【艦これ】赤城「最近全く出番がない……」 (61)
~司令部施設~
提督「今日の出撃メンバーは……」
赤城(今日も私は出番がなかった)
赤城(もうここ数か月出撃していませんね……)
赤城(ああ、あの海に出る時の皆の輝くような顔)
赤城(私も昔はあんな感じだったのでしょうか)
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~ある日~
赤城「はぁ……」
赤城「もう私の出番は終わってしまったのかしら……」
赤城「それはそうよね……一航戦(笑)なんてもう駄目なのよね……」
赤城「所詮皆から暴食空母、妖怪食っちゃ寝と言われるだけの存在……」
赤城「いえ、ネタになるだけまだましなのかもしれません」
赤城「名前は出しませんが、話題にもならない艦というのはたくさんいますしね……」
雲龍「何を暗い顔をしているの?」
赤城「雲龍さん……」
雲龍「私でよければ相談に乗りますが?」
赤城「私でよければ、ですか……謙遜されちゃって」
雲龍「えっ」
赤城「雲龍型航空母艦、一般的な提督からはあらゆる性能が低いという理由であまり使われない方です」
雲龍「あ、あの」
赤城「ですがその本領はその燃費にあります」
赤城「なんと加賀さんや大鳳さんの約1/3。これは戦果稼ぎやレベリング等の周回をする際に非常に大きいアドバンテージとなります」
赤城「おまけに火力の値も48と決して低くはない……私や加賀さんの火力が49なのを見てもそれは明らかでしょう」
雲龍「そ、そうね。でも」
赤城「他にもありますよ?例えば装甲。77という値は別に低いものでもなく、むしろ高い部類です」
赤城「さらに耐久。60と一見低そうに見えますが周回で使うとなると話は別です」
赤城「先ほど述べた高装甲と合わせるとカスダメやワンパン大破に強く、結果修理費も安いということになります」
赤城「総合的に見ると、軽空母より強く正規空母平均よりはやや弱い。ですがその装甲・火力は正規空母とほぼ同等で、燃費も軽空母と大して変わらない」
雲龍「う、あ……」
赤城「雲龍さん」シャフ度
雲龍「は、はい!?」
赤城「貴方、着任してからこの使い勝手の良さからほぼずーっと提督に使われていましたよね?」
雲龍「……っ!」
赤城「それなのに『私でよければ』……?エリートはいいですよね。目線が違います」
赤城「天城さん、最近着任したもう一人の雲龍型……彼女もまたあなたと同じような道を辿っていますね。最近の出撃はあなたと天城さんの二人が占めてますから」
雲龍「あ……ああ!用事があったのを思い出したわ!それでは失礼します!」ダダダ……
赤城「…………」
赤城「……はぁ、こんなこと言うつもりなかったのに」
~別の日~
飛龍「あれ?赤城さん。こんにちわ」
赤城「飛龍さんですか。こんにちわ」
飛龍「どうしたんですか?ちょっと顔色悪いですけど」
赤城「いえ、大丈夫ですよ」
飛龍「無茶しないでくださいね?出撃が無いとはいえ体調が崩れないとは言えないんですから」
赤城「出撃がない……そうですね、貴方とは大違いです」
赤城「飛龍型一番艦、飛龍。その能力は他の空母とは一線を画します」
飛龍「えっ、別にそんなことは」
赤城「最も特徴的なのはその圧倒的火力。64という値は砲撃戦において実数値151となり、素昼キャップを越えます」
飛龍「キャップ?実数値?」
赤城「流星改を二つ搭載することで実数値190。反抗戦ですらキャップを越す、まさに火力お化け」
赤城「よって提督からは貴重な砲撃支援艦としてよく使われています」
飛龍「た、確かにそうだけれど」
赤城「じゃあ支援以外は使えないのか?そんなことはありません」
赤城「回避値が高いこと。これはワンパン大破が頻出する難関海域ではとても重要なものです」
赤城「艦載機スロット配分も悪くありません。第二スロットが36と大きく、ここに強い艦戦を積むと大きく制空値が上がります」
赤城「さらに4スロット目の少なさ……逆に言うと他3スロットにその分搭載数が傾いており、この小さいスロットは整備員や彩雲を積むのに非常に都合がいい」
