊「そうですか、私もいつかあっちの酒場に行ってみたいです」

エルフ「お酒の話題で良いんだ…」

ルビス「うーん、でももうあっちには行けなくなったんですよね。まあ私程の者になればたまに行ったり来たり出来ますけどね!」

精霊「さすがルビス様!」パチパチパチ

エルフ「…ふうー、またこのユルい日常が始まるのね…これが良いのか、それとも魔物の帰り血に塗れた日々が良かったのか、それとも酒場の喧騒か…うーん…」

――数ヶ月後、アッサラーム北部

兵士「さて…いよいよ以前は行けなかったアッサラームへ再挑戦だな。今度こそは…」

武闘家「兵士さん!お昼が出来たそうなのです!!食べましょう!!」

兵士「ん?ああ、今行く」

武闘家「ここを南に下ればアッサラームという町なのですね?そこに何か手掛かりがあると良いのですね、下へ行くための!!」

兵士「ああ…だがまあ、そう簡単に見つかるとは思ってないさ。あればそれに越したことはないがな」

武闘家「兵士さんは、愛する人にもう一度会うために旅をしてるんですよね!!たまに酒場に来る自称精霊の変なヒトが喋ってたのです!!」

兵士「…ノレビス様か…余計な事ばかり喋って…」

武闘家「で、で、どんな人だったのです?やっぱりボン!!キュッ!!ボーン!!な人だったのですか?」

兵士「いや、全然そんなじゃないが…なんでそう思ったんだ?」

武闘家「違うのですか?だって…」

戦士F「おい、早くたべるぞ!!」

僧侶E「何をモタモタしてるんですの?」

武闘家A「ああいう人が好きで仲間にしたのかと…」

兵士「あのなあ…旅に出たいって言うのがたまたまあいつらだったから仲間にしただけだよ…ったく、旅に出てからというもの、女に悩まされてばかりだな………あいつは、あいつらは今、何してるかな…」

