剣士「女エルフを手に入れた」(8)

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白い山脈のなかほどより、悠々と馬を歩かせる二人が遠目ながらよく見えた。
獣人の高い視力にくわえ、魔法で矯正すれば、それは難しいことではない。

一人は女エルフ。
一人は……剣士。

角娘「……」

大切な者を殺し、強引に純潔を奪った鬼畜が、とうとう自国に足を踏み入れてきた。

角娘(お前だけは許さない)

だが真っ正面から戦ったとして、おそらく勝ち目はない。
だから、今は機会をうかがうほかなかった。

角娘(王都に向かうなら…この山脈を必ず抜ける)

角娘(…そのときに)

角娘(必ず)

小柄な娘は復讐に取りつかれ、血走ったまなこでコブシを握る。


少しずつ、歯車は動き出していた。

東の国編:ep1 fin

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