赤城「やられる前にやれ、とはよく言ったものです。飛龍さんの大火力高回避はまさに決戦にも適しているのです」
飛龍「」
赤城「そういえば……飛龍さんは蒼龍さんと仲が良かったですね」
飛龍「は、はい!でも蒼龍は私に比べると微妙な性能でして!決して赤城さんが劣るようなことなど」
赤城「果たしてそうかな?」(不審者並感)
飛龍「!?」
赤城「確かに蒼龍さんは索敵以外あなたの下位互換……あらゆる性能が微妙なのは私と変わらないでしょう」
赤城「ですが私より燃費が安い。これは飛龍さんにも言えることですが」
赤城「私と同じような性能でありながら燃費が安ければ、当然皆安い方を使うでしょうね」
赤城「一見低い耐久装甲もやはりカスダメの防止などから修理費の節約につながる」
赤城「そして何より、貴方たちは超強力なネームド艦載機を持ってくるじゃないですか」
赤城「蒼龍さんはそれが顕著です。江草牧場というものが存在する程度には重要視されています」
赤城「といより飛龍さん?」(血走った目で下から見上げる)
飛龍「ひっ……助けてぇ……提督ぅ、多門丸ぅ……」
赤城「自分の相棒をそんな風に言うのは頂けないですね」
飛龍「う……うえ……ぐすっ……」
赤城「いつも一緒にいる友人だと思っていたのですけど、違いましたかね?」
赤城「蒼龍さんは『これで飛龍には負けません!』と貴方を良きライバルのような見方をしていたというのに……」
赤城「先ほどの助けを呼ぶところでも、それどころか普段も蒼龍さんのことなんて一回も発言しませんよね?」
飛龍「うわああああああ!!ごめんなさいいいいいい!!」ダダダ……
赤城「あっ、行ってしまいました……」
赤城「私も蒼龍さんのことを貶す様な発言をしてしまったのに……」
赤城「私って嫌な女ですね……」
~また別の日~
大鳳「」ガツガツバクバクムシャムシャモグモグ
大鳳「お代わりいただけますか?」
赤城「大鳳さん、よく食べますね」
大鳳「ええ!腹が空いては戦もできぬ、提督のお力にはなれないわ!」
赤城「……私は満腹でも活躍できません」
大鳳「そうですか?」ガツガツバクバクムシャムシャモグモグ
赤城「貴方にはわからないでしょうね、装甲空母大鳳さん?」
大鳳「えっと……何か怖いですよ?赤城さん……」バクバクムシャムシャモグモグ
赤城「装甲空母の特性として中破でも攻撃できるという大きなアドバンテージがあります」
赤城「加えて高火力。適当な艦攻・艦爆を装備するだけで同航戦キャップに達します」
赤城「この二つを併せるとそれはもう強力な雑魚狩り要因として機能することななりますね」
大鳳「…………」ムシャムシャモグモグ
赤城「スロット配分も完璧。最少スロットには整備員や彩雲、爆戦などの補助的装備を入れれば隙無しです」
赤城「制空能力も高い。全スロット考慮だと4位、最少スロットを加味しなければ2位という優秀さ」
赤城「改造時に烈風や10cm連装高角砲(砲架)といったレアな装備を持ってくるのも魅力的です」
大鳳「…………」モグ…モグ…
赤城「さらに低耐久高装甲という条件も満たしている。カスダメに強く運用しやすい」
赤城「運が低く見えますが、運なんて空母だとただの案山子ですね。意味のないものです」
大鳳「…………」
赤城「貴方は確かに燃費は最悪、運や回避も低い、胸も小さい」
大鳳「ちょ」
赤城「ですがそれを持って有り余る強さがある……提督がよく運用されるのも頷けますね」
赤城「筋トレやスポーツ好きなのもポイント高いです。爽やかさがありますから」
赤城「反して私は特に何もせずに食っちゃ寝……何が違うんでしょうね?」
大鳳「……ご、ご馳走様でした」スタスタ…
赤城「私って何なのかしら……?」
~またまた別の日~
瑞鶴「翔鶴姉!最近私胸が大きくなってきたんだよ!」
翔鶴「あらあら、そういうことは大声で言うものじゃないわよ?」
瑞鶴「いいじゃない、どうせ男の人なんて提督しかいないんだし」
翔鶴「瑞鶴、もっと御淑やかになってほしいのだけれど……」
瑞鶴「これが私の性格だもん!でもこれでいつかは加賀さんみたいに大きくなるかなぁ」
翔鶴「ふふ、だといいわね」
赤城「加賀さん、ですか。そうですか。私のことは眼中にありませんか」