――同じ頃、アレフガルド、ラダトーム北西

商人「あ、二人とも久しぶり!!どう?あたしの作った二つ目の町!」

魔法使い「私達の旅が終わってから何ヵ月経ったかしら?相変わらずあっという間に町を作るのね…」

盗賊「さすがしょーにんだな!!」

商人「へっへー!!でもこれでもゆっくり作ったんだよ、前回の反省を生かして…」

盗賊「くさいごはんたべたもんな!!」

商人「うう…まあね…」

魔法使い「まあ、あれもこれもいろいろあっての貴方だものね。それより、私は盗賊が連れてきた生物が気になるのだけれど…」

商人「うん、あたしも…それってもしかして…」

盗賊「おー!!りゅーおーだぞ!!」ナデナデ

竜王「グルルルル…」

商人「ちょ、ちょっと怖いんだけど…」

盗賊「そんなことないぞ!!ちゃんとあいさつもできるぞ!!」

魔法使い「へえ、貴方がしつけなんかするのね。じゃあ挨拶させてみてよ」

盗賊「よし、あいさつするんだぞりゅーおー!!」

竜王「グルルルル…ショーニン、タベル…」

商人「挨拶じゃないじゃん!!てゆーか喋るの!?」

魔法使い「まあ、喋る事自体は不思議ではないわね。竜の女王様も喋ってた訳だし…でもこの子、生まれたばっかりよね?」

盗賊「りゅーおーはかしこいんだぞ!!とーぞくといっしょだぞ!!」

商人「ああ、うん、そっかあ…」

盗賊「さっきもいっしょにかりしてきたんだぞ!!ほら、キメラにく!!」ドサドサ

商人「キ、キメラ肉!?おいしいのこれ!?」

魔法使い「ああ、確か前にこの子が言ってたけど、キメラは合成魔獣だから…」

盗賊「ぶいによってあじがちがうんだぞ!!」

商人「へ、へえー…それはおいしそうだね…でもさ魔法使いちゃん、こうやって仲良く狩りに行ったりしてるなら…」ヒソヒソ

魔法使い「ええ、親子丼は諦めてくれるかもね…」ヒソヒソ

盗賊「そーいえばまほーつかいはいまなにやってるんだ?ごはんちゃんと食べてるのか?」

魔法使い「貴方も他人のご飯を心配するようになったのね…私はこの前も言った通り、呪文の研究をしながら…」

商人「未来の勇者サマに渡す重要アイテムを用意してるんだよね!!」

魔法使い「そんなわけないでしょ…と言いたい所だけど、将来の脅威に対する備えは必要よね」

商人「やっぱり!!じゃあヨボヨボのお爺さんにならなきゃね!!」

魔法使い「だからなんでそうなるのよ…別にお爺さんじゃなくても良いでしょ。それより、今の姿のまま何百年も、なんて方がミステリアスで良いかもしれないじゃない」

商人「えー!?そんな事出来るの!?それあたしも欲しい!!」

盗賊「おにくのちょーきほぞんができるな!!とーぞくもほしいぞ!!」

魔法使い「出来ないわよ、今は…だからこれからいろいろ研究するんじゃない」

商人「なるほど、頑張ってね!!応援してるよ!!あたしのアンチエイジングの為にも!!」

魔法使い「そんな事の為に研究するわけじゃないわよ…」

魔法使い「それより貴方はどうするのよ?もうすぐ町も作り終わるんでしょう?」

商人「あー、皆さんにお集まり頂いたのはその件なんですが、実は…」

盗賊「ついにとーぞくのためにおにくになるんだな!!ありがとうだぞ!!」

魔法使い「か、感動だわ…盗賊から初めてありがとうって聞いたわ…」グスッ

商人「そんなわけないからね!?あのさ、この前ルビス様が来てさ、なんでもこのアレフガルドの外側にもっと世界を拡げるんだって!!」

魔法使い「ルビス様が?さすがにやることのスケールが違うわね」

盗賊「えー、ホントにルビスさまにそんなことできるのか?」

魔法使い「そうねえ、あの人の醜態を知ってる身としては疑いたくもなるけど…商人、それで?」

商人「でさ、新しく拡げるって事は、まだ誰も行ったことない場所だよね?だからまたみんなでさ…」

盗賊「おー、ぼーけんか!!」

魔法使い「なるほど…面白そうね。じゃあ町が出来たら行ってみましょうか?」

商人「うん!!また3人で冒険だね!!」

盗賊「こんどはりゅーおーもいっしょだぞ!!」

商人「あ、そっか、そうだね…あたし達、食べられないよね?」

魔法使い「大丈夫じゃない?…多分」

商人「あ、3人でって言ったけど、勇者サマはどうしよう?」

魔法使い「そうねえ…勇者殿は上と下の両方で仕事があって大変そうだわ。今日だって…」

勇者「す、すみません!!皆さん集まるって行ってたのに、忙しくて…」

商人「あー、確かにそうだね…」

勇者「え?なんですか?」

盗賊「なんでもないぞ!!したっぱはしらなくていいことだぞ!!」

勇者「ま、またしたっぱしたっぱって…!」

魔法使い「ほら、喧嘩しないのよ。仕方ないわね、勇者殿はそういう星のもとに生まれてきたんだもの。ね?」

勇者「え?え?ど、どういう…?」

盗賊「したっぱはいつまでもしたっぱってことだぞ!!それよりおなかへった!!したっぱおにくでごはんだぞりゅーおー!」

竜王「グルルルルー!!」

勇者「わだから食べられないからね!!…ってなにこのドラゴン!?」

商人「あー、これは竜王ちゃんって言ってね…ってああもう、喧嘩しないの二人とも!!」

魔法使い「本当、いつまでたっても仲良くならないのね。それとも喧嘩するほど、かしら?…さて、私達もご飯にしましょう。もうすぐ始まる新しい冒険に備えて、ね…」

――おしまい

お疲れ様
面白かったよ、ホント食べられた事かwww
次もあるなら期待してるよ

魔法使い「…思えば、去年の10月位から旅を続けてきて、そろそろ10ヵ月にもなろうかとしているわ。長い間読み続けてくれた皆様、どうもありがとうございました」

商人「ありがとうございました!!感謝感激です!!」

盗賊「そろそろおいしいおにくになったか?」

商人「だから食べようとしちゃダメ!!…それにしても、良く続いたよね…」

盗賊「めんどくさがりなのにな!!」

魔法使い「まあ、面倒臭がりだから1日にちょっとずつしか進まなかったんだけどね…」

商人「前にも言ったかもしれませんが、やっぱり読んでくれる人がいてこそです!!誰も読んでくれてなかったら、多分2ヶ月も続かなかったはず…」

魔法使い「中途半端だけは嫌だから、読んでくれる人がいる限り最後まで書こう、ってね」

盗賊「ならさいごまでぜんいんのこさず食べていいんだよな!!」

魔法使い「なんでそうなるのよ…」

商人「でも、このスレで終わって良かったね!!700位からちゃんと収まるかなあ…って心配してたけど」

盗賊「ぜんぶしんりゅーがしぶといのがわるいんだぞ!!やっぱりあたまからしっぽまで食べるべきだったんだぞ!!」

魔法使い「でも、終わってみればちょっと余ったけど大体良い感じに収まったわね」

商人「さて、名残惜しくはございますが…」

魔法使い「書きたい事はほとんど書いたから、他にもう書くことも思い付かないわね。そろそろお別れを…」

盗賊「じゃーな!!おいしかったぞ!!」

商人「やっぱり食べちゃったの!?あー、じゃあもう誰もいないかもしれないけど…」

魔法使い「そうね…こういう時、よく『またいつか!』なんて挨拶する人がいるけど…もう2度と会えないのが分かってるのにそう言うのは嫌いなのよね」

商人「うーん、じゃあなんて挨拶しよっか?」

魔法使い「それはもちろん…」

魔法使い&商人&盗賊「またいつか!!」

商人「というわけで、後は皆さんのご想像にお任せします!!」

魔法使い「そうね、未来はどうなるか分からないし…」

盗賊「どーせまたすぐざつだんしにもどってくるんだぞ!!」

商人「また身も蓋もない…」

ようやく追いついたけどもう終わりなのか

商人「そしてまたすぐ戻って来ちゃうんだよね…」

盗賊「いつかっていまか?」

魔法使い「そういう訳じゃないけど…それより、未だに最初から追いついてくれたなんて人もいるのね」

商人「嬉しいよね。そういう人達に支えられてあたし達の旅も…」

盗賊「じゃあ>>931も食べていいんだな?」

魔法使い「何がどうなってそうなるのよ…」

盗賊「ん?よんでくれてるって食べてもいいってことじゃないのか?」

商人「だからなんでそうなるの!?そんなわけないじゃない!!」

魔法使い「そうよ、でもまあ>>926辺りは食べても大丈夫なはずよ」

商人「はずってどういう事!?」

盗賊「おー!!じゃあ>>926から食べて、>>931はれーとーしておくぞ!!」

魔法使い「結局食べるのね…」

商人「そういえば、竜王ちゃん誕生秘話が新しいドラクエで語られるかもしれないっていうけど…」

魔法使い「もしそれが本当なら、竜王は親子丼にされずに済んだのね。良かったわ」

盗賊「このはなしはフィクションだからじっさいのれきしとはいっさいかんけーなくりゅーおーはおにくかもしれないぞ!!」

魔法使い「まあ、盗賊はああ言ってるけど、大丈夫なはずよ、大丈夫…」

商人「うん、大丈夫、だよね…?あ、あとさ、あの兵士さん、また旅に出たってね!こっちの世界を目指してるって!」

魔法使い「ええ、ルビス様の話では、セクシーな女の子をたくさん侍らせているそうじゃない。彼もなかなかやるわね」

商人「…えーと、あのさ魔法使いちゃん、あの人がアレフガルドを目指してる理由って…」

魔法使い「ルビス様に会いたいんじゃないの?それともあのエルフの方かしら?あの人が異性にそんなに積極的だったっていうのは意外だったわね」

商人「あーうん、なんか違う、ううん、何もかも間違ってる…」

魔法使い「どういう事?」

盗賊「あのひじょーしょくはまほーつかいを食べにこっちにくるんだぞ!!」

魔法使い「もう、貴方じゃないんだから、そんなわけないでしょ。それより、ギアガの大穴はもう閉じちゃってるから、彼が探してるのはそれ以外の行き来出来る場所や方法ね。あるかどうかさえ分からないから、困難な旅でしょうね…」

盗賊「…あれ?とーぞくまちがえたこといったか?」

商人「ううん、ある意味正しい事言ってたよ。色々間違ってるのは魔法使いちゃんの方…」

商人「ええとだから、食べるっていうのはその…と、盗賊ちゃん、助けて!」

盗賊「そんなこともわからないのか?きってやいてガブリだぞ!!ためしに>>910を…」

商人「食べちゃダメだよ!?そ、そうじゃなくてさ…」

魔法使い「何をやってるの?ほら、今スマホでドラクエ3が安いらしいわよ。商人らしく宣伝してみたら?」

商人「え?あ、う、うん…えっと、ただ今スマートフォン版ドラゴンクエスト3が期間限定で値下がり中です!!きゅーとでせくしーだいなまいつな商人と旅が出来るのはドラクエ3だけ!!みんなでドラクエ3をプレイして、この夏を乗りきろう!!」

魔法使い「安売りは10日までだそうよ、お早めに…って私達は誰かの回し者か何か…?」

商人「あ、スマホ版に限らず、ルビス様はこのSSみたいなポンコツではないのでご安心下さい!!」

ルビス(ポンコツ!?ひどい…)

盗賊「ケチなのはかわらないけどな!!」

ルビス(そんな、ひどい…)

盗賊のガオーとかルビス様のそんな、ひどい…とか好き
1は次に何を書くか決まっているのかな?
挫折したって言う前作も気になるんだぜ

ポンコツ度数(戦闘以外)

ルビス様>魔法使い>とうぞく

勇者「あ、魔法使いさん、今日は何か御用だと聞いて来たのですが…」

魔法使い「ええ、ちょっと勇者殿の力をお借りしたくて…モシャス!!」ドロン!!

勇者「わっ!?わ、わたし!?」

勇者?「これは怒り。これは裁き。これは報い。これは滅び――乾坤一擲、魔を払え!!ギガデイン!!」ズガドーン!!

勇者「わわっ!?ま、魔法使いさん!?何を…?」

魔法使い「ふう。今ね、恐ろしい魔物がいたのよ。名前は>>942とか言ったかしらね?でもこれで平和は守られたわ。ありがとう」

勇者「い、いえ、わたしも平和の役に立って嬉しいです!!」

――

盗賊「ま、まほーつかい、こわいぞ…」カタカタ…

商人「み、見なかった事にしようね…」

魔法使い「さて…次、の話が出てるけど…」

商人「次書きたいものはおぼろげには考えていますが…まだはっきりとは決めてません」

盗賊「どっちにしろすぐはかかないぞ!!」

魔法使い「そうね、時間が空くのは確かね」

商人「きっと忘れられた頃にまた書きます!!その時にまた会えたら良いですね!!」

魔法使い「ただ…天空シリーズ、というか他のドラクエの話は書かないと思うわ。他のドラクエシリーズはキャラが固まってるから…」

商人「キャラ崩壊とか苦手だもんね」

盗賊「あれ?ルビスさまとかは…」

魔法使い「あれは蛇足だから良いの。そういうことにしときましょ」

商人「あ、あと挫折した前作の話だけど…」

魔法使い「…そんな事をまだ覚えてる人がいたのね。盗賊!」パチン

盗賊「おー!!>>941をやきにくにするぞ!!」キャッキャッ

魔法使い「…ふう、これで全ては闇の中…」

商人「い、今までで1番理不尽な焼き肉…」

そんなヒドイ...
戦闘以外でのポンコツ度を書こうと思ったけど思い留まったのに...