瑞鶴「うぇおぇああ!ビックリしたぁ!!」
翔鶴「赤城さん、いつの間にそこに……」
赤城「さっきから居ましたよ……」
瑞鶴「ど、どうしたんですか!?何か凄いやつれてますけど!!」
赤城「心配いらないわ、ここ最近眠れてないしあまり食べてないだけだから……最も、出撃もしない私なんかが食べても意味ないけどね……」
翔鶴「でも少し休まれては」
赤城「私は十分休んでいますよ?忙しい貴方たちとは違ってね……」
赤城「翔鶴型航空母艦姉妹……かなりのレア度を誇るものの性能やポテンシャルはとても高い」
赤城「その平たい胸族のようなスロット配分は、制空権争いの航空戦で2位タイの実力」
赤城「平均的なスロットは一つのスロットでは突出したことが出来ないとはいえ、全スロット使用の一点特化としてならピカ一の安定感を持ちます」
赤城「火力の低さが弱点とはいえ、昨今の制空値インフレを考慮すると艦戦キャリア化は立派な能力の一つとなる……」
瑞鶴「どうしよう翔鶴姉、何か語りだしたんだけど……」
翔鶴「平たい……胸族……?」
赤城「また回避が中々高く、瑞鶴さんに至っては運が高く改造レベルすらも低い」
赤城「まるで翔鶴さんから運を吸い取った代わりにいらない改造レベルを与えたみたいですね……」
瑞鶴「ちょ、違うからね翔鶴姉!!」
翔鶴「分かってるわ瑞鶴、落ち着いて」
赤城「そしてここまで利用の幅が広いにもかかわらずその燃費は私より低いです……」
赤城「どこにでも使いまわせる便利な女といったところでしょうかね、ふふっ」
瑞鶴「怖い!赤城さん怖いよ翔鶴姉!!」
翔鶴「便利な女……提督から頼られるならそれでもいいかも」
瑞鶴「翔鶴姉!?」
赤城「ふふ、私はもういらない子なんだ。あははははは」
翔鶴「と、とりあえず赤城さんを医務室に運ぼう!」
翔鶴「体だけの関係でも……ふふふふ」
瑞鶴「助けて下さい!!誰か、助けてください!!」(世界の中心並感)
~その後~
赤城「医務室に運ばれてきました……」
赤城「私、この鎮守府にいる意味あるのでしょうか……」
赤城「活躍できないどころか嫉妬で皆を困らせてしまうなんて……」
加賀「赤城さん、失礼します」
赤城「加賀さん……」
加賀「お身体は大丈夫ですか?」
赤城「ええ……心配かけてごめんなさい」
加賀「……ここ最近赤城さんが自分のことで強い不安を持っていることは知っていました」
赤城「…………」
加賀「そしてその不安をぶつけるために他の空母と自分を比べてしまっていることも」
赤城「私は、どうすればいいのでしょう」
加賀「……まずは、他の方みたいに私にも同じことをしてみてください」
赤城「え……」
加賀「正規空母で話していないのは私だけでしょう?だから」
赤城「……加賀型航空母艦、加賀。私と同じ一航戦です」
赤城「ですが一航戦といっても私のような飾りだけの誇りではなく、性能も活躍も最強と言っていいもの……」
加賀「…………」
赤城「どこが強いのか、まずは艦載機スロット」
赤城「搭載48の3スロット目にはどの艦載機を乗せても最大限の仕事をします」
赤城「とりわけ烈風改を乗せると他空母には到底できない制空値を叩きだし、無類の強さを誇る」
赤城「では他のスロットはどうなのかというと、20という最低限の性能を発揮できる1・2スロット、対空が高かったり道中が長い場合以外は生き残りやすい12機の4スロットと隙がありません」
加賀「……続けて頂戴」
赤城「……耐久もトップであり、回避などのステータスも決して低くない」
赤城「欠点と言えば燃費の悪さ。それでも大鳳さんよりは低いです」
赤城「火力が最近の敵の装甲インフレに付いていけてないとはいえ、それは同等の値を持つ私も同じこと」
赤城「いえ、46スロットに天山(友永隊)を積めば開幕攻撃で絶大な威力を出せるので私よりも強いでしょうね……」
赤城「『大和型がいなくても困らないが、加賀がいないと困る』とまで世間では言わせしめるほどです」
赤城「……こんなところでしょうかね」
加賀「そうね、確かに赤城さんの性能は最近の空母たちに比べると大分劣ってしまうわ」