魔法版脳筋はこれだから...(ジャハルの鏡に身を隠しつつ)

魔法使い「…あんまりおいしくないわね」ポリポリ

盗賊「あー!!まほーつかい、なに食べてるんだ?まほーつかいばっかり食べてずるいぞ!!」ブーブー

魔法使い「これはね、種集めで余ってたちからのたねよ。二人にはもう必要ないし、勇者殿は自力でちからは上がるしね…」

商人「今更ちからのたね?どうしたの?」

魔法使い「それはもちろん…こうよっ」バキベキメキグシャッ!!

盗賊「おー!!おにく…あれ?まだいきてるぞ?」

魔法使い「何言ってるの、ここからが本番でしょう?ほら、商人があなほりで見つけたたくさんのどくばりで…」ドスッ

盗賊「おー!!>>949ききいっぱつ!!」キャッキャッ

商人「うわあ…これ、魔法でひと思いの方が楽だったんじゃ…」

商人「そういえばさ、前あたし達と同じパーティーで冒険してたって人いたよね…あの人、どうなったのかな?」

魔法使い「どうかしらね…?途中で挫折してなければクリア出来たでしょうけど…」

盗賊「しんりゅーはなんターンでたおせたんだ?」

魔法使い「私達は3人だと18が限界だったわね。やっぱり勇者殿がいないと…」

商人「うそう、あのと時は書き忘れてたけど、勇者サマが神竜と戦ってる時、魔法を唱えるたびふしぎなボレロに着替えてました!!」

魔法使い「魔力が足りなくなるかと思ってね…実際は着替えなくてもギリギリ足りたみたいだけど…」

盗賊「まりょくは200ちょっとあればたりたぞ!!」

商人「あと、普通勇者はごうけつとかタフガイとかで育てるみたいですけど、あたし達みたいな場合はごうけつはあんまりオススメしません」

魔法使い「勇者殿はベホマズン係になるから、力が必要ないのよね…体力はあった方が良いけど…」

盗賊「こんなぼーけんふつーはしないけどな!!」

魔法使い「まあそうなんだけどね…」

盗賊「たねもきのみもみんなおいしかったぞ!!」

魔法使い「貴方が不味いって言ったことあったかしらね…?」

盗賊「ラックのたねといのちのきのみはなまでもおいしいんだぞ!!ちからのたねとスタミナのたねはいって、すばやさのたねとかしこさのたねはスープで…」

商人「あれ?ふしぎなきのみは?」

盗賊「あれはまほーつかいが食べさせてくれないんだぞ!!」ブーブー

魔法使い「駄目に決まってるでしょう、あんな貴重品…まあ本当は勇者殿に使おうかと思ってたんだけど、使う前におわったのよね」

商人「勇者サマのかしこさを255にするのは大変だし…」

盗賊「でもいつかは食べたいんだぞ!!あといちばんおいしいのはおまえたちのホルモ…モガッ!?」フガフガ…

商人「ダメー!!誤解されたら大変だよ!!」

魔法使い「ここまで読んできた人達が今更誤解なんてしないでしょ…仮にされても…」

盗賊「もぎとるぞ!!」ガオー

商人「ええー…」

種や魔物より、我々の方がおいしいのかww

お、俺なんかより>>959の方が美味しいですよ!!!

おい人身御供やめーや

では商人! あなほりで堀り当てたお宝の中で、一番嬉しかったのはなに?

盗賊「モグ…モグ…んー、ちょっとこげちゃったぞ…」モグモグ…

魔法使い「仕方ないわね、私でもドラゴラムの火力調整は難しいもの」

商人「な、何を食べてるかはあえて触れないよ!!えっと、あなほりで1番嬉しかったものですけど…」

盗賊「ん?それこたえるひつよーあるのか?きいたやつはもう…」

商人「わーわー!!あ、あなほりで1番嬉しかったのは、やっぱりアッサラームで見つけたぬいぐるみかな?」

魔法使い「ああ、あれは助かったわね。それにしても、あの頃はまだシリアスの気が残ってたわよね。読み返すと少し恥ずかしいわね」

商人「そ、それは…あ、あとはやっぱり最初に見つけたしあわせのくつかな?やっぱり狙ってたものを掘り当てれるのは嬉しいです!!」

魔法使い「私としては、最初のふしぎなぼうしも嬉しかったわね。ぼうしも靴も最終的には山ほど手に入ったけど…」

盗賊「おにくもやまほどてにはいったぞ!!>>959>>958>>957に…」

商人「と、いうわけでした!!お分かりいただけたでしょーか!?」

魔法使い「…好きな呪文?ドラゴラムね、メタルも不届きものも憂鬱な気分も一瞬で灰に出来るわ、ふふふふふ…」

盗賊「ま、まほーつかい、どうしたんだ?」ビクビク

商人「あー…書き手が東北人だからね、今日はちょっとね…」

魔法使い「…でもいい試合だったわ、胸を張って帰ってくるのよ…そうね、モシャスもストレス発散には良いわね、盗賊に変身して>>966辺りを丸焼きに…」

商人「先回りして食べようとしないでよ!!」

魔法使い「どうせ『胸を張って?張る胸有るんですか??』とか言うに決まってるわ――ドラゴラ…」

商人「ひ、ヒクツになってる…今日はダメかなあ…あ、話は変わりますが、前兵士さんに恋するニワトリを、という話がありましたが…兵士さんはもう七角錐の少女の方が…」

盗賊「さけんでもさけんでもとどかないんだぞ!!」

魔法使い「…何の話をしてるの?」

商人「ううん、何でもない、何でもないよ…」

あうあうあーーーーwwwwwwwww(はんにゃのめん装備)

魔法使い「我が魔力、光となりてここに集い――暗き想いを解き放て!!シャナク!!」パアアア…

商人「ああ、>>966さんのはんにゃのめんが…!」

盗賊「おー!!これでやわらかくなったぞ!!」ガブムシャッ

魔法使い「まあ、物理的な守備力が上がってただけだから、呪文を使えばなんてことなかったんだけど…それより、貴方達の好きな呪文だそうよ」

盗賊「とーぞくはギラけーがすきだぞ!!ひかげんのちょーせーがしやすいんだぞ!!」

魔法使い「焼き肉には必須の呪文ね。さて、商人は?」

商人「えっと、あたしはやっぱり癒し系だから、ベホマラーとか…」

魔法使い「商人はザキだそうよ。お分かりいただけたかしら?」

商人「なんでそうなるの!?あたしは…」

魔法使い「ザキ、好きでしょ?」

商人「…好きだけど」

盗賊「とーぞくはザキきらいだぞ!!ザキでたおすとおにくが食べれなくなるんだぞ!!」

商人「とことんお肉中心なんだね…」

ルビス「はい皆さんお久しぶりです!!皆さんのヒロインのルビスですよー!!」ヒック

エルフ「久しぶりの登場なのにいきなり酔っ払ってる…」

ルビス「あの3人の身長はですね、特に決めてはないみたいです!ただ、魔法使い>商人>盗賊、といった感じのようですよ!」

エルフ「魔法使いは人間の女にしては少し背が高いくらいかな。商人は少し小さめね、体型もまあ、幼いかな。盗賊はまだ子供だしね。でも、魔法使い達と出会った時より大きくなったみたい。そのうち追い越されるんじゃないかって、商人は内心気が気でないみたいね」

ルビス「さて、私達が久しぶりに出てきた理由は…兵士さん!」

兵士「な、なんですか!?」

ルビス「兵士さんが魔法使いさんを好きになった理由などを詳しくお聞きしたくてですね~」ニヤニヤ

エルフ「なんでこのヒトこんなに俗っぽいの…?」

兵士「そ、それは…あいつはいつも落ち着いてるから、一緒にいても落ち着くし…ってルビス様?」

ルビス「で、これがムオル産のお酒です!!これがまた美味しくて…あれ?兵士さんまだ喋ってたんですか?」

兵士「………」

エルフ「さすがに申し訳ないわね…」

兵士「いや、分かってた、分かってたよ…」

案外盗賊みたいなのがないすばでぃに育ったりするのかねえ……
そして成長しきった盗賊に今一度賢者コスを……ぐへへ……

ルビス「カ、カジノ!?ポーカー!?わ、私のまだ見ぬ賭け事が!?そ、それはどこに、どこへ行けば出来るのですか!?この世界で出来ないというのなら…ラーミア!!今こそ貴方の真の力で異世界へ旅立つ時です!!さあ、解き放て!!ここで打つんだ!!杜の都の牛タンパワーで!!」

エルフ「ちょっ、落ち着いてよルビス様!!もう、こっちは興奮して収拾がつかないからそっちに返すわよ!!」

――

魔法使い「返すと言われたけど…」

商人「だ、誰が幼児体型!?このせくしーだいなまいつになんてことを…!やっぱりエルフと人間は憎しみあう定め…」

魔法使い「そんな事で憎しみ合わないでよ…全く、盗賊は盗賊で…」

盗賊「おー!!>>973のホルモン食べるぞ!!」キャッキャッ

魔法使い「ほら、千切る度に蘇生呪文使ってたら魔力が勿体ないでしょ。死なない程度で回復呪文を使えば…」

盗賊「まりょくもせつやくでおなかもへらないな!!」

魔法使い「そういう事よ。ああ、ベホマじゃなくても大丈夫よ、ちょっと痛みが残る位で構わないわ…そうそう、ちょっと悲鳴がうるさいけど…」

盗賊「そせーよりもはやく食べれるな!!」

魔法使い「そうよ…で?成長したらなんだったかしら?」

商人「さあ?きっとどーでもいい話だよ!」

盗賊「そーだな、それよりも食べるぞ!!」

ドラクエ好きとリョナ好きが集まるスレはここですか?