赤城「ですよね……何が一航戦の誇りですか。こんなもの何の意味もない」
加賀「そうでもないのでは?」
赤城「……どういうことです?」
加賀「赤城さんは他の方の長所ばかり目を付けてしまって自分のことを考えていません」
加賀「貴方のやってきた指摘も全て的を射ている……意味がないわけではないわ」
赤城「…………」
加賀「……今度は、私が赤城さんの長所を教えてあげます」
加賀「赤城さんはここの鎮守府では最も早く着任しました。任務報酬とはいえ最初期から空母を使えるのは大きな利点です」
加賀「提督からの信頼も最も厚い。練度もこの鎮守府では指折りの高さですね」
赤城「……!」
加賀「高耐久高装甲、これも生き残りやすいという利点でしょう」
加賀「後は……」
加賀「……どうしましょう、もうネタがなくなってしまいました」
加賀「胸は……私の方が大きかったですね」
赤城「……ぷっ、あはははは」
加賀「?」
赤城「そうか、私は提督の一番初めの空母」
赤城「それに私たちの提督は性能だけで見ているわけではない、というのは分かってたはずなのに」
加賀「赤城さん……」
赤城「ですが加賀さん、私が最も練度が高いというのはもう昔の話……練度が極限に達してから放っておかれているのです」
赤城「だから、今では他の方も……」
加賀「それは私もよ」
赤城「え?」
加賀「何故だか最近提督は雲龍さんや天城さんなどの比較的新艦ばかり使っているの」
赤城「どういうことなんでしょう……?」
ピンポンパンポン
『えー正規空母達に告ぐ。全員執務室に来てくれ。大事な用事だ。繰り返す……』
赤城「なんでしょう?」
加賀「取り敢えず行ってみましょう」
~執務室~
提督「よく来てくれたな」
蒼龍「どうしたんですか?正規空母全員なんて」
提督「いやなに、これをお前たちに渡さなくてはいけなくてはな」
天城「何でしょう、この箱は?」
提督「ケッコン指輪。全部で9個」
大鳳「ええ!?」
提督「いやなに、ケッコンってするときに演出が長いんだよ。だから一気に済まそうかなって」
赤城「では、最近私を使わなかったのは……?」
提督「経験値が勿体ないし、天城や雲龍を急いで育てていたからな……放っておいてすまなかった」
赤城「性能が低いからではなくて?」
提督「そんなわけないだろう。性能だけで選んでたらうちの鎮守府は半分くらいメンバーが消えるぞ」
提督「赤城は俺の大事な人だ。見捨てるなんてことは絶対にしない」
加賀「赤城さん、良かったですね」
赤城「……はい」
赤城「提督に必要にされている……それだけで十分です」
提督「というか、これでさらに練度が上がるようになるから赤城にはこれから出ずっぱりになってもらうぞ」
赤城「はい!よろしくお願いします!」
飛龍「…………」(赤城と蒼龍を見てビクついている)
雲龍「それにしても全員同時だなんて雰囲気もへったくれもないですね」
提督「カッコカリなんだから適当でいいんだよ」
翔鶴「そんなことはありませんよ!」
瑞鶴「まぁ、一応こんなに練度が高くなるまで付き合ってきてるもんね」
提督「気持ちは嬉しいが何せ時間がなくてな。こんなまとめるような形で済まないが納得してくれ」
加賀「でしたら、提督が一番好きな方は誰なんでしょうか?」
提督「えっ」
赤城「えっ」
飛龍「」ビクッ
蒼龍「あー気になる!」
天城「普段平等にしか接しないですもんね」
大鳳「教えてください!」
瑞鶴「こういう時くらいハッキリしてよね!」
翔鶴「…………」
加賀「…………」
提督「ああ、しょうがないな……」
提督「俺の一番は、空母で最も付き合いの長い──────────」
終わり
どういう艦も使い道と好み次第
最近雲龍型ってゴミだよねとか言われて勢いで書いた。そして赤城の使い道がマジでないことに気が付いた
でも赤城はおたべさんの本でオカズに使ってるからいないと困る、そんな存在
何が言いたいかというと改二で救済はよ
なおここに書いてあることは自分調べだから間違ってるかもしれない
では読んでくれてありがとうございました
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