谷山浩子さんは綾辻行人作詞の曲を歌ってたりもするし、あながち関連がないということもないだろう

魔法使い「綾辻さん作詞の歌ねえ…今ちょうどそのアルバム聞いてるけど…」

商人「綾辻さん作詞の歌って、気付かれてはいけないと時計館の殺人だよね?なんで曲名からこんなに怖いんだろうね…ま、まあああたしはこわこわっくはないどけね?」

魔法使い「何言ってるかは分からないけど怖がってるのはちゃんと伝わるわね…」

商人「時計館の殺人は同名のミステリー小説があるんだよね?読んでみたい気もするけど…」

魔法使い「書き手は高校時代に同級生から綾辻さんの殺人鬼2とかいう小説を読まされて以来綾辻さんはトラウマだから、多分一生読むことはないでしょうね…」

盗賊「りょーきとかグロテスクとかなにがおもしろいかわからないぞ!!あ、おなかへった!!>>975のホルモンもぐぞ!!」ブチブチィ

商人「あ、うん、そうだね…あたしもそう思うよ…」

魔法使い「まあ書き手はミステリーなんてシャーロック・ホームズ位しか読んだことないけど…しかもスラスラと読めちゃうから推理しながら読んだりとかはしなかったわね」

商人「大体中学生時代に読んじゃったしね…」

盗賊「どーせすいりするあたまなんてないからかわらないぞ!!」

魔法使い「まあね…しかしマニアックな話題になったわね…」

>>970-971
答えありがとうございます。

ルビス様の答えから聞くに、予想だけど
魔法使い170cm 商人154cm 盗賊148cm
と、勝手に身長を予想してみた。

………魔法使いさんがクールビューティーな予想になってしまった、商人ちゃんは綺麗よりは可愛い印象、盗賊ちゃんは幼さ故の愛でたい感じかな?

故に三人ともそれぞれの呪文の好みが………

商人「ほら!!やっぱりきゅーとでせくしーだいなまいつなあたしには回復魔法が似合うって!!」

魔法使い「誰もそうは言ってないようだけど…」

商人「同じような事だよ!!ね、盗賊ちゃん?」

盗賊「めでたい?………あ、おかしらつきか!!>>978がとーぞくをおかしらつきで食べようとしてるんだな!!やだやだ!!とーぞくが>>978を食べるぞ!!」ガオー

魔法使い「ちょっと、そっちのめでたいじゃないわよ!可愛がりたい、って事よ」

盗賊「かわいがる?ごはんおごってくれるんだな!!じゃあ食べるのはごはんおごってもらってからにするぞ!!」

商人「おごってもらったら食べちゃダメだよ!?それより、盗賊ちゃんに似合う魔法って…」

魔法使い「そうねえ、愛でたい感じの…ピオリムとかどうかしら?」

商人「あ、いいね!パ行ってなんか可愛らしいし!」

盗賊「パぎょーがいいのか?じゃあパルプンテにするぞ!!パぎょーたくさんだぞ!!」

商人「え、ええー!?」

魔法使い「まあ似合うといえば似合うかしらね?そもそも、似合う呪文をコーディネートするのが今回の主旨だったかしら…?」

ルビス「そうそう、さつじんきとか物騒ですよね」チラッ

エルフ「格好もド変態だしね」チラッ

カンダタ「な、なんで私の方を見るんですか!?」

エルフ「だって、同じような格好のド変態スタイルじゃない」

カンダタ「そんな、ひどい…同じような格好ならオルテガさんだって…」

エルフ「オルテガは昔に容量の都合であんな格好させられてただけだし、今はちゃんとした格好してるわよ!!あんたみたいなド変態の犯罪者と一緒にしないで!!」クワッ

カンダタ「そんな、ひどい…」

ルビス「あー、ダメですよカンダタさん、恋する乙女にそんな事言ったら…」

エルフ「だ、だからそんなんじゃないってば!!このへっぽこ酒浸り創造主!!」

ルビス「そんな、ひどい…」

でもこのスレのお陰でカンダタやルビス様に親しみが持てるようになったわ
他にもアリアハンの倉庫番や大臣に神竜、竜王…は親しみ感じても良いもんなのかねw

そういや神竜とルビス様だと、やっぱり神竜の方が偉いのかな?

ルビスさんへっぽこだし、神竜様より偉いわけないじゃん。

盗賊「したしみ…?>>981を食べても良いみたいだぞりゅーおー!!」

商人「なんで親しみイコール食べちゃうの!?」

竜王「グルルル…>>981、タベル…」

魔法使い「もう、その気になっちゃったじゃない…」

竜王「ガルル…>>982モタベル…」

盗賊「む、それはだめだぞ!!」

商人「おー、ちゃんとしつけをして…」

盗賊「そっちはとーぞくのぶんだぞ!!」

商人「あ、うん…」

魔法使い「でも分け合う事が出来るようになったんだもの、上出来よね」

盗賊「りゅーおー、もしそれでたりなかったら?」

竜王「ショウニン、タベル…」

商人「食べないでよ!?」

魔法使い「これが盗賊なりのしつけなんでしょうね…」

ルビス「おほん、私と神竜の力関係ですけど…」

エルフ「ルビス様の完全敗北よね」

ルビス「な、なんでそう言い切るんですかっ!?」

エルフ「だって、あの3人に聞いたら神竜って多分大魔王より強いって言ってたわ。その大魔王に石にされたルビス様じゃあ…」

ルビス「な、なんでですか!?世にも美しい石像だったでしょう!?」

エルフ「そういう問題じゃないでしょ…」

ルビス「うう、かくなるうえは…私が上だって証明してみせます!!」

エルフ「どうやって?」

ルビス「神竜を倒すに決まってるじゃないですか!さあ、貴方も行きますよ!!あとは兵士さんも呼んで…」

エルフ「私も!?本気なの!?」

ルビス「本気です!!あとはカソダタさんにも着いてきてもらって…」

エルフ「はあ…結果は見えてると思うけど…そもそも神竜の所まで行けるわけないじゃない…」

――謎の塔

エルフ「ホントに来ちゃった…」

カソダタ「まさかまたここに来るとは思わなかったですよ…」

兵士「全くです…というか、今や自分の旅を始めた俺まで召集されるとは…」

ノレビス「さあ、それではここから倒せそうな敵を倒してレベルを上げつつ神竜の所まで行きますよ!!」

エルフレベル10「倒せそうな敵って…そんなのいるの?」

ノレビスレベル11「分かりません!!」

カソダタレベル75「うーん、我々はともかく、お二人のレベルでは…まああてが無いことも有りませんが…」

兵士レベル28「あて…?」

カソダタ「ええ、とりあえず行ってみましょう。というか、行かないと納得しないでしょうし…」チラッ

ルビス「さあ、精霊ノレビス伝説のスタートですよ!!行きましょう!!」

兵士「そっすね…はあ」

エルフ「…さっきから逃げまくってるけど、ホントに私達に倒せる魔物がここにいるの?」

カソダタ「ええ、おそらく、ですが。しかしここの強力な魔物からも逃げられるものなのですなあ」

ノレビス「先頭のカソダタさんのレベルが高いですからね…あっ!」

――デーモンソードがあらわれた!!

カソダタ「ああ、あいつらですよ。では戦ってみましょう」

エルフ「あいつら!?強そうだけど、ホントに大丈夫なの!?」

カソダタ「ええ、おそらくですが…」

デーモンソードのこうげき!!ノレビスはしんでしまった!!

エルフ「ちょっと、いきなり死んで…!?」

デーモンソードはやけつくいきをはいた!!エルフはしびれてうごけなくなった!!

エルフ「ほんと…に、だい…じょ………?」クタアッ…

カソダタ「ええ、ええ、では反撃しますよ」スチャッ

兵士「流石に肝が座ってるな…広く名を轟かせた大盗賊なだけはあるって事か…しかしここから逆転なんて出来るのか…?」

――デーモンソードのこうげき!!デーモンソードのこうげき!!デーモンソードのこうげき!!

カソダタ「おっと、私に攻撃が集まりましたか、これはちょうどいい――このように、この魔物は一人に対して集中攻撃をする習性があります。なので、私が防御してある間に兵士さんに魔物を倒してもらおう、という訳です。さあ!」

兵士「なるほど、ならばあいつらから貸してもらってるこのらいじんのけんを使って…おらあっ!」ゴオオオ…

デーモンソードをたおした!!デーモンソードをたおした!!

カソダタ「残りは1体ですね、余裕が出来たので今のうちにせかいじゅのはでノレビス様を…」パアアア…

ノレビスはいきかえった!!

ノレビス「あれ?私は…」

兵士「よし、残りは1体なら直接…らあっ!!」ザクッ

――デーモンソードたちをやっつけた!!

ノレビス「やった!!これが私達の実力ですよ!!」ドヤッ

兵士「ノレビス様ほとんど死んでたじゃないですか…」

エルフ(…早くまんげつそう使ってくれないかな)

――謎の塔頂上

ノレビスレベル16「そして私達はデーモンソードとだけ戦ってレベルを上げた後ここにたどり着いたのでした!!」

エルフレベル16「レベル上がったの私達だけだけどね。それにしてももう頂上に着いたんだ?」

ノレビス「ええ、もう990も越えてきたので、モタモタしてられません!!」

兵士「そっすか…で、カソダタさん、今回は勝算は?」

カソダタ「いやあ、無理でしょう。何ターン持ちますかねえ…」

兵士「っすよね…」

ノレビス「ごちゃごちゃ言ってても仕方ありません、さあ行きますよ!神竜!私が分かりますか?」

神竜「む…見たことのある顔もあるが…お前は精霊ルビスか?」

ノレビス「違います!!ノレビスです!!」

神竜「そうか、人違いか。なら知らぬな」

ノレビス「こ、この私を、アレフガルドの創造主兼ヒロインのノレビスを知らないのですか!?許しませんよ!!」

エルフ「うわ、めんどくさっ!」

神竜「なんだ?やはりルビスなのか?まあどっちでも構わん、さあ来るがよい!!」ガオー

――しんりゅうがあらわれた!!

ノレビス「さあ、ついに神竜を倒して私が天界の主になる時が来ましたよ!!」

エルフ「そんな大それた事考えてたの!?」

ノレビス「もちろんです!!さあ、まずは私が………何しましょう?」

エルフ「………」

カソダタ「ええ、ノレビス様はけんじゃのいし係をやってもらいます」

エルフ「ノレビス様が回復係…遊んで回復をサボるといけないから、スクルトかけたら私も回復に回るわ」

カソダタ「ええ、お願いします。兵士さん、我々は壁役兼攻撃役です」

兵士「ええ、そうなるでしょうね。しかし、相変わらず巨大な竜で…」

しんりゅうはノレビスをかみくだいた!!ノレビスはしんでしまった!!

エルフ「ちょっと、いきなり!?」

カソダタ「ああー、これは…」

兵士「走馬灯の上映会が始まりそうですね。やっぱりノレビス様と行動するとろくなことがないな…」

――アリアハン、謁見の間

大臣「おお兵士よ!!死んでしまうとは不甲斐ない!!…全く、城勤めを辞めて旅に出たと思ったら、死んで帰ってくるとはな」

兵士「はあ、返す言葉もありません」

大臣「しかし無謀な事をしたものだな。死にに行ったようなものではないか」

兵士「仰る通りです…」

大臣「これで旅にも懲りたであろう、また前のように私の下で働いてはどうだ?全く、お主といい魔法使い達といい、皆私の下を離れてしまっては王座を奪い取る事もままならぬわ」

兵士「大臣、声が大きいですよ」

大臣「おおそうか、いやいや確かにな、ははははは!!」

兵士「勿体ないお言葉ですが、俺はまだ旅を続けますよ」

大臣「そうか、それは残念…しかしお主、ノレビス様に下の世界まで連れてってもらえば良かったのではないか?」

兵士「まあそうなんですが…意地って奴ですかね…」

大臣「なるほど意地か。分かるぞ、男だからのう。男は大変じゃな!!ははははは!!」

兵士「ええ、全くですよ…」

――ラダトーム

ノレビス「――という訳で、神竜は8ターンでした!!」

盗賊「おおー、8ターンでたおしたのか!?すごいな!!」

エルフ「そんな訳ないでしょ。8ターンで全滅よ」

魔法使い「まあそうでしょうね…カソダタさんもお疲れ様」

カソダタ「ええ、どっと疲れましたよ…」

商人「大変でしたね…」

盗賊「ぜんめつしたのか?だらしないぞおやぶん!!」

魔法使い「そう言わないの。まあ、無謀の極みだとは思うけど…」

エルフ「本当よ。もうこんな事嫌だからね!」

ノレビス「大丈夫です!!もうすぐこのスレ終わりますから!!」

商人「うわあ、見も蓋もない…」

魔法使い「そろそろおしまいか、じゃあ悔いが残らないように…」

盗賊「これからコメントくれるやつらみんな食べないとな!!」

商人「そんな事言ったら誰もコメントしてくれなくなるよ!?」

11ヶ月お疲れさま、本当に楽しかった。>>1に心からの感謝を
http://m1.gazo.cc/up/22851.jpg

前スレ用
http://m1.gazo.cc/up/22852.jpg

※誰も見てないと思うけど、念のため転載禁止でオナシャス

これを差し上げますので、私を食べるのだけはどうかお許しをぉ……

つ 乙

盗賊「乙…?これどうやって食べるんだ?………うー、わかんないから>>999ごと食べるぞ!!」ガオー

魔法使い「ちょっと、落ち着きなさい!ほら、これ見て、私達の可愛い絵を描いてくれた人がいるわよ」

盗賊「お?おー、きねんに>>998のおにくはほしにくにしてながくほぞんするぞ!!」

魔法使い「干し肉にすれば思い出が長続きするものなの…?あら、商人どうしたの?」

商人「んー、きゅーとさはともかく、あたしの溢れだすせくしーだいなまいつっぷりがたりないかなーって…こう…ボンキュッボン!!的なさ…」

魔法使い「あの拙い文章からよくこれほど忠実に描いてくれたわね、ありがとうって言ってるわ」

商人「言ってないよそんな事!?でも、今回はちゃんと保存しとかないとね。昔、10年位前にも二次創作書いてイラスト描いてもらったんだけど…」

魔法使い「保存する前にサイトがなくなっちゃったのよね…もうあんな事がないようにしないとね」

盗賊「もうほぞんしたけどな!!」

魔法使い「ええ、あとこのSSを読んでまたドラクエ3を始めたっていうのも嬉しいわね」

商人「私達とは違う、皆さんの冒険者達が無事に世界を救う事を祈っています!!さて、何かあたし達もお礼をしたい所だけど…うーん、お礼になるか分からないけど、グーグル先生に『盗賊「仲間にならない?」狩人「いっすよ」』で検索すると、書き手の昔挫折したSSが出てくるはずです」

魔法使い「まあ、挫折したSSなのだから、あまり期待しないで見てほしいわね。感想を書かれるのが怖いから、という理由で1000になるまで伏せていたわけだし、自信は全くないわ」

盗賊「へったくそだからな!!」

魔法使い「そうね。さあ、もうお別れよ。この前も言ったけど、またあの言葉で締めましょう…せーのっ!」

3人「またいつか!!」

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